JP2008297940A - 二輪車用の絞り弁制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スロットルボデーが側方に各々隣接配置され、単一の絞り弁軸が手動操作機構、電動操作機構によって駆動操作される絞り弁制御装置において、手動及び電動操作機構に対して外乱の影響を排除し、製造コストを低減しうる二輪車用の絞り弁制御装置を提供する。
【解決手段】第1スロットルボデと第2スロットルボデとが隣接して対向配置され、各スロットルボデーの吸気通路を単一の絞り弁軸が横断配置される。第1スロットルボデの一側対向側壁に絞り弁軸を囲繞する第1収納凹部4が形成され、第2スロットルボデーの他側対向側壁に絞り弁軸を囲繞する第2収納凹部24が形成される。第1収納凹部4と第2収納凹部24とを当接して螺着配置することにより密閉された収納空間51を形成し、該収納空間内に第1リンクレバー44、第2リンクレバー41、連続杆46よりなる手動操作機構Fと、モータM、ギア部Gよりなる電動操作機構Eとを収納配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1スロットルボデと第2スロットルボデとが隣接して対向配置され、各スロットルボデーの吸気通路を単一の絞り弁軸が横断配置される。第1スロットルボデの一側対向側壁に絞り弁軸を囲繞する第1収納凹部4が形成され、第2スロットルボデーの他側対向側壁に絞り弁軸を囲繞する第2収納凹部24が形成される。第1収納凹部4と第2収納凹部24とを当接して螺着配置することにより密閉された収納空間51を形成し、該収納空間内に第1リンクレバー44、第2リンクレバー41、連続杆46よりなる手動操作機構Fと、モータM、ギア部Gよりなる電動操作機構Eとを収納配置する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、機関へ供給される空気量を制御する絞り弁制御装置に関するもので、内部を吸気通路が貫通して穿設される第1スロットルボデーと、内部を吸気通路が貫通して穿設される第2スロットルボデーとが側方に隣接して対向配置されるとともに、前記、第1、第2スロットルボデーの各吸気通路を横断し、各吸気通路を開閉する絞り弁が取着される単一の絞り弁軸が第1、第2スロットルボデーに回転自在に支承配置される二輪車用の絞り弁制御装置に関する。
従来の絞り弁制御装置の第1例は、特許文献1に開示される。かかる特許文献1の図1によると2つの吸気通路を備える2つのスロットルボデーが側方に隣接配置され、各吸気通路内に配置されるスロットルバルブは、左側のスロットルボデーを貫通するスロットルシャフト右側のスロットルボデーを貫通するスロットルシャフトにそれぞれ取着され、二つのスロットルシャフトは、その対向端を継手部材をもって連結され、これによって二つのスロットルシャフトは、同軸上で一体的に回転するよう連結され、かかるスロットルシャフトの回転により絞り弁は各吸気通路を開閉制御する。又、スロットルバルブを電気的に開閉制御するモータ、ギア部よりなる電動操作機構は、左側のスロットルボデーと右側のスロットルボデーの対向壁間に配置されるもので、スロットルボデー又は連結プレートに固定される保持板に、モータ及びギア部が取着配置される。そして、モータが回転すると、その回転駆動力がピニオンから歯車を介してスロットルシャフトに伝達され、スロットルシャフトはスロットルバルブを開閉駆動し、これによって各吸気通路が開閉される。又、特許文献1の図5によると、4つのスロットルボデーが側方に隣接して配置されるとともに4つのスロットルボデーを貫通して単一のスロットルシャフトが回転自在に配置され、左側端のスロットルボデーの一側端にその開口が保持蓋によって閉塞される収納部が形成され、この収納部内にモータ、ギア部よりなる絞り弁の電動操作機構が収納配置される。又、特許文献2には単一のスロットルボデーの吸気通路を横断するスロットルシャフトの端部にモータ、ギア部よりなる電動操作機構のファイナルギアが取着され、アクセル操作に応じて回転するペダルアクチュエーティッドレバーがアクセルドラム軸に取着され、更に前記スロットルシャフトに取着されるスロットルアクチュエータレバーとインタメディライトレバーとがコネクティングリングで連結される技術が開示される。
特開2004−132289
GB2233039A
特許文献1の図1に開示された技術によると、モータ及びギア部は、スロットルボデー又は連結プレートに固定される保持板に取着されるもので、これによると保持板を格別に用意してスロットルボデーに固定する必要があり、これによると部品点数が増加して好ましいものでない。又、モータ及びギア部よりなる電動操作機構は直接大気に開口して配置されるものであり、モータ及びギア部の噛合部に、ゴミ、水が付着し易く、又転倒時及び飛石等の外部衝突を受け易いもので、特に二輪車の如く、絞り弁制御装置を含む機関が直接大気に露出配置されるものにおいて好ましいものでない。又、特許文献1の図5に開示された技術によると、収納部の開口が保持蓋によって閉塞されるので、格別に保持蓋を用意する必要があり部品点数の増加につながる。又引用文献2によれば、モータ、ギア部よりなる電動操作機構、ペダルアクチュエーティドレバー、スロットルアクチュエータレバー、インタメディティトレバー、コネクティングリング等よりなる手動操作機構、が直接大気に露出して配置されるので、外乱(ゴミ、水の付着、転倒、石等の外部の衝突)の影響を受け易い。又モータを固定する為の手段、ペタルアクチュエーティドレバー及びインタメディティトレバーを回転自在に支持する為の手段を必要とする。
本発明は、前記不具合に鑑み成されたもので、スロットルボデーが側方に複数配置され、各スロットルボデーの吸気通路に配置される絞り弁が単一の絞り弁軸に取着されるものにおいて、絞り弁軸を駆動操作する電動操作機構と手動操作機構に対して外乱の影響を排除するとともに製造コストを低減し、二輪車に搭載して好適な絞り弁制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明になる二輪車用の絞り弁制御装置は、前記目的達成の為に、内部を吸気通路が貫通して穿設される第1スロットルボデーと、内部を吸気通路が貫通して穿設される第2スロットルボデーとが側方に隣接して対向配置されるとともに、前記、第1、第2スロットルボデーの各吸気通路を横断し、各吸気通路を開閉する絞り弁が取着される単一の絞り弁軸が第1、第2スロットルボデーに回転自在に支承配置される二輪車用の絞り弁制御装置において、第1スロットルボデーの、第2スロットルボデーに臨む一側対向側壁に、絞り弁軸を囲繞し、第2スロットルボデーの他側対向側壁に臨んで開口する第1収納凹部を形成し、第2スロットルボデーの、第1スロットルボデーに臨む他側対向側壁、絞り弁軸を囲繞し、第1スロットルボデーの一側対向側壁に臨んで開口する第2収納凹部を形成し、前記第1収納凹部と第2収納凹部とを当接して螺着配置することにより密閉された収納空間を形成し、前記収納空間に、絞り弁軸に固着される第1リンクレバーと、一端にスロットルドラムが固着されるスロットルドラム軸に固着される第2リンクレバーと、第1リンクレバーと第2リンクレバーとをリンク結合する連結杆とにより構成される手動操作機構と、モータ、ギア部とにより構成される電動操作機構とを収納配置したことを第1の特徴とする。
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記電動操作機構のギア部は、モータの出力軸に取着されるモータギアと、絞り弁軸に回転自在に支承されるファイナルギアと、モータギアと噛合される大径ギア及びファイナルギアと噛合される小径ギアとにより構成される中間ギアとにより形成され、前記中間ギアの軸芯を、絞り弁軸の軸芯より、吸気通路の長手軸芯線に沿う方向においてエアクリーナ側へ偏芯配置し、一方前記スロットルドラム軸の軸芯を、絞り弁軸の軸芯より、吸気通路の長手軸芯線に沿う方向において機関側へ偏芯配置したことを第2の特徴とする。
又、本発明は、前記第2の特徴に加え、前記中間ギアの軸芯の絞り弁軸の軸芯に対する偏芯を、スロットルドラム軸の軸芯の絞り弁軸の軸芯に対する偏芯としたことを第3の特徴とする。
更に本発明は、前記第1の特徴に加え、前記スロットルドラム軸を、第1スロットルボデーに回転自在に支承配置するとともにアクセルグリップと開弁用ワイヤー、閉弁用ワイヤーを介してワイヤー接続されるスロットルドラムと、手動操作機構を構成する第2リンクレバーとを前記収納空間内に突出配置されるスロットルドラム軸に固定配置したことを第4の特徴とする。
更に又、本発明は、前記第4の特徴に加え、前記第1スロットルボデーの第1収納凹部を形成する側壁に、アウターケーブルエンド挿入孔を穿設し、前記開弁用ワイヤー、及び閉弁用ワイヤーが挿通されるアウターケーブルエンドボルトを、前記アウターケーブルエンド挿入孔にナットにより螺着配置したことを第5の特徴とする。
本発明の第1の特徴によると、第1スロットルボデーの一側対向側壁に第2スロットルボデーに臨む第1収納凹部が一体形成され、第2スロットルボデーの他側対向側壁に第1スロットルボデーに臨む第2収納凹部が一体形成され、かかる第1収納凹部の開口部と第2収納凹部の開口部とが当接して螺着配置されることにより密閉された収納空間が形成される。上記によれば、収納空間は、第1スロットルボデー、第2スロットルボデーを用いて形成され、格別新たな部材を用意する必要がないので、その製造コストを効果的に低減できる。又、第1収納凹部と第2収納凹部とを螺着して収納空間を形成すると、第1スロットルボデーと第2スロットルボデーとを螺着結合することができるもので、両スロットルボデーを連結する為に従来用いられている連結ステーをなくすことができ、部品点数を削減できる。又、連結ステーを無くすことができたことによると、スロットルボデーの外観をスッキリとまとめることができ、二輪車のデザイン上好ましい。又、第1リンクレバー、第2リンクレバー、連結杆によって構成される手動操作機構及びモータ、ギア部によって構成される電動操作機構が前記密閉された収納空間内に配置されることによると、前記手動操作機構、電動操作機構が直接大気に開口されることがないので、それらにゴミ、水が付着することがなく、又転倒時、飛び石等の外部衝突の発生がないので、それら機構の作動を長期に渡って安定して保持できる。又、手動操作機構、電動操作機構が収納空間内に配置されて外部へ露出することがないので、絞り弁制御装置の外観をスッキリとまとめることができる。又、第1スロットルボデーの一側対向側壁及び第2スロットルボデーの他側対向側壁には、絞り弁軸を支承する為の絞り弁軸受孔が開口するものであるが、前記開口は密閉された収納凹部内に開口するので、この開口からゴミ、水等の異物の進入がなく、絞り弁軸の回転を長期に渡って安定保持できる。又、手動操作機構が収納空間内に配置されたことによると、手動操作機構を構成する第1リンクレバーは収納空間内に挿通配置される絞り弁軸に固着され、一方電動操作機構が収納空間内に配置されたことによると、電動操作機構を構成するファイナルギアは収納空間内に挿通配置される絞り弁軸に取着されるもので、このとき収納空間内にある絞り弁軸の両端は、第1スロットルボデーの絞り弁軸受孔及び第2スロットルボデーの絞り弁軸受孔に両端支持されるので、第1リンクレバー及びファイナルギアから収納空間内にある絞り弁軸に力が加わった際にあっても絞り弁軸の振れの発生を抑止できる。
又、本発明の第2の特徴によると、中間ギアの軸芯を、絞り弁軸の軸芯より、吸気通路の長手軸芯線に沿う方向においてエアクリーナ側へ偏芯配置し、一方前記スロットルドラム軸の軸芯を、絞り弁軸の軸芯より、吸気通路の長手軸芯線に沿う方向において機関側へ偏芯配置したので、前記中間ギアの外周に臨む収納空間のエアクリーナ側の外側壁と、スロットルドラム軸に取着される第2リンクレバーの外周に臨む収納空間の機関側の外側壁を吸気通路の長手軸芯方向の略全長さ内に収めることができる。
又、本発明の第3の特徴によると、中間ギアの軸芯の、絞り弁軸の軸芯に対する偏芯を、スロットルドラム軸の軸芯の絞り弁軸の軸芯に対する偏芯としたので、前記第2の効果に加え、更に第2リンクレバーの外周に臨む収納空間の機関側の外側壁の機関側への張り出しを小さくできるもので、これによると吸気通路をより機関側へ近接配置できるもので、吸気効率を向上できる。
更に本発明の第4の特徴によると、スロットルドラム軸は第1スロットルボデーに回転自在に支承され、収納空間内に突出配置される。そしてアクセルグリップと開弁用ワイヤー、閉弁用ワイヤーによりワイヤー接続されるスロットルドラム及び第2リンクレバーが、前記スロットルドラム軸に固定される。以上によると、スロットルドラム、第2リンクレバー、第1リンクレバー、連結杆より構成される手動操作機構の全ての構成が、密閉された収納空間内に収納配置されるので、泥、水、外部の障害物等の全ての外乱より手動操作機構を保護することができるとともにその外観性をよりスッキリとまとめることができる。又、スロットルドラム軸とそれを回転自在に支持するドラム軸受孔との間への異物の進入を抑止できる。
更に又、本発明の第5の特徴によると、スロットルドラムにワイヤー接続される開弁用ワイヤー、閉弁用ワイヤーが挿通されるアウターケーブルエンドが、第1スロットルボデーの第1収納凹部の側壁に穿設されるアウターケーブルエンド挿入孔に挿入されてナットにより挟持されて側壁に螺着固定されるので、従来の如くアウターケーブルエンドを固着する為のワイヤーステーが不要となったもので、部品点数の削減とワイヤーステーを他の部材に固定する為の組付け工数を削減でき、製造コストを効果的に低減できる。
以下、本発明になる二輪車用の絞り弁制御装置の一実施例について、図1、図2により説明する。図1は要部縦断面図。図2は図1のA−A線における簡略された側面図。である。1は内部に吸気通路2が貫通して穿設された第1スロットルボデーであり、吸気通路2を横断する絞り弁軸受孔3が図1において左右の側方に貫通して穿設される。21は、内部に吸気通路22が貫通して穿設された第2スロットルボデーであり、吸気通路22を横断する絞り弁軸受孔23が左右の側方に貫通して穿設される。前記第1スロットルボデーと第2スロットルボデー21とは側方に隣接して対向配置される。再び第1スロットルボデー1について説明すると、第1スロットルボデー1の第2スロットルボデー21の他側対向側壁21aに臨む一側対向側壁1aには、絞り弁軸受孔3の開口を囲繞し、第2スロットルボデー21の他側対向側壁21aに臨んで開口する第1収納凹部4が形成されるもので、第1収納凹部4の開口端には厚肉状をなす取付け鍔部5が環状に形成される。又、第2スロットルボデー21の第1スロットルボデー1の一側対向側壁1aに臨む他側対向側壁21aには、絞り弁軸受孔23の開口を囲繞し、第1スロットルボデー1の一側対向側壁1aに臨んで開口する第2収納凹部24が形成されるもので、第2収納凹部24の開口端には厚肉状をなす取付け鍔部25が環状に形成される。尚、説明において一側とは図1において右方をいうもので、他側とは図1において左方をいう。そして、第1スロットルボデー1と第2スロットルボデー21とは前述の如く、側方に隣接して対向配置されるものであり、このとき第1スロットルボデー1の第1収納凹部4の取付け鍔部5と、第2スロットルボデー21の第2収納凹部24の取付け鍔部25とが当接配置され、かかる状態において両取付け鍔部5、25がビス50により螺着される。以上によると、第1スロットルボデー1と第2スロットルボデー21とが側方に隣接して固定配置されるもので、このとき第1スロットルボデー1と第2スロットルボデー21の対向空間部に、第1収納凹部4と第2収納凹部24とにより密閉された収納空間51が形成される。52は第1スロットルボデー1の絞り弁軸受孔3、第2スロットルボデー21の絞り弁軸受孔23に挿入されて回転自在に支承される単一の絞り弁軸であり、絞り弁軸52は、第1スロットルボデー1の絞り弁軸受孔3から収納空間51を介して第2スロットルボデー21の絞り弁軸受孔23へ挿入される。絞り弁軸52の中間部は収納空間51内にある。尚、第1スロットルボデー1の吸気通路2を開閉するバタフライ型の絞り弁6は該吸気通路2を横断する絞り弁軸52にビスにて螺着され、第2スロットルボデー21の吸気通路22を開閉するバタフライ型の絞り弁26は、該吸気通路22を横断する絞り弁軸52にビスにて螺着される。而して絞り弁軸52が回転することにより絞り弁6は吸気通路2を開閉制御し、絞り弁26は吸気通路22を前記絞り弁6と同期して開閉制御する。
次に、絞り弁軸52に対し、電気的に回転力を付与する電動操作機構Eについて説明する。Mは図示せぬECUからの出力信号によって駆動するモータであり、収納空間51内に固定配置されるもので、モータMの出力軸Maにはモータギア31が取着される。具体的にはモータMは第2収納凹部24内に固定配置される。32は収納空間51内にある絞り弁軸52に回転自在に遊嵌配置されるファイナルギアであり、図2において反時計方向に臨む係止片部32aを備える。この反時計方向は絞り弁26の閉方向側である。33は大径ギア33aと小径ギア33bとが同芯に一体的に形成された中間ギアであり、中間ギア33の大径ギア33aがモータギア31に噛合され、小径ギア33bがファイナルギア32に噛合される。上記モータギア31、大径ギア33a、小径ギア33bを備える中間ギア33、ファイナルギア32とによりギア部Gが形成されるもので、モータMの回転はモータギア31−大径ギア33a−小径ギア33b−ファイナルギア32へ伝達され、これによって絞り弁軸52の回転がモータMの回転に応じて制御される。すなわち電動操作機構Eは、前記モータMとギア部Gにより形成される。そして上記より明らかな如く、モータM、ギア部Gよりなる電動操作機構Eは収納空間51内に収納配置される。
次に絞り弁軸52に対して機械的な回転力を付与する手動操作機構Fについて説明する。40は、第1スロットルボデー1の軸受孔1aに回転自在に支承されたスロットルドラム軸であり、その一端40aは収納空間51内に突出して配置され、他端40bは第1スロットルボデー1外へと突出配置される。そして、前記スロットルドラム軸の一端40aには第2リンクレバー41が固定して取着され、スロットルドラム軸40の他端40bにはスロットルドラム42が固定して取着される。いいかえると、第2リンクレバー41は、収納空間51内に配置されることになる。又、スロットルドラム42は、開弁用ワイヤーwa、閉弁用ワイヤーwbを介して運転者が操作するアクセルグリップ43とワイヤー接続される。44は、収納空間51内にある絞り弁軸52にノックピン等により固定配置された第1リンクレバーであり、この第1リンクレバー44と第2リンクレバー41とはピン45を介して連結杆46によりリンク結合される。尚、第1リンクレバー44にはファイナルギア32の係止片部32aに当接しうる押圧ピン44aが立設される。以上によれば、手動操作機構Fを構成する第2リンクレバー41、連結杆46、第1リンクレバー44は収納空間51内に配置される。尚47はスロットルドライ軸40に一方向の回転力を付与するスロットルリターンスプリングである。
次にその作用について説明する。二輪車の運転時において、駆動軸がスリップしない状況下における運転時について説明すると、運転者によってアクセルグリップ43が回転操作されると、その回転は、開弁用ワイヤーwa、閉弁用ワイヤーwbを介してスロットルドラム42に伝達されてスロットルドラム42を回転させるもので、このスロットルドラム42の回転によるとスロットルドラム軸40が同期的に回転し、スロットルドラム軸40の回転が、第2リンクレバー41、連結杆46を介して第1リンクレバー44に伝達される。そしてこの第1リンクレバー44の回転により絞り弁軸52が回転するもので、絞り弁軸52の回転により絞り弁6及び26が、吸気通路2及び22をアクセルグリップ43の回転に応じて機械的に開閉制御する。すなわち絞り弁6、26は運転者の意志に応じて吸気通路2、22が開閉制御される。かかる状況下において、第1リンクレバー44の押圧ピン44aとファイナルギア32の係止片部32aが当接するがモータMがOFF状態に保持されるので、電動操作機構Eを形成するギア部Gが前記絞り弁の開閉制御に対し何等の規制を加えることがない。
次に、運転者によりアクセルグリップ43が急激に絞り弁開方向に回転操作され、二輪車の駆動輪がスリップした状態(いいかえると急加速運転状態)について説明する。かかる急加速運転時において、手動操作機構Fを構成する第1リンクレバー44は、図2において急速に時計方向に回転して絞り弁26を開方向へ移動させるもので、このとき第1リンクレバー44に立設される押圧ピン44aは係止片部32aを押圧してファイナルギア32を第1リンクレバー44と同期して時計方向に回転させる。一方、かかる急加速運転時において駆動輪のスリップの検出等に基づきモータMはON作動するもので、これによると、モータMの回転はモータギア31、中間ギア33の大径ギア33a、33bを介してファイナルギア32に伝達され、ファイナルギア32を図2において反時計方向へ回転させる。かかるファイナルギア32の反時計方向への回転によると、ファイナルギア32の係止片部32aが押圧ピン44aを反時計方向へ押圧して第1リンクレバー44を反時計方向へモータMの回転に応じて回転させるもので、絞り弁2、26を強制的に閉方向へ作動させることができ、もって駆動輪のスリップを抑止できる。尚、上記駆動輪のスリップ検出時に絞り弁の開度をモータにより強制的に小さくする。いわゆるトラクションコントロールは従来から行なわれるものである。
ここで、特に本発明になる二輪車用の絞り弁制御装置は以下において特徴を有する。まず、モータM、ギア部Gよりなる電動操作機構E及び第2リンクレバー41、連結杆46、第1リンクレバー44によって構成される手動操作機構Fが密閉された収納空間51内に収納配置されるので、これら電動操作機構E及び手動操作機構Fが収納空間51によって保護され、前記機構が直接的に外部に露出して配置されることがない。以上によると、これらの機構E、Fに泥水、雨水、泥等の異物が付着することがなくギア部Gの噛合部、リンク機構を長期に渡って清浄に維持することができ、特に二輪車の如く、機関を含むスロットルボデーが直接外部に露出するものにおいて、好適である。又、二輪車の転倒時における障害物及び走行中における飛石が直接的にそれら機構E、Fに衝突することがないので、それら機構の損傷を抑止できる。又、電動操作機構E及び手動操作機構Fが収納空間51内に収納されたことにより、それら機構E、Fがスロットルボデー外に露出することがなく、外部には第1収納凹部4、第2収納凹部24の外観のみが見えることになるので、スロットルボデーの外観をスッキリまとめることができ、二輪車の外観デザイン上好ましいものである。又、第1スロットルボデー1の一側対向側壁1aに開口する絞り弁軸受孔3及び第2スロットルボデー21の他側対向側壁21aに開口する絞り弁軸受孔23は、共に密閉された収納空間51内に開口するので、かかる絞り弁軸受孔3、23より水、泥等の異物が進入することがなく、絞り弁軸52の回転を長期間に渡って安定して保持できる。これは特に絞り弁軸52をモータMによって制御する電動操作機構Eを備えるものにおいて効果的である。又、第1スロットルボデー1と第2スロットルボデー21との連結は、第1収納凹部4の取付け鍔部5と、第2収納凹部24の取付け鍔部25とを当接し、かかる状態において両取付け鍔部5、25をビス50によって螺着することにより収納空間51を形成する際、同時に第1スロットルボデー1と第2スロットルボデー21の連結、固着を行なうことができる。以上によれば、アングル材等によって形成される連結ステーを格別に用意することがなく、部品点数の削減を達成できる。
再び図2に戻って説明すると、電動操作機構Eを構成する中間ギア33の軸芯33c(いいかえると中間ギア33の回転中心である)を、絞り弁軸52の軸芯52a(いいかえると絞り弁軸52の回転中心である)より、吸気通路22の長手軸芯線X−Xに沿う方向においてエアクリーナ側AC(図2において右方であってエアクリーナは省略された)へa偏芯して配置される。一方手動操作機構Fを構成する、第2リンクレバー41が取着されるスロットルドラム軸40の軸芯40c(いいかえるとスロットルドラム軸40)及び第2リンクレバー41の回転中心である)を、絞り弁軸52の軸芯52aより、吸気通路22の長手軸芯線X−Xに沿う方向において機関側EG(図2において左方であって機関は省略された)へb偏芯して配置される。以上によると、もっともエアクリーナ側ACへ突出して形成される中間ギア33の大径ギア33aに臨む収納空間51のエアクリーナ側の外側壁51aと、もっとも機関側EGへ突出して形成される収納空間51の機関側の外側壁51bを吸気通路22の長手軸芯方向X−Xにおける略全長さLの範囲内に収めることができる。以上によると、収納空間51を備えるスロットルボデー1、21の機関に対する搭載性を向上できる。
又、前記において偏芯aを偏芯bより大きくすると、特に収納空間51の機関側の外側壁51bの機関側EGへの張り出しを小さくできるもので、これによると、吸気通路(いいかえると絞り弁26を含む絞り弁軸52)をより機関側EGへ近接して配置することが可能となり、機関EGへの吸気効率を向上できる。仮に偏芯bを偏芯aより大きくすると、機関側の外側壁51bが機関EGと干渉することになるので、絞り弁26を含む絞り弁軸52を機関EGより離す必要があり、これによると吸気通路の全長が長くなり、吸気効率の向上を達成することが困難である。
次に図3により本発明の二輪車用の絞り弁制御装置の他の実施例について説明する。尚、図1と相違する部分のみを説明し、同一構造部分は同一符号を使用して説明は省略する。60は、第1収納凹部4の他側壁4aから第1収納凹部4の底部4bに向けて水平方向に穿設された軸受孔であり、この軸受孔60にスロットルドラム軸40が回転自在に支承配置される。このスロットルドラム軸40の一端40aは収納空間51内に突出配置され、他端40bは他側壁4aより外方に向かって突出配置される。そして、収納空間51内に突出するスロットルドラム軸40の一端40aには、図1において用いられるスロットルドラム42と、第2リンクレバー41とが固定配置された。すなわちスロットルドラム42と第2リンクレバー41とは収納空間51内に配置される。一方、スロットルドラム軸40の他端40bには、他側壁4a上に当接して固定配置される角度センサ61に嵌合配置される。この角度センサ61は、スロットルドラム軸40の回転角を捻出し、図示せぬECUに向けて電気信号を出力する。尚、スロットルリターンスプリング47はその一端がスロットルドラム42に係止され、他端が第1収納凹部4に係止され、収納空間51内に配置される。上記によれば、手動操作機構Fの全ての構成、スロットルドラム42、第2リンクレバー41、連結杆46、第1リンクレバー44、スロットルリターンスプリング47を収納空間51内に収納配置したので、泥、水、外部の障害物等の全ての外乱より手動操作機構Fをより一層確実に保護できるとともに特にスロットルドラム42を収納空間51内に配置したことにより更に外観性をスッキリとまとめることができる。又、スロットルドラム軸40とそれを支承する軸受孔60内への泥、水等の異物の進入をより効果的に抑止できる。
更に図3に戻って説明すると、63は第1収納凹部4の取付け鍔部5に向かう側壁4cに穿設されるアウターケーブルエンド挿入孔であって、このアウターケーブルエンド挿入孔63はU字溝形状をなし、その右端は取付け鍔部5の端面5aに向けて開口して穿設される。そして、かかるアウターケーブルエンド挿入孔63には開弁用ワイヤーwaが挿通されるアウターケーブルエンド64が挿入されアウターケーブルエンド64の両端がナット65、65によって第1収納凹部4の側壁4cに螺着固定される。以上によれば、開弁用ワイヤーwaは、側壁4cに螺着固定されるアウターケーブルエンド64によって支持され、その一端がスロットルドラム42に係止され、他端がアクセルグリップに係止される。以上によれば、アウターケーブルエンド64を支持する為のワイヤーステーを格別に用意する必要がないので、部品点数の削減とワイヤーステーを例えばスロットルボデー等へ取りつける必要がなく、組付け工数を削減できる。尚、本実施例では、開弁用ワイヤーwaについて説明したが、閉弁用ワイヤーwbも同様に行なわれる。すなわち、第1収納凹部4の側壁4cには2個のアウターケーブルエンド挿入孔63が穿設される。又、66は、第2収納凹部24の取付け鍔部25の端面25aから第1収納凹部4の側壁4cに穿設されるアウターケーブルエンド挿入孔63に向けて挿入される閉塞突部であり、これによってアウターケーブルエンドボルト64が挿入されていないアウターケーブルエンド挿入孔63の開口が閉塞され、密閉された収納空間51を保持できる。
前記実施例は、単一のスロットルボデーに単一の吸気通路が形成されたものであるが、単一のスロットルボデーに2個の吸気通路が形成される、いわゆるスバレル型スロットルボデーを用いてもよい。
1 第1スロットルボデー
1a 一側対向側壁
2、22 吸気通路
4 第1収納凹部
6、26 絞り弁
21 第2スロットルボデー
21a 他側対向側壁
24 第2収納凹部
40 スロットルドラム軸
41 第1リンクレバー
42 スロットルドラム
44 第2リンクレバー
46 連結杆
51 収納空間
52 絞り弁軸
E 電動操作機構
F 手動操作機構
G ギア部
M モータ
1a 一側対向側壁
2、22 吸気通路
4 第1収納凹部
6、26 絞り弁
21 第2スロットルボデー
21a 他側対向側壁
24 第2収納凹部
40 スロットルドラム軸
41 第1リンクレバー
42 スロットルドラム
44 第2リンクレバー
46 連結杆
51 収納空間
52 絞り弁軸
E 電動操作機構
F 手動操作機構
G ギア部
M モータ
Claims (5)
- 内部を吸気通路2が貫通して穿設される第1スロットルボデー1と、内部を吸気通路22が貫通して穿設される第2スロットルボデー21とが側方に隣接して対向配置されるとともに、前記、第1、第2スロットルボデーの各吸気通路2、22を横断し、各吸気通路2、22を開閉する絞り弁6、26が取着される単一の絞り弁軸52が第1、第2スロットルボデー1、21に回転自在に支承配置される二輪車用の絞り弁制御装置において、第1スロットルボデー1の、第2スロットルボデー21に臨む一側対向側壁1aに、絞り弁軸52を囲繞し、第2スロットルボデー21の他側対向側壁21aに臨んで開口する第1収納凹部4を形成し、第2スロットルボデー21の、第1スロットルボデー1に臨む他側対向側壁21a、絞り弁軸52を囲繞し、第1スロットルボデー1の一側対向側壁1aに臨んで開口する第2収納凹部24を形成し、前記第1収納凹部4と第2収納凹部24とを当接して螺着配置することにより密閉された収納空間51を形成し、前記収納空間に、絞り弁軸52に固着される第1リンクレバー44と、一端にスロットルドラム42が固着されるスロットルドラム軸40に固着される第2リンクレバー41と、第1リンクレバー44と第2リンクレバー41とをリンク結合する連結杆46とにより構成される手動操作機構Fと、モータM、ギア部Gとにより構成される電動操作機構Eとを収納配置したことを特徴とする二輪車用の絞り弁制御装置。
- 前記電動操作機構のギア部Gは、モータMの出力軸Maに取着されるモータギア31と、絞り弁軸52に回転自在に支承されるファイナルギア32と、モータギア31と噛合される大径ギア33a及びファイナルギア32と噛合される小径ギア33bとにより構成される中間ギア33とにより形成され、前記中間ギアの軸芯33cを、絞り弁軸52の軸芯52aより、吸気通路22の長手軸芯線X−Xに沿う方向においてエアクリーナAC側へa偏芯配置し、一方前記スロットルドラム軸の軸芯40cを、絞り弁軸52の軸芯52aより、吸気通路22の長手軸芯線X−Xに沿う方向において機関EG側へb偏芯配置したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用の絞り弁制御装置。
- 前記中間ギアの軸芯33cの絞り弁軸52の軸芯52aに対する偏芯aを、スロットルドラム軸40の軸芯40cの絞り弁軸52の軸芯52aに対する偏芯bをa>bとしたことを特徴とする請求項2記載の二輪車用の絞り弁制御装置。
- 前記スロットルドラム軸を、第1スロットルボデー1に回転自在に支承配置するとともにアクセルグリップ43と開弁用ワイヤーwa、閉弁用ワイヤーwbを介してワイヤー接続されるスロットルドラム42と、手動操作機構Fを構成する第2リンクレバー41とを前記収納空間内に突出配置されるスロットルドラム軸40に固定配置したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用の絞り弁制御装置。
- 前記第1スロットルボデーの第1収納凹部4を形成する側壁4cに、アウターケーブルエンド挿入孔63を穿設し、前記開弁用ワイヤー、及び閉弁用ワイヤーwbが挿通されるアウターケーブルエンドボルト64を、前記アウターケーブルエンド挿入孔63にナット65、65により螺着配置したことを特徴とする請求項4記載の二輪車用の絞り弁制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007143215A JP2008297940A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | 二輪車用の絞り弁制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007143215A JP2008297940A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | 二輪車用の絞り弁制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008297940A true JP2008297940A (ja) | 2008-12-11 |
Family
ID=40171695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007143215A Pending JP2008297940A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | 二輪車用の絞り弁制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008297940A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5362843B2 (ja) * | 2010-03-05 | 2013-12-11 | パナソニック株式会社 | 映像システム |
-
2007
- 2007-05-30 JP JP2007143215A patent/JP2008297940A/ja active Pending
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JP5362843B2 (ja) * | 2010-03-05 | 2013-12-11 | パナソニック株式会社 | 映像システム |
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