JP2008311253A - フィルムコンデンサ及びフィルムコンデンサユニット - Google Patents

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義文 前田
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Abstract

【課題】フィルムコンデンサを効率良く放熱する。
【解決手段】フィルムコンデンサ(1)は、巻芯(3)と、該巻芯(3)に巻回される金属化フィルム(21,21)とを備える。巻芯(3)は、金属化フィルム(21,21)が巻回される巻芯本体(31)と、フィルムコンデンサ(1)が実装される回路基板(9)に対して接合される接合部(32)とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属化フィルムが巻回された巻芯を備えたフィルムコンデンサに関するものである。
従来より金属化フィルムを巻芯に巻回して構成されるフィルムコンデンサがよく知られている。このようなフィルムコンデンサにおいては、一般的に、巻芯及び該巻芯に巻回された金属化フィルムが封止樹脂やケーシング等に覆われて気密に構成されている。
特開昭62−60215号公報
ところで、前述のようなフィルムコンデンサでは、通電時において金属化フィルムが大きく発熱する場合がある。
例えば、フィルムコンデンサの小型化を図るためにフィルムを薄型化すると、厚み当たりの耐電圧を大きくする必要があり、その一手段として蒸着金属の薄型化することが考えられる。こうして、蒸着金属を薄型化すると、蒸着金属を流れる電流による発熱が大きくなり、金属化フィルムの発熱が大きくなる。
また、フィルム基材として誘電率が比較的高い材料を用いる場合には、誘電損失も比較的大きくなるので、金属化フィルムの発熱が大きくなる。
前述の例に限られず、フィルムコンデンサでは、その仕様によっては金属化フィルムの発熱が大きくなることがある。その結果、金属化フィルムの熱収縮やコンデンサ素子の耐電圧特性の低下等の不具合を招く虞がある。
そこで、特許文献1に係るフィルムコンデンサにおいては、巻芯をケーシングの外部に露出させて、コンデンサ素子で発生した熱をこの露出した部分から外部に放熱させるように構成している。
しかしながら、前記特許文献1に係るフィルムコンデンサでは、巻芯をケーシング外部に露出させて外部の空気との接触部分を設けているだけであり、フィルムコンデンサの放熱を十分に行うことはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィルムコンデンサを効率良く放熱することにある。
本発明は、フィルムコンデンサが実装される回路基板に巻芯を接合するようにしたものである。
具体的には、第1の発明は、巻芯(3)と、該巻芯(3)に巻回される金属化フィルム(21)とを備えたフィルムコンデンサが対象である。そして、前記巻芯(3)は、前記金属化フィルム(21)が巻回される巻芯本体(31)と、該フィルムコンデンサが実装される回路基板(9)に対して接合される接合部(32)とを有しているものとする。
前記の構成の場合、前記巻芯(3)を回路基板(9)に直接、接合することによって、前記金属化フィルム(21)で発生した熱が該巻芯(3)を介して回路基板(9)に伝導し、回路基板(9)中に拡散しながら放熱される。つまり、フィルムコンデンサの熱を回路基板(9)に伝導させることによって、放熱面積を拡大させることができ、フィルムコンデンサの放熱を効率良く行うことができる。また、巻芯(3)を直接、回路基板(9)に接合することによって、金属化フィルム(21)から巻芯(3)に伝導した熱を、効率良く回路基板(9)に伝導させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記巻芯本体(331)と前記接合部(332)とは一体に形成されているものとする。
前記の構成の場合、樹脂や金属等で前記巻芯本体(331)と前記接合部(332)とを一体に形成することによって巻芯(303)の構成を簡易にすることができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記巻芯本体(31)は、中空の筒状部材であって、前記接合部(32)は、前記巻芯本体(31)の内部に挿通された棒状部材であるものとする。
前記の構成の場合、筒状部材である巻芯本体(31)に棒状部材である接合部(32)を組み合わせることによって巻芯(3)を簡易に構成することができる。
第4の発明は、第3の発明において、前記接合部(32)は、金属製であるものとする。
前記の構成の場合、接合部(32)が樹脂等で形成される構成と比較して、フィルムコンデンサの熱を回路基板(9)に効率良く伝導させることができる。
第5の発明は、第4の発明において、前記金属化フィルム(21)における前記巻芯(3)の軸方向両端部には、それぞれメタリコン電極(41,42)が設けられており、前記接合部(32)は、一方のメタリコン電極(42)と電気的に接続されて外部端子を構成するものとする。
一般的に、巻回された金属化フィルム(21)の軸方向両端部それぞれにはメタリコン電極(41,42)が設けられており、各メタリコン電極(41,42)には外部端子が電気的に接続されている。これら外部端子が回路基板(9)に電気的に接続される。
それに対し、前記の構成の場合は、接合部(32)を一方のメタリコン電極(42)と電気的に接続させて外部端子を兼用させることによって、一方の外部端子を省略することができ、部品点数を削減して、フィルムコンデンサの構成を簡易にすることができる。さらには、金属化フィルム(21)の熱がメタリコン電極(41,42)を介しても接合部(32)に伝導するため、フィルムコンデンサの熱をさらに効率良く放熱することができる。
第6の発明は、第1〜第5の何れか1つの発明に係るフィルムコンデンサが回路基板(9)に実装されたフィルムコンデンサユニットが対象である。そして、前記回路基板(9)には、放熱フィン(93)が設けられているものとする。
前記の構成の場合、前記巻芯(3)が接合される回路基板(9)が放熱フィン(93)によって冷却されているため、フィルムコンデンサの熱をより効率良く放熱することができる。
第7の発明は、第1〜第5の何れか1つの発明に係るフィルムコンデンサが回路基板(209)に実装されたフィルムコンデンサユニットが対象である。そして、前記回路基板(209)は、冷媒によって冷却されるものとする。
前記の構成の場合、前記巻芯(203)が接合される回路基板(209)が冷媒によって冷却されているため、フィルムコンデンサの熱をより効率良く放熱することができる。
本発明によれば、前記巻芯(3)を回路基板(9)に接合することによって、フィルムコンデンサの熱が回路基板(9)に伝導するため、放熱面積を拡大させることができ、フィルムコンデンサの熱を効率良く放熱することができる。
第2の発明によれば、前記巻芯本体(331)と接合部(332)とを一体に形成することによって、巻芯(303)の構成を簡易化することができる。
第3の発明によれば、筒状の巻芯本体(31)と棒状の接合部(32)とで巻芯(3)を構成することによって、巻芯(3)の構成を簡易化することができる。
第4の発明によれば、前記接合部(32)を金属製とすることによって、フィルムコンデンサの熱を効率良く回路基板(9)に伝導させることができる。
第5の発明によれば、回路基板(9)に接合される接合部(32)に外部端子を兼ねさせることによって、部品点数を削減することができ、フィルムコンデンサの構成を簡素化することができる。
第6及び第7の発明によれば、回路基板(9,209)の放熱効率を向上させることによって、フィルムコンデンサの放熱効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係るフィルムコンデンサ(1)は、図1に示すように、コンデンサ素子(2)と、コンデンサ素子(2)が巻回される巻芯(3)と、コンデンサ素子(2)に設けられた2つのメタリコン電極(41,42)と、一方のメタリコン電極(41)に電気的に接続された外部端子(51)と、該コンデンサ素子(2)、巻芯(3)、メタリコン電極(41,42)及び外部端子(51)とを封止するための封止樹脂(6)とを備えている。
前記コンデンサ素子(2)は、帯状の絶縁フィルムの片面にアルミニウム等の金属箔を蒸着させて形成した金属化フィルム(21,21)を2枚重ね合わせて、前記巻芯(3)に巻回して構成されている。このとき、各金属化フィルム(21)は巻芯(3)の軸方向にずらして重ね合わされている。こうすることで、巻回されたコンデンサ素子(2)における巻芯(3)の軸方向の一端部には、金属化フィルム(21,21)のうちの一方が、該軸方向の他端部には金属化フィルム(21,21)のうちの他方がはみ出した状態となっている(図示省略)。
前記巻芯(3)は、前記コンデンサ素子(2)が巻回される被巻回部(31)と、該被巻回部(31)に接合される一方、フィルムコンデンサ(1)が実装されるプリント配線板(9)に接合される接合棒(32)とを有している。
前記被巻回部(31)は、樹脂製であって有底筒状をしている。この被巻回部(31)の軸方向長さは、金属化フィルム(21)の幅と略同じ寸法となっている。この被巻回部(31)が巻芯本体を構成している。
前記接合棒(32)は、金属製の棒状部材である。この接合棒(32)は、被巻回部(31)の内部に挿通されており、該被巻回部(31)と接合棒(32)との間には樹脂(図示省略)が介設されており、この樹脂により被巻回部(31)と接合棒(32)とは接合されている。この樹脂は、熱伝導性の良い樹脂であることが好ましい。そうすることで、被巻回部(31)から接合棒(32)への熱伝導性を向上させることができる。この接合棒(32)の長さは、金属化フィルム(21)の幅及び被巻回部(31)の軸方向長さよりも長く、該被巻回部(31)の開口端部から突出する長さとなっており、その接合棒(32)の突出端部は、前記封止樹脂(6)からも外部に突出している。この接合棒(32)が接合部を構成している。
尚、樹脂をなくして、被巻回部(31)と接合棒(32)とを嵌め合いにより接合する構成であってもよい。この構成であっても、被巻回部(31)と接合棒(32)とを確実に接触させて、被巻回部(31)から接合棒(32)へ熱を確実に伝導させることができる。
前記メタリコン電極(41,42)は、巻芯(3)に巻回されて概略円柱状に形成されたコンデンサ素子(2)における、巻芯(3)の軸方向両端部にそれぞれ設けられている。メタリコン電極(41,42)は、それぞれコンデンサ素子(2)の軸方向各端部に金属を溶射することで形成されていて、該コンデンサ素子(2)の軸方向各端部においてはみ出している方の金属化フィルム(21)とそれぞれ電気的に導通している。
また、メタリコン電極(41,42)のうち、巻芯(3)の被巻回部(31)の底部が位置する側(即ち、接合棒(32)がはみ出していない側)のメタリコン電極(41)は、概略円柱状に形成されたコンデンサ素子(2)の軸方向端部全面に亘って概略円形に形成されている。一方、メタリコン電極(41,42)のうち、巻芯(3)の被巻回部(31)の開口端部が位置する側(即ち、接合棒(32)がはみ出している側)のメタリコン電極(42)は、接合棒(32)を中心とした円環状に形成されていて、該接合棒(32)と電気的及び熱的に導通している。
前記外部端子(51)は、その基端部が巻芯(3)の被巻回部(31)の底部が位置する側のメタリコン電極(41)に電気的に接続されている。この外部端子(51)は、メタリコン電極(41)の径方向外側まで延びた後、他方のメタリコン電極(42)の側へ屈曲して、巻芯(3)の軸方向に延び、その先端部が前記接合棒(32)と同じ側へ前記封止樹脂(6)から外部に突出している。この外部端子(51)の先端部は、巻芯(3)の軸方向において、接合棒(32)の突出端部と略同じ位置まで延びている。
前記封止樹脂(6)は、前記接合棒(32)の突出端部及び外部端子(51)の先端部が外部に露出する状態で、コンデンサ素子(2)、巻芯(3)、メタリコン電極(41,42)及び外部端子(51)を覆うようにして封止している。
このフィルムコンデンサ(1)の製造方法の一例を説明すると、金属化フィルム(21,21)を被巻回部(31)に巻回した後、接合棒(32)を樹脂を介設させた状態で被巻回部(31)に挿通する。そして、該樹脂が硬化した後に、前記メタリコン電極(41,42)を溶射し、さらに外部端子(51)をメタリコン電極(41)に電気的に接続する。その状態で、コンデンサ素子(2)、巻芯(3)、メタリコン電極(41,42)及び外部端子(51)を、接合棒(32)の突出端部及び外部端子(51)の先端部が露出するようにして、溶融樹脂内にディップする。その後、溶融樹脂が硬化することで、コンデンサ素子(2)、巻芯(3)、メタリコン電極(41,42)及び外部端子(51)の周囲に封止樹脂(6)が形成され、フィルムコンデンサ(1)が製造される。
このように構成されたフィルムコンデンサ(1)は、プリント配線板(9)に実装される際には、プリント配線板(9)に形成された所定の配線パターン(91,92)にそれぞれ電気的に接続される。詳しくは、外部端子(51)が配線パターン(92)に接続される一方、外部端子の役割を兼ねる接合棒(32)が配線パターン(91)に対して直接に接続される。このプリント配線板(9)が回路基板を構成する。
また、このプリント配線板(9)は、放熱フィン(93)が設けられている。この放熱フィン(93)は、プリント配線板(9)の、フィルムコンデンサ(1)が設けられた面と反対側の面において該フィルムコンデンサ(1)と対向する位置に設けられている。
したがって、本実施形態1によれば、フィルムコンデンサ(1)が発する熱を、巻芯(3)を介してプリント配線板(9)へ伝導させることができる。ここで、巻芯(3)の設置場所は、フィルムコンデンサ(1)における最も内方の場所であり、コンデンサ素子(2)から発生した熱がこもりやすい、即ち、比較的高温になり易い場所である。つまり、この高温になり易い場所から巻芯(3)を介して放熱することによって、効率良く放熱することができる。さらに、例えばフィルムコンデンサとプリント配線板とを接続するリード線等によってフィルムコンデンサの熱をプリント配線板に放熱するのではなく、巻芯(3)をプリント配線板(9)に接合することによって放熱するため、熱が伝導する部材の断面積を十分に確保して熱を伝導させ易くすることができ、フィルムコンデンサ(1)の放熱を効率良く行うことができる。
また、巻芯(3)のうち、プリント配線板(9)に接合させる接合棒(32)を金属製とすることによって、巻芯(3)の熱をプリント配線板(9)に効率良く伝導させることができる。
さらに、巻芯(3)の被巻回部(31)と接合棒(32)との間は熱伝導性の良い樹脂が介設されているため、被巻回部(31)と接合棒(32)との間の熱伝導も効率良く行うことができる。
さらにまた、巻芯(3)を被巻回部(31)と該被巻回部(31)に挿通させる接合棒(32)とで構成することによって、巻芯(3)を簡易に構成することができる。
また、接合棒(32)をメタリコン電極(42)と電気的及び熱的に接続させることによって、接合棒(32)に外部端子の役割を兼用させることができ、部品点数を削減することができる。また、コンデンサ素子(2)の熱が被巻回部(31)からだけでなく、メタリコン電極(42)からも接合棒(32)に伝導するため、フィルムコンデンサ(1)の熱をさらに効率良く放熱することができる。
さらに、配線パターン(91)はプリント配線板(9)の基材(90)よりも熱伝導性がよいため、接合棒(32)をプリント配線板(9)の配線パターン(91)に接続することによって、接合棒(32)からプリント配線板(9)に伝導した熱を配線パターン(91)を介してプリント配線板(9)中に効率良く伝導させることができる。
さらにまた、プリント配線板(9)に放熱フィン(93)を設けることによって、フィルムコンデンサ(1)の熱をさらに効率良く放熱することができる。
《発明の実施形態2》
続いて、本発明の実施形態2に係るフィルムコンデンサ(201)について説明する。このフィルムコンデンサ(201)は、接合棒(232)がメタリコン電極(42)と接続されていない点、接合棒(232)がプリント配線板(209)のグランド層(295)に接続されている点およびプリント配線板(209)が冷媒によって冷却されている点で実施形態1と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
詳しくは、フィルムコンデンサ(201)は、図2に示すように、コンデンサ素子(2)と、コンデンサ素子(2)が巻回される巻芯(203)と、コンデンサ素子(2)に設けられた2つのメタリコン電極(41,42)と、メタリコン電極(41,42)それぞれに電気的に接続された外部端子(51,252)と、該コンデンサ素子(2)、巻芯(203)、メタリコン電極(41,42)及び外部端子(51,252)とを封止するための封止樹脂(6)とを備えている。
前記巻芯(203)は、前記コンデンサ素子(2)が巻回される被巻回部(231)と、該被巻回部(231)に接合される一方、フィルムコンデンサ(201)がプリント配線板(209)に実装される際に該プリント配線板(209)に接合される接合棒(232)とを有している。
前記被巻回部(231)は、樹脂製であって有底筒状をしている。この被巻回部(231)の軸方向長さは、金属化フィルム(21)の幅よりも少し長い寸法となっている。
前記接合棒(232)は、実施形態1と同様に、金属製の棒状部材であって、熱伝導性の良い樹脂を介して被巻回部(231)の内部に挿通されている。この接合棒(232)の長さは、金属化フィルム(21)の幅及び被巻回部(231)の軸方向長さよりも長く、該被巻回部(231)の開口端部から突出する長さとなっており、その接合棒(232)の突出端部は、封止樹脂(6)からも外部に突出している。
前記メタリコン電極(41,42)は、巻芯(203)に巻回されて概略円柱状に形成されたコンデンサ素子(2)における、巻芯(203)の軸方向両端部にそれぞれ設けられている。メタリコン電極(41,42)は、それぞれコンデンサ素子(2)の軸方向各端部に金属を溶射することで形成されていて、該コンデンサ素子(2)の軸方向各端部においてはみ出している方の金属化フィルム(21)とそれぞれ電気的に導通している。
また、メタリコン電極(41,42)のうち、巻芯(203)の被巻回部(231)の底部が位置する側(即ち、接合棒(232)がはみ出していない側)のメタリコン電極(41)は、概略円柱状に形成されたコンデンサ素子(2)の軸方向端部全面に亘って概略円形に形成されている。一方、メタリコン電極(41,42)のうち、巻芯(203)の被巻回部(231)の開口端部が位置する側(即ち、接合棒(232)がはみ出している側)のメタリコン電極(42)は、被巻回部(231)を中心とした円環状に形成されている。つまり、メタリコン電極(42)は、該被巻回部(231)とは接触しているものの、接合棒(232)とは電気的に導通していない。
前記外部端子(51,252)は、その基端部がメタリコン電極(41,42)にそれぞれ電気的に接続されている。外部端子(51,252)は、それぞれの先端部が、巻芯(203)の軸方向において、前記接合棒(232)と同じ側へ封止樹脂(6)から外部に突出している。これら外部端子(51,252)の先端部は、巻芯(203)の軸方向において、接合棒(232)の突出端部と略同じ位置まで延びている。
このように構成されたフィルムコンデンサ(201)は、プリント配線板(209)に実装される際には、外部端子(51,252)がプリント配線板(209)に形成された所定の配線パターン(291,292)にそれぞれ電気的に接続されると共に、接合棒(232)がプリント配線板(209)のグランド層(295)に熱的に接続される。
また、このプリント配線板(209)は、冷却ジャケット(294)が設けられている。この冷却ジャケット(294)は、プリント配線板(209)の、フィルムコンデンサ(201)が設けられた面と反対側の面において該フィルムコンデンサ(201)と対向する位置に設けられている。
前記冷却ジャケット(294)は、金属製の概略平板状体であって、その内部には、冷媒通路(294a)が形成されている。この冷却通路(294a)には冷却冷媒が流通しており、フィルムコンデンサ(201)の熱がプリント配線板(209)及び冷却ジャケット(294)を介して冷却通路内の冷媒へ移動していく。
したがって、本実施形態2によれば、フィルムコンデンサ(201)の巻芯(203)をプリント配線板(209)に接合することによって、フィルムコンデンサ(201)が発する熱を巻芯(203)を介してプリント配線板(209)に伝導させることができ、フィルムコンデンサ(201)の熱を効率良く放熱することができる。
このとき、巻芯(203)の接合棒(232)をプリント配線板(209)のグランド層(295)に熱的に接合することによって、フィルムコンデンサ(201)の熱をより効率良く放熱することができる。つまり、グランド層(295)は、プリント配線板(209)の基材(290)に比べて熱導電性が良いことに加えて、配線パターン(291,292)に比べて広い面積を有するため、フィルムコンデンサ(201)の熱をプリント配線板(209)中に効率良く拡散させることができる。
また、プリント配線板(209)に冷却ジャケット(294)を設けることによって、プリント配線板(209)の熱をより放熱させることができるため、結果として、フィルムコンデンサ(201)の熱をさらに効率良く放熱することができる。
その他、実施形態1と同様の作用・効果を奏することができる。
《発明の実施形態3》
次に、本発明の実施形態3に係るフィルムコンデンサ(301)について説明する。このフィルムコンデンサ(301)は、被巻回部(331)と接合棒(332)とが一体に形成されている点で実施形態1と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
詳しくは、フィルムコンデンサ(301)は、図3に示すように、コンデンサ素子(2)と、コンデンサ素子(2)が巻回される巻芯(303)と、コンデンサ素子(2)に設けられた2つのメタリコン電極(41,42)と、一方のメタリコン電極(41)に電気的に接続された外部端子(51)と、該コンデンサ素子(2)、巻芯(303)、メタリコン電極(41,42)及び外部端子(51)とを封止するための封止樹脂(6)とを備えている。
前記巻芯(303)は、前記コンデンサ素子(2)が巻回される被巻回部(331)と、該被巻回部(331)と一体的に形成されると共に前記封止樹脂(6)から外部に露出して、フィルムコンデンサ(301)がプリント配線板(9)に実装される際に該プリント配線板(9)に接合される接合棒(332)とを有している。
前記被巻回部(331)は、金属製であって中実の棒状部材である。また、前記接合棒(332)も、被巻回部(331)と同じ材質からなる金属製の中実の棒状部材である。これら被巻回部(331)と接合棒(332)とは一体に形成されており、巻芯(303)は、1本の棒状部材で構成されている。巻芯(303)のうち、金属化フィルム(21,21)が巻回されている部分が被巻回部(331)であり、金属化フィルム(21,21)及び封止樹脂(6)からはみ出してプリント配線板(9)に接合される部分が接合棒(332)である。
前記メタリコン電極(41,42)は、巻芯(303)に巻回されて概略円柱状に形成されたコンデンサ素子(2)における、巻芯(303)の軸方向両端部にそれぞれ設けられている。メタリコン電極(41,42)は、それぞれコンデンサ素子(2)の軸方向各端部に金属を溶射することで形成されていて、該コンデンサ素子(2)の軸方向各端部においてはみ出している方の金属化フィルム(21)とそれぞれ電気的に導通している。
また、メタリコン電極(41,42)のうち、接合棒(332)がはみ出していない側のメタリコン電極(41)は、概略円柱状に形成されたコンデンサ素子(2)の軸方向端部全面に亘って概略円形に形成されている。このとき、巻芯(303)の一端部(コンデンサ素子(2)からはみ出していない側の端部)とメタリコン電極(41)との間には、電気的特性が劣化しないように数mmの隙間が設けられている。尚、該巻芯(303)の一端部とメタリコン電極(41)との間に絶縁性の樹脂等を介在させてもよい。一方、メタリコン電極(41,42)のうち、接合棒(332)がはみ出している側のメタリコン電極(42)は、接合棒(332)を中心とした円環状に形成されていて、該接合棒(332)と電気的及び熱的に導通している。
したがって、本実施形態3によれば、フィルムコンデンサ(301)の巻芯(303)をプリント配線板(9)に接合することによって、フィルムコンデンサ(301)が発する熱を巻芯(303)を介してプリント配線板(9)に伝導させることができ、フィルムコンデンサ(301)の熱を効率良く放熱することができる。
また、被巻回部(331)と接合棒(332)とを一体に形成することによって、巻芯(303)を簡易に構成することができると共に、コンデンサ素子(2)から被巻回部(331)に伝導した熱が、そのまま接合棒(332)を伝導してプリント配線板(9)まで伝導するため、フィルムコンデンサ(301)の熱を効率良く放熱することができる。
さらに、巻芯(303)を金属で構成し、他方のメタリコン電極(42)を該巻芯(303)に電気的に接続させることによって、巻芯(303)で外部端子を兼ねることができ、部品点数を削減することができる。
その他、実施形態1と同様の作用・効果を奏することができる。
《発明の実施形態4》
続いて、本発明の実施形態4に係るフィルムコンデンサ(401)について説明する。このフィルムコンデンサ(401)は、巻芯(403)が樹脂製である点で実施形態3と異なる。
詳しくは、フィルムコンデンサ(401)は、図4に示すように、コンデンサ素子(2)と、コンデンサ素子(2)が巻回される巻芯(403)と、コンデンサ素子(2)に設けられた2つのメタリコン電極(41,42)と、メタリコン電極(41,42)それぞれに電気的に接続された外部端子(51,252)と、該コンデンサ素子(2)、巻芯(303)、メタリコン電極(41,42)及び外部端子(51)とを封止するための封止樹脂(6)とを備えている。
前記巻芯(403)は、実施形態3と同様に、前記コンデンサ素子(2)が巻回される被巻回部(431)と、該被巻回部(431)と一体的に形成されると共に前記封止樹脂(6)から外部に露出して、フィルムコンデンサ(401)がプリント配線板(9)に実装される際に該プリント配線板(9)に接合される接合棒(432)とを有している。ただし、被巻回部(431)及び接合棒(432)は、実施形態3と異なり、樹脂で形成されている。
そして、接合棒(432)が樹脂で形成されているため、メタリコン電極(42)には、実施形態2と同様に、外部端子(252)が接続されている。
尚、被巻回部(431)は樹脂で形成されているため、メタリコン電極(41)と巻芯(403)の一端部との間には、隙間を空けたり、絶縁性の樹脂を介設したりする必要がない。
このように構成されたフィルムコンデンサ(401)は、プリント配線板(409)に実装される際には、外部端子(51,252)がプリント配線板(409)に形成された所定の配線パターン(491,492)にそれぞれ電気的に接続されると共に、接合棒(432)がプリント配線板(409)の基材(490)に熱的に接続される。
したがって、本実施形態4によれば、フィルムコンデンサ(401)の巻芯(403)をプリント配線板(409)に接合することによって、フィルムコンデンサ(401)が発する熱を巻芯(403)を介してプリント配線板(409)に伝導させることができ、フィルムコンデンサ(401)の熱を効率良く放熱することができる。
また、被巻回部(431)と接合棒(432)とを一体に形成することによって、巻芯(403)を簡易に構成することができると共に、コンデンサ素子(2)から被巻回部(431)に伝導した熱が、そのまま接合棒(432)を伝導しプリント配線板(409)まで伝導するため、フィルムコンデンサ(301)の熱を効率良く放熱することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態1〜4について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、前記実施形態1〜4はコンデンサ素子(2)を1つだけ備えているが、これに限られるものではない。例えば、複数のコンデンサ素子を備え、各コンデンサ素子を並設して封止樹脂で一体的に構成したフィルムコンデンサであってもよい。かかる構成の場合、各コンデンサ素子の巻芯をプリント配線板に接合させるようにすればよい。
また、フィルムコンデンサは前記の構成に限られるものではなく、巻芯に金属化フィルムを巻回して構成されるフィルムコンデンサであれば、任意の構成のフィルムコンデンサを採用することができる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、巻芯と、該巻芯に巻回される金属化フィルムとを備えたフィルムコンデンサの効率的な放熱について有用である。
本発明の実施形態1に係るフィルムコンデンサの縦断面図である。 実施形態2に係るフィルムコンデンサの縦断面図である。 実施形態3に係るフィルムコンデンサの縦断面図である。 実施形態4に係るフィルムコンデンサの縦断面図である。
符号の説明
1 フィルムコンデンサ
21 金属化フィルム
3 巻芯
31 被巻回部(巻芯本体)
32 接合棒(接合部)
41,42 メタリコン電極
9 プリント配線板(回路基板)
93 放熱フィン

Claims (7)

  1. 巻芯(3)と、該巻芯(3)に巻回される金属化フィルム(21)とを備えたフィルムコンデンサであって、
    前記巻芯(3)は、前記金属化フィルム(21)が巻回される巻芯本体(31)と、該フィルムコンデンサが実装される回路基板(9)に対して接合される接合部(32)とを有していることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  2. 請求項1において、
    前記巻芯本体(331)と前記接合部(332)とは一体に形成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  3. 請求項1において、
    前記巻芯本体(31)は、中空の筒状部材であって、
    前記接合部(32)は、前記巻芯本体(31)の内部に挿通された棒状部材であることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  4. 請求項3において、
    前記接合部(32)は、金属製であることを特徴とするフィルムコンデンサ。
  5. 請求項4において、
    前記金属化フィルム(21)における前記巻芯(3)の軸方向両端部には、それぞれメタリコン電極(41,42)が設けられており、
    前記接合部(32)は、一方のメタリコン電極(42)と電気的に接続されて外部端子を構成することを特徴とするフィルムコンデンサ。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つに記載されたフィルムコンデンサが回路基板(9)に実装されたフィルムコンデンサユニットであって、
    前記回路基板(9)には、放熱フィン(93)が設けられていることを特徴とするフィルムコンデンサユニット。
  7. 請求項1乃至5の何れか1つに記載されたフィルムコンデンサが回路基板(209)に実装されたフィルムコンデンサユニットであって、
    前記回路基板(209)は、冷媒によって冷却されることを特徴とするフィルムコンデンサユニット。
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