JP2008293001A - 光ファイバアレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤の熱伸縮や硬化収縮の影響を受けず、光ファイバの固定位置の変動や剥離・断線を防ぎ、出射光のFFPが変動しない光ファイバアレイの提供。
【解決手段】被覆を除去した複数本の光ファイバを並べて配列する複数のV溝加工部を有するアレイ基板と、前記V溝加工部の複数のV溝に配列した光ファイバと、前記V溝加工部に配列した光ファイバを押える弾性部材と、該弾性部材が当接する中央部に溝が設けられ、その両側が凸部とされた溝加工蓋とを有してなり、前記溝加工蓋のうち凸部のみが接着剤でアレイ基板に固定されたことを特徴とする光ファイバアレイ。
【選択図】図2

Description

本発明は、光通信において光伝送路を結合させる光コネクタやセンサにおいて、変位や圧力などを検知するセンシング部などに使用され、光ファイバを任意位置に整列させて固定する光ファイバアレイに関する。
従来、光ファイバアレイは光伝送において結合素子として広く使用されており、光導波路スプリッタやアレイ導波路回折格子(AWG)、光スイッチなどに応用されている。光ファイバアレイは、V溝加工を施した基板に複数本の光ファイバを整列させ、平面板により光ファイバを上から抑えて挟み込むことで固定する構造となっており、非常に高密度かつ高精度な配列を実現することが可能である。図1は、従来の光ファイバアレイの一般的な構造を示す図であり、図1(a)は光ファイバアレイ1の正面図、(b)は平面図、(c)は左側図である。
この光ファイバアレイ1は、一端側に光ファイバ被覆除去部4を位置決めするV溝加工部6が設けられたV溝加工基板5と、先端部に光ファイバ被覆除去部4が設けられ、この先端部をV溝加工基板5のV溝加工部6に配置し、光ファイバ被覆部3をV溝加工基板5の他端側上面に載せた状態で並べられた複数本の光ファイバ2と、V溝加工部6に光ファイバ被覆除去部4を配置した状態でV溝加工部6の上面に接着剤8によって接着された平面板9と、この平面板9接着部分を除くV溝加工基板5上面全域に設けられた光ファイバ保護用の接着剤8とから構成されている。V溝加工基板5や平面板9は、シリカガラスやパイレックス(登録商標)ガラス、セラミック、シリコン、ジルコニアなどの材料で作製される。また光ファイバ2は、V溝加工部6のV溝加工基板5と平面板9の間に、UV硬化や熱硬化の樹脂、またはシリコーン樹脂などの接着剤8を充填し固定され、端面はカットまたは研磨によって加工される。光ファイバ2は、単心だけでなくテープ状の多心も使用されることが多く、アレイ後部は剥離や断線を防ぐために、弾性の大きな接着剤8を用いて保護されることが多い。
通常、光ファイバアレイは、アレイ端面を結合対象物と付き合わせた状態で利用されることが多く、それぞれの光ファイバから出射した光は調心された対象物と結合する。よって結合効率を良くするには、高度な位置精度と配列および接着技術が不可欠となる。また別の用途としては、光ファイバアレイの1つ以上の出射ポートから測定対象物に光を出射し、測定対象物で反射された光を、それ自身またはその他の光ファイバで受光し検知することで、その対象物の変位や、それにかかる圧力、ひずみなどのセンシングに応用されている。この光センシングにおける測定方法としては、光強度測定法や干渉測定法などがあるが、結合素子として使用する場合とは異なり、対象物との距離が長く、端面から出射された光は空間伝搬して受光ポートと結合する。よってセンシングに使用する場合は、高度な位置精度と配列および接着技術などに加え、出射光の分布であるファーフィールドパターン(以下、FFPと略記する。)が変形しないことが非常に重要となる。
光ファイバの固定に接着剤を使用するアレイでは、環境温度の変化によって接着剤が膨張・収縮し、光ファイバと石英基板との剥離や光ファイバの断線を引き起こすという問題があり、その問題に対する対策が多く行われている。この対策としては、構造を工夫したもの(特許文献1,2参照。)や、接着剤の弾性やガラス転移温度などの特性を調整したもの(特許文献3〜5参照。)、また先端部を接着剤で固定し、光ファイバの根元をメタライズしてから半田で固定したもの(特許文献6参照。)などが提案されている。
特開2003−255171号公報 特開2005−25135号公報 特開2002−357736号公報 WO2003/087911号パンフレット 特開2005−141082号公報 特開2003−161854号公報 特開平6−222246号公報 特許第330527号公報 特開2003−114351号公報 特開2003−322744号公報
しかしながら、特許文献1〜10に開示された従来のアレイは、接着剤が光ファイバ被覆除去部に直接付着する構造であり、接着剤の熱伸縮による光ファイバの位置変動や引き込み、出っ張り、破断、剥離の可能性がある。特にV溝加工部に使用する接着剤は、光ファイバの変動や剥離がないように、弾性が小さく硬めの接着剤が使用されることが多く、この接着剤の熱伸縮や硬化収縮による光ファイバへの歪みの影響は非常に大きい。また作製するときに、接着剤がV溝に沿ってV溝加工部後方に流れてしまうと、図1中符号7で示すエッジ部に多量の接着剤が付着してしまい、エッジ部を支点とした熱伸縮や硬化収縮による光ファイバへの歪みはさらに大きくなる。
また、接着剤の熱伸縮や硬化収縮による光ファイバへの歪みは、光損失やクラッドモード結合というような光伝搬の問題を引き起こし、その結果アレイ端面から出射されるFFPの変形をまねいてしまう。光ファイバにかかる歪み量は、環境温度変化による接着剤の熱伸縮によって歪みがかかり変化する場合や、硬化収縮によってあらかじめかかっていた歪みが熱伸縮によって緩和される場合があり、このような歪み量の変化によって、光ファイバから出射した光のFFPが変動することになる。その結果、結合素子で使用する場合には結合効率が変動することになり、特にセンシングに使用する場合には測定精度が著しく悪化してしまう。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、接着剤の熱伸縮や硬化収縮の影響を受けず、光ファイバの固定位置の変動や剥離・断線を防ぎ、出射光のFFPが変動しない光ファイバアレイの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、被覆を除去した複数本の光ファイバを並べて配列する複数のV溝加工部を有するアレイ基板と、前記V溝加工部の複数のV溝に配列した光ファイバと、前記V溝加工部に配列した光ファイバを押える弾性部材と、該弾性部材が当接する中央部に溝が設けられ、その両側が凸部とされた溝加工蓋とを有してなり、前記溝加工蓋のうち凸部のみが接着剤でアレイ基板に固定されたことを特徴とする光ファイバアレイを提供する。
本発明の光ファイバアレイにおいて、複数本の光ファイバが、互いに交差する角度で配置されている構成としてもよい。
本発明の光ファイバアレイにおいて、押え込む前の状態での弾性部材の厚さをa、溝加工蓋の溝の深さをb、溝加工蓋の凸部とアレイ基板とを固定する接着剤の厚さをcとすると、使用環境温度範囲内においてa>(b+c)の関係を満たすことが好ましい。
本発明の光ファイバアレイにおいて、押え込む前の状態での弾性部材の厚さをa、溝加工蓋の溝の深さをbとすると、使用環境温度範囲内において0.6b<a<0.9bの関係を満たすことが好ましい。
本発明の光ファイバアレイにおいて、弾性部材がシリコーン系ゴムからなることが好ましい。
本発明の光ファイバアレイは、被覆を除去した複数本の光ファイバを並べて配列する複数のV溝加工部を有するアレイ基板と、V溝加工部の複数のV溝に配列した光ファイバと、V溝加工部に配列した光ファイバを押える弾性部材と、該弾性部材が当接する中央部に溝が設けられ、その両側が凸部とされた溝加工蓋とを有してなり、溝加工蓋のうち凸部のみが接着剤でアレイ基板に固定された構成としたものなので、V溝内の光ファイバが弾性部材により押圧状態で保持され、使用環境温度の変化に伴う接着剤等の熱収縮に起因した歪みを弾性部材で吸収し、光ファイバに加わる歪み量を小さくすることができるので、接着剤の熱伸縮や硬化収縮の影響を受けず、光ファイバの固定位置の変動や剥離・断線を防ぎ、出射光のFFPが変動しない光ファイバアレイを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の光ファイバアレイの実施形態を説明する。
図2は、本発明の光ファイバアレイの第1実施形態を示す図であり、図2(a)は光ファイバアレイ10の正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。図2中、符号10は光ファイバアレイ、11は光ファイバ、12は光ファイバ被覆部、13は光ファイバ被覆除去部、14はアレイ基板、15はV溝加工部、16は溝加工蓋、17はエッジ部、18は光ファイバ固定用の接着剤、19は溝加工蓋固定用の接着剤、20は弾性部材である。
本実施形態の光ファイバアレイ10は、先端部の被覆を除去した複数本の光ファイバ11を並べて配列する複数のV溝加工部15を有するアレイ基板14と、前記V溝加工部15の複数のV溝に配列した光ファイバ11と、前記V溝加工部15に配列した光ファイバ11を押える弾性部材20と、該弾性部材20が当接する中央部に溝が設けられ、その両側が凸部とされた溝加工蓋16とを有してなり、溝加工蓋16のうち凸部のみが接着剤19でアレイ基板14に固定されたことを特徴としている。光ファイバ被覆部12の一部は、接着剤18によってアレイ基板14の上面に固定されている。
本実施形態の光ファイバアレイ10は、被覆除去された光ファイバ11をV溝加工部15に整列した状態で、弾性部材20を介し溝加工蓋16によって押圧状態で固定されている。このとき、弾性部材20の厚さは、アレイ使用環境温度範囲において、光ファイバ11を押えることを前提に決定されており、特に低温時、弾性部材20が収縮した状態においても、光ファイバ11を十分に押圧していることが必須となる。よって弾性部材20の厚さは、溝加工蓋16の溝深さとV溝からの光ファイバ突出量によって決定され、溝加工蓋16を上部より押え付け、弾性部材20を押しつぶした状態で、溝加工蓋16の両脇の凸部のみで接着固定するのが望ましい。
実際には、弾性部材20の厚さは、溝加工蓋16の溝深さよりも厚めに設計することが望ましいが、厚すぎると、弾性部材を押しつぶせずに接着ができないか、弾性部材20を押しつぶすのに大きな圧力が必要となり、溝加工蓋16や光ファイバ被覆除去部13に大きな歪みがかかり特性が悪くなるばかりでなく、凸部固定用の接着剤19の接着力よりも、弾性部材20が元の厚さに戻ろうとする反発力が大きくなり、溝加工蓋16が剥離するという問題が発生するため、使用する接着剤19と弾性部材20、溝加工蓋16によって適当に調整することが望ましい。
ここで弾性部材20は、光ファイバ11に十分に当接して押えることができ、かつ温度変化によって光ファイバ11に歪みをかけない材質であれば良く、特にシリコーン系やフッ素系のゴムを使用することが望ましい。弾性部材幅dは、弾性部材20がつぶれた状態で、押えるべき複数本の光ファイバ11を覆い、かつ溝加工蓋16の溝側面に接触しないように調整する。また弾性部材長eは、弾性部材20がつぶれた状態で、弾性部材20がアレイ先端面より突出し、光ファイバ端面に被らず、かつ後方が溝加工蓋16から突出しないことが望ましい。溝加工蓋16の両脇の凸部を接着剤19によってアレイ基板14に接着するとき、接着剤19が凸部領域よりはみ出すと、光ファイバ被覆除去部13に付着する恐れがあるため、接着剤19のはみ出しは好ましくない。ここで溝加工蓋16の固定は接着剤19に限定されず、低融点半田やホットワックスなど、溝加工蓋16とアレイ基板14との密着性が良いものであれば利用することができる。
また、図2に示すように、押え込む前の状態での弾性部材20の厚さをa(図中には記載なし)、溝加工蓋16の溝深さをb、溝加工蓋凸部とアレイ基板を固定する接着剤19の厚さをcとすると、使用環境温度範囲内においてa>(b+c)の関係を満たすことが望ましい。前記関係を満たすことによって、使用環境温度変化によって、各部が伸縮したとしても、弾性部材20の厚さが大きいため、弾性部材20と光ファイバ11との間に隙間が出来ることはなく、光ファイバ11の浮きや変動を防ぎ、精度が良好なアレイを実現することが可能となる。
本実施形態の光ファイバアレイ10は、被覆を除去した複数本の光ファイバ11を並べて配列する複数のV溝加工部15を有するアレイ基板14と、V溝加工部15の複数のV溝に配列した光ファイバ11と、V溝加工部15に配列した光ファイバ11を押える弾性部材20と、弾性部材20が当接する中央部に溝が設けられ、その両側が凸部とされた溝加工蓋16とを有してなり、溝加工蓋16のうち凸部のみが接着剤19でアレイ基板14に固定された構成としたものなので、V溝内の光ファイバ11が弾性部材20により押圧状態で保持され、使用環境温度の変化に伴う接着剤等の熱収縮に起因した歪みを弾性部材20で吸収し、光ファイバ11に加わる歪み量を小さくすることができるので、接着剤19の熱伸縮や硬化収縮の影響を受けず、光ファイバ11の固定位置の変動や剥離・断線を防ぎ、出射光のFFPが変動しない光ファイバアレイを提供することができる。
図3は、本発明の光ファイバアレイの第2実施形態を示す図であり、図3(a)は光ファイバアレイ50の正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。図3中、符号50は光ファイバアレイ、11は光ファイバ、12は光ファイバ被覆部、13は光ファイバ被覆除去部、14はアレイ基板、15はV溝加工部、16は溝加工蓋、17はエッジ部、18は光ファイバ固定用の接着剤、19は溝加工蓋固定用の接着剤、20は弾性部材である。
本実施形態の光ファイバアレイ50は、先端部の被覆を除去した複数本の光ファイバ11を並べて配列する複数のV溝加工部15を有するアレイ基板14と、前記V溝加工部15の複数のV溝に配列した光ファイバ11と、前記V溝加工部15に配列した光ファイバ11を押える弾性部材20と、該弾性部材20が当接する中央部に溝が設けられ、その両側が凸部とされた溝加工蓋16とを有してなり、溝加工蓋16のうち凸部のみが接着剤19でアレイ基板14に固定されたことを特徴としている。光ファイバ被覆部12の一部は、接着剤18によってアレイ基板14の上面に固定されている。
本実施形態の光ファイバアレイ50は、前述した第1実施形態の光ファイバアレイ10のように整列する複数本の光ファイバ11が平行となっているものに限られるものではなく、図3のように、複数本の光ファイバ11が、互いに交差する角度で配置されている構成とすることもできる。特に、光センシングなどの用途として、ある1つ以上の任意ポートから出射した光を、1つ以上の任意ポートで受光する場合は、角度のついた状態で使用されることがある。つまり、複数本の光ファイバ11の内に、互いに平行配置ではなく、交差配置されているものを含んで使用される。
さらに具体的には、図3(b)に示すように、アレイの長手方向に対して光ファイバ角度θをなして出射ポートとなる1本の光ファイバ11と、この出射ポートとθよりも大きな交差角度で配置されて受光ポートとなり、互いに平行に配置された2本の光ファイバ11が設けられる。
本実施形態の光ファイバアレイ50は、被覆除去されて交差角度で配置された光ファイバ11をV溝加工部15に整列した状態で、弾性部材20を介し溝加工蓋16によって押圧状態で固定されている。このとき、弾性部材20の厚さは、アレイ使用環境温度範囲において、光ファイバ11を押えることを前提に決定されており、特に低温時、弾性部材20が収縮した状態においても、光ファイバ11を十分に押圧していることが必須となる。よって弾性部材20の厚さは、溝加工蓋16の溝深さとV溝からの光ファイバ突出量によって決定され、溝加工蓋16を上部より押え付け、弾性部材20を押しつぶした状態で、溝加工蓋16の両脇の凸部のみで接着固定するのが望ましい。
実際には、弾性部材20の厚さは、溝加工蓋16の溝深さよりも厚めに設計することが望ましいが、厚すぎると、弾性部材を押しつぶせずに接着ができないか、弾性部材20を押しつぶすのに大きな圧力が必要となり、溝加工蓋16や光ファイバ被覆除去部13に大きな歪みがかかり特性が悪くなるばかりでなく、凸部固定用の接着剤19の接着力よりも、弾性部材20が元の厚さに戻ろうとする反発力が大きくなり、溝加工蓋16が剥離するという問題が発生するため、使用する接着剤19と弾性部材20、溝加工蓋16によって適当に調整することが望ましい。
弾性部材20は、光ファイバ11に十分に当接して押えることができ、かつ温度変化によって光ファイバ11に歪みをかけない材質であれば良く、特にシリコーン系やフッ素系のゴムを使用することが望ましい。弾性部材20の幅をdとすると、弾性部材幅dは、弾性部材20がつぶれた状態で、押えるべき複数本の光ファイバ11を覆い、かつ溝加工蓋16の溝側面に接触しないように調整する。例えば、出射ポート1本と受光ポート2本の計3本の光ファイバを設ける構成では、平行に4本以上の光ファイバを設ける構成よりも、弾性部材幅dを小さくできる。
また、弾性部材20の長さをeとすると、弾性部材長eは、弾性部材20がつぶれた状態で、弾性部材20がアレイ先端面より突出し、光ファイバ端面に被らず、かつ後方が溝加工蓋16から突出しないことが望ましい。溝加工蓋16の両脇の凸部を接着剤19によってアレイ基板14に接着するとき、接着剤19が凸部領域よりはみ出すと、光ファイバ被覆除去部13に付着する恐れがあるため、接着剤19のはみ出しは好ましくない。ここで溝加工蓋16の固定は接着剤19に限定されず、低融点半田やホットワックスなど、溝加工蓋16とアレイ基板14との密着性が良いものであれば利用することができる。
また、押え込む前の状態での弾性部材20の厚さをa、溝加工蓋16の溝深さをb、溝加工蓋凸部とアレイ基板を固定する接着剤19の厚さをcとすると、使用環境温度範囲内においてa>(b+c)の関係を満たすことが望ましい。前記関係を満たすことによって、使用環境温度変化によって、各部が伸縮したとしても、弾性部材20の厚さが大きいため、弾性部材20と光ファイバ11との間に隙間が出来ることはなく、光ファイバ11の浮きや変動を防ぎ、精度が良好なアレイを実現することが可能となる。
以上のように、本実施形態の光ファイバアレイ50によれば、出射ポートと受光ポートのように互いに交差配置された光ファイバを含む複数本の光ファイバ11が弾性部材20により押圧状態で保持され、使用環境温度の変化に伴う接着剤等の熱収縮に起因した歪みを弾性部材20で吸収し、光ファイバ11に加わる歪み量を小さくすることができるので、接着剤19の熱伸縮や硬化収縮の影響を受けず、光ファイバ11の固定位置の変動や剥離・断線を防ぎ、出射光のFFPが変動しない光ファイバアレイを提供することができる。
(本発明の第1実施形態についての実験A)
図1に示す従来構造の光ファイバアレイ1のサンプルA2と、図2に示す本発明に係る光ファイバアレイ10のサンプルA1とをそれぞれ作製し、光ファイバ端面からの出射光のFFPを測定し比較を行った。
従来例のサンプルA2の作製方法は、8心V溝加工を施した石英ガラス基板に、シングルモード(SM)の光ファイバ8本の被覆除去した先端部を整列させ、平面板により光ファイバを上から押え、挟み込むことで把持した。その後、V溝加工部全体に接着剤を充填して硬化した。固定用接着剤として、硬度が85±5(ショアD)程度のエポキシ系UV硬化樹脂を使用し、UV照射条件は、波長300〜370nm、照度150〜200mW/cmで2分間程度とした。樹脂硬化後、サンプルA2ではアレイ端面に研磨処理を施した。
本発明のサンプルA1の作製方法は、光ファイバ11としてサンプルA2と同等のSM光ファイバを使用し、端面をクリープした光ファイバ11を、8心V溝加工を施した石英ガラス製のアレイ基板14に整列させ、光ファイバ上部にシリコーンゴムからなる弾性部材20を載せ、その上部から溝加工蓋16により押え、両脇凸部のみを接着剤19で固定した。接着剤はサンプルA2で用いたものと同等のものを使用した。
ここでクリープ端面が斜めであったり、欠けていたりすると、それが要因で出射光のFFPが変化してしまうため、V溝に整列する前に光ファイバ単体でFFPの変形がないかを確認した。
FFPの測定は、室温環境で行われ、上記のアレイの任意ポートと、端面をクリープカットされた1本の受光用SM光ファイバを、アレイ端面から2mm程度離した位置で対向させ設置し、アレイからの出射光強度を検出しながら、アレイの光ファイバ中心軸を基準に±100μmスキャンすることでFFPを確認した。
図4にFFP測定結果を示す。従来例のサンプルA2(点線)と本発明のサンプルA1(実線)のそれぞれの結果を比較すると、サンプルA2ではFFPが変形していることが明らかに確認できる。それに対し、本発明のサンプルA1ではFFPの変形はなく、きれいなガウシアン形状となった。
以上より、光ファイバ11を弾性部材20を介して押圧保持する構造の本発明の光ファイバアレイにおいて、FFP変形を抑制できることが確認された。
(本発明の第2実施形態に関連する実験B)
使用環境温度範囲において、光ファイバ11と弾性部材20との隙間ができることでの変動や、光ファイバ11への歪が生じることでの損失変動やFFP変形がないかを確認した。確認方法としては、図3に示すように、角度θで3本の光ファイバ11を固定した光ファイバアレイ50のサンプルB1を作製し、図5に示すようにアレイ端面に対向させて反射板24を設置した状態で、出射ポート23から光を出射させ、第1受光ポート21と第2受光ポート22で受光し、光強度をモニタした。なお、図5中、符号25は反射光、26は出射光である。
この状態でアレイに温度変化を与え、もし光ファイバ11が変動したり、FFPが変形したりすれば、光強度が変化するはずである。ここで出射光26の光源による光強度変動の影響を除くため、受光は、第1受光ポート21と第2受光ポート22の2ポートで行い、それらの光強度P1とP2の比であるF=(P1−P2)/(P1+P2)を計算し、このFの各温度における平均値からのばらつきを求めることで評価した。
図3に示すように、サンプルB1の作製は、光ファイバ3本で、出射ポート1本、受光ポート2本とし、角度θ=6゜で固定した。各光ファイバは、後方の被覆上部一箇所を、光ファイバ固定用のエポキシ系UV硬化樹脂で固定した。この実施例2の光ファイバアレイは溝加工蓋の深さb=0.23mm、シリコーンゴムの厚さ0.3mmのものを使用した。また、図8に示す比較例の光ファイバアレイのサンプルD2についても併せて評価した。
図8は、比較例の光ファイバアレイ(サンプルD2)を示す図であり、図8(a)は光ファイバアレイ100の正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。図8中、符号100は比較例の光ファイバアレイ、111は光ファイバ、112は光ファイバ被覆部、113は光ファイバ被覆除去部、114はアレイ基板、115はV溝加工部、116は平面板、117はエッジ部、118は光ファイバ固定用の接着剤、119は溝加工蓋固定用の接着剤である。
図8に示す比較例のアレイ100(サンプルD2)は、サンプルD1において、光ファイバ111の先端を平面板116で押さえた状態でエポキシ系樹脂を充填し、樹脂硬化後、アレイ先端面を研磨処理した構成である。
図6に評価結果を示す。温度変化条件としては−10℃から60℃の範囲で10サイクル変化させ、−10℃、15℃、40℃、60℃の4点で光強度測定を行った。これら各温度の測定値の平均値と各温度の測定値の差をとり、フルスパン0.8に対しての変動量を算出した。この結果、図6のように、比較例のサンプルD2では±1%F.S.以上の変動が見られるが、本発明のサンプルB1の構造とすることで±0.1%F.S.以下となり、精度として10倍以上の改善が確認された。
(本発明の第2実施形態に関連する実験C)
実験Bで作製したサンプルB1の構造において、シリコーンゴムの厚さを0.3mmで一定としたサンプルC1を使用し、このサンプルC1の溝加工蓋の蓋深さを変えていったときの、精度を確認した。精度の算出方法は実験Bと同様の方法で行った。
図7に結果を示す。図7の結果から、溝深さ0.2〜0.26mmのとき、精度は±0.1%F.S.を満たすことが確認された。溝深さが0.28mmの場合、低温時にシリコーンゴムが収縮し、光ファイバとシリコーンゴムの間に隙間が発生することで、光ファイバが変動し、精度が悪化する。また溝深さが0.18mmの場合は、高温時にシリコーンゴムが膨張することに加え、溝加工蓋を固定している接着剤が柔らかくなることで、溝加工蓋が動き、それに伴い、押えつけている光ファイバも変動するため、精度が悪化してしまう。これらの結果から、シリコーンゴムの厚さ0.3mmに対しては、溝厚さ0.2〜0.26mmが最適である。
ここで、押え込む前の状態での弾性部材の厚さa=0.3mm、溝加工蓋凸部とアレイ基板を固定する接着剤の厚さはc=0.01〜0.02mm程度であり、溝加工蓋の溝深さb=0.18〜0.28mmに対してcは非常に小さく、影響は小さいと考えられる。
よって使用環境温度範囲内において、弾性部材と溝加工深さの関係が、0.6b<a<0.9bを満たすとき、良好な精度を得ることが可能となる。
(本発明の第2実施形態に関連する実験D)
環境温度−15℃〜60℃で長期センシングした場合、光ファイバアレイにおいて、光ファイバと弾性部材との隙間ができることの変動や、光ファイバへの歪が生じることでの損失変動やFFP変形などによる測定精度悪化がないことを確認した。
評価サンプルとして、図3に示す角度θで3本の光ファイバ11を固定した光ファイバアレイ50(サンプルD2)と、図8に示す比較例の光ファイバアレイ100(サンプルD2)とを使用する。
図3に示すように、サンプルD1は、出射ポート1本、受光ポート2本の全3本で、各々をV溝加工板14のV溝加工部15に整列させて、出射ポートと受光ポートのそれぞれを光ファイバ角度θ=6゜で固定した。ここで、各光ファイバは、後方の被覆上部一箇所を、光ファイバ固定用のエポキシ系UV硬化樹脂で固定している。また、各光ファイバの先端は、厚さ0.3mmのシリコーンゴムを介して、深さb=0.23mmの溝加工蓋16で押さえ、この溝加工蓋16の両脇凸部にエポキシ系樹脂を塗布し、固定した。
評価方法について説明する。図5に示すようにアレイ端面に対向させて反射板24を状態で、出力ポート光ファイバから光を出射させ、受光ポート光ファイバで受光し、光強度をモニタした。この状態でアレイに温度変化を与え、もし光ファイバが変動したり、FFPが変形したりすれば、光強度が変化するはずである。ここで、出射光の光源により光強度変動の影響が考えられるが、実施例4のアレイ構造は、第1受光ポート21と第2受光ポート22の2ポートで受光する構造であり、それぞれの受光ポートの光強度P1とP2の比であるF=(P1−P2)/(P1+P2)を計算することで、光源による光強度変動の影響は相殺される。
長期ヒートサイクル試験の条件は、温度範囲−15℃から60℃まで、各温度1時間保持で1000サイクルとした。各保持温度で光強度を測定し、各温度における測定値Fの平均値と各温度の測定値Fの差をとり、フルスパン0.8で割ることにより、フルスパンに対する変動量を算出した。
図9に評価結果を示す。図9に示すように、サンプルD2では、1000サイクル後で10%F.S.程度の精度変動が見られるが、サンプルD1では、±0.1%F.S.以下とほとんど変動せず、長期の温度変化に対しても非常に安定していることを確認した。
従来の光ファイバアレイの一例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。 本発明の光ファイバアレイの第1実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。 本発明の光ファイバアレイの第2実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。 実験Aの比較結果を示すグラフである。 実験Bで用いた光ファイバアレイの構成を示す平面図である。 実験Bの比較結果を示すグラフである。 実験Cの測定結果を示すグラフである。 比較例の光ファイバアレイを示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。 実験Dの評価結果を示すグラフである。
符号の説明
10…光ファイバアレイ、11…光ファイバ、12…光ファイバ被覆部、13…光ファイバ被覆除去部、14…アレイ基板、15…V溝加工部、16…溝加工蓋、17…エッジ部、18,19…接着剤、20…弾性部材、21…第1受光ポート、22…第2受光ポート、23…出射ポート、24…反射板、25…反射光、26…出射光、50…光ファイバアレイ。

Claims (5)

  1. 被覆を除去した複数本の光ファイバを並べて配列する複数のV溝加工部を有するアレイ基板と、前記V溝加工部の複数のV溝に配列した光ファイバと、前記V溝加工部に配列した光ファイバを押える弾性部材と、該弾性部材が当接する中央部に溝が設けられ、その両側が凸部とされた溝加工蓋とを有してなり、前記溝加工蓋のうち凸部のみが接着剤でアレイ基板に固定されたことを特徴とする光ファイバアレイ。
  2. 複数本の光ファイバが、互いに交差する角度で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバアレイ。
  3. 押え込む前の状態での弾性部材の厚さをa、溝加工蓋の溝の深さをb、溝加工蓋の凸部とアレイ基板とを固定する接着剤の厚さをcとすると、使用環境温度範囲内においてa>(b+c)の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバアレイ。
  4. 押え込む前の状態での弾性部材の厚さをa、溝加工蓋の溝の深さをbとすると、使用環境温度範囲内において0.6b<a<0.9bの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  5. 弾性部材がシリコーン系ゴムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
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