JP2008291681A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲートロータの回転抵抗を減少しつつケーシングとゲートロータとの間のシール性を向上できて、圧縮機の効率を向上できるスクリュー圧縮機を提供する。
【解決手段】ケーシング1のシール面11には、給油溝51を設け、この給油溝51内の油は、スクリューロータ2およびゲートロータ3の相互の噛合によって形成される圧縮室内のガスが、上記ケーシング1の上記シール面11と上記ゲートロータ3の一面30との間を通って、漏れ出ることを防止する。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、冷媒等のガスを圧縮するスクリュー圧縮機に関する。
従来、スクリュー圧縮機としては、図8に示すように、ケーシング104内に、スクリューロータ105が収納され、このスクリューロータ105にゲートロータ106が噛合され、上記スクリューロータ105および上記ゲートロータ106の相互の噛合によって形成される圧縮室116にて、ガスを圧縮するものがある(実開平2−139390号公報:特許文献1参照)。
ここで、上記ゲートロータ106の一面107と、この一面107に対向する上記ケーシング104のシール面110との間には、隙間があり、上記圧縮室116内のガスは、この隙間を通って、矢印Aに示すように、上記ゲートロータ106側に漏れ出す問題があった。
そこで、従来のスクリュー圧縮機では、上記ケーシング104の上記シール面110に、(図示しない)シール部材を設け、このシール部材を、上記ゲートロータ106の上記一面107に接触させて、上記圧縮室116からのガスの漏れを低減していた。
実開平2−139390号公報
しかしながら、上記従来のスクリュー圧縮機では、上記シール部材が、上記ゲートロータ106の上記一面107に、接触して摺動するので、上記ゲートロータ106と上記シール部材との摺動抵抗によって、上記ゲートロータ106の回転抵抗が増加すると共に、上記シール部材の摩耗によって、上記ケーシング104と上記ゲートロータ106との間のシール性が低減する問題があった。
そこで、この発明の課題は、ゲートロータの回転抵抗を減少しつつケーシングとゲートロータとの間のシール性を向上できて、圧縮機の効率を向上できるスクリュー圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のスクリュー圧縮機は、
シリンダを有するケーシングと、
このシリンダに嵌合される円筒状のスクリューロータと、
このスクリューロータに噛合するゲートロータと
を備え、
上記ケーシングにおける上記ゲートロータの一面に対向するシール面には、油が供給される給油溝を設け、
この給油溝内の油は、上記スクリューロータおよび上記ゲートロータの相互の噛合によって形成される圧縮室内のガスが、上記ケーシングの上記シール面と上記ゲートロータの上記一面との間を通って、漏れ出ることを防止することを特徴としている。
この発明のスクリュー圧縮機によれば、上記ケーシングの上記シール面には、上記給油溝を設け、この給油溝内の油は、上記圧縮室内のガスが、上記ケーシングの上記シール面と上記ゲートロータの上記一面との間を通って、漏れ出ることを防止するので、上記給油溝内の油により、上記ゲートロータの回転抵抗を減少しつつ上記ケーシングと上記ゲートロータとの間のシール性を向上できて、圧縮機の効率を向上できる。
つまり、上記ゲートロータの上記一面に接触して摺動するシール部材がないので、上記ゲートロータと上記シール部材との摺動抵抗による上記ゲートロータの動力の増加がなく、かつ、上記シール部材の摩耗によるシール性の低減がない。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記給油溝は、上記スクリューロータの軸に平行な方向に延在している。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記給油溝は、上記スクリューロータの軸に平行な方向に延在しているので、上記圧縮室における圧縮の始めから終わりまで、確実に、上記圧縮室からのガスの漏れを防止できる。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記給油溝は、上記ゲートロータの回転方向に延在している。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記給油溝は、上記ゲートロータの回転方向に延在しているので、上記給油溝を長くすることができて、上記圧縮室における圧縮の始めから終わりまで、一層確実に、上記圧縮室からのガスの漏れを防止できる。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記給油溝の底面は、断面凹曲面状に形成されている。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記給油溝の底面は、断面凹曲面状に形成されているので、サイドカッター等で加工が可能であり、加工時間を短縮できる。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記給油溝の幅は、上記圧縮室のガスの吐出側に向かうにしたがって、狭くなっている。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記給油溝の幅は、上記圧縮室のガスの吐出側に向かうにしたがって、狭くなっているので、上記給油溝内の油の圧力を、くさび効果により、上記圧縮室の吐出側で高めることができる。つまり、上記圧縮室の吐出側では、ガスの圧力が高いが、上記圧縮室の吐出側での上記給油溝内の油の圧力を、高めて、ガス漏れを確実に防止できる。
この発明のスクリュー圧縮機によれば、上記ケーシングの上記シール面には、上記給油溝を設け、この給油溝内の油は、上記圧縮室内のガスが、上記ケーシングの上記シール面と上記ゲートロータの上記一面との間を通って、漏れ出ることを防止するので、上記ゲートロータの回転抵抗を減少しつつ上記ケーシングと上記ゲートロータとの間のシール性を向上できて、圧縮機の効率を向上できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明のスクリュー圧縮機の一実施形態である横断面図を示している。このスクリュー圧縮機は、シングルスクリュー圧縮機であり、シリンダ10を有するケーシング1と、このシリンダ10に嵌合される円筒状のスクリューロータ2と、このスクリューロータ2に噛合するゲートロータ3とを備える。
上記スクリューロータ2は、この外周面に、複数の螺旋状の溝部21を有する。上記ゲートロータ3は、円盤状であり、この外周面に、歯車状に複数の歯部31を有する。上記スクリューロータ2の上記溝部21と、上記ゲートロータ3の上記歯部31とは、互いに、噛合する。
上記スクリューロータ2および上記ゲートロータ3の相互の噛合によって、圧縮室Cが、形成される。つまり、この圧縮室Cは、上記スクリューロータ2の上記溝部21と、上記ゲートロータ3の上記歯部31と、上記ケーシング1の上記シリンダ10の内面とによって、区画された空間である。
上記ゲートロータ3は、上記スクリューロータ2の軸2aを点対称として、上記スクリューロータ2の左右に一対配置されている。上記ケーシング1には、上記シリンダ10に貫通する貫通孔12が設けられ、上記ゲートロータ3は、この貫通孔12から、上記シリンダ10内に進入している。
上記スクリューロータ2は、上記軸2aを中心として、矢印S方向に、回転し、このスクリューロータ2の回転に伴って、上記ゲートロータ3が、回転して、上記圧縮室C内のガスを圧縮する。上記スクリューロータ2は、上記ケーシング1に収納された(図示しない)モータにより、回転される。
つまり、上記圧縮室Cに、上記スクリューロータ2の軸2a方向の一端側から、低圧のガスを吸入し、この低圧のガスを上記圧縮室Cにて圧縮してから、この圧縮された高圧のガスを、上記スクリューロータ2の軸2a方向の他端側にある吐出口13から、吐出する。
図2の拡大断面図、および、図3の平面方向から見た拡大断面図に示すように、上記ケーシング1における上記ゲートロータ3の一面30に対向するシール面11には、油が供給される給油溝51を設けている。
図3では、上記スクリューロータ2の紙面左側を、上記圧縮室Cへガスを吸入する吸入側とし、上記スクリューロータ2の紙面右側を、上記圧縮室Cからガスを吐出する吐出側とする。上記ゲートロータ3は、矢印G方向に回転する。
上記ケーシング1の上記シール面11は、上記シリンダ10の内面に、連接される面である。上記ケーシング1の上記シール面11は、平面視帯状に形成され、上記スクリューロータ2の軸2aに平行な方向に延在している。
上記ゲートロータ3の上記一面30は、上記圧縮室Cの内面の一部を形成している。上記ケーシング1の上記シール面11と上記ゲートロータ3の上記一面30との間には、例えば60μm程度の隙間がある。
上記給油溝51内の油は、上記スクリューロータ2および上記ゲートロータ3の相互の噛合によって形成される圧縮室C内のガスが、上記ケーシング1の上記シール面11と上記ゲートロータ3の上記一面30との間を通って、漏れ出ることを防止する。
上記給油溝51は、上記スクリューロータ2の軸2aに平行な方向に延在している。上記ケーシング1には、外部から高圧の油を導く給油通路14が設けられ、上記給油溝51と上記給油通路14とは、給油孔15を介して、連通されている。
上記給油溝51は、上記ゲートロータ3の内周側に面している。つまり、上記給油溝51は、上記ゲートロータ3の上記歯部31の根元を結ぶ仮想円の内側部分に、面している。
図4Aおよび図4Bに示すように、上記給油溝51は、平面視、直線状に形成されている。つまり、上記給油溝51は、幅が均一な帯状に形成されている。上記給油溝51の底面は、断面平坦状に形成されている。
上記給油孔15は、上記給油溝51に関して、上記圧縮室Cへガスを吸入する吸入側に、位置している。つまり、上記給油孔15は、(図3参照の)上記ゲートロータ3の回転方向(矢印G方向)の上流側に位置し、上記給油孔15からの油を、上記ゲートロータ3の回転によって、上記給油溝51内を、上記ゲートロータ3の回転方向の下流側に、導いていく。
上記構成のスクリュー圧縮機によれば、上記ケーシング1の上記シール面11には、上記給油溝51を設け、この給油溝51内の油は、上記圧縮室C内のガスが、上記ケーシング1の上記シール面11と上記ゲートロータ3の上記一面30との間を通って、漏れ出ることを防止するので、上記給油溝51内の油により、上記ゲートロータ3の回転抵抗を減少しつつ上記ケーシング1と上記ゲートロータ3との間のシール性を向上できて、圧縮機の効率を向上できる。
つまり、上記ゲートロータ3の上記一面30に接触して摺動するシール部材がないので、上記ゲートロータ3と上記シール部材との摺動抵抗による上記ゲートロータ3の動力の増加がなく、かつ、上記シール部材の摩耗によるシール性の低減がない。
また、上記給油溝51は、上記スクリューロータ2の軸2aに平行な方向に延在しているので、上記圧縮室Cにおける圧縮の始めから終わりまで、確実に、上記圧縮室Cからのガスの漏れを防止できる。
(第2の実施形態)
図5は、この発明のスクリュー圧縮機の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態(図4A、図4B)と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、給油溝の形状が相違している。なお、その他の構造は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
図5に示すように、給油溝52は、(図3参照の)ゲートロータ3の回転方向(矢印G方向)に延在している。つまり、この給油溝52は、円弧状に形成されている。給油孔15は、上記給油溝52の吸入側に位置している。
したがって、上記給油溝52は、上記ゲートロータ3の回転方向に延在しているので、上記給油溝52を長くすることができて、(図1参照の)圧縮室Cにおける圧縮の始めから終わりまで、一層確実に、上記圧縮室Cからのガスの漏れを防止できる。
(第3の実施形態)
図6Aと図6Bは、この発明のスクリュー圧縮機の第3の実施形態を示している。上記第1の実施形態(図4A、図4B)と相違する点を説明すると、この第3の実施形態では、給油溝の形状が相違している。なお、その他の構造は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
図6Aと図6Bに示すように、給油溝53の底面は、断面凹曲面状に形成されている。つまり、上記給油溝53は、平面視、直線状に形成され、上記給油溝53の底面は、断面円弧状に形成されている。給油孔15は、上記給油溝53の吸入側に位置している。
したがって、上記給油溝53の底面は、断面凹曲面状に形成されているので、サイドカッター等で加工が可能であり、加工時間を短縮できる。
(第4の実施形態)
図7Aと図7Bは、この発明のスクリュー圧縮機の第4の実施形態を示している。上記第1の実施形態(図4A、図4B)と相違する点を説明すると、この第4の実施形態では、給油溝の形状が相違している。なお、その他の構造は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
図7Aと図7Bに示すように、給油溝54の幅は、(図1参照の)圧縮室Cのガスの吐出側に向かうにしたがって、狭くなっている。つまり、この給油溝54の幅は、吐出側に向かうにしたがって、次第に狭くなっており、この給油溝54は、平面視、くさび状に形成されている。上記給油溝54の底面は、断面平坦状に形成されている。給油孔15は、上記給油溝54の吸入側に位置している。なお、上記給油溝54の幅を、吐出側に向かうにしたがって、段階的に狭くなるようにしてもよい。
したがって、上記給油溝54の幅は、上記圧縮室Cのガスの吐出側に向かうにしたがって、狭くなっているので、上記給油溝54内の油の圧力を、くさび効果により、上記圧縮室Cの吐出側で高めることができる。つまり、上記圧縮室Cの吐出側では、ガスの圧力が高いが、上記圧縮室Cの吐出側での上記給油溝54内の油の圧力を、高めて、ガス漏れを確実に防止できる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記給油溝の形状は、長円形や楕円形等であってもよい。上記給油溝の底面は、凸曲面状等に形成されていてもよい。
本発明のスクリュー圧縮機の第1実施形態を示す横断面図である。 スクリュー圧縮機の拡大断面図である。 スクリュー圧縮機の平面方向から見た拡大断面図である。 給油溝の平面図である。 給油溝の断面図である。 本発明のスクリュー圧縮機の第2実施形態を示すと共に給油溝の平面図である。 本発明のスクリュー圧縮機の第3実施形態を示すと共に給油溝の平面図である。 給油溝の断面図である。 本発明のスクリュー圧縮機の第4実施形態を示すと共に給油溝の平面図である。 給油溝の断面図である。 従来のスクリュー圧縮機を示す横断面図である。
符号の説明
1 ケーシング
10 シリンダ
11 シール面
12 貫通孔
13 吐出口
14 給油通路
15 給油孔
2 スクリューロータ
2a 軸
21 溝部
3 ゲートロータ
30 一面
31 歯部
51,52,53,54 給油溝
C 圧縮室

Claims (5)

  1. シリンダ(10)を有するケーシング(1)と、
    このシリンダ(10)に嵌合される円筒状のスクリューロータ(2)と、
    このスクリューロータ(2)に噛合するゲートロータ(3)と
    を備え、
    上記ケーシング(1)における上記ゲートロータ(3)の一面(30)に対向するシール面(11)には、油が供給される給油溝(51,52,53,54)を設け、
    この給油溝(51,52,53,54)内の油は、上記スクリューロータ(2)および上記ゲートロータ(3)の相互の噛合によって形成される圧縮室(C)内のガスが、上記ケーシング(1)の上記シール面(11)と上記ゲートロータ(3)の上記一面(30)との間を通って、漏れ出ることを防止することを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
    上記給油溝(51)は、上記スクリューロータ(2)の軸(2a)に平行な方向に延在していることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
    上記給油溝(52)は、上記ゲートロータ(3)の回転方向に延在していることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
    上記給油溝(53)の底面は、断面凹曲面状に形成されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  5. 請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
    上記給油溝(54)の幅は、上記圧縮室(C)のガスの吐出側に向かうにしたがって、狭くなっていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
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