JP2008296760A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents

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茂 鷲野
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茂 星野
Etsuo Shimizu
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Abstract

【課題】車両衝突時にステアリングハンドルに設けられたエアバッグを大型化することなくエアバッグによる乗員拘束性能を確保すること。
【解決手段】 車両用ステアリング装置は、ステアリングコラム30にハブ11にて回動操作可能に支持され上下に非グリップ空間S1、S2を有するステアリングハンドル10と、リテーナ14を介してステアリングハンドル10に組付けられているエアバッグ装置20を備え、エアバッグ装置20が車両衝突時に膨張展開するエアバッグ22と、エアバッグ22に膨張用ガスを供給するインフレータ21を備えている。エアバッグ22は、インフレータ21より乗員側にて膨張展開して乗員を拘束する第1エアバッグ部22Aと、第1エアバッグ部22Aに対して車両前方で少なくとも非グリップ空間S1、S2に対応した部位にて膨張展開してリテーナ14或いはステアリングコラム30に当接可能な第2エアバッグ部22Bを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用ステアリング装置に係り、特に、ステアリングコラムにハブにて回動操作可能に支持され上下に非グリップ空間を有するステアリングハンドルと、このステアリングハンドルの前記ハブより乗員側に配置されてリテーナを介して前記ステアリングハンドルに組付けられているエアバッグ装置を備えていて、このエアバッグ装置が車両衝突時に膨張展開するエアバッグと、このエアバッグに膨張用ガスを供給するインフレータを備えている車両用ステアリング装置に関する。
この種の車両用ステアリング装置においては、車両衝突時に膨張展開状態にあるエアバッグと上下に非グリップ空間(リムが設けられておらずステアリングハンドルを握ることができない空間)を有するステアリングハンドルとの当接面(抗力面)を、ステアリングハンドルにて十分に確保することができなくて、エアバッグが乗員を拘束するときの反力をステアリングハンドルにて効果的に受承できず、エアバッグによる乗員拘束性能を的確に確保することができない場合がある。
このため、下記特許文献1に示されている車両用ステアリング装置においては、エアバッグが、エアバッグ膨張展開時に、乗員とステアリングホイール(ステアリングハンドル)との間にて膨張展開することで当該乗員を拘束する第1エアバッグ部と、ステアリングホイールよりも車両前方側にて膨張展開する第2エアバッグ部とを備えていて、第1エアバッグ部がステアリングホイールにて受圧され、第2エアバッグ部がステアリングホイールよりも車両前方側に位置するフロントウインドシールドガラス及び内装パネルにて受圧される構成とされている。
特開2006−298119号公報
上記した特許文献1に記載されている車両用ステアリング装置では、車両衝突時に膨張展開状態にある第2エアバッグ部の当接面をフロントウインドシールドガラス及び内装パネルにて確保することができて、エアバッグによる乗員拘束性能を的確に確保することが可能であるものの、第2エアバッグ部が第1エアバッグ部との距離が遠いフロントウインドシールドガラス及び内装パネルにて受圧される構成であるため、第2エアバッグ部の膨張展開形状を大きくする必要があり、エアバッグ自体が大型化するおそれがある。かかる問題は、ステアリングホイール(ステアリングハンドル)とフロントウインドシールドガラスの距離が増大するに従って顕著となる。
本発明は、上記した問題に対処すべくなされたものであり、ステアリングコラムにハブにて回動操作可能に支持され上下に非グリップ空間を有するステアリングハンドルと、このステアリングハンドルの前記ハブより乗員側に配置されてリテーナを介して前記ステアリングハンドルに組付けられているエアバッグ装置を備えていて、このエアバッグ装置が車両衝突時に膨張展開するエアバッグと、このエアバッグに膨張用ガスを供給するインフレータを備えている車両用ステアリング装置において、前記エアバッグが、前記インフレータより乗員側にて膨張展開して乗員を拘束する第1エアバッグ部と、この第1エアバッグ部に一体的に連接されていて前記第1エアバッグ部に対して車両前方で少なくとも前記非グリップ空間に対応した部位にて膨張展開して前記リテーナ或いは前記ステアリングコラムに当接可能な第2エアバッグ部を備えていることに特徴がある。
本発明による車両用ステアリング装置においては、車両衝突時、エアバッグ装置のエアバッグが膨張展開する際に、第1エアバッグ部が、インフレータより乗員側にて膨張展開して乗員を拘束する。また、この車両衝突時には、第1エアバッグ部に一体的に連接されている第2エアバッグ部が、第1エアバッグ部に対して車両前方で少なくとも非グリップ空間に対応した部位にて膨張展開してリテーナ或いはステアリングコラムに当接する。
このため、車両衝突時、第1エアバッグ部にて乗員を拘束する際の反力を、第2エアバッグ部を介して第1エアバッグ部との距離が近いリテーナ或いはステアリングコラムにて受承することが可能である。したがって、エアバッグの膨張展開形状(容積)を小さくしつつ、エアバッグによる乗員拘束性能を確保することが可能である。なお、ステアリングハンドルが、車両衝突時に初期位置から所定量前方の退避位置に退避しない場合には、第1エアバッグ部にて乗員を拘束する際の反力をステアリングハンドルにおいても受承することが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記ステアリングハンドルは前記ハブに組付けられて前記非グリップ空間を形成する左右一対のリムを備えていて、これらのリムを車両衝突時に初期位置から所定量車両前方の退避位置に退避させる退避手段が設けられていることも可能である。
この場合には、車両衝突時に、リムが退避手段により初期位置から所定量車両前方の退避位置に退避させられる。このため、退避位置を第1エアバッグ部の反力を受承し得ない位置とすれば、第1エアバッグ部が乗員を拘束する際に、第1エアバッグ部の反力は第2エアバッグ部を介してリテーナ或いはステアリングコラムにおいて受承される。したがって、乗員がリムに干渉することを防止することが可能であり、第1エアバッグ部と第2エアバッグ部にて乗員を的確に拘束することが可能である。また、この場合には、第1エアバッグ部が乗員を拘束する際の乗員拘束性能を操舵角に拘わらず安定して得ること(例えば、操舵角がゼロでリムが左右に在る場合の乗員拘束性能と、操舵角が90度でリムが上下に在る場合の乗員拘束性能を同様に得ること)が可能である。
また、本発明の実施に際して、前記第2エアバッグ部が、前記リテーナ或いは前記ステアリングコラムを外周から包囲して環状に膨張展開するように構成されていることも可能である。この場合には、第2エアバッグ部が、車両衝突時にリテーナ或いはステアリングコラムを外周から包囲して環状に膨張展開するため、第1エアバッグ部の車両前方への変位を第2エアバッグ部の全周で抑制しつつ、第1エアバッグ部にて乗員を拘束する際の反力を第2エアバッグ部を介してリテーナ或いはステアリングコラムの広範囲の部位(例えば、外周の全体)にて受承できて、第1エアバッグ部を支持する第2エアバッグ部の支持機能を向上させることが可能であり、エアバッグによる乗員拘束性能を的確に確保することが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記エアバッグは、前記第1エアバッグ部の膨張展開時に同第1エアバッグ部の乗員側への伸長量を規定する伸長規定手段と、前記第1エアバッグ部及び前記第2エアバッグ部の膨張展開時にこれらの径外方向への変形を規制する変形規制手段を備えていることも可能である。この場合には、第1エアバッグ部が、膨張展開時に伸長規定手段により乗員側への伸長量を規定されて、第1エアバッグ部及び第2エアバッグ部が乗員側に無用に膨張展開することが防止されるとともに、第1エアバッグ部及び第2エアバッグ部が、膨張展開時に変形規制手段により径外方向への変形を規制されて、第1エアバッグ部及び第2エアバッグ部が乗員を拘束する際に無用に車両前方側に移動することが防止される。したがって、第1エアバッグ部及び第2エアバッグ部を所望の形状に膨張展開させることができて、エアバッグによる乗員拘束時には、第1エアバッグ部及び第2エアバッグ部の所望の形状を保持しつつ乗員を拘束できるため、エアバッグによる乗員拘束性能を確実に確保することが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記第1エアバッグ部により形成される第1ガスチャンバーと前記第2エアバッグにより形成される第2ガスチャンバーが分離形成されていて、前記エアバッグの膨張展開時に、前記第2ガスチャンバーの内圧が前記第1ガスチャンバーの内圧より高くなるように設定されていることも可能である。この場合には、エアバッグの膨張展開時に、第2ガスチャンバーの内圧が第1ガスチャンバーの内圧より高くなり、第2エアバッグ部の剛性が第1エアバッグ部の剛性より高くなる。したがって、第1エアバッグ部にて乗員を拘束する際の反力支持を確実に行うことができて、エアバッグによる乗員拘束性能の向上を図ることが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記第2エアバッグ部は、車両前方端が前記リテーナ或いは前記ステアリングコラムに連結されていることも可能である。この場合には、膨張展開時のエアバッグを上または下の非グリップ空間に向けて回転させようとするモーメントが生じたときに、車両後方に向けて傾動する部位(第2エアバッグ部が引張られる部位)にて第2エアバッグ部の車両前方端が前記リテーナ或いは前記ステアリングコラムからの離間を規制されるため、エアバッグに生ずる回転モーメントが抑制される。このため、第1エアバッグ部にて乗員を拘束する際に、エアバッグが上または下の非グリップ空間に向けて回転しようとしても、エアバッグの挙動を安定させる(エアバッグの傾動を抑制する)ことが可能であり、第2エアバッグ部による安定した反力支持が可能である。
以下に、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明による車両用ステアリング装置の第1実施形態を示していて、この第1実施形態の車両用ステアリング装置は、ステアリングコラム30におけるステアリングメインシャフト31に回動操作可能に支持されているステアリングハンドル10と、このステアリングハンドル10のハブ11より乗員側に配置されてリテーナ14を介してハブ11に組付けられているエアバッグ装置20を備えている。なお、ステアリングコラム30は、ステアリングメインシャフト31と、車体の一部に支持されてステアリングメインシャフト31を回転可能に支持するコラムチューブ32(このコラムチューブ32は、ステアリングメインシャフト31をベアリング(図示省略)を介して回転可能に支持する金属性のコラムチューブ本体と、このコラムチューブ本体の外周に固着される樹脂製のコラムカバーからなるものであり、以下の各実施形態においても同じである)を備えている。
ステアリングハンドル10は、図1及び図2に示したように、小さな操舵角(例えば、直進状態からのステアリングハンドル10の最大操舵角が左右各180度程度)で必要十分な車輪の転舵角が得られるものであり、ステアリングメインシャフト31にナット33を用いて連結されているハブ11と、このハブ11に左右一対のスポーク12を介して組付けられている左右一対のリム13を備えるとともに、ハブ11に固着されていてエアバッグ装置20を支持するリテーナ14と、ハブ11に組付けられていてリテーナ14及びエアバッグ装置20を覆うようにして設けられているパッドカバー15を備えている。
ハブ11は、図2に示したように、ステアリングメインシャフト31にトルク伝達可能に連結するための連結孔11aを有していて、この連結孔11aにてステアリングメインシャフト31の上端部(車両後端部)にトルク伝達可能に嵌合されている。なお、ステアリングメインシャフト31は、上端ネジ部に螺着したナット33にて抜け止めされている。これにより、ハブ11は、ステアリングメインシャフト31の軸心、すなわち回動中心O1回りに回動操作可能である。
各スポーク12は、前端部にてハブ11に固着されていて、車両後方の下方に向かって延びている。各リム13は、各スポーク12の車両後方端に一体的に組付けられていて、乗員と対向する面にて円弧状に形成されており、図1の上下に非グリップ空間S1、S2を形成している。なお、各非グリップ空間S1,S2は、図1に示したように、リムが設けられておらずステアリングハンドル10を握ることができない空間であり、各リム13を非円形とすることにより形成されている。
リテーナ14は、図2に示したように、ハブ11の外周に固着されて径外方に延びる前壁14aと、この前壁14aの径外方端から車両後方に向けて延びる上下一対の中壁14bを備えると共に、各中壁14bの車両後端から径内方に延びる上下一対の後壁14cを備えている。前壁14aは、中央に挿通孔14a1を有していて、この挿通孔14a1にてハブ11に固着されている。
各中壁14bは、その車両前方端部に、エアバッグ22の第2エアバッグ部22Bを連結するためのフック14b1を三個有している。各フック14b1は、図3にその一つを示したように、中壁14bの一部を切り起こしてL字状に折り曲げることにより形成されていて、車両の左右方向に所定の間隔で並設されている。各後壁14cは、エアバッグ装置20のインフレータ21、エアバッグ22及びリング状金具23等を支持するためのものであり、複数個のスタッドボルト14dを挿通可能な挿通孔14c1を有している。各スタッドボルト14dは、各後壁14cに溶接されていて、後端部にはナット25が螺着されている。
パッドカバー15は、図1及び図2に示したように、筒状に形成されていて、車両前方側の端壁(前壁)内周にてハブ11の外周に固着支持されており、内部にリテーナ14及びエアバッグ装置20を収容している。また、パッドカバー15は、車両後方側の端壁(後壁)に形成されて図1の上下方向に延び後壁の左右を二分割可能なティアラインL1と、円筒状外周(周壁)に形成されて図2の左右方向に延び周壁の左右を二分割可能な上下一対のティアラインL2,L3と、これら各ティアラインL2,L3の前端から左右周方向に延びて周壁の前端中央にヒンジ部を形成するティアラインL4,L5(図2に一部が示されている)を有していて、エアバッグ22の膨張展開時には、ティアラインL1〜L5にて裂けて左右に展開可能である。
エアバッグ装置20は、図2に示したように、リテーナ14に支持されているインフレータ21と、このインフレータ21により膨張用ガスを供給されて車両衝突時に膨張展開するエアバッグ22と、エアバッグ22の第1エアバッグ部22Aに対してエアバッグ22の第2エアバッグ部22Bに優先的に膨張用ガスを供給するためのリング状金具23を備えている。
インフレータ21は、膨張用ガスを発生させる略円柱形状の本体部21aと、この本体部21aの外周面中央に設けられている環状のフランジ部21bを備えている。本体部21aは、車両後方側の外周面に周方向にて等間隔に設けられて膨張用ガスを径外方向へ排出可能な複数個のガス排出孔21a1を有していて、車両衝突時にガス排出孔21a1を通してエアバッグ22の内部空間に向けて膨張用ガスを噴射供給可能である。フランジ部21bは、上下左右にスタッドボルト14dを挿通可能な挿通孔21b1を有しており、スタッドボルト14dを介してリテーナ14に支持されている。
エアバッグ22は、車両衝突時に膨張展開して乗員を拘束するものであり、インフレータ21より乗員側にて膨張展開して乗員を拘束する第1エアバッグ部22Aと、この第1エアバッグ部22Aに連接されていて第1エアバッグ22Aに対して車両前方に膨張展開する第2エアバッグ22B部を備えている。
第1エアバッグ部22Aは、周知のエアバッグと同様の構成であり、開口部(図2の左端部)が第2エアバッグ部22Bの一部に気密的に組付けられていて、インフレータ21から排出される膨張用ガスによって膨張する第1ガスチャンバーRaを有している。また、第1エアバッグ部22Aは、膨張展開時に、図2の右端部中央から膨張展開を開始するように構成されていて、車両前方側の上部に余剰の膨張用ガスを排出するベントホール22A1(図6参照)が設けられている。
第2エアバッグ部22Bは、図4に示したように、膨張展開時の形状がステアリングハンドル10の非グリップ空間S1、S2にて略三角柱となるように上下対称の基布体で構成されており、図4に示した仮想線の位置にて第1エアバッグ部22Aの車両前方側の端部と縫製されていて、車両前方端に設けられている上下各三個の連結孔22B1にてリテーナ14の中壁14bに設けたフック14b1に連結(図2参照)されている。
また、第2エアバッグ部22Bは、インフレータ21から放出される膨張用ガスを第1エアバッグ部22Aの第1ガスチャンバーRaへ流通させるための流通孔22B2と、スタッドボルト14dを挿通可能な挿通孔22B3と、インフレータ21から排出される膨張用ガスを吸入するためのガス吸入孔22B4が設けられていて、スタッドボルト14dとナット25を用いてリング状金具23及びリングプレート24に気密的に組み付けられている。なお、図4に示したように、連結孔22B1の周縁部は、第2エアバッグ部22Bの車両前方端が膨張展開時にフック16によって破断しないように、補強縫いされている。
上記した第2エアバッグ部22Bは、図5に示した基布体を、それぞれ対応する英字の小文字二字で示した縫代線aa、ab、ac,ad、ae、af、ba、bb、bc、bd、be、bfで重ね合わせて縫製することにより構成されている。これにより、第2エアバッグ部22Bは、図4に示したように、基布体の構成面部22Ba、22Bb、22Bc、22Bg、22Bhで区画されインフレータ21から排出される膨張用ガスを充填する上部の第2ガスチャンバーRbと、基布体の構成面部22Bj、22Bk、22Bo、22Bp、22Bqで区画されインフレータ21から排出される膨張用ガスを充填する下部の第2ガスチャンバーRbが、第1エアバッグ部22Aの第1ガスチャンバーRaと分離して形成されている。
リング状金具23は、図2に示したように、環状に形成されていて、上下左右にスタッドボルト14dを挿通可能な挿通孔23aを有しており、スタッドボルト14dとナット25を用いてインフレータ21およびリングプレート24とともにリテーナ14に支持されている。また、リング状金具23は、インフレータ21のガス排出孔21a1に対応した部位に径方向に延びるガス排出孔23bが設けられていて、第2エアバッグ部22Bの第2ガスチャンバーRb内にインフレータ21から径外方向へ放出される膨張用ガスを充填可能である。これにより、第2エアバッグ部22Bの第2ガスチャンバーRbは、エアバッグ22の膨張展開時に、第1エアバッグ部22Aの第1ガスチャンバーRaに対してインフレータ21からの膨張用ガスを優先的に供給されて、第2ガスチャンバーRbの内圧を第1ガスチャンバーRaの内圧より高く設定することが可能である。
上記した構成により、エアバッグ22は、通常時、図2に示したように、折り畳まれた状態でパッドカバー15内に収容されている。また、エアバッグ22は、膨張展開時、図6に示したように、インフレータ21より乗員側に膨張展開する第1エアバッグ22Aにて乗員を拘束することが可能であり、この第1エアバッグ部22Aに対して車両前方に膨張展開する第2エアバッグ部22Bにて、リテーナ14の中壁14b外周に当接可能である。
上記のように構成した第1実施形態においては、車両衝突時、エアバッグ装置20のエアバッグ22がパッドカバー15を左右に破断させて膨張展開する際に、第1エアバッグ部22Aがインフレータ21より乗員側にて膨張展開し、第2エアバッグ部22Bが第1エアバッグ部22Aに対して車両前方で非グリップ空間S1、S2に対応した部位にて膨張展開する。これにより、図6に示したように、第1エアバッグ部22Aは、車両後方部にて乗員を拘束し、第2エアバッグ部22Bは、第1エアバッグ部22Aにて乗員を拘束する際の反力によりリテーナ14の中壁14b外周に当接すると共に、車両前方端にて連結されているフック14b1により中壁14b外周からの離間を規制される。なお、図6において左右に破断されたパッドカバー15は、図示省略するものとする。
このため、この第1実施形態においては、車両衝突時に、第1エアバッグ部22Aにて乗員を拘束する際の反力を、第2エアバッグ部22Bを介して、第1エアバッグ部22Aとの距離が近いリテーナ14の中壁14b外周にて受承することが可能である。したがって、第1エアバッグ部22Aにて乗員を拘束する際の反力を、第2エアバッグ部22Bを介して、第1エアバッグ部22Aとの距離が遠いフロントウインドシールドガラス及び内装パネルにて受承する場合に比して、エアバッグ22の膨張展開形状(容積)を小さくしつつ、エアバッグ22による乗員拘束性能を確保することが可能である。なお、この第1実施形態においては、ステアリングハンドル10のリム13が、車両衝突時においても、初期位置にて静止しているため、第1エアバッグ部22Aにて乗員を拘束する際の反力をステアリングハンドル10のリム13においても受承することが可能である。
また、この第1実施形態においては、車両衝突時に、第2エアバッグ部22Bの第2ガスチャンバーRbが、第1エアバッグ部22Aの第1ガスチャンバーRaに対してインフレータ21からの膨張用ガスを優先的に供給される。このため、第2ガスチャンバーRbの内圧が、第1ガスチャンバーRaの内圧より高くなり、第2エアバッグ部22Bの剛性が、第1エアバッグ部22Aの剛性より高くなる。したがって、第1エアバッグ部22Aにて乗員を拘束する際の反力支持を確実に行うことができて、エアバッグ22による乗員拘束性能の向上を図ることが可能である。
また、この第1実施形態においては、図6の上部の第1エアバッグ部22A及び図6の上部の第2エアバッグ部22Bを非グリップ空間S1に向けて回転させようとするモーメントが生じた場合、図6の下部の第2エアバッグ部22Bが、車両前方端にてフック14b1に引張られてリテーナ14の中壁14b外周からの離間を規制されるため、図6の上部の第1エアバッグ部22A及び図6の上部の第2エアバッグ部22Bにて生ずる回転モーメントが抑制される。また、図6の下部の第1エアバッグ部22A及び図6の下部の第2エアバッグ部22Bを非グリップ空間S2に向けて回転させようとするモーメントが生じた場合、図6の上部の第2エアバッグ部22Bが、車両前方端にてフック14b1に引張られてリテーナ14の中壁14b外周からの離間を規制されるため、図6の下部の第1エアバッグ部22A及び図6の下部の第2エアバッグ部22Bにて生ずる回転モーメントが抑制される。
このため、第1エアバッグ部22Aにて乗員を拘束する際に、エアバッグ22が非グリップ空間S1又は非グリップ空間S2に向けて回転しようとしても、エアバッグ22の挙動を安定させる(エアバッグ22の車両前方への傾動を抑制する)ことができて、第2エアバッグ部22Bによる安定した反力支持が可能である。
上記した第1実施形態においては、第2エアバッグ部22Bが、膨張展開時に、リテーナ14の中壁14b外周に当接するよう構成して実施したが、図7に示した第2実施形態のように、第2エアバッグ部122Bが、膨張展開時に、リテーナ114の中壁114b外周に当接すると共にステアリングコラム130におけるコラムチューブ132の外周に当接するように構成して実施することも可能である。なお、図7に示した第2実施形態においては、リテーナ114に上記第1実施形態のフック14b1が形成されていないこと、および、第2エアバッグ部122Bの形状が上記第1実施形態の第2エアバッグ部22Bの形状と異なることを除いて、上記第1実施形態の構成と実質的に同じであるため、実質的に同じ構成である部位に100番台の同一符号を付してその説明は省略する。
この場合には、車両衝突時、第2エアバッグ部122Bが、上記した第1実施形態に比して軸方向に広範囲の部位にて当接するため、上記した第1実施形態に比して、安定した状態で支持される。このため、上記した第1実施形態に比して、第2エアバッグ部122Bの膨張展開形状(容積)が大きくなるものの、第2エアバッグ部122Bの支持性能が向上するため、第1エアバッグ部122Aによる乗員拘束性能を向上させることが可能である。
上記のように構成した各実施形態においては、車両衝突時においても、初期位置にて静止しているステアリングハンドルを採用して実施したが、図8及び図9に示した第3実施形態のように、車両衝突時に、退避手段250を用いて初期位置から所定量車両前方の退避位置に退避可能なリム213を備えたステアリングハンドル210を採用して実施することも可能である。
この第3実施形態のステアリング装置は、ステアリングコラムにおけるステアリングメインシャフト231に組付けられているステアリングハンドル210と、このステアリングハンドル210のハブ211より乗員側に配置されてリテーナ(図示省略)を介してハブ211に組付けられているエアバッグ(図示省略)を備えている。なお、エアバッグは、上記した第1実施形態のエアバッグと同様の構成であり、インフレータ(図示省略)より乗員側にて膨張展開して乗員を拘束する第1エアバッグ部(図示省略)と、この第1エアバッグ部に連接されていて第1エアバッグに対して車両前方に膨張展開する第2エアバッグ部(図示省略)を備えている。
ステアリングハンドル210は、小さな操舵角(例えば、直進状態からのステアリングハンドル210の最大操舵角が左右各180度程度)で必要十分な車輪の転舵角が得られるものであり、ステアリングメインシャフト231に連結されているハブ211と、このハブ211にスポーク212を介して組付けられている左右一対のリム213と、これらのリム213を車両衝突時に初期位置から所定量車両前方の退避位置に退避させる退避手段250を備えている。
ハブ211は、図8に示したように、ステアリングメインシャフト231に連結される中央部211aと、この中央部211aに対して図8の下方に位置する下方部211bと、この下方部211bに対して車両前方に延びて形成されている延出部211cを備えており、下方部211bにはスポーク212の長軸部212aをステアリングメインシャフト231の軸方向に進退可能に組付けるための挿通孔211b1が設けられていて、延出部211cにはボルト214を螺着可能な雌ねじ孔211c1が二つ設けられている。
中央部211aは、ステアリングメインシャフト231に連結するための連結孔211a1を有していて、この連結孔211aにてステアリングメインシャフト231の上端部(車両後端部)にトルク伝達可能に嵌合されている。なお、ステアリングメインシャフト231は、上端ネジ部に螺着したナット233にて抜け止めされている。これにより、ハブ211は、ステアリングメインシャフト231の軸心、すなわち回動中心O1回りに回動操作可能である。
スポーク212は、ステアリングメインシャフト231の軸方向に延びている長軸部212aと、この長軸部212aの車両後端に連結されている左右一対の連結部212bと、長軸部212aの車両前端にて図9の下方に延びて退避手段250のピストンロッド253先端と連結されている下方部212cを備えている。長軸部212aは、ボルト214を挿通可能な挿通長孔212a1を有していて、この挿通長孔212a1に各ボルト214を挿通して同ボルト214をハブ211の延出部211cに設けた各雌ねじ孔212c1に所定の締付力で螺着させることによって、ハブ211に対して所定値以上の外力が軸方向に付加された場合に軸方向に移動可能に組付けられている。
各リム213は、スポーク212の各連結部212bにそれぞれ支持されていて、図1に示した第1実施形態のリム13と同様に、乗員と対向する面にて円弧状に形成されており、上下に非グリップ空間を形成している。なお、各非グリップ空間は、ステアリングハンドル210を握ることができない空間であり、各リム213を非円形とすることにより形成されている。
退避手段250は、ハブ211の下方部211bに支持されているシリンダ251と、このシリンダ251内にて軸方向に進退可能に組付けられているピストン252と、このピストン252に固着され軸方向に延びてシリンダ251外に突出するピストンロッド253と、シリンダ251の車両後方端に組付けられてピストン252に向けてガスを発生させるガス発生器254と、車両衝突時にワイヤーハーネス255を介してガス発生器254に着火信号を送信する電気制御装置ECUを備えている。
シリンダ251は、ステアリングメインシャフト231の軸方向に沿って配置されていて、車両前方端にはピストンロッド253を挿通可能な挿通孔251aが設けられている。ピストン252は、シリンダ251内の車両後方側に設けられていて、ガス発生器254によって発生されるガスにより車両前方へ移動可能である。ピストンロッド253は、車両後方端にてピストン252の車両前方側に固着されていて、車両前方端にてスポーク212の下方部212cに固着されており、ピストン252の車両前方への移動に伴い、スポーク212及びリム213と共に車両前方へ移動可能である。
ガス発生器254は、同ガス発生器254とシリンダ251とピストン252により区画された空間にガスを発生させることによって、ピストン252を初期位置から車両前方へ移動させるものであり、電気制御装置ECUによって送信される着火信号によりガスの発生タイミングを制御されている。電気制御装置ECUは、車両衝突時、リム213が初期位置から所定量車両前方の第1エアバッグ部(図示省略)の反力を受承し得ない位置へ退避するようにプログラミングされている。
上記のように構成した第3実施形態においては、車両衝突時に、電気制御装置ECUが、ワイヤーハーネス255を介してガス発生器254に着火信号を送信し、ガス発生器254が、ピストン252に向けてガスを発生させる。これにより、スポーク212の長軸部212aは、図9に示したように、ピストン252及びピストンロッド253と共に車両前方へ移動し、リム213が初期位置(図8に示した位置)から第1エアバッグ部(図示省略)の反力を受承し得ない退避位置に退避する。また、上記した作動は、ステアリングハンドル210の操舵角に拘わらず得られるものである。
このため、この第3実施形態においては、第1エアバッグ部が乗員を拘束する際に、第1エアバッグ部の反力は第2エアバッグ部を介してリテーナにおいて受承される。したがって、乗員がリム213に干渉することを防止することが可能であり、第1エアバッグ部と第2エアバッグ部にて乗員を的確に拘束することが可能である。また、この第3実施形態においては、第1エアバッグ部が乗員を拘束する際の乗員拘束性能を操舵角に拘わらず安定して得ること(例えば、操舵角がゼロでリム213が左右に在る場合の乗員拘束性能と、操舵角が90度でリム213が上下に在る場合の乗員拘束性能を同様に得ること)が可能である。
上記のように構成した第3実施形態においては、車両衝突時に、乗員を拘束する第1エアバッグ部の車両前方への移動に拘わらずリム213を初期位置から所定量車両前方の退避位置に退避させる退避手段250を採用して実施したが、図10〜図12に示した第4実施形態のように、車両衝突時に、乗員を拘束する第1エアバッグ部の車両前方への移動に伴いリム313を初期位置から所定量車両前方の退避位置に退避させる退避手段350を採用して実施することも可能である。
この第4実施形態のステアリング装置は、ステアリングコラムに回動操作可能に設けられているステアリングハンドル310と、このステアリングハンドル310のハブ311より乗員側に配置されてリテーナ(図示省略)を介してハブ311に組付けられているエアバッグ(図示省略)を備えている。なお、エアバッグは、上記した第1実施形態のエアバッグと同様の構成であり、インフレータ(図示省略)より乗員側にて膨張展開して乗員を拘束する第1エアバッグ部(図示省略)と、この第1エアバッグ部に連接されていて第1エアバッグに対して車両前方に膨張展開する第2エアバッグ部(図示省略)を備えている。
ステアリングハンドル310は、小さな操舵角(例えば、直進状態からのステアリングハンドル310の最大操舵角が左右各180度程度)で必要十分な車輪の転舵角が得られるものであり、ステアリングメインシャフト331に連結されているハブ311と、このハブ311に退避手段350を介して組付けられている左右一対のスポーク312と、このスポーク312に組付けられている左右一対のリム313と、これらのリム313を車両衝突時に初期位置から所定量車両前方の退避位置に退避させる退避手段350を備えている。
ハブ311は、図10に示したように、ステアリングメインシャフト331の上端部(車両後端部)にトルク伝達可能に嵌合されており、図10の下方に設けた連結部311aにて退避手段350のシリンダ351に連結されている。なお、ステアリングメインシャフト331は、上端ネジ部に螺着したナット333にて抜け止めされている。これにより、ハブ311は、ステアリングメインシャフト331の軸心、すなわち回動中心O1回りに回動操作可能である。
各スポーク312は、一端部にて退避手段350のスリーブ352に連結され、車両後方の下方に向かって延びており、他端部にて各リム313の下端部に連結されている。各リム313は、乗員と対向する面にて円弧状に形成されており、図10の上下に非グリップ空間S1、S2を形成している。なお、各非グリップ空間S1,S2は、図10に示したように、ステアリングハンドル310を握ることができない空間であり、各リム313を非円形とすることにより形成されている。
退避手段350は、図10及び図11に示したように、ハブ311の連結部311aに連結されているシリンダ351と、このシリンダ351の外周にて軸方向に摺動可能に組付けられているスリーブ352と、シリンダ351内にて軸方向に進退可能に組付けられているピストン353と、このピストン353のシリンダ351に対する動きに応じてスリーブ352をシリンダ351に対して係合・離脱させる一対のロックピン354及び係合ピン355と、ピストン353とシリンダ351間に介装されてピストン353をロック位置(図11に示した位置)に弾撥的に付勢するスプリング356と、ピストン353より車両前方のシリンダ351に組付けられてピストン353に向けてガスを発生させるガス発生器357を備えている。
シリンダ351は、ステアリングメインシャフト331の軸方向に沿って配置されていて、前端部にてハブ311の連結部311aに連結されており、図11に示したように、径方向に貫通した係合孔351aが設けられている。スリーブ352は、シリンダ351の外周に軸方向に移動可能に嵌合されていて、径方向に貫通した係合孔352aが設けられており、ロックピン354を介してシリンダ351に係合されている。
ピストン353は、シリンダ351内を軸方向に移動することによって、係合ピン355を径内方に移動させてロックピン354を径内方に移動させることが可能であり、係合ピン355を径内方に移動させるためのハの字状に形成されているカム長孔353aを有している。また、ピストン353は、シリンダ351間に介装されているスプリング356によって図11の左方に付勢されていて、ガス発生器357によって発生されるガスにより車両後方へ移動可能である。
各ロックピン354は、スリーブ352をシリンダ351に対して係合・離脱させるためのものであり、シリンダ351の係合孔351aに進退可能に(径方向に移動可能に)組付けられていて、スリーブ352の係合孔352aに係合・離脱可能に嵌合している。各係合ピン355は、ロックピン354の内端に嵌合されていて、ピストン353のカム長孔353bに係合している。このため、各係合ピン355は、ピストン353がスプリング356に抗して車両後方へ移動すると、カム長孔353bに沿ってシリンダ351の径内方に移動されて、各ロックピン354をシリンダ351の径内方に移動させてスリーブ352の係合孔352aから離脱させることが可能である。
ガス発生器357は、車両衝突時に、同ガス発生器357とシリンダ351とピストン353により区画された空間にガスを発生させることによって、ピストン353を初期位置(図11に示した位置)から車両後方へ移動させるものであり、上記した第3実施形態と同様に、電気制御装置(図示省略)によって送信される着火信号によりガスの発生タイミングを制御されている。
上記のように構成した第4実施形態においては、車両衝突時に、図12に示したように、ガス発生器357が、ピストン353に向けてガスを発生させる。このため、ピストン353が車両後方へ移動して、ロックピン354によるシリンダ351とスリーブ352の係合が解除される。これにより、リム313は、乗員を拘束する第1エアバッグ(図示省略)の車両前方への移動に伴って、スポーク312及びスリーブ352と共に、初期位置(図11に示した位置)から所定量車両前方の第1エアバッグ部の反力を受承し得ない位置(図12に示した位置)に退避する。また、上記した作動は、ステアリングハンドル310の操舵角に拘わらず得られるものである。
このため、この第4実施形態においては、リム313が、上記した第3実施形態と同様に、車両衝突時に初期位置から第1エアバッグ部(図示省略)の反力を受承し得ない位置に退避するため、上記した第3実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。また、この第4実施形態においては、リム313が、車両衝突時に、乗員を拘束する第1エアバッグ(図示省略)の車両前方への移動に伴って第1エアバッグ部(図示省略)の反力を受承し得ない位置に退避するため、第1エアバッグ部にて拘束される乗員は、第1エアバッグ部及びリム313の車両前方への移動に追従して、違和感を感じることなく車両前方へ移動することが可能である。
図13は、本発明による車両用ステアリング装置の第5実施形態を示していて、この第5実施形態のステアリング装置のエアバッグ装置420のエアバッグ422は、インフレータ421より乗員側にて膨張展開して乗員を拘束する第1エアバッグ部422Aと、この第1エアバッグ部422Aに連接されていて第1エアバッグ422Aに対して車両前方に膨張展開する第2エアバッグ422B部を備えると共に、第1エアバッグ部422Aの膨張展開時に第1エアバッグ部422Aの乗員側への伸長量を規定するテザー422X(伸張規定手段)と、第2エアバッグ部422Bの膨張展開時に第2エアバッグ部422Bの径外方向への変形を規制するテザー422Y(変形規制手段)を備えている。
なお、図13に示した第5実施形態においては、リテーナ414に上記第1実施形態のフック14b1が形成されていないこと、および、第2エアバッグ部422Bの形状が上記第1実施形態の第2エアバッグ部22Bの形状と異なることを除いて、上記第1実施形態の構成と実質的に同じであるため、実質的に同じ構成である部位に400番台の同一符号を付してその説明は省略する。
テザー422Xは、一端部をリング状金具423とリングプレート424に挟持されスタッドボルト414dとナット425を用いて組付けられていて、他端部を第1エアバッグ部422Aの車両後方側部に縫合により連結されている。テザー422Yは、一端部をリング状金具423とリングプレート424に挟持されスタッドボルト414dとナット425を用いて組付けられていて、他端部を第2エアバッグ部422Bの径外方向の車両前方側部に縫合により連結されている。このテザー422X及びテザー422Yにより、第1エアバッグ部122Aが膨張展開時に乗員側への伸張量が規定されると共に、第2エアバッグ部122Bが膨張展開時に径外方向への変形を規制されている。
なお、エアバッグ422は、第1エアバッグ部422Aの第1ガスチャンバーRaと第2エアバッグ部422Bの第2ガスチャンバーRbを区画する区画壁(第1実施形態における第2エアバッグ部22Bの構成面部22Bh、22Bjに相当する立壁)を備えていて、この区画壁において、第1エアバッグ部422A及び第2エアバッグ部422Bの径外方向への変形が規制されている。
上記のように構成した第5実施形態においては、車両衝突時、エアバッグ422が膨張展開する際に、第1エアバッグ部422Aが、インフレータ421より乗員側にて膨張展開し、第2エアバッグ部422Bが、第1エアバッグ部422Aに対して車両前方で非グリップ空間に対応した部位にて膨張展開する。これにより、図13に示したように、第1エアバッグ部422Aが、膨張展開時に、テザー422Xにより乗員側への伸張量を規定されることによって、第1エアバッグ部422A及び第2エアバッグ部422Bが乗員側に無用に膨張展開することが防止されると共に、第1エアバッグ部422A及び第2エアバッグ部422Bが、膨張展開時に、テザー422Y及び上記した区画壁により径外方向への変形が規制されることによって、第1エアバッグ部422A及び第2エアバッグ部422Bが乗員を拘束する際に無用に車両前方へ移動することが防止される。
このため、この第5実施形態においては、第1エアバッグ部422A及び第2エアバッグ部422Bを所望の形状に膨張展開させることができて、エアバッグ422による乗員拘束時には、第1エアバッグ部422A及び第2エアバッグ部422Bの所望の形状を保持しつつ乗員を拘束できるため、エアバッグ422による乗員拘束性能を確実に確保することが可能である。
上記した各実施形態においては、第2エアバッグ部がステアリングハンドルの非グリップ空間に対応する部位にて膨張展開するように構成して実施したが、リテーナ或いはステアリングコラムを外周から包囲して環状に膨張展開するように構成して実施することも可能である。この場合には、第2エアバッグ部を、ステアリングハンドルの非グリップ空間S1、S2に対応する部位にて展開させた後、リムより車両前方にてリテーナ或いはステアリングコラムを外周から包囲して環状に膨張展開するように構成する。または、第2エアバッグ部を、リムが退避手段によって第2エアバッグ部と干渉しない位置まで車両前方へ退避した後に、リテーナ或いはステアリングコラムを外周から包囲して環状に膨張展開するように構成する。
上記した実施形態においては、第2エアバッグ部が車両衝突時にリテーナ或いはステアリングコラムを外周から包囲して環状に膨張展開するため、第1エアバッグ部の車両前方への変位を第2エアバッグ部の全周で抑制しつつ、第1エアバッグ部にて乗員を拘束する際の反力を第2エアバッグ部を介してリテーナ或いはステアリングコラムの外周全体の部位にて受承することが可能である。このため、第1エアバッグ部を支持する第2エアバグ部の支持機能を向上させることが可能であり、エアバッグによる乗員拘束性能を的確に確保することが可能である。
上記した第1実施形態においては、第2エアバッグ部22Bの車両前方端を連結するためのフック14b1を、リテーナ14の中壁14bの車両前方端に設けて実施したが、フックをインフレータより車両前方の適当な位置、例えばスポーク又はハブ或いはステアリングコラムにおけるコラムチューブに設けて実施することも可能である。また、第2エアバッグ部22Bの車両前方端とリテーナ14をフック14b1を用いて接続する方法に換えて、リベットを用いて接続することも可能である。
上記した第5実施形態においては、第2エアバッグ部422Bの径方向への変形を規制するテザー422Yは、リテーナ414の中壁414bにおける傾斜角度を略45度に設けて実施したが、この傾斜角を適宜変更して(例えば、傾斜角15度、または傾斜角75度にして)テザーを設けて実施することも可能である。また、第5実施形態においては、エアバッグ422が、第1エアバッグ部422A及び第2エアバッグ部422Bの径方向への変形を規制するために、第1エアバッグ部422Aの第1ガスチャンバーRaと第2エアバッグ部422Bの第2ガスチャンバーRbを区画する区画壁を備える構成として実施したが、この区画壁を設けない場合には、エアバッグが、区画壁に相当する部位にテザーを備える構成として実施することも可能である。
上記した各実施形態においては、第2エアバッグ部が、同第2エアバッグ部の第2ガスチャンバーと第1エアバッグ部の第1ガスチャンバーを区画する区画壁を備えている構成としたが、第1エアバッグ部が、第2エアバッグ部の第2ガスチャンバーと第1エアバッグ部の第1ガスチャンバーを区画する区画壁を備える構成とすることも可能である。
本発明による車両用ステアリング装置の第1実施形態を示した正面図である。 図1の2−2に沿った縦断側面図である。 図2に示したリテーナとフックの関係を示した拡大斜視図である。 図2に示したエアバッグの第2エアバッグ部の膨張展開形状を示した拡大斜視図である。 図4に示した第2エアバッグ部の展開図である。 図2に示した第1実施形態の作動説明図である。 本発明による車両用ステアリング装置の第2実施形態を示した作動説明図である。 本発明による車両用ステアリング装置の第3実施形態を示した側面図である。 図8に示した第3実施形態の作動説明図である。 本発明による車両用ステアリング装置の第3実施形態を示した正面図である。 図10の11−11に沿った拡大横断平面図である。 図11に示した第4実施形態の作動説明図である。 本発明による車両用ステアリング装置の第5実施形態を示した作動説明図である。
符号の説明
10…ステアリングハンドル、11…ハブ、12…スポーク、13…リム、14…リテーナ、14a…前壁、14b…中壁、14b1…フック、14c…後壁、14d…スタッドボルト、15…パッドカバー、L1〜L5…ティアライン、20…エアバッグ装置、21…インフレータ、22…エアバッグ、22A…第1エアバッグ部、Ra…第1ガスチャンバー、22B…第2エアバッグ部、Rb…第2ガスチャンバー、23…リング状金具、24…リングプレート、25…ナット、30…ステアリングコラム、31…ステアリングメインシャフト、32…コラムチューブ、33…ナット、

Claims (6)

  1. ステアリングコラムにハブにて回動操作可能に支持され上下に非グリップ空間を有するステアリングハンドルと、このステアリングハンドルの前記ハブより乗員側に配置されてリテーナを介して前記ステアリングハンドルに組付けられているエアバッグ装置を備えていて、このエアバッグ装置が車両衝突時に膨張展開するエアバッグと、このエアバッグに膨張用ガスを供給するインフレータを備えている車両用ステアリング装置において、前記エアバッグが、前記インフレータより乗員側にて膨張展開して乗員を拘束する第1エアバッグ部と、この第1エアバッグ部に一体的に連接されていて前記第1エアバッグ部に対して車両前方で少なくとも前記非グリップ空間に対応した部位にて膨張展開して前記リテーナ或いは前記ステアリングコラムに当接可能な第2エアバッグ部を備えていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ステアリング装置において、前記ステアリングハンドルは前記ハブに組付けられて前記非グリップ空間を形成する左右一対のリムを備えていて、これらのリムを車両衝突時に初期位置から所定量車両前方の退避位置に退避させる退避手段が設けられていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用ステアリング装置において、前記第2エアバッグ部が、前記リテーナ或いは前記ステアリングコラムを外周から包囲して環状に膨張展開するように構成されていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両用ステアリング装置において、前記エアバッグは、前記第1エアバッグ部の膨張展開時に同第1エアバッグ部の乗員側への伸長量を規定する伸長規定手段と、前記第1エアバッグ部及び前記第2エアバッグ部の膨張展開時にこれらの径外方向への変形を規制する変形規制手段を備えていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の車両用ステアリング装置において、前記第1エアバッグ部により形成される第1ガスチャンバーと前記第2エアバッグにより形成される第2ガスチャンバーが分離形成されていて、前記エアバッグの膨張展開時に、前記第2ガスチャンバーの内圧が前記第1ガスチャンバーの内圧より高くなるように設定されていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の車両用ステアリング装置において、前記第2エアバッグ部は、車両前方端が前記リテーナ或いは前記ステアリングコラムに連結されていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
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