JP3548733B2 - 監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定領域を撮像手段で撮像して監視するための監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
監視カメラを用いて所定領域を撮像し、得られた画像に基づいて所定領域を監視する装置がある。この監視装置を、移動体に搭載して用いる場合には、カメラが振動および揺動し、または移動に伴う空気力の影響を受けて光軸ぶれが生じることを防ぐために、一重ジンバル構造の安定手段が用いられ、この安定手段によって照射手段を支持するとともに、この照射手段に監視カメラを連結している。このように照射手段を設けることによって、夜間の撮像を可能にするとともに、安定手段を組み込むことによって、得られた画像を見やすくし、移動体から所定領域を撮像して監視することができるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の監視装置では、安定手段が一重ジンバル構造であり、監視カメラの光軸ぶれの抑制に限界がある。遠距離の領域を監視するためには、望遠レンズを用いる必要があるが、望遠レンズを用いると光軸ぶれの影響が大きくなるので、従来の監視装置では、遠距離の領域を監視することができない。また夜間の監視においては、照射手段の光軸ぶれも抑制して、所定領域に確実に照射する必要があるけれども、監視カメラと同様に光軸ぶれの抑制に限界があり、遠距離の領域への照射が困難になるだけでなく、中近距離の領域の監視であっても、その領域への照射が困難である。照射手段の場合、光軸ぶれを生じても画像の歪みを生じることがないので、照射角度が大きい照射手段を用いればよいが、このような照射手段は、大電力が必要であるうえ、大形になってしまう。
【0004】
本発明の目的は、遠距離の領域の監視が可能であり、小電力の照射手段で夜間の監視が可能な監視装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)基台と、
(b)撮像手段と、
(c)撮像手段を角変位駆動するインナジンバル部、インナジンバル部を角変位駆動するアウタジンバル部、撮像手段の角速度である撮像角速度を検出する撮像角速度検出手段、アウタジンバル部に対するインナジンバル部の相対角度であるインナ角度を検出するインナ角度検出手段および基台に対するアウタジンバル部の相対角度であるアウタ角度を検出するアウタ角度検出手段を有し、撮像手段の撮像方向が撮像すべき目標方向に一致するように撮像手段を角変位駆動する撮像手段用安定手段であって、
(c1)インナジンバル部は、撮像手段が設けられ、前記目標方向を変更するための撮像手段の角速度である指令撮像角速度と角速度検出手段によって検出される撮像角速度との偏差が0になるように、撮像方向と交差しかつ相互に垂直なインナピッチ軸およびインナヨー軸まわりに、撮像手段を角変位駆動し、
(c2)アウタジンバル部は、基台に設けられるとともにインナジンバル部が設けられ、アウタジンバル部に対する撮像手段の相対角度を指令する指令相対角度とインナ角度検出手段によって検出されるインナ角度との偏差が0になるように、撮像方向と交差しかつ相互に垂直なアウタピッチ軸およびアウタヨー軸まわりにインナジンバル部に追従して角変位する撮像手段用安定手段と、
(d)照射手段と、
(e)インナ角度およびアウタ角度を加算して、撮像方向を表す基台に対する撮像手段の相対角度である撮像角度を演算する撮像方向演算手段と、
(f)照射手段の角速度である照射角速度を検出する照射角速度検出手段および照射方向を表す基台に対する照射手段の相対角度である照射角度を検出する照射角度検出手段を有し、照射手段が設けられるとともに基台に設けられ、照射手段の照射角度が撮像方向演算手段によって演算される撮像角度と一致するように、照射手段を角変位駆動する照射手段用安定手段であって、
(f1)撮像方向演算手段によって演算される撮像角度と照射角度検出手段によって検出される照射角度との偏差が0になるように、照射方向と交差しかつ相互に垂直な照射ピッチ軸および照射ヨー軸まわりに照射手段を角変位させる角速度である指令照射角速度を演算し、
(f2)指令照射角速度と照射角速度検出手段によって検出される照射角速度との偏差が0となるように、照射手段を角変位駆動する撮像手段用安定手段とを含むことを特徴とする監視装置である。
【0006】
本発明に従えば、撮像手段が設けられる撮像手段用安定手段は、インナジンバル部とアウタジンバル部とを有する2重ジンバル機構を有し、インナジンバル部によって撮像手段を角変位駆動し、アウタジンバル部がインナジンバル部に追従して角変位する。インナジンバル部は、撮像手段の角速度をフィードバックする制御ループを形成して、指令撮像角速度と検出される撮像角速度との偏差が0になるように、撮像手段を角変位駆動する。アウタジンバル部は、指令相対角度と検出されるインナ角度との偏差が0になるように、インナジンバル部に追従して角変位する。このようにして撮像手段の撮像方向が撮像すべき目標方向と一致するように、撮像手段が角変位駆動される。これによって監視装置に外力が作用するなど、撮像方向が変化してしまうような外的要因の影響を受けても、その影響が撮像手段に伝わって、撮像方向が不所望に変化してしまうことを、インナジンバル部およびアウタジンバル部を有する撮像手段用安定手段による抑制制御によって、高精度に抑制し、撮像手段を安定させることができる。しかもインナジンバル部およびアウタジンバル部は、相互に独立した制御ループで個別に制御するのではなく、相互に関連付けられる制御ループで制御し、上記高精度の抑制を確実に達成することができる。さらにインナジンバル部でレートループを形成してインナジンバル部を制御しながら、アウタジンバル部をインナジンバル部に追従させる制御ループを構成するので、単に相互の関連性を持たせるだけでなく、インナジンバル部およびアウタジンバル部に安定制御の負荷を分配することができ、いずれかに安定制御の大きな負荷がかかることが防止される制御ループであって、かつ簡単な制御ループを実現できる。したがって簡単な制御ループで制御負荷を各ジンバル部に分配して、高精度な制御を実現できる。
また撮像方向演算手段が設けられ、撮像手段用安定手段によって安定された撮像手段の撮像方向を表す撮像角度が検出され、照射手段用安定手段によって、照射手段の照射方向が実際の撮像方向に一致するように、照射手段が角変位駆動される。このように撮像手段と無関係に照射手段の安定制御をするのではなく、撮像手段の実際の撮像方向に関連付けて照射手段を安定制御している。したがって上述のような外的要因に対して、単に照射方向の変化を抑制するのではなく、高精度に制御される撮像手段の撮像方向を追尾して、撮像方向に対する照射方向のずれを小さく抑えることができる。さらに照射手段用安定手段は、照射手段の角速度をフィードバックする制御ループを形成して、指令照射角速度と検出される照射角速度との偏差が0になるように、照射手段を角変位駆動する。これによって照射方向の撮像方向に対する追従性を高くすることができる。
【0007】
また本発明は、(a)基台と、
(b)撮像手段と、
(c)撮像手段を角変位駆動するインナジンバル部、インナジンバル部を角変位駆動するアウタジンバル部、撮像手段の角速度である撮像角速度を検出する撮像角速度検出手段およびアウタジンバル部に対するインナジンバル部の相対角度であるインナ角度を検出するインナ角度検出手段を有し、撮像手段の撮像方向が撮像すべき目標方向に一致するように撮像手段を角変位駆動する撮像手段用安定手段であって、
(c1)インナジンバル部は、撮像手段が設けられ、前記目標方向を変更するための撮像手段の角速度である指令撮像角速度と角速度検出手段によって検出される撮像角速度との偏差が0になるように、撮像方向と交差しかつ相互に垂直なインナピッチ軸およびインナヨー軸まわりに、撮像手段を角変位駆動し、
(c2)アウタジンバル部は、基台に設けられるとともにインナジンバル部が設けられ、アウタジンバル部に対する撮像手段の相対角度を指令する指令相対角度とインナ角度検出手段によって検出されるインナ角度との偏差が0になるように、撮像方向と交差しかつ相互に垂直なアウタピッチ軸およびアウタヨー軸まわりにインナジンバル部に追従して角変位する撮像手段用安定手段と、
(d)アウタジンバル部に設けられ、撮像手段とともにアウタジンバル部によって角変位駆動される照射手段とを含むことを特徴とする監視装置である。
【0008】
本発明に従えば、撮像手段が設けられる安定手段は、インナジンバル部とアウタジンバル部とを有する2重ジンバル機構を有し、インナジンバル部によって撮像手段を角変位駆動し、アウタジンバル部がインナジンバル部に追従して角変位する。インナジンバル部は、撮像手段の角速度をフィードバックする制御ループを形成して、指令撮像角速度と検出される撮像角速度との偏差が0になるように、撮像手段を角変位駆動する。アウタジンバル部は、指令相対角度と検出されるインナ角度との偏差が0になるように、インナジンバル部に追従して角変位する。このようにして撮像手段の撮像方向が撮像すべき目標方向と一致するように、撮像手段が角変位駆動される。これによって監視装置に外力が作用するなど、撮像方向が変化してしまうような外的要因の影響を受けても、その影響が撮像手段に伝わって、撮像方向が不所望に変化してしまうことを、インナジンバル部およびアウタジンバル部を有する撮像手段用安定手段による抑制制御によって、高精度に抑制し、撮像手段を安定させることができる。しかもインナジンバル部およびアウタジンバル部は、相互に独立した制御ループで個別に制御するのではなく、相互に関連付けられる制御ループで制御し、上記高精度の抑制を確実に達成することができる。さらにインナジンバル部でレートループを形成してインナジンバル部を制御しながら、アウタジンバル部をインナジンバル部に追従させる制御ループを構成するので、単に相互の関連性を持たせるだけでなく、インナジンバル部およびアウタジンバル部に安定制御の負荷を分配することができ、いずれかに安定制御の大きな負荷がかかることが防止される制御ループであって、かつ簡単な制御ループを実現できる。したがって簡単な制御ループで制御負荷を各ジンバル部に分配して、高精度な制御を実現できる。
またこのように撮像手段を安定させる安定手段のアウタジンバル部に、照射手段が設けられ、アウタジンバル部によって、撮像手段とともに角変位駆動される。これによって安定手段で撮像手段が安定制御されると、これに伴って照射手段も安定制御される。したがって照射手段が撮像方向に関連付けられて安定制御され、高精度に制御される撮像方向を追尾する状態で安定制御され、撮像方向に対する照射方向のずれを小さく抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である監視装置1を簡略化して示す斜視図である。監視装置1は、高精度光軸ぶれ防止機能付サーチライト連動形の近赤外線カメラ監視装置であって、昼夜間のカメラによる画像に基づいて行う監視活動、特に、船舶、自動車および鉄道車両などの車両ならびに航空機を含む移動体に搭載して行う監視活動に、好適に用いることができる。さらに具体的には、たとえば船舶に搭載され、たとえば海上における密入国、密漁および不法取引などの不法行為を防止および摘発するために行う監視活動に用いることができる。本実施の形態では、監視装置1は、移動体に搭載され、基本的には、撮像手段である監視カメラ2と、撮像手段用安定手段であるカメラ安定台3と、照射手段であるサーチライト4と、検出手段である監視カメラ2用の角度センサ5,6,7,29,30およびサーチライト4用の角度センサ57,58と、照射手段用安定手段であるサーチライト安定台8とを含む。
【0012】
監視カメラ2は、近赤外線によって撮像し、近赤外線画像を得る近赤外線カメラである。カメラ安定台3は、監視カメラ2が設けられ、監視カメラ2を角変位駆動する複数段の駆動部、本実施の形態ではアウタジンバル部9およびインナジンバル部10の2つのジンバル部を有し、各ジンバル部9,10は、監視カメラ2の撮像方向が撮像すべき目標方向に一致するように、少なくとも撮像方向に交差しかつ相互に垂直な2軸まわりに監視カメラを角変位駆動する。
【0013】
サーチライト4は、近赤外線を照射して、近赤外線照明をする近赤外線サーチライトである。監視カメラ用の各角度センサ5〜7,29は、カメラ安定台3に設けられ、監視カメラ2の撮像方向を検出する。サーチライト用の各角度センサ57,58はサーチライト安定台8に設けられ、サーチライト4の照射方向を検出する。サーチライト安定台8は、サーチライト4が設けられ、サーチライト4の照射方向が監視カメラ2の撮像方向に一致するように、少なくとも照射方向に交差しかつ相互に垂直な2軸まわりにサーチライト4を角変位駆動する。
【0014】
監視装置1は、さらに矩形板状の基台11と、ばね要素および減衰要素を有する複数(たとえば4つ)の制振器12とを含む。監視装置1は、設置対象13に、制振器12を介して角部が支持されるように基台11が設けられ、この基台11に、カメラ安定台3を介して監視カメラ2が設けられるとともに、サーチライト安定台8を介してサーチライト4が設けられる。設置対象である移動体の本体13は、具体的には、船舶における船体、車両における車体および航空機における機体である。
【0015】
カメラ安定台3のアウタジンバル部9は、基台11に連結されるアウタ基部15と、アウタ基部15にアウタ第1軸であるアウタヨー軸Loyまわりに角変位自在に設けられるアウタ可動部16と、アウタ可動部16にアウタ第2軸であるアウタピッチ軸Lopまわりに角変位自在に設けられるアウタ取付部20とを含む。アウタヨー軸Loyおよびアウタピッチ軸Lopは、相互に垂直であるとともに、撮像方向に交差する。アウタジンバル部9には、アウタヨーモータ17が設けられ、アウタ可動部16がアウタ基部15に対してアウタヨー軸Loyまわりに角変位駆動される。またアウタジンバル部9には、アウタピッチモータ18が設けられ、アウタ取付部20がアウタ可動部16に対してアウタピッチ軸Lopまわりに角変位駆動される。
【0016】
カメラ安定台3のインナジンバル部10は、インナ基部21と、ヨー可動部70と、ピッチ可動部71と、カメラ支持部72とを含む。インナ基部21は、アウタ可動部16に対してアウタピッチ軸Lopまわりに角変位自在に連結され、ヨー可動部70は、インナ基部21にインナ第1軸であるインナヨー軸Liyまわりに角変位自在に設けられ、ピッチ可動部71は、ヨー可動部70にインナ第2軸であるインナピッチ軸Lipまわりに角変位自在に連結され、カメラ支持部72は、ピッチ可動部71にインナ第3軸であるインナロール軸Lirまわりに角変位自在に連結され、このカメラ支持部に監視カメラ2が支持されている。
【0017】
インナヨー軸Liyは、アウタピッチ軸Lopに垂直であり、インナピッチ軸Lipは、インナヨー軸Liyに垂直であり、インナヨー軸Liyおよびインナピッチ軸Lipは、撮像方向に交差する。またインナロール軸Lirは、インナピッチ軸Lipに垂直であり、撮像対象に向かっている。換言すれば監視カメラ2の撮像方向は、監視カメラのカメラ光軸、したがって撮像光軸Ccに平行な方向であり、撮像光軸Ccは、インナロール軸Lirと一致している。
【0018】
インナ基部21は、アウタ取付部20に連結され、アウタ可動部16に対してアウタピッチ軸Lopまわりに角変位駆動される。インナジンバル部10には、インナヨーモータ22が設けられ、ヨー可動部70がインナ基部21に対してインナヨー軸Liyまわりに角変位駆動される。またインナジンバル部10には、インナピッチモータ23が設けられ、ピッチ可動部71がヨー可動部70に対してインナピッチ軸Lipまわりに角変位駆動される。さらにインナジンバル部10には、インナロールモータ24が設けられ、監視カメラ2がカメラ支持部72とともにピッチ可動部71に対してインナロール軸Lirまわりに角変位駆動される。
【0019】
サーチライト安定台8は、基台11に連結されるライト台基部25と、ライト台基部25に照射ヨー軸としてのライト台第1軸であるライト台ヨー軸Lsyまわりに角変位自在に設けられるライト台可動部26と、ライト台可動部26に照射ピッチ軸としてのライト台第2軸であるライト台ピッチ軸Lspまわりに角変位自在に設けられるライト支持部74とを含む。ライト台支持部74にサーチライト4が連結される。
【0020】
ライト台ヨー軸Lsyは、アウタヨー軸Loyと平行であり、ライト台ピッチ軸Lspは、ライト台ヨー軸Lsyに垂直である。またライト台ヨー軸Loyおよびライト台ピッチ軸Lspは、照射方向に交差する。サーチライト安定台8には、ライト台ヨーモータ27が設けられ、ライト台可動部26がライト台基部25に対してライト台ヨー軸Lsyまわりに角変位駆動される。またサーチライト安定台8には、ライト台ピッチモータ28が設けられ、サーチライト4がライト支持部74とともに、ライト台可動部26に対してライト台ピッチ軸Lspまわりに角変位駆動される。サーチライト4のライト光軸、したがって照射光軸Csは、ライト台ピッチ軸Lspに垂直であり、サーチライト4の照射方向は、サーチライトの照射光軸Csに平行な方向である。
【0021】
図2は、監視装置1の制御系の構成を示すブロック図である。図2には、撮像方向および照射方向の制御のための構成を示す。また図3は、移動体の機軸L0、アウタジンバル軸Loutおよびインナジンバル軸Linの関係を示す図である。図1も併せて参照して、監視装置1には、図示しない入力手段が設けられており、監視者の操作によって、指令撮像角速度、具体的には、監視カメラによって撮像すべき目標方向を変更するための監視カメラ2の角速度を指令するカメラ旋回速度(以下指令カメラ角速度という)ωc0として入力され、この指令カメラ角速度ωc0が、カメラ安定台3のインナジンバル部10に与えられる。この指令カメラ角速度ωc0および検出撮像角速度、具体的には、レートセンサ35によって検出された実カメラ角速度ωinが、カメラ角速度比較器31に与えられ、カメラ角速度比較器31は、指令カメラ角速度ωc0から実カメラ角速度ωinを減算して、その角速度偏差Δω(=ωc0−ωin)を出力する。
【0022】
角速度偏差Δωは、インナ制御手段であるインナ制御演算器32に与えられ、インナ制御演算器32は、角速度偏差Δωが0(零)になるインナヨーモータ22およびインナピッチモータ23の回転速度をそれぞれ演算し、その演算結果であるインナ回転速度Rinを出力する。このインナ回転速度Rinは、インナヨーモータ22およびインナピッチモータ23にそれぞれ対応して与えられ、このインナ回転速度Rinに従って、インナヨーモータ22は、インナ基部21に対してヨー可動部70を角変位させ、インナピッチモータ23は、ヨー可動部70に対してピッチ可動部71を角変位させる。このように各モータ22,23からアウタジンバル部9を支えにして監視カメラ2にトルクが与えられ、監視カメラ2が角変位される。
【0023】
監視カメラ2には、撮像角速度検出手段であるレートセンサ35が設けられており、このレートセンサ35によって、撮像方向に垂直である直交2軸まわりの角速度成分として監視カメラ2の角速度が検出され、その検出された撮像角速度である実カメラ角速度ωinがカメラ角速度比較器31に与えられる。このように監視カメラ2の実際の角速度を検出してフィードバックし、角速度偏差Δωが0になる角速度で、したがって指令カメラ角速度ωc0で監視カメラ2が角変位される。レートセンサ35は、たとえば機械式ジャイロおよび光ファイバジャイロなどのレートジャイロによって実現され、特に監視カメラ2を安定精度を高くするために、光ファイバジャイロのように、監視カメラ2の角加速度変化してもセンサの慣性重量が変化しないセンサを用いるようにしてもよい。
【0024】
またカメラ安定台3には、図示しない設定器から、監視カメラ2とアウタ取付部との相対角度を0に指令する指令相対角度θ0がアウタジンバル部9に与えられる。この指令相対角度θ0および検出された検出相対角度である実相対角度θαが、相対角度比較器36に与えられ、相対角度比較器36は、実相対角度θαから指令相対角度θ0を減算して、その相対角度偏差Δθj(=θα−θ0)を出力する。
【0025】
相対角度偏差Δθjは、アウタ制御手段であるアウタ制御演算器37に与えられ、アウタ制御演算器37は、相対角度偏差Δθjが0(零)になるアウタヨーモータ17およびアウタピッチモータ18の回転速度をそれぞれ演算し、その演算結果であるアウタ回転速度Routを出力する。このアウタ回転速度Routは、アウタヨーモータ17およびアウタピッチモータ18にそれぞれ対応して与えられ、このアウタ回転速度Routに従って、アウタヨーモータ17は、アウタ基部15に対してアウタ可動部16を角変位させ、アウタピッチモータ18は、アウタ可動部16に対してアウタ取付部20を角変位させる。このように各モータ17,18から基台11を支えにしてアウタジンバル部9のアウタ取付部20にトルクが与えられ、アウタ取付部20が角変位される。
【0026】
インナジンバル部10には、インナ角度検出手段である各角度センサ7,29が設けられ、これら角度センサ7,29によってアウタジンバル部9に対する監視カメラ2の角度がインナ角度として検出される。インナ第1の角度センサ7は、インナヨー角度センサであって、インナ基部21に対するヨー可動部70の角度を検出し、インナ第2の角度センサ29は、インナピッチ角度センサであって、ヨー可動部70に対するピッチ可動部71の角度を検出する。
【0027】
上述のようにアウタジンバル部9にインナジンバル部10が設けられる構成であり、実カメラ角速度ωinは、アウタ取付部20の角速度である実アウタ角度ωoutを含んでいる。インナジンバル部10は、実カメラ角速度ωinから実アウタ角速度ωoutを減算する要素40と、その減算結果である実相対角速度ωαを積分する要素41があり、この実相対角速度ωαを積分した実相対角度θα(アウタ取付部20に対するカメラ支持部72の角度)が、インナヨー軸Liyおよびインナピッチ軸Lipまわりの角度成分として、各角度センサ7,8で検出される。この実相対角度θαが相対角度比較器36に与えられる。
【0028】
このようにしてインナジンバル部10とアウタジンバル部9とが、制御系において相互に関連付けされ、カメラ安定台3は、インナジンバル部10でレートループを形成して、監視カメラ2が空間的に安定され、かつ指令カメラ角速度ωc0で角変位されるように制御しながら、インナジンバル部10に対するアウタジンバル部9の相対角度が0になるように、したがってアウタジンバル部9がインナジンバル部10に追従するように制御している。
【0029】
またアウタジンバル部9には、各角度センサ5,6が設けられ、これら角度センサ5,6によって、基台11に対するアウタ取付部20(インナジンバル部10)の角度がアウタ角度として検出される。アウタ第1の角度センサ5は、アウタヨー角度センサであって、アウタ基部15に対するアウタ可動部16の角度を検出し、アウタ第2の角度センサ6は、アウタピッチ角度センサであって、アウタ可動部16に対するアウタ取付部20の角度を検出する。つまりアウタジンバル部9は、実アウタ角速度(アウタ取付部20の角速度)ωoutを積分する要素42を備えており、その積分値である実アウタ角度θout、したがって基台11に対するインナジンバル部10の角度を、アウタヨー軸まわりの角度およびアウタピッチ軸まわりの角度成分として、各角度センサ5,6で検出することができる。
【0030】
ここで、角度検出手段である各角度センサ5〜7,29は、たとえばポテンショメータによって実現されてもよい。
【0031】
またカメラ安定台3は、撮像方向演算手段である角度演算器45を有しており、この角度演算器45には、検出された実相対角度θαと、検出された実アウタ角度θoutとが与えられる。角度演算器45では、実相対角度θαと実アウタ角度θoutとが加算されて、撮像角度である実カメラ角度θin、したがって基台11に対する監視カメラ2の角度が求められ、出力される。
【0032】
移動体の本体13に対する基台11の揺動は極めて小さいものであり、この揺動による監視カメラ2の角変位への影響は無視できる程度である。これによって図3に示すように、実アウタ角度θoutは、移動体の機軸L0に対してアウタジンバル軸Lout(インナヨー軸と一致)の成す角度として検出され、実相対角度θαは、アウタジンバル軸Loutに対してインナジンバル軸Lin(撮像光軸Ccと一致)の成す角度として検出され、したがって実カメラ角度θinは、移動体の機軸L0に対してインナジンバル軸Linの成す角度として求めることができる。
【0033】
監視装置1では、サーチライト4によって照射すべき目標方向を変更するためのサーチライト4の角速度として、カメラ安定台3で検出演算して求められた実カメラ角度θinが、サーチライト安定台8に入力される。この導出された実カメラ角度θinは、監視カメラ2による撮像方向を表しており、この実カメラ角度θinがサーチライト4の照射方向を指令する指令値として、サーチライト安定台8のライト角度比較器50に与えられる。実カメラ角度θinおよび検出された実ライト角度θsが、ライト角度比較器50に与えられ、ライト角度比較器50は、実カメラ角度θinから実ライト角度θsを減算して、そのライト角度偏差Δθcs(=θin−θs)を出力する。
【0034】
ライト角度偏差Δθcsは、旋回速度リミッタ51を通り、ライトを指向させるための角速度指令ωs0となる。旋回速度リミッタ51は、損傷防止および安全性に基づいて予め設定される最高角速度以下の角速度である指令ライト角速度ωs0を、演算して求め、出力する。指令照射角速度である指令ライト角速度ωs0およびレートセンサ55により検出された実ライト角速度ωsが、ライト角速度比較器52に与えられ、ライト角速度比較器52は、指令ライト角速度ωs0から実ライト角速度ωsを減算して、そのライト角速度偏差Δωs(=ωs0−ωs)を出力する。
【0035】
ライト角速度偏差Δωsは、サーチライト制御手段であるライト制御演算器53に与えられ、ライト制御演算器53は、ライト角速度偏差Δωcが0(零)になるライト台ヨーモータ27およびライト台ピッチモータ28の回転速度をそれぞれ演算し、その演算結果であるライト回転速度Rcを出力する。このライト回転速度Rcは、ライト台ヨーモータ27およびライト台ピッチモータ28にそれぞれ対応して与えられ、このライト回転速度Rcに従って、ライト台ヨーモータ27は、ライト台基部25に対してライト台可動部26を角変位させ、ライト台ピッチモータ28は、ライト台可動部26に対してライト支持部74を角変位させる。このように各モータ27,28から基台11を支えにしてサーチライト4にトルクが与えられ、サーチライト4が角変位される。
【0036】
サーチライト4には、空間的な照射角速度検出手段であるレートセンサ55が設けられており、このレートセンサ55によって、照射方向に垂直である直交2軸まわりの角速度成分として、サーチライト4の角速度が検出され、その検出された角速度である照射角速度としての実ライト角速度ωsがライト角速度比較器52に与えられる。このようにサーチライト4の実際の角速度を検出してフィードバックし、ライト角速度偏差Δωsが0になる角速度で、したがって指令ライト角速度ωs0でサーチライト4が角変位される。レートセンサ55は、監視カメラ2に設けられるレートセンサ35と同様のセンサを用いることができる。
【0037】
またサーチライト安定台8には、照射角度検出手段である角度センサ57,58が設けられ、これら角度センサ57,58によって、照射角度としての実ライト角度θsであるサーチライト4の角度、したがって照射方向が検出される。ライト台第1の角度センサ57は、ライト台ヨー角度センサであって、ライト台基部25に対するライト台可動部26の角度を検出し、ライト台第2の角度センサ58は、ライト台ピッチ角度センサであって、ライト台可動部26に対するライト支持部の角度を検出する。つまりサーチライト安定台8は、サーチライト4の実ライト角速度ωsを積分する要素56を備える。その積分値である実ライト角度θs、したがって基台11に対するサーチライト4の角度を、ライト台ヨー軸まわりの角度およびライト台ピッチ軸まわりの角度成分として、各角度センサ57,58で検出することができる。この検出された実ライト角度θsがライト角度比較器50に与えられる。
【0038】
このようにサーチライト4の実際の角度θs、したがって照射方向を検出してフィードバックし、ライト角度偏差Δθsが0になるように、したがってサーチライト4の照射方向と監視カメラ2の撮像方向とが平行になるように、サーチライトの角速度が指令される。したがってサーチライト4の照射方向を監視カメラ2の撮像方向に追従させることができる。さらに上述のようにサーチライト4の実ライト角速度ωsをフィードバックして制御することによって、照射方向の撮像方向に対する追従性を高くすることができる。角度検出手段である各角度センサ57,58は、たとえばポテンショメータによって実現されてもよい。
【0039】
図2には、撮像方向および照射方向の制御に関する構成だけを示したが、図1に示すようにカメラ安定台3は、撮像光軸Cc(インナロール軸Lir)まわりに監視カメラ2を角変位させるインナロールモータ24と、ピッチ可動部71に対するカメラ支持部72の撮像光軸Ccまわりの角度を検出するインナ第3の角度センサ30、したがってインナロール角度センサを有している。これによって監視カメラ2を撮像光軸Ccまわりに制御することが可能である。
【0040】
このような監視装置1によれば、監視カメラ2は、カメラ安定台3で、監視者の入力に基づいて撮像方向を変更することができるだけでなく、監視カメラ2が設けられるカメラ安定台3は、複数段の駆動部であるアウタジンバル部9およびインナジンバル部10を備えており、各段のジンバル部9,10によって、監視カメラ2の撮像方向が撮像すべき目標方向に一致するように、監視カメラ2を角変位駆動することができる。これによって監視装置1が、移動体の移動に伴う振動および揺動が伝達され、または空気力を受けるなど、撮像方向が変化してしまうような外的要因の影響を受けても、その影響が撮像手段に伝わって、撮像方向が不所望に変化してしまうことを、複数段階の抑制制御によって、高精度に抑制し、撮像手段を安定させることができる。
【0041】
しかもカメラ安定台3では、アウタジンバル部9およびインナジンバル部10が、相互に独立した制御ループで制御するのではなく、相互に関連付けされる制御ループで制御されるので、上記高精度の抑制を確実に達成することができる。さらにインナジンバル部10でレートループを形成してインナジンバル部10を制御しながら、アウタジンバル部9をインナジンバル部10に追従させる制御ループを構成するので、単に相互の関連性を持たせるだけでなく、インナジンバル部10およびアウタジンバル部9に安定制御の負荷を分配することができ、いずれかに安定制御の大きな負荷がかかることが防止される制御ループであって、かつ簡単な制御ループを実現できる。したがって簡単な制御ループで制御負荷を各ジンバル部9,10に分配して、高精度な監視カメラ2の制御を実現できる。
【0042】
したがって監視カメラ2による撮像方向が不所望に変化してしまうことを、複数段階の抑制制御によって、高精度に抑制し、監視カメラ2を高精度に安定させることができる。したがって監視カメラ2に望遠レンズを設けて撮像することによって、遠距離の領域をぶれの無い鮮明な画像で捉えることができるので、遠距離の領域の監視をすることができる。監視装置1では、従来の単数段の抑制制御を行う装置に比べて、監視カメラ2のぶれ量を100分の1程度に抑えることができる。したがってたとえば従来の技術では、監視カメラからの距離が200m程度までの領域でなければ、得られた画像を見てその領域の状況を判断することができなかったのに対し、本発明の監視装置1では、監視カメラ2からの距離が数(4〜5)km程度までの領域であれば、望遠レンズを用いて鮮明な画像を得て、その領域の状況を判断することができる。したがって従来の技術では不可能であった数km程度の遠距離の領域における監視をすることができる。
【0043】
また監視装置1は、各角度センサ5,6,7,29を備え、カメラ安定台3によって安定された監視カメラ2の撮像方向が検出され、サーチライト安定台8によって、サーチライト4の照射方向が検出された実際の撮像方向に一致するように、サーチライト4を角変位駆動することができる。このように監視カメラ2と無関係に独立してサーチライト4の安定制御をするのではなく、監視カメラ2の実際の撮像方向に関連付けてサーチライト4を安定制御している。したがって上述のような外的要因に対して、単に照射方向の変化を抑制するのではなく、監視カメラ2の撮像方向を追尾して、撮像方向に対する照射方向のずれを小さく抑えることができる。
【0044】
さらに監視カメラ2用のカメラ安定台3と、サーチライト4用のサーチライト安定台8とを個別に設け、監視カメラ2の撮像方向を検出してサーチライト4の制御指令値として用い、監視カメラ2とサーチライト4とに関連を持たせることによって、1つの安定台への負担を小さくして、監視カメラ2およびサーチライト4の安定精度をそれぞれ高くし、かつ相互に関連性を持たせて、相互のずれを小さくすることができる。
【0045】
このように撮像方向に対する照射方向の追尾精度を高くすることができるので、監視カメラ2によって撮像される領域全体に確実に照射するために照射角度に含まれる余裕を小さくすることができ、照射角度(ビーム径)を小さく絞ることができる。したがって同一条件の領域の撮像にあたって必要とされるサーチライト4の電力を小さくすることができるうえ、サーチライト4を小形にすることができる。
【0046】
またサーチライト安定台8も、カメラ安定台3と同様に2重ジンバル構造にしてもよいが、サーチライト4の光軸ぶれは、得られる像の鮮明度に影響しないので、サーチライト安定台8は、1重ジンバル構造で十分な効果が得られる。したがってサーチライト安定台8を1重ジンバル構造として、十分な照射角度の絞込みを達成したうえで、製造を容易にしかつ安価に製造することができるようになる。
【0047】
さらに監視装置1は、基台11が制振器12を介して本体13に設置されるので、監視カメラ2およびサーチライト4の安定性をさらに向上することができる。図4のように、監視装置1をモデル化して示すと、基台11上に、ベアリング要素を介して監視カメラ2およびサーチライト4が支持される。監視装置1を設計するにあたって、基台11上に支持される構成体(カメラ2、ライト4、各安定台3,8を含む)の重心位置G0が基台11に支持される点Pと一致するように構成される。
【0048】
たとえば一例として、図5に示すように監視カメラ2に上下方向の視野角βが0.35度となる望遠レンズを装着してカメラからの距離Yが4kmである領域を撮像すると、撮像される領域の上下方向の距離Xは、24mとなる。これに対して移動体の振動(たとえばエンジンに起因)による並進幅は、数mm程度であり、この振動が、この並進の振動のまま監視カメラ2に伝達されたとしても、得られる画像への影響は無視できるものである。
【0049】
実際には、上記重心位置G0と、支持点Pとがずれる場合があるとともに、基台11と、監視カメラ2およびサーチライト4との間には、電気ケーブルなどの配線を含むばね要素59が介在しており、移動体の並進が監視カメラ2およびサーチライト4の揺動として伝達されてしまう。したがって制振器12を用いて基台11に移動体から振動が伝達されないようにすることによって、これによっても監視カメラ2およびサーチライト4の揺動を抑制することができる。したがって監視カメラ2およびサーチライト4の安定精度をさらに向上することができる。
【0050】
さらにサーチライト2は、近赤外線を照射することができ、監視カメラ2は近赤外線によって撮像することができる。これによって監視をしていることが夜間周囲に容易に判断されない状態で、所定の領域を監視することができる。したがって所定の領域で人的に生じる事象、たとえば密入国および密漁などの犯罪などを好適に監視することができる。しかも近赤外線を用いることによって、温度差が無くても色彩が異なる部分が判別可能な画像を得ることができるので、物体に記された文字および図形を画像から判別することができ、詳細な情報、たとえば船体に記される船名および船籍などの情報を取得することができる。
【0051】
図6は、本発明の実施の他の形態の監視装置1Aを簡略化して示す斜視図であり、図7は、監視装置1Aの制御系の構成を示すブロック図である。図6は、撮像方向および照射方向の制御のための構成を示す。監視装置1Aは、図1〜図5を参照して上述した監視装置1と類似しており、同様の機能を有する構成は、同一の参照符号を付して、その説明を省略し、本実施の形態の特徴点についてだけ説明する。図1〜図5の監視装置1では、サーチライト4は、サーチライト安定台8に設けられたけれども、図6および図7の本実施の形態の監視装置1Aでは、サーチライト4は、安定台3に設けられる。監視装置1Aでは、1つの安定台3だけを有しており、この安定台3は、上述の監視装置1におけるカメラ安定台に相当する。このようにサーチライト安定台8が設けられない点を除いて、各装置1,1Aは同様の構成である。
【0052】
このように監視装置1Aは、監視カメラ2と、監視カメラ2が設けられる安定手段である安定台3と、サーチライト4とを含む。安定台3は、監視カメラ2の撮像方向が撮像すべき目標方向に一致するように、少なくとも撮像方向に交差しかつ相互に交差する2軸まわりに監視カメラ2を角変位駆動する複数段の駆動部、したがってアウタジンバル部9およびインナジンバル部10を有する。サーチライト4は、少なくとも1段の駆動部によって、したがってアウタジンバル部9によって、撮像方向に交差しかつ相互に交差する2軸まわりに、監視カメラ2とともに角変位駆動されるように、安定台3に設けられる。
【0053】
さらに具体的には、安定台3は、アウタ可動部16に対してアウタピッチ軸Lopまわりに角変位自在であり、アウタ取付部と一体的に角変位するライト支持部60が設けられる。アウタ可動部16に設けられるアウタピッチモータ18は、その出力軸がアウタ取付部およびライト支持部に連結されており、アウタ取付部およびライト支持部を一体的に角変位駆動することができる。このライト支持部にサーチライト4が設けられており、サーチライト4が監視カメラ2とともに角変位駆動され、安定制御される。
【0054】
このような監視装置1Aでは、サーチライト4の角速度は、アウタジンバル部9のアウタ取付部の角速度と同一であり、したがってインナジンバル部10の減算要素40に与えれる角速度は、アウタ角速度ωoutである。したがって制御系において、安定台3の構成は、角度演算器45が設けられないが、その他の点において上述の形態のカメラ安定台3と同様の構成である。
【0055】
本実施の形態において、各アウタジンバル部9の角度センサ5,6の出力は、たとえばインナジンバル部10の角度センサ7,29の出力とともに、別途に設けられる表示装置に与え、監視カメラ2の撮像方向を、したがって撮像光軸Ccの基台11に対して成す角度を監視者に表示できるようにしてもよい。また船舶においては、レーダに各角度センサ5〜7,29,30の角度情報を与え、レーダとの協働によって監視対象までの距離を求めるようにしてもよい。さらに移動体の機軸L0に対する角度から角度センサ5,6による角度を減算して、カメラ旋回指令として与え、移動体の角変位に拘わらず、機軸L0に対して一定の角度を成す方向を撮像するように制御してもよい。このような各角度センサ5〜7,29,30の出力の利用方法は、図1〜図5の装置1に適用してもよい。
【0056】
このような本実施の形態の監視装置1Aもまた、監視装置1と同様に、撮像方向が変化してしまうような外的要因の影響を受けても、その影響が監視カメラ2に伝わって、撮像方向が不所望に変化してしまうことを、複数段階の抑制制御によって、高精度に抑制し、監視カメラ2を安定させることができる。したがって遠距離の領域の監視をすることができる。また安定台3に、サーチライト4が設けられ、アウタジンバル部9によって、監視カメラ2とともに角変位駆動される。これによって監視カメラ2と一緒にサーチライト4が安定制御される。したがってサーチライト4がが撮像方向に関連付けられて安定制御され、撮像方向を追尾する状態で安定制御され、撮像方向に対する照射方向のずれを小さく抑えることができる。撮像手段によって撮像される領域全体に確実に照射するために照射角度に含まれる余裕を小さくすることができ、照射角度を小さく絞ることができる。したがって同一条件の領域の撮像にあたって必要とされる照射手段の電力を小さくすることができるうえ、照射手段を小形にすることができる。また近赤外線を用いることによる上述の効果も同様に達成することができる。
【0057】
さらに監視装置1Aでは、1つの安定台3だけを設ければよく、装置を小形にすることができる。しかもインナジンバル部10は、監視カメラ2を安定させるためだけに用いることができ、その負担を小さくすることができるので、サーチライト4を監視カメラ2と同様にインナジンバル部10に支持させて設ける構成に比べて、小形の装置で監視カメラ2の安定精度を高くし、上述のような遠距離の領域の監視をより確実に実現することができる。サーチライト4に関しては、アウタジンバル部9だけで、十分な照射角度の絞り込みを達成することができる。
【0058】
上述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、構成を変更することができる。たとえば安定手段としてジンバル構造の安定台を用いているけれども、他の構造の安定手段を用いてもよい。また撮像手段が設けられる安定手段は、複数段の駆動部として、2重ジンバル構造(2段)を採用したけれども、3段以上の駆動部、たとえば3重ジンバル構造、4重ジンバル構造など、複数重ジンバル構造であってもよい。また監視対象によっては、近赤外線以外の赤外線および可視光などの他の周波数帯域の電磁波を用いるようにしてもよく、用いる電磁波に応じて、蓄積型CCDカメラなどを監視カメラとして適宜用いることができる。さらに監視装置の設置対象は、必ずしも移動体でなくてもよく、たとえば建物などであってもよく、自動車の通行などにによって建物が振動しても鮮明な画像を得ることができる。
【0059】
また各軸Loy,Lop,Liy,Lip,Lir(Cc)の相互の関係は、上述の関係、したがって垂直または交差に限らず、たとえばねじれの位置などにあってもよく、各軸Lsy,Lsp,Csに関しても同様である。さらにこれらの軸のつながり順は、たとえば外側(基台)からアウタヨー軸、アウタピッチ軸、インナピッチ軸、インナヨー軸およびインナロール軸の順など、適宜に選択することができる。すなわちアウタジンバル部に相互に交差する方向に延びるアウタ第1軸およびアウタ第2軸を有し、インナジンバル部に相互に交差する方向に延びるインナ第1軸およびインナ第2軸を有していればよく、各軸の方向およびつながりは、任意である。
【0060】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、撮像手段が設けられる撮像手段用安定手段は、インナジンバル部とアウタジンバル部とを有する2重ジンバル機構を有し、インナジンバル部によって撮像手段を角変位駆動し、アウタジンバル部がインナジンバル部に追従して角変位する。インナジンバル部は、撮像手段の角速度をフィードバックする制御ループを形成して、指令撮像角速度と検出される撮像角速度との偏差が0になるように、撮像手段を角変位駆動する。アウタジンバル部は、指令相対角度と検出されるインナ角度との偏差が0になるように、インナジンバル部に追従して角変位する。このようにして撮像手段の撮像方向が撮像すべき目標方向と一致するように、撮像手段が角変位駆動される。これによって監視装置に外力が作用するなど、撮像方向が変化してしまうような外的要因の影響を受けても、その影響が撮像手段に伝わって、撮像方向が不所望に変化してしまうことを、インナジンバル部およびアウタジンバル部を有する撮像手段用安定手段による抑制制御によって、高精度に抑制し、撮像手段を安定させることができる。しかもインナジンバル部およびアウタジンバル部は、相互に独立した制御ループで個別に制御するのではなく、相互に関連付けられる制御ループで制御し、上記高精度の抑制を確実に達成することができる。さらにインナジンバル部でレートループを形成してインナジンバル部を制御しながら、アウタジンバル部をインナジンバル部に追従させる制御ループを構成するので、単に相互の関連性を持たせるだけでなく、インナジンバル部およびアウタジンバル部に安定制御の負荷を分配することができ、いずれかに安定制御の大きな負荷がかかることが防止される制御ループであって、かつ簡単な制御ループを実現できる。したがって簡単な制御ループで制御負荷を各ジンバル部に分配して、高精度な制御を実現できる。
また撮像方向演算手段が設けられ、撮像手段用安定手段によって安定された撮像手段の撮像方向を表す撮像角度が検出され、照射手段用安定手段によって、照射手段の照射方向が実際の撮像方向に一致するように、照射手段が角変位駆動される。このように撮像手段と無関係に照射手段の安定制御をするのではなく、撮像手段の実際の撮像方向に関連付けて照射手段を安定制御している。したがって上述のような外的要因に対して、単に照射方向の変化を抑制するのではなく、高精度に制御される撮像手段の撮像方向を追尾して、撮像方向に対する照射方向のずれを小さく抑えることができる。さらに照射手段用安定手段は、照射手段の角速度をフィードバックする制御ループを形成して、指令照射角速度と検出される照射角速度との偏差が0になるように、照射手段を角変位駆動する。これによって照射方向の撮像方向に対する追従性を高くすることができる。
【0061】
請求項2記載の本発明によれば、撮像手段が設けられる安定手段は、インナジンバル部とアウタジンバル部とを有する2重ジンバル機構を有し、インナジンバル部によって撮像手段を角変位駆動し、アウタジンバル部がインナジンバル部に追従して角変位する。インナジンバル部は、撮像手段の角速度をフィードバックする制御ループを形成して、指令撮像角速度と検出される撮像角速度との偏差が0になるように、撮像手段を角変位駆動する。アウタジンバル部は、指令相対角度と検出されるインナ角度との偏差が0になるように、インナジンバル部に追従して角変位する。このようにして撮像手段の撮像方向が撮像すべき目標方向と一致するように、撮像手段が角変位駆動される。これによって監視装置に外力が作用するなど、撮像方向が変化してしまうような外的要因の影響を受けても、その影響が撮像手段に伝わって、撮像方向が不所望に変化してしまうことを、インナジンバル部およびアウタジンバル部を有する撮像手段用安定手段による抑制制御によって、高精度に抑制し、撮像手段を安定させることができる。しかもインナジンバル部およびアウタジンバル部は、相互に独立した制御ループで個別に制御するのではなく、相互に関連付けられる制御ループで制御し、上記高精度の抑制を確実に達成することができる。さらにインナジンバル部でレートループを形成してインナジンバル部を制御しながら、アウタジンバル部をインナジンバル部に追従させる制御ループを構成するので、単に相互の関連性を持たせるだけでなく、インナジンバル部およびアウタジンバル部に安定制御の負荷を分配することができ、いずれかに安定制御の大きな負荷がかかることが防止される制御ループであって、かつ簡単な制御ループを実現できる。したがって簡単な制御ループで制御負荷を各ジンバル部に分配して、高精度な制御を実現できる。
またこのように撮像手段を安定させる安定手段のアウタジンバル部に、照射手段が設けられ、アウタジンバル部によって、撮像手段とともに角変位駆動される。これによって安定手段で撮像手段が安定制御されると、これに伴って照射手段も安定制御される。したがって照射手段が撮像方向に関連付けられて安定制御され、高精度に制御される撮像方向を追尾する状態で安定制御され、撮像方向に対する照射方向のずれを小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の監視装置1を示す斜視図である。
【図2】監視装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】移動体の機軸L0、アウタジンバル軸Loutおよびインナジンバル軸Linの位置関係を示す図である。
【図4】監視装置1をモデル化して示す図である。
【図5】監視カメラ2による視野角β、撮像対象までの距離Xおよび撮像領域の距離Yを示す図である。
【図6】本発明の実施の他の形態の監視装置1Aを示す斜視図である。
【図7】監視装置1Aの制御系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1A 監視装置
2 監視カメラ
3,8 安定台
4 サーチライト
5〜7,29,30,57,58 角度センサ
9 アウタジンバル部
10 インナジンバル部
11 基台
12 制振器
17,18,22〜24,27,28 モータ
35,55 レートセンサ

Claims (2)

  1. (a)基台と、
    (b)撮像手段と、
    (c)撮像手段を角変位駆動するインナジンバル部、インナジンバル部を角変位駆動するアウタジンバル部、撮像手段の角速度である撮像角速度を検出する撮像角速度検出手段、アウタジンバル部に対するインナジンバル部の相対角度であるインナ角度を検出するインナ角度検出手段および基台に対するアウタジンバル部の相対角度であるアウタ角度を検出するアウタ角度検出手段を有し、撮像手段の撮像方向が撮像すべき目標方向に一致するように撮像手段を角変位駆動する撮像手段用安定手段であって、
    (c1)インナジンバル部は、撮像手段が設けられ、前記目標方向を変更するための撮像手段の角速度である指令撮像角速度と角速度検出手段によって検出される撮像角速度との偏差が0になるように、撮像方向と交差しかつ相互に垂直なインナピッチ軸およびインナヨー軸まわりに、撮像手段を角変位駆動し、
    (c2)アウタジンバル部は、基台に設けられるとともにインナジンバル部が設けられ、アウタジンバル部に対する撮像手段の相対角度を指令する指令相対角度とインナ角度検出手段によって検出されるインナ角度との偏差が0になるように、撮像方向と交差しかつ相互に垂直なアウタピッチ軸およびアウタヨー軸まわりにインナジンバル部に追従して角変位する撮像手段用安定手段と、
    (d)照射手段と、
    (e)インナ角度およびアウタ角度を加算して、撮像方向を表す基台に対する撮像手段の相対角度である撮像角度を演算する撮像方向演算手段と、
    (f)照射手段の角速度である照射角速度を検出する照射角速度検出手段および照射方向を表す基台に対する照射手段の相対角度である照射角度を検出する照射角度検出手段を有し、照射手段が設けられるとともに基台に設けられ、照射手段の照射角度が撮像方向演算手段によって演算される撮像角度と一致するように、照射手段を角変位駆動する照射手段用安定手段であって、
    (f1)撮像方向演算手段によって演算される撮像角度と照射角度検出手段によって検出される照射角度との偏差が0になるように、照射方向と交差しかつ相互に垂直な照射ピッチ軸および照射ヨー軸まわりに照射手段を角変位させる角速度である指令照射角速度を演算し、
    (f2)指令照射角速度と照射角速度検出手段によって検出される照射角速度との偏差が0となるように、照射手段を角変位駆動する撮像手段用安定手段とを含むことを特徴とする監視装置。
  2. (a)基台と、
    (b)撮像手段と、
    (c)撮像手段を角変位駆動するインナジンバル部、インナジンバル部を角変位駆動するアウタジンバル部、撮像手段の角速度である撮像角速度を検出する撮像角速度検出手段およびアウタジンバル部に対するインナジンバル部の相対角度であるインナ角度を検出するインナ角度検出手段を有し、撮像手段の撮像方向が撮像すべき目標方向に一致するように撮像手段を角変位駆動する撮像手段用安定手段であって、
    (c1)インナジンバル部は、撮像手段が設けられ、前記目標方向を変更するための撮像手段の角速度である指令撮像角速度と角速度検出手段によって検出される撮像角速度との偏差が0になるように、撮像方向と交差しかつ相互に垂直なインナピッチ軸およびインナヨー軸まわりに、撮像手段を角変位駆動し、
    (c2)アウタジンバル部は、基台に設けられるとともにインナジンバル部が設けられ、アウタジンバル部に対する撮像手段の相対角度を指令する指令相対角度とインナ角度検出手段によって検出されるインナ角度との偏差が0になるように、撮像方向と交差しかつ相互に垂直なアウタピッチ軸およびアウタヨー軸まわりにインナジンバル部に追従して角変位する撮像手段用安定手段と、
    (d)アウタジンバル部に設けられ、撮像手段とともにアウタジンバル部によって角変位駆動される照射手段とを含むことを特徴とする監視装置。
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