JP2008289766A - 改良型レーサムボウル及び使用方法 - Google Patents

改良型レーサムボウル及び使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の構造のレーサムボウルを改良し、既存の間歇血流−遠心法での血小板採取時に白血球の混入が少ない製剤を得ること。
【解決手段】回転軸の周囲を回転するよう適合された円錐台形の本体、及びこの本体内部に同心的に配置されて本体との間に環状チャンバを画定するコアを有するローター部分と、流体を本体底部へと同心に導入する入口ポート、及び環状チャンバで分離された流体を本体上部から導出する出口ポートを有するステーター部分と、ローター部分とステーター部分を結合する回転シールとからなり、環状チャンバの求心側内壁が、環状チャンバ底部から軸方向内方に傾斜して上方に延びる下部環状壁と、環状チャンバ上部から軸方向内方に傾斜して下方に延びる上部環状壁とによって画定され、下部環状壁と上部環状壁の間からは環状チャンバから前記出口ポートへの流路が延伸することを特徴とする、改良型レーサムボウル。
【選択図】図14

Description

本発明は液体中に懸濁された大きさ及び/密度の異なる粒子を分離するための遠心分離ボウル及びその用途に関する。
多くの技術分野において、液体中に懸濁された粒子を分離することが望まれている。例えば医療分野では、輸血の目的で人の全血を分画することが望まれている。今日の輸血の多くは全血ではなしに、特定の患者によって必要とされる血液成分のみを用いることによって行われている。必要とされる血液成分のみを輸血することは、利用可能な血液供給を節約することになり、また多くの場合、患者にとっても好都合である。
近年,主に造血器腫瘍に対して行われてきた強力な化学療法が固形腫瘍の治療にも拡大されて短時間の骨髄抑制状態を招いたり、また外科的処置などに伴い急速に血小板が消費され出血ないし出血傾向を認める場合が多くなったことから、血小板輸血への需要が増加している。しかし、血小板数製剤に含まれる白血球は、輸血後GVHD、非溶血性発熱反応、輸血関連急性肺障害などの副作用、サイトメガロウイルス(CMV)感染の原因となるほか、同種抗原として受血者に抗白血球抗体を産生させ、血小板不応状態を誘導する。このような副作用は輸血用血液製剤中に含まれる白血球数を1×106個以下にすることで多くは予防される。日本では平成16年より、血小板製剤1バッグ(2×1011個の血小板)中の残存白血球数の基準を1×106個以下とすることが定められ、白血球除去フィルターの使用が実施されている。しかしながら白血球除去フィルターの使用によって血小板の収率が低下し、一部が活性化される欠点がある。
上記とは別に、近年、造血幹細胞採取の需要が増大している。造血幹細胞移植は、他人から正常な造血幹細胞を提供してもらい、白血病などの病気に侵された骨髄を正常な骨髄とする療法である。造血幹細胞採取の方法には、骨髄から骨髄液を採取する方法(骨髄採取法)と腕の静脈から採取する方法(末梢血幹細胞採取法)があるが、ドナーの負担が少なくより安全な後者が、広くドナーを求められるので主流となっている。ところで患者と移植細胞提供者間でABO血液型が不適合でも移植は可能であるが、溶血副作用を避けるため、血液型同種骨髄移植の場合には赤血球を除去する操作が必要とされる。従来は、ヒドロキシエチルスターチ(HES)液による静置法や、フィコール(Ficoll)液を用いた比重遠心法が利用されてきたが、処理が煩雑で、クリーンベンチ内での無菌的な操作を要求されるなどの難点があった。
密度、即ち比重によって血液成分を分離するための技術として、遠心分離が広く受け入れられている。本明細書において「レーサム」ボウルと呼ぶ、特許文献1に開示されたタイプの遠心分離ボウルは、間歇血流方式で使用する遠心分離ボウルの代表的なものである。このボウルは、血液成分が分離されるローター部分と、入口及び出口ポートを有するステーター部分からなり、これらが回転シールによって結合されている。ローター部分は、ほぼ円錐台形の本体からなり、同様の形状のコアがその内部に同心的に配置されていて、それらの間に分離用のチャンバを形成している。使用時には、抗凝固処理された全血が、入口ポートからボウル内へと導入される。ローターは一定の又は可変の速度で回転され、血液成分はチャンバ内で遠心分離により、密度に応じて分離される。全血が入口ポートからボウル内へと引き続いて流入されると、分離された血液成分はボウルの半径方向外側の部分から内方へと徐々に移動され、順次出口ポートに到達する。出口ポートから流出される血液成分は分取され保存されるが、ボウル内に残存する成分は通常、患者又はドナーへと戻される。
血小板の収量を最大化すると同時に白血球による汚染を低減させるために、種々の優れた技術がレーサムボウルに関連して開発されてきた。例えば特許文献2には、「サージ」技術が開示されている。このサージ技術によれば、全血が採取され、分画チャンバ内で赤血球層と、血小板及び白血球の混合物であるバフィコート層と、血漿層とに分離された時点で、低密度成分、好ましくは血漿が、比較的速い流速で遠心分離器を通して給送される。密度が近いが有効直径の異なる、バフィコート層中の血小板と白血球は、遠心エルトリエーションを受け、それによって血小板の収率が改善される。また特許文献3によれば、血小板と白血球の間の分離は、サージ段階に先立って全血の採血を中止し、遠心分離器を通して血漿を再循環させることによって、さらに改善される。この技術は「ドウェル」と呼ばれ、サージ技術を用いて遠心分離器から流出される以前に、ドウェルの間に血小板と白血球は効果的に分離されて大きさの順に配列される。
米国特許第4300717号明細書 米国特許第4416654号明細書 米国特許第5494592号明細書 特開2001−276663号公報
ドウェル技術によれば、白血球による汚染レベルは、血小板1×1011個当たりで1×107〜5×106のオーダまで低減される。今日の厳しい治療上のニーズに応えるためには、この汚染レベルをさらに低下させることが望ましいが、上記のように白血球フィルタの使用に頼らざるを得ないのが現状である。またレーサムボウルを用いて赤血球が実質的に混入しない造血幹細胞分画を採取できれば、清潔な無菌閉鎖ディスポーザブル回路内において単核球分画を効率よく採取できると共に赤血球を除去する処理が不要となり、しかも採取時間が短縮化され全自動的に採取できるという利点があるが、そのためにはレーサムボウルの分離能を改善することが望ましい。
特許文献4はこうした目的の下に、新規な遠心分離ボウルを提案している。これは高速回転する流体中における粒子の挙動の分析を通じて、白血球汚染が1×106未満に低減された血小板製剤を得ることを目的としているが、処理容量が小さく、また既存の装置類に用いるためにアダプタを必要とするといった不具合がある。特に、レーサムボウルは血液の遠心分離に用いるボウルとして世界中に広く行き渡っており、専用のアフェレーシス装置が次々と開発され、また後発メーカーもレーサムボウルをデッドコピーしているといった現状に鑑みると、レーサムボウルに改良を施すことによって、白血球汚染の低減された血小板製剤を製造可能で、しかも造血幹細胞の分取にも有用なボウルを得ることが望ましい。
上記のように、従来のレーサムボウルでは、血小板1×1011個当たり1×107〜5×106個の白血球が混入している。サージ技術やドウェル技術を駆使したとしても、血小板を採取するステップで、どのようなメカニズムで白血球が混入するのかが解明されなければ、この混入数を10分の1以下に低減させることは難しい。
そこで、(1)血小板採取ステップでの、レーサムボウル内での血漿の流れの状態(速度分布)を求め、バフィコート内の血小板及び白血球がどのような軌跡を描いてボウル外に流出するかのシミュレーションを行い、(2)既存の間歇血流−遠心法での血小板採取時に白血球が混入するメカニズムを解明し、(3)シミュレーションで白血球が流出しない構造を求め、高い分離性能を持つ構造の改良されたレーサムボウルを製作して実験で性能を評価する、という手順を考え、これに従って本発明に到達した。
間歇流-遠心法による血小板採取法
既存の間歇血流−遠心法で血小板を採取する方法は、所定量の血小板が採取されるまで、次の3段階よりなるサイクルを繰り返す。
採血時
レーサムボウルを回転させながら、ドナーから血液を導入する。ボウル内で、血液は赤血球層(40〜45%)と血漿層(55〜60%)とに分離され、その界面に血小板と白血球より構成されるバフィコート層(1〜2%)が形成される。概略を図1に示す。赤血球層の境界は光学的に監視され、所定の位置に達したら採血を中止する。他方、ボウル外に流出する血漿は血漿バッグに導かれる。同時に、血漿バッグ内の血漿の一部を採血する血液に混ぜてボウル内に送液する。血液を希釈してボウル内に送入する方が分離に好ましいからである。採血速度と血漿の送液速度の合計は所定の流量になるように調節する。
血小板採取時
採血を中止する際に、それまでの血液の流量の分だけ血漿流量を増加させて送液し、採血時の合計流量から変化がないようにする。この状態で、例えば約30秒間血漿を送ったのち(ドウェル技術)、所定の速度(血小板採取速度)に達するまで、血漿の送液速度を例えば毎秒約10mL/分の割合で増加させる(サージ技術)。所定の速度に到達したら、血漿に伴って選択的に血小板を流出させる。概略を図2に示す。
返血時
血小板の流出が終わると、血漿の送入を中止し、ボウル内残留成分(主に赤血球)をドナーに戻す。
白血球混入のメカニズムの解明
白血球混入のメカニズムの解明は、血小板採取ステップでの、レーサムボウル内での血漿の流れの状態(速度分布)を求め、バフィコート内の血小板及び白血球がどのような軌跡を描いてボウル外に流出するかのシミュレーションを行うことによって初めて可能となる。
しかしながら、高速回転する容器内の流れは、通常の流れに基づいた経験的直感から想像が困難なほど非常にかけ離れた独特の特徴を持っている。そこでまず、理論的ではあるが定性的に特徴を説明した後に、シミュレーション結果を示すことにする。
血小板採取時の血漿流れの定性的な説明
(1)内部領域の流れ
まず、図3を用いてボウルの壁から離れた内部領域を説明する。血漿が流れていない時は、内部の血漿に働く遠心力(遠心力と重力の合力を以後遠心力と呼ぶ)と圧力が釣り合って、血漿は静止して、ボウルと同一速度で回転する。血液ポンプで血漿の送入を開始すると、入ってくる血漿の圧力に押されて、最初は静止していた内部の血漿は内側へ動きはじめる。動き始めると、直角右側方向のコリオリ力が作用するので、進行方向が少し右にずれる。進行する速度が次第に増加するにつれて、作用するコリオリ力も増加するので、進行方向は更に右側にずれてゆく。最後には、コリオリ力が圧力勾配力と逆平行になって釣り合う。コリオリ力と圧力勾配力が釣り合った時の、血漿の進行方向は、圧力勾配力の直角右方向、つまり等圧線に平行になっている。この流れは地衡流と呼ばれる。
つまり血漿は外から押されても直角方向に回転を始めるだけで、内側へは移動しない。また、回転軸から同じ距離にある血漿の回転速度は、上下の位置に関係なく同一である。血漿はあたかも、釣り下がったカーテンのようになって回転し、これは回転流の2次元化と呼ばれる。それでは、ポンプで送り込まれた血漿はどのようにしてボウルから流出するのだろうか。
(2)壁の上の境界層の流れ
図4を参照すると、圧力勾配力の作用で回転している血漿は、ボウルの壁に近いとき、粘性抵抗により壁から摩擦力を受ける。摩擦力をうけると回転速度が減衰する。その結果、回転速度と移動速度の積に比例する力であるコリオリ力も減少するので、相対的に圧力勾配力が優勢となる。摩擦力は移動速度に比例し、方向が逆向きである。この3力の合力の方向が血漿の移動速度の方向となるので、移動方向は内部の地衡流よりも、内側に偏向する。壁に近いほど摩擦力が大きいので、速度の方向は内側を向くが速度は遅くなる。この結果、斜め方向ではあるけれども出口に向かって流れるようになる。
血小板採取時の血漿流れの理論的な説明
(1)高速度回転容器内の流体の運動
これを記述する方程式は、ニュートンの運動の第二法則(加速度=力/質量)に基づいて、1845年にアンリ・ナビエとジョージ・ガブリエル・ストークスによって定式化されている(ナビエ・ストークス方程式)。即ち粘性をもつ回転流体の運動方程式は、
Figure 2008289766
ただし、u:速度、f:単位体積当たりにかかる外力(重力)、ρ:密度、P:圧力、υ:動粘性係数である。
左辺第2項の速度と速度勾配の積を含む項(移流項)が強い非線形性を持つことと右辺第3項のコリオリ力項があるのが特徴で、式(1)は解析的には解けない。流体の挙動を予測するには数値計算によるしかない。しかし式(1)を近似して簡略化すると、流れの姿を直感することができる。
(2)圧力と遠心力と重力の関係
まず、血漿が流入しない状態(流れがない静止状態)を考える。容器が回転することによって、内部の流体に遠心力が働き、容器内に圧力勾配が生じる。つまり、遠心力と圧力は釣り合っているから、両者を考慮する必要はない。即ち流れがない(u=0)時の圧力をPBとし、流れが生じる時の変化分をP’とすればP=PB+P’であり、PBは遠心力と重力とで定まるから、
Figure 2008289766
となる。式(1)に代入すると、
Figure 2008289766
となり、P’のみが残る。即ち式(3)は、流れが生じることによる圧力の変化(P’)のみを考慮すれば良いことを示している。
(3)流入する血漿の速度(赤血球層内の血漿の流れ)
血漿は赤血球層内からバフィコート層へ、上下に亘り均一な速度で流入すると考えられる。赤血球は遠心力のため高密度に充填されており、赤血球層内で赤血球の占める体積は約70%で、隙間は赤血球の直径より小さく、赤血球層内では粘性抵抗が支配的となっていてダルシー則が成立する。このため、血漿は均等な速度で赤血球層内を移動するから、均一な速度でバフィコート層へ流入する。壁の近くのみを流れるとか、赤血球層の中央部分のみを流れると言うことはない。
(4)内部領域の流れ
血小板採取時の血漿の流速に比べて、ボウル内壁の回転速度(10cm×2π×5000/60=5200cm/秒)は非常に大きいので、式(1)の左辺第2項(移流項)は無視できる。従って式(1)は、
Figure 2008289766
この近似が成立する流れは「準剛体回転流」と呼ばれている。壁から離れているので粘性の影響(粘性による抵抗:右辺第2項)は無視でき、定常状態を仮定できるので式(4)は式(5)となる。
Figure 2008289766
この式(5)の意味するところは、送液ポンプで送入される血漿が作り出す圧力勾配力(右辺)と内部領域に存在する血漿が抗して持つコリオリ力(左辺)とが釣り合っているということである。二つの力は同一直線上にあって向きが逆である。コリオリ力は流れ方向の直角右方向を向いているから、血漿の移動速度は圧力勾配力の直角右方向を向くことになる。つまり回転方向は圧力勾配と直角の方向、即ち等圧線の方向である。その回転速度は、発生するコリオリ力と流入する血漿が作り出す圧力とが釣り合う大きさとなっている。血漿は回転するだけで、圧力に押されて内側へ移動することはない。前に述べたようにこの流れは「地衡流」と呼ばれている。
(5)内部領域の流れの回転軸方向の速度分布
(5)式の両辺のcurlを取る(▽×を両辺に掛ける)と、右辺(圧力勾配)は回転を持たないから零となり、左辺は、
▽×(Ω×u)=(u・▽)Ω−(Ω・▽)u+Ω(▽・u)−u(▽・Ω)=−(Ω・▽)u
となるから、
−(Ω・▽)u=0 (6) が得られ、
式(6)からΩx=Ωy=0となり、質量保存の連続式を用いると、
Figure 2008289766
となる。つまり地衡流の回転軸(z軸)方向成分は、高さによって変化しないで一定である(テーラー=プラウドマンの定理)。式(7)の意味は、回転軸に直角の方向や斜めの方向に移動することは出来ないと言うことである。送液ポンプで送液される血漿はどこに流れるのかと言えば、それは粘性による摩擦力が働く領域である境界層内に流入する。
(6)境界層の流れ
テーラー=プラウドマンの定理はボウル内部のほとんどの領域で成立しているが、ボウル壁の極く近く、0.1−0.5mmの領域(エクマン境界層)では粘性の影響が無視できず、この定理は成立しない。その場合、式(5)の代わりに式(8)が得られる。
Figure 2008289766
境界層では、コリオリ力及び圧力勾配力に加えて、壁との摩擦による粘性抵抗力も考慮しなければならない。境界層の厚さは薄いので、圧力は内部領域の圧力と同じと看做せる。シミュレーションによれば、レーサムボウルのチャンバ上壁で0.2mm、コアによって提供される下壁で0.4mmの厚さであった。内部領域では地衡流平衡の式、
Figure 2008289766
が境界層内でも成立する。x、y方向での速度の変化は緩慢であるのに反し、速度のz成分は0.2−0.4mmの距離の中で0から大きく変化する。よって、▽2uの中ではz成分が支配的であるから、▽2uのx、y成分を無視できるので、式(9)(10)を式(8)に代入すると式(11)(12)が得られる。
Figure 2008289766
ここで、複素速度V=u+ivを導入し、式(12)に
Figure 2008289766
が得られる。この微分方程式は解くことができて、解はつぎのようになる。
Figure 2008289766
よって、実数部と虚数部を分離して、
Figure 2008289766
Figure 2008289766
境界層の厚さは、回転数と粘度とだけで定まり、流量に依存しないと言う特徴が示されている。回転容器の内壁が角度θの傾斜を持つとき
Figure 2008289766
となるから、レーサムボウルの境界層の厚さは、チャンバを画定する上壁、下壁でそれぞれ、0.04mm、0.08mmとなる。数値計算値の4分の1であるが、近似の程度を考慮すると良い一致と言える。
血漿の流れと血球の軌跡のシミュレーション
以上の理論的背景を下にシミュレーションを行ったが、高速回転流れ(式(1))の数値計算は非常に難しく、市販の流体計算プログラムでは計算できない。軸対称回転容器内の準剛体回転流に有効な数値計算アルゴリズムを、コロケート格子を採用しSimple法で構成したが、コリオリ力項の処理に時間が掛かりすぎることが判明した。コリオリ力項を対角化して陰的に計算できるようにし、さらに複素速度を導入し、高速化を図った。境界層内に少なくとも10個以上の計算格子点があることが精度上必要であるので、計算格子として、図5に示すように水平方向には1600個を10μm間隔で設定し、回転軸方向には1600個を10μmから98μmに増加する間隔で設定して、合計256万個を使用した。
レーサムボウルでは、回転軸からバフィコート層までの距離は約39mm、バフィコート層高さが約40mmと非常に小さいもの(血漿層)が、毎分5000回転と高速度で回転しているため、数値計算は発散しやすく非常に困難である。今回本発明者らは、独自にアルゴリズムを開発した。その結果世界で初めて、血小板採取遠心ボール内の流れの計算に成功した。CPUとしてAthlon 64-4000+を、RAMメモリとして4GBを備え、OSとしてRed Hat Enterprise Linux WS ver.4 を搭載した計算機で、Intel Fortran Compiler for Linux ver.9.1.031(64ビット版)上で、上記の計算プログラムを用いて速度分布を計算した。
毎分5000回転の遠心力のため、赤血球は高密度に充填されているので、赤血球間の隙間は非常に狭い。このため赤血球層内では粘性抵抗が支配的であって、前述のようにダルシー則が成立すると考えてよいので、血漿は垂直方向に均等な速度で、赤血球層内を移動する。壁の近くだけを流れるとか、赤血球層の中央部分だけを流れることはないと仮定できる。血漿の流入量が毎分200ml/分の時、流入速度はVin=3.6×10-1mm/秒となる。非常に遅い速度で流入することに注意しなければならない。
(1)流入した血漿の流れのプロファイル(血小板採取時)
数値計算の結果を図6に示した。近似式(5)の予測通り、流入する血漿は内部領域に移動することなく、急速にボウル内部の環状チャンバの壁面上に移動する。各壁の傾斜の違いを反映して3分の1が上壁(10度の傾斜)に厚さ約0.2mmの境界層を、3分の2が下壁(80度の傾斜)に厚さ約0.4mmの境界層を形成して流出する状況を、流線図として示した。入り口を20等分したので、流線図で隣接する線と線の間隔が10ml/分に対応している。出口近くの下壁の傾斜が変化するため、壁の傾斜の比が変化するので、下壁から上壁に向かって、この変化を補償する垂直方向の流れが発生していることが看取される。このように、流入する血漿は、薄い境界層を壁の上に形成してその中を流れるだけで、ボウル内部を水平方向や斜め方向に移動する流れは形成しないことが示された。
(2)壁上に形成された境界層内の流れの速度分布
図7に上壁の、図8に下壁の境界層内の血漿の速度ベクトルの分布を示した。前述した近似式(15)及び近似式(16)に対応する結果が示されている。回転を含む面に平行な流れは、壁に非常に近い所にしか存在せず、壁から約0.2mm又は0.4mm離れると、流れの方向は回転軸を含む面に垂直な方向のみとなることが分かる。即ち、血漿が出口に向かって流れるのは、壁に非常に近い領域だけで、壁から離れると出口に向かう流れが急速に減衰し、血漿は回転軸を含む平面に直角の方向にだけ流れることを示している。内部領域では血漿は回転しているだけである。また、内壁の勾配が大きくなると境界層の厚さが大きいことも示されている。
一例として、毎分4800回転の速度で回転しているレーサムボウルの中に、毎分200mlの速度で血漿を血液ポンプで送入すると、既にボウル中でボウルと同じ速度で回転している血漿は圧力を受けることになる。この圧力を受けて、ボウル内に存在する血漿は、図3で見たようにボウルより少し早い速度で回転を始める。このより早く回転する速度は、半径方向外側に向かうコリオリ力を血漿に与える。回転速度は、このコリオリ力と送入される血漿の持つ内側に向かう圧力とが釣り合う大きさである。壁の近くの領域になると、壁より早く回転する血漿は壁から粘性抵抗による摩擦力を受け、図4で見たように速度は半径方向内側に曲げられる。この結果、送入された血漿は壁の上の薄い境界層、つまり摩擦力の働く領域の中のみを流れて、レーサムボウル外に流出する。
血小板と白血球が分離できる原理
(1)分離の原理の定性的説明
回転するレーサムボウルの中で、血漿(粘度μ、比重ρf)が毎分5000回転しているボウル壁面に対して速度Uで流れているとする。その血漿中に置かれた血球に作用する主な力は、血球の表面に作用する力として粘性抵抗力、血球の体積に作用する力として遠心力があり、他に重力と浮力がある。浮力と重力は遠心力に比べて小さいから無視できる。
直径DP、比重ρPの血球が容器の壁に対する速度をVとし、血球の血漿に対する相対速度をW(W=V−U)で表すと、運動する血球が血漿から受ける抵抗力FDは、球の運動方向への投影面積A(=πDP 2/4)と運動エネルギー(ρW2/2)の積に比例し、
Figure 2008289766
で表される。低レイノルズ数での流体中では、
Figure 2008289766
であるから、流体抵抗FDは、FD=3πμDPW となって、抵抗力は直径に比例し、粒子の速度と粘度μに比例する(ストークスの抵抗法則)ことが分かる。半径方向外側に移動(沈降)する速度は、流体抵抗と遠心力とが均衡するとして求められ、
Figure 2008289766
となる。沈降速度が「直径の2乗」に比例し、「大きい粒子」であるほど、「重たい粒子」であるほど、早く沈降することが特徴である。血小板(直径2.5μm、比重 1.030)と白血球(直径7.0μm、比重1.070)では、沈降速度が8倍違う。よって、血小板の沈降速度より大きく、白血球のそれより小さい流速で、血漿を外側から内側に向かって送入すれば、白血球を含まない血小板を得る事ができるということが、レーサムボウルによるサージ技術を用いた血小板採取の原理である。
(2)血小板と白血球の軌跡のシミュレーション
流体から粒子が受ける抵抗力(R)について、ストークスの式、R=3πμDP(V−U)が成立するとき、粒子の運動方程式は次式で与えられる(1966, Hjelmfelt, Appl.Sci.Res. 16)。
Figure 2008289766
ここで,球形粒子の直径:DP、粒子の速度ベクトル:V、流体の速度ベクトル:U、粒子の密度:ρP、流体の密度:ρf、流体の粘度:μ、外力:F である。
左辺: 粒子の慣性力、
右辺:第1項:粘性による抗力。第2項:流体加速による力。第3項:仮想質量(粒子が加速するとき、同じ体積の流体を加速させることになるため、必要となるエネルギーの補正)、第4項:外力。第5項:バセット項―粒子の運動の履歴に関する項(今回の計算では省略)。
計算格子は、血漿の速度分布を計算したときと同一のものを用いて(水平方向1600個、回転軸方向に1600個の格子点)、オイラー陰解法と3次精度のアダムスバシュフォース法を組み合わせて上記の式の数値計算を行った。計算の時間刻み幅は、1計算ステップ当たりの粒子の移動距離が20μmを超えないように自動調節した。
レーサムボウル内の血漿の流れが計算により求められれば、この流れの中に血小板と白血球を配置すると、流れる血漿によって血球に働く力を算出することが可能となる。またこの力と血球に働く外力とを与えると、血球の軌跡を計算することができる。血小板と白血球は球形であると仮定し、血球間の衝突は無視し、および血球の運動から流れ場への干渉も無視できるものとした。使用した血球と血漿の性状値を表1に示した。
Figure 2008289766
(3)血小板採取時の血小板の軌跡−血小板採取のメカニズム
赤血球層の内側に形成される約1mm弱の厚さのバフィコート層(血小板と白血球の層)内の血小板と白血球は、赤血球層を通過してきた血漿によって、内側へ運ばれる。血小板採取の開始時に存在するバッフィコート層内での位置を変えて、その軌跡を計算した結果を図9に示した。血小板はバフィコート層内の上部分と下部分から、ボウルの上下の壁の表面を伝って流出した。しかし、通常の経験と知識から予想されるものと大きく異なって、中央部に存在する血小板は流出しないことが示された。
血小板の軌跡を3次元表示して、図9Aから図9Fに示した。シミュレーション開始位置A−Gは、図9記載のA−Gに対応する。血漿が壁上を回転しながら流出する様子が詳細に示されている。
シミュレーションによって示された、血小板が流出する領域の高さは約75%であった。このことはこれまで、レーサムボウルによる血小板の収率を75%以上に増加させようとする努力が成功していないことの原因を初めて明らかにしている。これはまた、本シミュレーションの信頼性を示すものでもある。
(4)血小板採取時の白血球の軌跡−白血球混入のメカニズム
シミュレーションの結果、血小板採取の開始時に、バフィーコート層の最上端部に存在する白血球が、血漿の流れに運ばれて流出することが示された(図10及び図11)。しかし、そのすぐ下の部分に存在する白血球は、上端に到達しても流出することはなく、その位置で回転を続ける。これは、3次元表示した軌跡図(図12)に示されているように、上端に到達した時に白血球が持つ速度ベクトルの方向(半径方向の内側を向いているか、円周方向を向いているか)が異なるためである。
血小板採取の開始時に中間部に存在する白血球は、上壁にも下壁にも到達することなく、ボール内部を循環し続ける。血小板採取の開始時に下半分の領域に存在する白血球は下端に運ばれ、下端に到達すると、壁に沿って上昇する流れに引きずられて上昇する。この間、外側へ向かって遠心力を受ける。この外側への移動速度が大きいので、上昇する血漿の流れ(厚さ約0.4mmの境界層)の外へ出てしまい、再度下端に運ばれて、同じ軌跡を辿ることが示された。白血球はこの循環する軌道から出られず、ボールから流出する事はできない(図11)。
結局、血小板採取の開始時にバフィーコート層の上端部に存在する白血球のみが血漿の流れに運ばれて流出すること、それ以外の場所に存在する白血球は流出しないことが示された。つまり、白血球の混入(流出)については、上壁の勾配と下壁の勾配の差異が重要な働きをしていることが判明した。なお流出する部位の高さは、バフィコート層全体の高さの約3%であった。この値は、実際に血小板に混入する白血球数と良く一致する。
改良型レーサムボウルの設計
上記したところから、図2に示したシミュレーション領域においてレーサムボウルの構造を変更し、分離チャンバからの出口位置を下げて、上壁の出口部分を下方に傾斜させた構造にすれば、既存のレーサムボウルの欠点を克服できると考えた。実際のボウルの製作に先立ってシミュレーションを行った結果を図13に示す。血小板採取の開始時に、バフィーコート層の上端部に存在する白血球は、壁に沿って上昇する流れに引きずられて上昇し、次いで下降に転じる。この間、外側へ向かって遠心力を受ける。この半径方向外側への移動速度が大きいので、白血球は壁上を下降する血漿の流れの外へ出てしまい、再度上端に運ばれて同じ軌跡を辿る。白血球はこの循環軌道から出られず、ボウルから流出する事はできない。また血小板採取の開始時に中央部に存在する白血球は、上壁にも下壁にも到達することなく、バフィーコート層上の出口に対応する位置に向かって移動し、以後その点に停留する。さらに、血小板採取の開始時に下半分の領域に存在する白血球は、下端に到達すると、図11で示した場合と同様な軌跡を示して、ボールから流出する事はできない。この結果、上壁の出口側部分の傾斜を下方に変更することが、白血球混入を阻止するのに有効であるという結果が得られた。
すなわち本発明によれば、回転軸の周囲を回転するよう適合された円錐台形の本体1、及びこの本体内部に同心的に配置されて本体との間に環状チャンバ3を画定するコア2を有するローター部分と、流体を本体底部へと同心に導入する入口ポート4、及び環状チャンバで分離された流体を本体上部から導出する出口ポート5を有するステーター部分と、ローター部分とステーター部分を結合する回転シール6とからなるレーサムボウルにおいて(図1参照)、前記環状チャンバの求心側内壁が、環状チャンバ底部から軸方向内方に傾斜して上方に延びる下部環状壁7と、環状チャンバ上部から軸方向内方に傾斜して下方に延びる上部環状壁8とによって画定され、下部環状壁7と上部環状壁8の間からは環状チャンバから前記出口ポートへの流路9が延伸することを特徴とする、改良型レーサムボウルが提供される(図14参照)。
レーサムボウルの基本構造は特許文献1に示されているように周知である。本発明では、環状チャンバの形状を上記のように変更するために本体1及びコア2の構造を図14や図15に示すように修正するが、その他の面では従来の構造をそのまま使用できる。参考までに図19及び図20を用いてこの従来のレーサムボウルの構造を説明すると、図19に見られるように、レーサムボウルは使い捨て式の遠心分離用ロータ、即ちボウル10からなり、回転シールアセンブリ28と、ボウル本体12と、コア14とからなる。
先に回転シールアセンブリ28について図20を用いて説明すると、これは回転可能なボウル本体12の内部と、入口ポート19及び出口ポート20にそれぞれ接続された固定の導管65及び60との間に、回転シール及び流体連通用の通路をもたらす。アセンブリ28は、全体を30で示す固定のヘッダーと、流出チューブ25と、全体を24で示す給送チューブアセンブリと、全体を35で示す回転シールとからなり、回転シール35はシールリング22と、可撓性部材27と、外側シール部材即ちクラウン16とからなる。
ヘッダー30は、軸方向通路19aに向かって半径方向に延びる流入ボア即ち入口ポート19を有する、一体的に形成された部材からなる。軸方向通路19aは、給送チューブアセンブリ24の内部で軸方向に延びるボア61に結合され、次いで給送チューブステム18に結合されて、抗凝固処理された全血がボウル本体12の内部に流入するための回転しない流入経路を提供している。
ヘッダー30はまた、流出用ボア、即ち出口ポート20を含み、これは給送チューブアセンブリ24の周囲で同軸に延びるチャネル20aへと半径方向に延びている。チャネル20aは次いで、流出通路62へと結合される。ヘッダー30には、回転シール35を覆って延在する外側シールド部材32が形成されている。
給送チューブアセンブリ24は、これと一体の下側スカート24aを備えて形成され、これに対応する相補的な上側スカート25aが流出チューブ25に一体に形成されて、半径方向外方に開口するスカート部が収集チャンバ内に設けられている。
上述のように、回転シール35は可撓性部材27と、シールリング22と、クラウン16とからなる。可撓性部材27はその外側周縁において、シールリング22の周縁に固定されている。クラウン16は周縁に軸方向に開放する溝16aを有し、また流出チューブ25が挿通される孔部23を中央に有する。可撓性部材27の内側周縁は、流出チューブ25に結合されている。
こうしたシール及びヘッダーアセンブリ28は、個別のユニットとして形成され組み立てられ、ボウル本体12の一方の軸方向端部に形成された開口13からコア14が挿入され、ボウル本体12内部に配設された後に、ボウル本体12の開口から挿入され、ボウル本体12に対して溶接、螺着などの適宜の手段によって固定される。
ボウル本体12は、透明なスチレン樹脂などの適切なプラスチック材料から形成することができ、一端に開口13を有し、上部の環状部分12Aと、上部の半径方向部分12Rと、半径方向部分12Rから下方へ円錐状に延びる中間部分12Cと、別体のディスク状の底部12Bとからなる。環状部分12A上には、回転シールアセンブリ28のクラウン16が螺着、溶接などにより結合されるか、成型時にボウル本体と一体成形される。
ボウル本体12内部に配設されるコア14は、ボウル本体12に相応する輪郭形状を有し、半径方向部分12Rに沿って延びる半径方向部分14Rと、半径方向部分14Rから下方へ円錐状に延びる中間部分14Cと、底部12Bに対応する底部14Bとを有する。また中央開口56を囲む部分は軸方向にスカート部に近接する位置へと向けて突出する円筒状のハブ50を備えている。ボウル本体12の環状部分12Aは、分離された血液成分をスカート部を介して採取するための収集チャンバCCを画定し、その半径方向内壁はスカート部の開口、即ち上側スカート25a及び下側スカート24aの周縁と半径方向に近接して配置されている。
コア14の中間部分14Cとボウル本体12の中間部分12Cとの間には、分離チャンバSCが画定されている。またハブ50の下端周縁には、ボウル本体12の環状部分12Aの下端内周縁と接する部分において、3つの凹部52が120゜間隔で形成されている。これらの凹部52により、分離チャンバSCと収集チャンバCCとの間に、ボウル本体12内部で分離された血液成分、例えば血漿、血小板などのための流路が提供される。円筒状のハブ50の下端とディスク状の底部14Bの内周部分とは、軸方向に延びる円筒部材によって接続され、その円筒部材の内部を給送チューブステム18がボウル本体12の底部12Bに向かって延びている。なお凹部52に代えて、ボウル本体12の環状部分12Aの下端内周縁に凹部を形成して流路とすることもできる。
ボウル本体12の半径方向部分12Rとコア14の半径方向部分14Rとの間には、半径方向内方へと軸方向長さが漸減する分離領域Sが規定されている。本発明では特に、分離時にバフィコートが形成される、回転軸から約39mmの半径にある部分からこの分離領域Sにかけての構造の変更を提供するものである。
再度図14を参照すると、上部環状壁8の軸方向寸法は通常、下部環状壁7の軸方向寸法より短い。好ましくは上部環状壁8の軸方向寸法は、環状チャンバ3の求心側内壁の軸方向寸法の10から35%の範囲にある。一例として、環状チャンバ3の求心側内壁の軸方向寸法が80〜85mm程度の場合、上部環状壁8の軸方向寸法は10〜30mm程度の範囲内にある。上部環状壁8の立ち下がりの始点は、バフィコートが形成される半径方向位置より内側であり、好ましくは2〜5mm内側、より好ましくは3〜4mm内側である。上部環状壁8の軸方向内方への傾斜角度と下部環状壁7の軸方向内方への傾斜角度は、いずれも回転軸に対して5から20度の範囲にあるが、これらの傾斜角度は等しいことが好ましい。
後述する実施例1で示すように、図14及び図15に示す4種類(Type A, B,CおよびD)の構造の改良型レーサムボウルを製作し、評価を行った。予想されたように良好な結果が得られたが、混入白血球数はシミュレーション結果から期待されたよりも多かった。これは、血小板と白血球の衝突を無視したことによると思われる。即ち、追い越してゆく血小板との衝突によって白血球の一部が押され、上部環状壁8を越えるためであろう。遠心力によって白血球がボウルの外側方向へ移動する速度は血小板よりも8倍ほど大きいが、血漿に伴われてボウルの内側方向へ移動する速さは白血球よりも血小板の方が大きい。血小板の数は白血球よりも40倍多いから、血小板が白血球を追い越しながら流出する時に、白血球に実質的に衝撃を与えると考えられる。
そこで追突の衝撃の大きさを血漿による粘性抵抗力と同程度と仮定して、白血球軌跡をシミュレートした結果、バフィコート層の上部に存在する白血球が上部環状壁8を越えて流出しうることが判明した。これに対しては、環状チャンバから出口ポートへ延びる通路9、即ち最初に半径方向内方へと水平に延び、次で従来のレーサムボウルの構造に関して説明した収集チャンバCCへと軸方向に延びる通路に空洞を設けると、流出する白血球がこの空洞内に捕捉されることが示された(図16)。従ってこうした空洞を設置すれば、さらに白血球を減少させることが予測される。
そこで本発明によれば、上記した改良型レーサムボウルにおいて、さらに流路9が、半径方向内方に延びる水平部分に上部環状キャビティ50及び下部環状キャビティ51を備えた構造が提供される。図17及び図18は、こうした構造に基づく実施形態を例示する。上部環状壁8及び下部環状壁7については、先に図14及び図15に関して述べたところと同様である。上部環状キャビティ50の軸方向寸法は10mmから25mmの範囲にあるのが好ましく、下部環状キャビティ51は上部環状キャビティ50の軸方向寸法以下の軸方向寸法を有するのが好ましい。より好ましくは、下部環状キャビティ51の軸方向寸法は上部環状キャビティの軸方向寸法50と等しい。上部環状キャビティ50及び下部環状キャビティ51の求心側内壁52、53はそれぞれ、出口ポートに向けて軸方向内方に、回転軸に対して0から20度の角度で傾斜するのが好ましく、これらの遠心側内壁53、54は出口ポートに向けて軸方向内方に、回転軸に対して0から10度の角度で傾斜するのが好ましい。
以上のように、改良型レーサムボウルを用いる本発明によれば、血小板を採取する際に随伴する白血球数をレーサムボウルに比べて約10分の1に減少させることが可能になった。ここで、レーサムボウルを用いてサージ方法を使用して、全血から血小板を採取する時の、血小板と白血球の関係は、全血から白血球(末梢血幹細胞分画は白血球分画に含まれる)を採取する時の白血球(末梢血幹細胞分画)と赤血球の関係に非常によく類似している。従って、本発明の改良型レーサムボウルは、末梢血幹細胞の分取にそのまま応用できる。
例えば末梢血幹細胞分画は、サージ開始位置を1-2mmほど半径方向内側に移動させることによって、レーサムボウルを用いてサージ方法で採取することが可能である。通常得られる末梢血幹細胞分画には1-5体積%の赤血球が混入する。本発明の改良型レーサムボウルを用いるならば、実質的に赤血球を含まない末梢血幹細胞分画を採取しうる。操作条件には、血小板採取の場合と同様の条件を採用することが出来る。
実施例1
図14及び図15に示す4種類の構造の改良型レーサムボウルを製作し、ヒト血液を用いて評価した。
装置の構成:
アフェレーシス装置として、MCS(Haemonetics製)を使用した。これは回転速度を制御される分離独立した遠心分離機と、プログラマブル・コントローラ(KV-700、Keyence製)で制御された二つの送液ポンプと、赤血球層とバッフィコート層の境界を検出し、その位置を測定するカラーCCDカメラ(WAT-240R-G3.8, Watec製)より構成されている。第1のポンプ(Cole-Parmer製)は、血液の送入・返血に使用し、第2のポンプは血漿の送入に使用した。接写レンズを付けたCCDカメラを、遠心分離ボールの肩部の約20mm上に設置し、カラーモニターを使用して、ボール肩部の映像を10倍にして監視した。赤血球層とバッフィコート層の境界位置を約0.2mmの高精度で検出し制御することが可能であった。
操作方法:
上記4種類の改良型レーサムボウルを遠心分離機に装着し、二つの送液ポンプを接続する。第1のポンプを使って血液バッグより、血液を50ml/minで送入する。ボウルから血漿が分離されて流出を始めたら血漿バッグに導き、このバッグから第2のポンプを使用して、65ml/minでボウル内へと還流させる。赤血球層の境界が所定の位置に到達したのが検出されたら、第1のポンプを停止させ、第2のポンプ流量を115ml/minに増加させる。
第一のポンプを8秒かけて停止させる。この間、第1のポンプの流量を減らす分だけ、第2のポンプ流量を同期させて増加させて、合計流量が115ml/minであるよう制御する。最初と最後の各1秒間は緩やかに3ml/minだけ速度を変化させ、中間の6秒間は一定の減少速度・増加速度で変化させる。
そのまま30秒経過したら(ドウェル)、サージ処理に移り、第2のポンプ流量を190ml/minにまで増加させる。最初の1秒の間に流量を6ml/minだけ緩やかに増加させ、以後は流量を毎秒10ml/minの割合で増加させ、184ml/minに到達すると、1秒間かけて緩やかに190ml/minとする。
第2のポンプ流量を115ml/minから増加させ始めてから35秒経過したら、流出液を10ml分画で採取し、含まれる血小板数と白血球数を測定する。合計120ml流出したら第2ポンプを停止させ、第1ポンプを逆回転させて遠心分離ボール内の残留分を別のバッグに取り出し、含まれる血小板数と白血球数を測定する。血小板数はSE9000(Sysmex製)で測定し,白血球数は、固定試薬で固定後、フローサイトメトリー(Beckman 製)を用いて日赤標準法で測定した。
サージ処理の開始時、即ち第2のポンプ流量を115ml/minに増加させる時の赤血球層の位置は、Type A,B,CおよびDでそれぞれ、回転軸から39.5mm, 38.5mm, 37.5mm および37.5mm とした。ボウルの回転数は毎分5000回転とした。また上部環状壁8の軸方向寸法は図面に表示した通りとした。
評価実験は1サイクル行った。混入白血球数は、血小板数で2×1011当たりの数に比例換算した。10ml分画で採取した分画中の血小板の濃度が1マイクロリッタ当たり750000個以上の血小板数を含む分画の血小板数を合計したものを採取血小板数として、採取収率の計算に使用した。
使用した血液の調整方法:
日本赤十字に献血された400mlの血液は、遠心処理され、濃厚赤血球製剤と新鮮凍結血漿製剤が製造されるが、同時に分離されるバッフィコート分画は廃棄される。このバッフィコート分画を集めて遠心分離処理して、バッフィコートを含まない濃厚赤血球成分を取り、これに、計算量のバッフィコートと規格を満たさず廃棄される新鮮凍結血漿製剤とを加えて、評価実験に用いる全血を調製した。例えば、バフィコート30袋より取得した濃厚赤血球に、バフィコート6袋と新鮮凍結血漿製剤400mlの割合で使用する。
評価結果:
評価結果を表2に示したが、下向きに傾斜した上部環状壁8を導入することによって、混入白血球が3分の1から4分の1に減少出来た。上部環状壁8の勾配はいずれも下方80度に変化させた(回転軸に対して10度)が、この構造は、白血球軌跡のシミュレーションで予測されたとおりに混入白血球の減少に有効であることが判明した。なお、上部環状壁8の軸方向寸法は、大きいほど混入白血球の減少に有効であるが、環状チャンバの軸方向内壁全体の高さの半分を占めるほどの高さ(Type Dのケース)にすると、血小板の収率が低下するという不利益をもたらすことも明らかになった。実施例では、下部環状壁7の勾配は上部環状壁8の勾配と同様とした。
Figure 2008289766
実施例2
Type A及びType Bのそれぞれの改良型レーサムボウルの通路に上下のキャビティを設置して、図17及び図18に示す改良型レーサムボウルType E及びType Fを製作し、ヒト血液を用いて評価を行った。装置の構成、使用した血液、操作方法は実施例1と同じである。第2のポンプ流量を115ml/minから増加させるサージ時の赤血球層の回転軸からの位置は、Type E及びType Fでそれぞれ39.5mm及び38.5mmである。
評価結果:
結果を表3に示した。結果は、シミュレーションの予測どおりに、空洞は白血球数を更に減少させるのに有効で、混入白血球数は約2分の1に減少した。比較例に使用した従来のレーサムボウルと比較すると、約8分の1に減少させることが出来た。
Figure 2008289766
比較例
Haemonetics社のレーサムボウルを比較に用いて、性能を評価した。装置構成及び使用血液は、実施例1の場合と同じにした。操作方法は、レーサムボウルの最適と考えられる操作条件として、回転数は毎分4800回転、血小板採取の最大流速を200ml/minとし、サージ時に第2のポンプの流量を115ml/minから増加させる時の赤血球層の回転軸からの位置を39.5mmとした以外は、実施例1と同じ条件を採用した。結果を表4に示す。
Figure 2008289766
従来のレーサムボウルによる血液分離の概略を示す説明図である。 図1による血小板採取の概略を示す説明図である。 血小板採取時のボウル内の流れに働く力を示す説明図である。 血小板採取時のボウル内の流れに働く力を示す説明図である。 本発明で用いたシミュレーションの計算格子を示す図である。 本発明で用いたシミュレーションの計算結果を示す説明図である。 本発明で用いたシミュレーションの計算結果を速度ベクトルで示す説明図である。 本発明で用いたシミュレーションの計算結果を速度ベクトルで示す説明図である。 ボウル内における血球の軌跡の計算結果を示す説明図である。 ボウル内における血球の軌跡の計算結果を示す説明図である。 ボウル内における血球の軌跡の計算結果を示す説明図である。 ボウル内における血球の軌跡の計算結果を示す説明図である。 ボウル内における血球の軌跡の計算結果を示す説明図である。 ボウル内における血球の軌跡の計算結果を示す説明図である。 ボウル内における血球の軌跡の計算結果を示す説明図である。 血小板採取時における白血球の流れ挙動を示す説明図である。 血小板採取時における白血球の流れ挙動を3次元的に示す説明図である。 血小板採取時における白血球の流れ挙動を3次元的に示す説明図である。 本発明による改良型レーサムボウルに関するシミュレーション結果を示す説明図である。 本発明による改良型レーサムボウルの実施形態を示す概略的な断面図である。 本発明による改良型レーサムボウルの実施形態を示す概略的な断面図である。 本発明による改良型レーサムボウルの別の実施形態に関するシミュレーション結果を示す説明図である。 本発明による改良型レーサムボウルの実施形態を示す概略的な断面図である。 本発明による改良型レーサムボウルの実施形態を示す概略的な断面図である。 従来のレーサムボウルの構造を部分的に破断して示す図である。 レーサムボウルに用いられる回転シールアセンブリを部分的に破断して示す図である。

Claims (18)

  1. 回転軸の周囲を回転するよう適合された円錐台形の本体、及びこの本体内部に同心的に配置されて本体との間に環状チャンバを画定するコアを有するローター部分と、
    流体を本体底部へと同心に導入する入口ポート、及び環状チャンバで分離された流体を本体上部から導出する出口ポートを有するステーター部分と、
    ローター部分とステーター部分を結合する回転シールとからなるレーサムボウルにおいて、
    前記環状チャンバの求心側内壁が、環状チャンバ底部から軸方向内方に傾斜して上方に延びる下部環状壁と、環状チャンバ上部から軸方向内方に傾斜して下方に延びる上部環状壁とによって画定され、下部環状壁と上部環状壁の間からは環状チャンバから前記出口ポートへの流路が延伸することを特徴とする、改良型レーサムボウル。
  2. 前記上部環状壁の軸方向寸法が、前記下部環状壁の軸方向寸法より短い、請求項1の改良型レーサムボウル。
  3. 前記上部環状壁の軸方向寸法が、前記環状チャンバの求心側内壁の軸方向寸法の10から35%の範囲にある、請求項1の改良型レーサムボウル。
  4. 前記上部環状壁の傾斜角度と前記下部環状壁の傾斜角度が回転軸に対してそれぞれ5から20度の範囲にある、請求項1の改良型レーサムボウル。
  5. 前記上部環状壁の傾斜角度と前記下部環状壁の傾斜角度が等しい、請求項4の改良型レーサムボウル。
  6. 回転軸の周囲を回転するよう適合された円錐台形の本体、及びこの本体内部に同心的に配置されて本体との間に環状チャンバを画定するコアを有するローター部分と、
    流体を本体底部へと同心に導入する入口ポート、及び環状チャンバで分離された流体を本体上部から導出する出口ポートを有するステーター部分と、
    ローター部分とステーター部分を結合する回転シールとからなるレーサムボウルにおいて、
    前記環状チャンバの求心側内壁が、環状チャンバ底部から軸方向内方に傾斜して上方に延びる下部環状壁と、環状チャンバ上部から軸方向内方に傾斜して下方に延びる上部環状壁とによって画定され、下部環状壁と上部環状壁の間からは環状チャンバから前記出口ポートへの流路が延伸し、
    前記流路が上部環状キャビティ及び下部環状キャビティを備えることを特徴とする、改良型レーサムボウル。
  7. 前記環状チャンバから前記出口ポートへの流路が半径方向内方に、次いで軸方向上方に延伸し、上部環状キャビティ及び下部環状キャビティが前記流路の半径方向内方に延伸する部分に備えられている、請求項6の改良型レーサムボウル。
  8. 前記上部環状キャビティの軸方向寸法が10mmから25mmの範囲にある、請求項7の改良型レーサムボウル。
  9. 前記下部環状キャビティの軸方向寸法が前記上部環状キャビティの軸方向寸法以下である、請求項7又は8の改良型レーサムボウル。
  10. 前記下部環状キャビティの軸方向寸法が前記上部環状キャビティの軸方向寸法と等しい、請求項9の改良型レーサムボウル。
  11. 前記上部環状キャビティ及び/又は前記下部環状キャビティの求心側内壁が前記出口ポートに向けて軸方向内方に、回転軸に対して0から20度の角度で傾斜する、請求項7の改良型レーサムボウル。
  12. 前記上部環状キャビティ及び/又は前記下部環状キャビティの遠心側内壁が前記出口ポートに向けて軸方向内方に、回転軸に対して0から10度の角度で傾斜する、請求項7の改良型レーサムボウル。
  13. 前記上部環状壁の軸方向寸法が、前記下部環状壁の軸方向寸法より短い、請求項7の改良型レーサムボウル。
  14. 前記上部環状壁の軸方向寸法が、前記環状チャンバの求心側内壁の軸方向寸法の10から35%の範囲にある、請求項7の改良型レーサムボウル。
  15. 前記上部環状壁の傾斜角度と前記下部環状壁の傾斜角度が回転軸に対してそれぞれ5から20度の範囲にある、請求項7の改良型レーサムボウル。
  16. 前記上部環状壁の傾斜角度と前記下部環状壁の傾斜角度が等しい、請求項15の改良型レーサムボウル。
  17. 請求項1又は6記載の改良型レーサムボウルを用いて全血から血小板を採取することを特徴とする方法。
  18. 請求項1又は6記載の改良型レーサムボウルを用いて末梢血造血幹細胞を採取することを特徴とする方法。
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