JP2008303957A - 防振装置 - Google Patents

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浩佑 中山
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Abstract

【課題】内筒の外周面と防振基体との間における接着界面の剥離を防止することができる防振装置を提供すること。
【解決手段】内筒10の外周面は、複数の曲線壁面部11により構成されており、これら複数の曲線壁面部11は、内筒10の軸心Oに垂直な断面形状において外方に凸の曲線状(円弧状)に形成されているので、その分、内筒10の外周面における表面積を拡大することができる。これにより、内筒10の外周面に加硫接着される防振基体を保持するための接着面積を内筒10の外周面において十分に確保することができるので、荷重入力時における内筒10の外周面(接着界面)に作用する単位面積当たりの荷重を小さくして、内筒10の外周面と防振基体との間の接着界面に剥離が発生することを抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、防振装置に関し、特に、内筒の外周面と防振基体との間における接着界面の剥離を防止することができる防振装置に関するものである。
防振装置として、筒状の内筒と、その内筒の外周面側に所定間隔を隔てて配設される筒状の外筒と、ゴム状弾性材から構成され外筒および内筒を加硫接着により連結する防振基体とを備えるものが知られている(特許文献1)。
このタイプの防振装置は、自動車の各所に使用されており、例えば、車体とサスペンションとの連結部位(車輪側のサスペンションアームとフレーム等の車体側メンバとの連結部位など)や振動発生体を車体に支持する部位(エンジンを車体フレームに支持する部位など)に、振動減衰や緩衝などを目的として使用されている。
ところで、自動車のサスペンション機構に使用される場合などでは、軸直角方向だけでなく、こじり方向やねじり方向の荷重も防振装置へ入力される。そのため、上述のように外筒を備える防振装置では、加硫成形後の防振基体の収縮を取り除いて耐久性を向上させるべく、加硫成形後に外筒を縮径方向へ絞り加工を行うことも行われている(特許文献2)。
特開2002−81479号 特開平11−230224号公報
しかしながら、上述した防振装置では、外筒の内周面における表面積に比較して、内筒の外周面における表面積が小さく、防振基体を保持するための接着面積を十分に確保することが困難であった。そのため、荷重入力時には、内筒の外周面(接着界面)に作用する単位面積当たりの荷重が大きくなり、内筒の外周面と防振基体との間の接着界面に剥離が発生するという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、内筒の外周面と防振基体との間における接着界面の剥離を防止することができる防振装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の防振装置は、内筒と、前記内筒の外周面側に同軸状に配置される外筒と、ゴム状弾性材から構成され前記外筒の内周面と前記内筒の外周面との間を加硫接着により連結する防振基体とを備えるものであり、前記内筒は、周方向に分散配置される複数の仮想点に対し、前記複数の仮想点の内の隣接するもの同士を連結する複数の曲線壁面部を備え、前記複数の曲線壁面部によって前記内筒の外周面の少なくとも一部または全部が構成され、前記曲線壁面部は、前記内筒の軸心に垂直な断面形状において外方に凸の曲線状に形成されている。
請求項2記載の防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記内筒は、前記複数の曲線壁面部が前記断面形状において円弧状に形成されると共に、前記断面形状において円形となる仮想円に内接する位置に前記複数の曲線壁面部が配設され、かつ、前記仮想円の中心が前記内筒の軸心に一致している。
請求項3記載の防振装置は、請求項2記載の防振装置において、前記内筒は、前記断面形状において直線状に形成され前記複数の仮想点の内の隣接するもの同士を連結する直線壁面部を備えると共に、前記複数の曲線壁面部が前記断面形状において円弧状に形成され、前記曲線壁面部と直線壁面部とが周方向に交互に配設されている。
請求項4記載の防振装置は、請求項1又は2に記載の防振装置において、前記内筒は、前記複数の曲線壁面部が前記断面形状において円弧状に形成されると共に、前記断面形状において直線となる仮想直線を接線とする位置に前記複数の曲線壁面部が配設されている。
請求項1記載の防振装置によれば、内筒は、周方向に分散配置される複数の仮想点の内の隣接するもの同士を連結する複数の曲線壁面部を備え、それら複数の曲線壁面部により外周面の少なくとも一部または全部が構成されると共に、複数の曲線壁面部は、内筒の軸心に垂直な断面形状において外方に凸の曲線状に形成されているので、その分、内筒の外周面における表面積を拡大することができる。
これにより、防振基体を保持するための接着面積を内筒の外周面において十分に確保することができるので、荷重入力時には、内筒の外周面(接着界面)に作用する単位面積当たりの荷重を小さくして、内筒の外周面と防振基体との間の接着界面に剥離が発生することを抑制することができるという効果がある。
また、曲線壁面部を曲線状に形成することで、内筒の外周面における表面積の増大を効率的に行うことができるという効果がある。
更に、曲線壁面部を、上述したように、内筒の軸心に垂直な断面形状において外方に凸の曲線状とすることで、どの方向から荷重が入力されても、その荷重を同じ曲面形状により受けることができるので、荷重入力方向の変化に伴う受圧面積の変化を抑制することができ、その結果、内筒の外周面と防振基体との間の接着界面における剥離を抑制することができるという効果がある。
請求項2記載の防振装置によれば、請求項1記載の防振装置の奏する効果に加え、曲線壁面部を内筒の軸心に垂直な断面形状において円弧状に形成する構成であるので、内筒の外周面における表面積の増大をより効率的に行うことができるという効果がある。
また、それら複数の曲線壁面部を仮想円に内接する位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒の外周面(最外径部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部の内の一部の曲線壁面部(例えば、他の曲線壁面部に比較して外方に飛び出た曲線壁面部)に集中して作用することを抑制することができる。即ち、各曲線壁面部のそれぞれに荷重を均一に作用させて、内筒の外周面と防振基体との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができるという効果がある。
更に、各曲線壁面部の内接する仮想円の中心が内筒の軸心に一致する構成であるので、内筒の外周面の形状を全周にわたって滑らかとすることができるので、上述した剥離の抑制効果をより効果的に発揮することができる。特に、外筒の内周面が内筒の外周面に同心の円形に構成される場合に有効であり、ねじり変形に伴う剥離の発生をより効果的に抑制することができる。
請求項3記載の防振装置によれば、請求項2記載の防振装置の奏する効果に加え、曲線壁面部を内筒の軸心に垂直な断面形状において円弧状に形成する構成であるので、上述したように、内筒の外周面における表面積をより効率的に増大させることができると共に、荷重入力方向の変化に伴う受圧面積の変化を抑制することができ、その結果、内筒の外周面と防振基体との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができるという効果がある。
更に、内筒は、内筒の軸心に垂直な断面形状において直線状に形成される直線壁面部を備え、その直線状の直線壁面部と円弧状の曲線壁面部とを周方向に交互に配設する構成であるので、内筒の外周面であって両壁面部が連結される仮想点の近傍に窪みが形成されることを抑制することができる。これにより、加硫成形時のゴム材料の流動性を確保して、歩留まりの向上を図ることができるという効果がある。
請求項4記載の防振装置によれば、請求項1記載の防振装置の奏する効果に加え、曲線壁面部を内筒の軸心に垂直な断面形状において円弧状に形成する構成であるので、上述したように、内筒の外周面における表面積をより効率的に増大させることができると共に、荷重入力方向の変化に伴う受圧面積の変化を抑制することができ、その結果、内筒の外周面と防振基体との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができるという効果がある。
また、それら複数の曲線壁面部を仮想直線を接線とする位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒の外周面(外縁部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部の内の一部の曲線壁面部(例えば、他の曲線壁面部に比較して外方に飛び出た曲線壁面部)に集中して作用することを抑制することができる。即ち、各曲線壁面部のそれぞれに荷重を均一に作用させて、内筒の外周面と防振基体との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1実施の形態における防振ブッシュ100の上面図であり、図1(b)は、図1(a)のIb−Ib線における防振ブッシュ100の断面図である。また、図2(a)は、内筒10の上面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における内筒10の断面図である。
本実施の形態における防振ブッシュ100は、自動車の例えばサスペンションアームに取り付けられる部品であり、図1に示すように、内筒10と、その内筒10の外周側に間隔を隔てつつ同軸状に配置される外筒30と、これら内筒10と外筒30との間に介在しゴム状弾性材から構成される防振基体20とを備えて構成される。
内筒10は、図1又は図2に示すように、アルミ合金材料から軸Oを有する円筒状に構成される部材であり、その外周面には防振基体20が加硫接着により固着される。なお、内筒10は、押出成形により成形されるものであり、これにより、軸心Oを対称軸とする線対称形状に構成され、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。
ここで、内筒10の外周面には、図2(a)に示すように、複数の曲線壁面部11が形成されている。曲線壁面部11は、内筒10の外周面を形成するための部位であり、外方へ向けて凸の曲線状(後述するように本実施の形態では円弧状)に湾曲して形成されると共に、内筒10の外周面において、複数が周方向に隣り合って配置されている。
このように、本実施の形態における防振装置100は、図2に示すように、内筒10の外周面が複数の曲線壁面部11から構成されているので、内筒10の外周面における表面積を拡大することができる。その結果、防振基体20を保持するための接着面積を内筒10の外周面において十分に確保することができるので、荷重入力時には、内筒10の外周面(接着界面)に作用する単位面積当たりの荷重を小さくして、内筒10の外周面と防振基体20との間の接着界面に剥離が発生することを抑制することができる。
また、曲線壁面部11を、図2(a)に示すように、内筒10の軸心Oに垂直な断面形状において、外方に凸の曲線状とすることで、どの方向から荷重が入力されても、その荷重を同じ曲面形状により受けることができるので、荷重入力方向の変化に伴う受圧面積の変化を抑制することができ、その結果、内筒10の外周面と防振基体20との間の接着界面における剥離を抑制することができる。
外筒30は、図1に示すように、鉄鋼材料から軸心Oを有する円筒状に構成されており、外筒30の内周面には防振基体20が加硫接着により固着されている。なお、外筒30は、軸心Oを対称軸とする線対称形状に構成されると共に、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。
次いで、図3を参照して、内筒10の詳細構成について説明する。図3は、図2(b)のIII−III線における内筒10の部分拡大断面図である。なお、図3では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、断面線を省略して図示している。後述する図4から図6及び図9から図11においても同様である。また、請求項1から4のいずれかに記載した「内筒の軸心に垂直な断面形状」としては図3に図示する形状が対応する。
内筒10は、上述したように、複数の曲線壁面部11から外周面が構成されている。即ち、図3に示すように、内筒10の外周面には、複数の仮想点P(図3ではその一部のみを図示し残りの図示を省略する)が周方向に分散配置されており、これら複数の仮想点Pの内の隣接するもの同士が曲線壁面部11によってそれぞれ連結されることで、内筒10の外周面が複数の曲線壁面部11によって構成されている。
本実施の形態では、複数(合計32個)の仮想点Pが周方向等間隔(軸心Oを中心とする中心角θが11.25°となる間隔)に配設されると共に、これら各仮想点Pが軸心Oから等距離となる位置にそれぞれ配置されている。よって、各仮想点Pは、軸心Oを中心とする円形の仮想円(図示せず)上にそれぞれ位置している。
曲線壁面部11は、上述したように、内筒10の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図3に示すように、曲線壁面部11は、円形状の仮想円C1の一部として構成されており、これら各仮想円C1の径寸法は、全て同径とされている。
このように、本実施の形態における防振装置100によれば、曲線壁面部11の形状を、図3に示すように、内筒10の軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状に形成する構成であるので、内筒10の外周面における表面積の増大をより効率的に行うことができ、上述した接着界面の剥離の抑制をより確実に図ることができる。
更に、曲線壁面部11を円弧状に形成する構成とすることで、表面積の増大による剥離抑制効果を確保しつつ、曲線壁面部11自体の強度も確保することができる。これにより、曲線壁面部11の破損を防止することができる。また、円弧状とすることで、接着界面における応力集中を抑制して、剥離や防振基体20(図1参照)の亀裂を防止することができる。
ここで、上述したように、各仮想点Pは、軸心Oを中心とする仮想円(図示せず)上において周方向等間隔に配置されており、また、各曲線壁面部11(仮想円C1)は、それぞれが同径の円弧状(円形状)に構成されている。
そのため、曲線壁面部11により各仮想点Pを連結すると、図3に示すように、内筒10の軸心Oに垂直な断面形状において、各曲線壁面部11(仮想円C1)は、軸心Oを中心とする円形の仮想円C2に内接する位置にそれぞれ配設されることとなる。
このように、複数の曲線壁面部11(仮想円C1)を仮想円C2と内接する位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒10の外周面(最外径部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部11の内の一部の曲線壁面部11(例えば、他の曲線壁面部11に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部11)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部11のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒10の外周面と防振基体20との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
更に、各曲線壁面部11が内接する仮想円C2の中心を内筒10の軸心Oに一致させる構成であるので、内筒10の外周面の形状を全周にわたって滑らかとすることができる。よって、上述した剥離の抑制効果をより効果的に発揮することができる。特に、外筒30(図1参照)の内周面が内筒10の外周面と同心の円形に構成される本実施の形態で有効となり、ねじり変形に伴う剥離の発生をより効果的に抑制することができる。
次いで、図4を参照して、第2実施の形態について説明する。図4は、第2実施の形態における内筒210の部分拡大断面図であり、図2(b)のIII−III線(内筒210の軸心Oに垂直な仮想平面)における断面図に対応する。なお、請求項1から4のいずれかに記載した「内筒の軸心に垂直な断面形状」としては、図4に図示する形状が対応する。
第1実施の形態では、一の仮想円C2に全ての曲線壁面部11が内接する場合を説明したが、第2実施の形態における内筒210は、曲線壁面部211,212が内接する仮想円を複数(仮想円C22,C23)備えて構成されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第2実施の形態における内筒210は、図4に示すように、アルミ合金材料から軸Oを有する円筒状に構成される部材であり、その外周面には防振基体20(図1参照)が加硫接着により固着される。なお、内筒210は、第1実施の形態における内筒10と同様に、押出成形により成形されるものであり、これにより、軸心Oを対称軸とする線対称形状に構成され、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。
内筒210は、図4に示すように、複数の曲線壁面部211,212により外周面が形成されている。これら曲線壁面部211,212は、内筒210の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方へ向けて凸の曲線状(後述するように本実施の形態では円弧状)に湾曲して形成されると共に、内筒210の外周面において、周方向に交互に配置されている。
即ち、図4に示すように、内筒210の外周面には、複数の仮想点P21,P22(図4ではそれらの一部のみを図示し残りの図示を省略する)が周方向に分散配置されており、これら複数の仮想点P21,P22の内の隣接するもの同士が曲線壁面部211,212によってそれぞれ連結されることで、内筒210の外周面が複数の曲線壁面部211,212によって構成される。
なお、本実施の形態では、図4に示すように、一対の仮想点P21,P21と一対の仮想点P22,P22とが周方向へ交互に配設されると共に、これら各仮想点P21,P22が軸心Oから等距離となる位置(即ち、軸心Oを中心とする円形の仮想円(図示せず)上)にそれぞれ配置される。
また、一対の仮想点P21,P21の間の周方向間隔と、一対の仮想点P22,P22の間の周方向間隔とは、互いに等しい周方向間隔(軸心Oを中心とする中心角θaが7.5°となる間隔)に設定されると共に、この周方向間隔(中心角θa)は、仮想点P21と仮想点P22との間の周方向間隔(軸心Oを中心とする中心角θbが15°となる間隔)よりも小さい周方向間隔に設定されている(θa<θb)。
図4に示すように、一対の仮想点P21,P21の間、及び、一対の仮想点P22,P22の間は、曲線壁面部211により連結され、仮想点P21と仮想点P22との間は、曲線壁面部212により連結される。よって、内筒210の外周面には、曲線壁面部211と曲線壁面部212とが周方向に交互に配設されると共に、曲線壁面部212が曲線壁面部211よりも径方向外方へ突出する位置(即ち、曲線壁面部211が曲線壁面部212よりも軸心O側へ後退する位置)に配置される。
なお、曲線壁面部211,212は、上述したように、内筒210の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図4に示すように、曲線壁面部211,212は、それぞれ円形状の仮想円C1の一部として構成されており、これら各仮想円C1の径寸法は、全て同径とされている。
このように、本実施の形態では、曲線壁面部211,212の形状を、図4に示すように、内筒210の軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状に形成する構成であるので、内筒210の外周面における表面積の増大をより効率的に行うことができ、上述した接着界面の剥離の抑制をより確実に図ることができる。
更に、曲線壁面部211,212を円弧状に形成する構成とすることで、表面積の増大による剥離抑制効果を確保しつつ、曲線壁面部211,212自体の強度も確保することができる。これにより、曲線壁面部211,212の破損を防止することができる。また、円弧状とすることで、接着界面における応力集中を抑制して、剥離や防振基体20(図1参照)の亀裂を防止することができる。
ここで、上述したように、各仮想点P21,P22は、軸心Oを中心とする仮想円(図示せず)上において所定間隔毎に配置されており、また、各曲線壁面部211,212(仮想円C1)は、それぞれが同径の円弧状(円形状)に構成されている。
そのため、曲線壁面部211,212により各仮想点P21,P22を連結すると、図4に示すように、内筒210の軸心Oに垂直な断面形状において、曲線壁面部211は、軸心Oを中心とする円形の仮想円C22に内接する位置にそれぞれ配設される一方、曲線壁面部212は、軸心Oを中心とする円形の仮想円C23に内接する位置にそれぞれ配設されることとなる。
このように、曲線壁面部212を仮想円C23と内接する位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒210の外周面(最外径部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部212の内の一部の曲線壁面部212(例えば、他の曲線壁面部212に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部212)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部212のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒210の外周面と防振基体20(図1参照)との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
同様に、曲線壁面部211を仮想円C22と内接する位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒210の外周面全体としての形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部211,212の内の一部の曲線壁面部211,212(例えば、他の曲線壁面部211に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部211、或いは、隣接する曲線壁面部211が他の曲線壁面部211よりも軸心O側に後退していることで表面積が大きくされている曲線壁面部212)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部211,212のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒210の外周面と防振基体20(図1参照)との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
更に、各曲線壁面部211,212が内接する仮想円C22,C23の中心を内筒210の軸心Oに一致させる構成であるので、内筒210の外周面の形状を全周にわたって滑らかとすることができる。よって、上述した剥離の抑制効果をより効果的に発揮することができる。特に、外筒30(図1参照)の内周面が内筒210の外周面と同心の円形に構成される本実施の形態で有効となり、ねじり変形に伴う剥離の発生をより効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態では、上述したように、曲線壁面部211が曲線壁面部212よりも軸心O側へ後退する位置に配置されているので、これら両曲線壁面部211,212の交差角を大きくすることができる。よって、内筒210の外周面であって、仮想点P21,P22の近傍に形成される窪みをより浅くすることができるので、加硫成形時のゴム材料の流動性を確保して、歩留まりの向上を図ることができる。
更に、上述のように、曲線壁面部212を曲線壁面部211よりも径方向外方へ突出させる(即ち、曲線壁面部211を曲線壁面部212よりも軸心O側へ後退させる構成とすることで、内筒210の外周に樹脂バルジRBを装着する場合には(図15参照)、樹脂バルジRBの装着領域では、回り止め機能を効果的に発揮して、樹脂バルジRBを強固に固定することができると共に、樹脂バルジRBの非装着領域では、上述した接着界面の剥離抑制効果を発揮することができる。
次いで、図5を参照して、第3実施の形態について説明する。図5は、第3実施の形態における内筒310の部分拡大断面図であり、図2(b)のIII−III線(内筒310の軸心Oに垂直な仮想平面)における断面図に対応する。なお、請求項1から4のいずれかに記載した「内筒の軸心に垂直な断面形状」としては、図5に図示する形状が対応する。
第1実施の形態では、曲線状に形成された曲線壁面部11により内筒10の外周面が構成される場合を説明したが、第3実施の形態における内筒310は、曲線状に形成される曲線壁面部311と、直線状に形成される直線壁面部315とによって、その外周面が構成されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第3実施の形態における内筒310は、図5に示すように、アルミ合金材料から軸Oを有する円筒状に構成される部材であり、その外周面には防振基体20(図1参照)が加硫接着により固着される。なお、内筒310は、第1実施の形態における内筒10と同様に、押出成形により成形されるものであり、これにより、軸心Oを対称軸とする線対称形状に構成され、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。
内筒310は、図5に示すように、複数の曲線壁面部311と、複数の直線壁面部315とにより外周面が形成されている。曲線壁面部311は、内筒310の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方へ向けて凸の曲線状(後述するように本実施の形態では円弧状)に湾曲して形成され、内筒310の外周面において、複数が周方向に分散して(即ち、直線壁面部315と交互に)配置されている。
また、直線壁面部315は、図5に示すように、内筒310の軸心Oに垂直な断面形状において、直線状に形成され、上述したように、内筒310の外周面において、曲線壁面部311と交互となるように周方向に配置されている。なお、直線壁面部315は、図5に示す断面形状において、曲線壁面部311(仮想円C31)に接する直線として構成されている。
即ち、図5に示すように、内筒310の外周面には、複数の仮想点P31,P32(図5ではそれらの一部のみを図示し残りの図示を省略する)が周方向に分散配置されており、これら複数の仮想点P31,P32の内の隣接するもの同士が曲線壁面部311又は直線壁面部315によってそれぞれ連結されることで、内筒310の外周面が複数の曲線壁面部311及び直線壁面部315によって構成される。
曲線壁面部311は、上述したように、内筒310の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図5に示すように、曲線壁面部311は、それぞれ円形状の仮想円C31の一部として構成されており、これら各仮想円C31の径寸法は、全て同径とされている。
各仮想円C31の中心(図示せず)は、軸心Oから等距離となる位置(即ち、軸心Oを中心とする円形の仮想円(図示せず)上)にそれぞれ配置されると共に、周方向等間隔(22.5°間隔)に配置される。そして、直線壁面部315は、図5に示すように、各仮想円C31(曲線壁面部311)の接線となる位置に配置される。
これにより、図5に示すように、一対の仮想点P31,P31の間、及び、一対の仮想点P32,P32の間は、曲線壁面部311により連結され、仮想点P31と仮想点P32との間は、直線壁面部315により連結される。よって、内筒310の外周面には、曲線壁面部311と直線壁面部315とが周方向に交互に配設される。
なお、本実施の形態では、図5に示すように、一対の仮想点P31,P31と一対の仮想点P32,P32とが周方向へ交互に配設されると共に、これら各仮想点P31,P32が軸心Oから等距離となる位置(即ち、軸心Oを中心とする円形の仮想円(図示せず)上)にそれぞれ配置される。
また、一対の仮想点P31,P31の間の周方向間隔と、一対の仮想点P32,P32の間の周方向間隔とは、互いに等しい周方向間隔となり、この周方向間隔は、仮想点P31と仮想点P32との間の周方向間隔よりも小さい周方向間隔となる。
このように、本実施の形態では、曲線壁面部311の形状を、図5に示すように、内筒310の軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状に形成する構成であるので、内筒310の外周面の一部のみを曲線壁面部311により構成する場合であっても、かかる外周面における表面積の増大をより効率的に行うことができ、上述した接着界面の剥離の抑制をより確実に図ることができる。
更に、曲線壁面部311を円弧状に形成する構成とすることで、表面積の増大による剥離抑制効果を確保しつつ、曲線壁面部311自体の強度も確保することができる。これにより、曲線壁面部311の破損を防止することができる。また、円弧状とすることで、接着界面における応力集中を抑制して、剥離や防振基体20(図1参照)の亀裂を防止することができる。
ここで、上述したように、各仮想円C31は、それぞれが同径の円形状に構成されると共に、その中心が軸心Oを中心とする仮想円(図示せず)上に位置しつつ周方向等間隔に配置されている。そのため、曲線壁面部311は、図5に示すように、内筒310の軸心Oに垂直な断面形状において、軸心Oを中心とする円形の仮想円C32に内接する位置にそれぞれ配設されることとなる。
このように、曲線壁面部312を仮想円C32と内接する位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒310の外周面(最外径部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部311の内の一部の曲線壁面部311(例えば、他の曲線壁面部311に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部311)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部311のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒310の外周面と防振基体20(図1参照)との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
更に、各曲線壁面部311が内接する仮想円C32の中心を内筒310の軸心Oに一致させる構成であるので、内筒310の外周面の形状を全周にわたって滑らかとすることができる。よって、上述した剥離の抑制効果をより効果的に発揮することができる。特に、外筒30(図1参照)の内周面が内筒310の外周面と同心の円形に構成される本実施の形態で有効となり、ねじり変形に伴う剥離の発生をより効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、上述したように、内筒310の軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状に形成される曲線壁面部311を直線状に形成される直線壁面部315により接続する構成(特に、本実施の形態では、直線壁面部315を仮想円C31の接線とする構成)であるので、荷重入力方向の変化に伴う受圧面積の変化をより抑制することができ、その結果、内筒310の外周面と防振基体20(図1参照)との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
更に、内筒310は、軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状の曲線壁面部311とその曲線壁面部311の接線となる直線状の直線壁面部315とを周方向に交互に配設する構成であるので、内筒310の外周面であって両壁面部311,315が連結される仮想点P31,P32の近傍に窪みが形成されることを抑制することができる。これにより、加硫成形時のゴム材料の流動性を確保して、歩留まりの向上を図ることができる。
次いで、図6を参照して、第4実施の形態について説明する。図6は、第4実施の形態における内筒410の部分拡大断面図であり、図2(b)のIII−III線(内筒410の軸心Oに垂直な仮想平面)における断面図に対応する。なお、請求項1から4のいずれかに記載した「内筒の軸心に垂直な断面形状」としては、図6に図示する形状が対応する。
第1実施の形態では、曲線壁面部11(仮想円C2)が全て同径に構成される場合を説明したが、第4実施の形態における内筒410は、曲線壁面部311,412(仮想円C41,C42)が異なる径の円弧(円形)で構成されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第4実施の形態における内筒410は、図6に示すように、アルミ合金材料から軸Oを有する円筒状に構成される部材であり、その外周面には防振基体20(図1参照)が加硫接着により固着される。なお、内筒410は、第1実施の形態における内筒10と同様に、押出成形により成形されるものであり、これにより、軸心Oを対称軸とする線対称形状に構成され、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。
内筒410は、図6に示すように、複数の曲線壁面部411,412により外周面が形成されている。これら曲線壁面部411,412は、内筒410の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方へ向けて凸の曲線状(後述するように本実施の形態では円弧状)に湾曲して形成されると共に、内筒410の外周面において、周方向に交互に配置されている。
即ち、図6に示すように、内筒410の外周面には、複数の仮想点P41,P42(図6ではそれらの一部のみを図示し残りの図示を省略する)が周方向に分散配置されており、これら複数の仮想点P41,P42の内の隣接するもの同士が曲線壁面部411,412によってそれぞれ連結されることで、内筒410の外周面が複数の曲線壁面部411,412によって構成される。
なお、本実施の形態では、図6に示すように、一対の仮想点P41,P41と一対の仮想点P42,P42とが周方向へ交互に配設されると共に、これら各仮想点P41,P42が軸心Oから等距離となる位置(即ち、軸心Oを中心とする円形の仮想円(図示せず)上)にそれぞれ配置される。
また、一対の仮想点P41,P41の間の周方向間隔と、一対の仮想点P42,P42の間の周方向間隔とは、互いに等しい周方向間隔(軸心Oを中心とする中心角θeが18となる間隔)に設定されると共に、この周方向間隔(中心角θe)は、仮想点P41と仮想点P42との間の周方向間隔(軸心Oを中心とする中心角θfが27°となる間隔)よりも小さい周方向間隔に設定されている(θe<θf)。
図6に示すように、一対の仮想点P41,P41の間、及び、一対の仮想点P42,P42の間は、曲線壁面部411により連結され、仮想点P41と仮想点P42との間は、曲線壁面部412により連結される。よって、内筒410の外周面には、曲線壁面部411と曲線壁面部412とが周方向に交互に配設される。
なお、曲線壁面部411,412は、上述したように、内筒410の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図6に示すように、曲線壁面部411は円形状の仮想円C1の一部として、曲線壁面部412は円形状の仮想円C2の一部として、それぞれ構成されており、仮想円C2の径寸法が仮想円C1の径寸法よりも大径とされている。
このように、本実施の形態では、曲線壁面部411,412の形状を、図6に示すように、内筒410の軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状に形成する構成であるので、内筒410の外周面における表面積の増大をより効率的に行うことができ、上述した接着界面の剥離の抑制をより確実に図ることができる。
更に、曲線壁面部411,412を円弧状に形成する構成とすることで、表面積の増大による剥離抑制効果を確保しつつ、曲線壁面部411,412自体の強度も確保することができる。これにより、曲線壁面部411,412の破損を防止することができる。また、円弧状とすることで、接着界面における応力集中を抑制して、剥離や防振基体20(図1参照)の亀裂を防止することができる。
ここで、仮想円C1,C2の径寸法は、図6に示すように、内筒410の軸心Oに垂直な断面形状において、曲線壁面部411及び曲線壁面部412の両方が、軸心Oを中心とする円形の仮想円C43に内接される寸法値に設定されている。
このように、曲線壁面部411,412を仮想円C43と内接する位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒410の外周面(最外径部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部411,412の内の一部の曲線壁面部411,412(例えば、他の曲線壁面部411,412に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部411,412、或いは、例えば、隣接する曲線壁面部411が他の曲線壁面部411よりも軸心O側に後退していることで表面積が大きくされている曲線壁面部412)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部411,412のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒410の外周面と防振基体20(図1参照)との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
更に、各曲線壁面部411,412が内接する仮想円C43の中心を内筒410の軸心Oに一致させる構成であるので、内筒410の外周面の形状を全周にわたって滑らかとすることができる。よって、上述した剥離の抑制効果をより効果的に発揮することができる。特に、外筒30(図1参照)の内周面が内筒410の外周面と同心の円形に構成される本実施の形態で有効となり、ねじり変形に伴う剥離の発生をより効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態では、上述したように、曲線壁面部412(仮想円C42)が曲線壁面部411(仮想円C41)よりも大径とされているので、これら両曲線壁面部411,412の交差角をより大きくすることができる。よって、内筒410の外周面であって、仮想点P41,P42の近傍に形成される窪みをより浅くすることができるので、加硫成形時のゴム材料の流動性を確保して、歩留まりの向上を図ることができる。
次いで、図7から図9を参照して、第5実施の形態について説明する。図7(a)は、本発明の第5実施の形態における防振ブッシュ500の上面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線における防振ブッシュ500の断面図である。また、図8(a)は、内筒510の上面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線における内筒510の断面図である。
第1実施の形態では、内筒10が断面略円形に構成される場合を説明したが、第5実施の形態における内筒510は、断面略矩形に構成されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施の形態における防振ブッシュ500は、自動車のサスペンションアームに取り付けられる部品であり、図7に示すように、内筒510と、その内筒510の外周側に間隔を隔てつつ同軸状に配置される外筒520と、これら内筒510と外筒530との間に介在しゴム状弾性材から構成される防振基体520とを備えて構成される。
内筒510は、図7又は図8に示すように、アルミ合金材料から断面視略矩形状に構成される部材であり、その外周面には防振基体520が加硫接着により固着される。なお、内筒510は、押出成形により成形されるものであり、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。また、内筒510には、図7(a)に示すように、中央部に断面円形の挿通孔が軸心Oに沿って穿設されている。
ここで、内筒510の外周面には、図8(a)に示すように、複数の曲線壁面部511が形成されている。曲線壁面部511は、内筒510の外周面を形成するための部位であり、外方へ向けて凸の曲線状(後述するように本実施の形態では円弧状)に湾曲して形成されると共に、内筒510の外周面において、複数が周方向にそれぞれ隣り合って配置されている。
このように、本実施の形態における防振装置500は、図8に示すように、内筒510の外周面が複数の曲線壁面部511から構成されているので、内筒510の外周面における表面積を拡大することができる。その結果、防振基体520を保持するための接着面積を内筒510の外周面において十分に確保することができるので、荷重入力時には、内筒510の外周面(接着界面)に作用する単位面積当たりの荷重を小さくして、内筒510の外周面と防振基体520との間の接着界面に剥離が発生することを抑制することができる。
また、曲線壁面部511を、図8(a)に示すように、内筒510の軸心Oに垂直な断面形状において、外方に凸の曲線状とすることで、どの方向から荷重が入力されても、その荷重を同じ曲面形状により受けることができるので、荷重入力方向の変化に伴う受圧面積の変化を抑制することができ、その結果、内筒510の外周面と防振基体520との間の接着界面における剥離を抑制することができる。
外筒530は、図7に示すように、鉄鋼材料から軸心Oを有する長円筒状に構成されており、外筒530の内周面には防振基体520が加硫接着により固着されている。なお、外筒530は、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。
次いで、図9を参照して、内筒510の詳細構成について説明する。図9は、図8(b)のIX−IX線における内筒510の部分拡大断面図である。なお、請求項1から4のいずれかに記載した「内筒の軸心に垂直な断面形状」としては図9に図示する形状が対応する。
内筒510は、上述したように、複数の曲線壁面部511から外周面が構成されている。即ち、図9に示すように、内筒510の外周面には、複数の仮想点P5(図9ではその一部のみを図示し残りの図示を省略する)が周方向に分散配置されており、これら複数の仮想点P5の内の隣接するもの同士が曲線壁面部511によってそれぞれ連結されることで、内筒510の外周面が複数の曲線壁面部11によって構成されている。
本実施の形態では、複数の仮想点P5が直線状の仮想線(図示せず)上に位置すると共に、その仮想線上において等間隔に配設されている。
曲線壁面部511は、上述したように、内筒510の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図9に示すように、曲線壁面部511は、円形状の仮想円C51の一部として構成されており、これら各仮想円C1の径寸法は、全て同径とされている。
このように、本実施の形態における防振装置500によれば、曲線壁面部511の形状を、図9に示すように、内筒510の軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状に形成する構成であるので、内筒510の外周面における表面積の増大をより効率的に行うことができ、上述した接着界面の剥離の抑制をより確実に図ることができる。
更に、曲線壁面部511を円弧状に形成する構成とすることで、表面積の増大による剥離抑制効果を確保しつつ、曲線壁面部511自体の強度も確保することができる。これにより、曲線壁面部511の破損を防止することができる。また、円弧状とすることで、接着界面における応力集中を抑制して、剥離や防振基体520(図7参照)の亀裂を防止することができる。
ここで、上述したように、各仮想点P5は、直線状の仮想直線(図示せず)上において等間隔に配置されており、また、各曲線壁面部511(仮想円C51)は、それぞれが同径の円弧状(円形状)に構成されている。
そのため、曲線壁面部511により各仮想点Pを連結すると、図9に示すように、内筒510の軸心Oに垂直な断面形状において、各曲線壁面部511(仮想円C51)は、直線状の仮想直線L53が接線として接する位置にそれぞれ配設されることとなる。
このように、複数の曲線壁面部511(仮想円C51)を仮想直線L53が接線となる位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒510の外周面(最外方部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部511の内の一部の曲線壁面部511(例えば、他の曲線壁面部511に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部511)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部511のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒510の外周面と防振基体520との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
ここで、内筒510は、図9に示すように、コーナーR部512を備える。コーナーR部512は、矩形状を構成する4辺の内の2辺の交差部に位置する部位であり、内筒510の4隅部にそれぞれ形成されている(図8(a)参照)。
このコーナーR部512は、図9に示すように、内筒510の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図9に示すように、コーナーR部512は、円形状の仮想円C52の一部として構成されており、これら各仮想円C52の径寸法は、全て同径とされている。
本実施の形態では、コーナーR部512(仮想円C52)が曲線壁面部511(仮想円C51)と同径に構成されると共に、仮想直線L53がコーナーR部512(仮想円C52)にも接するように構成されている。これにより、内筒510を断面略矩形状に構成した場合でも、その矩形状の4隅部と防振基体520との間の接着界面における剥離を効果的に抑制することができる。
次いで、図10を参照して、第6実施の形態について説明する。図10は、第6実施の形態における内筒610の部分拡大断面図であり、図8(b)のIX−IX線(内筒610の軸心Oに垂直な仮想平面)における断面図に対応する。
なお、第6実施の形態における内筒610は、上述した第5実施の形態における防振装置500の内筒510に対応する構成であり、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、請求項1から4のいずれかに記載した「内筒の軸心に垂直な断面形状」としては、図10に図示する形状が対応する。
第6実施の形態における内筒610は、図10に示すように、アルミ合金材料から軸Oを有する断面略矩形状に構成される部材であり、その外周面には防振基体520(図7参照)が加硫接着により固着される。なお、内筒610は、第5実施の形態における内筒510と同様に、押出成形により成形されるものであり、これにより、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。
内筒610は、図10に示すように、複数の曲線壁面部611,612により外周面が形成されている。これら曲線壁面部611,612は、内筒610の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方へ向けて凸の曲線状(後述するように本実施の形態では円弧状)に湾曲して形成されると共に、内筒610の外周面において、周方向に交互に配置されている。
即ち、図10に示すように、内筒610の外周面には、複数の仮想点P61,P62(図10ではそれらの一部のみを図示し残りの図示を省略する)が内筒610の4辺に分散配置されており、これら複数の仮想点P61,P62の内の隣接するもの同士が曲線壁面部611,612によってそれぞれ連結されることで、内筒610の外周面が複数の曲線壁面部611,612によって構成される。
なお、本実施の形態では、図10に示すように、一対の仮想点P61,P61と一対の仮想点P62,P62とが交互に配設されると共に、これら各仮想点P61,P62が直線状の仮想線(図示せず)上に位置すると共に、その仮想線上において所定の間隔で配設されている。
即ち、図10に示すように、一対の仮想点P61,P61の間の間隔と、一対の仮想点P62,P62の間の間隔とは、互いに等しい間隔に設定されると共に、この間隔は、仮想点P61と仮想点P62との間の間隔よりも小さい間隔に設定されている。
図10に示すように、一対の仮想点P61,P61の間、及び、一対の仮想点P62,P62の間は、曲線壁面部611により連結され、仮想点P61と仮想点P62との間は、曲線壁面部612により連結される。よって、内筒610の外周面には、曲線壁面部611と曲線壁面部612とが周方向に交互に配設されると共に、曲線壁面部612が曲線壁面部611よりも径方向外方へ突出する位置(即ち、曲線壁面部611が曲線壁面部612よりも軸心O側へ後退する位置)に配置される。
なお、曲線壁面部611,612は、上述したように、内筒610の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図10に示すように、曲線壁面部611,612は、それぞれ円形状の仮想円C61の一部として構成されており、これら各仮想円C61の径寸法は、全て同径とされている。
このように、本実施の形態では、曲線壁面部611,612の形状を、図10に示すように、内筒610の軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状に形成する構成であるので、内筒610の外周面における表面積の増大をより効率的に行うことができ、上述した接着界面の剥離の抑制をより確実に図ることができる。
更に、曲線壁面部611,612を円弧状に形成する構成とすることで、表面積の増大による剥離抑制効果を確保しつつ、曲線壁面部611,612自体の強度も確保することができる。これにより、曲線壁面部611,612の破損を防止することができる。また、円弧状とすることで、接着界面における応力集中を抑制して、剥離や防振基体520(図7参照)の亀裂を防止することができる。
ここで、上述したように、各仮想点P61,P62は、直線状の仮想線(図示せず)上に配置され、また、各曲線壁面部611,612(仮想円C61)は、それぞれが同径の円弧状(円形状)に構成されている。
そのため、曲線壁面部611,612により各仮想点P61,P62を連結すると、図10に示すように、内筒610の軸心Oに垂直な断面形状において、各曲線壁面部612が仮想直線L63を共通の接線として接する位置にそれぞれ配設される一方、各曲線壁面部611が仮想直線L64を共通の接線として接する位置にそれぞれ配設されることとなる。
このように、曲線壁面部612を仮想直線L63が接線となる位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒610の外周面(最外径部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部612の内の一部の曲線壁面部612(例えば、他の曲線壁面部612に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部612)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部612のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒610の外周面と防振基体520(図7参照)との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
同様に、曲線壁面部611を仮想直線L64が接線となる位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒610の外周面全体としての形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部611,612の内の一部の曲線壁面部611,212(例えば、他の曲線壁面部611に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部611、或いは、隣接する曲線壁面部611が他の曲線壁面部611よりも軸心O側に後退していることで表面積が大きくされている曲線壁面部612)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部611,612のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒610の外周面と防振基体520(図7参照)との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
更に、各曲線壁面部611,612が内接する仮想直線L63,L64を互いに平行とする構成であるので、内筒610の外周面の形状を全周にわたって滑らかとすることができる。よって、上述した剥離の抑制効果をより効果的に発揮することができる。特に、外筒530(図7参照)の内周面が直線状の部位を有する場合に剥離の発生をより効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態では、上述したように、曲線壁面部611が曲線壁面部612よりも軸心O側へ後退する位置に配置されているので、これら両曲線壁面部611,612の交差角を大きくすることができる。よって、内筒610の外周面であって、仮想点P61,P62の近傍に形成される窪みをより浅くすることができるので、加硫成形時のゴム材料の流動性を確保して、歩留まりの向上を図ることができる。
ここで、内筒610は、図10に示すように、コーナーR部612を備える。コーナーR部612は、上述した第5実施の形態におけるコーナーR部512と同様に、矩形状を構成する4辺の内の2辺の交差部に位置する部位であり、内筒610の4隅部にそれぞれ形成されている。
このコーナーR部612は、図10に示すように、内筒610の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図10に示すように、コーナーR部612は、円形状の仮想円C62の一部として構成されており、これら各仮想円C62の径寸法は、全て同径とされている。
本実施の形態では、コーナーR部612(仮想円C62)が曲線壁面部611(仮想円C61)と同径に構成されると共に、仮想直線L63がコーナーR部612(仮想円C62)にも接するように構成されている。これにより、内筒610を断面略矩形状に構成した場合でも、その矩形状の4隅部と防振基体520(図7参照)との間の接着界面における剥離を効果的に抑制することができる。
次いで、図11を参照して、第7実施の形態について説明する。図11は、第7実施の形態における内筒710の部分拡大断面図であり、図8(b)のIX−IX線(内筒710の軸心Oに垂直な仮想平面)における断面図に対応する。
なお、第7実施の形態における内筒710は、上述した第5実施の形態における防振装置500の内筒510に対応する構成であり、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、請求項1から4のいずれかに記載した「内筒の軸心に垂直な断面形状」としては、図11に図示する形状が対応する。
第7実施の形態における内筒710は、図11に示すように、アルミ合金材料から軸Oを有する断面略矩形状に構成される部材であり、その外周面には防振基体520(図7参照)が加硫接着により固着される。なお、内筒710は、第5実施の形態における内筒510と同様に、押出成形により成形されるものであり、これにより、軸心Oに垂直な断面形状が軸心O上のいずれの位置においても一定の断面形状となるように構成されている。
内筒710は、図11に示すように、複数の曲線壁面部711,712により外周面が形成されている。これら曲線壁面部711,712は、内筒710の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方へ向けて凸の曲線状(後述するように本実施の形態では円弧状)に湾曲して形成されると共に、内筒710の外周面において、周方向に交互に配置されている。
即ち、図11に示すように、内筒710の外周面には、複数の仮想点P71,P72(図11ではそれらの一部のみを図示し残りの図示を省略する)が内筒710の4辺に分散配置されており、これら複数の仮想点P71,P72の内の隣接するもの同士が曲線壁面部711,712によってそれぞれ連結されることで、内筒710の外周面が複数の曲線壁面部711,712によって構成される。
なお、本実施の形態では、図11に示すように、一対の仮想点P71,P71と一対の仮想点P72,P72とが交互に配設されると共に、これら各仮想点P71,P72が直線状の仮想線(図示せず)上に位置すると共に、その仮想線上において所定の間隔で配設されている。
即ち、図11に示すように、一対の仮想点P71,P71の間の間隔と、一対の仮想点P72,P72の間の間隔とは、互いに等しい間隔に設定されると共に、この間隔は、仮想点P67と仮想点P72との間の間隔よりも大きい間隔に設定されている。
図11に示すように、一対の仮想点P71,P71の間、及び、一対の仮想点P72,P72の間は、曲線壁面部711により連結され、仮想点P71と仮想点P72との間は、曲線壁面部712により連結される。よって、内筒710の外周面には、曲線壁面部711と曲線壁面部712とが周方向に交互に配設される。
なお、曲線壁面部711,712は、上述したように、内筒710の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図11に示すように、曲線壁面部711,712は、それぞれ円形状の仮想円C71,C72の一部として構成されている。
このように、本実施の形態では、曲線壁面部711,712の形状を、図11に示すように、内筒710の軸心Oに垂直な断面形状において、円弧状に形成する構成であるので、内筒710の外周面における表面積の増大をより効率的に行うことができ、上述した接着界面の剥離の抑制をより確実に図ることができる。
更に、曲線壁面部711,712を円弧状に形成する構成とすることで、表面積の増大による剥離抑制効果を確保しつつ、曲線壁面部711,712自体の強度も確保することができる。これにより、曲線壁面部711,712の破損を防止することができる。また、円弧状とすることで、接着界面における応力集中を抑制して、剥離や防振基体520(図7参照)の亀裂を防止することができる。
ここで、上述したように、各仮想点P71,P72は、直線状の仮想線(図示せず)上に配置され、また、曲線壁面部712(仮想円C72)は、曲線壁面部711(仮想円C71)よりも大径に構成されている。
そのため、曲線壁面部711,712により各仮想点P71,P72を連結すると、図11に示すように、内筒710の軸心Oに垂直な断面形状において、各曲線壁面部711,712が仮想直線L73を共通の接線として接する位置にそれぞれ配設されることとなる。
このように、複数の曲線壁面部711,712(仮想円C71,72)を仮想直線L73が接線となる位置にそれぞれ配設する構成であるので、内筒710の外周面(最外方部)の形状を滑らかとして、入力された荷重が複数の曲線壁面部711,712の内の一部の曲線壁面部711,712(例えば、他の曲線壁面部711,712に比較して径方向外方に飛び出た曲線壁面部711,712)に集中して作用することを抑制することができる。これにより、各曲線壁面部711,712のそれぞれに荷重を均一に作用させることができるので、内筒710の外周面と防振基体520(図7参照)との間の接着界面における剥離をより一層抑制することができる。
また、本実施の形態では、上述したように、曲線壁面部711(仮想円C71)が曲線壁面部712(仮想円C72)よりも大径に構成されているので、これら両曲線壁面部711,712の交差角を大きくすることができる。よって、内筒710の外周面であって、仮想点P71,P72の近傍に形成される窪みをより浅くすることができるので、加硫成形時のゴム材料の流動性を確保して、歩留まりの向上を図ることができる。
ここで、内筒710は、図11に示すように、コーナーR部713を備える。コーナーR部713は、上述した第5実施の形態におけるコーナーR部512と同様に、矩形状を構成する4辺の内の2辺の交差部に位置する部位であり、内筒710の4隅部にそれぞれ形成されている。
このコーナーR部713は、図11に示すように、内筒710の軸心Oに垂直な断面形状において、径方向外方に凸の円弧状に形成されている。即ち、図11に示すように、コーナーR部713は、円形状の仮想円C73の一部として構成されており、これら各仮想円C73の径寸法は、全て同径とされている。
本実施の形態では、コーナーR部713(仮想円C73)が曲線壁面部712(仮想円C72)と同径に構成されると共に、仮想直線L73がコーナーR部713(仮想円C73)にも接するように構成されている。これにより、内筒710を断面略矩形状に構成した場合でも、その矩形状の4隅部と防振基体520(図7参照)との間の接着界面における剥離を効果的に抑制することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法・角度など)は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施の形態では、本発明の防振装置100,500がサスペンションアームに取り付けられる場合(即ち、本発明をサスペンションブッシュに適用する場合)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本発明を他の防振装置に適用することは当然可能である。他の防振装置としては、例えば、エンジンを車両フレームに支持するエンジンマウントや車体フレームにサブフレームを支持するボデーマウントなどが例示される。
上記実施の形態で説明した防振ブッシュ500の形態は一例であり、他の形態の防振ブッシュに本発明の内筒10,210,310,410を適用することは当然可能である。他の形態の防振ブッシュの一例を図12及び図13を参照して説明する。
一の例として、防振ブッシュ800について説明する。図12(a)は、防振ブッシュ800の上面図であり、図12(b)は、図12(a)のXIIb−XIIb線における防振ブッシュ800の断面図である。
防振ブッシュ800は、内筒810の左右方向(図12左右方向)から挟んで位置する一対の第1防振基体821と、内筒810を上下方向(図12上下方向)から挟んで位置する一対の第2防振基体822とを備え、これら第1防振基体821及び第2防振基体822が内筒810の外周面に加硫接着により固着されると共に、外筒(図示せず)の楕円形状の内周側に第1防振基体821及び第2防振基体822が内嵌圧入により固定されて使用される。
このように構成された防振ブッシュ800の内筒810に対し、上記各実施の形態において説明した内筒10,210,310,410を適用しても良い。防振ブッシュ800では、接着面積が小さくなるため、内筒10,210,310,410を適用することが特に有効となる。
他の例として、防振ブッシュ900について説明する。図13(a)は、防振ブッシュ900の上面図であり、図13(b)は、図13(a)のXIIIb−XIIIb線における防振ブッシュ900の断面図である。
防振ブッシュ900は、内筒910と、軸心Oを有する円筒状の外筒930と、ゴム状弾性材から構成され内筒910と外筒930との間に介在すると共に軸心O方向に穿設されるすぐり部921を有する防振基体920とを備えて構成される。そして、内筒910の外周面には、樹脂材料から環状に構成される樹脂バルジRBが嵌着されている。
このように構成された防振ブッシュ900の内筒910に対し、上記各実施の形態において説明した内筒10,210,310,410を適用しても良い。防振ブッシュ900では、防振基体920との内筒910との間の剥離を抑制しつつ、樹脂バルジRBを固定する必要もあるため、内筒10,210,310,410を適用することが特に有効となる。
なお、図13に示す樹脂バルジRBの外周面に対して、上記各実施の形態で説明した内筒10〜710の外周面形状を適用しても良い。これにより、樹脂バルジRBと防振基体との間の接着界面における剥離を抑制することができる。
上記各実施の形態では、内筒10〜710の外周面に対し、その周方向全周にわたって曲線壁面部11〜712及び直線壁面部315を設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、周方向の一部のみにこれら曲線壁面部11〜712及び直線壁面部315を設けて構成することは当然可能である。
また、上記各実施の形態では、内筒10〜710の外周面に対し、その周方向全周にわたって同じ外周形状(曲線壁面部11〜712及び直線壁面部315)で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、周方向の一の部位と他の部位とが異なる外周形状(曲線壁面部11〜712及び直線壁面部315)で構成されるようにすることは当然可能である。
例えば、周方向の一部が上記第1実施の形態における内筒10と同じ外周形状に構成されると共に、残部が上記第2実施の形態における内筒210と同じ外周形状に構成されるようにしても良い。即ち、上記各実施の形態をそれぞれ組み合わせて内筒の外周形状を構成しても良い。
(a)は、本発明の第1実施の形態における防振ブッシュの上面図であり、(b)は、図1(a)のIb−Ib線における防振ブッシュの断面図である。 (a)は、内筒の上面図であり、(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における内筒の断面図である。 図2(b)のIII−III線における内筒の部分拡大断面図である。 第2実施の形態における内筒の部分拡大断面図である。 第3実施の形態における内筒の部分拡大断面図である。 第4実施の形態における内筒の部分拡大断面図である。 (a)は、本発明の第5実施の形態における防振ブッシュの上面図であり、(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線における防振ブッシュの断面図である。 (a)は、内筒の上面図であり、(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線における内筒の断面図である。 図8(b)のIX−IX線における内筒の部分拡大断面図である。 第6実施の形態における内筒の部分拡大断面図である。 第7実施の形態における内筒の部分拡大断面図である。 (a)は、変形例における防振ブッシュの上面図であり、(b)は、図12(a)のXIIb−XIIb線における防振ブッシュの断面図である。 (a)は、変形例における防振ブッシュの上面図であり、(b)は、図13(a)のXIIIb−XIIIb線における防振ブッシュの断面図である。
符号の説明
100 防振ブッシュ(防振装置)
10,210,310,410 内筒
20 防振基体
30 外筒
P,P21,P22 仮想点
P31,P32,P41,P42 仮想点
C2,C22,C23 仮想円
C32,C43 仮想円
11,211,212 曲線壁面部
311,411,412 曲線壁面部
315 直線壁面部
500 防振ブッシュ(防振装置)
510,610,710 内筒
520 防振基体
530 外筒
P5,P61,P62 仮想点
P71,P72 仮想点
L53,L63,L64,L73 仮想直線
511,611,711,712 曲線壁面部
512,612,713 コーナーR部(曲線壁面部)
800,900 防振ブッシュ(防振装置)
810,910 内筒
821,822,920 防振基体
930 外筒
O 軸心

Claims (4)

  1. 内筒と、前記内筒の外周面側に同軸状に配置される外筒と、ゴム状弾性材から構成され前記外筒の内周面と前記内筒の外周面との間を加硫接着により連結する防振基体とを備えた防振装置において、
    前記内筒は、周方向に分散配置される複数の仮想点に対し、前記複数の仮想点の内の隣接するもの同士を連結する複数の曲線壁面部を備え、前記複数の曲線壁面部によって前記内筒の外周面の少なくとも一部または全部が構成され、
    前記曲線壁面部は、前記内筒の軸心に垂直な断面形状において外方に凸の曲線状に形成されていることを特徴とする防振装置。
  2. 前記内筒は、前記複数の曲線壁面部が前記断面形状において円弧状に形成されると共に、前記断面形状において円形となる仮想円に内接する位置に前記複数の曲線壁面部が配設され、かつ、前記仮想円の中心が前記内筒の軸心に一致していることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記内筒は、前記断面形状において直線状に形成され前記複数の仮想点の内の隣接するもの同士を連結する直線壁面部を備えると共に、前記複数の曲線壁面部が前記断面形状において円弧状に形成され、前記曲線壁面部と直線壁面部とが周方向に交互に配設されていることを特徴とする請求項2記載の防振装置。
  4. 前記内筒は、前記複数の曲線壁面部が前記断面形状において円弧状に形成されると共に、前記断面形状において直線となる仮想直線を接線とする位置に前記複数の曲線壁面部が配設されていることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
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