JP2008291788A - 風力発電装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 雨水の浸入を排除し、故障の発生を防止することができる風力発電装置を提供する。
【解決手段】 風力を受ける複数の風車回転翼６と、複数の風車回転翼６が取り付けられ、複数の風車回転翼６が受けた風力により回転駆動されるロータヘッド４と、ロータヘッド４を覆う頭部カプセル５と、風車回転翼６から風車回転翼６の径方向外側に延びるとともに、頭部カプセル５に向かって傾斜する翼側円板部３１と、風車回転翼６と略同軸に配置され、頭部カプセル５から風車回転翼６の先端方向に延びる円筒部２２と、円筒部２２から、径方向外側に延びるカプセル側円板部２３と、カプセル側円板部２３の外周端から径方向外側に延びるとともに、風車回転翼６の先端側に傾斜する折り曲げ部２４と、が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図３

Description

本発明は、風力発電装置に関する。

近年、クリーンなエネルギによって発電を行う装置として、風力を用いた風力発電装置が注目を集めている（例えば、特許文献１参照。）。
上述の風力発電装置としては、風力により回転する複数の風車回転翼と、風車回転翼とが取り付けられるロータヘッドなどが設けられているものが知られている。

この風車回転翼には、ロータヘッドに固定されピッチが固定された固定ピッチ式の風車回転翼と、風速に応じてピッチが変更される可変ピッチ式の風車回転翼とがあり、使用条件に基づいて形式の選択が行われている。
可変ピッチ式の風車回転翼の場合には、ピッチを変更するため、ロータヘッドを覆う頭部カプセルと、風車回転翼との間に隙間が形成されている場合が多い。
特開２００７−３２４２０号公報

上述のように、可変ピッチ式が採用されている場合には、頭部カプセルと風車回転翼との間に隙間があり、雨水が隙間から頭部カプセル内に浸入するという問題があった。
頭部カプセル内には、風車回転翼のピッチを変更する可変機構など、鉄鋼部材を用いた機構を有するロータヘッドが配置されている。そのため、雨水が頭部カプセル内に浸入すると、上述の機構は雨水に濡れて、錆びが発生しやすくなり、故障の原因になるおそれがあった。

さらに、近年の風力発電装置では、頭部カプセル内に電子機器などを配置したものがある。このような風力発電装置においては、雨水が頭部カプセル内に浸入すると、電子機器がショートする等により故障するという問題もあった。

本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、雨水の浸入を排除し、故障の発生を防止することができる風力発電装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の風力発電装置は、風力を受ける複数の風車回転翼と、該複数の風車回転翼が取り付けられ、前記複数の風車回転翼が受けた風力により回転駆動されるロータヘッドと、該ロータヘッドを覆う頭部カプセルと、前記風車回転翼から前記風車回転翼の径方向外側に延びるとともに、前記頭部カプセルに向かって傾斜する翼側円板部と、前記風車回転翼と略同軸に配置され、前記頭部カプセルから前記風車回転翼の先端方向に延びる円筒部と、該円筒部から、前記風車回転翼の径方向外側に延びるカプセル側円板部と、該カプセル側円板部の外周端から径方向外側に延びるとともに、前記風車回転翼の先端側に傾斜する折り曲げ部と、が設けられていることを特徴とする。

本発明によれば、風車回転翼から頭部カプセルに向かって風車回転翼を伝わり落ちる水は、風車回転翼から翼側円板部に沿って伝わり、翼側円板部を介して頭部カプセルに流れ落ちる。この際、翼側円板部は、頭部カプセル側に傾斜しているため、水は滞ることなく、径方向外側に向かって流れて頭部カプセルに流れ落ちる。

一方、頭部カプセルから風車回転翼に向かって頭部カプセルを伝わり落ちる水は、頭部カプセルから円筒部、カプセル側円板部に沿って伝わった後に翼側円板部の外側に流れ落ちる。

さらに、頭部カプセルから翼側円板部とカプセル側円板部との間に向かって飛散してくる水は折り曲げ部と衝突し、折り曲げ部を伝わり翼側円板部の外側に流れ落ちる。折り曲げ部は、翼側円板部より径方向外側に延びているため、水はより確実に翼側円板部の外側に導かれる。
そのため、風車回転翼と頭部カプセルとの隙間への雨水の流入が防止される。

上記発明においては、前記カプセル側円板部は、前記翼側円板部から径方向外側に延びるとともに、前記頭部カプセルに向かって傾斜されていることが望ましい。

本発明によれば、頭部カプセルから風車回転翼に向かって頭部カプセルを伝わり落ちる水は、頭部カプセルから円筒部、カプセル側円板部に沿って伝わり、一時的に貯留された後に翼側円板部の外側に流れ落ちる。この際、頭部カプセルとカプセル側円板部との間に残った水は、頭部カプセルの回転により上下が逆転した際に円筒壁から頭部カプセルを伝わり落ちる。

上記発明においては、前記折り曲げ部は、少なくとも前記頭部カプセルから前記翼側円板部と前記カプセル側円板部との間に向かって延びる接線と接する位置まで延びていることが望ましい。

本発明によれば、頭部カプセルから翼側円板部とカプセル側円板部との間に向かって飛散してくる水と、折り曲げ部とがより確実に衝突する。
そのため、風車回転翼と頭部カプセルとの隙間への水の流入がより確実に防止される。

本発明の風力発電装置によれば、雨水の浸入を排除し、故障の発生を防止することができる風力発電装置を提供するという効果を奏する。

この発明の一実施形態に係る風力発電装置について、図１から図４を参照して説明する。
図１は、本実施形態に係る風力発電装置の構成を説明する図である。
風力発電装置１は、図１に示すように、風力発電を行うものである。風力発電装置１には、基礎Ｂ上に立設された支柱２と、支柱２の上端に設置されたナセル３と、略水平な軸線周りに回転可能にしてナセル３に設けられたロータヘッド４と、ロータヘッド４を覆う頭部カプセル５と、ロータヘッド４の回転軸線周りに放射状に取り付けられる複数枚の風車回転翼６と、ロータヘッド４の回転により発電を行う発電設備７と、が設けられている。

なお、本実施形態では、３枚の風車回転翼６が設けられた例に適用して説明するが、風車回転翼６の数は３枚に限られることなく、２枚の場合や、３枚より多い場合に適用してもよく、特に限定するものではない。

支柱２は、図１に示すように、基礎Ｂから上方（図１の上方）に延びる柱状の構成とされ、例えば、複数のユニットを上下方向に連結した構成とされている。支柱２の最上部には、ナセル３が設けられている。支柱２が複数のユニットから構成されている場合には、最上部に設けられたユニットの上にナセル３が設置されている。
ナセル３は、図１に示すように、ロータヘッド４を回転可能に支持するとともに、内部にロータヘッド４の回転により発電を行う発電設備７が収納されている。

図２は、図１のロータヘッドの構成を説明する部分拡大図である。
ロータヘッド４には、図１および図２に示すように、その回転軸線周りに放射状にして複数枚の風車回転翼６が取り付けられ、その周囲は頭部カプセル５により覆われている。

ロータヘッド４には、風車回転翼６の軸線回りに風車回転翼６を回転させて、風車回転翼６のピッチ角を変更するピッチ制御部（図示せず。）が設けられている。
これにより、風車回転翼６にロータヘッド４の回転軸線方向から風が当たると、風車回転翼６にロータヘッド４を回転軸線周りに回転させる力が発生し、ロータヘッド４が回転駆動される。

図３は、図１の頭部カプセルおよび風車回転翼の付け根の構成を説明する部分拡大図である。
頭部カプセル５は、図２および図３に示すように、ロータヘッド４を覆い、風車回転翼６およびロータヘッド４とともに略水平な軸線回りに回転するものである。頭部カプセル５には、風車回転翼６が配置される開口部１１が形成され、開口部１１の周囲には、翼側円板部３１とともに、頭部カプセル内への雨水浸入を防止するカプセル側防水部２１が設けられている。

図４は、図３のカプセル側防水部および翼側防水部の構成を説明する部分拡大図である。
カプセル側防水部２１には、図４に示すように、風車回転翼６の軸線と略同軸に、開口部１１から風車回転翼６の先端方向に延びる円筒部２２と、円筒部２２から径方向外側に延びるカプセル側円板部２３と、カプセル側円板部２３の外周端から径方向外側に延びる折り曲げ部２４と、が設けられている。

円筒部２２の直径は、図４に示すように、円筒部２２と対応する風車回転翼６の位置の直径より大きく、後述する翼側円板部３１の外周端の直径よりも小さく選定されている。円筒部２２の風車回転翼６の先端側の端部近傍には、カプセル側円板部２３が配置されている。

カプセル側円板部２３は、円筒部２２の外周面から径方向外側に延びるリング板状の部材であり、その外周端は、カプセル側円板部２３の外周端より径方向外側に延びている。さらに、カプセル側円板部２３は、径方向外側に向かうにともない、ロータヘッド４側に傾斜されている。

折り曲げ部２４は、カプセル側円板部２３の外周端から径方向外側に延びるリング板状の部材であり、径方向外側に向かうにつれて、風車回転翼６の先端側に傾斜されたものである。
折り曲げ部２４の外周端は、少なくとも、円筒部２２と翼側円板部３１との間に延びる頭部カプセル５の接線ＴＬまで延びている。

翼側円板部３１は、図４に示すように、カプセル側防水部２１とともに、頭部カプセル５内への雨水進入を防止するものである。
翼側円板部３１は、風車回転翼６の外周面から径方向外側に延びるリング板状の部材であって、径方向外側に向かうにともないロータヘッド４側に傾斜されている。さらに、翼側円板部３１の外周端には、ロータヘッド４側に延びる円筒面３２が形成されている。

翼側円板部３１には、ロータヘッド４側の面に溜まった雨水などを風車回転翼６の先端側に排水するドレン３３が設けられている。ドレン３３には、翼側円板部３１から風車回転翼６の先端側に延びる円筒状の逆流防止部３４が設けられている。
この翼側円板部３１は、風車回転翼６におけるロータヘッド４の近傍領域であって、カプセル側防水部２１と対向する位置に配置されている。

発電設備７としては、例えば、図１に示すように、ロータヘッド４の回転駆動力が伝達され発電を行う発電機と、発電機により発電された電力を所定の周波数の交流電力（例えば、５０Ｈｚや６０Ｈｚの交流電力）に変換するトランスと、が設けられているものを挙げることができる。

次に、上記の構成からなる風力発電装置１における発電方法についてその概略を説明する。
風力発電装置１においては、ロータヘッド４の回転軸線方向から風車回転翼６に当たった風の力が、ロータヘッド４を回転軸線周りに回転させる動力に変換される。

このロータヘッド４の回転は発電設備７に伝達され、発電設備７において、電力の供給対象に合わせた電力、例えば、周波数が５０Ｈｚまたは６０Ｈｚの交流電力が発電される。
ここで、少なくとも発電を行っている間は、風の力を風車回転翼に効果的に作用させ
るため、適宜ナセル３を水平面上で回転させることにより、ロータヘッド４は風上に向けられている。

次に、本実施形態の特徴である頭部カプセル内への雨水の侵入防止について説明する。
まず、風車回転翼６から頭部カプセル５に向かって風車回転翼６を伝わり落ちる雨水の頭部カプセル５内への浸入防止について説明する。

風車回転翼６が上方に向かって延びている状態では、風車回転翼６に付着した雨水は、風車回転翼６を伝わり落ちて、ロータヘッド４側に流れ落ちる。図４に示すように、風車回転翼６を伝わり落ちる（図４の下から上に伝わる）雨水は、風車回転翼６の外周面から翼側円板部３１に伝わる。

翼側円板部３１における外側の面（風車回転翼６の先端側の面）に伝わった雨水は、翼側円板部３１の傾斜により径方向外側に流れ、翼側円板部３１の外周端から頭部カプセル５に向かって流れ落ちる。そのため、頭部カプセル５の開口部１１から、雨水が内部に侵入することが防止される。

なお、ドレン３３に逆流防止部３４が設けられているため、翼側円板部３１の外側の面を伝わり落ちる雨水は、ドレン３３からロータヘッド４側に流れ落ちない。

次に、頭部カプセル５から風車回転翼６に向かって伝わり落ちる雨水の頭部カプセル５内への進入防止について説明する。
風車回転翼６が下方に向かって延びている状態では、頭部カプセル５に付着した雨水は頭部カプセル５を伝わり落ちて、風車回転翼６に向かって流れ落ちる。図４に示すように、頭部カプセル５を伝わり落ちる雨水は、頭部カプセル５の外周面から円筒部２２の外周面に伝わる。

円筒部２２の外周面に伝わった雨水は、風車回転翼６の先端側に向かって伝わり落ち、カプセル側円板部２３に到達する。カプセル側円板部２３の傾斜のため、雨水は一時的に円筒部２２とカプセル側円板部２３との間に貯留され、その後に、カプセル側円板部２３の外周端から風車回転翼６の先端側に流れ落ちる。そのため、頭部カプセル５の開口部１１から、雨水が内部に侵入することが防止される。

さらに、頭部カプセル５から風車回転翼６に向かって飛散する雨水の頭部カプセル５内への進入防止について説明する。
風車回転翼６が下方に向かって延びている状態であって、頭部カプセル５に付着した雨水が勢いよく伝わり落ちる場合には、雨水は伝わり落ちる勢いにより、頭部カプセル５から風車回転翼６に向かって飛散する。

飛散した雨水のうち、翼側円板部３１と円筒部２２との間に飛び込むものは、上述の接線ＴＬに沿って飛んでくるものである。折り曲げ部２４の外周端は、少なくとも接線ＴＬまで延びているため、接線ＴＬに沿って飛んでくる雨水は、折り曲げ部２４に衝突する。
折り曲げ部２４に衝突した雨水は、折り曲げ部２４を伝わり落ち、外周端から風車回転翼６の先端側に流れ落ちる。そのため、頭部カプセル５の開口部１１から、雨水が内部に侵入することが防止される。

なお、上述の円筒部２２、カプセル側円板部２３および翼側円板部３１の間の隙間から風車回転翼６側に侵入した雨水は、風車回転翼６が下方に延びたときに、翼側円板部３１のドレン３３から風車回転翼６の先端側に流れ落ちる。

上記の構成によれば、風車回転翼６から頭部カプセル５に向かって、風車回転翼６を伝わり落ちる雨水は、風車回転翼６から翼側円板部３１に沿って伝わり、翼側円板部３１を介して頭部カプセル５に流れ落ちる。この際、翼側円板部３１は、頭部カプセル５側に傾斜しているため、雨水は滞ることなく、径方向外側に向かって流れて頭部カプセル５に流れ落ちる。
そのため、風車回転翼６と頭部カプセル５との隙間への雨水の流入を防止することができ、雨水によるロータヘッド４等の故障発生が防止される。

一方、頭部カプセル５から風車回転翼６に向かって頭部カプセル５を伝わり落ちる雨水は、頭部カプセル５から円筒部２２、カプセル側円板部２３に沿って伝わった後に翼側円板部３１の外側に流れ落ちる。
この際、頭部カプセル５とカプセル側円板部２３との間に残った雨水は、頭部カプセル５の回転により上下が逆転した際に円筒部２２から頭部カプセル５を伝わり落ちる。
そのため、風車回転翼６と頭部カプセル５との隙間への雨水の流入を防止することができ、雨水によるロータヘッド４等の故障発生が防止される。

さらに、頭部カプセル５から翼側円板部３１とカプセル側円板部２３との間に向かって飛散してくる雨水は折り曲げ部２４と衝突し、折り曲げ部２４を伝わり翼側円板部３１の外側に流れ落ちる。折り曲げ部２４は、翼側円板部３１より径方向外側に延びているため、雨水はより確実に翼側円板部３１の外側に導かれる。
そのため、風車回転翼６と頭部カプセル５との隙間への雨水の流入を防止することができ、雨水によるロータヘッド４等の故障発生が防止される。

本発明の第１の実施形態に係る風力発電装置の構成を説明する図である。 図１のロータヘッドの構成を説明する部分拡大図である。 図１の頭部カプセルおよび風車回転翼の付け根の構成を説明する部分拡大図である。 図３のカプセル側防水部および翼側防水部の構成を説明する部分拡大図である。

符号の説明

１ 風力発電装置
４ ロータヘッド
５ 頭部カプセル
６ 風車回転翼
２２ 円筒部
２３ カプセル側円板部
２４ 折り曲げ部
３１ 翼側円板部

Claims (3)

1. 風力を受ける複数の風車回転翼と、
   該複数の風車回転翼が取り付けられ、前記複数の風車回転翼が受けた風力により回転駆動されるロータヘッドと、
   該ロータヘッドを覆う頭部カプセルと、
   前記風車回転翼から前記風車回転翼の径方向外側に延びるとともに、前記頭部カプセルに向かって傾斜する翼側円板部と、
   前記風車回転翼と略同軸に配置され、前記頭部カプセルから前記風車回転翼の先端方向に延びる円筒部と、
   該円筒部から、前記風車回転翼の径方向外側に延びるカプセル側円板部と、
   該カプセル側円板部の外周端から径方向外側に延びるとともに、前記風車回転翼の先端側に傾斜する折り曲げ部と、
   が設けられていることを特徴とする風力発電装置。
2. 前記カプセル側円板部は、前記翼側円板部から径方向外側に延びるとともに、前記頭部カプセルに向かって傾斜されていることを特徴とする請求項１記載の風力発電装置。
3. 前記折り曲げ部は、少なくとも前記頭部カプセルから前記翼側円板部と前記カプセル側円板部との間に向かって延びる接線と接する位置まで延びていることを特徴とする請求項１または２に記載の風力発電装置。

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