JP2008301785A - 有害獣侵入防止柵設置用支柱並びに有害獣侵入防止柵 - Google Patents
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Abstract
【課題】有害獣侵入防止柵の構造を簡単にし威圧感構造を備えさせ、その柵設置を容易にし、強度の大きな柵にする。
【解決手段】有害獣侵入防止柵設置用支柱1を、棒状の支柱本体2と、その支柱本体の上端部から本体と直角の一方向又は相対する反対方向に所定の長さ突出し、その先端部に柵10の上面部を形成する上面用網7又は柵の全面部を形成する全面用網の上縁部を係止する網掛用上フック部4を設けた弾力性を有する棒状の腕3と、その支柱本体2の中央部から腕3と対応させて、腕と同一の一方向又は相対する反対方向に腕の突出長さと比べて短く突出し、上面用網7の下縁部又は全面用網の中央部、或いは上面用網7の下縁部と柵10の下面部を形成する下面用網の上縁部とを係止する網掛用中央フック5とから構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】有害獣侵入防止柵設置用支柱1を、棒状の支柱本体2と、その支柱本体の上端部から本体と直角の一方向又は相対する反対方向に所定の長さ突出し、その先端部に柵10の上面部を形成する上面用網7又は柵の全面部を形成する全面用網の上縁部を係止する網掛用上フック部4を設けた弾力性を有する棒状の腕3と、その支柱本体2の中央部から腕3と対応させて、腕と同一の一方向又は相対する反対方向に腕の突出長さと比べて短く突出し、上面用網7の下縁部又は全面用網の中央部、或いは上面用網7の下縁部と柵10の下面部を形成する下面用網の上縁部とを係止する網掛用中央フック5とから構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、山野等に生息する狸、猪、鹿、熊等の食害防止に使用する有害獣侵入防止柵設置用支柱並びに有害獣侵入防止柵に関する。
近年、農山村の高齢化、過疎化が進んで里山が荒廃し、耕作放棄地が増えると共に、人里に狸、猪、鹿、熊等の獣類が以前より多く現れるようになって、農作物を食い荒らすようになってきた。又、温暖化に伴う降雪量の減少により鹿の頭数が増え、植林したての幼樹ばかりでなく成樹に対する食害も深刻な問題になってきている。
このような有害獣の食害から農作物や樹木を保護するため、従来より侵入防止用に石垣、柵等が設置されて使用されてきた。例えば金属管等のパイプ状支柱の下部を地面に打ち込んで、所定の間隔を保つように並べて立設し、それ等の各支柱の最上部にS字状フックを係止する等して、防獣ネットを固定し、有害獣侵入防止柵を設置している。又、跳躍力のある鹿に対しては跳び越えを防止するため、金網柵の各支柱上部に、更に柵の鉛直方向から斜め上方に棒状体を突出させて、その各棒状体の先端部と中程の位置にワイヤーを2列横方向に張り、そのワイヤーに光を受けて輝くアルミ箔の短冊を吊るす等して、威圧感を与えることにより、跳び越えを妨げるようにしたものもある。
特開2000−93066
特開2002−315496
しかしながら、鹿の飛び越えを防止するため、上記文献に示すように柵本体の上に更に威圧感構造を備えるのでは、有害獣侵入防止柵の構造が複雑となる。又、その柵設置に必要な時間、労力等の負担も当然大きくなる。しかも、威圧感構造を備えても柵の強度は余り大きくならず問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、有害獣侵入防止柵の構造が簡単で威圧感構造を備え、その柵設置が容易で、強度の大きな柵を設置できる有害獣侵入防止柵設置用支柱並びにその支柱を用いた有害獣侵入防止柵を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による有害獣侵入防止柵設置用支柱は、棒状の支柱本体と、その支柱本体の上端部から本体と直角の一方向又は相対する反対方向に所定の長さ突出し、その先端部に柵の上面部を形成する上面用網又は柵の全面部を形成する全面用網の上縁部を係止する網掛用上フック部を設けた弾力性を有する棒状の腕と、その支柱本体の中央部から腕と対応させて、腕と同一の一方向又は相対する反対方向に腕の突出長さと比べて短く突出し、上面用網の下縁部又は全面用網の中央部、或いは上面用網の下縁部と柵の下面部を形成する下面用網の上縁部とを係止する網掛用中央フックとから構成する。
そして、網掛用上フック部をU字状に屈曲させたU字状屈曲部にし、網掛用中央フックとして、逆U字状に屈曲させた逆U字状屈曲体、又は逆U字状に屈曲させた逆U字状屈曲部とU字状に屈曲させたU字状屈曲部とを有する屈曲体を用いると好ましくなる。
又、本発明による有害獣侵入防止柵は、上記支柱を用い、地面に所定距離離して立設した隣接する2本の支柱の同一方向に突出する各腕の網掛用上フック部と、その2支柱の同一方向に突出する各網掛用中央フックとに、上面用網又は全面用網を掛け渡し、或いは各網掛用中央フックに上面用網と一緒に下面用網を掛け渡し、その柵の上面部形成網を2支柱の本体上部と腕に対し、直角三角形状に配置して取り付け、その網面を上方に行く程、2支柱の本体上部から水平方向に長く突出するように傾斜させて設置する
又、上記の上面用網、全面用網、下面用網として金属網又は非金属製の防獣ネットを用いるとよい。
又、上記の少なくとも柵の下面部形成網として獣に破られない強度を有する網を用い、その下面部形成網の下端部を地中に所定長さ埋設すると好ましくなる。
本発明の有害獣侵入防止柵設置用支柱は、設置時に柵設置箇所の地面に必要な深さの穴を開け、その穴に支柱本体の下端部付近を差し込み、又は上方から打ち込んで支柱本体の下端部付近を突き刺す等して、その支柱本体を鉛直方向に沿わせて固定する。すると、支柱を地面に簡単に立設できる。そして、地面に所定距離離して立設した隣接する2本の各支柱の一方の側又はその相対する反対側にも設けられている2本の腕と2本の網掛用中央フックとを対にして、一方の側又は反対側の同一方向に向ける。すると、一方の側又はその反対側にある2本の各腕の網掛用フック部と2個の各網掛用中央フックとを利用して、2支柱の一方の側又はその反対側に対する網掛けを行えるようになる。それ故、このような支柱を用いると、有害獣侵入防止柵を簡単に組み立てることができる。
そこで、2支柱の各上端部から突出する腕の先端部に設けた網掛用上フック部と、2支柱の各中央部から突出する網掛用中央フックとに対し、各腕の弾力性と使用する網の適切な位置にある網目を利用して、上面用網、全面用網、下面用網を係止して掛け渡すと、柵の両上面部、両全面部、両下面部等を適宜形成できる。それ故、各上面部を形成する上面用網又は全面用網の上面用網に該当する部分の4隅を支持して縦横方向の張力を加え、網面のたるみをなくして、有害獣侵入防止柵を簡単に組み立てて設置でき、その柵構造も簡単になる、
又、このようにして各腕の網掛用上フック部と、各網掛用中央フックとに、上面用網又は全面用網を係止して掛け渡し、縦横方向の張力を加えて、その防止柵の各上面部形成網を、2支柱の本体上部と腕に対し直角三角形状に配置して取り付けると、柵の強度を大きくできる。しかも、上面部形成網を上方に行く程、2支柱の本体上部から水平方向に離れて突出するように傾斜できるので、その網面が上方程せり出す威圧感構造となって、鹿等の跳躍力のある獣の飛び越しを防止できる。
又、上記の網掛用上フック部をU字状に屈曲させたU字状屈曲部にし、網掛用中央フックとして、逆U字状に屈曲させた逆U字状屈曲体、又は逆U字状に屈曲させた逆U字状屈曲部とU字状に屈曲させたU字状屈曲部とを有する屈曲体を用いると、上面用網を取り付ける際に、網掛用上フック部を構成するU字状屈曲部と、網掛用中央フックを構成する逆U字状屈曲体又は網掛用中央フックを構成する屈曲体に備えられている逆U字状屈曲部に対し、上面用網又は全面用網の上面用網に該当する部分を、その網に設けられている適切な位置にある網目中に、それ等の屈曲部又は屈曲体が先端側から嵌まるように接近させて挿通させ、上面用網又は全面用網の上面用網に該当する部分を係止して簡単に掛け渡すことができる。又、網掛用中央フックを構成する屈曲体に備えられているU字状屈曲部に対し、下面用網を同様に係止して掛け渡すことができる。
又、上記の上面用網、全面用網、下面用網として金属網又は非金属製の防獣ネットを用いると、獣の種類、必要度に応じて適切な網を選択できるため好都合となる。
又、上記の少なくとも下面部形成網として獣に破られない強度を有する網を用い、その下面部形成網の下端部を地中に所定長さ埋設すると、穴掘りが得意な狸、猪等の獣が柵の下に穴を掘って侵入しようとしても、地面近くの地中に網が埋設されているため、簡単に網を破って侵入できず、食害を防止できる。
以下、添付の図1〜6を参照して、本発明の実施の最良形態を説明する。
図1は本発明を適用した第1実施形態による有害獣侵入防止柵を多数本のとうもろこしが生育する1畝のとうもろこし列に設置した状態を示す一部箇所の縦断面図、図2はその有害獣侵入防止柵を設置したとうもろこし列の部分側面図、及び図3はその有害獣侵入防止柵設置用支柱の正面図である。この有害獣侵入防止柵設置用支柱1には、支柱本体2として例えば外径3cm、長さが180cmの直線状の金属管を用いる。そして、その支柱本体2の上端部から本体2の軸線と直角の相対する反対方向に腕3(3a、3b)を夫々突設する。その際、両腕3を形成するため、例えば径が6mm、長さが83cmの直線状の弾力性を有する金属棒を用いる。そして、支柱本体2の上端部に金属棒が嵌まる貫通穴を開け、そこに金属棒を挿通して両側の長さを等しくした後、その金属棒を支柱本体2に溶接等によって固着する。すると、両腕3を支柱本体2に強固に固着して夫々突設できる。なお、支柱本体2の下端部を地面に立設し易くするため、例えば地面に突き刺すための形状として、大略円錐状に尖らせ、或いは平たく潰して尖らせる等の加工をする。
図1は本発明を適用した第1実施形態による有害獣侵入防止柵を多数本のとうもろこしが生育する1畝のとうもろこし列に設置した状態を示す一部箇所の縦断面図、図2はその有害獣侵入防止柵を設置したとうもろこし列の部分側面図、及び図3はその有害獣侵入防止柵設置用支柱の正面図である。この有害獣侵入防止柵設置用支柱1には、支柱本体2として例えば外径3cm、長さが180cmの直線状の金属管を用いる。そして、その支柱本体2の上端部から本体2の軸線と直角の相対する反対方向に腕3(3a、3b)を夫々突設する。その際、両腕3を形成するため、例えば径が6mm、長さが83cmの直線状の弾力性を有する金属棒を用いる。そして、支柱本体2の上端部に金属棒が嵌まる貫通穴を開け、そこに金属棒を挿通して両側の長さを等しくした後、その金属棒を支柱本体2に溶接等によって固着する。すると、両腕3を支柱本体2に強固に固着して夫々突設できる。なお、支柱本体2の下端部を地面に立設し易くするため、例えば地面に突き刺すための形状として、大略円錐状に尖らせ、或いは平たく潰して尖らせる等の加工をする。
そこで、両腕3の各先端部をU字状に屈曲させて、U字状屈曲部4(4a、4b)を夫々形成する。すると、その各U字状屈曲部4を柵1の上面部形成部材として使用する上面用網の上縁部を係止する網掛用上フック部として用いることができる。又、支柱本体2の中央部から両腕3と対応させ、その対応する腕3と同一の相対する反対方向に腕3の長さと比べてはるかに短くした網掛用中央フック5(5a、5b)を夫々突設する。その際、両網掛用中央フック5を形成するため、例えば径が6mm、長さが20cmの直線状の金属棒を用いる。そして、支柱本体2の中央部に金属棒が嵌まる貫通穴を開け、そこに金属棒を挿通して両側の長さを等しくした後、その金属棒を溶接等によって支柱本体2に固着する。その後、支柱本体2から突出する両突出部を夫々小さな逆U字状に屈曲させて、支柱本体2の相対する両側に逆U字状屈曲体を夫々形成する。すると、その逆U字状屈曲体を上面用網7の下縁部を掛ける網掛用中央フック5として用いることができる。
このようにして完成した支柱1を、例えばとうもろこしの食害が最も多い狸から保護するため、多数のとうもろこし6が並んで生育する1畝のとうもろこし列に施し、有害獣侵入防止柵を組み立てて設置する場合、柵の両上面部を形成する上面用網7として金属網、例えば幅が61cm、長さが182cmの長方形状で、全体に網目が分散されているメタルラスを用いる。そして、とうもろこし列の長さに応じて、必要とする個数の支柱1と上面用網7を夫々用意する。その後、先ず支柱1をとうもろこし列に沿い、所定距離例えば170cmずつ離してとうもろこし間に夫々立設するため分配する。次に、各箇所の地面8に支柱本体2を固定するため、その地面8に例えば30〜50cmの深さを有する穴を開け、その穴に支柱本体2の下端部を差し込み、又は上方から打ち込んで突き刺す。すると、支柱本体2を鉛直方向に沿わせて固定し、各支柱1を地面8に簡単に立設できる。なお、メタルラスは安価で、強度が大きく、種々の構造、長さ、幅を有するものがある。
その際、地面8に立設する隣接する2本の各支柱1(1a、1b)の両側に相対する反対方向に向けて各片側に設けられている2本の腕3と2個の網掛用中央フック5とを対にして、とうもろこし列の面と直角の相対する反対方向に夫々向け、とうもろこし列の両側に配置する。すると、各片側から夫々突出する2本の腕3に設けられている2個の網掛用フック部4と2個の各網掛用中央フック5とを利用し易くなり、2支柱1の両側に対する各上面用網7の係止を夫々簡単に行えるようになる。
そこで、2支柱の各本体上端部からとうもろこし列の面と直角の相対する反対方向に突出する各腕3の先端部に設けた網掛用上フック部4と、2支柱1の各本体中央部から同様に突出する各網掛用中央フック5とに対し、各腕3の弾力性と網の適切な位置にある網目を利用して、両側から上面用網7(7a、7b)を夫々係止し掛け渡して取り付ける。その際、各上面用網7を持ち、掛けられる側にある2本の各腕3の網掛用上フック部4を構成するU字状屈曲部と、2個の各網掛用中央フック5を構成する逆U字状屈曲体に対し、上面用網7の4隅付近にある適切な位置の網目中に、それ等の対となる各屈曲部4と各屈曲体5が夫々先端側から嵌まるように接近させて挿通する。すると、いずれも係止により、各上面用網7の4隅付近を弾力性を有する各腕3等で支持して縦横方向に張力を加え、各網面のたるみをなくすことができる。
そして、図1に示すように各とうもろこし6の上部側に付く房状の実9(9a、9b)の両側に、上面用網7を配置して、柵10の両側上面部を夫々形成できる。それ故、有害獣侵入防止柵10の構造と組み立てが簡単であり、その柵10をとうもろこし列に設置すると、とうもろこし6の上部側に付く房状の実9を、両側に配置した上面用網7間にできるV字状空間内に収容できる。なお、上面用網7として用いたメタルラスをつなぐ場合には、つなぎ目に当たる支柱1を共用し、その網掛用上フック部4と網掛用中央フック5とに隣接するメタルラスの一部を重ね合わせて係止する。
このようにして、とうもろこし列の面と直角の相対する反対方向に夫々突出する各腕3に設けた網掛用上フック部4と各網掛用中央フック5とに、各上面用網7を夫々掛け渡し、いずれも縦横方向の張力を加えて、両面をたるませずに取り付けておくと、その防止柵10の両側に配置した上面用網7からなる両上面部を、いずれも2支柱1の本体上部と腕3に対し、直角三角形状の位置を占めるように配置して取り付けるため、柵10の強度を大きくできる。そして、各上面部を形成する上面用網7の網面が上方に行く程、2支柱の本体上部から水平方向に離れてとうもろこし列の面から夫々せり出すので、各上面用網7の取り付け構造によって、柵10を実際より高く見せて威圧感を与えることができる。
又、たとえ狸がその上面部を登って房状の実9を取ろうとしても、上面部の網面が上方程せり出しているので登れない。又、狸がとうもろこしの茎を倒して実9を取ろうとしても、両側から上面用網7に支えられているため、簡単に倒せない。なお、有害獣侵入防止柵10を風当たりの強い場所に設置する場合等には、外力により支柱2が回転したり、柵8が変形したりしないようにするため、支柱1間に棒状の補強部材を掛け渡して止め、支柱1を棒状補強部材を用いて地面に固定する等、補強部材を適宜使用するとよい。
図4は本発明を適用した第2実施形態による有害獣侵入防止柵を多数本のとうもろこしが生育しているとうもろこし畑の周囲に設置した状態を示す一部箇所の縦断面図、図5はその有害獣侵入防止柵を設置したとうもろこし畑の一方の外側から見た部分側面図、及び図6はその有害獣侵入防止柵設置用支柱の正面図である。この有害獣侵入防止柵設置用支柱11は、支柱1と大略同様の構造を備えている。但し、支柱本体12の上端部からその本体12の軸線と直角方向に突出する腕13は1本にする。そして、その腕13の先端部を網掛用上フック部14として用いるため、例えばU字状屈曲部にする。又、支柱本体12の中央部から腕13と同一方向に網掛用中央フック15を突設する。しかし、網掛用中央フック15には、逆U字状に屈曲させた逆U字状屈曲部16とU字状に屈曲させたU字状屈曲部17とを連続して設けた屈曲体を用いる。
このような支柱11をとうもろこし畑の周囲に施し、有害獣侵入防止柵18を組み立てて設置する場合、狸をとうもろこし畑の中に侵入させないようにしなければならない。そこで、柵18の上面部を形成する上面用網19と、その下面部を形成する下面用網20とを用いる。その際、上下面用網19、20としてやはりメタルラスを用いるとよい。そして、柵18を設置するため、先ずとうもろこし畑の周囲の地面21に所定距離例えば170cmずつ離して支柱11を立設する。すると、地面21に立設した隣接する2本の支柱11(11a、11b)の腕13に設けられた2個の網掛用フック部14と2個の網掛用中央フック15とを対にして、畑の外側に向けて配置できる。それ故、2支柱11の外側に対し、各上下面用網19、20の係止による掛け渡しを夫々簡単に行えるようになる。
そこで、2個の各網掛用中央フック15を構成する屈曲体のU字状屈曲部17に対し、下面用網20の上縁部を係止して掛け渡す。そして、下面用網20の下縁部側を垂らすと、その下縁部を例えば30〜40cm地面に埋設できる。このようにして、とうもろこし畑の周囲に配設されている支柱11に対し、必要数の下面用網20を隣接する2枚の下面用網20を一部重ね合わせるように配置し、各支柱11を共用しながら順次つなぎ、各下面用網20の下端部を埋設する。すると、有害獣侵入防止柵18の下面部を形成できる。次に、とうもろこし畑の周囲に配設されている各支柱11の腕13に設けた網掛用上フック部14を構成するU字状屈曲部と、網掛用中央フック15を構成する屈曲体の逆U字状屈曲部16に対し、上面用網19を係止し掛け渡して順次つなぐ。すると、有害獣侵入防止柵18の上面部を形成できて柵18が完成する。
このようして、とうもろこし畑の周囲に有害獣侵入防止柵18を設置し、その下面部形成網の下端部を地中に所定深さ埋設しておくと、狸が柵18の下に穴を掘って侵入しようとしても、地面21の近くの地中にメタルラスを用いた下面用網が埋設されているため、穴を掘って簡単に内部に侵入できず、破ることもできない。それ故、狸による食害を防止できる。又、跳躍力のある鹿が柵18を飛び越えて侵入しようとしても、柵18の上面部形成網19の網面が上方程外側にせり出し、柵18を実際より高く見せる威圧感構造を備えているため、簡単に飛び越えられない。なお、猪に対しては有害獣侵入防止柵を設置する際に、柵を構成する各支柱と少なくとも各下面用網に一段と強度の大きなものを用いるとよい。
上記第1実施形態による有害獣侵入防止柵10では、その柵10の上面部を形成する上面用網7としてメタルラス等の金属網を用いたが、一般に防獣ネットとして市販されているプラスチック製等の非金属製の網を使用することもできる。又、柵10の支柱本体2の両側中央部に夫々設ける網掛用中央フック5を第2実施形態において採用した逆U字状屈曲部とU字状屈曲部とを有する屈曲体15にし、柵10の両側下部に下面用網を夫々係止し、両下面部を形成することもできる。又、第1、第2実施形態による柵10、18の上面部と下面部とを、分離した上面用網と下面用網とにより形成せず、市販されている防獣ネットを全面用網として用いて、柵の全面部を形成することもできる。その際には、全面用網の上縁部を網掛用上フック部に係止し、その全面用網の中央部を網掛用中央フックに係止する。すると、全面用網の上面部形成網面をその網面が上方程せり出すように傾斜させて掛け渡し、下面部形成網面をその網面が鉛直方向に沿うように垂らすことができる。
1、11…支柱 2、12…支柱本体 3、13…腕 4、14…網掛用上フック部(U字状屈曲部) 5、15…網掛用中央フック(屈曲体) 6…とうもろこし 7、19…上面用網 8、21…地面 9…とうもろこしの房状実 10、18…有害獣侵入防止柵 16…逆U字状屈曲部 17…U字状屈曲部 20…下面用網
Claims (5)
- 棒状の支柱本体と、その支柱本体の上端部から本体と直角の一方向又は相対する反対方向に所定の長さ突出し、その先端部に柵の上面部を形成する上面用網又は柵の全面部を形成する全面用網の上縁部を係止する網掛用上フック部を設けた弾力性を有する棒状の腕と、その支柱本体の中央部から腕と対応させて、腕と同一の一方向又は相対する反対方向に腕の突出長さと比べて短く突出し、上面用網の下縁部又は全面用網の中央部、或いは上面用網の下縁部と柵の下面部を形成する下面用網の上縁部とを係止する網掛用中央フックとからなることを特徴とする有害獣侵入防止柵設置用支柱。
- 網掛用上フック部をU字状に屈曲させたU字状屈曲部にし、網掛用中央フックとして、逆U字状に屈曲させた逆U字状屈曲体、又は逆U字状に屈曲させた逆U字状屈曲部とU字状に屈曲させたU字状屈曲部とを有する屈曲体を用いることを特徴とする請求項1記載の有害獣侵入防止柵設置用支柱。
- 地面に所定距離離して立設した隣接する2本の支柱の同一方向に向けた各腕の網掛用上フック部と、その2支柱の同一方向に向けた各網掛用中央フックとに上面用網又は全面用網を掛け渡し、或いは各網掛用中央フックに上面用網と一緒に下面用網を掛け渡し、その柵の上面部形成網を2支柱の本体上部と腕に対し、直角三角形状に配置して取り付け、その網面を上方に行く程、2支柱の本体上部から水平方向に長く突出するように傾斜させて設置することを特徴とする請求項1又は2記載の支柱を用いた有害獣侵入防止柵。
- 上面用網、全面用網、下面用網として金属網又は非金属製の防獣ネットを用いることを特徴とする請求項3記載の有害獣侵入防止柵。
- 少なくとも柵の下面部形成網として獣に破られない強度を有する網を用い、その下面部形成網の下端部を地中に所定長さ埋設することを特徴とする請求項4記載の有害獣侵入防止柵。
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