JP2006307323A - 硬質皮膜被覆部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体表面から、最下層、中間積層部、最上層とからなる硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部は、金属元素としてAl及びSiを含有し、残部Ti、Cr、Nb、Yから選択される1種以上の金属元素からなる酸窒化物、ホウ酸窒化物、炭酸窒化物からなる少なくとも2層以上の積層部であり、該中間積層部は層厚方向にAl及びSiの含有量が0.5nm以上、50nm未満の周期で変動していることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
【選択図】図1
Description
本願発明の中間積層部のAl及びSiの含有量の最小部と最大部とからなる変動を有し、第1の場合として金属元素のみの原子%で、最小部は35%未満、最大部は35%以上、65%未満であること、又は第2の場合として、最小部は30%以上、70%未満、最大部は70%以上、99%未満であることである。そして第1、第2の何れかの場合であることが好ましい。中間積層部の酸素含有量Xは、非金属元素のみの原子%で、0<X<14であることが好ましい。
中間積層部は、金属元素としてAl及びSiを含有し、残部Ti、Cr、Nb、Yから選択される1種以上の金属元素からなる酸窒化物、ホウ酸窒化物又は炭酸窒化物からなる少なくとも2層以上の積層部であり、該中間積層部内に層厚方向にAl及びSiの含有量が0.5nm以上、50nm未満の周期で変動していることである。この条件を満たす事によって、本願発明の最下層と最上層との硬度、密着性、潤滑性、強度のバランスが最適となる。本願発明の中間積層部において、層厚方向にAl及びSiの含有量が0.5nm以上、50nm未満の周期で変動する場合とは、中間積層部が少なくともAl及びSiを含有する層であり、Al及びSi含有量の多い層と少ない層とが0.5nm以上、50nm未満の周期で交互に積層されることを意味する。これにより、優れた耐熱性並びに硬度を有した状態で積層され、本願発明の最上層の特性を改善することができる。
中間積層部が最上層の特性を更に改善することは、以下に示す第1から第4の機能によって実現される。
第1の機能は、残留圧縮応力の緩和機能である。最上層が極めて高硬度を有する硬質皮膜の場合、最上層は大きな残留応力を有する。そこで中間積層部はその残留圧縮応力の緩和機能により、最上層の剥離を回避し、耐摩耗性の改善に寄与することができる。
第2の機能は、耐熱性を有する機能である。最上層が優れた耐熱性を有する硬質皮膜の場合、その直下の中間積層部も耐熱性を有することによって、最上層の効果を十分に発揮することができる。
第3の機能は、皮膜強度を有する機能である。最上層が優れた潤滑特性を発揮する硬質皮膜の場合、その直下の中間積層部も皮膜強度を有することによって、最上層の効果を十分に発揮することができる。
第4の機能は、密着強度を有する機能である。中間積層部内の組成にAlとSiを必須成分とすることにより、耐熱性並びに皮膜硬度を著しく改善し、更に優れた密着強度を有している。
上記、第1から第4の機能によって、最上層の特性を改善できる。
一方、中間積層部が最下層構成成分と最上層構成成分とを単純に積層しただけの場合、耐摩耗性の改善効果は確認されない。むしろ耐摩耗性は劣化する。例えば、最下層と最上層との共通構成成分がAlとSiであった場合、中間積層部の結晶粒径が著しく微細化され、過剰な応力を有した状態となって耐剥離性に乏しくなる。そこで本願発明は、この欠点を補うための工夫を施している。即ち、中間積層部が金属元素としてAl及びSiを含有し、残部Ti、Cr、Nb、Yから選択される1種以上の金属元素からなる酸窒化物、ホウ酸窒化物、炭酸窒化物からなる少なくとも2層以上の積層部としたのである。この場合、中間積層部内の結晶粒が連続的に成長し易くなる。その結果として、中間積層部の残留圧縮応力の低減を図ることが出来る。また最下層並びに最上層との密着強度にも優れていることを確認した。上記のように、本願発明の最下層と中間積層部とから構成される硬質皮膜を被覆することにより、最上層に、例えば硬度Hが、40GPa≦H≦80GPaの高硬度な硬質皮膜を被覆しても、剥離や異常摩耗を著しく抑制することが可能である。
中間積層部の層厚方向におけるAl及びSiの含有量の最小部と最大部とからなる変動を有し、金属元素のみの原子%で、最小部は30%以上、70%未満、最大部は70%以上、99%未満より構成される場合、特に耐熱性が優れ、残留圧縮応力の低い硬質皮膜となるため好ましい。硬質皮膜被覆部材のなかでも耐剥離性と耐熱性が重視される切削工具として、スクエアエンドミル、ドリルに好適である。ここで、中間積層部の各層の組成は、透過電子顕微鏡(以下、TEMと言う。)による観察並びに各層のエネルギー分散型X線分光分析(以下、EDSと言う。)により確認した。
中間積層部は酸素を含有することによって、耐高温酸化性おび耐摩耗性、並びに密着性を向上させる効果を有する。酸素が結晶粒内より結晶粒界に多く存在するように制御することによって、外部からの皮膜内への酸素の拡散を制御して耐酸化性を改善し、高硬度でありながら残留圧縮応力を低減させ、密着性を改善する。中間積層部の酸素含有量Xが、非金属元素のみの原子%で、0<X<14である場合が好ましい。X値が14%以上の場合は積層部の硬度が低下し、耐摩耗性に乏しくなるからである。この範囲に制御することにより、中間積層部の結晶連続性と残留圧縮応力の低減に有効であり、最下層と中間積層部との層間、中間積層部と最上層との層間や、中間積層部内の層間の密着強度が大幅に改善される。更に、残留圧縮応力の低減に有効であり、最上層の皮膜硬度を一段と高めることができる。ここで、中間積層部の非金属元素の定性分析について、酸素、硼素、炭素、硫黄等の定性分析は、PHI社製1600S型X線光電子分光分析装置を用い、X線源をマグネシウムKα、出力:400Wとし、分析を行った。
最上層は、Ti、Al、Si、Cr、Nb、Y、Moの何れか1種以上の窒化物又は炭窒化物を有する硬質皮膜であることが好ましい。更に、最上層は、金属元素のみの原子%で、Ti含有量をα、Si含有量をβ、Mo含有量をγ、とした時、α≧50、0≦β<40、0≦γ<40、を含有する炭窒化物又は硫窒化物又は硼窒化物が主体であり、層厚が0.01μm以上、3μm未満であることが好ましい。特に、高硬度を有する硬質皮膜の場合は、βを10≦β≦30、の場合が好ましい。また最上層の硬質皮膜が非晶質相を含む場合、更に高硬度を有する硬質皮膜が得られる。潤滑性に優れた硬質皮膜の組合せとしては、Crを最上層に含むことが好ましい。この場合、Crの含有量としては、30%以上含有することが好ましい。最上層の硬度Hが、ナノインデンテーションによる硬度測定において、40GPa≦H≦80GPa未満であることが好ましい。40GPa未満では耐摩耗性の効果が発揮されず、また80GPaを超えると耐剥離性が急激に低下するからである。例えば最上層が切削工具に使用され、特に耐摩耗性の要求される高硬度材の高速切削加工に使用される場合は、優れた耐摩耗性の改善効果を発揮する。最上層は酸素を含有し、最表面から膜厚方向に100nm以内の深さ領域で酸素濃度の最大値を有することが好ましい。これにより、硬質皮膜表面への被加工物の凝着抑制に効果的である。上記範囲における好ましい最上層の組成は、Ti(CN)、(TiSi)N、(TiSi)CN、(TiSi)(BN)、(TiMoSi)(SN)、(TiMo)(SN)、Ti(BN)である。
ナノインデンテーションによる硬度測定により求めた、最上層、中間積層、最下層の夫々の弾性回復率をTR、MR、BRとすると、TR≧MR≧BR関係を満足し、且つ30%≦MR≦38%であることが好ましい。MR値が30%未満となる場合、最上層の皮膜硬度が低下し、耐摩耗性が劣化する場合が確認さる。一方、38%を超える場合、最上層の耐剥離性が低下する場合が確認される。この傾向は、例えば耐摩耗性の要求される高硬度材の高速切削加工に使用される切削工具において顕著である。上記の規定範囲であれば、硬質層全体の強度のバランスが最適となり、耐摩耗性が飛躍的に改善する。
ここで硬質皮膜の硬度、弾性係数TEL、MEL、BEL、の測定方法は、ナノインデンテーションによる硬度測定法により求められる。また、弾性回復率は100−[(接触深さ)/(最大荷重時の最大変位量)]により求められる。接触深さ及び最大荷重時の最大変位量はナノインデンテーション法により求められる(W.C. Oliver and、 G. m. Pharr: J.Mater. Res.、 Vol.7、 NO.6、June1992、pp.1564−1583)。
本願発明の硬質皮膜を物理蒸着法により被覆する場合は、スパッタリング法及び/又はアーク放電式イオンプレーティング(以下、AIPと言う。)法により被覆した硬質皮膜被覆部材は、特に硬質皮膜が高硬度で密着強度に優れ、剥離及び異常摩耗抑制に優れ、本願発明の効果が得られ易い。
上記硬質皮膜をスパッタリング法及び/又はAIP法により被覆し、被覆方法において、硬質皮膜の被覆時に使用する金属製ターゲット材の組成は、最上層被覆用と最下層被覆用とが異なり、中間積層部の被覆時は最上層被覆用のターゲット材を装着した蒸着源と、最下層被覆用のターゲット材を装着した蒸着源とを同時に稼動して被覆することである。この被覆方法を採用することにより、比較的容易に優れた耐摩耗性を発揮することができる硬質皮膜被覆部材を得ることができる。上記被覆方法の1例として、まず最下層の被覆について、最下層構成元素からなる金属製ターゲット1による被覆を行い、次に最上層構成元素からなる金属製ターゲット2による放電を開始し、金属ターゲット1と金属ターゲット2とにより同時に中間積層部を被覆する。次に、金属ターゲット1による被覆を停止し、金属ターゲット2により最上層を被覆するのである。以下、本願発明を実施例に基づいて説明するが、本願発明は実施例に限定されるものではない。
本願発明の硬質皮膜の被覆には、AIP装置を用いた。図2に装置の概略図を示す。図2より、装置構成は、減圧容器3と絶縁された複数のAIP蒸発源4、5、6、7、基体ホルダー8よりなる。蒸発源4から7に硬質皮膜の金属成分となるターゲット1及び2を装着し、各蒸発源に所定の電流を供給してターゲット1及び2上でアーク放電を行い、金属ターゲット成分を蒸発しイオン化させ、減圧容器3と基体ホルダー8との間に負に印加したバイアス電圧により、基体9に被覆した。基体9は回転機構10を有しており、1回転/分から15回転/分の範囲で回転させた。即ち、ターゲット1の前面に基体9が対向した場合にターゲット1を含有した硬質皮膜が被覆され、ターゲット2の前面に基体9が対向した場合にターゲット2を含有した硬質皮膜が被覆される。この時、夫々のターゲット材成分を含有した窒化物を形成する場合は、窒素ガスを導入しながら放電した。ここで、ダーゲット材種はAIP蒸着源毎に夫々設定される。
本願発明の硬質皮膜の特性を評価するために、基体組成が質量%で、Co含有量13.5%、残りWC及び不可避不純物からなる超硬合金とし、JIS規格SNGA432の基体を用いた。この基体を脱脂洗浄し、基体ホルダー8に装填した。減圧容器3に設置された加熱用ヒーターにより、基体は550℃に加熱され、この状態を30分間保持することにより加熱及び脱ガス処理を行った。次に、減圧容器3にArガスを導入し、減圧容器3に設置された熱フィラメントにより、Arのイオン化を行った。基体に印加したバイアス電圧により、基体をArイオンによるクリーニング処理を30分間行った。ここで、硬質皮膜への炭素、酸素、窒素、硼素成分の添加方法は、反応ガスであるN2ガス、CH4ガス、C2H2ガス、Arガス、O2ガス、COガス等から目的の皮膜組成が得られるようにガス種を選択し、被覆工程時に減圧容器3へ導入することによって可能である。また予め金属ターゲットに添加することによっても可能である。
また、上記と同様な製造成膜方法でターゲット材2として、Al75Si25ターゲット材をAIP蒸発源5、7に装着し、被覆した場合を本発明例2とした。
本発明例1、2の中間積層部の層厚、皮膜構造、組成、結晶構造を確認した。
オージェ電子分光(以下、AESと言う。)分析により、マクロ領域における膜厚深さ方向の組成分析と、透過電子顕微鏡(以下、TEMと言う。)によるナノ領域の解析を行った。AES分析によるマクロ領域の膜厚深さ方向の組成分析方法に使用した装置は、PHI社製670Xi型、走査型AES装置であり、加速電圧10kV、試料電流15nA、電子線プローブ径を0.1μm以下に設定し、Arイオン銃により試料をエッチングしながら、マクロ領域の膜厚深さ方向の組成分析を行った。図3に、本発明例1の硬質皮膜について、AES分析によるマクロ領域の膜厚深さ方向の組成分析結果を示す。図3より、本発明例1の中間積層部のSi含有量が層厚方向に異なり、中間積層部に約50nmから100nmの層厚で組成が異なっていた。このような比較的大きな組成の異なる層厚の変化は、成膜装置におけるターゲット配置に影響を受けるものである。本発明例1は表面側になる程Si含有量が多くなっていた。特に本発明において制約するものではないが、本発明を達成するための好ましい構造である。これは、中間積層部の密着強度、硬度、強度の膜厚方向の傾向が、硬質皮膜全体の密着強度、耐摩耗性の改善に有効となるからである。
図4に本発明例1の走査透過電子顕微鏡法(以下、STEMと言う。)による硬質皮膜組織の観察像を示す。STEM像は、組成によるコントラストの相違が明確に現れることから、結晶構造よりも組成の影響を考察することができる。図4より、本発明例1の中間積層部は、数ナノの一定周期構造が確認され、各層の厚みが15nm未満の積層構造となっていた。具体的な積層周期は、約4nmから8nmであることが確認できた。図4中の分析位置1から4に対応した、EDS組成分析結果を表1に示す。
中間積層部の非金属元素である酸素、硼素、炭素、硫黄等の定性分析の測定試料は、本発明例1を用いた。試料の前処理は、最上層をArイオンミーリングにより除去するか、もしくは断面を斜め方向に研摩したものを用いた。分析結果を図9、図10に示す。図9はO1sに相当するピークプロファイルを示し、酸素の含有を確認した。図10は、N1sに相当するピークプロファイルを示し、窒素の含有を確認した。更にピーク強度比より、非金属元素のみの原子%で窒素が88%、酸素が12%であった。
本発明例1の皮膜について、最上層、中間積層部及び最下層の夫々の層のTHA、MHA、BHA、TEL、MEL、BEL、及びTR、MR、BRを各10箇所測定した。測定結果を図11、12に示す。図11及び図12に示すように、縦軸の硬度は、THA≧MHA≧BHAの関係を示した。図11では横軸の弾性係数TEL、MEL、BELは、TEL≦MEL≦BELの関係を示し、図12では横軸の弾性回復率TR、MR、BRが、TR≧MR≧BRの関係を示した。上記の様な場合、硬質皮膜の構造として最適である。この理由は、Si含有皮膜の高硬度化でき、しかも、硬質皮膜の最上層として、剥離や異常摩耗を抑制することが可能となるからである。
実施例1と略同様な手法を用い、表3に示す各種ターゲット材を用いて硬質皮膜を被覆し、皮膜の評価及び、硬質皮膜を切削工具に適用した場合の評価を行った。硬質皮膜の評価結果を表4、5に示し、硬質皮膜を切削工具に適用した場合の評価結果を表6に示した。
(エンドミル性能評価条件)
工具:超硬合金製2枚刃ボールエンドミル
被削材:粉末高速度鋼、HAP40、硬さHRC66
工具回転数:6000回転/分
1刃当りの送り量:0.125mm/刃
軸方向切込み量:0.2mm
ピックフィード:0.2mm
加工方法:乾式切削加工、底面切削、1方向ダウンカット
寿命判定:最大逃げ面摩耗幅が0.1mmに達するまでの切削長
従来例37から46について述べる。従来例による被覆は、従来技術に記載された被覆条件を参考にした。従来例37は、TiNを最下層とし、その上層側に(TiAl)N系皮膜を被覆した場合を示す。従来例38は、(TiAl)N皮膜の単一層の場合を示す。従来例39は、(AlCrSi)N系皮膜の単一層の場合を示す。従来例40は、(TiSi)N系皮膜単一層の場合を示す。従来例41は、(AlSi)N系皮膜単一層の場合を示す。これらの従来例は何れも切削初期に硬質皮膜の剥離が認められ、最大逃げ面摩耗幅は大きくなった。従来例42は、(TiAl)N系皮膜の上層側に(TiSi)N系皮膜を被覆した場合を示す。(TiAl)N系単一層の場合に比べ、耐摩耗性が改善されているものの、約70mで最大逃げ面摩耗幅が0.1mmに達した。従来例43は、(TiAl)N系皮膜の上層側に(TiSi)N系皮膜を被覆した場合を示す。(TiSi)N系皮膜が自己破壊を起こさない程度に負バイアス電圧を高くし、(TiSi)N系皮膜の硬度を向上させた場合である。ボールエンドミルによる耐摩耗性の評価では、従来例42に比べ、硬度向上の効果が確認された。従来例44は、TiNを最下層とし、その上層側に(TiSi)N系皮膜と(TiCr)N系皮膜を積層周期5nmで被覆した積層皮膜の場合を示す。従来例45は、(TiAl)N系の積層皮膜の場合を示す。従来例46は、(TiAlSi)N系皮膜と(TiSi)N系皮膜の積層膜の場合を示す。これらの従来例は何れの場合も、切削長100m前後で、最大逃げ面摩耗幅が0.1mmに達した。
2:被覆用のターゲット材
3:減圧容器
4:蒸発源
5:蒸発源
6:蒸発源
7:蒸発源
8:基体ホルダー
9:基体
10:回転機構
Claims (4)
- 基体表面から、最下層、中間積層部、最上層とからなる硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部は、金属元素としてAl及びSiを含有し、残部Ti、Cr、Nb、Yから選択される1種以上の金属元素からなる酸窒化物、ホウ酸窒化物、炭酸窒化物からなる少なくとも2層以上の積層部であり、該中間積層部は層厚方向にAl及びSiの含有量が0.5nm以上、50nm未満の周期で変動していることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
- 請求項1記載の硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部の層厚方向におけるAl及びSiの含有量は最小部と最大部とからなる変動を有し、金属元素のみの原子%で、該最小部は35%未満、該最大部は35%以上、65%未満であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
- 請求項2記載の硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部の金属元素のみの原子%で、該最小部は30%以上、70%未満、該最大部は70%以上、99%未満であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
- 請求項1乃至3何れかに記載の硬質皮膜被覆部材において、該中間積層部の酸素含有量Xが、非金属元素のみの原子%で、0<X<14であることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
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