JP2008296380A - 導電性フィルムおよび当該フィルムを用いたタッチパネル - Google Patents

導電性フィルムおよび当該フィルムを用いたタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】基材フィルムと導電性塗膜との密着性が高く、また、耐湿熱性に優れ、分散剤を使用せずとも得られる導電性フィルムを提供すること。
【解決手段】導電性塗膜として、カチオン性のポリチオフェンおよびポリアニオンを含む導電性高分子とともに、少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルを構成成分として含む塗膜を形成し、当該塗膜における導電性高分子に対する当該水溶性ポリエステルの含有量を特定の範囲とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性フィルム、および当該フィルムを用いたタッチパネルに関する。さらに詳しくは、基材フィルムと導電性塗膜との密着性が高く、また、耐湿熱性に優れた導電性フィルム、および当該フィルムを用いたタッチパネルに関する。
従来、透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル等の透明電極や電磁波シールド材として好適に用いられている。かかる透明導電性フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明基材フィルム表面の少なくとも片面に、酸化インジウム(In)、酸化錫(SnO)、InとSnOとの混合焼結体(ITO)等を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって設けたものがよく知られている。
しかしながら、通常、透明導電性フィルムは、ウェブ状で連続加工や打ち抜き加工がなされたり、また、曲げられた状態で表面加工や保管がなされる。このため、上記ドライプロセスにより得られた透明導電性フィルムにおいては、このような加工工程を経た場合や保管期間中に、撓みによりクラックが発生してしまい、表面固有抵抗値が増大する場合があった。
一方、透明導電性フィルムを得るための別の方法として、導電性粒子を含む液体を塗布すること(ウエットプロセス)により透明導電性塗膜層を形成する方法が知られている。ウエットプロセスによって得られる透明導電性塗膜は、膜自体に柔軟性があり、クラック等の問題は生じがたい。また、ウエットプロセスは、ドライプロセスとは異なり、製造コストが比較的安く、コーティングスピードも一般的に速いことから、生産性に優れるという利点もある。しかしながら、ウエットプロセスによる導電性粒子を含む導電性塗膜層は、塗膜から粒子が脱落してしまうため、基材フィルムとの密着性に問題が生じていた。このため、基材フィルムとの密着性の高い透明導電性塗膜を有する透明導電性フィルムが求められていた。
また、ウエットプロセスに用いられる導電性高分子としては、一般的に、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等が知られている。しかしながら、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等を用いて得られる導電性フィルムは、開発の初期段階では高い導電性が得られず、その結果、帯電防止用途等、用途が限定されてしまっていた。さらに、導電塗膜層自体の全光線透過率が問題となる場合もあった。
そこで、ウエットプロセスにより得られる塗膜の導電性を向上させ、あるいは、導電性塗膜の全光線透過率を改善する目的で、最近では、導電性高分子の製法の改良等が行われている。例えば、3,4−ジアルコキシチオフェンをポリアニオンの存在下で酸化重合することによって得られる、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとからなる導電性高分子組成物(特許文献1参照)によれば、近年のさらなる製法改良(特許文献2および特許文献3参照)等によって、高い光線透過率を保ったまま、低い表面固有抵抗を有する導電性フィルムが得られるようになった。しかしながら、特許文献1から3に記載の導電性高分子を用いたフィルムは、その構成成分として親水性の高いポリアニオンを含むため、得られる塗膜の耐湿熱性のレベルについては未だ十分に満足できるものではなく、さらなる向上が求められていた。
そこで、導電性高分子に乳化ポリエステル樹脂を添加し、熱によって架橋させることで、耐湿熱性を改善させる方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4の方法によっても、耐湿熱性のレベルについては未だ満足できるものではなく、さらなる向上が必要とされていた。また、乳化ポリエステル樹脂を導電性高分子中に分散させるため、分散剤を必須成分として用いなければならず、このため、塗液の作成過程が煩雑になるばかりか、分散状態によっては均一な導電性能を発現することが困難となっていた。
特開平01−313521号公報 特開2002−193972号公報 特開2003−286336号公報 特開2005−281704号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基材フィルムと導電性塗膜との密着性が高く、また、耐湿熱性に優れ、分散剤を使用せずとも製造することのできる導電性フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、導電性塗膜として、カチオン性のポリチオフェンおよびポリアニオンを含む導電性高分子とともに、少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルを構成成分として含む塗膜を形成し、当該塗膜における導電性高分子に対する当該水溶性ポリエステルの含有量を特定の範囲とすることにより、基材フィルムと導電性塗膜との密着性が高く、また、耐湿熱性に優れた導電性フィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、基材フィルムの少なくとも片面に透明導電層が設けられた導電性フィルムであって、前記透明導電層は、少なくとも1層の透明導電性塗膜を含み、前記透明導電性塗膜は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を主成分として含む(A)カチオン性のポリチオフェンおよび(B)ポリアニオンを含む導電性高分子と、(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルとを構成成分として含み、前記透明導電性塗膜における前記(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルの含有量が、前記導電性高分子100質量部に対して25質量部以上55質量部以下である導電性フィルムである。
Figure 2008296380
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基、あるいは、一緒になって、任意に置換されていてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を示す。)
本発明の導電性フィルムは、基材フィルムと導電性塗膜との密着性が高く、耐湿熱性に優れたものである。また、導電性高分子を用いつつも、ITOを積層した導電性フィルムと同等の優れた導電性を発現し、且つ、透明性にも優れる。さらには、導電性塗膜を作成する塗液中に分散剤を必要としないことから、塗液作成過程を簡略化できるとともに、均一な導電性を発現することができる。
したがって、本発明の導電性フィルムは、液晶ディスプレイ(LCD)タッチパネルや、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ、電子ペーパー等の透明電極等として好適に使用することができ、とりわけ、耐湿熱性が高度に求められる抵抗膜式タッチパネル等の分野において極めて有益である。
<導電性フィルム>
本発明の導電性フィルムは、基材フィルムの少なくも片面に透明導電層が設けられ、この透明導電層は少なくとも1層の透明導電性塗膜を含み、この透明導電性塗膜は、特定の(A)カチオン性のポリチオフェンおよび(B)ポリアニオンを含む導電性高分子と、(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルとを、必須構成成分として含有するとともに、透明導電性塗膜における導電性高分子に対する水溶性ポリエステルの含有量を特定の範囲とする導電性フィルムである。
また、本発明の導電性フィルムは、基材フィルムと、透明導電性塗膜を含む透明導電層とを含む形態であれば、その他の層については特に限定されるものではない。したがって、その他の層を含む場合であっても、含まない場合であってもよい。その他の層を含む場合としては、例えば、基材フィルムと透明導電層との間に他の層を有する場合、あるいは、基材フィルムの上に保護膜を有する場合等が挙げられる。また、透明導電層は、基材フィルムの少なくとも片面に設けられていればよく、残りの片面には、必要に応じてアンカーコート層、ハードコート層等の塗膜、あるいはその他の層を設けることもできる。
以下に、本発明の導電性フィルムの構成成分、および物性等について説明する。
<透明導電層>
本発明の導電性フィルムは、基材の少なくとも片面に透明導電層が設けられたものである。また、本発明における透明導電層は、少なくとも1層の後述する透明導電性塗膜を必須構成層として含む。
なお、本発明の導電性フィルムにおける透明導電層は、後述する透明導電性塗膜が含まれていればよく、後述する透明導電性塗膜の1層のみで形成されていても、あるいは、後述する導電性塗膜を含む複数の層で形成されていてもよい。また、本発明の透明導電層が複数の層で形成される場合にあっては、後述する透明導電性塗膜同士が複数積層されるものであっても、あるいは、透明導電性塗膜以外の塗膜および/またはITO等のドライプロセスにより得られる導電膜と、後述する透明導電性塗膜とが積層されるものであってもよい。本発明においては、得られる導電性フィルムの経済性および柔軟性の観点から、後述する透明導電性塗膜単独あるいは、透明導電性塗膜とそれ以外の導電性を有する塗膜とが積層された構成の透明導電層とすることが好ましい。
ここで、本発明の導電性フィルムにおける透明導電層全体の厚みは、20nm以上300nm以下とすることが好ましく、30nm以上200nm以下とすることがさらに好ましく、50nm以上200nm以下とすることが特に好ましい。透明導電層の厚みが20nm未満であると、導電層の厚みが薄すぎて十分な導電性が得られない場合があり、一方で、塗膜の厚みが厚すぎると、透明性が不足したり、あるいは、ブロッキングを起こしたりする場合がある。
<透明導電性塗膜>
上述したとおり、本発明の導電性フィルムにおける透明導電層は、少なくとも1層の透明導電性塗膜を含み、この透明導電性塗膜は、特定構造を有する(A)カチオン性のポリチオフェンおよび(B)ポリアニオンを含む導電性高分子と、(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルとを必須構成成分として含有し、透明導電層における(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルの含有量を、導電性高分子に対して特定範囲となるよう形成されるものである。以下、透明導電性塗膜につき説明する。
[導電性高分子]
本発明の透明導電性塗膜の必須構成成分となる導電性高分子は、(A)カチオン性のポリチオフェンおよび(B)ポリアニオンを必須成分として含むものである。本発明に用いられる導電性高分子の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、(B)ポリアニオンの水溶液中にて、(A)カチオン性のポリチオフェンのモノマーとなる物質を酸化重合することにより得ることができる。
〔(A)カチオン性のポリチオフェン〕
透明導電性塗膜の必須構成成分となる導電性高分子を構成する(A)カチオン性のポリチオフェンは、下記一般式(I)で表される3,4−ジ置換チオフェンを繰り返し単位の主成分として含む。
Figure 2008296380
ここで、上記式(I)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基、あるいは、一緒になって、任意に置換されていてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を示す。
およびRが、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基である場合には、RおよびRは、メチル基、エチル基であることが好ましく、エチル基が特に好ましい。
およびRが一緒になって、任意に置換されてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を形成する場合には、形成されるアルキレン基の代表例として、例えば、1,2−シクロヘキシレン、2,3−ブチレン等の1,2−アルキレン基を挙げることができる。このような1,2−アルキレン基は、例えば、エテン、プロペン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、およびスチレン等のα−オレフィン類を臭素化して得られる1,2−ジブロモアルカン類から誘導することができる。
およびRが一緒になって形成される、任意に置換されてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基における置換基としては、メチレン基、1,2−エチレン基、および1,3−プロピレン基が好ましく、これらの中では、1,2−エチレン基が特に好ましい。
また、導電性高分子を構成する(A)カチオン性ポリチオフェンは、上記一般式(I)で表される3,4−ジ置換チオフェンのみを繰り返し単位としていても、あるいは、上記一般式(I)で表される3,4−ジ置換チオフェンを繰り返し単位の主成分とし、これと重合可能な他のモノマーを従成分として含むものであってもよい。ここで「主成分」とは、(A)カチオン性ポリチオフェンを構成する繰返し単位全体に対して、上記一般式(I)で表される3,4−ジ置換チオフェンを繰り返し単位とする部分が50%より大きく100%の範囲となることを意味する。
本発明の透明導電性塗膜において用いられる上記のポリチオフェンは、カチオン性を示すものである。このようなカチオン性を示すポリチオフェンは、例えば、特開平01−313521号公報に記載の方法により、モノマーである3,4−ジ置換チオフェンを酸化重合することにより得ることができる。
〔(B)ポリアニオン〕
透明導電性塗膜の必須構成成分となる導電性高分子を構成する(B)ポリアニオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等の高分子状カルボン酸類;ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等の高分子状スルホン酸類等が挙げられる。
また、高分子状カルボン酸類および高分子状スルホン酸類等のポリアニオンは、ビニルカルボン酸類、ビニルスルホン酸類等のアニオン性のモノマーのみから重合される単独重合体であっても、あるいは、複数種のアニオン性モノマーからなる共重合体であっても、さらには、アニオン性モノマーと当該モノマーと共重合可能な他のモノマー類との共重合体であってもよい。アニオン性モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、アクリレート類、スチレン等を挙げることができる。
本発明に用いられる導電性高分子を構成する(B)ポリアニオンが共重合体である場合には、少なくとも1種のアニオン性モノマーが共重合体成分として含まれていればよく、複数種のアニオン性モノマー、あるいは、複数種の他の共重合モノマーを任意に用いることができる。
本発明に用いられる導電性高分子を構成する(B)ポリアニオンとしては、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、および少なくとも一部が金属塩となっているポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。
なお、(B)ポリアニオンの数平均分子量は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好ましく、2,000以上500,000以下の範囲がより好ましい。
[(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステル]
透明導電性塗膜の必須構成成分となる(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルとしては、特に限定されるものではない。水酸基またはカルボキシル基は、末端または側鎖の両方にあっても、また、片方のどちらにあっても良く、その数も限定されない。なお、本発明における「水溶性」とは、水が50%以上(体積%)含まれるメタノール中に可溶である物質を指すものとする。
本発明の導電性フィルムにおいて用いられる(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルとしては、市販品をそのまま用いることも可能である。市販の(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルとしては、例えば、互応化学社製、商品名:プラスコートRZ−570、RZ−142、Z−565、Z−561、Z−685を挙げることができる。
透明導電性塗膜中の導電性高分子と(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルの割合は、導電性高分子100質量部に対して、25質量部以上55質量部以下の範囲であり、30質量部以上55質量部以下とすることがさらに好ましく、35質量部以上55質量部以下とすることが特に好ましい。(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルの配合量が25質量部より少ない場合には、十分な耐湿熱性改善ができず、一方で、配合量が55質量部より多い場合には、導電性が低くなってしまう。なお、ここでいう「導電性高分子100質量部に対して」とは、「導電性高分子の固形分100質量部に対して」という意味である。
[透明導電性塗膜に含まれるその他の成分]
本発明の透導電性フィルムにおける透明導電性塗膜は、上記の(A)カチオン性のポリチオフェンおよび(B)ポリアニオンを含む導電性高分子、(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステル以外に、導電性能を向上させる等の塗膜の性能を向上させることを目的として、任意に他の成分を含んでいてもよい。以下に、任意成分について説明する。
〔(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステル〕
本発明の透明導電性塗膜は、高い耐湿熱性を得る観点から、(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルを任意の構成成分として含有することが好ましい。(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルは、エポキシ基を含有することで自己架橋が可能となるとともに、必須成分である(C)水溶性ポリエステルの水酸基またはカルボキシル基と反応し、架橋剤としての機能を発現する。さらには、(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルは、酸性下の塗液中でも安定しており、ポットライフを長く保つことができる。
(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルにおけるエポキシ基の位置は、特に限定されるものではなく、末端または側鎖の両方にあっても、また、片方のどちらにあっても良い。また、その数も限定されるものではない。
本発明の導電性フィルムにおいて用いられる(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルとしては、市販品をそのまま用いることも可能である。市販の(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルとしては、例えば、高松油脂社製、商品名:ペスレジンA−615GE、A−613GX、A−614GLを挙げることができる。
透明導電性塗膜中の導電性高分子と(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルの割合は、導電性高分子100質量部に対して、(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルが好ましくは0質量部以上16質量部以下の範囲であり、4質量部以上16質量部以下とすることがさらに好ましく、8質量部以上16質量部以下とすることが特に好ましい。(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルの配合量が16質量部より多い場合には、透明導電性塗膜の導電性が低くなってしまう。なお、ここでいう「導電性高分子100質量部に対して」とは、上記と同様に「導電性高分子の固形分100質量部に対して」という意味である。
〔アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、水溶性化合物〕
本発明の透明導電性塗膜は、導電性能を向上させる観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等を、任意成分として含有していてもよい。また、分子内にアミド結合を有する、室温で液体の水溶性化合物が含まれていてもよい。
これらの化合物は、上記の導電性高分子100質量部に対して、10質量部以上1,000質量部以下の範囲で透明導電性塗膜中に含有されることが好ましく、30質量部以上600質量部以下の範囲がさらに好ましい。含有量が10質量部未満の場合には、導電性能の向上効果を十分に得ることができず、その結果、表面固有抵抗値がほとんど低下しない。一方で、含有量が1,000質量部を超える場合には、塗膜のヘイズ値が増大して透明性が低下したり、塗膜自体の強度が低下して簡単に剥離が生じたり、フィルムをロール状に巻き取る際に塗膜が接触した裏面に簡単に転写してしまう等の不具合が生じやすくなる。なお、ここでいう「導電性高分子100質量部に対して」とは、上記と同様に、「導電性高分子の固形分100質量部に対して」という意味である。
〔アルコキシシラン化合物〕
また、本発明の透明導電性塗膜は、得られる塗膜の強度を向上させる目的で、アルコキシシラン化合物を任意成分として含有していてもよい。なお、アルコキシシラン化合物は、加水分解され、その後、縮合反応により形成された反応生成物の形態で、塗膜中に存在する。
本発明の透明導電性塗膜に含有されるアルコキシシラン化合物としては、反応性官能基としてアルコキシ基のみのものは勿論、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のアルコキシ基以外の反応性官能基を有するトリアルコキシシランを用いることもできる。これらの中では、形成された塗膜の強度が向上することから、エポキシ基を有するアルコキシシランが特に好ましく、このようなアルコキシシラン化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
このようなアルコキシシラン化合物の含有量は、上記の導電性高分子100質量部に対して、20質量部以上500質量部以下の範囲とすることが好ましい。含有量が20質量部より少ない場合には塗膜強度の改善効果が小さくなり、一方で、500質量部を超える場合には表面固有抵抗値が著しく増大する傾向にある。
また、このようなアルコキシシラン化合物の加水分解および縮合を効率よく進行させる目的で、アルコキシシラン化合物には触媒を併用することが好ましい。用いられる触媒としては、酸性触媒または塩基性触媒のいずれであってもよい。
〔有機高分子バインダー〕
本発明の透明導電性塗膜は、得られる塗膜の強度、および、塗膜からの導電性高分子の脱落を防止する観点から、上記の(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステル以外にも、有機高分子バインダーを任意の構成成分として含有することが好ましい。なお、有機高分子バインダーは、(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルと併用であっても、有機高分子バインダーのみの使用であってもよい。
有機高分子バインダーとしては、例えば、ポリエステル、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。
〔その他添加剤等〕
また、本発明の効果が損なわれない範囲内で、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、透明導電剤、核剤等を配合してもよい。
[透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)]
本発明の導電性フィルムにおける透明導電性塗膜は、透明導電性塗膜を形成するためのコーティング組成物(塗剤)を、透明導電性塗膜を形成したい層の上に塗布することにより形成される。ここで、透明導電性塗膜を形成するためのコーティング組成物としては、必須成分である上記の(A)カチオン性のポリチオフェンおよび(B)ポリアニオンを含む導電性高分子、(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステル、および、必要に応じて、上記の塗膜性能を向上させるための(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステル等の任意成分、あるいは、コーティング組成物(塗剤)としての性能を向上させるための任意成分を、水に分散させた水分散液を用いる。
透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)の製造方法としては、塗膜構成成分が水に分散されるならば特に限定されるものではない。例えば、コーティング組成物(塗剤)を構成するための成分を攪拌下で混合する方法を挙げることができる。特に、超音波処理をしつつ分散させれば、成分をより均等に分散させることが可能となる。
〔透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)の任意成分〕
以下に、透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)の性能を向上させるための任意成分について説明する。
(溶媒)
透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)には、必要に応じて、上記の有機高分子バインダーを溶解させることを目的として、もしくは、基材フィルムへの濡れ性を向上させることを目的として、あるいは、透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)の固形分濃度を調整すること等を目的として、分散媒である水と相溶性のある適当な溶媒を、乾燥工程が許容する範囲で添加することができる。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、エチレングリコール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、および、ジオキサン、ならびにこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
(界面活性剤)
さらに、透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)の任意成分としては、基材フィルムに対する濡れ性を向上させることを目的として、少量の界面活性剤を添加してもよい。好ましい界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、フルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロアルキル4級アンモニウム塩、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
[透明導電性塗膜の製造方法]
本発明の導電性フィルムにおける透明導電性塗膜は、透明導電性塗膜を形成するためのコーティング組成物(塗剤)を、透明導電性塗膜を形成したい層の上に塗布することにより形成される。透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)の塗布方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用できる。例えば、リップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法等を、好ましい方法として挙げることができる。
透明導電性塗膜を得るための加熱乾燥条件は、特に限定されるものではないが、80℃以上160℃以下の温度範囲で10秒以上300秒以下の間乾燥することが好ましく、100℃以上150℃以下の温度範囲で20秒以上120秒以下の間が乾燥させることが特に好ましい。
[透明導電性塗膜の厚み、配置]
本発明の導電性フィルムにおける透明導電性塗膜の膜厚は、20nm以上300nm以下、好ましくは30nm以上200nm以下の範囲とすることが好ましい。透明導電性塗膜の膜厚が300nmを越える場合には、塗膜の透明性が低下することから得られる導電性フィルムの透明性が劣り、一方で、膜厚が20nmより小さい場合には、表面抵抗値が高くなりすぎてしまう。
なお、本発明において、透明導電性塗膜の厚みを制御する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)の固形分濃度および塗布量を、実施する塗布方法によって適宜制御することができる。
また、透明導電性塗膜は、透明導電層のうちの基材フィルムに対する最外層であることが好ましい。透明導電性塗膜が透明導電層のうちの基材フィルムに対する最外層にあれば、十分な導電性を発現することができる。
<基材フィルム>
本発明の導電性フィルムに用いられる基材フィルムは、特に制限されるものではないが、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびにこれらのブレンドおよび共重合体、ならびにフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂等からなる群から選ばれる材料にて製造されたプラスチックのシート、フィルム、あるいは不織布を挙げることができる。
なかでも、二軸配向したポリエステルフィルムは、寸法安定性、機械的性質、耐熱性、電気的性質等に優れている観点から好ましく用いることができ、とりわけ、高ヤング率である等の機械的特性に優れ、耐熱寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れていることから、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。
なお、基材フィルムの厚みは、特に制限されるものではないが、500μm以下であることが好ましい。500μmより厚い場合には、基材フィルムの剛性が強すぎて、得られた導電性フィルムをディスプレイ等に貼付ける際等の取扱い性が低下しやすい。
また、基材フィルムは、透明導電性塗膜を形成するためのコーティング組成物(塗剤)を塗布する前に、密着性、塗工性等を向上させることを目的として、必要に応じて、フィルム表面に予備的処理を施すことも可能である。予備的処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ放電処理等の物理的表面処理、あるいは、製膜中または製膜後に有機樹脂系または無機樹脂系の塗料を塗布して、塗膜密着層を形成する化学的表面処理を挙げることができる。
<導電性フィルムの物性>
[表面固有抵抗値]
本発明の導電性フィルムは、60℃かつ湿度90%で240時間処理した前後の表面固有抵抗値の変化率が160%以下である。表面固有抵抗値の変化率は、好ましくは155%以下であり、さらに好ましくは150%以下である。表面固有低効率の変化率が160%を超える場合には、抵抗膜式タッチパネル電極として使用した場合に、誤作動の問題が発生する。
なお、表面固有低効率の変化率を160%以下に制御する方法としては、バインダー樹脂の添加等を挙げることができる。
[全光線透過率、表面固有抵抗値]
本発明の導電性フィルムは、その全光線透過率が80%以上であると同時に、透明導電性塗膜側の表面固有抵抗値が10Ω/□以上1×10Ω/□以下であることが好ましい。さらに好ましくは、その全光線透過率が80%以上であると同時に、透明導電性塗膜側の表面固有抵抗値が10Ω/□以上5×10Ω/□以下、特に好ましくは10Ω/□以上1×10Ω/□以下である。
全光線透過率が80%未満の場合には、透明性が不充分となり、例えばタッチパネルを作成しても暗くて表示画面が見えにくくなる。また、表面固有抵抗値が1×10Ω/□を超える場合には、表面固有抵抗値が高すぎるため、例えばタッチパネル用の基材として使用すると、作動できない場合があり、また、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極として使用した場合においては、所定の導電性が得られない等の問題が生じる場合がある。一方で、表面固有抵抗値が10Ω/□未満の場合には、導電性高分子の使用量が著しく増加するため80%以上の光線透過率が得られず、透明導電フィルムとして使用することができない。さらには、導電性高分子の使用量から導電性フィルムの製造コストが上がり、経済性にも劣る。
全光線透過率および表面固有抵抗値を上記範囲内に制御する方法としては、例えば、膜厚を30nm以上250nm以下に調整することを挙げることができる。
<タッチパネル>
本発明のタッチパネルは、導電層を有する一対のパネル板を、スペーサーを介して、導電層同士が対向するよう配置してなるものであり、ここで、少なくとも一方のパネル板に上記の導電性フィルムを用いるものである。なお、両パネル板の導電層には、対抗配置に先立ち、あらかじめ回路を形成しておく。
以下、実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<測定方法>
実施例および比較例においては、以下の項目について、以下の方法によって各測定を実施した。
[表面固有抵抗値]
三菱化学社製、商品名:Lorester MCP−T600を用いて、JIS K7194に準拠して測定を実施した。測定にあたっては、1サンプルにつき任意の箇所を5回測定し、それらの平均値を表面固有低効率とした。
[湿熱試験後の表面固有抵抗値]
温度60度、湿度90%の恒温恒湿オーブン中にサンプルを格納し、連続して240時間が経過したときにサンプルを取り出し、サンプル温度が室温に戻るのを待って、上記の表面固有抵抗値の測定を実施した。
[全光線透過率]
JIS K7150にしたがい、スガ試験機製のヘイズメーター(商品名:HCM−2B)にて測定を実施した。
[塗膜強度(塗膜密着性)]
学振磨耗試験機(テスター産業社製、商品名:学振型摩擦堅牢度試験機)を用いて測定を実施した。具体的には、10mmのガーゼに水を十分に含ませたものに700gの荷重をかけて、1往復/2秒の速度で10往復塗膜上を擦った時の塗膜の剥がれ状態を評価した。評価基準を以下に示す。
○:塗膜の剥がれがない
△:剥がれるが塗膜が残る
×:剥がれてしまい塗膜が残らない
<実施例1>
導電性高分子としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5質量%とポリスチレンスルホン酸(分子量Mn=150,000)0.8質量%とを含んでなる水分散体(バイエルAG製、商品名:BaytronP)97部と、ジエチレングリコール3部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部を混合し、1時間攪拌することにより、導電性高分子含有水分散体を得た。得られた水分散体に官能基として水酸基またはカルボキシル基を含有する水溶性ポリエステル(互応化学社製、商品名:プラスコートRZ570(固形分25質量%))1.8部を添加し、さらに15分間攪拌を行うことにより、透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)を得た。
得られた透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)を、マイヤーバーを用いて基材フィルムとなるPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名:O3PF8W−100)上に塗布し、引き続き、140℃で1分間の乾燥処理を行うことにより、膜厚が100nmの透明導電性塗膜を得た。なお、透明導電性塗膜における水酸基またはカルボキシル基を含有する水溶性ポリエステルの含有量は、導電性高分子100質量部に対して36質量部であった。得られた導電性フィルムにつき、上記各種の測定を実施した。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1で得られた透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)に、エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステル(高松油脂社製、商品名:ペスレジンA−615GE(固形分25質量%))を0.2部添加し、15分間攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作により透明導電性塗膜を得た。なお、導電性塗膜におけるエポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルの含有量は、導電性高分子100質量部に対して4質量部であった。得られた導電性フィルムにつき、上記各種の測定を実施した結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1で得られた透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)に、エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステル(高松油脂社製、商品名:ペスレジンA−615GE(固形分25質量%)))を0.4部添加し、15分間攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作により透明導電性塗膜を得た。なお、導電性塗膜におけるエポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルの含有量は、導電性高分子100質量部に対して8質量部であった。得られた導電性フィルムにつき、上記各種の測定を実施した結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1で得られた透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)に、エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステル(高松油脂社製、商品名:ペスレジンA−615GE(固形分25質量%)))を0.8部添加し、15分間攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作により透明導電性塗膜を得た。なお、導電性塗膜におけるエポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルの含有量は、導電性高分子100質量部に対して16質量部であった。得られた導電性フィルムにつき、上記各種の測定を実施した結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1に記載の透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)のみを塗工し、実施例1と同様の操作により導電性フィルムを得た。得られた導電性フィルムにつき、上記各種の測定を実施した結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1で得られた導電性高分子含有水分散体に、官能基として水酸基またはカルボキシル基を含有する水溶性ポリエステル(互応化学社製、商品名:プラスコートRZ570(固形分25質量%))0.9部を添加した以外は、実施例1と同様な操作により、透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)を得た。
得られた透明導電性塗膜形成用コーティング組成物(塗剤)に、エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステル(高松油脂社製、商品名:ペスレジンA−615GE(固形分25質量%)))を0.1部添加し、15分間攪拌を行った以外は、実施例2と同様の操作により透明導電性塗膜を得た。なお、導電性塗膜におけるエポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルの含有量は、導電性高分子100質量部に対して2質量部であった。得られた導電性フィルムにつき、上記各種の測定を実施した結果を表1に示す。
Figure 2008296380

Claims (6)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に透明導電層が設けられた導電性フィルムであって、
    前記透明導電層は、少なくとも1層の透明導電性塗膜を含み、
    前記透明導電性塗膜は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を主成分として含む(A)カチオン性のポリチオフェンおよび(B)ポリアニオンを含む導電性高分子と、
    (C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルとを構成成分として含み、
    前記透明導電性塗膜における前記(C)少なくとも末端または側鎖に水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性ポリエステルの含有量は、前記導電性高分子100質量部に対して25質量部以上55質量部以下である導電性フィルム。
    Figure 2008296380
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基、あるいは、一緒になって、任意に置換されていてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を示す。)
  2. 前記透明導電性塗膜は、さらに(D)エポキシ基を有するアクリル変性ポリエステルを構成成分として含むものである請求項1に記載の導電性フィルム。
  3. 前記導電性フィルムは、60℃かつ湿度90%で240時間処理した前後の表面固有抵抗値の変化率が160%以下である請求項1または2に記載の導電性フィルム。
  4. 前記導電性フィルムは、全光線透過率が80%以上であり、かつ、前記透明導電層の表面固有抵抗値が10Ω/□以上1×10Ω/□以下である請求項1から3記載の導電性フィルム。
  5. 前記基材フィルムは、ポリエステルフィルムである請求項1から4いずれか記載の導電性フィルム。
  6. 導電層を有する一対のパネル板を、スペーサーを介して、導電層同士が対向するよう配置してなる抵抗膜式タッチパネルにおいて、
    少なくとも一方のパネル板に、請求項1から5いずれか記載の導電性フィルムを用いたことを特徴とするタッチパネル。
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