JP2008291974A - 圧力容器の製造方法、自動車用アキュムレータの製造方法及び自動車用アキュムレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】引張残留応力を低減することが可能な圧力容器の製造方法、自動車用アキュムレータ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】有底筒状に形成されるとともに、径方向外側に延びるフランジ45を開口端側に有する形状の外殻部材である鋼管40を形成し、開口端の内壁部に蓋体50の側壁部を嵌合させることで、鋼管40の開口部を閉塞するとともに、フランジ45及び蓋体50の一方を他方に押し付けながら鋼管40と蓋体50との接合部に電流を印加することでこれらを溶接する。この溶接後、フランジ45の先端側を除去し、フランジ45の先端側の引張残留応力を低減させる残留応力低減工程を行う。
【選択図】図1
【解決手段】有底筒状に形成されるとともに、径方向外側に延びるフランジ45を開口端側に有する形状の外殻部材である鋼管40を形成し、開口端の内壁部に蓋体50の側壁部を嵌合させることで、鋼管40の開口部を閉塞するとともに、フランジ45及び蓋体50の一方を他方に押し付けながら鋼管40と蓋体50との接合部に電流を印加することでこれらを溶接する。この溶接後、フランジ45の先端側を除去し、フランジ45の先端側の引張残留応力を低減させる残留応力低減工程を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や産業機器の液圧回路に用いられるアキュムレータ等の圧力容器及びその製造方法に関し、特に加工後の残留応力の低減に関する。
油圧制御装置の油圧回路やショックアブソーバを用いた油圧回路等にアキュムレータ(蓄圧・緩衝装置)が用いられている。アキュムレータは、一般に、外殻部材と蓋体とを溶接等で接合することで形成された圧力容器にベローズ等が設けられた仕切板等が設けられており、圧力容器の内部がベローズによってガス室と油室とに区画される。油室内に流入する油の圧力変動をベローズの伸縮に伴うガス室内のガスの膨縮作用によって緩衝する構成となっている。
このような圧力容器の溶接には、圧力容器(外殻部材)の肉厚によって、CO2溶接、TIG溶接及び抵抗溶接等が用いられていた。しかし、これらの溶接方法では、均一な溶接及び溶接点の強度を得ることができない可能性もある。このため、例えば特許文献1に開示されるように、外殻部材と蓋体とを、外殻部材に設けられたフランジと蓋体を互いに押し付けるようにして荷重を印加するとともに抵抗溶接を行うことで、均一で強度の高い溶接を行う方法も知られている。なお、フランジは溶接後、その先端側が機械加工により除去される。
このような圧力容器を用いたアキュムレータは、油圧回路を流れる油に生じる脈動を効果的に抑制するための装置として、また省エネルギ化の為の蓄圧装置として、例えば自動車や産業機械に広く用いられている。
特開2006−057796号公報
上述した圧力容器(外殻部材と蓋体)の溶接を用いた接合方法では、次のような問題があった。すなわち、圧力容器は、溶接時における蓋体と外殻部材との押圧及び溶接後のフランジ先端側の除去により、フランジ除去部に引張残留応力が発生してしまう。
そこで本発明は、引張残留応力を低減することが可能な圧力容器の製造方法、自動車用アキュムレータ及びその製造方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の圧力容器の製造方法、自動車用アキュムレータ及びその製造方法は次のように構成されている。
外殻部材と蓋体とを有する圧力容器の製造方法において、筒状に形成されるとともに、径方向外側に延びるフランジを開口端側に有する形状に外殻部材を形成する形成工程と、上記開口端の内壁部に上記蓋体の側壁部を嵌合させることで、上記外殻部材の開口部を閉塞する組立工程と、この組立工程後、上記フランジ及び上記蓋体の一方を他方に押し付けながら上記外殻部材と上記蓋体との接合部に電流を印加することでこれらを溶接する溶接工程と、この溶接工程後、上記フランジの先端側を機械加工により除去する除去加工工程と、この除去加工工程後、上記フランジの先端側の引張残留応力を低減させる残留応力低減工程と、を備えることを特徴とする。
また開口端を有する筒状をなし、径方向外側に延びるフランジを上記開口端側に有する外殻部材と、上記開口端の内壁部に側壁部を嵌合させることで、上記外殻部材を閉塞させる蓋体と、を備え、上記外殻部材及び上記蓋体は、上記外殻部材及び上記蓋体を嵌合後、上記フランジ及び上記蓋体の一方を他方に押し付けながら上記外殻部材及び上記蓋体が当接する接合部に電流を印加することでこれらを溶接し、上記フランジの先端側を除去するとともに、引張残留応力を低減することで形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、フランジの先端側の引張残留応力を低減することが可能となる。
図1は本発明の一実施の形態に係る圧力容器を用いたアキュムレータ20を示す縦断面図、図2は同アキュムレータ20の鋼管40の焼鈍温度に対する引張残留応力残存率を示すグラフ、図3は同鋼管40の焼鈍温度及び焼鈍後の引張残留応力と遅れ破壊の発生状況との関係、及び、焼鈍温度と焼鈍後の引張強度との関係を示すグラフである。なお、図1中Gはガス室(気室)、Lは油室(液室)、Qは溶接点を示している。また、引張残留応力を正(+)、圧縮残留応力を負(−)として説明する。
アキュムレータ20は、圧力容器30と、この圧力容器30に収容されたベローズ機構60とを備えている。圧力容器30は、鋼材で形成され、外殻部材である有底筒状の鋼管40と、この鋼管40の開口部に嵌合する蓋体50とを備えており、鋼管40と蓋体50とを溶接点(接合部)Qで溶接させることで構成されている。圧力容器30内は、鋼管40とベローズ機構60とによりガス室Gが形成されており、さらに、蓋体50とベローズ機構60とにより油室Lが形成されている。
鋼管40は、管部41と底部42とが例えば押出成形により一体成形されており、押出成形後、焼鈍が行われる。この焼鈍は、後述するように、500℃以上600℃以下程度で行われる。管部41の一端には開口部を有しており、この開口部から後述する曲面部41cを介して管部41にはガス室Gを形成する内壁面41aが設けられている。開口部には、後述する溶接時に用いられ、溶接終了後除去されるフランジ45が設けられている。
底部42には、貫通孔42aが形成されており、この貫通孔42aはガス封入栓43により気密に閉塞されている。さらに、貫通孔42aの外部にはカバー44が取り付けられている。
蓋体50は、円盤状に形成された蓋体本体51と、この蓋体本体51の軸心上に設けられたポート部52と、蓋体本体51のポート部52が設けられている面51a(以下、上面)と反対の面51b(以下、下面)の軸心上に、例えば溶接により接合された円筒部材53とを備えている。
蓋体本体51は、下面51b側が鋼管40の内側に位置し、上面51a側が外部へと露出するよう配置されている。また、蓋体本体51の側面部51cの下面側には、樹脂材等により形成されたリング状の遮断シール54を挿入するシール溝55が設けられている。蓋体本体51の側面部51cであり、シール溝55よりも上面51a側には、溶接時に溶解することで、鋼管40の曲面部41cと溶接される溶接部56が設けられている。ここで、曲面部41cと溶接部56とが溶接されるときに発生するスパッタ(溶接片等)は、遮断シール54により遮断されるため、スパッタは、ガス室Gへと進入することはない。
ポート部52は、この内部に通油孔52aが設けられている。円筒部材53は、内部に空洞部53aが形成されており、通油孔52aと連続している。また、円筒部材53の底部には、空洞部53aと油室Lとを連続させる開口部57が設けられている。また、ポート部52は、例えば図示しない油圧回路の配管上に接続されている。
ベローズ機構60は、筒状に形成され開口端の一方が、蓋体本体51の下面に配置された金属ベローズ61と、この金属ベローズ61の開口端の他方に取り付けられた円板状のベローズキャップ62と、このベローズキャップ62に設けられ、例えばゴム材により形成されたシール部材63と、ベローズキャップ62の外周部62bに取り付けられたガイド64とを備えている。
ベローズキャップ62は、ベローズキャップ62の軸心上、かつ、底部42側に円筒状の凹部62aを有している。また、シール部材63は、金属ベローズ61が収縮した際に、シール部材63の上面が円筒部材53の下面に当接することで、開口部を57をシール可能に形成され、凹部62aに嵌合されている。ガイド64は、金属ベローズ61の伸縮にあわせベローズキャップ62が移動する際に内壁面41aをスムーズに摺動可能に形成されている。
このように構成されたアキュムレータ20では、ポート部52の通油孔52aを介して油室L内に導入された圧油の圧力が、ガス室Gのガス圧を超えると、金属ベローズ61が伸張してガス室G内のガスが収縮する。一方、油室L内の圧油の圧力がガス室G内のガス圧を下回ると金属ベローズ61が収縮してガス室G内のガスが膨張する。このようなガス室G内のガスの膨縮作用により油圧回路の圧油の圧力変動が緩衝され、圧油の脈動が抑制される。
次に、アキュムレータ20に用いられる圧力容器30の製造工程の説明を行う。
まず、鋼管40は上述にもあるように、形成工程として押出成形等で一体成形により形成されている。このため、鋼管40を形成後、鋼管40内部には、引張残留応力が発生する。この引張残留応力を低減するために、鋼管40を焼鈍させる焼鈍工程を行う。
まず、鋼管40は上述にもあるように、形成工程として押出成形等で一体成形により形成されている。このため、鋼管40を形成後、鋼管40内部には、引張残留応力が発生する。この引張残留応力を低減するために、鋼管40を焼鈍させる焼鈍工程を行う。
図2には、焼鈍を行わない場合の引張残留応力を100%とし、焼鈍温度の違いによる引張残留応力残存率が示されている。図2に示すように、焼鈍温度が475℃以上で引張残留応力残存率が20%以下となり、700℃程度で、引張残留応力残存率が0%に近似することとなる。このように、焼鈍温度が高いほど引張残留応力は小さくなる。しかし、焼鈍は、焼鈍温度が高くなると、材料の引張強度を低下させてしまうという欠点がある。以下、その点について説明する。
図3に示すように、焼鈍をすることで、引張残留応力が500MPa以下であれば、焼鈍温度にかかわらず遅れ破壊はほぼ発生しない。また、焼鈍温度が500℃以上の場合、靭性の向上に伴い、引張残留応力がどれだけであるかにかかわらず遅れ破壊はほぼ発生しない。一方、引張強度は焼鈍を行うと焼鈍温度が上昇するごとに、徐々に低下し、600℃を超えると急激に引張強度が低下する。特に、本実施の形態の鋼管40のように、押出成形等により加工硬化が生じるものでは、焼鈍により引張強度が低下するのは望ましくない。
これらのことにより、焼鈍は、焼鈍温度が500℃以上600℃以下の範囲にあることを条件に行うこととする。これにより、引張強度も850MPa程度以上に保てる。
このように、鋼管40の焼鈍を行ったら、各構成品の組立てを行ったのち、図4に示すように蓋体50(蓋体本体51)を鋼管40の開口部へ嵌合させる(組立工程)。このとき、蓋体50の溶接部56は鋼管40の曲面部41cに当接する。この状態で、蓋体50の上面部及びフランジ45の下面部に電極(以下、蓋体50側を電極71、フランジ45側を電極72とする)を設置させる。電極71,72により、蓋体50及びフランジ45に、それぞれが向かい合う方向へと荷重Pを印加しながら電極71,72間に電流Iを通電を行う。図4中に示すように、電極71,72間に通電させることで、電流Iは電極71から溶接部56及び曲面部41cを介して電極72へと流れることとなる。
図4、5に示すように、蓋体50とフランジ45とにそれぞれ荷重Pを印加させながら電流Iを電極71,72間に流すため、蓋体50の溶接部56は融解するとともに、蓋体50と鋼管40とは、溶接点Qで均一に溶接される(溶接工程)。溶接終了後、蓋体50と鋼管40とにより圧力容器30が形成される。そして、図6に示すように、荷重Pの印加をやめ、電極71,72をはずし、切削することで、フランジ45を除去する(除去加工工程)。
ここで、溶接点Qには、荷重Pを印加しつつ溶接を行い蓋体50と鋼管40とを固定するため、引張残留応力Rが発生する。また、フランジ45を除去するための切削加工においても、図示しないが、切削部46に切削による引張残留応力が発生することとなる。このような引張残留応力は、部材を拘束しつつ溶接や加工等の局部的な加熱・応力印加等を行うことにより、加工後に部材内部に応力が残ってしまうことで発生する。引張残留応力は、その性質上、部材を変形させることで、割れ及び破壊等の促進となることがある。
これに対し、圧縮残留応力は、引張残留応力とは逆(負の)方向の残留応力である。このため、引張残留応力が発生している箇所に圧縮残留応力を印加することで、残留応力が相殺され低減することとなる。つまり、圧縮残留応力が発生することで、疲労特性の向上となり、割れ及び破壊等を防止することとなる。
そこで、次に、切削部46の引張残留応力を低減させる残留応力低減工程を行う。まず、研磨具であるサンドペーパ(#30〜600程度)により、切削部46を研磨処理する。図7は、サンドペーパを用いて研磨したときの、切削部46表面の引張残留応力の変化である。図7に示すように、研磨処理後の切削部46表面の引張残留応力は、研磨処理前から700MPa弱減少している。切削部46には、フランジ45の切削加工に伴い、その表面に引張応力が残留する。ここでは、引張残留応力の大きい切削部46表面を上記研磨により除去するとともに、同表面に押圧力を加えることで同表面の引張残留応力が低減される。
このように、鋼管40の形成後に、上述の焼鈍温度を用いた焼鈍を行い、さらに、鋼管40と蓋体50とを溶接及びフランジ45の切削後に、切削部46に研磨処理する。これらの工程により、切削部46表面の引張残留応力を低減させることが可能となり、引張残留応力による悪影響を低減させることが可能となる。
なお、引張残留応力低減工程は、研磨具(サンドペーパ等)を用いた研磨に限らず、ブラシ掛けやショットピーニングを用いてもよい。図8は、金属ブラシを用いてブラシ掛けを行ったときの引張残留応力を示すグラフである。図8に示すようにブラシを用いても、研磨具を用いた場合と同様に、切削部46表面の引張残留応力が低減される。なお、金属ブラシに変えて樹脂ブラシを用いてもよい。
図9は、ショットピーニングを用いたときの表面引張残留応力を示すグラフである。図9に示すように、ショットピーニングを行うことで、切削部46に押圧力を印加するため、研磨やブラシ掛けを行ったときと同様に、切削部46表面の引張残留応力は低減される。
上述したように、本実施の形態に係るアキュムレータ20によれば、フランジ45と蓋体50とを押し付けることで接合部に荷重を印加しながら抵抗溶接を行うようにしたため、均一な接触を得ることができ、鋼管40と蓋体50との溶接強度を十分に得ることができる。
さらに、鋼管40を形成後、最適温度条件にて焼鈍を行うことで、引張応力の低下を極力防止するとともに、引張残留応力を低減することが可能となる。また、鋼管40と蓋体50とを溶接し、フランジ45除去後に、切削部46に残留応力低減工程を行うことで、フランジ45除去により発生した引張残留応力を低減することが可能となる。これらのように、引張残留応力を低減することで、引張残留応力による悪影響、例えば圧力容器30の割れ等の遅れ破壊を未然に防止することも可能となる。
次に、本実施の形態に係るアキュムレータ20の変形例として、アキュムレータ20と同構成とし、上記溶接の前の焼鈍を行わない例について説明する。本変形例では、鋼管40形成後、焼鈍を行わず、鋼管40と蓋体50とを溶接する。溶接後、フランジ45を削除し、図10に示すように、残留応力低減工程として、熱印加手段である加熱用コイル73を用いた高周波加熱により、鋼管40の部分焼鈍を行う(熱印加工程)。高周波加熱は、加熱用コイル73に電流を流すことで高周波の電磁場を発生させる。この電磁波を加熱部、ここでは切削部46に与えることで、高周波の電磁場により鋼材(鋼管40の切削部46)を発熱させるという工程である。
このような高周波加熱を用いることで、鋼管40の切削部46を部分的に焼鈍することが可能となる。ここで、焼鈍時の温度条件について説明する。図11は、変形例に係る焼鈍温度と切削部46表面の引張残留応力との関係を示すグラフである。図11に示すように、焼鈍温度500℃で焼鈍を行うと、焼鈍を行わないときに比べ、切削部46表面の引張残留応力が高くなってしまい、逆効果となる。変わって、780℃で焼鈍を行うと、焼鈍を行わないときに比べ、引張残留応力が低減するのが分かる。このため、この高周波加熱において焼鈍を行うときは780℃程度で行うのが好ましい。しかし、780℃以外の温度条件であっても、高周波加熱の焼鈍は、切削部46の引張残留応力が低減する範囲であって、700℃以上、かつ、鋼管40の材料の融点温度未満の範囲であれば適用できる。
このように、高周波加熱により、フランジ45切削後に切削部46に焼鈍として高周波加熱を行うことで、表面の引張残留応力を低減させることが可能となる。さらに、高周波加熱による熱は溶接点Qにも波及することとなる。これにより、溶接点Qにおいても、高温の焼鈍を行うこととなるため、硬化した溶接点Qの硬さを低減するとともに、溶接時の押圧により発生した引張残留応力(図6中残留応力R)を低減することもできる。
遅れ破壊は、その性質から、引張残留応力等による応力要因、腐食や鍍金等による環境要因及び材料の硬さや靭性による材料要因が重複した場合に発生しやすい。このため、本変形例によれば、表面の引張残留応力を低減させるとともに、溶接点Qの靭性を向上させ引張残留応力Rを低減することができる。これにより、遅れ破壊の発生を防止することができる。
上述したように、本変形例に係るアキュムレータによれば、引張残留応力を低減させるとともに、溶接点Qの靭性の向上とすることで、遅れ破壊の発生の防止とすることが可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、アキュムレータ用の圧力容器について説明したが、ガスばねやガススティ等の用途に用いる圧力容器にも適用できる。また、蓋体が鋼管の一端側にのみ設けられているものについて説明したが、蓋体が鋼管の両端に設けられている場合にも同様に適用できる。
また、上述した例では、残留応力低減工程に、研磨具(サンドペーパ)による研磨、ブラシ掛け及びショットピーニングのいずれかを用いるとしたが、この他の方法で切削部46に押圧力を印加してもよい。さらに、上述した例では、熱印加手段として高周波加熱用の加熱用コイル73を採用したが、電気ヒータ等、局部的に熱を印加する他の方法でも適用できる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
20…アキュムレータ、30…圧力容器、40…鋼管(外殻部材)、41a…内壁面、41c…曲面部、45…フランジ、50…蓋体、51…蓋体本体、54…遮断シール、60…ベローズ機構、61…金属ベローズ、62…ベローズキャップ、G…ガス室、L…油室、Q…溶接点。
Claims (11)
- 外殻部材と蓋体とを有する圧力容器の製造方法において、
筒状に形成されるとともに、径方向外側に延びるフランジを開口端側に有する形状に外殻部材を形成する形成工程と、
上記開口端の内壁部に上記蓋体の側壁部を嵌合させることで、上記外殻部材の開口部を閉塞する組立工程と、
この組立工程後、上記フランジ及び上記蓋体の一方を他方に押し付けながら上記外殻部材と上記蓋体との接合部に電流を印加することでこれらを溶接する溶接工程と、
この溶接工程後、上記フランジの先端側を機械加工により除去する除去加工工程と、
この除去加工工程後、上記フランジの先端側の引張残留応力を低減させる残留応力低減工程と、を備えることを特徴とする圧力容器の製造方法。 - 上記残留応力低減工程は、研磨具を用いて上記フランジの先端側を研磨することを特徴とする請求項1に記載の圧力容器の製造方法。
- 上記研磨具は、サンドペーパを用いることを特徴とする請求項2に記載の圧力容器の製造方法。
- 上記残留応力低減工程は、上記フランジの先端側にブラシ掛けを行うことを特徴とする請求項1に記載の圧力容器の製造方法。
- 上記残留応力低減工程は、上記フランジの先端側にショットピーニングを行うことを特徴とする請求項1に記載の圧力容器の製造方法。
- 上記残留応力低減工程は、上記フランジの先端側及び上記外殻部材と上記蓋体との溶接点のうち少なくとも上記フランジの先端側に熱を印加させる熱印加工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の圧力容器の製造方法。
- 上記熱印加工程は、コイルを用いて高周波加熱を行うことを特徴とする請求項6に記載の圧力容器の製造方法。
- 上記熱印加工程は、700℃以上、かつ、上記外殻部材及び溶接点の溶融温度以下で行うことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の圧力容器の製造方法。
- 上記形成工程後、上記外殻部材の全体を500℃以上600℃以下の範囲にて焼鈍させる焼鈍工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の圧力容器の製造方法。
- 請求項1〜9に記載の圧力容器の製造方法は、自動車に用いるアキュムレータの製造に用いることを特徴とする自動車用アキュムレータの製造方法。
- 開口端を有する筒状をなし、径方向外側に延びるフランジを上記開口端側に有する外殻部材と、
上記開口端の内壁部に側壁部を嵌合させることで、上記外殻部材を閉塞させる蓋体と、を備え、
上記外殻部材及び上記蓋体は、上記外殻部材及び上記蓋体を嵌合後、上記フランジ及び上記蓋体の一方を他方に押し付けながら上記外殻部材及び上記蓋体が当接する接合部に電流を印加することでこれらを溶接し、上記フランジの先端側を除去するとともに、引張残留応力を低減することで形成されていることを特徴とする自動車用アキュムレータ。
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