JP2008294376A - 熱伝導シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 繊維軸方向の高熱伝導性を有効に利用した熱伝導シートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 基材となるシート体2の少なくとも一主面に、炭素繊維3で構成される熱伝導層4を設けた熱伝導シート1であって、炭素繊維3の繊維軸が前記少なくとも一主面に略垂直となるように設けられている。炭素繊維3は、バインダを予めコーティングしたシート体2表面に、静電気植毛法を利用して植毛され、熱処理してシート体2に固着される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、家電、情報機器、自動車等の車両、船舶、宇宙航空機などの装置内で発生した熱の排出に必要な熱伝導シートおよびその製造方法に関する。
家電、情報機器、自動車等の車両、船舶、宇宙航空機などの装置類は、構造が高度、多岐にわたり、また装置内に多くの部品が搭載されることで、装置内で発生する熱を如何に効率よく排出するかが大きな問題となっている。
装置からの排熱は、装置内で発生した熱をモーターファン、ヒートパイプなどにより強制的に装置外部に排出させる方式が一般に取られていたが、これには種々の理由で排出能力に限界があり、それを解決するために放熱シートが使われるようになってきた。放熱シートには、金属やセラミック系の無機物からなるシートと主として高分子系の有機化合物からなるシートとに大別できる。
金属類のシートとしては、たとえば銅、アルミ等の金属類が用いられる。銅、アルミ等の金属類は熱伝導性は高いが(たとえば銅の熱伝導度は、400W/mK)、空気中への放熱性能は低く、また取り扱いに難点がある。一方、有機製シートは、取り扱いは容易であるが熱伝導度が低く、一般に市販されているようなシートでも1〜2W/mK付近である。有機物組成としてはアクリル樹脂やシリコーン樹脂が多く使われている(特許文献1参照)。
これらに加えて炭素繊維を使用した放熱材も最近開発が進んでいるが、放熱シートとして簡便に使用できるものであって金属に迫るような画期的な熱伝導度を有するものは見出されていない(特許文献2,3参照)。
炭素繊維を使用したシートとしては、たとえば、編織、不織等の布帛に製布したものや、フィルム形態、が考えられる。
炭素繊維の熱伝導性は、繊維軸方向への熱伝導性がよく、繊維径方向の熱伝導性に劣るという異方性を示す。編織、不織等の布帛に製布した場合、このような異方性によって、布帛の厚み方向に対しての熱伝導性が低く、またフィルム状にしても同様現状では炭素繊維の有する繊維軸方向の高い熱伝導性の性質を有効に利用したものはない。
本発明の目的は、繊維軸方向の高熱伝導性を有効に利用した熱伝導シートおよびその製造方法を提供することである。
本発明は、基材となるシート体の少なくとも一主面に、炭素繊維で構成される熱伝導層を設けた熱伝導シートであって、
前記炭素繊維の繊維軸が前記一主面に略垂直となるように設けられていることを特徴とする熱伝導シートである。
前記炭素繊維の繊維軸が前記一主面に略垂直となるように設けられていることを特徴とする熱伝導シートである。
また本発明は、前記炭素繊維は、アスペクト比1〜1000、繊維径10nm〜5mmであることを特徴とする。
また本発明は、前記炭素繊維は、静電気植毛法によって前記シート体の少なくとも一主面に設けられることを特徴とする。
また本発明は、静電気植毛法によって、所定の長さに切断した炭素繊維を、接着剤を塗布したシート体表面に植毛し、接着剤を熱処理して炭素繊維をシート体表面に固着させることを特徴とする熱伝導シートの製造方法である。
本発明によれば、基材となるシート体の少なくとも一主面に、炭素繊維で構成される熱伝導層を設けた熱伝導シートである。前記炭素繊維の繊維軸は、前記一主面に、目的によってはシートの両面に略垂直となるように設けられている。
炭素繊維の繊維軸がシート体の厚み方向に沿うように設けられるので、繊維軸方向の高熱伝導性を有効に利用して厚み方向に熱伝導性が高い熱伝導シートを提供することができる。
また本発明によれば、前記炭素繊維は、繊維長さがアスペクト比1〜1000、繊維径10nm〜5mmであることが好ましい。
繊維径は10nm〜5mmの広範囲にまで適用できるが、アスペクト比が1000を越えると炭素繊維を略垂直に保つことが困難になり、そのため所望する熱伝導性を発揮させることができない。
また本発明によれば、前記炭素繊維は、静電気植毛法によって前記シート体の少なくとも一主面に設けられる。
これにより、炭素繊維の繊維軸を前記一主面に略垂直となるように設けることができる。
また本発明によれば、静電気植毛法によって、所定の長さに切断した炭素繊維を、接着剤を塗布したシート体表面に植毛し、接着剤を熱処理等によって炭素繊維をシート体表面に固着させる。
これにより、炭素繊維の繊維軸が、シート体の表面に略垂直となるように設けることができるので、繊維軸方向の高熱伝導性を有効に利用して厚み方向に熱伝導性が高い熱伝導シートを提供することができる。
図1は、本発明の実施の一形態である熱伝導シート1の構成を示す断面図である。
本発明は、基材となるシート体2の少なくとも一主面に、炭素繊維3で構成される熱伝導層4を設けた熱伝導シート1であって、炭素繊維3の繊維軸が前記一主面に略垂直となるように設けられていることを特徴としている。
本発明は、基材となるシート体2の少なくとも一主面に、炭素繊維3で構成される熱伝導層4を設けた熱伝導シート1であって、炭素繊維3の繊維軸が前記一主面に略垂直となるように設けられていることを特徴としている。
本発明に用いられる基材となるシート体2としては、編織、不織等の布帛、合成樹脂フィルムが挙げられる。
布帛の形態としては特に制限されないが、得られる繊維製品の種々の好ましい特性をさらに向上させることを考慮すると、織物、編物、不織布などが挙げられる。織物としては、たとえば、平織(タフタ)、綾織、朱子織、もじり織、ジャカード織、重ね織などが挙げられる。編物としては、たとえば、天竺編み、フライス編み、スムース編み、鹿の子編み、ツーウェー編み、ハーフ編み、サテン編みなどが挙げられる。不織布としては、たとえば、ニードルパンチ、サーマルボンド、ケミカルボンド、ステッチボンドなどの乾式法、パルプなどの湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、スパンレース法などによって製造される不織布などが挙げられる。
布帛に含まれる繊維としては、合成繊維、天然繊維、再生繊維、半合成繊維などが挙げられる。合成繊維としては特に制限されることはなく、従来の合成繊維をいずれも使用でき、たとえば、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリウレタン系繊維、アクリル系繊維などが挙げられる。天然繊維としては、たとえば、木綿、羊毛、麻などが挙げられる。再生繊維としては、たとえば、レーヨン、キュプラなどが挙げられる。半合成繊維としては、たとえば、アセテート、トリアセテート、プロミックスなどが挙げられる。これらの繊維は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。これらの中でも合成繊維が好ましく、ポリエステル系繊維などが特に好ましい。またさらなる高伝導性付与が必要の場合にはポリアラミド、ポリアリレート、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキゾール)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などの高機能繊維が有効である。
布帛に含まれる繊維の形態としては特に制限されることはなく、たとえば、フィラメント糸、紡績糸、混紡糸、嵩高糸(伸縮性嵩高加工糸、非伸縮性嵩高加工糸など)、中空糸、被覆糸、コアヤーン、複合糸、扁平糸、異形断面糸、スプリット糸、混繊糸などが挙げられる。
たとえば布帛として、ポリエステル系合成繊維を用いた織物、経糸または緯糸の一方にポリエステル系合成繊維を用い、他方に銅線などの金属繊維を用いた織物などを好適に用いることができる。
布帛の目付けは特に制限されることはなく、布帛の形態、布帛を構成する糸の材質、形態などに応じて広い範囲から適宜選択できる。布帛の目付けとしては、たとえば10〜500g/m2程度、好ましくは30〜100g/m2程度である。
合成樹脂フィルムとしては、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、その上記の高機能繊維からなるものなどが挙げられる。
本発明に用いられる炭素繊維3としては、公知のものを使用でき、たとえば、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、気相成長系炭素繊維、および種々なる方法で合成されるナノチューブなどが挙げられる。炭素繊維は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
また、前述の炭素繊維を複数のフィラメントからなるフィラメント糸とし、このフィラメント糸を公知の方法に従って開繊処理した炭素繊維開繊糸を用いることもできる。炭素繊維開繊糸におけるフィラメント数は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は1000〜50000程度、好ましくは12000〜48000程度である。炭素繊維開繊糸の幅の広さは特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、通常はその断面の巾が8〜60mm、好ましくは10〜50mmであり、開繊度(開繊糸断面の厚み/開繊糸断面の巾)が通常0.05以下、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.0005〜0.01である。
炭素繊維3は、シート体2に接着剤によって接着される。
本発明に用いられる接着剤としては、シート体2と炭素繊維3とを接着できるものであれば特に限定されないが、たとえば、アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など、およびこれらの樹脂内に金属、セラミック等の熱伝導性の良好なるものを混合したバインダが挙げられる。コーティングしたバインダのシート体付着量は、たとえば、固形分換算10〜100g/m2が好ましい。
本発明に用いられる接着剤としては、シート体2と炭素繊維3とを接着できるものであれば特に限定されないが、たとえば、アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など、およびこれらの樹脂内に金属、セラミック等の熱伝導性の良好なるものを混合したバインダが挙げられる。コーティングしたバインダのシート体付着量は、たとえば、固形分換算10〜100g/m2が好ましい。
バインダのコーティング方法は、特に限定されないが、たとえばナイフコート法、浸漬法、スプレー法、ロールコート法、捺染方法などが用いられる。
炭素繊維3は、バインダを予めコーティングしたシート体2表面に、静電気植毛法を利用して植毛され、熱処理してシート体2に固着される。
静電気植毛法を利用することで、炭素繊維3をシート体2の少なくとも一主面に、繊維軸が前記一主面に略垂直となるように設けることができる。炭素繊維3は繊維軸方向への熱伝導度が高いので、これにより、厚み方向への熱伝導性を向上した熱伝導シート1を実現することができる。また、接着剤の塗布を点状、線状する方法や、あらかじめ植毛後に水や溶剤で除去できるパイルを炭素繊維パイルに混入することによって、シート体2に植毛された炭素繊維3の面密度も制御することが可能であり、所望の熱伝導度を有する熱伝導シート1を作製することができる。
静電気植毛法は、フロッキー加工法とも呼ばれ、高圧の静電界における静電吸引力を利用し、あらかじめ接着剤を塗布した基材に短繊維を垂直に投錨させるもので、その後接着剤を熱処理させることにより投錨したパイルを固定させ必要な強度を得る加工方法である。通常使用する直流電圧は、2万〜10万Vである。静電気植毛法は、従来公知のフロッキー加工に使用されている植毛機を用いることができる。すなわち高圧電圧電源と均一塗膜形成装置を組み合わせて作られた装置であれば実用可能である。たとえば小型機ではGT80植毛高電圧発生植毛層(株式会社グリーンテクノ製)、キャビンフロッカーKFG800(富士産業株式会社扱い)、CP Plus静電植毛機(栄進空調株式会社製)などが挙げられる。
炭素繊維3の熱伝導度は、繊維長さおよび繊維径によって調整可能であるので、熱伝導シート1として所望の熱伝導度を得られるように、アスペクト比1〜1000、繊維径10nm〜5mmとすることが好ましい。
繊維長さは、たとえばギロチン法で切断したり、乳鉢ですり潰して、所望の長さに揃える。ナノカーボンを使用する場合は、炭素繊維が合成されたままの状態で使用できる。
繊維長さは、たとえばギロチン法で切断したり、乳鉢ですり潰して、所望の長さに揃える。ナノカーボンを使用する場合は、炭素繊維が合成されたままの状態で使用できる。
また、短繊維化された炭素繊維3は、植毛時に分散して飛翔させる必要があるので、超音波処理などの分散処理を施して凝集を防止することが好ましい。
また本発明では、ナノカーボンなどを用いる場合、生成したものそのまま(ナノカーボンメーカー供給形態そのまま)使用する。
なお、パイルを分散飛翔させるには一般にパイルの電気抵抗が10−6〜10−7Ω程度であればよいので、パイルの電気抵抗を当該範囲となるように前処理を行う。
また本発明では、ナノカーボンなどを用いる場合、生成したものそのまま(ナノカーボンメーカー供給形態そのまま)使用する。
なお、パイルを分散飛翔させるには一般にパイルの電気抵抗が10−6〜10−7Ω程度であればよいので、パイルの電気抵抗を当該範囲となるように前処理を行う。
以下では、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
炭素繊維3として、HTA12K(東邦テナックス社製)をギロチン法で長さ1mmに切断し、パイルを調整した。シート体2として、ポリエステル織物(ウーリータフタ、経糸、緯糸ともに75D/36fウーリー糸、目付け57g/m2)の表面にアクリル酸エステル樹脂バインダ(パラクロンME3000、根上工業株式会社製)をナイフコーティングによって、付着量が固形分換算で40g/m2となるようにコーティングした。
(実施例1)
炭素繊維3として、HTA12K(東邦テナックス社製)をギロチン法で長さ1mmに切断し、パイルを調整した。シート体2として、ポリエステル織物(ウーリータフタ、経糸、緯糸ともに75D/36fウーリー糸、目付け57g/m2)の表面にアクリル酸エステル樹脂バインダ(パラクロンME3000、根上工業株式会社製)をナイフコーティングによって、付着量が固形分換算で40g/m2となるようにコーティングした。
これらの炭素繊維3および(以下乾燥前の状態にあるシート2)シート体2を用いて負極電圧50kvの条件で電圧印加し、上記炭素繊維パイルを飛翔、静電気植毛した。次いで、130℃で1分間熱処理して炭素繊維3をシート体2表面に固着させ、本発明の熱伝導シート1を得た。
得られた熱伝導シート1の熱伝導度を、京都電子工業株式会社製KemthermQTM-D3によって測定した。測定結果は、測定器の測定範囲を超える10W/m・K以上を示した。なお、シート2体であるポリエステル織物の熱伝導度は0.3W/m・Kであった。
(実施例2)
炭素繊維3として、ダイヤリードK13A10(三菱化学産資株式会社製)を乳鉢ですり潰し、その後、超音波微分機にかけ、繊維長さが平均100μmの短繊維を調整した。
炭素繊維3として、ダイヤリードK13A10(三菱化学産資株式会社製)を乳鉢ですり潰し、その後、超音波微分機にかけ、繊維長さが平均100μmの短繊維を調整した。
シート体2としては、経糸がポリエステル(20デニール、モノフィラ)、緯糸が銅線(CSX−7A、株式会社フジクラ製)である平織物(目付け70g/m2)に、バインダとしてエポキシ樹脂(EXA‐4850、大日本インキ化学工業株式会社製)をナイフコーティングによって、付着量が固形分換算で20g/m2となるようにコーティングした。
これらの炭素繊維3およびシート体2を用いて負極電圧50kvの条件で電圧印加し、上記炭素繊維パイルを飛翔、静電気植毛した。ついで150℃で3分間熱処理して炭素繊維をシート体2表面に固着させ、本発明の熱伝導シート1を得た。
得られた熱伝導シート1の熱伝導度を、規格ASTM(American Society for Testing and Materials)E1530で測定した結果200W/m・Kであった。
(実施例3)
炭素繊維3として、ダイヤリードK63B12(三菱化学産資株式会社製)をギロチン法で切断し、繊維長さが平均100μmの短繊維を調整した。
炭素繊維3として、ダイヤリードK63B12(三菱化学産資株式会社製)をギロチン法で切断し、繊維長さが平均100μmの短繊維を調整した。
シート体2としては、ポリエステルタフタ(経糸15d/12f、緯糸20D/24f、目付け30g/m2)に銅およびニッケルメッキし、バインダとしてシリコーン樹脂(KE−3490、信越化学工業株式会社製)をナイフコーティングによって、付着量が固形分換算で30g/m2となるようにコーティングした。
これらの炭素繊維3およびシート体2を用いて負極電圧50kvの条件で電圧印加し、上記炭素繊維パイルを飛翔、静電気植毛した。ついで150℃で5分間熱処理して炭素繊維3をシート体2表面に固着させ、本発明の熱伝導シート1を得た。
得られた熱伝導シート1の上に厚さ10μmの塩化ビニリデンフイルムをのせ、京都電子工業株式会社製KemthermQTM-D3によって熱伝導度を測定した。測定結果は、14W/m・Kであった。なお、シート体2であるめっきされたポリエステルタフタの熱伝導度は1.4W/mKであった。
さらに、本実施例の熱伝導シート1は、電磁波遮蔽効果を有し、KEC測定法で、測定し、減衰率が40dB以上(測定周波数10MHz〜1000MHz)であった。
さらに、本実施例の熱伝導シート1は、電磁波遮蔽効果を有し、KEC測定法で、測定し、減衰率が40dB以上(測定周波数10MHz〜1000MHz)であった。
(実施例4)
炭素繊維3として、グラノクヤーンYS80A(日本グラファイト工業株式会社製)を繊維長さ100μmに切断した後、ボールミルで微細化し、パイルを調整した。
炭素繊維3として、グラノクヤーンYS80A(日本グラファイト工業株式会社製)を繊維長さ100μmに切断した後、ボールミルで微細化し、パイルを調整した。
シート体2としては、シリコーン離型紙上に、スコッチウェルドEW2070(登録商標、住友スリーエム株式会社製)をナイフコーティングによって、付着量が固形分換算で40g/m2となるようコーティングした。
これらの炭素繊維3およびシート体2を用いて負極電圧50kvの条件で電圧印加し、上記炭素繊維パイルを飛翔、静電気植毛した。ついで140℃で5分間熱処理して炭素繊維3をシート体2表面に固着させた。得られたシートから離型紙を剥がし、炭素繊維の立毛した熱伝導シート1を得た。
得られた熱伝導シート1の熱伝導度を、京都電子工業株式会社製KemthermQTM-D3によって測定した。測定結果は、測定器の測定範囲を超える10W/m・K以上を示した。測定結果は、1.6W/m・Kであった。
(実施例5)
炭素繊維3として、ピッチ系炭素繊維YS-95(日本グラファイト工業株式会社製)をギロチン法で長さ0.5mmに切断してパイルを調整した。
炭素繊維3として、ピッチ系炭素繊維YS-95(日本グラファイト工業株式会社製)をギロチン法で長さ0.5mmに切断してパイルを調整した。
シート体2としては、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)を液晶紡糸した繊維であるザイロン(登録商標、東洋紡績株式会社製)織物(目付け300g/m2)を使用し、バインダとしてポリゾールF417(昭和電工株式会社製)をナイフコーティングによって、付着量が固形分換算で30g/m2となるようにコーティングした。
これらの炭素繊維3およびシート体2を用いて負極電圧50kvの条件で電圧印加し、上記炭素繊維パイルを飛翔、静電気植毛した。ついで150℃で3分間熱処理して炭素繊維3をシート体2表面に固着させ、本発明の熱伝導シート1を得た。
得られた熱伝導シート1の熱伝導度を、規格JIS R2616で測定した結果200W/mKであった。なお、シート体2であるザイロン織物の熱伝導度は50W/mKであった。また、シートの両面から植毛した場合、熱伝導度の値は片面の場合の1.5倍となった。
(実施例6)
炭素繊維3として、気相法炭素繊維VGCF(昭和電工株式会社製)、繊維径150nm、繊維長8μmのものをそのまま使用した。
炭素繊維3として、気相法炭素繊維VGCF(昭和電工株式会社製)、繊維径150nm、繊維長8μmのものをそのまま使用した。
シート2としては、ポリフェニレンサルファイド繊維(東洋紡株式会社製)織物(目付け200g/m2)を使用し、スコッチウェルドEW2070(登録商標、住友スリーエム株式会社製)をナイフコーティングによって、付着量が固形分換算で30g/m2となるようコーティングした。
これらの炭素繊維3および乾燥前の状態のシート体2を用いて負極電圧50kvの条件で電圧印加し、上記炭素繊維パイルを飛翔、静電気植毛した。ついで150℃で5分間熱処理して炭素繊維3をシート体2表面に固着させ、本発明の熱伝導シート1を得た。
得られた熱伝導シート1の熱伝導度を、京都電子工業株式会社製KemthermQTM-D3によって測定した。測定結果は、測定器の測定範囲を超える10W/m・K以上を示した。植毛前の値は8W/m・Kであった。
以上のように、各実施例において、高い熱伝導性を有する熱伝導シートが得られた。なお、実施例1〜6は何れも熱伝導層の反対側の面から測っても同様な数値となった。
1 熱伝導シート
2 シート体
3 炭素繊維
4 熱伝導層
2 シート体
3 炭素繊維
4 熱伝導層
Claims (4)
- 基材となるシート体の少なくとも一主面に、炭素繊維で構成される熱伝導層を設けた熱伝導シートであって、
前記炭素繊維の繊維軸が前記一主面に略垂直となるように設けられていることを特徴とする熱伝導シート。 - 前記炭素繊維は、アスペクト比1〜1000、繊維径10nm〜5mmであることを特徴とする請求項1記載の熱伝導シート。
- 前記炭素繊維は、静電気植毛法によって前記シート体の一主面に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の熱伝導シート。
- 静電気植毛法によって、所定の長さに切断した炭素繊維を、接着剤を塗布したシート体表面に植毛し、接着剤を熱処理して炭素繊維をシート体表面に固着させることを特徴とする熱伝導シートの製造方法。
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