JP2008293093A - ジンバル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のジンバル装置は、全天空域にわたる正常なペイロードの運用が不可能である。
【解決手段】本発明によるジンバル装置は、目標追尾ループ210,220を構成することで視軸線6が常に目標方向を指向するようにしつつ、AZモータ7とAZ角速度センサ11によりAZジンバル2の角速度を制御するAZ角速度ループ130を構成し、EL相対角度センサ12の出力極性に応じて+1または−1を出力する極性判別器17の出力と、xEL相対角速度センサ13の出力を適切な値に増幅するゲイン増幅器18の出力とを乗算する乗算器22の角速度指令22aを前記AZ角速度ループ130への指令入力とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、全天空域を指向するジンバル装置に関し、目標追尾ループを構成するとともに、第1の角度検出手段の出力の正負を判別する極性判別手段の出力と第2の角度検出手段の出力を増幅する信号増幅手段の出力とを乗算する乗算手段の出力を第1の角速度ループへの指令入力とすることによって、ジンバルロックの発生を防ぎ全天空域にわたる正常なペイロードの運用を可能とする新規な改良に関するものである。
2軸のジンバル装置に可視カメラ、赤外線カメラ、アンテナなど(以後ペイロードと呼ぶ)を取り付けて、全天空域にわたって目標を追尾する場合にジンバルロックと呼ばれる問題が発生する。本発明はこの問題に対する解決策の1つを示すものであるが、発明の内容を明確にするために、まずジンバルロックの発生原因とそれに伴うペイロード運用上の問題点を説明する。
図5はAZ/ELの2軸構造を有するジンバル装置で、固定部1の垂直軸回りに回転するAZジンバル2、AZジンバル2の水平軸周りに回転するELジンバル3、ELジンバル3に固定されたペイロード5、ペイロード5の視軸線6(カメラの視軸、アンテナの鏡軸)より構成されている。
さてこのジンバル装置はAZ/ELジンバル2,3の可動回転角度範囲が±180°以上あれば、手動操作による場合は勿論のこと、角度または角速度ループ制御による場合でも視軸線6を全天空域の任意の方向に指向させることは可能であり、ペイロード5の運用上には何ら問題は発生しない。これはAZ/ELジンバル2,3が相互に影響することなく独立に回転制御されることから明らかである。ところがこのジンバル装置に目標追尾ループを付加した場合、ペイロード5の運用に次のような問題が発生する。
図6は図5のAZ/EL2軸ジンバル装置にAZ/EL目標追尾ループ200,210を付加したものである。図5と同一の要素には同一の符号を付して説明は省略し、信号は破線で示している。AZ/EL角速度センサ11,28はAZ/ELジンバル2,3の角速度を検出し、AZ/EL角速度信号11a,28aを出力する。AZ/ELのサーボ増幅器14,15は減算器19,20の出力を増幅しAZ/ELモータ7,8を駆動する。AZ/ELモータ7,8で駆動されたAZ/ELジンバル2,3の角速度はAZ/EL角速度11,28で検出され、AZ/EL角速度ループ100,110が構成される。一方追尾制御器27はペイロード情報から視軸線6に直角で目標25の位置に仮想した2軸直交座標系O−XY26上での目標座標(Δx,Δy)を算出し、AZ/EL追尾誤差信号27a,27eに変換して出力する。この結果AZ/EL角速度ループ100,110と、追尾制御器27、AZ/EL追尾誤差信号27a,27eによってAZ/EL目標追尾ループ200,210が構成される。AZ/EL目標追尾ループ200,210はAZ/EL追尾誤差信号27a,27eが0に収束するようなループ極性に設定されるので、たとえ目標25が如何なる運動をしようとも視軸線6を常に目標25に指向させるように動作する。
しかしながらこのような目標追尾動作は、目標25が天頂方向にいる場合次のような問題を発生する。いま目標25が図7に示す座標系O−XYZ内を、高度ZでY軸に平行に直線運動しているものとし、目標のXY座標面への投影点(X,Y−Vt)とX軸のなす角度をαとすれば、原点Oから見た目標の横方向角速度Vαは下記の式(1)のように表すことができる。
Vα=−(XV)/{X +(Y−Vt)} (1)
ただし、(X,Y)は目標25の初期位置座標であり、Vは目標速度であり、tは時間である。
そしてこの横方向角速度Vαは、目標25がX軸上空を通過する時に下記の式(2)に示す最大値Vαmaxとなる。
Vαmax=−V/X (2)
この目標を原点Oに置いたジンバル装置で追尾する場合、AZジンバル2には当然ながら(2)式に相当する最大角速度が要求される。ところが(2)式は、目標運動軌跡が天頂方向に近ければ近いほどXが0に近づき、限りなく大きくなってしまう。したがってAZ/ELの2軸ジンバル装置ではこの目標を追尾することは不可能になる。
このような問題を一般にジンバルロックと呼んでいる。ジンバルロックは、視軸線6とAZジンバル2(正確には外側ジンバル)の回転軸の方向が一致した場合に発生するので、2軸ジンバルの構造ではこの問題を回避することはできない。たとえばAZ/EL型ジンバルの代わりにX/Y型ジンバルを使って天頂方向のジンバルロックを回避したとしても、今度は水平方向で視軸線6とXジンバルの回転軸の方向が一致し、やはりジンバルロックが発生してしまう。これはX/Y型ジンバルが単にAZ/EL型ジンバルを横に90°倒したものに過ぎないことからも明らかである。
以上の理由から2軸ジンバルでは如何なる構造を採用したとしても、いずれかの方向で必ずジンバルロックが発生し、全天空域にわたる正常なペイロードの運用は不可能であることが結論される。
ジンバルロックの対策としては既に幾つかの方法が提案されていて、代表的なものとして下記特許文献1〜3がある。
特開平7−202541号公報(3軸制御空中線装置) 特開平11−308604号公報(ジンバル制御装置) 特開2006−106910号公報(ジンバル装置)
これら文献ではジンバルロックを回避するためにいずれも3軸構造のジンバルを採用している点共通しているが、その制御方法にそれぞれ特徴がある。
まず文献1は地上設置型のジンバル装置に関するもので、従来のAZ/EL2軸ジンバルにxELを付加して3軸ジンバルとし、天空域を2つの領域に分けて低俯角域ではAZ/ELの2軸ジンバルで、天頂を含む高俯角域ではEL/xELの2軸ジンバル(上記X/Yジンバルと等価になる)で目標追尾を行うことでジンバルロックを回避している。
また文献2は基本的には文献1と類似の手法に拠っているが、文献1のジンバル装置にさらに空間安定化機能を付加して、航空機、船舶等の移動体上での運用をも可能にしている。
さらに文献3は文献1、2の低俯角、高俯角の領域切り替えによる追尾性能の劣化の問題点を改良するために、新たに考案したソフトウエアアルゴリズムにより3軸へ最適な角速度指令を配分する手法で、全天空域の連続的な目標追尾を可能にしている。
しかしながら本発明が想定している、移動体上から全天空域にわたって運動する目標を連続的に追尾する分野にこれらの手法を適用しようとする場合、依然として以下の課題が残る。
まず文献1は、高俯角域ではEL/xELの2軸ジンバルで目標を追尾し、追尾の結果で定まる視軸線の方向から指向すべきAZジンバルの方向角を時々刻々計算し、その方向にAZジンバルを指向させることでジンバルロックを回避するとしている。しかしながらこの手法で確かに天頂を通過する目標の追尾は可能であるが、そのときのAZジンバルの方向角が実は計算できない。事実、文献1の(6)式に示される方向角計算式では(tanθ)×(tanθ)の計算を行うが、視軸線が天頂方向を指向したθ=90°,θ=0°のとき、あるいはθ,θがその方向に近づいたときには、この計算項の計算が不能、あるいは計算できたとしても計算精度が大幅に劣化する。ジンバルロックとは本来天頂方向を指向したときの視軸線の方向角が不定になることと等価であったことを考えればこれは当然の結果である。したがってこの手法では、視軸線が天頂付近を指向したときにはAZジンバルの指向方向を定めることができない。
これに対して文献2は文献1と類似の手法を採っているが、視軸線の方向を常に監視し、もしも視軸線があらかじめ設定した天頂域に入った場合はAZジンバルをその位置で停止させることで文献1の問題を解決しようとしている。
しかしながらAZジンバルを停止させてしまうことでこの手法には別の問題が発生する。すなわちEL/xELの2軸ジンバルで天頂方向目標を追尾する場合、移動体が水平姿勢である時にはEL/xELジンバルの固定側に対して必要な相対角度可動範囲は目標の速度に応じて最大でも±5°程度でよいが、移動体の動揺によって固定部が空間内で傾斜した時には、視軸線の空間安定化動作によってその傾斜角度分が相対角度可動範囲に加算される。すなわちEL/xELジンバルは(目標の追尾に必要な相対角度)+(固定部が受ける空間傾斜角度に相当する相対角度)の可動範囲が必要である。一方AZ/EL/xELの3軸ジンバル装置では、構造上の制約から最も内部にあるxELジンバルの相対角可動範囲は±20°以下程度に制限されてしまうのが通例である(構造上の制約については文献3に具体的な説明がされている)。したがってこの3軸ジンバル装置のxELは、目標の追尾に必要な角度およそ±5°程度を差し引けば固定部の許容空間傾斜角が高々±15°程度しかないことになる。これはこのジンバル装置の天頂方向での運用条件を大きく制約してしまうものと言わざるを得ない。
これに対して文献3では、「2つの自由度で定まる視軸線方向を実現する3つのジンバル角度の組み合わせは無数にあるので、その中から適切な組み合わせ、すなわち目標を追尾しつつxEL角度が規定値(例えば±15°)以下となる1つの組み合わせを選ぶことが可能である」という基本原理に基づいて、3つのジンバル角度を選ぶアルゴリズムを考案して文献2の問題を解決しようとしている。その一例として実際に目標を運動させ、上記アルゴリズムによって得られたジンバル角度、追尾速度のシミュレーション動作データが示されている。
しかしながらここで示されている目標運動は緩やかな直線運動の場合であって、特にジンバルロックが発生する天頂付近を任意に通過する目標に対しての状況、とくに本願の図7で述べたAZジンバルの最大追尾速度、そのときの追尾誤差はどのようになるかなどが述べられていない。
本発明はこのような課題を解決し、ジンバルロックを発生することなく全天空域にわたる連続的な目標追尾が可能なジンバル装置を提供するものである。
本発明に係るジンバル装置は、固定部に支持され、前記固定部の垂直軸回りに回転する第1のジンバルと、前記第1のジンバルに支持され、前記第1のジンバルの回転軸に直交する軸回りに回転する第2のジンバルと、前記第2のジンバルに支持され、前記第2のジンバルの回転軸に直交する軸回りに回転する第3のジンバルと、前記第3のジンバルに固定されたペイロードと、前記第1のジンバルを駆動する第1の駆動手段と、前記第2のジンバルを駆動する第2の駆動手段と、前記第3のジンバルを駆動する第3の駆動手段と、前記第1のジンバルの角速度を検出する第1の角速度検出手段と、前記第2のジンバルの角速度を検出する第2の角速度検出手段と、前記第3のジンバルの角速度を検出する第3の角速度検出手段と、前記第2のジンバルの前記第1のジンバルに対する相対角度を検出する第1の角度検出手段と、前記第3のジンバルの前記第2のジンバルに対する相対角度を検出する第2の角度検出手段と、前記第1の角度検出手段の出力の正負を判別する極性判別手段と、前記第2の角度検出手段の出力を増幅する信号増幅手段と、前記極性判別手段と前記信号増幅手段の出力を乗算する乗算手段と、前記ペイロードからの目標情報を得る追尾制御手段とを備え、前記第1の駆動手段と前記第1の角速度検出手段により前記第1のジンバルの角速度を制御する第1角速度ループを構成し、前記第2及び第3の駆動手段と前記第2及び第3の角速度検出手段とにより前記第2及び第3のジンバルの角速度を制御する第2及び第3の角速度ループを構成するとともに、前記追尾制御手段で算出した目標追尾誤差信号を前記第2、第3の角速度ループへの指令入力とする目標追尾ループを構成し、前記乗算手段の出力を前記第1の角速度ループへの指令入力とする構成である。
本発明のジンバル装置によれば、乗算手段の出力を第1の角速度ループへの指令入力とすることによって、第2のジンバルに対する第3のジンバルの相対角度を常に0に保つことができる。その結果、視軸線と第2のジンバルの回転軸方向が一致するジンバルロックを防ぐことができ、全天空域にわたる正常なペイロードの運用を可能にすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態に係るジンバル装置を示す構成図である。なお、従来のジンバル装置と同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明するとともに、信号は破線で示す。図において、1は固定部、2は固定部1の垂直軸回りに回転するAZジンバル(第1のジンバル)、3はAZジンバル2の水平軸回りに回転するELジンバル(第2のジンバル)、4はELジンバル3の水平軸回りに回転するxELジンバル(第3のジンバル)で、これらがジンバル装置の3軸の回転機構を構成している。5はxELジンバル4に固定されたペイロード、6はペイロード5の視軸線で3軸ジンバル2〜4の回転により天空域任意の方向を指向する。7はAZモータ(第1の駆動手段)、8はELモータ(第2の駆動手段)、9はxELモータ(第3の駆動手段)で、駆動電流に応じて各ジンバル2〜4を回転させるトルクを発生する。11はAZ角速度センサ(第1の角速度検出手段)で、AZジンバル2の角速度を検出する。28はEL角速度センサ(第2の角速度検出手段)で、ELジンバル3の角速度を検出する。29はxEL角速度センサ(第3の角速度検出手段)で、xELジンバル4の角速度を検出する。12はEL相対角度センサ(第1の角度検出手段)で、ELジンバル3のAZジンバル2に対する相対角度を検出する。13はxEL相対角度センサ(第2の角度検出手段)で、xELジンバル4のELジンバル3に対する相対角度を検出する。14はAZサーボ増幅器、15はELサーボ増幅器、16はxELサーボ増幅器で、対応するモータに駆動電流を供給する。17は極性判別器(極性判別手段)で、EL相対角度センサ12の出力極性に応じて+1または−1を出力する。18はゲイン増幅器(信号増幅手段)でxEL相対角速度センサ13の出力を適切な値に増幅する。19、20、21は減算器で、2つの入力の差を出力する。22はxEL相対角度センサ13と極性判別器17の出力を乗算する乗算器(乗算手段)で角速度指令22aを出力する。25は追尾する目標である。26は追尾制御器27内に作られる仮想の直交座標系O−XYで、原点Oが視軸線6上にあって目標25がXY面上に載る位置にあり、座標軸YがxELジンバル4の回転軸に平行になる向きである。27は追尾制御器(追尾制御手段)で、ペイロード情報から直交座標系O−XY26上での目標25の座標値(Δx、Δy)を算出し、xEL/ELの追尾誤差信号27x,27eに変換(Δx、Δyをペイロード5から原点Oまでの視軸線6の長さで割り、適切な定数を掛ける)して出力する。出力された追尾誤差信号27x,27eは指令入力として減算器20,21に入力される。
次に全体の動作について説明する。全体は3つのループから構成され、1つは減算器20、ELサーボ増幅器15、ELモータ8、ELジンバル3、EL角速度センサ28で構成されるEL角速度ループ110と、ペイロード5、目標座標値Δy、EL追尾誤差信号27eで構成されるEL目標追尾ループ210、他の1つは減算器21、xELサーボ増幅器16、xELモータ9、xELジンバル4、xEL角速度センサ29で構成されるxEL角速度ループ120と、ペイロード5、目標座標値Δx、xEL追尾誤差信号27xで構成されるxEL目標追尾ループ220、さらに他の1つは減算器19、AZサーボ増幅器14、AZモータ9、AZ角速度センサ11で構成されるAZ角速度ループ130と、ELジンバル3、xELジンバル4、EL相対角度センサ12、xEL相対角度センサ13、極性判別器17、ゲイン増幅器18、乗算器22で構成されるAZ角度追従ループ230である。
これらのループのうち、EL/xEL目標追尾ループ210,220は視軸線6を常に目標方向に追尾させる機能を担うが、その動作は図6で説明したAZ/EL2軸ジンバル装置のAZ/EL目標追尾ループ200,210と全く同様なので説明は省略する。
一方AZ角度追従ループ230は次のように動作する。まずxELジンバル4の0位置からの左右の傾きに応じて、乗算器22から±1×(xELジンバル4の相対角度)×(ゲイン増幅器18のゲイン)をAZ角速度ループ130への角速度指令22aとして出力する。AZ角速度ループ130はこの指令を受けて、その大きさと極性に応じた角速度でAZジンバル2を回転させる。この結果AZ角度追従ループ230は、角速度指令22aが0に収束する、すなわちxELジンバル4の相対角度が0に収束するループ極性に設定されるので、xELジンバル4の傾きに応じてAZジンバル2を回転させながら、xELジンバル4の相対角度が0になるAZジンバル2の位置を見つけ、その位置にAZジンバル2を停止させる。
AZ角度追従ループ230がこのように動作する理由は前述した基本原理、すなわち「慣性空間上の視軸線の指向方向は2つの自由度で決定されるのに対し、3軸ジンバルは3つの自由度を持っている。したがって視軸線の指向方向を決定するAZ/EL/xELの3つのジンバル相対角度の無数の組み合わせの中に、xELジンバルの相対角が0である組み合わせが必ず1つ存在する」に基づいている。
すなわち図1の構成ではEL/xEL目標追尾ループ210,220の働きにより、AZジンバル2がどのように回転しようとも視軸線6の指向方向が変わることはない。したがってAZ角度追従ループ230はこの基本原理に基づく動作が可能となって、3つのジンバル相対角度の中から自動的に1つの組み合わせを選択することができる。もしもAZジンバル2の回転によって視軸線6の指向方向が変わってしまえば、AZ角度追従ループ230はその組み合わせを見つけることができず、AZジンバル2をいつまでも回し続けてしまうことになる。なおELジンバル3が0位置に対して反転した場合(EL相対角度の符号が反転)、AZ角度追従ループ230のループ極性も同時に反転してしまう。極性判別器17はこれを防止するためのもので、ELジンバル3の正負の位置に応じて+1、または−1を出力し、ゲイン増幅器18の出力に乗算してループ極性を一定に保持している。したがってこのジンバル装置はELジンバル3が正負のいかなる位置にあっても上記説明と同様に動作することができる。
このようにしてこのジンバル装置では、AZ角度追従ループ230がxELジンバル4の相対角度を常に0に保つように動作するので、視軸線6とELジンバル3の回転軸方向が一致することは決して起こり得ない。したがって視軸線6をいかなる方向に指向させようともジンバルロックが発生することはなく、xELジンバル4の相対角可動範囲の制約問題も同時に解決される。
なお上述したAZ角度追従ループ230の動作の中で、視軸線6の方向がAZジンバル2の回転軸方向と一致した場合(EL/xELジンバル3,4の相対角度がいずれも0の場合)には唯一の例外動作が起こる。この場合は視軸線6の指向方向を決定するAZジンバル2の位置は任意でよいので、AZ角度追従ループ230はAZジンバル2の位置を定めることができない。しかしながらこのときxELジンバル4の相対角度は0であるのでAZ角度追従ループ230は動作を停止し、AZジンバル2を単にその位置に停止させればよい。したがってこの例外動作も装置の運用に何ら問題を起こすことはない。
このようにしてこの実施の形態のジンバル装置は、目標位置が天頂方向であるか否かに関わらず全天空域にわたって連続的に目標を追尾することができる。
なお以上の実施の形態は請求項の内容を具体的に説明するために示したもので、本発明の請求範囲をこれに限定するものではない。たとえばジンバルの構成順をAZ、EL、xELとして説明したが、各ジンバルとそれを支えるジンバルの回転軸が直交していればこの順は任意でよい。また極性判別器、ゲイン増幅器、乗算器を単一機能の回路として説明したが、これらの回路に装置の性能を向上させるための機能、たとえばフイルタ回路、飽和回路、不感帯回路、変化率制限回路などを複合的に付加させてもよい。またこれらの回路をハードウエア、あるいはソフトウエアいずれで実現することも可能であることは言うまでもない。
図2〜4にコンピュータによるシミュレーション動作データを示す。図2は水平方向を正弦波状に上下運動しながら右に移動する目標、図3は天頂方向を正弦波状に往復しながら右に旋回する目標、図4は一定高度を左方向から右方向に天頂付近を直線状に通過する目標(図7で示した運動で、X=10、Y=5000、Z=1500、V=1000の場合に相当)を追尾している場合を示し、いずれも上段は運動する目標の方向角(alpha)と仰角(beta)、中段は各ジンバルの相対角度、下段は追尾誤差である。
いずれのデータも、上記実施例が全天空域にわたってジンバルロックを起こすことなく、xELジンバル4の相対角度の小さな範囲内で正常かつ良好に動作していることを示している。
本発明の実施の形態によるジンバル装置を示す構成図である。 図1のジンバル装置において水平方向に運動する目標の追尾を示すシミュレーション動作データである。 図1のジンバル装置において天頂方向で往復運動する目標の追尾を示すシミュレーション動作データである。 図1のジンバル装置において天頂方向で直線運動する目標の追尾を示すシミュレーション動作データである。 従来のAZ/EL2軸ジンバル装置を示す構成図である。 図5のジンバル装置に目標追尾ループを付加した状態を示す構成図である。 図6の目標が直線運動するときの軌跡を示す説明図である。
符号の説明
1 固定部、2 AZジンバル(第1のジンバル)、3 ELジンバル(第2のジンバル)、4 xELジンバル(第3のジンバル)、5 ペイロード、6 視軸線、7 AZモータ(第1の駆動手段)、8 ELモータ(第2の駆動手段)、9 xELモータ(第3の駆動手段)、11 AZ角速度センサ(第1の角速度検出手段)、11a AZ角速度信号、12 EL相対角度センサ(第1の角度検出手段)、13 xEL相対角度センサ(第2の角度検出手段)、14 AZサーボ増幅器、15 ELサーボ増幅器、16 xELサーボ増幅器、17 極性判別器(極性判別手段)、18 ゲイン増幅器(信号増幅手段)、19〜21 減算器、22 乗算器(乗算手段)、22a 角速度指令、23 EL指令入力、24 xEL指令入力、25 目標、26 直交座標系O−XY、27 追尾制御器(追尾制御手段)、28 EL角速度センサ(第2の角速度検出手段)、29 xEL角速度センサ(第3の角速度検出手段)、110 EL角速度ループ(第2の角速度ループ)、120 xEL角速度ループ(第3の角速度ループ)、130 AZ角速度ループ(第1の角速度ループ)、210 EL目標追尾ループ、220 xEL目標追尾ループ、230 AZ角度追従ループ

Claims (1)

  1. 固定部(1)に支持され、前記固定部(1)の垂直軸回りに回転する第1のジンバル(2)と、
    前記第1のジンバル(2)に支持され、前記第1のジンバル(2)の回転軸に直交する軸回りに回転する第2のジンバル(3)と、
    前記第2のジンバル(2)に支持され、前記第2のジンバル(2)の回転軸に直交する軸回りに回転する第3のジンバル(4)と、
    前記第3のジンバル(4)に固定されたペイロード(5)と、
    前記第1のジンバル(2)を駆動する第1の駆動手段(7)と、
    前記第2のジンバル(3)を駆動する第2の駆動手段(8)と、
    前記第3のジンバル(4)を駆動する第3の駆動手段(9)と、
    前記第1のジンバル(2)の角速度を検出する第1の角速度検出手段(11)と、
    前記第2のジンバル(3)の角速度を検出する第2の角速度検出手段(28)と、
    前記第3のジンバル(4)の角速度を検出する第3の角速度検出手段(29)と、
    前記第2のジンバル(3)の前記第1のジンバル(2)に対する相対角度を検出する第1の角度検出手段(12)と、
    前記第3のジンバル(4)の前記第2のジンバル(3)に対する相対角度を検出する第2の角度検出手段(13)と、
    前記第1の角度検出手段(12)の出力の正負を判別する極性判別手段(17)と、
    前記第2の角度検出手段(13)の出力を増幅する信号増幅手段(18)と、
    前記極性判別手段(17)と前記信号増幅手段(18)の出力を乗算する乗算手段(22)と、
    前記ペイロード(5)からの目標情報を得る追尾制御手段(27)と
    を備え、
    前記第2及び第3の駆動手段(8,9)と前記第2及び第3の角速度検出手段(28,29)とにより前記第2及び第3のジンバル(3,4)の角速度を制御する第2及び第3の角速度ループ(110,120)を構成するとともに、前記追尾制御手段(27)で算出した目標追尾誤差信号(27e,27x)を前記第2、第3の角速度ループへの指令入力とする目標追尾ループ(210,220)を構成し、
    前記第1の駆動手段(7)と前記角速度検出手段(11)により前記第1のジンバル(2)の角速度を制御する第1の角速度ループ(130)を構成し、前記乗算手段(22)の出力(22a)を前記第1の角速度ループ(130)への指令入力とすることを特徴とするジンバル装置。
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