JP2008303339A - Ptfe多孔体を使用したシール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌理の細かく表面が平滑で寸法精度が良好なPTFE多孔体を得ることができ、且つPTFE多孔体の気孔率を容易に制御することができる技術によって、使用するに充分な硬度、柔軟性及び弾性を得ることできるシール材を提供すること。
【解決手段】気孔率が5%以上で、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解曲線において焼成状態(完全焼成)の吸熱ピークのみを有し、または、焼成状態(完全焼成)の吸熱ピークを明確にならない程度に有し、非延伸のPTFE多孔体を使用したシール材。気孔の形状が、特定の方向に配向しているシール材。PTFE粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してPTFE混合体とし、該PTFE混合体を所定形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けたPTFE多孔体を使用したシール材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す。)多孔体を使用したシール材に係るものであり、特に、シール材としての使用に充分な硬度、柔軟性及び弾性を得ることができるものに関する。
ポリテトラフルオロエチレンは、熱的にも化学的にも強いが弾性が充分でないため、微小凹凸のある表面のシールには充分ではないという欠点がある。そこで、PTFEを多孔質化させることにより弾性を持たせ、さらに厚膜やバルク状にすることが有効と考えられる。このようなPTFE多孔体の製造方法としては、PTFE粉末と結着剤との混合物を微粉砕した後、公知の方法にて成形し、この成形体を焼成する製造方法が広く一般的に知られている。また、他の製造方法として、PTFE粉末と造孔剤との混合物を所定形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設ける製造方法が広く一般的に知られている。
例えば、特許文献1には、未焼成PTFEをPTFEの融点以上の温度で焼成し、この焼成したPTFEを粉砕して焼成PTFE粉末とし、次いで、この粉末を1g/cm〜800kg/cmの圧力で所定形状に成形し、再度PTFEの融点以上の温度で焼成することでPTFE多孔体を製造する方法が開示されている。
例えば、特許文献2には、PTFE粉末と、融点がPTFEよりも低く且つ分解温度がPTFEの焼成温度よりも高い結着剤とを混合する工程、この混合物をゲル化した後に微粉砕する工程、微粉砕された粉末をラム押出成形して予備成形体を作成する工程、予備成形体を無拘束下で焼成する工程からなるPTFE多孔体の製造方法が開示されている。
例えば、特許文献3には、造孔剤として作用する液状潤滑剤を含むPTFEを成形した後、延伸した状態で加熱することで多孔体を製造する方法が開示されている。また、従来技術として、PTFEと造孔剤として作用する液状潤滑剤を混和して成形した後、この液状潤滑剤を除去することで多孔体を製造する方法が開示されている。ここで、液状潤滑剤としては、ナフサ、ホワイトオイル、トルオール、キシロールなどが挙げられている。
また、特許文献4には、PTFE粉末に造孔剤として作用する発泡剤及び液状潤滑剤を加えた混和物を所定形状に成形し、この混和物を加熱して発泡させることで無数の微細気孔を形成した後、延伸をすることで多孔体を製造する方法が開示されている。ここで、発泡剤としては、アゾ系発泡剤、ヒドラジド系発泡剤、セミカルバジド系発泡剤、ニトロソ系発泡剤、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、亜硝酸アンモニウムなどが挙げられている。液状潤滑剤としては、流動パラフィン、ナフサ、ホワイトオイル、トルエン、キシレンなどが挙げられている。
また、特許文献5には、PTFE粉末と、造孔剤として作用する細孔形成剤、膨張剤、及び、潤滑油とを混合して冷間押出し、上記潤滑油の蒸発と、上記細孔形成剤及び上記膨張剤の昇華または分解と、PTFEの焼結とを順次行う製造方法が開示されている。ここで、潤滑油としては、脂肪族炭化水素の混合物が挙げられている。細孔形成剤としては、ベンゼン、トルエン、ナフタレン、ベンズアルデヒド、アニリンの如き化合物またはこれら化合物のモノハロゲン化もしくはポリハロゲン化誘導体が挙げられている。膨張剤としては、アゾジカルボンアミド、改質アゾジカルボンアミド、5-フェニルテトラゾール及びその誘導体またはヒドラジンの芳香族誘導体が挙げられている。
また、特許文献6,7には、造孔剤を含有したPTFEを加熱焼成し、その際に造孔剤の作用によってPTFEを多孔化させることが開示されている。ここで、造孔剤としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムが挙げられている。
また、特許文献8には、造孔剤として作用する発泡剤を含むPTFEを押出成形した後、この発泡剤を除去することで多孔体を製造する方法が開示されている。ここで、発泡剤としては、アゾ化合物、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、ヒドラジン、テトラゾール、ベンゾキサジン、セミカルバジドなどが挙げられている。
また、当該出願人より、本願発明に関連して特許文献9,10が出願されている。この特許文献9,10には、造孔剤として、ショウノウ、メントール、ナフサを適宜組合せることが記載されている。
また、特許文献11には、延伸により多孔質化したPTFEをガスケットに用いる例が開示されている。
特開昭61−66730号公報:中興化成工業 特開平5−93086号公報:ダイキン工業 特公昭42−13560号公報:住友電気工業 特公昭57−30059号公報:日東工業 特開昭60−93709号公報:アビア・カーブル 特開平11−124458号公報:日本バルカー 特開2001−67944公報:日本バルカー 特表2004−500261公報:スリーエム 特開2005−336459公報:クラベ 特願2005−348551明細書:クラベ 特開2006−258212公報:ジャパンゴアテックス
しかしながら、特許文献1,2で開示されたような、微粉砕したPTFE粉末を再度成形する製造方法では、気孔の径が粗大になるため肌理の細かい成形体を得ることができないだけでなく、気孔率の高い成形体を得ることや、気孔率を制御することが非常に困難である。また、バッチ式の金型成形あるいはラム押出しによる連続成形は可能であるが、ペースト押出しによる連続成形が非常に困難である。
また、上記したように、特許文献3〜8で開示されている造孔剤や、造孔剤として作用する液状潤滑剤、発泡剤、細孔形成剤、膨張剤、及び、潤滑油は、低粘度の液体若しくは粉体のものである。また、従来から広く一般的に使用されている造孔剤はナフサであり、これも低粘度の液体である。これらのような造孔剤を使用すると、以下のような問題が発生する。
まず、造孔剤が低粘度の液体のみからなる場合には、低粘度の液体がPTFE粉末に所定量しか保持されず、過剰分は滲み出てしまうため、25%を越えるような気孔率の多孔体を製造することは困難である。しかも、このような多孔体を完全焼成したような場合には、気孔が潰れて気孔がほとんど残らないという問題がある。
次に、造孔剤が特許文献3〜8に記載されたような粉体の場合には、粉体粒子が継粉状になり易いことにより、気孔が粗大になってしまうため、肌理の細かい多孔体を製造することができない。このような粗大な気孔が存在していると、多孔体に曲げなどの外力が加わった際に、気孔部分で応力集中が発生し割れや切れが発生するというように、機械的強度が低下してしまう。また、粉体の造孔剤を多量に混合させた場合には、押出成形をする際、管壁抵抗が大きくなることから押出機内部の圧力が高くなるため、押出成形性が非常に悪くなる。そのため、長尺の成形体とすることが非常に困難である。また、特許文献3〜8には発泡剤や膨張剤といった類のガス発生物質を使用することが記載されているが、このような場合、発生したガスはその場に止まることなく抜けていってしまうことになるため、実質的には気孔の形成に寄与することにならない。また、発泡剤や膨張剤の場合、残渣が残るものが多く、このような場合には、残渣が電気特性に悪影響を与えることになってしまう。
次に、造孔剤が低粘度の液体と粉体を混合したものである場合には、上記の造孔剤が粉体の場合や、造孔剤が低粘度の液体である場合と同様の問題が生じる。即ち、粉体粒子の抜けた部分が気孔になるので気孔が粗大になってしまうとともに、液体の粘度が低いために粉体粒子を分散した状態で保持することができず粉体粒子が継粉状になり易いことにより、更に気孔が粗大になってしまうため、肌理の細かい多孔体を製造することができない。また、低粘度の液体の造孔剤を多量に混合すると、過剰分が滲み出てしまう。また、粉体の造孔剤を多量に混合すると、押出成形をする際、管壁抵抗が大きくなることから押出機内部の圧力が高くなるため、押出成形性が悪くなる。そのため、長尺の成形体とすることが非常に困難である。
また、特許文献3、4、11のように延伸を行う場合には、特殊な装置が必要になり、工程が増加するため生産性が低下してしまう。更に、延伸の場合は、気孔率の制御が困難であるとともに、実質上、厚膜やバルク状とすることができないため、それ自身に弾性を持たせることは困難である。そのため、薄膜かテープ状の形状で使用するか、他部材と組合せて使用することになってしまい、用途が非常に限られたものとなっている。
当該出願人は、このような問題に対して、特許文献9,10に係る発明を行い、これまでのPTFE多孔体と比較して優れたものを創り出すに至った。しかし、このPTFE多孔体をシール材とするには、できあがった成形品の表面を平滑にし、外観を良好にするという更なる要求が生じている。この要求に応じるには、焼成時の加熱によっても焼成前の形状と比較して収縮が小さくてクラックが入り難い、成形品としての寸法精度が良好なものが必要とされる。また、押出成形のような、連続的に大量生産が可能であることも要求される。
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、特に、肌理の細かく表面が平滑で寸法精度が良好なPTFE多孔体を得ることができ、且つPTFE多孔体の気孔率を容易に制御することができる技術によって、使用するに充分な硬度、柔軟性及び弾性を得ることできるシール材を提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1によるシール材は、気孔率が5%以上で、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解曲線において焼成状態(完全焼成)の吸熱ピークのみを有し、非延伸のPTFE多孔体を使用したものである。
また、請求項2記載のシール材は、気孔率が5%以上で、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解曲線において焼成状態(完全焼成)の吸熱ピークを明確にならない程度に有し、非延伸のPTFE多孔体を使用したものである。
また、請求項3記載のシール材は、気孔の形状が、特定の方向に配向していることを特徴とするものである。
また、請求項4記載のシール材は、ポリテトラフルオロエチレン粉末と、空気中での加熱により気化する性質を有する有機物粉末と有機溶剤を含む造孔剤と、を混合してポリテトラフルオロエチレン混合体とし、該ポリテトラフルオロエチレン混合体を所定形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けたポリテトラフルオロエチレン多孔体を使用したものである。
また、請求項5記載のシール材は、PTFE粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してPTFE混合体とし、該PTFE混合体を所定形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けたPTFE多孔体を使用したものである。
また、請求項6記載のシール材は、上記PTFE粉末が平均粒径100μm以下であることを特徴とするものである。
また、請求項7記載のシール材は、上記ジカルボン酸が、フマル酸であることを特徴とするものである。
また、請求項8記載のシール材は、上記ジカルボン酸粉末の粒径が、100μm以下であることを特徴とするものである。
また、請求項9記載のシール材は、上記有機溶剤が、動粘度5mm/s(37.8℃)以上の石油系溶剤であることを特徴とするものである。
また、請求項10記載のシール材は、PTFE粉末と、造孔剤とを混合したPTFE混合体を所定形状に成形し、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けた後、焼成を行ったPTFE多孔体であって、上記PTFE混合体の状態に対して一辺の収縮率が35%以下であるPTFE多孔体を使用したものである。
また、請求項11記載のシール材の製造方法は、PTFE粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してPTFE混合体とし、該PTFE混合体を長尺の形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けPTFE多孔体とし、該PTFE多孔体を所望とする形状にカットするものである。
また、請求項12記載のシール材の製造方法は、PTFE粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してPTFE混合体とし、該PTFE混合体を長尺の形状に成形した後、成形した該PTFE混合体を所望とする形状にカットし、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けPTFE多孔体とするものである。
また、請求項13記載のシール材の製造方法は、PTFE粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してPTFE混合体とし、該PTFE混合体を長尺の形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けPTFE多孔体とし、該PTFE多孔体を所望とする形状にカットするものである。
また、請求項14記載のシール材の製造方法は、PTFE粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してPTFE混合体とし、該PTFE混合体を長尺の形状に成形した後、成形した該PTFE混合体を所望とする形状にカットし、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けPTFE多孔体とするものである。
本発明によれば、肌理の細かいPTFE多孔体を得ることができるとともに、このPTFE多孔体は、焼成時の収縮が小さいため、表面が平滑であるともに、成形品としての寸法精度が良好である。また、造孔剤の混合量を自由に設定することにより、気孔率を容易に制御することが可能であり、高気孔率のPTFE多孔体を製造することも可能である。加えて、管壁抵抗が大きくなるようなこともないため、PTFE混合体を押出成形する際にも、押出成形性を低下させることもない。
PTFE多孔体の肌理が細かいことにより、以下のような効果を得ることができる。まず、気孔の大きさが微細且つ均一であり、粗大な気孔がないため、曲げなどの外力が加わっても応力が分散され、割れや切れが起き難く機械的強度に優れたものとなる。更に、シール材として隙間等を封止する際に、硬度、柔軟性及び弾性に偏りがなくなるため、不均一な変形により不要な隙間を形成することを防ぐことができる。
また、焼成時の収縮が少ないため、寸法精度が良好であり、形状の設計自由度も向上する。更に、表面にクラック等がなく、平滑なものとできるため、シール材として隙間等を封止する際に、表面の凹凸に起因する隙間の形成を防止することができる。
また、PTFE多孔体を高気孔率とすることにより、以下のような効果を得ることができる。まず、多孔体全体としての比重を小さくすることができるため、軽量化の要求に対応することができる。また、高気孔率であるほど高価なPTFEの使用量が減るのでコストダウンにもつながることになる。更には、弾性率が高いほど大きく変形させることができるため、汎用的な形状のもの一部品のみで大きな隙間も埋めることができる。
本発明において、PTFE粉末としては、ファインパウダーやモールディングパウダーが考えられるが、肌理の細い成形品を得る面から、粒径の小さなファインパウダーが好ましい。
本発明において、PTFE粉末と混合される造孔剤としては、空気中での加熱により気化する性質を有する有機物粉末と有機溶剤を含むものであることが好ましい。この有機物粉末としては、例えば、安息香酸、アニリン、ナフタレン、メントール、ショウノウ、ジカルボン酸等の粉末が挙げられる。これらの中でもジカルボン酸粉末が好ましい。
ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸などが挙げられる。これらのようなジカルボン酸の粉末であれば、その原因については明確になっていないが、上記した特許文献3〜8もしくは特許文献9,10に記載された造孔剤とは異なり、肌理が細かく、且つ、寸法精度が良好なPTFE多孔体を得ることができる。更に、管壁抵抗が大きくなることもないため、押出成形により成形することが可能である。これらのジカルボン酸の中でも、フマル酸は、特に焼成時の収縮を抑える効果が大きいため好ましい。また、ジカルボン酸粉末の中でも、空気中での加熱により気化する性質を有するものであれば、加熱によって造孔剤を気化させて除去することが容易であるため、好ましい。気化させて除去する場合、例えば、熱分解させて除去する場合に比べて、PTFE中に残渣を残しにくく、残渣による外観不良への悪影響を防止することができる。このような空気中での加熱により気化する性質を有するジカルボン酸粉末として、例えば、沸点が300℃以下のものであれば、特別な装置を必要とせず、通常用いられる加熱炉などにより容易に造孔剤を除去することができるため、好ましい。また、ジカルボン酸粉末の沸点が300℃以下のものであれば、PTFEの焼成の温度(370〜400℃)より低い温度で除去されるため、ジカルボン酸成分が焼成中に引火するような事故を防ぐことができる。しかしながら、ジカルボン酸の沸点が300℃を超えていてもPTFEの熱分解温度(480℃)以下であれば、PTFEを熱分解することなく多孔化できるので、ジカルボン酸の沸点から造孔剤を限定するものではない。
また、ジカルボン酸粉末の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。このような粒径であれば、気孔径がより小さなものとなり、より肌理の細かいPTFE多孔体を得ることができる。
有機溶剤としては、例えば、流動パラフィン、ナフサ、ホワイトオイル、灯油、軽油等の炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類などの溶剤が挙げられ、これらの中でも、PTFEとの浸透性からナフサ、灯油、軽油等の石油系溶剤を使うことが好ましい。特に、PTFE粉末に良好に保持させるために、動粘度2mm/s(37.8℃)以上、更には動粘度5mm/s(37.8℃)以上の石油系溶剤を使うことが好ましい。このような有機溶剤であれば、粉体の粒子間に一旦保持されれば、低粘度の有機溶剤をそのまま造孔剤として使用したときとよりも、所定形状に成形する際の圧力が加わった際に有機溶剤のみが滲み出て、PTFE粉末と有機溶剤とが分離するようなことは起こり難く、管壁抵抗を下げる潤滑効果を保持することになる。そのため、配合量の適応範囲が広く、また潤滑効果が高く成形性(成形体の外観)が良好となる。更に、PTFE粉末やジカルボン酸粉末による継粉の形成を効果的に防止することができ、気孔の大きさをより微細なものとすることができる。但し、PTFEを焼成させる場合、通常370〜400℃程度の温度で焼成させるので、焼成時の高温まで溶剤が残っていると引火する危険性があり、焼成前に完全に溶剤が蒸発していることが必要になるため、有機溶剤の沸点は300℃以下のものが好ましい。但し成形の方法によっては、成形時に必ずしも有機溶剤が必要ではない場合があるので、有機溶剤の使用を必須とするものではない。
また、造孔剤として、上記特許文献9,10に開示されているような、ショウノウやメントールなどのテルペン類を適宜に加えても構わない。
上記のような造孔剤とPTFE粉末を、タンブラーなどで攪拌して混合し、PTFE混合体を得る。このとき、特に高気孔のPTFE押出成形品とする場合には、焼成前および焼成後の機械強度の面からPTFEは平均粒径の100μm以下のものを用いることが好ましい。ただし、回転刃などの粉砕機能を備えた攪拌混合機等を用いて、粉砕工程と兼ねてPTFE粉末や造孔剤の細粒化を行うこともできるため、上記平均粒径に限定されるわけではない。この際、造孔剤の混合量を変えることにより、気孔率を容易に制御することができる。尚、造孔剤として複数の成分を混合して使用する場合、予め造孔剤を構成する各成分を混合しておけば、造孔剤が均質となるため、より肌理の細かいPTFE多孔体を作製することができ好ましいが、造孔剤を構成する各成分をPTFE粉末に別に加えた後、攪拌などによりこれらを一括して混合しても良い。
また、PTFE混合体の他の態様としては、PTFE粉末と粉末または粘性体の造孔剤とが一体化した粒子となるように混合したものがある。このように、PTFE粉末と造孔剤とが一体化した粒子となるように混合すれば、気孔の状態をされに微細かつ均一にすることができるため、肌理の細かいPTFE多孔体を得ることができる。また、管壁抵抗を更に小さくすることができ、押出成形性も良好なものとなる。特にこのような手法は、気孔の状態が通気特性等に直接結び付くフィルタの用途において有用である。ここで「一体化した粒子」とは、PTFE粉末の粒子と造孔剤の粒子とが、別々の粒子としてはほぼ観察されず、容易にそれぞれの粒子に分離しない状態となっていることを示す。一体化の詳細な内容については、上記した特許文献9,10を参照することができる。
上記のPTFE混合体を所定形状に成形し、造孔剤を除去することにより、PTFEに気孔が設けられ、PTFE多孔体が作製される。PTFE混合体の成形に際して、本発明では、一般に知られている種々の成形方法により成形をすることができる。例えば、金型成形などにより成形して所望とする形状に仕上げたり、一度成形したものを切削加工して所望とする形状に仕上げたりすることができる。また、圧延成形などにより成形して所望とする形状とすることもできる。更に、管壁抵抗が大きくなることがないことから、ラム押出、ペースト押出といった押出成形を行うこともでき、特に、高速で連続生産可能なペースト押出が好ましい。押出成形時の形状についても種々選択でき、断面形状が所望とする形状となるように押出しても良いし、シート状や板状に押出しても良いし、チューブ状や丸棒状に押出成形して圧延ロールで所定形状に再成形しても良いし、押出し後に連続して切削加工を施しても良い。押出成形により所定形状に連続成形した場合は、後にカットするなどして、シール材として所望とする形状とすれば良い。ここで、いずれの成形方法で成形する場合でも、PTFE粉末の平均粒径が100μm以下であることが好ましい。特にPTFEの含有割合が40%を下回る場合であって、かつペースト押出する場合、成形品は長手方向には繊維化して成形上十分な強度を保持するが、横方向に対しては繊維間の結合が弱く焼成前に裂け易くなる傾向がある。PTFE粉末の粒径を100μm以下にすることによりPTFEの接触点を増やし、横方向の機械的強度を増すことができる。
また、造孔剤を除去する方法としては、設備の簡便さから加熱により造孔剤を気化させること好ましいが、減圧により造孔剤を気化させることも考えられし、造孔剤を溶解する溶媒に浸し、造孔剤を溶かし出すことも考えられる。PTFEを焼成する方法としては押出成形後に連続して焼成炉で加熱焼成しても良いし、押出成形後、所定形状にカットした後、連続或いはバッチ式の焼成炉で加熱焼成しても良い。
尚、本発明によるPTFE多孔体は、200℃程度の加熱処理などにより造孔剤を除去し、その後に焼成を行わず、未焼成PTFE多孔体として使用しても良い。また、造孔剤を除去した後、更に370℃以上の焼成を行い、完全焼成PTFEとして使用しても良い。また、焼成温度を調節することで未焼成と完全焼成が混在した半焼成PTFE多孔体としても良い。焼成の状態については、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解曲線によって確認することができる。「未焼成状態」の場合は340℃付近に1箇所だけピークが観察され、「完全焼成状態」の場合は320℃付近に1箇所だけピークが観察され、「半焼成状態」の場合は340℃付近にピークが観察されると同時にその手前の320℃付近にも別のピークが観察される。これらの他に、国際特許公開WO04/086416に記載されたような、「微焼成状態」という場合があり、上記した「未焼成状態」と「半焼成状態」の中間の状態を示している。そして、これを区分けする目安になるのが、320℃付近におけるピークの有無である。つまり、この320℃付近におけるピークが明確に観察されるまで焼成が進行すると「半焼成状態」となってしまい、「微焼成状態」とは、そのようなピークが観察されるに至る手前の焼成状態を意味するものである。尚、これらのPTFE多孔体に、更に延伸加工を加えても構わない。
焼成により、PTFEは半溶融状態となるため、程度の大小はあるがPTFE多孔体中の気孔は減少し気孔率が低下することになる。この気孔率が低下する度合いは焼成の進行に従い大きくなる。そのため、焼成前の気孔率は、焼成後の気孔率よりも更に大きくしておく必要があるが、これには造孔剤を過剰気味に添加する必要がある。上記したように、低粘度の液体の造孔剤では、過剰分が滲み出てしまうことになるし、従来の粉体の造孔剤では、多量の混合により管壁抵抗が大きくなることから押出機内部の圧力が高くなるため、押出成形性が非常に悪くなる。また、焼成のための熱処理の際に収縮が大きくなることからクラックが入り易いため、長尺のものを得ることが非常に困難であった。このため、実際には、気孔率が5%以上、完全焼成、非延伸且つ長尺のPTFE多孔体や、気孔率が22%を超え、微焼成、非延伸且つ長尺のPTFE多孔体は存在していなかった。
しかしながら、上記のようにして得られたPTFE多孔体は、完全焼成で且つ非延伸であり、長尺なものであっても、気孔率が5%以上のものとすることができる。また、微焼成で且つ非延伸であり、長尺なものであっても、気孔率が22%を超えるのものとすることができる。ここで、長尺とは、一般的な指標に基づいて判断されるものであるが、おおよそ長さが径の20倍以上となるものが該当することになる。このようなPTFE多孔体であれば、例えば、優れたシール材として好適に使用することができる。特に、上記のようにして得られたPTFE多孔体は、肌理が細かく、平均気孔径が100μm以下とすることもできる。このようなものであれば、気孔がより小さくなるため、硬度、柔軟性及び弾性、更には、機械的強度の均一化を発現するため好ましい。
上記のようにして得られたPTFE多孔体は、気孔状態を制御することも可能であり、例えば、気孔率5%以上40%未満では独立気孔を主体とし、気孔率40%以上50%未満では独立気孔と連続気孔をともに有し、気孔率50%以上では連続気孔を主体とする、というような気孔状態とすることができる。勿論、造孔剤の粒径や混合量を適宜設定することで、気孔率50%未満でも連続気孔を主体としたPTFE多孔体とすることが可能である。また、造孔剤の混合量を増加させることにより、例えば気孔率80%以上のPTFE多孔体を得ることも可能である。また、長尺のPTFE多孔体を押出成形によって作成した場合、その気孔形状は長手方向に配向したものとなる。このような気孔形状であれば、長手方向の引張強度が高いため長尺品であっても切断され難く、クラックが入り難いため曲げに対しても強いものとなり、取扱いが容易である。
上記のようにして得られたPTFE多孔体は、所望とする形状にカットや切削加工などがなされ、シール材とされる。但し、上記したように、PTFE混合体の成形の際や焼成の際に、既に所望とする形状としている場合は、特にPTFE多孔体にカットや切削加工などを行う必要はない。
シール材は、薄膜状、厚膜状、バルク状など任意の形状にて成形することができる。また、PTFEは融着によって接着することが可能なため、例えば、リング状のシール材に仕上げるために、シート等からのカット(打ち抜きや切削を含む)や、円筒形状、パイプ形状などの長尺に成形したもの等からのカットだけでなく、円柱状等に成形したものの両端を融着してリング状にすることもできる。
また、用途や目的によっては気孔率の制御により水などの液体をシールしながらも通気性を持たせた素材とすることが可能である。尚、PTFEは、他材料との接着性に難があるが、フッ素ゴムとは比較的良好に接着することができる。そのため、他部材と接触する部分のみにフッ素ゴムが配置されるような形態とするとより高いシール性を得ることができる。具体的な例としては、シール材を電線、光ファイバー等が貫通する形態の場合、この電線、光ファイバー等が接触する部分意フッ素ゴムの別部材を介在させることが考えられる。これによれば、高い液体シール性を保持しながら通気が有り、さらには電線、光ファイバー等を通すことができる通気性パッキンとすることができる。
また、磨耗性や機械的強度をあげるために、炭素繊維、炭化珪素などのフィラーを添加して成形することもできる。さらにはポリイミド、ポリエーテルスルホン、エポキシ樹脂、アラミド繊維、ガラス繊維、フッ素樹脂などの材料との複合材料にして機械的補強をしても良い。複合体とすることによりPTFE多孔体が高気孔率であっても機械的強度を向上することができる。
以下、本発明の実施例と、比較例を説明する。
実施例1〜5
平均粒径約20μmPTFE樹脂粉末と、造孔剤としてのジカルボン酸粉末(フマル酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸)及び有機溶剤(ナフサ、動粘度3mm/s(37.8℃))とを表1に示す割合(重量%)になるように混合し、PTFE混合体を得た。このPTFE混合体を金型に入れ圧縮成形して予備成形したのち、押出成形機にて外径約4mmの円柱状の成形体を押出成形した。この成形体を長さ70mmにカットした後、PTFEの融点以下の温度で加熱処理して造孔剤を気化させて除去し、さらにPTFEの融点以上の温度で加熱処理をして焼成し、サンプル片を作成した。これらのサンプル片について、気孔率と加熱処理後の収縮率を測定した。気孔率は、造孔剤を混合しない他は実施例1と同じ方法により作成したサンプル片を指標サンプル片とし、計算式「気孔率=100−(サンプル片の比重/指標サンプル片の比重)×100」により求めた。収縮率は、加熱処理後のサンプル長を、加熱処理前のサンプル長で割った値とした。気孔率と収縮率の値を併せて表1に示す。
比較例1〜6
造孔剤として、ジカルボン酸粉末の代わりにソルビン酸、尿素、L−グルタミン酸、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムのいずれかを用いた以外は、実施例1〜5と同様にしてサンプル片を作成し、気孔率と収縮率を測定した。混合の割合、気孔率、誘電率(気孔率からの計算値)を併せて表2に示す。
造孔剤としてのジカルボン酸粉末(フマル酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸)を用いた場合には、60%を超える高気孔のPTFE多孔体が得られた。また、寸法精度も良好であり、表面はクラック等がなく平滑なものであることが確認できた。尚、IR分析から造孔剤は成形体に残っていないことが確認できた。
これら、実施例1〜5と対照されるのが造孔剤としてソルビン酸、尿素、L−グルタミン酸、炭酸水素アンモニウム、および炭酸アンモニウムのいずれかを使用した比較例1〜5である。比較例1〜3(ソルビン酸、尿素、L−グルタミン酸)はいずれも押出成形が可能で、焼成後にPTFEが多孔質化したが、炭化成分が残りサンプル片が黒化した。また、成形性は悪く、焼成後に成形体にクラックが観察された。比較例4,5(炭酸水素アンモニウム、及び炭酸アンモニウム)は成形圧が高く押出成形ができなかった。
表3に示すように、実施例1〜5のPTFE多孔体は、気孔率60%を超える高気孔率のPTFE多孔体となった。
尚、気孔のサイズは造孔剤の粒径に影響されることが判っている。より小さな気孔とする場合には造孔剤を事前に粉砕処理したり、あるいはPTFEと造孔剤を一緒に成形前に粉砕処理したりすることが考えられる。
また、実施例1〜5によるサンプル片をナイフでカットした面について、走査型電子顕微鏡で観察し、気孔状態を確認した。何れのサンプル片も押出方向に配向した気孔が観察された。代表して、実施例1によるサンプル片を押出方向にカットした面の1000倍拡大写真を図1に、実施例1によるサンプル片を押出方向と垂直にカットした面の1000倍拡大写真を図2に示す。
また、実施例1〜5によるサンプル片について、JIS K7122プラスチックの転移熱測定方法により示差走査熱量測定(DSC)を実施し、それによって得られた結晶融解曲線において、吸熱ピークを確認した。このDSCによれば、何れのサンプル片も、完全焼成PTFEに特徴的な320〜330℃付近のピークが見られていることから、400℃で10分間の加熱焼成処理により完全焼成PTFEとなっていることが確認できた。図5に実施例1の結晶融解曲線を示す。
本発明においては、造孔剤の配合量により気孔率を容易に制御することができる。そのため、上記実施例のような気孔率40〜60%のものだけでなく、例えば、気孔率が5%、10%、20%、30%のものなど、適宜作り分けることができる。このような気孔率の制御を応用すれば、気孔率の異なる(機械的強度の異なる)PTFEを重ね合わせ、必要に応じて融着等により複合して目的の強度を有するシール材とすることもできる。
また、本発明によれば、結着剤や他のフッ素樹脂等を含まない、実質的にPTFEのみからなるPTFE多孔体を得ることができるし、必要に応じて炭素繊維、炭化珪素などのフィラーを含むPTFE多孔体とすることもできる。このようなPTFE多孔体は、シール材として非常に有用なものとなる。
本発明によれば、肌理の細かく表面が平滑であり寸法精度が良好なPTFE多孔体を得ることができ、且つ、PTFE多孔体の気孔率を容易に制御することが可能である。このPTFE多孔体は、充分な硬度、柔軟性及び弾性を得ることができ、シール材として好適に使用することができる。また、本発明のシール材は、摩擦係数の小さいPTFEから構成されているため、固定用途に使われるシール材であるガスケットとして使用されるのみでなく、運動部分・可動部分に使用されるシール材であるパッキンとして使用することも有効である。
実施例1によるサンプル片を長手方向にカットした面の1000倍に拡大した写真である。 実施例1によるサンプル片を長手方向と垂直にカットした面の1000倍に拡大した写真である。 実施例1の結晶融解曲線である。

Claims (14)

  1. 気孔率が5%以上で、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解曲線において焼成状態(完全焼成)の吸熱ピークのみを有し、非延伸のポリテトラフルオロエチレン多孔体を使用したシール材。
  2. 気孔率が5%以上で、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解曲線において焼成状態(完全焼成)の吸熱ピークを明確にならない程度に有し、非延伸のポリテトラフルオロエチレン多孔体を使用したシール材。
  3. 気孔の形状が、特定の方向に配向していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポリテトラフルオロエチレン多孔体を使用したシール材。
  4. ポリテトラフルオロエチレン粉末と、空気中での加熱により気化する性質を有する有機物粉末と有機溶剤を含む造孔剤と、を混合してポリテトラフルオロエチレン混合体とし、該ポリテトラフルオロエチレン混合体を所定形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けたポリテトラフルオロエチレン多孔体を使用したシール材。
  5. ポリテトラフルオロエチレン粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してポリテトラフルオロエチレン混合体とし、該ポリテトラフルオロエチレン混合体を所定形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けたポリテトラフルオロエチレン多孔体を使用したシール材。
  6. 上記ポリテトラフルオロエチレン粉末が平均粒径100μm以下であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のシール材。
  7. 上記ジカルボン酸が、フマル酸であることを特徴とする請求項5記載のシール材。
  8. 上記ジカルボン酸粉末の粒径が、100μm以下であることを特徴とする請求項5又は請求項7記載のシール材。
  9. 上記有機溶剤が、動粘度5mm/s(37.8℃)以上の石油系溶剤であることを特徴とする請求項4〜請求項8記載のシール材。
  10. ポリテトラフルオロエチレン粉末と、造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を所定形状に成形し、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けた後、焼成を行ったポリテトラフルオロエチレン多孔体であって、上記ポリテトラフルオロエチレン混合体の状態に対して一辺の収縮率が35%以下であるポリテトラフルオロエチレン多孔体を使用したシール材。
  11. ポリテトラフルオロエチレン粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してポリテトラフルオロエチレン混合体とし、該ポリテトラフルオロエチレン混合体を長尺の形状に成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けポリテトラフルオロエチレン多孔体とし、該ポリテトラフルオロエチレン多孔体を所望とする形状にカットするシール材の製造方法。
  12. ポリテトラフルオロエチレン粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してポリテトラフルオロエチレン混合体とし、該ポリテトラフルオロエチレン混合体を長尺の形状に成形した後、成形した該ポリテトラフルオロエチレン混合体を所望とする形状にカットし、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けポリテトラフルオロエチレン多孔体とするシール材の製造方法。
  13. ポリテトラフルオロエチレン粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してポリテトラフルオロエチレン混合体とし、該ポリテトラフルオロエチレン混合体を押出成形により成形した後、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けポリテトラフルオロエチレン多孔体とし、該ポリテトラフルオロエチレン多孔体を所望とする形状にカットするシール材の製造方法。
  14. ポリテトラフルオロエチレン粉末と、ジカルボン酸粉末と有機溶剤を含む造孔剤とを混合してポリテトラフルオロエチレン混合体とし、該ポリテトラフルオロエチレン混合体を押出成形により成形した後、成形した該ポリテトラフルオロエチレン混合体を所望とする形状にカットし、上記造孔剤を除去することによって気孔を設けポリテトラフルオロエチレン多孔体とするシール材の製造方法。
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