JP2008300502A - フィルムコンデンサ、及びその配置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムコンデンサの放熱量を効果的に向上させる。
【解決手段】両端が開口する筒状の巻芯(20)には、内周面に複数の放熱フィン(21)が形成される。各放熱フィン(21)は、巻芯(20)の軸線方向に延び、且つ巻芯(20)の周方向に等間隔に配列される。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻芯に金属化フィルムが巻回されたフィルムコンデンサに関し、特にフィルムコンデンサの放熱対策に係るものである。
従来より、金属化フィルムを巻芯に巻回して構成されるフィルムコンデンサが知られている。この種のフィルムコンデンサは、電子機器や電気機器等において、特に安定した電気特性を要する回路に多く用いられている。また、近年のフィルムコンデンサは、電解コンデンサと比較して低損失であり、信頼性にも優れているため、空調機やハイブリッド自動車等のインバータ回路の平滑コンデンサとしても利用されている。
特許文献1や2には、この種のフィルムコンデンサが開示されている。このフィルムコンデンサは、巻芯と、該巻芯に巻回される金属化フィルムとを備えている。金属化フィルムには、その端部の金属を溶射して形成される溶射金属(メタリコン電極)が形成されている。この溶射金属には、該溶射金属と電気的に接続するようにリード線(外部端子)が溶接されている。更に、フィルムコンデンサには、金属化フィルム及び溶射金属を外側から覆うように封止樹脂が設けられる。
特開2005−093516号公報 特開昭62−60215号公報
ところで、上述のようなフィルムコンデンサでは、通電時において金属化フィルムが発熱して不具合を招くことがある。
具体的に、例えばフィルムコンデンサの小型化を図るためにフィルムの薄型化、ひいては蒸着金属(溶射金属)の薄型化を図ると、蒸着金属を流れる電流により発熱が大きくなり、金属化フィルム自体の発熱も大きくなる。また、例えばフィルム基材として誘電損失が比較的大きな材料を用いる場合にも、金属化フィルムの発熱が大きくなる。
上述の例にも挙げるように、フィルムコンデンサでは、その仕様によって金属化フィルムの発熱が大きくなり、金属化フィルムの温度が上昇してしまうことがある。その結果、金属化フィルムの熱収縮やコンデンサの耐電圧特性の低下等の不具合を招く虞がある。
そこで、例えば特許文献2のフィルムコンデンサは、両端が開口する筒状の巻芯を封止樹脂の外部へ露出させている。これにより、このフィルムコンデンサでは、巻芯の内部を空気で冷却可能としている。
しかしながら、上記特許文献2に係るフィルムコンデンサでは、巻芯の放熱効果に限界があり、フィルムコンデンサの発熱を充分に抑えることができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムコンデンサの放熱量を効果的に向上させることである。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムコンデンサの放熱量を効果的に向上させることである。
第1の発明は、両端が開口する筒状に形成されて内部に空気が流通可能な巻芯(20)と、該巻芯(20)に巻回される金属化フィルム(31)とを備えたフィルムコンデンサを前提としている。そして、このフィルムコンデンサは、上記巻芯(20)の内周面に、該巻芯(20)の放熱面積を増大させるための放熱部(21,22,23,24,25)が形成されていることを特徴とするものである。
第1の発明では、通電時の金属化フィルム(31)から放出される熱が、巻芯(20)に伝わり、更に巻芯(20)内の空気へ放出される。巻芯(20)の内部で熱を奪った空気は、巻芯(20)の端部の開口より外部へ流出する。更に、本発明では、巻芯(20)の内周面に放熱部(21,22,23,24,25)を形成している。この放熱部(21,22,23,24,25)は、巻芯(20)の放熱面積を拡大している。このため、金属化フィルム(31)より巻芯(20)へ伝達した熱は、放熱部(21,22,23,24,25)により巻芯(20)の内部へ効率良く放出される。その結果、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。
第2の発明は、第1の発明のフィルムコンデンサにおいて、上記放熱部は、上記巻芯(20)の軸線方向に延びる放熱フィン(21)で構成されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、巻芯(20)の内周面に放熱フィン(21)が形成されている。この放熱フィン(21)は、巻芯(20)の軸線方向、つまり巻芯(20)で空気が流通する方向に延びている。巻芯(20)の内部に空気が流入すると、この空気は放熱フィン(21)に沿うように巻芯(20)の内部を流通する。その結果、放熱フィン(21)の熱が空気へ伝達し易くなり、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。
第3の発明は、第2の発明のフィルムコンデンサにおいて、複数の上記放熱フィン(21)が、上記巻芯(20)の周方向に等間隔で配列されていることを特徴とするものである。
第3の発明では、巻芯(20)の軸心方向に延びる複数の放熱フィン(21)が、巻芯(20)の周方向に等間隔で配列される。そのため、巻芯(20)の熱は、これら複数の放熱フィン(21)へ均等に伝達して巻芯(20)内部の空気へ放出される。その結果、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。
第4の発明は、第2又は第3の発明のフィルムコンデンサにおいて、上記放熱フィン(21)は、その長手方向の端部が上記巻芯(20)の開口面よりも該巻芯(20)の奥寄りに位置していることを特徴とするものである。
第4の発明の放熱フィン(21)は、その端部が巻芯(20)の開口面よりも手前まで延びている。つまり、巻芯(20)の開口面と、放熱フィン(21)の端部との間には、放熱フィン(21)が形成されない空間が形成される。そのため、巻芯(20)に金属化フィルム(31)を巻回する作業を行う際、上記空間に巻回用の器具を挿入し、巻芯(20)を容易に回転させることができる。
第5の発明は、第1の発明のフィルムコンデンサにおいて、上記放熱部は、上記巻芯(20)の軸線と直交する方向に延びて該巻芯(20)の内周面の2箇所を繋ぐ結合フィン(22)で構成されていることを特徴とするものである。
第5の発明では、巻芯(20)の内周面に結合フィン(22)が繋がっている。そのため、巻芯(20)の熱は、結合フィン(22)を介して巻芯(20)内部の空気へ放出される。また、結合フィン(22)は、軸線と直交するように延びて巻芯(20)の内周面の2箇所を繋いでいる。つまり、結合フィン(22)は、巻芯(20)の内周面の間に掛け渡されて巻芯(20)を内部から支持している。その結果、巻芯(20)の強度が向上する。
第6の発明は、第5の発明のフィルムコンデンサにおいて、上記結合フィン(22)は、上記巻芯(20)の軸線を通るように延びて該巻芯(20)の内周面の対向する2箇所を繋いでいることを特徴とするものである。
第6の発明の結合フィン(22)は、巻芯(20)の軸線を通って巻芯(20)の内周面の対向する2箇所を繋いでいる。そのため、巻芯(20)の熱は、これら2箇所から均等に結合フィン(22)へ伝達するので、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。また、巻芯(20)は、対向する2箇所の内周面が結合フィン(22)が支持されるので、巻芯(20)の強度が効果的に向上する。
第7の発明は、第6の発明のフィルムコンデンサにおいて、2つの上記結合フィン(22)が、互いに直交するように配列されていることを特徴とするものである。
第7の発明では、2つ結合フィン(22)が、それぞれ巻芯(20)の軸線を通るようにしながら互いに直交して配列される。つまり、2つの結合フィン(22)は、巻芯(20)の軸直角断面で視た場合の外形が十字形状となっている。そのため、巻芯(20)の熱は、その周方向の約90度おきの4箇所から均等に結合フィン(22)へ伝達する。従って、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。また、巻芯(20)は、十字状となった結合フィン(22)によって内部から支持されるので、巻芯(20)の強度が効果的に向上する。
第8の発明は、第1の発明のフィルムコンデンサにおいて、上記巻芯(20)の軸線方向の端部には、該巻芯(20)の中間部よりも内径が拡大した拡径部(23)が形成されており、該拡径部(23)が、上記放熱部を構成していることを特徴とするものである。
第8の発明では、巻芯(20)の端部が拡径しており、このような拡径部(23)が放熱部を構成している。つまり、巻芯(20)の内周面は拡径部(23)によって放熱面積が増大している。その結果、巻芯(20)の熱が内部の空気へ伝達し易くなるので、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。また、巻芯(20)の端部に拡径部(23)を形成することで、空気が巻芯(20)の内部へ流入し易くなり、巻芯(20)の内部で空気を速やかに流通させることができる。これにより、巻芯(20)と空気との伝熱が向上し、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。
第9の発明は、第8の発明のフィルムコンデンサにおいて、上記拡径部(23)は、上記巻芯(20)の中間部から端部に向かって徐々に内径が拡大した形状であることを特徴とするものである。
第9の発明の拡径部(23)は、巻芯(20)の端部に向かって徐々に内径が拡大している。そのため、空気を巻芯(20)の内部へ速やかに流入させることができ、これにより巻芯(20)の熱を更に速やかに外部へ放出させることができる。従って、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。
第10の発明は、第1の発明のフィルムコンデンサにおいて、上記放熱部は、上記巻芯(20)の内周面に形成された複数の凹部(24)及び複数の凸部(25)のうちの一方又は両方で構成されていることを特徴とするものである。
第10の発明では、巻芯(20)の内周面に複数の凹部(24)や凸部(25)が形成される。そのため、巻芯(20)の放熱面積が増大するので、金属化フィルム(31)の放熱効果が促進する。
第11の発明は、両端が開口する筒状に形成されて内部に空気が流通可能な巻芯(20)と、該巻芯(20)に巻回される金属化フィルム(31)とを備えたフィルムコンデンサ(10)の配置構造を前提としている。そして、この配置構造は、上記フィルムコンデンサ(10)が、上記巻芯(20)の軸線方向が鉛直となるように配置されることを特徴とするものである。
第11の発明では、巻芯(20)の軸線方向が鉛直となるようにフィルムコンデンサ(10)が配置される。これにより、フィルムコンデンサ(10)の発熱に伴い巻芯(20)の周囲で自然対流が形成されると、この自然対流に伴う気流を利用して巻芯(20)の下部の開口から巻芯(20)の内部へ空気を流入させることができる。巻芯(20)の内部を流れる空気は、巻芯(20)の内部を上方へ流れ、金属化フィルム(31)及び巻芯(20)の熱を奪った後に、巻芯(20)の上部の開口から外部へ流出する。
第12の発明は、両端が開口する筒状に形成されて内部に空気が流通可能な巻芯(20)と、該巻芯(20)に巻回される金属化フィルム(31)とを備えたフィルムコンデンサ(10)の配置構造を前提としている。そして、この配置構造は、上記フィルムコンデンサ(10)は、所定の空気通路(81,95)の空気流れの方向と上記巻芯(20)の軸線方向とが一致するように空気通路(81,95)に配置されることを特徴とするものである。
第12の発明では、空気が流れる所定の空気通路(81,95)にフィルムコンデンサ(10)が配置される。ここで、フィルムコンデンサ(10)は、空気通路(81,95)の空気の流れの方向と、巻芯(20)の軸線方向とが一致するように配置される。従って、空気通路(81,95)の空気は、巻芯(20)の内部へ円滑に流入して速やかに外部へ流出する。
第13の発明は、第11又は第12のいずれか1つの発明の配置構造において、上記フィルムコンデンサは、第1乃至第10のいずれか1つの発明のフィルムコンデンサ(10)で構成されていることを特徴とするものである。
第13の発明では、巻芯(20)の内周面に放熱面積を増大させる放熱部(21,22,23,24,25)が形成されることにより、巻芯(20)から空気への放熱効果が向上する。
第1の発明では、巻芯(20)の内部に放熱部(21,22,23,24,25)を形成し、巻芯(20)の放熱面積を増大させている。よって、第1の発明によれば、通電状態の金属化フィルム(31)から発する熱を巻芯(20)及び放熱部(21,22,23,24,25)を介して巻芯(20)内部の空気へ効果的に放出させることができる。従って、金属化フィルム(31)の放熱効果を促進できる。その結果、金属化フィルム(31)の温度上昇に起因して、金属化フィルムが熱収縮したり、フィルムコンデンサの耐電圧特性が低下したりすることを未然に防止できる。
また、金属化フィルム(31)の放熱効果を促進させることで、金属化フィルム(31)のフィルム基材として、より誘電率が高いものを用いることができる。即ち、誘電率が比較的高いフィルム基材を用いると、誘電損失も高くなるため金属化フィルムが発熱し易くなるが、このような発熱を本発明の放熱部(21,22,23,24,25)によって効果的に抑えることができる。従って、誘電率の高いフィルム基材を用いることで、フィルムコンデンサを小型化でき、且つ発熱に伴う不具合も回避できる。更に、金属化フィルムの発熱は、その表面に形成される蒸着膜を薄型化することで大きくなるが、このような発熱も本発明の放熱部(21,22,23,24,25)で効果的に抑えることができる。
また、このように巻芯(20)の内部に放熱部(21,22,23,24,25)を形成しても、フィルムコンデンサの大きさは従来のものと変わらない。即ち、例えばフィルムコンデンサの表面にフィン等を形成した場合には、フィルムコンデンサが大型化されてしまうのに対し、本発明のフィルムコンデンサは、従来と同じサイズでありながら充分な放熱効果を得ることができる。
第2の発明では、巻芯(20)の軸線方向に延びる放熱フィン(21)を巻芯(20)の内周面に形成している。よって、第2の発明によれば、巻芯(20)の内部において、空気を放熱フィン(21)に沿うように流通させることができ、放熱フィン(21)から空気への伝熱を効果的に向上できる。
特に、第3の発明では、複数の放熱フィン(21)を巻芯(20)の周方向に等間隔に配列するようにしたので、巻芯(20)の熱を各放熱フィン(21)へ均等に分散させ、空気へ効率良く放出させることができる。
また、第4の発明では、放熱フィン(21)の長手方向の端部を巻芯(20)の開口面よりも奥寄りに位置させているので、巻芯(20)の開口部に巻回用の器具を容易に挿入させて
所定の巻回作業を行うことができる。
第5の発明では、結合フィン(22)によって巻芯(20)の内周面の2箇所を繋ぐようにしている。よって、第5の発明によれば、結合フィン(22)の表面から巻芯(20)の内部の空気へ熱を放出させることで、金属化フィルム(31)の放熱効果を促進させることができる。また、巻芯(20)の内周面に結合フィン(22)を繋ぐことで、結合フィン(22)を補強部材として機能させることができる。
即ち、巻芯(20)に金属化フィルム(31)を複数に亘って巻回させると、巻芯(20)には金属化フィルム(31)の巻き付け力が作用する。従って、巻芯(20)が撓み変形し、巻芯(20)の内部の空気通路が潰れてしまう可能性がある。これに対し、本発明では、巻芯(20)の内周面を結合フィン(22)が支持しているので、巻芯(20)の撓み変形を結合フィン(22)によって防止できる。その結果、巻芯(20)の内部に所定形状の空気通路を確実に確保でき、巻芯(20)と空気との伝熱を維持できる。
特に、第6の発明では、結合フィン(22)を巻芯(20)の軸線を通るように延ばし、この結合フィン(22)を巻芯(20)の内周面の対向する2箇所と繋ぐようにしている。即ち、本発明では、巻芯(20)の内周面について、約180度を成す2箇所が結合フィン(22)によって繋がれている。よって、第6の発明では、巻芯(20)の熱を結合フィン(22)へ均等に伝熱させることができるので、金属化フィルム(31)の放熱効果を更に促進させることができる。また、巻芯(20)で互いに対向する2箇所を結合フィン(22)によって支持することで、巻芯(20)の強度が更に向上する。
更に、第7の発明では、2枚の結合フィン(22)を互いに直交するように配列しているので、巻芯(20)の熱を均等に分散させて効率良く空気へ放出させることができる。また、巻芯(20)の内周面で互いに等間隔となる4箇所を結合フィン(22)で支持することにより、巻芯(20)の強度を一層効果的に向上させることができる。
第8の発明では、巻芯(20)の両端に該巻芯(20)の中間部よりも内径が拡大する拡径部(23)を形成している。よって、本発明によれば、空気が巻芯(20)の内部へ流入し易くなるので、巻芯(20)と空気との伝熱を向上できる。また、このように拡径部(23)を形成することで、巻芯(20)の内周面の放熱面積も増大する。従って、比較的単純な加工により、金属化フィルム(31)の放熱効果を効率良く促進させることができる。
特に、第9の発明では、拡径部(23)が巻芯(20)の端部に向かって徐々に拡径した形状をしている。よって、第9の発明によれば、巻芯(20)の内部へ空気を円滑に導入することができるので、巻芯(20)と空気との伝熱を効果的に向上できる。
第10の発明では、巻芯(20)の内周面に凹部(24)や凸部(25)を形成している。よって、第10の発明によれば、比較的単純な構成により、巻芯(20)の内周面の放熱面積を増大させて、巻芯(20)と空気との伝熱を促進させることができる。
第11の発明では、巻芯(20)の軸線方向が鉛直となるようにフィルムコンデンサ(10)を配置している。このため、第11の発明によれば、自然対流を利用して巻芯(20)の内部へ空気を積極的に導入することができる。従って、例えばファン等の送風手段を設けることなく、巻芯(20)と空気との伝熱を向上させて金属化フィルム(31)を効率良く冷却できる。
第12の発明は、所定の空気通路(81,95)において、空気流れの方向と巻芯(20)の軸線方向とが一致するようにフィルムコンデンサ(10)を設けている。よって、第12の発明によれば、巻芯(20)の内部へ空気が積極的に送り込まれるので、巻芯(20)と空気との伝熱を向上させて金属化フィルム(31)を効率良く冷却できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)は、電気機器のインバータ回路に設けられるものである。図1に示すように、フィルムコンデンサ(10)は、回路基板(X)上に搭載されている。
〈フィルムコンデンサの構成〉
フィルムコンデンサ(10)は、巻芯(20)、コンデンサ素子(30)、2つのメタリコン電極(41,42)、2つの外部端子(43,44)、及び封止樹脂(60)を備えている。
コンデンサ素子(30)は、巻芯(20)に巻回される金属化フィルム(31)によって構成されている。これにより、コンデンサ素子(30)の外形は略円柱状となっている。金属化フィルム(31)は、フィルム基材と、フィルム基材の片側の面に蒸着される蒸着電極(蒸着膜)とで構成されている(図示省略)。フィルム基材は、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)で構成されている。また、蒸着膜は、例えばアルミニウムで構成されている。
コンデンサ素子(30)では、蒸着膜のパターンが互いに異なる2枚の金属化フィルム(31)が重ね合わされた状態で巻芯(20)に巻回されている。これら2枚の金属化フィルム(31)は、巻芯(20)の軸線方向に互いに若干ずれている。つまり、2枚の金属化フィルム(31)では、一方の金属化フィルム(31)が巻芯(20)の一端側にはみ出し、他方の金属化フィルム(31)は巻芯(20)の他端側にはみ出している(図示省略)。
2つのメタリコン電極(41,42)は、コンデンサ素子(30)の軸方向両端部にそれぞれ設けられている。具体的に、各メタリコン電極(41,42)は、コンデンサ素子(30)の両端部に金属を溶射することで形成されている。各メタリコン電極(41,42)は、コンデンサ素子(30)の両端部からそれぞれはみ出した上記各金属化フィルム(31,31)と電気的に接続している。
2つの外部端子(43,44)は、2つのメタリコン電極(41,42)とそれぞれ電気的に接続するリード線を構成している。各外部端子(43,44)は、一端がメタリコン電極(41,42)と繋がり、他端が回路基板(X)の所定の配線パターン(51,52)と繋がっている。
封止樹脂(60)は、コンデンサ素子(30)、各メタリコン電極(41,42)、及び各外部端子(43,44)の一端側を外側から覆うものである。封止樹脂(60)は、例えばエポキシ樹脂で構成されている。
巻芯(20)は、樹脂製で細長の筒状に形成されている。巻芯(20)は、その軸線方向の両端にそれぞれ開口部(20a,20a)が形成されている。巻芯(20)は、封止樹脂(60)を貫通しており、両開口部(20a,20a)が封止樹脂(60)の外側にそれぞれ臨んでいる。これにより、巻芯(20)の内部は、封止樹脂(60)の外側と同じ雰囲気となっている。そして、巻芯(20)は、開口部(20a)より導入される空気がその内部を流通可能に構成されている。このような構成により、通電状態のコンデンサ素子(30)から発生する熱は、巻芯(20)を介して巻芯(20)の内部の空気へ放出されることになる。
実施形態1では、巻芯(20)の内周面に複数の放熱フィン(21)が形成されている。各放熱フィン(21)は、巻芯(20)の放熱面積を増大させるための放熱部を構成している。各放熱フィン(21)は、巻芯(20)の軸線方向に延びる平板状に形成されている。実施形態1では、各放熱フィン(21,21)が、巻芯(20)の一端側の開口面から他端側の開口面に亘って形成されている。
図2に示すように、巻芯(20)の内周面には8枚の放熱フィン(21)が設けられている。各放熱フィン(21)は、巻芯(20)の内周面から軸心に向かって突出している。各放熱フィン(21)は、巻芯(20)の周方向に等間隔のピッチで配列されている。具体的に、各放熱フィン(21)は、巻芯(20)の軸線を中心として互いに約45度を成すように配列されている。各放熱フィン(21)は、巻芯(20)と同じ樹脂で構成されており、巻芯(20)と一体に成形されている。しかしながら、各放熱フィン(21)を巻芯(20)と別体としても良いし、各放熱フィン(21)をアルミニウム等の金属材料で構成しても良い。また、巻芯(20)の内径をLとすると、各放熱フィン(21)の幅方向(巻芯の径方向)における幅寸法は0.4Lとなっている。
このような放熱フィン(21)によって、巻芯(20)の内周面の放熱面積は、仮に巻芯に放熱フィンを形成しない場合と比較して、約3倍となっている。即ち、巻芯(20)の内径をL、巻芯(20)の軸線方向の長さをWとすると、巻芯(20)の内周面の表面積(放熱面積S1)は、おおよそS1=π×L×W=約3.1LWとなる。一方、8枚の放熱フィン(21)の表面積(放熱面積S2)は、おおよそS2=0.4L×8×2×W=6.4LWとなる。従って、実施形態1では、巻芯(20)の内部の総放熱面積Sが、S=S1+S2=約9.5LWとなる。
〈フィルムコンデンサの製造例〉
次にフィルムコンデンサ(10)の製造方法の一例を説明する。まず、巻芯(20)に金属化フィルム(31,31)を巻回する。なお、この際には、巻回用の器具である巻軸(巻機)を巻芯(20)の開口部(20a)に挿入する。この巻軸を回転駆動させることで、巻芯(20)に金属化フィルム(31,31)が自動的に巻回される。巻回後には、巻芯(20)の両端部に蓋を接着する、あるいは詰め物を充填して開口部(20a)を閉塞する。これにより、後述のメタリコンや封止用の樹脂が巻芯(20)の内部に入り込んでしまうことが禁止される。
次に、コンデンサ素子(30)の両端部に金属を溶射してメタリコン電極(41,42)を形成する。次いで、メタリコン電極(41,42)に外部端子(43,44)を半田付けする。その後、コンデンサ素子(30)、メタリコン電極(41,42)、及び外部電子(43,44)の一端部を覆うように封止用の樹脂(エポキシ樹脂)をディップ成形する。ディップ成形時には、巻芯(20)の両端部を外側に露出させるようにする。その後、巻芯(20)の両端の閉塞部を切断する、あるいは蓋を外すことで図1に示すようなフィルムコンデンサ(10)が製造される。なお、巻芯(20)の両端部は、図1に示すように封止樹脂(60)の端面から若干飛び出していても良いし、封止樹脂(60)の端面と略一致していても良い。
〈コンデンサ素子の放熱作用〉
通電時のフィルムコンデンサ(10)の放熱作用について説明する。図1に示すコンデンサ素子(30)が通電状態となると、コンデンサ素子(30)が発熱する。この熱は巻芯(20)に伝達される。一方、巻芯(20)の内部には空気が流通している。従って、巻芯(20)に伝達された熱は、巻芯(20)の内部の空気へ放出される。
ここで、巻芯(20)の内周面には、複数の放熱フィン(21)が形成されている。このため、巻芯(20)の熱は、各放熱フィン(21)へ分散するように伝達され、巻芯(20)の内部の空気へ放出される。また、空気は放熱フィン(21)に沿うようにして巻芯(20)の軸線方向を流れる。このため、放熱フィン(21)と空気の伝熱が促進され、空気へ効率良く熱が放出される。
巻芯(20)の内部で熱を奪った空気、つまりコンデンサ素子(30)の冷却に利用された空気は、巻芯(20)の一方の開口部(20a)よりフィルムコンデンサ(10)の外部へ流出する。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1では、巻芯(20)の内周面に放熱フィン(21)を形成し、巻芯(20)の放熱面積を増大させている。そのため、通電時のコンデンサ素子(30)から発する熱を、放熱フィン(21)を介して巻芯(20)内の空気へ効果的に放出させることができる。従って、コンデンサ素子(30)の放熱効果を促進できる。その結果、コンデンサ素子(30)の温度上昇に起因して、金属化フィルムが熱収縮したり、フィルムコンデンサ(10)の耐電圧特性が低下したりすることを未然に防止できる。
また、上記実施形態1では、放熱フィン(21)を巻芯(20)の軸線方向に延ばしているので、巻芯(20)の内部では、空気が放熱フィン(21)に沿うように流れる。従って、放熱フィン(21)と空気との伝熱が向上する。また、8枚の放熱フィン(21)を巻芯(20)の周方向に等間隔で配列することで、巻芯(20)の熱を各放熱フィン(21)へ均等に分散させて空気へ放出できる。その結果、コンデンサ素子(30)の放熱効果を更に促進できる。
更に、上記実施形態1では、金属化フィルム(31)のフィルム基材としてポリフッ化ビリニデン(PVDF)を用いるようにしている。ポリフッ化ビリニデンは、その誘電率が比較的高いため、コンデンサ素子(30)の小型化、ひいてはフィルムコンデンサ(10)の小型化を図ることができる。一方、ポリフッ化ビリニデンは、誘電損失が比較的大きくなるため、コンデンサ素子(30)からの発熱量が増大してしまう。しかしながら、本実施形態によれば、このような発熱を各放熱フィン(21)によって効果的に抑えることができる。
〈実施形態1の変形例〉
上記実施形態1の放熱フィン(21)を以下のように構成しても良い。
図3に示す例は、複数の放熱フィン(21)を巻芯(20)の中間部のみに形成したものである。具体的に、各放熱フィン(21)は、その長手方向の両端が、巻芯(20)の両端の開口部(20a)の各開口面よりも、それぞれ巻芯(20)の奥寄りに位置している。この構成により、巻芯(20)の各開口面と、放熱フィン(21)の各端部の間には、それぞれ円柱状の空間(20b)がそれぞれ形成されている。
図3に示す例においては、巻芯(20)の外部の空気が、円柱状の空間(20b)より巻芯(20)の内部へ流入する。このため、上記実施形態1と比較すると、巻芯(20)の外部の空気を巻芯(20)の内部へ円滑に導入することができる。その結果、放熱フィン(21)と空気との伝熱が向上するので、コンデンサ素子(30)の放熱効果を促進させることができる。また、この例では、巻芯(20)に金属化フィルム(31)を巻回する作業を行う際、円柱状の空間(20b)を上述の巻軸の挿入用の空間として利用できる。つまり、円柱状の空間(20b)に巻軸を係合させ、この巻軸を回転駆動させることで、巻芯(20)に金属化フィルム(31)を容易に巻回させてコンデンサ素子(30)を得ることができる。
また、図4に示す例は、上記実施形態1と放熱フィン(21)の形状が異なるものである。具体的に、図4に示す放熱フィン(21)は、巻芯(20)の横断面視における形状が、三角形状をしている。つまり、放熱フィン(21)は、その先端が巻芯(20)の軸線に向かって突出する三角柱状に形成されている。この例においても、放熱フィン(21)と空気との伝熱が向上されるので、コンデンサ素子(30)の放熱効果を促進させることができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2に係るフィルムコンデンサ(10)では、巻芯(20)の内周面に上記実施形態1と異なる放熱部が形成されている。具体的に、実施形態2では、巻芯(20)の内部に放熱部としての2枚の結合フィン(22,22)が設けられている。
図5に示すように、各結合フィン(22,22)は、巻芯(20)の横断面視において、細長い長方形状に形成されている。また、各結合フィン(22,22)は、図1に示す放熱フィン(21)と同様に、巻芯(20)の軸線方向に延びている。即ち、各結合フィン(22,22)は、その長手方向が巻芯(20)の軸線方向となり、その幅方向が巻芯(20)の径方向となる平板状に形成されている。
各結合フィン(22,22)は、巻芯(20)の軸線と直交する方向に延びて巻芯(20)の内周面の2箇所を繋いでいる。具体的に、各結合フィン(22,22)は、巻芯(20)の内周面のうち互いに対向する(周方向に約180度を成す)2箇所を繋いでいる。更に2枚の結合フィン(22,22)は、巻芯(20)の軸線を通るように延びて、互いに直交するように配列されている。即ち、巻芯(20)の内周面は、周方向に90度を成す4箇所が結合フィン(22,22)と連結している。そして、各結合フィン(22,22)は、巻芯(20)の軸線を通る各部位が一体に成形されている。以上のような構成の各結合フィン(22,22)は、巻芯(20)の横断面視の外形が十字状となっている。
各結合フィン(22,22)は、巻芯(20)と同様の樹脂材料で構成されており、巻芯(22,22)と一体的に成形されている。しかしながら、各結合フィン(22,22)を巻芯(20)と別体とし、各結合フィン(22,22)を巻芯(20)に内嵌するようにしても良い。また、巻芯(20)をアルミニウム等の金属材料で構成するようにしても良い。更に、各結合フィン(22,22)同士を別体に成形しても良い。
実施形態2において、巻芯(20)の内部に空気が流入すると、この空気は各結合フィン(22,22)の間の4つの通路をそれぞれ流通する。一方、コンデンサ素子(30)から巻芯(20)へ伝わった熱は、各結合フィン(22,22)へ均等に伝達し、各結合フィン(22,22)の表面から各通路を流れる空気へ放出される。以上のように、実施形態2においても、各結合フィン(22,22)から空気へ効率良く熱が放出されるので、コンデンサ素子(30)の放熱効果が促進される。
また、実施形態2では、各結合フィン(22,22)が巻芯(20)の補強部材として機能する。即ち、巻芯(20)には上述のようにして金属化フィルム(31,31)が複数に亘って巻回されるので、巻芯(20)には金属化フィルム(31,31)の巻き付けに伴う応力が作用する。従って、巻芯(20)が撓むことにより、巻芯(20)内部の空気通路が閉塞してしまう虞がある。特に、巻芯(20)を樹脂材料で構成すると、このような巻芯(20)の撓みが顕著となり好ましくない。
これに対し、実施形態2のように巻芯(20)の内部に結合フィン(22,22)を設けると、巻芯(20)の内周面が結合フィン(22,22)によって支持される。その結果、巻芯(20)の強度が向上し、巻芯(20)の撓みを防止することができる。特に、図5の例では、2枚の結合フィン(22,22)を直交するように配列し、巻芯(20)の内周面において約90度を成す4箇所を結合フィン(22,22)で支持している。このため、巻芯(20)の強度が効果的に向上するので、巻芯(20)の撓みを確実に防止できる。
〈実施形態2の変形例〉
上記実施形態2の結合フィン(22)を以下のような構成としても良い。
図6に示す例は、巻芯(20)の内部に3枚の結合フィン(22)を設けるようにしたものである。具体的に、各結合フィン(22)は、上記実施形態2と同様、巻芯(20)の軸線方向が長手方向となり、巻芯(20)の径方向が幅方向となる板状に形成されている。結合フィン(22)は、巻芯(20)の内周面のうち周方向に120度を成す3箇所と繋がるように配置されている。具体的に、巻芯(20)の内周面の上記3箇所には、それぞれ2枚の結合フィン(22)の端部が連結されている。そして、各結合フィン(22)は、巻芯(20)の横断面視の外形が三角形状となるように配列されている。
図6の例においては、各結合フィン(22)の径方向外側に形成される3つの空間と、3枚の結合フィン(22)の内部に形成される三角柱状の空間との間を空気が流通する。その結果、各結合フィン(22)の表面の熱が、各通路を流れる空気へ放出される。以上のように、この例においても、各結合フィン(22,22)から空気へ効率良く熱が放出されるので、コンデンサ素子(30)の放熱効果を促進させることができる。また、巻芯(20)は、いわゆるトラス状に配列される3つの結合フィン(22)によって内部から強固に補強されるので、上述のような巻芯(20)の撓みを効果的に防止できる。
また、上記実施形態2では、2枚の結合フィン(22,22)を互いに直交するように配列しているが、1枚の結合フィン(22)のみで巻芯(20)の内周面の対向する2箇所を繋いでも良いし、巻芯(20)の軸線を通るような3枚以上の結合フィン(22,22)を周方向に均等に配列するようにしても良い。
《発明の実施形態3》
実施形態3に係るフィルムコンデンサ(10)では、巻芯(20)の内周面に上記実施形態1や2と異なる放熱部が形成されている。具体的に、実施形態3では、巻芯(20)の内周面に放熱部としての2つの拡径部(23,23)が形成されている。
図7に示すように、拡径部(23,23)は、巻芯(20)の両端部(開口部(20a))の近傍に形成されている。具体的に、実施形態3の巻芯(20)では、拡径部(23,23)の間の中間部の内径が軸線方向に均一となっている。これに対し、拡径部(23,23)は、この中間部よりも内径が大きくなっている。各拡径部(23,23)は、巻芯(20)の中間部から端部に向かうに連れて内径を徐々に拡大する形状であり、巻芯(20)の両端外側に向かって拡がるラッパ状に形成されている。
実施形態3では、巻芯(20)の両端部の開口が外側に向かって拡がっているため、空気が巻芯(20)に流入し易くなる。また、拡径部(23)は、巻芯(20)の内部へ向かって徐々に内径を縮小するような形状であるので、巻芯(20)に流入された空気が、内部へ円滑に流入する。その結果、巻芯(20)と空気との伝熱が向上する。加えて、巻芯(20)の内周面に拡径部(23,23)を形成することで、巻芯(20)の内周面の放熱面積が拡大する。従って、巻芯(20)と空気との伝熱が一層向上し、コンデンサ素子(30)の放熱効果を更に促進させることができる。
《発明の実施形態4》
実施形態4に係るフィルムコンデンサ(10)では、巻芯(20)の内周面に上記実施形態1〜3と異なる放熱部が形成されている。具体的に、実施形態4では、巻芯(20)の内周面に放熱部としての複数の凹部(24)が形成されている。
図8に示すように、複数の凹部(24)は、巻芯(20)の内周面の全域に亘って所定の配列パターンで設けられている。凹部(24)は、例えば断面円弧状ないし半球形の溝で構成されている。凹部(24)の形状は、これに限らず、直方体状、円柱状、円錐状、台形円錐状等、如何なる形状であっても良い。図8の例では、巻芯(20)の内周面に複数の凹部(24)を形成するだけで、巻芯(20)の内周面の放熱面積を稼ぐことができる。従って、比較的単純な構成により、巻芯(20)と空気との伝熱を向上させて、コンデンサ素子(30)の放熱効果を促進させることができる。
また、図9に示すように、巻芯(20)の内周面に複数の凸部(25)を形成するようにしても良い。この凸部(25)は、例えば断面円弧状ないし半球形の突起で構成されている。凸部(25)の形状は、これに限らず、直方体状、円柱状、円錐状、台形円錐状等、如何なる形状であっても良い。図9の例においても、巻芯(20)の内周面に複数の凸部(25)を形成するだけで、巻芯(20)の内周面の放熱面積を稼ぐことができる。従って、比較的単純な構成により、巻芯(20)と空気との伝熱を向上させて、コンデンサ素子(30)の放熱効果を促進させることができる。
更に、図8に示す凹部(24)と図9に示す凸部(25)の双方を巻芯(20)の内周面に形成しても良いのは勿論のことである。
《フィルムコンデンサの配置構造》
上記実施形態1〜4に述べたフィルムコンデンサ(10)では、以下のような例の配置構造とすることができる。
〈配置構造1〉
巻芯(20)の軸線方向が鉛直となるようにフィルムコンデンサ(10)を配置しても良い。即ち、例えば図1に示す実施形態1のフィルムコンデンサ(10)を90度回転させた状態としても良い。この場合、例えば回路基板(X)が鉛直な姿勢となり、この回路基板(X)に支持される巻芯(20)も鉛直な姿勢となる。
このようにフィルムコンデンサ(10)を配置すると、自然対流を利用して巻芯(20)の内部へ空気を積極的に送り込むことができる。即ち、フィルムコンデンサ(10)の周囲では、コンデンサ素子(30)等の発熱に伴い鉛直方向における自然対流が形成される。このような自然対流を利用して、空気を巻芯(20)の下部から流入させ、上部から流出させることができる。その結果、この配置構造1によれば、ファン等の送風手段を設けることなく、巻芯(20)と空気との伝熱を向上でき、コンデンサ素子(30)を効率良く冷却することができる。なお、この配置構造1を上記実施形態2〜4やこれらの変形例に適用しても良いのは勿論のことである。
また、例えば図10に示すように、回路基板(X)を水平な姿勢とする一方、この回路基板(X)に対して巻芯(20)を鉛直な姿勢で支持させるようにしても良い。図10に示す構成においても、自然対流を利用して巻芯(20)の内部へ空気を積極的に送り込むことができる。
〈配置構造2〉
例えば図11に示すように、フィルムコンデンサ(10)を自動車等の車両(80)に搭載するようにしても良い。この車両(80)は、内燃機関で発生する動力と、電気モータの動力とを駆動源とする、いわゆるハイブリッド車両で構成されている。図11に示すように、車両(80)の前側のエンジンルーム内には、空気ダクト(81)が形成されている。空気ダクト(81)は、運転時の車両(80)において、その走行風を外部から導入する空気通路を構成している。また、空気ダクト(81)には、車両(80)を駆動するための電気モータ(82)が設置されている。
一方、フィルムコンデンサ(10)は、上記電気モータ(82)のインバータ回路に搭載されている。ここで、空気ダクト(81)では、例えば図1に示すフィルムコンデンサ(10)の巻芯(20)の軸線方向が、空気ダクト(81)を流れる空気の流れ方向と一致するように、フィルムコンデンサ(10)が配置されている。従って、空気ダクト(81)内の走行風は、巻芯(20)の内部へ積極的に送り込まれるので、巻芯(20)と空気との伝熱が向上し、ひいてはコンデンサ素子(30)の冷却効果が促進される。なお、この配置構造2を上記実施形態2〜4やこれらの変形例に適用しても良いのは勿論のことである。
〈配置構造3〉
例えば図12に示すように、フィルムコンデンサ(10)を冷凍装置(90)に搭載するようにしても良い。この冷凍装置(90)は、冷媒回路で冷媒を循環させながら室内の冷房や暖房を行う空気調和装置を構成している。冷凍装置(90)は、室外に設置される室外ユニット(91)を備え、室外ユニット(91)の内部には圧縮機(92)及び室外ファン(93)が設けられている。圧縮機(92)は、冷媒回路の冷媒を圧縮させる圧縮手段であり、いわゆるインバータ式の圧縮機で構成されている。室外ファン(93)は、図示しない室外熱交換器へ空気を送風するためのものである。
圧縮機(92)には、そのケーシングの外側に制御ボックス(94)が設けられている。制御ボックス(94)の内部には、例えば水平方向に空気が流れるように空気通路(95)が形成されている。また、この空気通路(95)へは、上記室外ファン(93)によって誘引される室外空気が流通可能となっている。
一方、フィルムコンデンサ(10)は、圧縮機(92)のインバータ回路に搭載されて制御ボックス(94)内に配置されている。ここで、空気通路(95)には、例えば図1に示すフィルムコンデンサ(10)の巻芯(20)の軸線方向が、空気通路(95)を流れる空気の流れ方向と一致するように、フィルムコンデンサ(10)が配置されている。従って、室外ファン(93)によって制御ボックス(94)内へ誘引された空気は、巻芯(20)の内部へ積極的に送り込まれるので、巻芯(20)と空気との伝熱が向上し、ひいてはコンデンサ素子(30)の冷却効果が促進される。なお、この配置構造3を上記実施形態2〜4やこれらの変形例に適用しても良いのは勿論のことである。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、コンデンサ素子(30)を1つだけ備えているが、これに限られるものではない。例えば、複数のコンデンサ素子を備え、各コンデンサ素子を並設して封止樹脂で一体的に構成したフィルムコンデンサであってもよい。また、フィルムコンデンサは上記の構成に限られるものではなく、巻芯に金属化フィルムを巻回して構成されるフィルムコンデンサであれば、任意の構成のフィルムコンデンサを採用することができる。更に、金属化フィルムのフィルム基材として他の材料を用いるようにしても良い。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、巻芯に金属化フィルムが巻回されたフィルムコンデンサについて有用である。
実施形態1に係るフィルムコンデンサの構成を示す縦断面図である。 実施形態1の巻芯の内部構造を示す横断面図である。 実施形態1の第1の変形例のフィルムコンデンサの構成を示す縦断面図である。 実施形態1の第2の変形例の巻芯の内部構造を示す横断面図である。 実施形態2に係るフィルムコンデンサの巻芯の内部構造を示す横断面図である。 実施形態2の変形例の巻芯の内部構造を示す横断面図である。 実施形態3に係るフィルムコンデンサの構成を示す縦断面図である。 実施形態4に係るフィルムコンデンサの巻芯の内部構造を示す横断面図である。 実施形態4のその他の形態に係るフィルムコンデンサの巻芯の内部構造を示す横断面図である。 フィルムコンデンサの第1の配置構造の他の例を示す縦断面図である。 フィルムコンデンサの第2の配置構造を示す概略構成図である。 フィルムコンデンサの第3の配置構造を示す概略構成図である。
符号の説明
10 フィルムコンデンサ
20 巻芯
21 放熱フィン(放熱部)
22 結合フィン(放熱部)
23 拡径部(放熱部)
24 凹部
25 凸部
31 金属化フィルム
81 空気ダクト(空気通路)
95 空気通路

Claims (13)

  1. 両端が開口する筒状に形成されて内部に空気が流通可能な巻芯(20)と、該巻芯(20)に巻回される金属化フィルム(31)とを備えたフィルムコンデンサであって、
    上記巻芯(20)の内周面には、該巻芯(20)の放熱面積を増大させるための放熱部(21,22,23,24,25)が形成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  2. 請求項1において、
    上記放熱部は、上記巻芯(20)の軸線方向に延びる放熱フィン(21)で構成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  3. 請求項2において、
    複数の上記放熱フィン(21)が、上記巻芯(20)の周方向に等間隔で配列されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  4. 請求項2又は3において、
    上記放熱フィン(21)は、その長手方向の端部が上記巻芯(20)の開口面よりも該巻芯(20)の奥寄りに位置していることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  5. 請求項1において、
    上記放熱部は、上記巻芯(20)の軸線と直交する方向に延びて該巻芯(20)の内周面の2箇所を繋ぐ結合フィン(22)で構成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  6. 請求項5において、
    上記結合フィン(22)は、上記巻芯(20)の軸線を通るように延びて該巻芯(20)の内周面の対向する2箇所を繋いでいることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  7. 請求項6において、
    2つの上記結合フィン(22)が、互いに直交するように配列されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  8. 請求項1において、
    上記巻芯(20)の軸線方向の端部には、該巻芯(20)の中間部よりも内径が拡大した拡径部(23)が形成されており、
    上記拡径部(23)が、上記放熱部を構成していることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  9. 請求項8において、
    上記拡径部(23)は、上記巻芯(20)の中間部から端部に向かって徐々に内径が拡大した形状であることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  10. 請求項1において、
    上記放熱部は、上記巻芯(20)の内周面に形成された複数の凹部(24)及び複数の凸部(25)のうちの一方、又は両方で構成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  11. 両端が開口する筒状に形成されて内部に空気が流通可能な巻芯(20)と、該巻芯(20)に巻回される金属化フィルム(31)とを備えたフィルムコンデンサ(10)の配置構造であって、
    上記フィルムコンデンサ(10)は、上記巻芯(20)の軸線方向が鉛直となるように配置されることを特徴とする配置構造。
  12. 両端が開口する筒状に形成されて内部に空気が流通可能な巻芯(20)と、該巻芯(20)に巻回される金属化フィルム(31)とを備えたフィルムコンデンサ(10)の配置構造であって、
    上記フィルムコンデンサ(10)は、所定の空気通路(81,95)の空気の流れの方向と上記巻芯(20)の軸線方向とが一致するように空気通路(81,95)に配置されることを特徴とする配置構造。
  13. 請求項11又は12のいずれか1つにおいて、
    上記フィルムコンデンサは、請求項1乃至10のいずれか1つのフィルムコンデンサ(10)で構成されていることを特徴とする配置構造。
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