JP2008301765A - ビニールハウスの骨材固定用楔 - Google Patents

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Abstract

【課題】 楔が振動によって緩むことを防止できると共に、従来以上に使用及び取り扱いが容易となるビニールハウスの骨材固定用楔を提供する。
【解決手段】 係合切り欠き6Bの両側に脚部6C、6Dが形成され、この脚部の下端に内側に向け屈曲部6Eが形成されている抱持金具6に打ち込まれる楔である。楔1の両側には、前記屈曲部6Eに係止するための先細りのテーパーの側板部2、3が、下方へ90度屈曲して形成される。一方の側板部2の先端部分2Aが側板部2から分離してテーパーの延長線Lから下方へ垂下し、分離端面2Cが段を形成していることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、農業用ビニールハウスの骨組みを構成するアーチ状の支柱材と、支柱材と交差し棟方向に沿う梁材とを結合する抱持金具と楔より成るビニールハウスの骨材固定具の楔に関し、詳しくは固定具から抜け落ちることを防止したものに関する。
ビニールハウスは季節によって組み立てや分解が行われると共に、強風や豪雪等による自然災害を受ける毎に組み立てや分解が行われ、何れにしても斯かる作業がかなり頻繁に行われるので、組み立てや分解作業が容易に行われるように楔を使用した固定具が主流をなしている。
ところで、楔を使用した固定具は、作業が楔を打ち込むハンマーだけで簡単に組み立てや分解が可能である反面、楔が振動により緩んで抜ける事が多く、ビニールハウス内で農作業中に楔が脱落し身体に当たる虞があり、又楔の脱落により梁材が落下する危険性も有しているのである。
一方、ビニールハウスの支柱と交差する梁材を結合する固定具において、抱持金具に打ち込まれる楔が、振動等で緩むのを簡単な構造で確実に防止するのは、極めて困難であると考えられている。
そこで、特許第3383274号では、楔が振動等で緩むのは仕方ないとしても、せめて、ビニールハウス内に飛散して落下してしまうことだけでも防止することを目的としたものが提案されている。
特許第3383274号
これらの事情に鑑み、本発明は楔が振動によって緩むことを防止できると共に、従来以上に使用及び取り扱いが容易となるビニールハウスの骨材固定用楔を提供せんとするものである。
請求項1係るビニールハウスの骨材固定用楔の発明は、中央部に湾曲した支柱材抱持部を形成した略U字状金具の両側壁部の下方から側壁部の略中央にかけ、梁材が嵌入する係合切り欠きが形成されると共に、係合切り欠きの両側を脚部とし、この脚部の下端に内側へ向け屈曲部を形成した抱持金具へ、梁材と前記脚部の屈曲部間に打ち込まれる楔であって、当該屈曲部に係止する先細りのテーパーの側板部が、下方へ90度屈曲して両側に形成され、一方の側板部の先端部分が側板部から分離してテーパーの延長線より下方へ垂下し、分離端面が段を形成していることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、先端部分が複数に分かれ、夫々側板部から分離してテーパーの延長線から下方へ垂下し、分離端面が段を形成していることを特徴とするものである。
そして、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、側板部から上板部の幅方向に切り込みを形成して折曲することで、側板部の先端部分がテーパーの延長線から下方へ垂下し、分離端面が段を形成していることを特徴とするものである。
上記構成を有する本発明は、抱持金具の支柱材抱持部を支柱材に嵌合すると共に、抱持金具の係合切り欠きに梁材を嵌入し、楔の先端を梁材と抱持金具の一方の脚部の屈曲部の間に挿し込み、他方の脚部の屈曲部内に打ち込んで嵌入すれば、二つの脚部の屈曲部内を挿通した楔により支柱材と梁材は強固に固定され、従来と同様の簡単な操作で作業を遂行できる効果を有する。
そして、側板部の先端部分がテーパーの延長線から下方へ垂下し、分離端面が段を形成しているため、楔が戻ろうとしても、先端部分が側板部のテーパーの延長線から下方へ垂下している先端部の分離端面が、挿通した脚部の屈曲部後端面に当り、楔が脚部の屈曲部を戻って抜け出るのを阻止し緩みの生じない安定した固定を得られる効果を発揮するのである。
この様に楔の脱落を確実に阻止することができることにより、楔の固定状態を水平に保つために作業性を無視して、振動による脱落を少なくしようとする制約から開放される効果が派生する。
よって、例えばビニールハウスの頂部等の曲部において、二つの脚部の垂下長を異ならしめ、下方から斜め上方に向けて楔を打ち込めるように固体具を設計できる効果があり、それにより、作業が容易で作業者の身体的負担も軽減することが出来る効果も期待できるのである。
請求項2の発明は、複数に分かれ、夫々側板部から分離してテーパーの延長線から下方へ垂下し、分離端面が段を形成しておくことにより、楔が梁材固定するため二つの脚部の屈曲部内を挿通し、突き出た先端部の長さに応じた分離端面で形成する段を得られる効果を有するものである。
請求項3の発明は、側板部から上板部の幅方向に切り込みを形成して折曲することで、側板部の先端部分がテーパーの延長線から下方へ垂下し、分離端面が段を形成したため、折曲することで簡単容易に、且つ段差の大小を任意に形成できると効果がある。
また、脚部の屈曲部内を通過中はテーパーの延長線に規制されてスムーズな打ち込みとなり、通過して突き抜ければ弾性で復帰して分離端面が段を形成して抜け戻りを防止できる効果を発揮する。
さらに、必要により、先端部分を殴打してテーパーの延長線に一致させれば、抜き取りも容易に可能となり、簡単に先端部分の段形成の存否を選択できる効果を有するのである。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の楔の一実施の形態を示す平面図、図2はその側面図であり、楔1は長方形の金属製板体で形成され、中央部を固定具に挿入した梁材を圧接して固定する上板部4を構成し、この上板部4の中央長手方向に補強のため凹溝4Aが形成されると共に、梁材との当接面4B、4Bの中間部分に滑り止め突起4Cが複数設けてある。
また、上板部4の長手方向の両側には、直角に下方へ90度屈曲した側板部2、3が形成してある。
側板部2、3は基部から先端に向け先細りのテーパーに形成され、一方の側板部2は、先端部分2Aが基端部側2Bから分離してテーパーの延長線Lから下方へ垂下し、分離端面2Cが段を形成している。
即ち、先端部分2Aを基端部側2Bから分離する切断線5は、側板2から上板部4の連設する当接面4B及び凹溝4Aの止め孔4Dに至り、切断線5の基部から下方へ折曲して先端部分2Aを、テーパーの延長線Lから下方へ垂下させて分離端面2Cを形成している。
図3は、楔1と共に使用される抱持金具6の一例を示す斜視図であり、抱持金具6は中央部に湾曲した支柱材7を抱持する抱持部6Aを形成した略U字状の金具で、この抱持金具6の両側壁部の下方から両側壁部の略中央にかけ梁材8が嵌入する係合切り欠き6B、6Bが形成され、この係合切り欠き6B、6Bの前後を脚部6C、6D、とし、各脚部6C、6Dの下端に内側斜め上方に向け屈曲部6E、6Eが形成され、これらの屈曲部6Eに楔1の側板部2、3が打ち込まれるのである。
次に、図4は、本発明に係る楔1の使用状態例を示す側面図である。
土中に固定したアーチ状の支柱材7に抱持金具6の支柱材抱持部6Aを嵌合し、抱持金具6の係合切り欠き6B、6Bに梁材8を嵌入し、梁材8を載せる恰好で抱持金具6の正面より楔1の先端を、前側の脚部6Cから後側の脚部6Dへ屈曲部6Eに、6Eに側板部2、3係合させて挿し込んでいき、楔1の後部をハンマー等で打撃すれば、楔1はそのまま後側の脚部6Dを抜けて打ち込まれ、支柱材7と梁材8を強固に結合さすのである。
即ち、側板部2、3は基部から先端に向け先細のテーパーに形成されているため、抱持金具6の脚部6C、6Dの屈曲部6Eと係合して楔作用により、支柱材7と梁材8を強圧して結合さすのである。
また、一方の側板部2の先端部分2Aが、基端側の側板部2Bから分離してテーパーの延長線Lから下方へ垂下し、分離端面2Cが段を形成しているため、楔1を打ち込み先端部2Aが後側の脚部6Dを抜け出ると、段を形成した分離端面2Cが脚部6Dの屈曲部6Eの下端部より垂下して該肉厚部に引っ掛り、抜け戻るのを阻止することになる。
先端部2Aが後側の脚部6Dの屈曲部6E通過する際は,楔1の後部をハンマー等で打撃するため、垂下していても影響はなく、一時的に折曲が戻っても後側の脚部6Dを抜け出た時点で復帰して段を形成するものである。
テーパーの延長線Lから下方へ垂下する程度は、分離端面2Cが確実に屈曲部6Eの下端に引っ掛るようにするため、屈曲部6Eの肉厚部に相当する以上とするのが好ましい。
図5は、本発明の請求項2の実施の一形態を示す楔1の斜視図であり、先端部分21A、22Aの二部分に分かれ、基端部側2Bから夫々分離してテーパーの延長線Lから下方へ垂下し、分離端面21C、22Cが段を形成しているものであり、各分離端面21C、22Cを形成する切断線51、52は、側板2から上板部4の連設する当接面4B及び凹溝4Aの止め孔41D、42Dに至り、切断線51、52の基部から下方へ折曲して先端部分21A、22Aを、テーパーの延長線Lから下方へ垂下させたものである。
本発明の楔の一実施の形態を示す平面図である。 図1の側面図である。 抱持金具の一例を示す斜視図である。 本発明に係る楔の使用状態例を示す側面図である。 本発明の実施の一形態を示す楔1の斜視図である。
符号の説明
1 楔
2、3 側板部
2A、21A、22A 先端部分
2B 基端部側
2C、21C、22C 分離端面
4 上板部凸面4B及び
4A 凹溝
4B 当接面
4C 滑り止め突起
4D、41D、42D 止め孔
5、51、52 切断線
6 抱持金具
6A 抱持部
6B 係合切り欠き
6C、6D 脚部
6E 屈曲部
7 支柱材
8 梁材
L テーパーの延長線

Claims (3)

  1. 中央部に湾曲した支柱材抱持部を形成した略U字状金具の両側壁部の下方から側壁部の略中央にかけ、梁材が嵌入する係合切り欠きが形成されると共に、係合切り欠きの両側を脚部とし、この脚部の下端に内側へ向け屈曲部を形成した抱持金具へ、梁材と前記脚部の屈曲部間に打ち込まれる楔であって、当該屈曲部に係止する先細りのテーパーの側板部が、下方へ90度屈曲して両側に形成され、一方の側板部の先端部分が側板部から分離してテーパーの延長線より下方へ垂下し、分離端面が段を形成していることを特徴とするビニールハウスの骨材固定用楔。
  2. 先端部分が複数に分かれ、夫々側板部から分離してテーパーの延長線から下方へ垂下し、分離端面が段を形成していることを特徴とする請求項1記載ビニールハウスの骨材固定用楔。
  3. 側板部から上板部の幅方向に切り込みを形成して側板部の先端部分がテーパーの延長線から下方へ垂下し、分離端面が段を形成していることを特徴とする請求項1又は2記載のビニールハウスの骨材固定用楔。
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