JP2008297511A - 木材用水系接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】木材から発生するホルムアルデヒドを捕捉することができ、木材に対する接着性および耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトを抑制できる木材用水系接着剤組成物の提供。
【解決手段】2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A)と、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物(B)とを含有し、前記化合物(B)のヒドラジノ基を、前記ウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基に対して当量より多く含有する木材用水系接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、木材用水系接着剤組成物に関する。
近年、化学物質を含む建材の使用や建物の気密性の向上等に伴い、居住者がめまい、吐き気、頭痛等の症状や体の不調を感じる、いわゆるシックハウス症候群が問題となっている。
中でも、ホルムアルデヒドについては、建築基準法が改正され、建材の使用面積を制限する等の新たな規制が設けられている。
このため、シックハウス症候群対応の建材に対する関心が非常に高まり、ホルムアルデヒドを捕捉・低減する機能を有する多種多様な製品が開発されてきている。
例えば、ホルムアルデヒドを含む接着剤で成形した木質板からのホルムアルデヒドの発生を防止することを目的として、「全体を100重量%とした場合、下記の組成
尿素又はその誘導体20〜50重量%;ヒドラジン又はその誘導体1〜15重量%;非揮発性アミン、酸アミド、低級酸の塩及び還元糖類からなる群から選ばれる少なくとも1種0.01〜10重量%;浸透剤0.1〜 7重量%;及び水残りの重量%;からなることを特徴とするホルムアルデヒド捕捉剤。」が提案されている(特許文献1参照。)。
ホルムアルデヒド等のシックハウス症候群を引き起こす原因となる物質は、木材からも発生することが知られている。
従来より、木材用接着剤としては水系酢酸ビニルを主成分とする接着剤が用いられており、木材から発生するホルムアルデヒドを捕捉することを目的として、水系酢酸ビニルの木材用接着剤にもホルムアルデヒド捕捉剤が添加されている。
特開2001−164235号公報
しかしながら、従来の水系酢酸ビニルの木材用接着剤では、上述したホルムアルデヒド捕捉剤を多量に添加した場合、接着性や耐水性が低下したり、ホルムアルデヒド捕捉剤が接着剤表面に滲み出て外観を損なう(ブリードアウトする)等の問題があった。
そこで、本発明は、木材から発生するホルムアルデヒドを捕捉することができ、木材に対する接着性および耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトを抑制できる木材用水系接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョンと、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物とを含有し、ヒドラジノ基をカルボニル基に対して当量より多く含有する場合、木材から発生するホルムアルデヒドを捕捉することができ、木材に対する接着性および耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトを抑制できる木材用水系接着剤組成物となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(3)を提供する。
(1)2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A)と、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物(B)とを含有し、
前記化合物(B)のヒドラジノ基を、前記ウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基に対して当量より多く含有する木材用水系接着剤組成物。
(2)前記ウレタンエマルジョン(A)が、ポリイソシアネート化合物(a)と、2個以上の活性水素基を有するポリエステルポリオール(b)と、カルボニル基および2個以上の活性水素基を有する活性水素基含有化合物(c)とが重合された、側鎖に2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョンである上記(1)に記載の木材用水系接着剤組成物。
(3)前記化合物(B)のヒドラジノ基を、前記ウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基1モルに対して、4.5〜7モルの割合で含有する上記(1)または(2)に記載の木材用水系接着剤組成物。
本発明の木材用水系接着剤組成物は、木材から発生するホルムアルデヒドを捕捉することができ、木材に対する接着性および耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトを抑制できる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の木材用水系接着剤組成物(以下「本発明の組成物」ともいう。)は、2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A)と、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物(B)とを含有し、上記化合物(B)のヒドラジノ基を、上記ウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基に対して当量より多く含有する木材用水系接着剤組成物である。
<ウレタンエマルジョン(A)>
本発明の組成物に用いられるウレタンエマルジョン(A)は、2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(水系ポリウレタン)であれば特に限定されないが、VOC(揮発性有機化合物)を放出せず、ホルムアルデヒドを捕捉する効果(以下「ホルムアルデヒド捕捉性」という。)に優れる点から、側鎖に2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョンが好ましい。
ウレタンエマルジョン(A)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物(a)と、2個以上の活性水素基を有するポリエステルポリオール(b)と、カルボニル基および2個以上の活性水素基を有する活性水素基含有化合物(c)とが重合された、側鎖に2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョンが、木材に対する接着性および耐水性により優れる点から好適に挙げられる。また、上記ポリエステルポリオール(b)の代わりに、または上記ポリエステルポリオール(b)と併せて、他のポリオール化合物(例えば、ポリエーテルポリオール等)を用いて得られるウレタンエマルジョンも使用できる。
上記ポリイソシアネート化合物(a)としては、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、脂肪族ジイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等);脂環族ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等);芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステルポリオール(b)は、イソシアネート基と反応性のある2個以上の活性水素基を有するが、イソシアネート基と反応性のある活性水素基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられ、好ましくはヒドロキシ基が挙げられる。上記ポリエステルポリオール(b)は、これらの活性水素基のうち1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
上記ポリエステルポリオール(b)は、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸と、分岐グリコールとが重合されたものであることが好ましい。上記ポリエステルポリオール(b)は、公知の脱水縮合反応によって製造することができる。
上記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等;またはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体;等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、酒石酸、蓚酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸等;またはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体;等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とが併用される場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸の質量比(芳香族ジカルボン酸/脂肪族ジカルボン酸)は、好ましくは95/5〜50/50であり、より好ましくは90/10〜60/40であり、更に好ましくは90/10〜70/30である。この範囲であると、木材に対する接着性および耐水性により優れる。
上記分岐グリコールとしては、例えば、1,2−プロピレングリコール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,4−ペンチレングリコール、2−メチル−1,4−ペンチレングリコール、1,2−ジメチル−ネオペンチルグリコール、2,3−ジメチル−ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,5−ペンチレングリコール、2−メチル−1,5−ペンチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンチレングリコール、1,2−ジメチルブチレングリコール、1,3−ジメチルブチレングリコール、1,4−ジメチルブチレングリコール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステルポリオール(b)の水酸基価は、10〜100mgKOH/gであるのが好ましい。
上記ポリエステルポリオール(b)の酸価は3.0mgKOH/g以下であるのが好ましく、0.1mgKOH/g以下であることがより好ましい。
上記ポリエステルポリオール(b)の重量平均分子量は、1000〜10000であることが好ましい。
上記活性水素基含有化合物(c)は、カルボニル基およびイソシアネート基と反応性のある2個以上の活性水素基を有する化合物であれば特に限定されない。
カルボニル基は、1個以上有していればよいが、3個以上有しているのが添加剤のブリードアウトを抑制する効果に優れる点から好ましく、3〜20個有しているのが貯蔵安定性、耐水性およびホルムアルデヒド捕捉性に優れる点からより好ましい。
また、イソシアネート基と反応性のある活性水素基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられ、好ましくはヒドロキシ基が挙げられる。活性水素基含有化合物(c)は、これらの活性水素基のうち1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
上記活性水素基含有化合物(c)は、更に、イオン性基を有していてもよい。
イオン性基としては、例えば、親水性ノニオン性基、親水性アニオン性基、親水性カチオン性基、親水性両性基等が挙げられる。
上記親水性ノニオン性基としては、例えば、活性水素基含有化合物(c)の主鎖や側鎖に導入されたオキシエチレン基の繰り返し単位の部分等が挙げられる。
上記親水性アニオン性基としては、例えば、カルボキシ基等が挙げられる。
上記親水性カチオン性基としては、例えば、第三級アミノ基等が挙げられる。
上記活性水素基含有化合物(c)としては、例えば、ダイアセトンアクリルアミドにジアルカノールアミンを付加反応させた反応物等が好適に挙げられる。
ウレタンエマルジョン(A)の製造方法は特に限定されず、公知の製造方法を採用できる。例えば、ポリイソシアネート化合物(a)と、ポリエステルポリオール(b)と、活性水素基含有化合物(c)と、必要に応じて、ケトン系溶剤と、触媒とを反応装置に仕込んで重合する。このとき、全ての原料を一度に仕込んでもよいし、分割して仕込んでもよい。また、バッチ的にまとめて仕込んでもよいし、連続的に仕込んでもよい。また、反応温度40〜150℃の条件下で重合が行われることが好ましい。
次に、得られた反応物に中和剤を添加して、イオン性基、イソシアネート基等を中和した後、この混合物を水中に分散させてウレタンエマルジョン(A)を得ることができる。
更に、得られたウレタンエマルジョン(A)からケトン系溶剤を留去することが好ましい。留去の方法は、加熱・減圧して行うことが好ましい。また、ウレタンエマルジョン(A)の末端イソシアネート基を、水溶性ポリアミン等を用いて伸長させてもよい。
上記反応装置としては、例えば、撹拌装置の付いた反応釜、ニーダー、一軸または多軸押し出し反応機等の混合混練装置が挙げられる。
上記ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テテトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジアセトンアルコール、アセトニルアセトン、アセトンアルコール、アセトエチルアルコール等が挙げられる。
上記触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルスズ−2−エチルへキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。
上記中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等の塩基性中和剤;塩酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、シアノ酢酸、リン酸、硫酸等の酸性中和剤等が挙げられる。
上記水溶性ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロへキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ウレタンエマルジョン(A)の末端イソシアネート基を伸長させる際、界面活性剤を添加して乳化性を保持してもよい。
界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステル、高級アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、スルホン化ひまし油、スルホコハク酸エステル等のアニオン系界面活性剤;エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールまたはフェノール類との反応生成物等のノニオン系界面活性剤;等が挙げられる。
上記ウレタンエマルジョン(A)は、カルボニル基を500〜8000g/mol有することが好ましく、1000〜5000g/mol有することがより好ましい。この範囲であると、硬化収縮が大きくなり過ぎることがなく、また、架橋が不十分となることがない。
<化合物(B)>
本発明の組成物に用いられる化合物(B)は、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物であれば特に限定されない。
化合物(B)が有するヒドラジノ基はホルムアルデヒドと反応することができるため、本発明の組成物は木材から発生するホルムアルデヒドを捕捉することができる。
化合物(B)としては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、カルボヒドラジド等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、汎用であり、水への溶解性が良好である点から、アジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
また、上記化合物(B)として、多価カルボン酸ポリヒドラジド化合物が用いられてもよく、具体例として、「アミキュアVDH」(味の素社製)等が挙げられる。
また、上記化合物(B)としては、末端に2個以上のヒドラジノ基を有する末端ヒドラジノ基含有ウレタンプレポリマーも挙げることができる。この末端ヒドラジノ基含有ウレタンプレポリマーは、末端に2個以上のイソシアネート基を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物を反応させて得ることができる。この2個以上のヒドラジノ基を有する化合物として、アジピン酸ジヒドラジドを用いることが好ましい。
上述したウレタンエマルジョン(A)と化合物(B)とを含有する本発明の組成物は、被着材等に塗布された後、水が飛散すると、ウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基と化合物(B)のヒドラジノ基とが反応して架橋構造を形成する。そのため、比較的多量の化合物(B)を配合した場合でも、化合物(B)のブリードアウトを抑制することができる。
本発明の組成物は、化合物(B)のヒドラジノ基をウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基に対して当量より多く含有するため、ヒドラジノ基がカルボニル基と反応した後でもヒドラジノ基を有しているので、ホルムアルデヒドを捕捉することができる。
更に、本発明の組成物は、化合物(B)のヒドラジノ基を、ウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基1モルに対して、4.5〜7モルの割合で含有するのが好ましい。この範囲であると、ホルムアルデヒド捕捉性が極めて高く、木材に対する接着性および耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトを抑制できる木材用水系接着剤組成物となる。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した各成分以外の添加剤、例えば、増粘剤、顔料、染料、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤、分散安定剤、造膜助剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、滑剤、補強材、硬化剤、消泡剤等を含有することができる。
上記増粘剤としては、例えば、ポリエーテル系増粘剤、ウレタン変成ポリエーテル、変成ポリアクリル酸系増粘剤等が挙げられる。
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等の撹拌機を用いて十分に混合する方法を用いることができる。
上述した本発明の組成物は、木材から発生するホルムアルデヒドを捕捉することができ、木材に対する接着性および耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトを抑制できる。
また、ヒドラジノ基を特定の割合で含有する場合、極めて高いホルムアルデヒド捕捉性を有し、木材に対する接着性および耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトを抑制できる木材用水系接着剤組成物となる。
また、本発明の組成物は、1液型で、比較的可使時間が長いため、作業性に優れる。更に、水系接着剤であるため、VOC(揮発性有機化合物)が放出されず、人体や環境に与える影響が小さい。
本発明の組成物は、上述したような優れた特性を有するため、木材用接着剤として極めて有用である。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.ウレタンエマルジョンの調製
1−1.活性水素基含有化合物(c)の合成
ダイアセトンアクリルアミド(日本化成社製)100質量部に対して、ジエタノールアミン55.9質量部を添加し、100℃で5時間加熱撹拌して、活性水素基含有化合物(c)を得た。
1−2.ウレタンエマルジョン(A−1)の調製
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ105、ミテックス社製)100質量部に、イソホロンジイソシアネート(IPDI、三井ポリウレタン社製)35.7質量部およびメチルエチルケトン(モービル石油社製)38質量部を添加し、75〜80℃で100分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.90質量%であった。
次に、反応系の温度を50〜55℃にして、ジメチロールプロピオン酸(広栄パーストープ社製)6.0質量部、上記で得られた活性水素基含有化合物(c)13.2質量部およびトリエチルアミン2.4質量部を添加して、75〜80℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.0質量%であった。
混合液を撹拌しながら水で希釈した後、ジプロピレントリアミン(関東化学社製)を1.9質量部添加して末端イソシアネート基をアミン伸張し、遊離イソシアネート基の消失を確認した。
その後、メチルエチルケトンを留去して、固形分35質量%の側鎖にカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A−1)を得た。
1−3.ウレタンエマルジョン(A−2)の調製
脂肪族系ポリエステルポリオール(テスラック2464、日立ポリマー社製、水酸基価55.0mgKOH/g)300質量部に、イソホロンジイソシアネート(IPDI、三井ポリウレタン社製)107.2質量部およびメチルエチルケトン(モービル石油社製)100質量部を添加し、75〜80℃で100分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は5.00質量%であった。
次に、反応系の温度を50〜55℃にして、ジメチロールプロピオン酸(広栄パーストープ社製)18.0質量部、上記で得られた活性水素基含有化合物(c)40.0質量部およびトリエチルアミン7.5質量部を添加して、75〜80℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.1質量%であった。
混合液を撹拌しながら水で希釈した後、ジプロピレントリアミン(関東化学社製)を5.5質量部添加して末端イソシアネート基をアミン伸張し、遊離イソシアネート基の消失を確認した。
その後、メチルエチルケトンを留去して、固形分35質量%の側鎖にカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A−2)を得た。
1−4.ウレタンエマルジョン(A−3)の調製
ポリエステルポリオール(クラレポリオールP2030、クラレ社製、水酸基価56.0mgKOH/g)150質量部に、ポリエステルポリオール(クラレポリオールP2010、クラレ社製、水酸基価51.1mgKOH/g)150質量部、イソホロンジイソシアネート(IPDI、三井ポリウレタン社製)84.0質量部およびメチルエチルケトン(モービル石油社製)100質量部を添加し、75〜80℃で100分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は5.10質量%であった。
次に、反応系の温度を50〜55℃にして、ジメチロールプロピオン酸(広栄パーストープ社製)18.0質量部、上記で得られた活性水素基含有化合物(c)40.0質量部およびトリエチルアミン7.0質量部を添加して、75〜80℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.0質量%であった。
混合液を撹拌しながら水で希釈した後、ジプロピレントリアミン(関東化学社製)を1.9質量部添加して末端イソシアネート基をアミン伸張し、遊離イソシアネート基の消失を確認した。
その後、メチルエチルケトンを留去して、固形分35質量%の側鎖にカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A−3)を得た。
1−5.ウレタンエマルジョン(A−4)の調製
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ105、ミテックス社製)100質量部に、ヘキサメチレンジイソシアネート(タケネート700、三井ポリウレタン社製)26.9質量部およびメチルエチルケトン(モービル石油社製)38質量部を添加し、90〜100℃で6時間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.80質量%であった。
次に、反応系の温度を50〜55℃にして、ジメチロールプロピオン酸(広栄パーストープ社製)6.0質量部、上記で得られた活性水素基含有化合物(c)13.2質量部およびトリエチルアミン2.4質量部を添加して、75〜80℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.1質量%であった。
混合液を撹拌しながら水で希釈した後、ジプロピレントリアミン(関東化学社製)を1.9質量部添加して末端イソシアネート基をアミン伸張し、遊離イソシアネート基の消失を確認した。
その後、メチルエチルケトンを留去して、固形分35質量%の側鎖にカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A−4)を得た。
1−6.ウレタンエマルジョン(A−5)の調製
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ105、ミテックス社製)100質量部に、ノルボルナンジイソシアネート(コスモネートNBDI、三井ポリウレタン社製)33.0質量部およびメチルエチルケトン(モービル石油社製)38質量部を添加し、90〜100℃で6時間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は5.0質量%であった。
次に、反応系の温度を50〜55℃にして、ジメチロールプロピオン酸(広栄パーストープ社製)6.0質量部、上記で得られた活性水素基含有化合物(c)13.2質量部およびトリエチルアミン2.4質量部を添加して、75〜80℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.1質量%であった。
混合液を撹拌しながら水で希釈した後、ジプロピレントリアミン(関東化学社製)を1.9質量部添加して末端イソシアネート基をアミン伸張し、遊離イソシアネート基の消失を確認した。
その後、メチルエチルケトンを留去して、固形分35質量%の側鎖にカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A−5)を得た。
2.木材用水系接着剤組成物の調製(実施例1〜7および比較例1〜2)
下記第1表に示す各成分を、第1表に示す割合(質量部)で、撹拌機を用いて混合し、第1表に示される各組成物を得た。
得られた各組成物について、下記に示す方法により、ホルムアルデヒド捕捉性、耐水性およびブリードアウトの有無を評価した。耐水性の評価は、木材に対する接着性の評価を兼ねている。
結果を下記第1表に示す。なお、第1表中の「カルボニル基/ヒドラジノ基のモル比」は、ウレタンエマルジョンが有するカルボニル基と、10%アジピン酸ヒドラジド水溶液が有するヒドラジノ基とのモル比を意味する。
(ホルムアルデヒド捕捉性)
JIS A1901−2003の小型チャンバー(SUS)法に準じて、ガラス板上に90mm×90mmになるように各組成物を塗布(塗布量300g/m2)し、23℃、50%RH環境下で1時間養生して試験片を作製し、試験環境28±1℃、50±5%RH;試料負荷率0.4m2/m3;内容積20L;換気回数0.5回/Hの条件で、ホルムアルデヒドの放散速度を測定した。ホルムアルデヒドの放散速度が小さいほどホルムアルデヒド捕捉性が高いと言える。
なお、参考例として、木材(カラマツ、90mm×90mm×10mm)を試験片として、上記と同様の条件でホルムアルデヒドの放散速度を測定した結果、10.2μg/m2・hであった。
(耐水性(JAS2類試験))
木材(カラマツ、25mm×25mm×10mm)を2枚用意し、上記で得られた組成物を一方の木材の縦25mm×横25mmの面に塗布量150〜200g/m2となるように刷毛で塗布した後、他方の木材を密着させ、23℃、50%RHの条件で48時間養生させて試験片を作製した。
次に試験片を70℃の温水に2時間浸漬させた後、60℃で3時間乾燥させて目視により接着面の剥離があるか否かを確認した。
剥離していなかったものを「○」、剥離していたものを「×」とした。
(ブリードアウトの有無)
上記した耐水性試験と同様に試験片を作製し、50℃で30日間放置した後、試験片の側面を目視で観察し、アジピン酸ジヒドラジドがブリードアウトすることによる白化現象の有無を調べた。
白化の見られなかったものを「○」、白化していたものを「×」とした。
Figure 2008297511
第1表中の各成分は下記のとおりである。
・10質量%アジピン酸ジヒドラジド水溶液:アジピン酸ジヒドラジド(日本化成社製)と蒸留水とを質量比10:90で混合して得た水溶液
・水系酢酸ビニル接着剤:ボンド木工用(品番 #10122)、コニシ社製
・増粘剤:ポリエーテル系増粘剤、SNシックナーA−801、サンノプコ社製
第1表に示す結果から明らかなように、従来の水系酢酸ビニル接着剤(比較例1)は、耐水性に優れ、ブリードアウトも無かったが、ホルムアルデヒド捕捉性が低かった。
また、従来の水系酢酸ビニル接着剤に10質量%アジピン酸ジヒドラジド水溶液を添加した組成物(比較例2)は、耐水性が十分ではなく、ブリードアウトを生じた。
一方、実施例1〜7の組成物は、ホルムアルデヒド捕捉性および耐水性に優れ、更に、ブリードアウトが無かった。
特に、実施例2〜7は、極めて高いホルムアルデヒド捕捉性を有し、木材に対する接着性および耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトを抑制できるという、従来の木材用接着剤では到底達成することができなかった性能を有する点で非常に有用な木材用水系接着剤組成物であると言える。

Claims (3)

  1. 2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョン(A)と、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物(B)とを含有し、
    前記化合物(B)のヒドラジノ基を、前記ウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基に対して当量より多く含有する木材用水系接着剤組成物。
  2. 前記ウレタンエマルジョン(A)が、ポリイソシアネート化合物(a)と、2個以上の活性水素基を有するポリエステルポリオール(b)と、カルボニル基および2個以上の活性水素基を有する活性水素基含有化合物(c)とが重合された、側鎖に2個以上のカルボニル基を有するウレタンエマルジョンである請求項1に記載の木材用水系接着剤組成物。
  3. 前記化合物(B)のヒドラジノ基を、前記ウレタンエマルジョン(A)のカルボニル基1モルに対して、4.5〜7モルの割合で含有する請求項1または2に記載の木材用水系接着剤組成物。
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