JP2008292214A - 沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄設備及び洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
原子力発電所の原子炉圧力容器底部ドレンラインのドレン止め弁の健全性を確保する。
【解決手段】
原子炉圧力容器底部のドレンラインに設置されているドレン止め弁にシートリークが発生した場合、洗浄切替弁を閉じ、洗浄水供給弁を開いて、洗浄水供給配管からドレン配管内に純水を、ドレン止め弁の下流側から上流に向けて逆流させてドレン止め弁の弁シート部に噛み込んだ異物を洗い流してシートリーク発生を解消を行い、シートリーク発生が解消されない場合には、洗浄切替弁と洗浄水供給弁との両弁を閉じて、洗浄切替弁と洗浄水供給弁とをドレン止め弁のバックアップ止め弁として使用する。
【選択図】図1
原子力発電所の原子炉圧力容器底部ドレンラインのドレン止め弁の健全性を確保する。
【解決手段】
原子炉圧力容器底部のドレンラインに設置されているドレン止め弁にシートリークが発生した場合、洗浄切替弁を閉じ、洗浄水供給弁を開いて、洗浄水供給配管からドレン配管内に純水を、ドレン止め弁の下流側から上流に向けて逆流させてドレン止め弁の弁シート部に噛み込んだ異物を洗い流してシートリーク発生を解消を行い、シートリーク発生が解消されない場合には、洗浄切替弁と洗浄水供給弁との両弁を閉じて、洗浄切替弁と洗浄水供給弁とをドレン止め弁のバックアップ止め弁として使用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、沸騰水型原子力発電プラントにおける原子炉圧力容器底部ドレンラインの洗浄設備と洗浄方法に関し、特にはそのドレンラインに装備されたドレン止め弁のシートリークを解消する技術に係る。
沸騰水型原子力発電プラント(以下、単にプラントとも言う。)の原子炉圧力容器の底部には、プラントの通常運転中に原子炉圧力容器内の炉水を浄化するための原子炉冷却材浄化系の配管が接続され、プラントの通常運転中及び定期検査期間中にも原子炉圧力容器内の炉水(単に、水とも言う。)を原子炉冷却材浄化系により炉水を吸引してその炉水を浄化している。
この原子炉圧力容器底部からの原子炉冷却材浄化系の配管には、プラントの定検時において原子炉圧力容器内の炉水を全て抜いて原子炉圧力容器内の炉内点検や補修作業が行えるようにドレン配管がドレンラインとして接続されている。
そのドレンラインには通常時閉の手動ドレン止め弁が直列で2重に設けられ、そのドレンラインによって原子炉圧力容器から抜かれる炉水の排出先はプラントのドライウェル内におけるドレンサンプとされている。
このドレンラインの2重のドレン止め弁にて万が一シートリークが発生すると、原子炉圧力容器の最低部からの冷却材流出事象となるので、定検作業終了後の原子炉起動前に、原子炉圧力容器内全体を加圧して原子炉圧力容器漏えい試験を実施してドレン止め弁にシートリークが発生していないことを確認している。
ここで、原子炉圧力容器漏えい試験時に、ドレン止め弁からのシートリークが確認された場合、一般的には弁の増し締めによる対応を実施し、それでも、シートリークが継続する場合には弁シート部への異物噛み込みの可能性が高いと言える。
その異物としては、定検作業中における持ち込まれた異物や作業中に発生する粉塵、大気中に浮遊する粉塵や原子炉圧力容器内の構造物より発生する微量な錆等が考えられる。これらの異物は、原子炉圧力容器の最低部に集りやすいことから、ドレン止め弁の弁シート部への異物噛み込み発生ポテンシャルを完全に排除することは現実的に不可能であると言える。
ドレン止め弁にて、異物噛み込みによるシートリークが確認された場合、ドレン止め弁を一旦開する操作を実施し、原子炉圧力容器内の水をドレンサンプへ排水し、シート部の異物をその排水に巻き込ませて除去した後、再度、ドレン止め弁を閉とする操作を実施している。
しかしながら、原子炉圧力容器内の冷却材である水を流すことでの異物除去を行っても、原子炉圧力容器の最低部には異物が集まっている可能性が高いことから、再度、ドレン止め弁が異物を噛み込む可能性がある。
以上の方法にて、ドレン止め弁の異物除去によるシートリーク解消作業を行っても改善されない場合、ドレン止め弁の分解点検及び弁シート部の摺り合わせ作業が必要となる。
このドレン止め弁の分解点検及び弁シート部の摺り合わせ作業を行うためには、原子炉起動準備状態となっている原子炉内から全燃料を取り出し、原子炉圧力容器内の水を全て抜くことが必要となり、これにより定検工程期間が長くなって、プラントの発電稼働時間を長時間失うという大きな影響を発生するに至る。
原子炉圧力容器底部のドレン配管の洗浄方法と洗浄装置は特開昭63−106600号公報(特許文献1)に掲載されている。また、原子炉圧力容器底部に貫通設置される管体内の塵埃を除去する方法は特開2000−356699号公報(特許文献2)に掲載されている。
特許文献1には、原子炉圧力容器内の冷却材(水)を浄化して循環する原子炉冷却材浄化系の配管から、原子炉圧力容器底部ドレン配管に洗浄用配管を接続し、この洗浄用配管にポンプを設置することで浄化した炉水をポンプで高圧・高流速にてドレン配管内に供給してドレン配管内を洗浄する構成が掲載されている。この特許文献1に掲載の技術は、沸騰水型原子力発電プラントのプラント通常運転中における原子炉圧力容器底部のドレン配管の放射線量率低減を目的としたものであり、原子炉圧力容器底部の水抜き用ドレン止め弁の異物噛み込みを解消することを目的としたものではなく、現にドレン配管止め弁内をポンプで高速高圧にした浄化後の炉水を通過させる構成ではないから、洗浄すべき対象箇所をドレン止め弁内を含んでおらず、ドレン止め弁の異物噛み込みを解消する目的や構成を備えていない。
次に、特許文献2には、原子炉圧力容器底部に貫通設置される管体である制御棒案内管底部の閉止板上に蓄積した放射性塵埃を、止め弁を有するドレン排出管と気体供給管とを開閉弁を介して制御棒案内管底部に接続して、開閉弁を開いた状態で気体供給管から加圧空気を制御棒案内管内に供給してバブリング作用にて閉止板上の放射性塵埃を浮遊させ、その状態でドレン排出管の止め弁を開いて制御棒案内管内の水抜きをドレン排出管を通じて行うことで効果的に閉止板上の放射性塵埃を除去する技術的事項が開示されている。
この特許文献2の内容は、原子炉圧力容器底部の構造上除去が容易でない構造物に対する放射性塵埃を除去することで、原子炉圧力容器底部の放射線線量率低減を目的としたものであり、現にバブリング作用はドレン排出管の止め弁におよばず、その止め弁内をバブリング作用で洗浄して異物噛み込みを解消することの構成や目的は存在していない。
以上のように、原子炉圧力容器底部のドレン配管のドレン止め弁において万が一シートリークが確認され、解消作業を行っても改善されない場合、ドレン止め弁の分解点検及びシート部の摺り合わせ作業が必要となり、原子炉起動準備状態となっている原子炉内から全燃料を取り出し、原子炉圧力容器内の水を全て抜くことが必要となるなど、定検工程を長くする要因が発生し、原子力発電所の発電稼働時間を長時間失うなどの大きな影響を原子力発電所に与えることになる。
従って、本発明の主目的は、原子炉圧力容器底部のドレン配管のドレン止め弁のシートリーク発生の主たる原因と考えられる弁シート部の異物噛み込み除去を原子炉圧力容器内の冷却材(炉水)で行わないようにして、効果的にシートリークを解消出来るようにすることにあり、他の目的は、主目的に加えて、ドレン止め弁のシートリークが解消されなかった場合には、ドレン止め弁の機能を弁シート部の異物噛み込み除去に用いる設備中の弁で発揮させてバックアップをはかることである。
本発明は、主目的を果すために、原子炉圧力容器底部のドレン配管に設けたドレン止め弁のシートリーク発生の主たる原因と考えられる弁シート部の異物噛み込みを効果的に除去出来るように、原子炉圧力容器底部のドレン配管に設けたドレン止め弁の下流側に純水を供給することが出来る洗浄水供給配管及びその洗浄水供給配管に設けた止め弁を有すると共に、ドレン配管に純水を供給する個所よりも一層下流側に、純水をドレン止め弁の方向に流す操作に必要な他の止め弁を設ける構成を採用して、純水がドレン配管のドレン止め弁内を通過してドレン止め弁内を洗浄する方法を採用できるようにした。
更に他の目的を果すために、主目的を果す上記構成に加えて、各止め弁ともにドレン止め弁と同一の高温高圧条件で設計されているものを採用して、ドレン止め弁のシートリーク発生を解消されない場合であっても、各止め弁を閉めてドレン止め弁の流れを止めるという止め機能を各止め弁に果させる方法を採用できるようにした。
本発明によれば、原子炉圧力容器底部のドレン配管のドレン止め弁を純水にて洗浄して、ドレン止め弁のシートリーク発生時の主たる要因であるシート部の異物を効果的に除去出来る。
また、洗浄のために採用した各止め弁をドレン止め弁と同一の高温高圧条件で設計してあるものについては、ドレン止め弁のシートリークが解消されない場合であっても、各止め弁をドレン止め弁に代用して、これにより、原子炉起動準備状態となっている原子炉圧力容器の水抜き、ドレン止め弁の開放点検・摺り合わせ作業を行わずに原子力発電所の発電稼働時間の損失を軽減できる。
本発明の一実施例による沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄設備が図1に示されている。図1において、その洗浄設備の系統構成と運用方法などを以下に説明する。
沸騰水型原子力発電プラントは原子炉建屋内に原子炉格納容器を備え、その原子炉格納容器内に沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器1が格納されている。その原子炉圧力容器1内には、核燃料が装荷された炉心と、その炉心を水没させている冷却材としての炉水と、その他の炉内機器等が内蔵されている。
その原子炉圧力容器1の底部には、プラント通常運転中の炉水を浄化する原子炉冷却材浄化系の吸込用の配管2が接続され、プラント通常運転中及び定期検査期間中にも連続して原子炉圧力容器1内の炉水を吸引しては浄化して原子炉圧力容器1内に戻し入れている。
この原子炉圧力容器1底部に接続された原子炉冷却材浄化系の配管2には、プラント定検時において原子炉圧力容器1内の炉水を全て抜いて炉内点検や補修作業が行えるようにドレンライン3を接続してある。
ドレンライン3は、配管2に接続されたドレン配管7と、そのドレン配管7に2弁直列に設けられたドレン止め弁4,5とから構成されている。ドレン止め弁4,5はプラント稼働時などの通常時は閉じられている手動の弁である。このドレンライン3による排水は原子炉格納容器におけるドライウェル内のドレンサンプ6へ導かれている。
原子炉圧力容器1底部に配管2を介して接続されているドレンライン3では、配管2や原子炉圧力容器1側からドレンサンプ6へ排水がドレン配管7内を流れるので、配管2や原子炉圧力容器1側が上流側であり、ドレンサンプ6側が下流方向となる。
そのドレン配管7の2重のドレン止め弁4,5よりも下流側の部位には、洗浄切替弁10が設けられ、開弁してドレン配管7内の排水の流れを許容したり、閉弁して排水の流れを止めたりすることが出来る。
ドレン止め弁5と洗浄切替弁10との間のドレン配管7の部位には、洗浄水供給配管11が接続され、その洗浄水供給配管11には洗浄水供給弁12が、洗浄水供給配管11内の純水の流れを閉弁により止めたり、開弁によりドレン配管7に供給したり出来る。
その洗浄水供給配管11にはホースカプラ13を介して、仮設ホース16の一端が着脱自在に接続され、その仮設ホース16の他端はホースカプラ14を介して純水補給水供給配管15に接続されている。
その純水補給水供給配管15は、沸騰水型原子力発電所に備えられている純水補給水系からの純水が流されるように純水補給水系の一部となっている。その純水補給水供給配管15には、開閉弁17が設けられて、純水補給水系の純水を仮設ホース16に開弁により供給し、閉弁によりその供給を止める役割を果している。純水補給水系の全貌は図示していませんが、沸騰水型原子力発電プラントにおいては、発電所の運転に必要な純水を供給する系統として装備され、沸騰水型原子力発電プラントの原子炉補機冷却系等にも純水を供給できるように純水の供給系統が組まれている。
ドレン配管7への純水供給手段は、上記したように、純水補給水系と、仮設ホース16と洗浄水供給配管11と、それらに設けられたホースカプラ13,14や洗浄水供給弁12や開閉弁17により構成されている。
ドレンライン3のドレン止め弁4,5は、沸騰水型原子力発電プラントが稼働して原子炉圧力容器1内の圧力や温度が上昇しても、その際にドレン止め弁4,5に伝わる温度や圧力に十分に耐え得る条件で設計され、原子炉圧力容器1内を外側と隔離するに十分な性能となるように設計されている。洗浄水供給弁12や洗浄切替弁10もドレン止め弁4,5と同様な性能を有するようにドレン止め弁4,5と同様な条件で設計されている。
以上のような原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄設備は次のように運用される。即ち、沸騰水型原子力発電プラントが稼働して発電に供されている状態にあっては、各ドレン止め弁4,5と洗浄水供給弁12とは閉弁されている。原子力発電プラントの定期検査作業(定検作業)が到来した場合には、その沸騰水型原子力発電プラントの原子炉は稼働が停止される。その定検作業が行われた後には、原子炉起動前に、原子炉圧力容器1内全体を加圧して、その原子炉圧力容器1内の圧力や炉水が漏洩する個所があるか否かを判定する漏洩試験を実施する。
その漏洩試験で、ドレン止め弁4,5からのシートリークが確認された場合、まず一般的には増し締めによる対応を実施し、それでも、シートリークが継続する場合にはドレン止め弁4,5の弁シート部に異物が噛み込まれた可能性が高く、原子炉圧力容器1内の圧力を元に減圧した上で、ドレン止め弁4,5を一旦開する操作を実施し、原子炉圧力容器1内の冷却材である水をドレン配管7を経由させてドレン止め弁4,5内に通過させて、ドライウェル内ドレンサンプ6へ排水し、ドレン止め弁4,5の弁シート部の異物を洗い流して除去した後、再度、ドレン止め弁4,5を閉とする操作を実施する。
このような炉水を用いたシートリーク解消作業を実施してもドレン止め弁4,5にシートリークが有る場合には、純水によるドレン止め弁4,5内の洗浄を実施する。その洗浄作業は次のとおりである。
即ち、洗浄水供給配管11の先端に設けたホースカプラ13と、純水補給水供給配管15の端部に設けたホースカプラ14とに、仮設ホース16の端部を接続して洗浄作業の準備を行う。
漏洩試験のために原子炉圧力容器1内を加圧した圧力を大気圧にまで減圧し、その後、洗浄切替弁10を全閉とし、洗浄水供給弁12,開閉弁17,ドレン止め弁4,5を開とする。このようにすると、純水補給水系で加圧された純水が純水補給水供給管15から仮設ホース16と洗浄水供給配管11を通過してドレン配管7内に供給される。ドレン配管7内に供給された純水は洗浄切替弁10が閉じられていることから、ドレンライン3で炉水を排水する方向とは逆の方向に流れてドレン止め弁4,5内と配管2を通過して原子炉圧力容器1内に一部は流入し、他部は原子炉冷却材浄化系に入る。
このようにして、純水を原子炉圧力容器1底部へ、炉水を排水する場合とは逆方向に、流して、ドレン止め弁4,5内に噛み込んだ異物を純水で洗い流して除去し、その後、ドレン止め弁4,5を全閉としてドレン止め弁4,5のシートリークを解消する。
この様なドレンライン3の洗浄作業においては、ドレン止め弁4,5に噛み込んだ異物を清浄な水である純水で除去することが出来るため、シートリーク解消に効果が高い。
なお、ドレンライン3の洗浄作業における原子炉圧力容器1底部に加わる水頭圧は約0.4MPa 程度であり、沸騰水型原子力発電プラントに装備されている既設の純水補給水系からの供給圧力は約0.7MPa であることから、沸騰水型原子力発電プラントの既設設備の仕様を変更することなしに洗浄作業に十分に対応可能である。
本来、洗浄作業に対応するだけでよければ、今回設置する洗浄切替弁10及び洗浄水供給弁12の設計条件は、既設の純水補給水系の設計条件を満足する仕様とすることで十分と言える。しかし、本実施例では、さらに、洗浄切替弁10及び洗浄水供給弁12の設計条件を、原子炉圧力容器1の運転圧力および運転温度に耐えられる高温・高圧仕様の設計とする。このことにより、ドレンライン3の純水による洗浄作業において、ドレン止め弁4,5のどちらか1方のシートリークが解消されない場合でも、今回設置の洗浄切替弁10及び洗浄水供給弁12を全閉とすることにより、ドレン止め弁と同じ隔離弁としての機能を発揮させて2重の止め弁構成を確保し、原子炉起動準備状態となっている原子炉圧力容器1の水抜き、ドレン止め弁4,5の開放点検・摺り合わせ作業を省略して原子炉起動対応を可能とすることが出来る。
ドレン止め弁4,5の異物噛み込みによるシートリークは、異物を除去するだけでシートリークを解消できる場合と、異物を噛み込んだ際にシート部に微小な傷等が生じて異物除去を行ってもシートリークを完全に解消できない場合とがある。後者の場合には、洗浄切替弁10及び洗浄水供給弁12とがドレン止め弁4,5のバックアップ止め弁として使用し、原子炉起動準備状態となっている原子炉圧力容器1の水抜き、ドレン止め弁4,5の開放点検・摺り合わせ作業を省略して原子炉起動対応を可能とする。
なお、原子炉圧力容器1を含む原子炉冷却材圧力バウンダリを形成する配管系には、「発電用軽水炉型原子炉施設に関する安全設計審査指針」の指針19において適切な隔離弁を設けることの要求があり、具体的には、「原子炉冷却材圧力バウンダリ,原子炉格納容器バウンダリの範囲を定める規程(JEAG4602)」において、原子炉圧力容器底部ドレンラインには最低1弁の隔離弁を設置するよう要求されているが、本実施例では、より一層の信頼性確保の観点から2重の隔離弁構成となるように考慮した。
また、本実施例では、漏洩試験後に、炉水を用いたシートリーク解消作業を実施してもドレン止め弁4,5にシートリークが有る場合には、純水によるドレン止め弁4,5内の洗浄を実施するとしたが、漏洩試験後に、炉水を用いたシートリーク解消作業を省略して、純水によるドレン止め弁4,5内の洗浄を実施するようにしてもよい。この場合には、省略した作業分,定期検査期間が短縮できる。
このように、本発明の実施例によれば、原子炉圧力容器内の水抜きを行うドレンラインに接続した洗浄水供給配管とドレンラインの洗浄水供給配管接続部下流側にそれぞれ洗浄水供給弁や洗浄切替弁の止め弁を設置することで、清浄な純水をドレンラインに逆流させてドレン止め弁を含むドレンラインの洗浄を行っている。
また、それらの止め弁を閉じることで、万が一のドレン止め弁のシートリーク解消不可能時にそれらの止め弁をドレン止め弁のバックアップ止め弁として使用することが出来る。
それらの止め弁をドレン止め弁のバックアップ止め弁として使用することで2重の止め弁構成を確保し、これにより、原子炉起動準備状態となっている原子炉圧力容器の水抜き、ドレン止め弁の開放点検・摺り合わせ作業を行わずに原子炉起動対応を可能とすることが出来る。そのため、それらの作業を行わないで済む分、原子炉の起動を早期に行え、沸騰水型原子力発電プラントの発電に供する稼働時間を多く確保でき、沸騰水型原子力発電プラントの稼働効率を向上することが出来るという効果が得られる。
本発明は、沸騰水型原子力発電プラントに産業上の利用分野がある。
1 原子炉圧力容器
2 配管
3 ドレンライン
4,5 ドレン止め弁
6 ドレンサンプ
10 洗浄切替弁
11 洗浄水供給配管
12 洗浄水供給弁
13,14 ホースカプラ
15 純水補給水供給配管
16 仮設ホース
17 開閉弁
2 配管
3 ドレンライン
4,5 ドレン止め弁
6 ドレンサンプ
10 洗浄切替弁
11 洗浄水供給配管
12 洗浄水供給弁
13,14 ホースカプラ
15 純水補給水供給配管
16 仮設ホース
17 開閉弁
Claims (6)
- 沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器の水抜きを行うドレン配管と、
前記ドレン配管に設けられたドレン止め弁と、
前記ドレン止め弁よりも下流側に位置する前記ドレン配管の部位に第1の弁を介して純水を供給する純水供給手段と、
前記下流側の位置よりも更に下流側の前記ドレン配管の部位に設けられた第2の弁と、
を備えた沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄設備。 - 請求項1において、前記第1と第2の各弁は、温度と圧力の設計条件が前記ドレン止め弁と同等にして設計された弁であることを特徴とする沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄設備。
- 請求項1又は請求項2において、前記純水供給手段は、前記沸騰水型原子力発電プラントの純水補給水系と、前記純水補給水系の純水補給水供給配管に接続して前記純水を前記ドレン配管に供給する洗浄水供給配管と、前記洗浄水供給配管に設置された前記第1の弁とを有する沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄設備。
- 請求項3において、前記純水補給水供給配管と洗浄水供給配管とは、前記両配管に着脱自在に設けられた仮設ホースで接続自在とされている沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄設備。
- 沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器内の水を抜くドレン配管に、ドレン止め弁と、そのドレン止め弁よりも下流側に第2の弁とを設け、前記ドレン止め弁と前記第2の弁との間の前記ドレン配管に前記沸騰水型原子力発電プラントの純水補給水系からの純水を第1の弁を介して洗浄水供給配管を接続しておき、前記ドレン弁と前記第1の弁は開き、前記第2の弁は閉じた状態で、前記純水を前記純水補給水系から前記ドレン配管へ供給することによって、前記純水を前記水を抜く方向とは逆の流れ方向に流して前記ドレン止め弁を前記純水で洗浄する沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄方法。
- 請求項5において、前記洗浄の後に前記ドレン止め弁にシートリークがある場合には、前記第1の弁と第2の弁とを閉じることによって前記ドレン止め弁のバックアップ止め弁として前記第1の弁と第2の弁を用いる沸騰水型原子力発電プラントの原子炉圧力容器底部ドレンライン洗浄方法。
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JP2013202599A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 排水処理装置及び方法 |
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2007
- 2007-05-23 JP JP2007136111A patent/JP2008292214A/ja active Pending
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