JP2008296337A - 切削工具用硬質皮膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のAlCrN膜よりも飛躍的に耐摩耗性を向上させることが可能な極めて実用性に秀れた切削工具用硬質皮膜の提供。
【解決手段】切削工具用基材に形成される切削工具用硬質皮膜であって、金属元素および半金属元素として少なくともAl,Cr及びBを含む窒化物若しくは炭窒化物であり不可避不純物を含む物質から成る第一皮膜層と、Siの窒化物若しくは炭窒化物であり不可避不純物を含む物質または炭窒化硼素であり不可避不純物を含む物質から成る第二皮膜層とを交互に各2層以上積層した多層皮膜層を備え、この多層皮膜層を構成する前記第一皮膜層の厚さを0.8nm〜40nmに設定し、前記第二皮膜層の厚さを0.2nm〜4nmに設定し、更に、前記第一皮膜層が前記第二皮膜層の4倍以上の厚さとなるように前記第一皮膜層及び前記第二皮膜層の厚さを設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンドミル,ドリル等の切削工具に被覆して耐摩耗性を向上させるための切削工具用硬質皮膜に関するものである。
従来、金属切削工具に被覆する硬質皮膜としては、TiN,TiCN,TiAlNが使用されてきた。特に、特許文献1,2に代表されるTiAlN系皮膜はTiNにAlを添加することで硬度と耐熱性を改良させたもので、耐摩耗性の良さから、焼入れ鋼を含む鉄鋼材料を加工するための切削工具用硬質皮膜として広く用いられている。
しかしながら、近年では鉄鋼材料に対する耐摩耗性をさらに向上させることが工具に求められてきており、TiNの代わりにCrNをベースとすることでTiAlN皮膜よりも耐熱性をより向上させたAlCrN皮膜が特許文献3等で提案されている。
特開昭62−56565号公報 特開平2−194159号公報 特許第3039381号公報
しかしながら、AlCrN皮膜はTiAlN皮膜に比べて耐熱性は良いものの硬度がやや小さく、そのため、鉄鋼材料に対する耐摩耗性が十分とは言えない。
本発明は、上述のような現状に鑑み、本発明者等が皮膜組成と皮膜の結晶性及び皮膜層構成について研究した結果、硬質皮膜の硬度及び潤滑性を向上させることにより上記課題を解決できるとの知見を得て完成したもので、硬質皮膜を所定の組成、膜厚及び積層構造とすることにより、硬質皮膜の硬度及び潤滑性を改善することができ、従来のAlCrN膜よりも飛躍的に耐摩耗性を向上させることが可能な極めて実用性に秀れた切削工具用硬質皮膜を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
切削工具用基材に形成される切削工具用硬質皮膜であって、金属元素および半金属元素として少なくともAl,Cr及びBを含む窒化物若しくは炭窒化物であり不可避不純物を含む物質から成る第一皮膜層と、Siの窒化物若しくは炭窒化物であり不可避不純物を含む物質または炭窒化硼素であり不可避不純物を含む物質から成る第二皮膜層とが交互に各2層以上積層された多層皮膜層を有し、この多層皮膜層を構成する前記第一皮膜層の厚さは0.8nm〜40nmに設定され、前記第二皮膜層の厚さは0.2nm〜4nmに設定され、更に、前記第一皮膜層が前記第二皮膜層の4倍以上の厚さとなるように前記第一皮膜層及び前記第二皮膜層の厚さが設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第一皮膜層は、平均結晶粒径が50nm以下のNaCl型結晶構造を持つ微細結晶と非晶質部とを含む組織を有するものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第二皮膜層は、非晶質構造を有するものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材と前記多層皮膜層との間には第三皮膜層が設けられ、この第三皮膜層の金属元素及び半金属元素は、前記第一皮膜層の金属元素及び半金属元素と同一であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項4記載の切削工具用硬質皮膜において、前記多層皮膜層の前記第三皮膜層に対する膜厚比は0.05〜1.5に設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項4,5いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第三皮膜層は、NaCl型結晶構造を持つ柱状組織を有するものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材直上には、Tiを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成る第四皮膜層が形成され、この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材直上には、Crを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成る第四皮膜層が形成され、この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜8いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第一皮膜層若しくは前記第三皮膜層は、金属及び半金属成分が原子%で、
Al(100-X-Y-Z)Cr(X)(Y)(Z)
ただし、20≦X≦40,2≦Y≦15,5≦Z≦15
であり、非金属元素としてNを含み、不可避不純物を含むものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜9いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材は、WCを主成分とする硬質粒子とCoを主成分とする結合材とから成る超硬合金製であって、前記WC粒子の平均粒径が0.1μm〜2μmに設定され、前記Coの含有量が重量%で5〜15%に設定されたものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、硬質皮膜の硬度及び潤滑性を改善することができ、従来のAlCrN膜よりも飛躍的に耐摩耗性を向上させることが可能な極めて実用性に秀れた切削工具用硬質皮膜となる。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
AlCrB系窒化物若しくはAlCrB系炭窒化物と、SiN,SiCN若しくは炭窒化硼素(B−C−N)とを、極薄い膜厚で交互に複数層積層することで、AlCrB系窒化物若しくはAlCrB系炭窒化物の組織が、柱状組織から50nm以下の微細結晶(NaCl型結晶構造)と非晶質部とが混在した、所謂ナノコンポジット組織に変化する。
この際、結晶の大きさが微細化すると硬度が高くなるため、同一成分の皮膜であっても、柱状組織の皮膜よりもナノコンポジット組織の皮膜の方が高い硬度になる。
また、B(若しくはV)が添加されることで潤滑性が向上することになり、よって、従来の柱状組織のAlCrN系皮膜より硬度及び潤滑性を向上させ、耐摩耗性の向上を図ることが可能となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、切削工具用基材上に形成される切削工具用硬質皮膜であって、金属元素および半金属元素として少なくともAl,Cr及びBを含む窒化物若しくは炭窒化物であり不可避不純物を含む物質から成る第一皮膜層と、Siの窒化物若しくは炭窒化物であり不可避不純物を含む物質または炭窒化硼素であり不可避不純物を含む物質から成る第二皮膜層とが交互に各2層以上積層されて形成された多層皮膜層が少なくとも1層以上含まれており、この多層皮膜層を構成する前記第一皮膜層の厚さは0.8nm〜40nmに設定され、前記第二皮膜層の厚さは0.2nm〜4nmに設定され、更に、前記第一皮膜層が前記第二皮膜層の4倍以上の厚さとなるように前記第一皮膜層及び前記第二皮膜層の厚さが設定されているものである。
各部を具体的に説明する。
多層皮膜層を構成する第一皮膜層としては、平均結晶粒径が50nm以下のNaCl型結晶構造を持つ微細結晶と非晶質部とを含む組織を有するものが、また、第二皮膜層としては、非晶質構造を有するものが夫々採用されている。
また、前記基材と多層皮膜層との間にはNaCl型結晶構造を持つ柱状組織を有する第三皮膜層が設けられている。この第三皮膜層の金属元素及び半金属元素は、前記第一皮膜層の金属元素及び半金属元素と同一である。また、多層皮膜層の前記第三皮膜層に対する膜厚比は0.05〜1.5に設定されている。
また、前記基材直上、即ち、前記基材と前記第三皮膜層との間には、Tiを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成る第四皮膜層が形成され、該第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されている。
尚、第四皮膜層として、Crを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成るものを採用しても良い。この場合も、膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定すると良い。
上記構成を採用した理由及び上記構成による作用効果を以下に説明する。
多層皮膜層について、その皮膜構成を上述のように設定した理由を述べる。本発明者等は、AlCrB系窒化物,炭窒化物皮膜の組織について研究し、Siの窒化物若しくは炭窒化物または炭窒化硼素の極薄い皮膜(第二皮膜層)を、AlCrB系窒化物,炭窒化物の皮膜(第一皮膜層)と積層することで、AlCrB系窒化物,炭窒化物皮膜の組織が柱状組織から50nm以下の微細結晶(NaCl型結晶構造)と非晶質部が混在した、所謂ナノコンポジット組織に変化することを突き止めた(後述の実験例参照)。結晶の大きさが微細化すると硬度が高くなることが知られており、従って、同一成分の皮膜でも、柱状組織の皮膜よりもナノコンポジット組織の皮膜の方が高い硬度になる。
第一皮膜層は厚すぎるとナノコンポジット組織に変化し辛くなるため、その厚さを40nm以下にすることが望ましい。
また、第二皮膜層は、薄すぎると第一皮膜層がナノコンポジット組織に変化し辛くなり、厚すぎると多層皮膜層が脆くなるため、その厚さを4nm以下0.2nm以上にすることが望ましい。
更に、多層皮膜層を積層構成にした目的は、AlCrB系窒化物,炭窒化物皮膜をナノコンポジット組織にすることにあるので、多層皮膜層内に占める第一皮膜層の体積割合が80%以上となるように、第一皮膜層の第二皮膜層に対する膜厚比は4以上とすることが望ましい。
ところで、第二皮膜層を断面TEM法で観察すると、Siの窒化物や炭窒化物の場合も炭窒化硼素の場合も、いずれも非晶質構造であった。従って、薄いAlCrB系窒化物,炭窒化物皮膜(第一皮膜層)を極薄い非晶質皮膜(第二皮膜層)で挟むように積層することによって、第一皮膜層内のBN若しくはBCNが非晶質化して、多層皮膜層がナノコンポジット組織になったものと思われる(後記実験例1、多層皮膜層を断面TEM法で観察した図1参照)。
また、多層皮膜層を基材直上に形成して切削工具を作成し、切削テストを行ったところ、切削中に皮膜剥離や皮膜の微小破壊が生じる場合があることがわかった。そこで、基材直上に第一皮膜層と同一の元素成分で構成される第三皮膜層を形成し、その上に多層皮膜層を形成して切削工具を作成し、切削テストを行ったところ、切削中の皮膜剥離や皮膜の微小破壊の発生頻度が大幅に低減し、より安定した切削が可能になった。
多層皮膜層と基材の間に第三皮膜層を形成することで膜剥離や皮膜の微小破壊が低減した理由は皮膜の応力で説明できると考える。即ち、第一皮膜層はナノコンポジット組織のため皮膜の内部応力が大きく、剥離や微小破壊が生じやすかったものと考えられるが、第三皮膜層を挿入することで、特に基材近傍の皮膜応力が低減され、その結果、皮膜剥離や皮膜の微小破壊が低減したものと考えられる。
また、多層皮膜層の膜厚が薄すぎるとその高硬度の特長を生かすことができなくなり、また、膜厚が厚すぎると皮膜全体の応力が大きくなって剥離や微小破壊が生じやすくなる。このため、多層皮膜層の第三皮膜層に対する膜厚比は0.05以上1.5以下にすることが望ましい。
皮膜剥離や皮膜の微小破壊を低減するための別の方策として、基材との密着性に優れたTi系あるいはCr系の窒化物もしくは炭窒化物(第四皮膜層)を基材直上に形成しても良い。基材の直上に第四皮膜層を形成しその上に多層皮膜層を形成しても、膜剥離や皮膜の微小破壊が大幅に低減する。
より好ましい皮膜構成は、基材の直上に第四皮膜層を形成し、その上に第三皮膜層を形成し、さらにその上に多層皮膜層を形成するのが良く、本実施例においては上述したように基材直上に第四皮膜層を形成し、第四皮膜層上に第三皮膜層を形成し、第三皮膜層上に多層皮膜層を形成している。
第四皮膜層の膜厚は、その上に第三皮膜層を形成する場合には比較的膜厚が薄くても基材との密着性向上の効果が現れるが、その場合でも0.01μm以上の厚さがあることが望ましい。また、第四皮膜層の目的は基材との密着性向上効果にあるので、膜厚を厚くしすぎる必要もなく、膜厚を0.5μm以下にすることが望ましい。
次に第三皮膜層の結晶構造と組織について述べる。第三皮膜層はCr−Nをベースに金属元素および半金属元素として少なくともAl,Bを添加した窒化物若しくは炭窒化物である。Cr−Nの結晶構造はNaCl型結晶構造かウルツ鉱型結晶構造を取り得るが、NaCl型結晶構造のときに高い硬度が得られることが知られている。従って、第三皮膜層もNaCl型結晶構造を維持していることが望ましい。また、組織については、特に限定するものではないが、皮膜の応力があまり高くなり過ぎないように、柱状組織にすることが望ましい。
次に、第一皮膜層及び第三皮膜層の組成について述べる。第一皮膜層及び第三皮膜層は、金属元素及び半金属元素として少なくともAl,Cr及びBを含む窒化物若しくは炭窒化物であるが、特に、金属および半金属成分が原子%で、
Al(100-X-Y-Z)Cr(X)(Y)(Z)
ただし、20≦X≦40,2≦Y≦15,5≦Z≦15
の場合に切削工具用皮膜として効果を発揮する。
本発明者等はAlCrN皮膜に種々の第3元素を入れた皮膜について研究し、V及びBを所定量含有させることで鉄鋼材料に対する耐摩耗性を向上できることを発見した。
これは、皮膜の硬度と潤滑性が改善されたためと考えられる。金属及び半金属のみの原子%でB量が5%に満たない場合その効果は小さいが、5%以上で硬度と潤滑性の向上効果が現れる。そして、B含有量が15%を超えると硬度や潤滑性はあまり変化しなくなる。BはAlやCrに比べて高価な元素であるので、皮膜硬度、潤滑性および経済性を考慮して、切削工具用硬質皮膜の組成範囲として、金属及び半金属のみの原子%でB量が5%以上15%以下とした。
また、Vの含有については、その含有量を多くすると皮膜の潤滑性が向上する。金属及び半金属のみの原子%でV量が2%に満たない場合その効果は小さいが、2%以上で潤滑性の向上効果が現れ、その皮膜を被覆した工具の鉄鋼材料に対する耐摩耗性が向上する。一方、V含有量を多くしすぎると皮膜の硬度が低下し、鉄鋼材料に対する耐摩耗性が低下してくる。また、VはAlやCrに比べて極めて高価な元素であるので、皮膜の潤滑性及び硬度と経済性とを考慮して、切削工具用硬質皮膜の組成範囲として、金属及び半金属のみの原子%でV量が2%以上15%以下とした。
尚、研究の過程で、第一皮膜層内にBが含まれていないとナノコンポジット組織になり難いことも判明した。そこで、Bを必須含有成分としている。
本発明の硬質皮膜は、鉄鋼材料用切削工具向けに発明されたものであるが、その基材としては、WCを主成分とする硬質粒子とCoを主成分とする結合材からなる超硬合金が、鉄鋼材料用切削工具として硬度と靭性のバランスが取れた材料であることから望ましい。
WC粒子の平均粒径を小さくしすぎると、結合材中にWC粒子を均一に分散させることが難しくなり、超硬合金の抗折力低下を引き起こしやすい。一方、WC粒子を大きくしすぎると超硬合金の硬度が低下する。また、Co含有量を少なくしすぎると超硬合金の抗折力が低下し、逆にCo含有量を多くしすぎると超硬合金の硬度が低下する。そのため、WC粒子の平均粒径が0.1μm〜2μmであり、Co含有量が重量%で5〜15%の超硬合金を基材とすることが望ましい。
本実施例は上述のように構成したから、AlCrB系窒化物若しくはAlCrB系炭窒化物と、SiN,SiCN若しくは炭窒化硼素とを、極薄い膜厚で交互に複数層積層することで、AlCrB系窒化物若しくはAlCrB系炭窒化物の組織が、柱状組織から50nm以下の微細結晶(NaCl型結晶構造)と非晶質部とが混在した、所謂ナノコンポジット組織に変化する。この際、結晶の大きさが微細化すると硬度が高くなるため、同一成分の皮膜であっても、柱状組織の皮膜よりもナノコンポジット組織の皮膜の方が高い硬度になる。
また、B及びVが添加されることで潤滑性が向上することになり、よって、従来の柱状組織のAlCrN系皮膜より硬度及び潤滑性を向上させ、耐摩耗性の向上を図ることが可能となる。
従って、本実施例は、非晶質の極薄い層と積層することでAlCrB系窒化物,炭窒化物の組織をコントロールして皮膜の硬度を向上させるとともに、B及びVを添加することで皮膜の潤滑性能を高めて鉄鋼材料に対する耐摩耗性を向上させた極めて実用性に秀れた切削工具用硬質皮膜となる。
以下、本実施例の効果を裏付ける実験例について説明する。
[実験例1]
多層皮膜層を断面TEM法で観察した結果を図1に示す。実験では、成膜装置としてアーク放電式イオンプレーティング蒸発源とスパッタリング蒸発源をそれぞれ2つずつ持つ複合型成膜装置を用いた。アーク放電式イオンプレーティング蒸発源(蒸発源A),スパッタリング蒸発源(蒸発源B),アーク放電式イオンプレーティング蒸発源(蒸発源C),スパッタリング蒸発源(蒸発源D)の順に4つの蒸発源が90度の間隔を置いて装置内のサイドに配置されている。装置内の中央部に回転ステージがあり、この回転ステージに成膜基材をセットしバイアス電圧を加えながら回転させる。
実験例1では、蒸発源Aと蒸発源Bだけを蒸発させて成膜した。蒸発源AにAl58Cr3210ターゲットを用い、蒸発源BにBCターゲットを用いた。反応ガスとしては、NガスとArガスを1:1の比率で成膜装置内に導入し、ガス圧を3Paとした。バイアス電圧を300V,アーク放電電流を100A,スパッタリング電力を1.5kWとし、成膜基材としての超硬合金板を1min−1の速度で回転させて成膜した。
また、図2には蒸発源A(Al58Cr3210ターゲット)だけを用いて図1と同様な条件で成膜した皮膜(第三皮膜層)の断面TEM観察結果を示す。図1,図2を比較すると、図2の皮膜(第三皮膜層)が柱状組織であるのに対し、図1の皮膜(多層皮膜層)では10nm程度の大きさの微細結晶が多数存在し結晶間に非晶質部が分布した、所謂ナノコンポジット組織であることが確認できる。そして、縞状にナノコンポジット層(第一皮膜層)と非晶質層(第二皮膜層)とが積層されている様子が認められる。即ち、AlCrBNの皮膜層だけでは柱状組織だったものが、非晶質層を間に挟みながら積層することで、ナノコンポジット組織になる。本発明は、この現象を利用してAlCrB系窒化物,炭窒化物の組織をコントロールし、切削工具に最適な硬質皮膜を提供するものである。
[実験例2]
上記実験例1で使用した成膜装置を用い、金属及び半金属成分の蒸発源として各種組成のターゲットを成膜装置内に取り付け、また、反応ガスとしてNガス,CHガス,Arガスのうち少なくとも1種類を成膜装置内に導入して、成膜基材としての超硬合金製2枚刃ボールエンドミル(外径3mm)に所定の皮膜を成膜した。第四皮膜層の成膜には蒸発源D(スパッタリング蒸発源)を用い、第三皮膜層の成膜には蒸発源Aと蒸発源C(アーク放電式イオンプレーティング蒸発源)を用い、多層皮膜層の成膜には蒸発源A(アーク放電式イオンプレーティング蒸発源)と蒸発源B(スパッタリング蒸発源)を用いた。
第四皮膜層と多層皮膜層の成膜時にはArガスをガス流量全体の1/2の割合で成膜装置内に導入し、第三皮膜層の成膜時にはArガスを導入しなかった。また、アーク放電電流を100A,スパッタリング電力を1.5kWとして成膜を行った。基材の超硬合金はWCを主成分とする硬質粒子とCoを主成分とする結合材からなり、WC粒子の平均粒径が1μm,Co含有量が8重量%のものを使用した。
成膜に当たっては、全皮膜の合計膜厚が1.8〜2.2μmになるようにして、第四皮膜層,第三皮膜層,多層皮膜層の順番で基材エンドミルに成膜した。所定の皮膜を被覆したエンドミルを用いて、次の切削条件で切削試験を行い、エンドミル逃げ面の摩耗幅を測定した。
切削試験では、被削材をSKD61焼入れ材(HRC52)とし、湿式条件下で切削を行った。外径3mmのエンドミルを16000min−1の速度で回転させ、送り速度2000mm/min,切り込み量Ad=0.24mm,Pf=0.72mmとし、水溶性切削油をクーラントとして試験を行った。切削試験の結果を表1に示す。
尚、No.1,7,10,16の第四皮膜層(TiCN)は、基材直上部のC量を0、即ちTiNとし、表層部に向けて徐々にC量を増やしながら成膜した。また、No.14の第四皮膜層(CrCN)は、基材直上部のC量を0、即ちCrNとし、表層部に向けて徐々にC量を増やしながら成膜した。
表1では本実施例とともに、従来の硬質皮膜や本発明の範囲外の硬質皮膜を実験例と同様な手段で被覆したエンドミルで切削試験を行った結果を比較例として記載している。
表1から、本実施例は比較例に比べてエンドミル逃げ面摩耗幅の低減、即ち、耐摩耗性の向上が認められる。
本実施例の多層皮膜層の拡大説明断面図である。 本実施例の第三皮膜層の拡大説明断面図である。

Claims (10)

  1. 切削工具用基材に形成される切削工具用硬質皮膜であって、金属元素および半金属元素として少なくともAl,Cr及びBを含む窒化物若しくは炭窒化物であり不可避不純物を含む物質から成る第一皮膜層と、Siの窒化物若しくは炭窒化物であり不可避不純物を含む物質または炭窒化硼素であり不可避不純物を含む物質から成る第二皮膜層とが交互に各2層以上積層された多層皮膜層を有し、この多層皮膜層を構成する前記第一皮膜層の厚さは0.8nm〜40nmに設定され、前記第二皮膜層の厚さは0.2nm〜4nmに設定され、更に、前記第一皮膜層が前記第二皮膜層の4倍以上の厚さとなるように前記第一皮膜層及び前記第二皮膜層の厚さが設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  2. 請求項1記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第一皮膜層は、平均結晶粒径が50nm以下のNaCl型結晶構造を持つ微細結晶と非晶質部とを含む組織を有するものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第二皮膜層は、非晶質構造を有するものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材と前記多層皮膜層との間には第三皮膜層が設けられ、この第三皮膜層の金属元素及び半金属元素は、前記第一皮膜層の金属元素及び半金属元素と同一であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  5. 請求項4記載の切削工具用硬質皮膜において、前記多層皮膜層の前記第三皮膜層に対する膜厚比は0.05〜1.5に設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  6. 請求項4,5いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第三皮膜層は、NaCl型結晶構造を持つ柱状組織を有するものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材直上には、Tiを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成る第四皮膜層が形成され、この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  8. 請求項1〜6いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材直上には、Crを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成る第四皮膜層が形成され、この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第一皮膜層若しくは前記第三皮膜層は、金属及び半金属成分が原子%で、
    Al(100-X-Y-Z)Cr(X)(Y)(Z)
    ただし、20≦X≦40,2≦Y≦15,5≦Z≦15
    であり、非金属元素としてNを含み、不可避不純物を含むものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  10. 請求項1〜9いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材は、WCを主成分とする硬質粒子とCoを主成分とする結合材とから成る超硬合金製であって、前記WC粒子の平均粒径が0.1μm〜2μmに設定され、前記Coの含有量が重量%で5〜15%に設定されたものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
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