JP2008288175A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子シャッタ機能を備え、感度の低下及び感度むらやクロストークによる画質劣化を生じさせることなく、残像の発生を抑制した高時間分解能の撮像装置を提供する。
【解決手段】
撮像装置は、電子放出源がマトリクス状に配置される電子放出源アレイ250と、電子放出源アレイ250に対向保持される光電変換膜230とを有し、映像信号出力期間毎に1又は複数の水平走査ライン257を順次選択し、当該選択された水平走査ライン257に含まれる電子放出源から光電変換膜230に電子を放出して映像信号を読み出す。選択された1又は複数の水平走査ライン257では、前記映像信号出力期間の直後の帰線消去期間及び前記映像信号出力期間の次の映像信号出力期間の直前の帰線消去期間を除く任意の帰線消去期間に、電子放出源から光電変換膜230に電子を放出させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子放出源をマトリクス状に配置した電子放出源アレイと光電変換膜とを具え、映像信号出力期間及び帰線消去期間に電子放出源アレイから電子を放出する撮像装置に関する。
従来より、素子を加熱することなく電界によって電子を引き出す電子放出源をマトリクス状に配置した電子放出源アレイと光電変換膜とを具える撮像装置が提案されている。この電子放出源アレイは、複数のSpindt型電子放出源をマトリクス状に配列したアレイであり、真空空間を隔てて光電変換膜と対向するように保持されている。このような撮像装置では、外部から光が入射することで光電変換膜に生成されて蓄積(以下、「生成・蓄積」と略す)された正孔をSpindt型電子放出源アレイから順次放出される電子で読み出すことにより、時系列の映像信号を得ている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この撮像装置では、光電変換膜の静電容量と電子放出源アレイから放出される電子群のエネルギ分散に起因した等価抵抗との積によって時定数が決まる容量性の残像(以下、「容量性残像」と略す)が発生する。
また、光電変換膜に高輝度な光が入射した場合には、定められた時間内に電子放出源アレイから放出された電子で光電変換膜に多量に生成・蓄積された正孔を読み出すことができず、著しい残像が発生する。この結果、出力画像の動解像度の劣化や、時間分解能の大幅な低下という間題が生じる。
また、この撮像装置は、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子に採用されている電子シャッタのような機能を有しないため、移動体等を撮影する場合に、「1フィールド」乃至「1フレーム」の期間中は、光電変換膜に入射する光によって生成される電荷(以下、「光生成電荷」と略す)が蓄積されることによって生じる動解像度の劣化を補うことができない。
さらに、撮像装置のフィールド周波数又はフレーム周波数とは異なる低い周波数で作動している照明下での撮影では、出力画像にちらつきが発生するという問題がある。
このような問題を解決するために、例えば、光電変換膜の膜厚を増大させた撮像素子が提案されている。この撮像素子では、光電変換膜の膜厚を増大させて静電容量を減少させることにより、容量性残像の低減を図っている(例えば、非特許文献1参照)。
また、上述の特許文献1には、ストライプ状に分離した透光性電極上に光電変換膜を形成し、隣り合う2つの透光性電極上に形成された光電変換膜を、電子放出源アレイから同時に放出された2つの電子ビームで走査する撮像装置が開示されている。
この撮像装置では、一方の電子ビームで光電変換膜に生成・蓄積された正孔を読み出して映像信号を形成するとともに、この一方の電子ビームが走査した直後の光電変換膜に残留した正孔を他方の電子ビームで取り除くことで、残像の低減を図っている。
また、これらの文献に記載された手法とは別に、映像信号出力期間に水平走査ライン上の画素信号を読み出した後も、その直後の映像信号出力期間外である残留電荷掃き出し期間に、ゲート電極に引き続き電圧を印加しておくことにより、読み残した残留電荷を掃き出して残像の低減を図る平面撮像素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2には、さらに、残留電荷掃き出し期間に続く過蓄積電荷掃き出し期間に次の水平走査ラインのゲート電極に電圧を印加し、カソード電極の電位を基準走査面電位より高く設定することにより、映像信号出力期間内に読み出せる以上の蓄積電荷を予め取り除くことで、高輝度な被写体を撮影した場合に生じる白つぶれやスミア、解像度の劣化を防止し、固体撮像素子の電子シャッタと同様な効果が得られることが開示されている。
特開平6−176704号公報 特開2004−134144号公報 "超高感度スピント型冷陰極HARP撮像板の諸特性"、電子情報通信学会信学技報、ED2005−113、p.27−32、日本、2005年9月、本田ほか
上述の非特許文献1に記載された手法では、電子放出源をマトリクス状に配置した電子放出源アレイと光電変換膜とを真空空間を隔てて対向させた撮像素子において、光電変換膜の膜厚を増大し、その静電容量を減少させることにより、容量性残像を低減している。
しかし、このような手法では、光電変換膜の静電容量を低減できるが、完全になくすことは原理的に困難であるため、依然として容量性残像が発生する。特に、電子放出源アレイから放出される電子群のエネルギ分散に起因した等価抵抗の値が大きい場合や、高輝度な光が入射して光電変換膜に多量な正孔が生成・蓄積される場合には、容量性残像の発生が顕著になり、出力画像の動解像度が劣化するという問題が生じる。
また、特許文献1に記載されている、ストライプ状に分離した透光性電極上に光電変換膜を形成し、2つの電子ビームで走査する撮像装置では、無効撮像領域を低減するために、隣り合う透光性電極同士の分離に必要な間隔をできる限り狭くする必要があるので、隣り合う透光性電極の間に生じる静電容量が大きくなる。このため、一方の電子ビームで生成された映像信号の一部が隣り合う透光性電極間の静電容量を介して除去され、感度等の低下を招くという問題が生じる。
また、同様に、一方の電子ビームで生成される映像信号に、隣り合う透光性電極間の静電容量を介して、他方の電子ビームの走査によって走査直後の光電変換膜に残留する電荷を取り除く際に発生する信号の一部が混入することにより、クロストークによる偽信号が発生するという問題が生じる。
また、特許文献2に記載されているように、映像信号出力期間に水平走査ライン上の画素信号を読み出した後も、その直後の残留電荷掃き出し期間に、ゲート電極に引き続き電圧を印加しておく撮像素子では、光電変換膜の電子走査側の電位は、映像信号を出力した直後には電子放出源の陰極電位に近い電位にリセットされる。また、光電変換膜の電子走査側の電位が陰極電位に近い場合には、そこに向かう電子の光電変換膜に垂直な方向の速度は、電子が光電変換膜に近づくに従って低下し、光電変換膜の近傍では低速度になる。
一方、隣り合う映像信号が出力される直前の光電変換膜の電子走査側の電位は、入射した光によって生成された正孔が1フィールド又は1フレームの期間、蓄積されているため、陰極電位に比べて格段に高くなる。
これらの理由により、残留電荷掃き出し期間に、光電変換膜に残留した正孔を取り除くために放出された電子は、電位の低い映像信号を出力した直後の光電変換膜の部分にはほとんど到達せず、電位の格段に高い映像信号を出力する直前の光電変換膜の部分に向けて軌道が曲げられ(以下「ベンディング」と称す)、そこに蓄積された映像信号成分である正孔を除去する。そのため、特許文献2に記載の手法では、上述の電子のベンディングにより、残像の改善が限定的になるとともに感度が著しく低下するという問題がある。
また、電界によって電子を引き出す電子放出源アレイでは、例えば、ある1つの水平走査ラインに対応する位置に設けられた複数の電子放出源から放出される電子量が電子放出源毎に大きくばらつくとともに、各電子放出源から放出される電子量は時間経過とともに大きく変動する。
その結果、ベンディングにより軌道が曲げられた電子によって中和される走査直前の正孔の量は、電子放出源毎若しくは時間経過によって大きく異なり、出力画像に画素毎の感度むら(画面内で画素毎に輝度がばらつくこと)が発生し、画質が著しく劣化する。
さらに、同じく特許文献2に記載された、過蓄積電荷掃き出し期間に、次の水平走査ラインのゲート電極に電圧を印加し、カソード電極の電位を基準走査面電位より高く設定した撮像素子では、光電変換膜に生成・蓄積された過剰な正孔を走査直前に除去し、白つぶれやスミアの発生並びに解像度の劣化を防止するだけで、固体撮像素子の電子シャッタと同様の動作を実現することはできない。
固体撮像素子の電子シャッタ動作では、例えばフィールド期間内において、この期間より短い期間にフォトダイオードに生成・蓄積された電荷を除去し、残りの期間にフォトダイオードに生成・蓄積された電荷を読み出すことで、動解像度の改善等が実現されており、上述のような撮像装置においても、電子シャッタ動作の実現が望まれていた。
そこで、本発明は、電子シャッタ機能を備えつつ、感度の低下及び感度むらやクロストークの発生による画質劣化を生じさせることなく、残像の発生を抑制した高時間分解能の撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面の撮像装置は、電子放出源がマトリクス状に配置される電子放出源アレイと、前記電子放出源アレイに対向保持される光電変換膜とを具え、映像信号出力期間毎に1又は複数の水平走査ラインを所定順序で選択し、当該選択された水平走査ラインに含まれる電子放出源から前記光電変換膜に電子を放出して映像信号を出力する撮像装置において、前記映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインでは、前記映像信号出力期間の直後から前記1又は複数の水平走査ラインが次に選択される映像信号出力期間の直前までの間の帰線消去期間のうち、前記映像信号出力期間の直後の帰線消去期間及び前記次に選択される映像信号出力期間の直前の帰線消去期間を除いた任意の帰線消去期間に、前記1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源から前記光電変換膜に向けて電子を放出させる。
また、前記任意の帰線消去期間には、前記1又は複数の水平走査ラインが選択される前記映像信号出力期間の直後から前記1又は複数の水平走査ラインが次に選択される映像信号出力期間の直前までの間の複数の帰線消去期間が含まれてもよい。
また、上述の場合に、前記任意の帰線消去期間に含まれる前記複数の帰線消去期間は、1の帰線消去期間と、当該1の帰線消去期間の次の帰線消去期間とを含んでもよい。
また、上述の場合に代えて、前記映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源と、前記映像信号出力期間と異なる映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源とで、電子を放出させる任意の帰線消去期間が互いに異なってもよい。
また、上述の場合に代えて、前記映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源と、前記映像信号出力期間と異なる映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源とで、電子を放出させる複数の帰線消去期間の内、少なくとも1つの帰線消去期間が異なるようにしてもよい。
また、上述の場合に代えて、前記映像信号出力期間に選択される複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源では、電子を放出させる前記任意の帰線消去期間が互いに異なるようにしてもよい。
また、上述の場合において、前記電子放出源アレイは、電子を放出するための第1電極と、前記第1電極との間に電位差を形成するための第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極との間に電位差を形成することにより、前記第1電極から電子が放出されるように構成されてもよい。
また、この場合において、前記任意の帰線消去期間に前記第1電極と前記第2電極との間に形成される電位差は、前記映像信号出力期間に前記第1電極と前記第2電極との間に形成される電位差よりも大きく設定されてもよい。
また、この場合において、前記第1電極又は前記第2電極のうちの少なくともいずれか一方に、前記映像信号出力期間に印加する電圧と同一の電圧を前記任意の帰線消去期間に印加してもよい。
また、上述の場合において、前記光電変換膜は、外部から入射する光によって膜内に電荷を生成し、前記電荷を膜中において増倍する光電変換膜であってもよい。
また、上述の場合おいて、前記映像信号出力期間毎に1又は複数の水平走査ラインから出力される映像信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段をさらに備え、当該信号レベル検出手段によって検出される映像信号の信号レベルに応じて、前記任意の帰線消去期間において前記水平走査ラインに含まれる電子放出源から前記光電変換膜に電子を放出する時間が設定されてもよい。
また、上述の場合おいて、前記映像信号出力期間毎に1又は複数の水平走査ラインから出力される映像信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段をさらに備え、当該信号レベル検出手段によって検出される映像信号の信号レベルに応じて、前記帰線消去期間において前記水平走査ラインに含まれる電子放出源の前記第1電極と前記第2電極との間に形成される電位差が設定されてもよい。
本発明によれば、電子シャッタの動作を実現しつつ、感度の低下及び画素毎の感度むらやクロストークの発生による画質劣化を伴うことなく、残像の発生を防止した撮像素子を提供できるという特有の効果が得られる。
以下、本発明の撮像装置を適用した実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の撮像装置を概略的に示す断面図である。本実施の形態の撮像装置は、光学レンズ100、撮像素子200、信号増幅・処理回路300、駆動回路400、制御回路500、及び電源600を具える。
光学レンズ100及び撮像素子200は、光学レンズ100を通過した光が撮像素子200の光電変換膜に垂直に入射し、焦点を結ぶように配置される。
信号増幅・処理回路300は、撮像素子200から出力される映像信号を増幅・処理する。
駆動回路400は、水平駆動回路410や垂直駆動回路420等から構成され、撮像素子200を動作させるために必要なパルス電圧等を生成、供給する。
制御回路500は、クロック信号や同期信号等を生成し、駆動回路400及び信号増幅・処理回路300に供給する。
電源600は、撮像素子200、信号増幅・処理回路300、駆動回路400及び制御回路500に給電する。
なお、撮像素子200に駆動回路400が内蔵されている場合には、内蔵された駆動回路に制御回路500からクロック信号や同期信号等が直接供給され、また、電源600から駆動に必要な電力が撮像素子200に直接供給される。
図2は、実施の形態1の撮像装置に含まれる撮像素子200の構成を示す図であり、(a)は撮像素子200を概略的に示す斜視部分断面図、(b)は撮像素子200の要部を拡大して示す断面図である。本実施の形態における撮像素子200は、透光性基板210、透光性導電膜220、光電変換膜230、メッシュ状電極240、及びSpindt型の電子放出源アレイ250を具える。
透光性導電膜220は、透光性基板210の上に形成され、光電変換膜230は、透光性導電膜220の上に形成される。また、Spindt型の電子放出源アレイ250は、光電変換膜230と真空空間を隔てて対向するように保持されており、複数の開口を有するメッシュ状電極240は、光電変換膜230と電子放出源アレイ250との間に配設される。
図2(a)では簡略化のために省略するが、実際の撮像素子200には、電子放出源アレイ250、光電変換膜230、及びメッシュ状電極240を所定間隔で対向保持する機構や、撮像素子200の駆動に必要なパルス電圧やDC電圧等を供給する電極や、電子放出源アレイ250と光電変換膜230との間を真空に保持するための真空容器等が含まれる。
また、Spindt型の電子放出源アレイ250から放出される電子群を光電変換膜230上に集束させる機能を撮像素子200が有しない場合は、撮像素子200の外部に永久磁石又はソレノイドコイルを含む磁界集束系が具えられる。
透光性基板210は、例えば、撮像素子200が可視光を撮像する撮像素子である場合はガラスで構成すればよく、また、紫外光を撮像する撮像素子である場合はサファイア又は石英ガラスで構成すればよい。また、X線を撮像する撮像素子である場合は、ベリリウム(Be)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、窒化ホウ素(BN)又は酸化アルミニウム(Al)等で構成すればよく、撮像する光の波長に応じて材料を選択すればよい。
透光性導電膜220は、例えば、酸化スズ(SnO)膜、ITO膜、又はアルミニウム(Al)等の金属薄膜材料で構成することができる。この透光性導電膜220には、外部回路610が接続されており、この外部回路610に含まれる電源611によって電圧が印加される。この外部回路610は、図1に示す信号増幅・処理回路300及び電源600の一部として実現される。
光電変換膜230を作製するための材料としては、セレン(Se)、シリコン(Si)、等の半導体材料や、酸化鉛(PbO)、三硫化アンチモン(Sb2S3)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、砒化ガリウム(GaAs)、テルル化亜鉛(ZnTe)等の化合物半導体材料を用いることができる。
これらの材料のうち、セレン(Se)やシリコン(Si)等の半導体材料を用いて作製した非晶質半導体膜では、膜に高電界を印加することで、膜内で光生成電荷のアバランシェ倍増が生じて感度を飛躍的に向上させることができる。このため、本実施の形態では、光電変換膜230として非晶質Seを用いる形態について説明する。
メッシュ状電極240は、複数の開口が設けられていればよく、公知の金属材料、合金材料、又は半導体材料等によって構成される。また、このメッシュ状電極240には、電源620が接続されており、後述する電子放出源アレイ250のゲート電極に印加される電圧よりも高い電圧が印加される。この電源620は、図1に示す電源600の一部として実現される。
電子放出源アレイ250は、高融点金属を陰極に用いたSpindt型電子放出源、シリコン(Si)を陰極に用いたシリコンコーン型電子放出源、又は、ポーラスシリコンや酸化シリコン等を電極で挟んだ平面型電子放出源等の公知の電子放出源からなるマトリクスアレイによって構成される。
また、電子放出源アレイの駆動形式には様々な形式のものがあるが、電子放出源アレイ250としては、外部の駆動回路から供給されるパルス電圧によって駆動されるパッシブ電子放出源アレイ、駆動回路が内蔵された駆動回路内蔵パッシブ電子放出源アレイ、電子放出源アレイの各単位領域にトランジスタを内蔵したアクティブ電子放出源アレイ、又は、駆動回路を内蔵し、電子放出源アレイの各単位領域にトランジスタを内蔵した駆動回路内蔵アクティブ電子放出源アレイのいずれを用いることもできる。
本実施の形態では、電子放出源アレイ250としてSpindt型パッシブ電子放出源アレイを用いる場合について説明する。以下、特に断らない限り、電子放出源アレイ250と記した場合は、Spindt型パッシブ電子放出源アレイ250を示すこととする。
なお、電子放出源アレイ250に駆動回路400が内蔵されている場合には、図1に示す外部の駆動回路400は用いず、制御回路500から撮像素子200にクロック信号や同期信号等を供給する。
図2(a)に示すように、本実施の形態の電子放出源アレイ250は、基板251、陰極電極252、陰極253、絶縁層254、及びゲート電極255を具える。
基板251は、ガラス、シリコン(Si)、石英、セラミックス、又は樹脂等で構成される。この基板251の上には、陰極電極252、絶縁層254、及びゲート電極255が順次形成されている。
陰極電極252は、図2(a)中に示す垂直走査方向と長手方向が平行なストライプ状の電極であり、ゲート電極255は、同じく水平走査方向と長手方向が平行なストライプ状の電極である。このように、陰極電極252とゲート電極255とが互いに直交する方向に延在することにより、X−Yマトリクスが形成される。
ここでは、陰極電極252とゲート電極255が交差して区画される領域を「単位領域」と称し、以下、符号256を用いて表す。この単位領域256は、光電変換膜230の画素に対応する領域である。
また、各ゲート電極255のストライプ状の領域内に含まれる複数の単位領域256が水平走査方向に並んで構成されるラインを水平走査ラインと称し、符号257で表す。
各単位領域256内には、図2(b)に示すように、絶縁層254及びゲート電極255を貫通し、陰極電極252の表面に達する細孔が形成され、この細孔内で陰極電極252から突出するように陰極253が配設される。
この陰極253は、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、又はタングステン(W)等の融点の高い金属材料によって作製される。通常、各単位領域256に複数の細孔を設け、各細孔に陰極253を一つずつ配設する。図2(a)には、各単位領域256に9つの細孔が形成され、9つの陰極253が配設される形態を示す。
ここでは、各単位領域256内に形成された電子放出制御が可能な最小単位数の9つの陰極253を「エレメント」と称する。
また、陰極電極252には、水平方向の走査を行うために、水平駆動回路410からパルス電圧が印加され、ゲート電極255には、垂直方向の走査を行うために、垂直駆動回路420のゲート電圧制御回路424からパルス電圧が印加される。この詳細については、図3を用いて後述する。
なお、図2には示さないが、単位領域256内に、陰極253から放出される電子群を光電変換膜230の上に集束させるために、陰極253を囲むようにゲート電極255上に絶縁物を介して集束電極を形成してもよい。
このような撮像素子200内において、透光性基板210の上面側から入射する光は、透光性基板210及び透光性導電膜220を透過し、光電変換膜230に到達する。この透過光により、光電変換膜230内に電子・正孔対が生じる。
外部回路610に含まれる電源611によって、陰極253に印加される電圧より格段に高い電圧が透光性導電膜220に印加されると、光電変換膜230内の正孔が、光電変換膜230の中を電子放出源アレイ250の側に向けて(光電変換膜230の厚さ方向を電子放出源アレイ250の側に向けて)加速して移動する。
このとき、光電変換膜230の膜を構成する原子と次々に衝突することにより、アバランシェ増倍現象によって新たな電子・正孔対が次々と生成される。
このようにアバランシェ増倍によって生成された正孔は、光電変換膜230の電子放出源アレイ250側に蓄積される。
また、電子放出源アレイ250には駆動回路400からパルス電圧が印加される。
図3は、本実施の形態の撮像装置に含まれる電子放出源アレイ250の駆動系を平面視で概略的に示す図である。
以下では、後述する電子放出源アレイ250に印加するパルス電圧についての説明の便宜上、陰極電極252を陰極電極LHとして表す場合もある。陰極電極LHは、実際には水平走査方向に多数あるが、図3には、その一部であるLH(N−2)〜LH(N+2)を示す。ここで、Nは任意の整数である。
また、同様に、ゲート電極255をゲート電極LVとして表す場合もある。ゲート電極LVは、実際には撮像素子200の垂直走査方向に多数あるが、図3には、その一部であるLV(J−2)〜LV(J+2)を示す。ここで、Jは任意の整数である。
さらに、同様に、水平走査ライン257を水平走査ラインSHLとして表す場合もある。水平走査ラインSHLは、実際には垂直走査方向にゲート電極LVと同じ数だけあるが、図3には、その一部である水平走査ラインSHL(J−2)〜SHL(J+2)を示す。ここで、Jは任意の整数である。
図3に示すように、電子放出源アレイ250には、水平方向及び垂直方向の走査を行うための水平駆動回路410及び垂直駆動回路420が接続されている。
水平駆動回路410は、水平アドレス回路411、水平バッファ回路412、及び水平電圧制御回路413を含む。
水平アドレス回路411は、図1に示す電源600によって給電されるとともに、制御回路500から伝送されるクロック信号や同期信号を受け取り、各陰極電極LHに配設される水平バッファ回路412を選択して駆動する。
水平バッファ回路412は、水平アドレス回路411によって駆動される一対のトランジスタを含み、水平アドレス回路411によって選択される陰極電極LHにパルス電圧を供給する。
水平電圧制御回路413は、水平アドレス回路411によって制御され、水平バッファ回路412を介して陰極電極LHに供給するパルス電圧の値を制御する。
このような水平駆動回路410において、水平アドレス回路411で生成され、出力されるパルス電圧によって水平バッファ回路412が駆動制御される。この水平バッファ回路412の駆動により、水平電圧制御回路413から給電される電圧Vh1とVh2(Vh1>Vh2)とからなるパルス電圧(振幅:Vh1−Vh2)が陰極電極LHに供給される。このように、水平方向の走査は、水平駆動回路410から陰極電極LHにパルス電圧を印加することによって行われる。
また、垂直駆動回路420は、垂直アドレス回路421、垂直バッファ回路422、及び垂直電圧制御回路423を含む。
この垂直駆動回路420は、電子放出源アレイ250のゲート電極LVに接続されてパルス電圧をゲート電極LVに供給すること以外は、水平駆動回路410と構成が同一であり、垂直アドレス回路421、垂直バッファ回路422、及び垂直電圧制御回路423の機能及び動作も、ゲート電極LVを走査対象とすること以外は、水平アドレス回路411、水平バッファ回路412、及び水平電圧制御回路413と同一である。
このような垂直駆動回路420において、垂直アドレス回路421で生成、出力されたパルス電圧によって垂直バッファ回路422が駆動制御される。この垂直バッファ回路422の駆動により、垂直電圧制御回路423から給電される電圧Vv1とVv2(Vv1>Vv2)とで構成されるパルス電圧(振幅:Vv1−Vv2)がゲート電極LVに供給される。このように、垂直方向の走査は、垂直駆動回路420からゲート電極LVにパルス電圧が印加されることによって行われる。
なお、図3には、それぞれ複数ある陰極電極LH及びゲート電極LVのいずれかを選択して順次パルス電圧を供給することにより、水平方向の走査を陰極電極LHで行い、垂直方向の走査をゲート電極LVで行う構成を示すが、これとは逆に、垂直方向の走査を陰極電極LHで行い、水平方向の走査をゲート電極LVで行うように構成してもよい。
図4は、図3に示す駆動系を有する撮像装置において、電子放出源アレイ250のゲート電極LVに印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。
図4では、垂直電圧制御回路423から電子放出源アレイ250の各ゲート電極LVに給電されるパルス電圧に含まれる電圧Vv1及び電圧Vv2は、それぞれ、Vv1がVx(Vx>0V)、Vv2が接地電位(0V)に設定されている。
図5は、図3に示す駆動系を有する撮像装置において、電子放出源アレイ250の陰極電極LHに印加するパルス電圧の振幅およびタイミングを示す図である。
図5では、水平電圧制御回路413から電子放出源アレイ250の各陰極電極LHに給電されるパルス電圧に含まれる電圧Vh1及び電圧Vh2は、それぞれ、Vh1がVx(Vx>0V)、Vh2が接地電位(0V)に設定されている。
また、図4及び図5において、Thは水平走査における映像信号出力期間を表し、Thbは水平帰線消去期間を表す。
図4及び図5に示すパルス電圧を電子放出源アレイ250に印加することにより、電圧Vxが印加されるゲート電極LVと、電圧0Vが印加される陰極電極LHとの交差部に位置する単位領域256に含まれる陰極253、すなわち、電圧Vxが印加されるゲート電極LVと、電圧0Vが印加される陰極電極LHとの交差部に位置するエレメントから、電子が放出される。
これにより、水平走査における映像信号出力期間Thでは、図3に示す1本の水平走査ライン257に含まれる各エレメントから、順次電子が放出される。このような動作がそれぞれの水平走査ライン257毎に、順次繰り返されることにより、電子放出源アレイ250の水平方向及び垂直方向における走査が実現される。
図2に示す電子放出源アレイ250の各エレメントから、水平走査における映像信号出力期間Thに順次放出される電子群は、ゲート電極255に印加される電圧(Vx)よりも高い電圧が印加されるメッシュ状電極240によって光電変換膜230側に引き出される。なお、各エレメントから放出された電子群が光電変換膜230に到達した際に、光電変換膜230上での電子群のスポットサイズによって決まる領域を「画素」と称する。
そして、電子放出源アレイ250から放出される電子と光電変換膜230に蓄積される正孔とが再結合する際に、透光性導電膜220を介して外部回路610に流れる電流を出力信号として取り出し、この出力信号を信号増幅・処理回路300で増幅、処理することで、入射光像に対応した映像信号が得られる。
一方、各ゲート電極LVには、図4に示すように、映像信号を出力するために電圧Vxが印加された映像信号出力期間Thの終了直後から、時間Te(2×(Th+Thb))が経過した水平帰線消去期間Thb(すなわち、電圧Vxが印加された映像信号出力期間Thよりも2つ後の映像信号出力期間Thの直後の水平帰線消去期間Thb)に電圧Vxを印加する。
また、このとき、すべての陰極電極LHには、図5に示すように水平帰線消去期間Thb毎に0Vを印加する。
これにより、各水平走査ライン257では、映像信号が出力された直後から時間Te(2×(Th+Thb))だけ経過した水平帰線消去期間Thbにおいて、各水平走査ライン257に含まれるすべての単位領域256内の陰極253から電子が放出され、これらの単位領域256に対向する光電変換膜230の部分に残留及び生成・蓄積された正孔を取り除く。ここで、残留及び生成・蓄積された正孔とは、映像信号の出力時に読み出しきれずに光電変換膜230に残留した正孔、及び、映像信号が出力された後に入射光によって光電変換膜230に生成、蓄積した正孔をいう。
すなわち、各水平走査ライン257において、映像信号が出力される映像信号出力期間Thの直後の水平帰線消去期間Thbでは、その映像信号が出力された水平走査ライン(例えば、SHL(J))よりも2回前に走査が行われた水平走査ライン(すなわち、間に1本の水平走査ラインSHL(J−1)を隔てたSHL(J−2))に含まれるすべてのエレメントから電子が放出されることにより、光電変換膜230に残留及び生成・蓄積された正孔が取り除かれる。
図6は、本実施の形態の撮像装置の撮像素子内で、隣り合う水平走査ラインSHL(J−3)〜SHL(J+3)に対向する光電変換膜230に存在する電荷(正孔)の量を概念的に示す図である。
この図6は、光電変換膜230に一定の量の光が入射している状態において、水平走査ラインSHL(J)から映像信号が出力された直後に、その前後の水平走査ラインSHLに対応する位置の光電変換膜230の部分に、残留及び生成・蓄積されている正孔の量を示す。ここで、入射光によって生成・蓄積された電荷の量を白く示し、映像信号の出力時に残留した電荷の量を斜線を付して示す。
本実施の形態では、図6に示す水平走査ラインSHL(J)から映像信号が出力された直後の水平帰線消去期間Thbには、この水平走査ラインSHL(J)よりも2回前に走査された水平走査ラインSHL(J−2)に含まれるすべてのエレメントから電子が放出され、対向する光電変換膜230に残留及び生成・蓄積された正孔が取り除かれる。
図6に示すように、水平走査ラインSHL(J−2)に対応する光電変換膜230の部分は、多量の正孔が蓄積されて電位が上昇した水平走査ラインSHL(J+1)に対応する光電変換膜230の部分から空間的に十分に離れ、かつ、水平走査ラインSHL(J+1)に対応する光電変換膜230の部分との間に、格段に電位の低い水平走査ラインSHL(J)及びSHL(J+1)に対応する光電変換膜230の部分が挟まれているので、上述した水平帰線消去期間Thbに水平走査ラインSHL(J−2)に含まれるすべてのエレメントから放出される電子はベンディングを生じることなく、対向する光電変換膜230の部分にまっすぐに向かい、そこに残留及び生成・蓄積された正孔を取り除くことができる。
これにより、ベンディングによる感度の低下や画素毎の感度むらの発生を抑止しつつ、水平帰線消去期間Thbに光電変換膜230に残留及び生成・蓄積した正孔を除去することができ、残像の発生を防止することができる。
また、各水平走査ライン257に対応する位置の光電変換膜230の部分では、映像信号が出力された直後から上述の時間Teが経過した水平帰線消去期間Thbまでの間に、入射光によって生成・蓄積された正孔も取り除かれるため、光電変換膜230の実効的な電荷蓄積時間が短くなり、電子シャッタの動作を実現することができる。
図4及び図5に示す例では、各水平走査ライン257において、映像信号が出力される映像信号出力期間Thから時間Te(2×(Th+Thb))が経過した水平帰線消去期間Thbに、各水平走査ライン257に含まれるすべてのエレメントから電子を放出させたが、この電子を放出させる水平帰線消去期間Thbは、映像信号が出力される映像信号出力期間Thbの直前及び直後の水平帰線消去期間Thbを除いた任意の水平帰線消去期間Thbに設定してよい。
特に、映像信号が出力される映像信号出力期間Thから電子が放出されるまでの経過時間Teを、より長くすることで、電子シャッタの効果をより向上させることができ、より高い時間分解能が得られる。
さらに、撮像装置のフィールド周波数若しくはフレーム周波数とは異なる低周波数で作動している照明下における撮影では、撮像装置の実効的なフィールド周波数若しくはフレーム周波数が照明の周波数と等しくなるように時間Teを調整することによって、出力画像のちらつきの発生を抑制できる。
なお、以上説明した駆動手法によれば、水平帰線消去期間Thbに入射光によって光電変換膜230に生成・蓄積される正孔を取り除くため、実効的な感度は低下するが、この感度低下は、図2に示す電源611から透光性導電膜220に印加する電圧の値を高めて光電変換膜230の内部電界を強め、アバランシェによる電荷増倍率を向上させることにより、容易に補うことができる。
以上では、図4に示すように、各水平帰線消去期間Thbの全期間にわたって、ゲート電極255に映像信号出力時と同じ電圧Vxを印加する形態について説明したが、水平帰線消去期間Thbに放出させる電子量を制御するために、各水平帰線消去期間Thbのうちの一部の期間においてのみ電圧Vxをゲート電極255に印加してもよい。
また、水平帰線消去期間Thb内で電圧Vxを断続的(パルス的)にゲート電極255に印加してもよい。
これにより、電子放出源アレイ250の負担を軽減しつつ、残像の除去及び電子シャッタの動作を実現できる。
また、水平帰線消去期間Thbに放出させる電子量を制御するために、水平帰線消去期間Thb内にゲート電極255に電圧Vxを印加する時間を変える代わりに、あるいは、これに加えて、水平帰線消去期間Thbにゲート電極255に印加する電圧の値を、映像信号出力時に印加する電圧Vxよりも低い値、又は、高い値に設定してもよい。
特に、水平帰線消去期間Thbにゲート電極255に印加する電圧の値を、映像信号出力時に印加する電圧Vxよりも高く設定する場合は、水平帰線消去期間Thbにおいて各エレメントから放出される電子の電流密度を映像信号出力時に放出される電子の電流密度に比べて格段に高めることができる。
これにより、高輝度な光が光電変換膜230に入射した場合においても、残像の除去や電子シャッタの動作をより確実に実現できる。
以上では、図5に示すように、水平帰線消去期間Thb毎に、各水平帰線消去期間Thbの全期間にわたって、映像信号出力時と同じ電圧0Vを陰極電極252に印加する例を示したが、水平帰線消去期間Thbに放出される電子量を制御するために、各水平帰線消去期間Thbのうちの一部の期間においてのみ電圧0Vを陰極電極252に印加してもよい。
また、水平帰線消去期間Thbに断続的(パルス的)に電圧0Vを陰極電極252に印加してもよい。
これにより、電子放出源アレイ250の負担を軽減して、さらに高い信頼性やさらに長い寿命を確保しつつ、残像の除去及び電子シャッタの動作を実現できる。
さらに、以上では、各水平走査ライン257において、映像信号が出力される映像信号出力期間Thの終了直後から、時間Te(2×(Th+Thb))が経過した後の1回の水平帰線消去期間Thbに、各水平走査ライン257に含まれるすべてのエレメントから電子を放出させ、対向する光電変換膜230に残留及び生成・蓄積された正孔を除去する形態について説明したが、これに代えて、複数の水平帰線消去期間Thbに電子を放出させてもよい。例えば、映像信号出力期間Thの終了直後から、時間Te(2×(Th+Thb))が経過した水平帰線消去期間Thbに加えて、前記水平帰線消去期間Thbの次の水平帰線消去期間Thbにおいても、各水平走査ライン257に含まれるすべてのエレメントから電子を放出させ、対向する光電変換膜230に残留及び生成・蓄積された正孔を取り除いてもよい。
すなわち、各水平走査ライン257において、映像信号が出力される映像信号出力期間Thの直後の水平帰線消去期間Thbでは、その映像信号が出力された水平走査ライン(例えば、SHL(J+1))よりも2回前及び3回前に走査が行われる水平走査ライン(すなわち、SHL(J−1)及びSHL(J−2))に含まれるエレメントから電子が放出されることにより、光電変換膜230に残留及び生成・蓄積された正孔が除去される。
これにより、高輝度な光が光電変換膜230に入射した場合においても、残像の除去及び電子シャッタの動作を実現できる。
また、上述の形態において、飛び越し走査を行うようにしてもよい。例えば、フィールドを奇数フィールド及び偶数フィールドに分け、陰極電極252には上述の説明と同様の図5に示すパルス電圧を印加しつつ、奇数フィールドでは図7に示すパルス電圧をゲート電極255に印加するとともに、偶数フィールドでは図8に示すパルス電圧をゲート電極255に印加することにより、隣り合う2つの水平走査ライン257からの映像信号を加算して同時に読み出し、かつ、奇数フィールドと偶数フィールドとで隣り合う2つの水平走査ライン257の組み合わせを変える「飛び越し走査」においても、残像の除去及び電子シャッタの動作を実現することができる。
上述の動作では、図7に示すように、奇数フィールドにおいて、水平走査における映像信号出力期間Thに電圧Vxが同時に印加される2つのゲート電極255では、水平帰線消去期間ThbにVxが印加されるタイミングを映像信号出力期間Thだけずらしている。
これにより、偶数フィールドにおいて、映像信号が加算混合されて出力される2つの水平走査ライン257に対応する位置の光電変換膜230の蓄積時間を揃えることができる。
なお、偶数フィールドにおいても、同様な動作を行うことにより、残像の発生防止及び電子シャッタの動作を実現可能としつつ、蓄積時間の揃った映像信号加算混合出力による飛び越し走査を実現することができる。
[実施の形態2]
図9は、実施の形態2の撮像装置を概略的に示す断面図である。本実施の形態の撮像装置は、メモリ部700を具える点が実施の形態1の撮像装置と異なる。また、メモリ部700を具えることにより、撮像素子200の構成及び駆動方法にも実施の形態1とは異なる点がある。以下、相違点を中心に説明する。なお、実施の形態1の撮像装置と同一の要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
メモリ部700は、信号増幅・処理回路300から出力される映像信号を記録・保存するメモリであり、例えば、周知の揮発性又は、不揮発性メモリで構成される。
また、制御回路500Aは、メモリ部700に記録・保存される映像信号を読み出し、この映像信号の信号レベル(以下、振幅値と称す)を基に電子放出源アレイ制御信号を生成し、駆動回路400に供給する。
駆動回路400は、水平駆動回路410A及び垂直駆動回路420Aを含み、制御回路500Aから供給されたクロック信号や同期信号、電子放出源アレイ制御信号等を基に、撮像素子200を動作させるために必要なパルス電圧等を生成、供給する。
なお、図9には、映像信号の記録、保存、及び読み出しにメモリ部700を用いる形態を示すが、このメモリ部700の代わりに周知の映像遅延回路を用いてもよい。
図10は、実施の形態2の撮像装置に含まれる撮像素子200の構成を概略的に示す斜視部分断面図である。また、図11は、実施の形態2の撮像装置に含まれる撮像素子200の要部の構成を拡大して概略的に示す図である。
本実施の形態では、撮像素子200の電子放出源アレイとして、外部の駆動回路410から供給されるパルス電圧等によって駆動され、かつ、各単位領域256に対応する基板251Aの領域にトランジスタ258a及び258bを内蔵したSpindt型アクティブ電子放出源アレイ250Aを用いる。
電子放出源アレイの駆動形式には様々な形式のものがあるが、電子放出源アレイ250Aとしては、外部の駆動回路から供給されるパルス電圧によって駆動されるパッシブ電子放出源アレイ、駆動回路が内蔵された駆動回路内蔵パッシブ電子放出源アレイ、電子放出源アレイの各単位領域にトランジスタを内蔵したアクティブ電子放出源アレイ、又は、駆動回路を内蔵し、電子放出源アレイの各単位領域にトランジスタを内蔵した駆動回路内蔵アクティブ電子放出源アレイのいずれを用いることもできる。
また、電子放出源アレイにも様々な形式のものがあるが、高融点金属を陰極に用いたSpindt型電子放出源、シリコン(Si)を陰極に用いたシリコンコーン型電子放出源、又は、ポーラスシリコンや酸化シリコン等を電極で挟んだ平面型電子放出源等の公知の電子放出源からなるマトリクスアレイのいずれを用いることもできる。
本実施の形態では、電子放出源アレイ250AとしてSpindt型アクティブ電子放出源アレイを用いる場合について説明する。この電子放出源アレイ250Aは、基板251A、単位領域分離陰極電極252A、及びゲート電極255Aの構成が異なる他は、基本的に実施の形態1の電子放出源アレイ250と同一である。以下、特に断らない限り、電子放出源アレイ250Aと記した場合は、Spindt型アクティブ電子放出源アレイ250Aを示すこととする。
電子放出源アレイ250Aの基板251Aは、シリコン(Si)やガリウム砒素(GaAS)等の公知の半導体によって構成され、内部に各単位領域256に対応する複数のトランジスタ258a及び258bを含むX−Yマトリクスアレイが形成される。
この基板251Aの上に形成される単位領域分離陰極電極252Aは、隣り合う他の単位領域分離陰極電極と所定間隔を隔てて絶縁分離され、トランジスタ258aに電気的に接続される。
本実施の形態では、単位領域分離陰極電極252Aで区画される領域を単位領域256と称する。各単位領域256内にゲート電極255A及び絶縁層254を貫通し、単位領域分離陰極電極252Aの表面に達する細孔を形成し、この細孔内に単位領域分離陰極電極252Aから突出する陰極253を設ける。この単位領域256内に形成された電子放出制御が可能な最小単位数の電子放出源を「エレメント」と称する。
また、ゲート電極255Aはすべての画素256で共通である。
図12は、本実施の形態の撮像装置に含まれる電子放出源アレイ250Aの駆動系を平面視で概略的に示す図である。
以下では、後述する電子放出源アレイ250Aに印加するパルス電圧についての説明の便宜上、垂直走査制御ライン430を垂直走査制御ラインLvとして表す場合もある。垂直走査制御ラインLvは、実際には撮像素子200の垂直走査方向に多数あるが、図12には、その一部であるLv(J−2)〜Lv(J+2)を示す。ここで、Jは任意の整数である。
また、同様に、水平走査制御ライン440を水平走査制御ラインLhとして表す場合もある。水平走査制御ラインLhは、実際には水平走査方向に多数あるが、図12には、その一部であるLh(N−2)〜Lh(N+2)を示す。ここで、Nは任意の整数である。
さらに、同様に、水平走査ライン257を水平走査ラインSHLとして表す場合もある。水平走査ラインSHLは、実際には垂直走査方向に垂直走査制御ラインLvと同じ数だけあるが、図12には、その一部である水平走査ラインSHL(J−2)〜SHL(J+2)を示す。ここで、Jは任意の整数である。
電子放出源アレイ250Aの垂直方向の走査は、垂直駆動回路420A内の垂直アドレス回路421Aから、垂直走査制御ラインLvに電圧V1と電圧V2(V2>Vl)からなるパルス電圧を印加し、各単位領域256内のトランジスタ258aを制御することで行う。垂直走査制御ライン430に電圧V2が印加されると、トランジスタ258aがオンになる。
また、電子放出源アレイ250Aの水平方向の走査は、水平駆動回路410A内の水平アドレス回路411Aから、水平走査制御ラインLhに電圧V1と電圧V2(V2>V1)からなるパルス電圧を印加し、各単位領域256内のトランジスタ258bを制御することで行う。水平走査制御ライン440に電圧V2が印加されると、トランジスタ258bがオンになる。
また、各画素256内のトランジスタ258bは、接地され(すなわち0Vに設定され)、トランジスタ258a及び258bが共にオンになると、この0Vが単位領域分離陰極電極252A及び陰極253に印加される。
ゲート電極255Aには、垂直駆動回路420A内のゲート電圧制御回路424から電圧が供給される。このゲート電圧制御回路424は、電源600から給電を受ける。
このような電子放出源アレイ250Aでは、単位領域256内のトランジスタ258a及び258bが共にオンになるときに、その単位領域256内の陰極253から電子が放出される。
垂直駆動回路420A内の垂直アドレス回路421Aでは、制御回路500Aから供給される「出力映像信号の振幅値を基にした電子放出源アレイ制御信号」を用いて、水平帰線消去期間Thbに垂直走査制御ライン430に印加する電圧の印加時間や電圧値を制御する。このような制御により、出力映像信号の振幅値に応じて水平帰線消去期間Thbに放出する電子量を変化させる。
一方、水平駆動回路410A内の水平アドレス回路411Aでは、制御回路500Aから供給される「出力映像信号の振幅値を基にした電子放出源アレイ制御信号」を用いて、水平帰線消去期間Thbに水平走査制御ライン440に印加する電圧の印加時間を制御する。このような制御により、出力映像信号の振幅値に応じて前記水平帰線消去期間Thbに放出される電子量を変化させる。
なお、図12には、複数ある垂直走査制御ラインLvのいずれかを選択することにより、垂直方向の走査をトランジスタ258aの制御で行い、複数ある水平走査制御ラインLhのいずれかを選択することにより、水平方向の走査をトランジスタ258bの制御で行う形態を示すが、これとは逆に、垂直方向の走査をトランジスタ258bの制御で、また、水平方向の走査をトランジスタ258aの制御で行ってもよい。
このように、本実施の形態の撮像装置は、単位領域256を選択するために駆動する要素が電子放出源アレイ250A側に備わっている点が実施の形態1における撮像装置と異なるが、以下で説明する駆動方法は、実施の形態1における撮像装置の駆動方法と基本的に同一である。
図13は、映像信号が出力されるタイミングが互いに異なる2つの水平走査ラインSHL(J−1)及びSHL(J+1)に対応する位置の各単位領域256内の陰極253から順次放出される電子により、その単位領域256に対向する位置の光電変換膜230の部分に蓄積された正孔を読み出したときの出力映像信号の振幅値を示す図である。
図13において、出力映像信号の振幅値が高いほど、その部分に対応する光電変換膜230に高輝度の光(光量の多い光)が入射していることを表すため、水平帰線消去期間Thbに取り除く必要のある光電変換膜230に残留及び生成・蓄積された正孔の量も多くなる。
また、これとは逆に、出力映像信号の振幅値が低いほど、その部分に対応する光電変換膜230に低輝度の光(光量の少ない光)が入射していることを表すため、水平帰線消去期間Thbに取り除く必要のある光電変換膜230に残留及び生成・蓄積された正孔の量は少なくなる。
図14は、本実施の形態の撮像装置において、垂直走査制御ライン430に印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。図12に示す電子放出源アレイ250Aの駆動系において、図13に示す出力映像信号の振幅値が得られる場合に、水平走査ライン257毎に出力映像信号のピーク値を検出し、このピーク値の変化に比例させて、水平帰線消去期間Thbに垂直走査制御ライン430に印加する電圧V2の印加時間を変化させている。
図15は、水平走査制御ライン440に印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。
なお、ゲート電極255Aには、常時(すなわち、映像信号出力期間Th及び水平帰線消去期間Thbの別を問わず)、垂直駆動回路420A内のゲート電圧制御回路424から一定の電圧Vxが供給される。
図14に示すように、垂直走査制御ラインLvに電圧V2を順次印加するとともに、図15に示すように、水平走査制御ラインLhに電圧V2を順次印加することにより、その垂直走査制御ラインLv及び水平走査制御ラインLhの交点に位置する単位領域256内のトランジスタ258a及び258bがオンになる。
単位領域256内のトランジスタ258a及び258bがオンになることにより、ゲート電極255Aには電圧Vxが印加され、陰極253には0Vの電圧が印加されるため、当該単位領域256に含まれる陰極253から電子が放出される。
すなわち、図15に示すように、すべての水平走査制御ラインLhには水平帰線消去期間Thb毎に電圧V2が印加されているため、水平帰線消去期間Thbに垂直走査制御ラインLvに電圧V2が印加されると、その垂直走査制御ラインLvが接続された水平走査ライン257に含まれるすべてのエレメントから電子が放出される。
図13(a)に示すように出力映像信号のピーク値の高い水平走査ラインSHL(J−1)では、図14に示すように、水平帰線消去期間Thbに垂直走査制御ラインLv(J−1)に印加する電圧V2の印加時間を長くとり、光電変換膜230に残留及び生成・蓄積した正孔の除去に用いる電子量を増やすことによって、光電変換膜230に存在する多量の正孔を除去することができる。
また、図13(b)に示すように、出力映像信号のピーク値の低い水平走査ラインSHL(J+1)では、水平帰線消去期間Thb毎に垂直走査制御ラインLv(J+1)に印加する電圧V2の印加時間を短くし、光電変換膜230に残留及び生成・蓄積した正孔の除去に用いる電子量を減らすことで、光電変換膜230に存在する比較的少量の正孔を除去することができる。
以上のように、本実施の形態の撮像装置によれば、水平走査ライン257から既に出力された映像信号のピーク値に比例させて、水平帰線消去期間Thbに水平走査ライン257に含まれるエレメントから放出される電子の放出時間を制御することにより、光電変換膜230に入射する光量に応じた正孔の除去を行うことができ、電子放出源アレイ250Aへの負担を軽減しつつ、残像の劣化を抑制し、電子シャッタの動作を実現することができる。
なお、図14には、垂直走査制御ラインLvに水平帰線消去期間Thbに電圧V2を連続的に印加する形態を示すが、垂直走査制御ラインLvに電圧V2を断続的(パルス的)に印加してもよい。この場合は、水平走査ライン257からの出力映像信号のピーク値の変化に比例させて、断続的(パルス的)に印加する電圧V2の印加時間(又は印加パルス数)を制御してもよい。
また、水平帰線消去期間Thbに放出させる電子量を出力映像信号のピーク値に応じて制御するために、垂直走査制御ラインLvに印加する電圧V2の印加時間を変える代わりに、あるいは、これに加えて、水平走査制御ラインLhに印加する電圧V2の印加時間を制御してもよい。
例えば、垂直走査制御ラインLvに水平帰線消去期間Thbの全期間にわたって電圧V2を印加し、水平走査制御ラインLhに連続的又は断続的(パルス的)に電圧V2を印加するように構成し、この水平走査制御ラインLhへの電圧V2の印加時間又は印加パルス数を出力映像信号のピーク値に応じて変化させるように構成してもよい。
また、以上では、ゲート電極255Aには、常時、一定の電圧Vxが印加されるとしたが、出力映像信号のピーク値に応じてゲート電極255Aに印加する電圧値を制御してもよい。
例えば、垂直走査制御ラインLvに水平帰線消去期間Thbの全期間にわたって電圧V2を印加するとともに、水平走査制御ラインLhに図15に示すパルス電圧を印加し、出力映像信号のピーク値に応じて垂直駆動回路420A内のゲート電圧制御回路424から出力される電圧の値を変化させて、図16に示すように、水平帰線消去期間Thbにゲート電極255Aに印加する電圧の値を変化させることで、水平帰線消去期間Thbに水平走査制御ラインLh又は垂直走査制御ラインLvに印加される電圧V2の印加時間又は印加パルス数を変化させたときと同等な効果を得ることができる。
また、以上では、各垂直走査制御ラインLvにおいて、電圧V2が印加された映像信号出力期間Thよりも2つ後の映像信号出力期間Thの直後の水平帰線消去期間Thbのみに電圧V2を印加する形態について説明したが、複数の水平帰線消去期間Thbに電圧V2を印加し、出力映像信号のピーク値に応じて、電圧V2の印加時間を変化させてもよい。
また、以上では、水平走査ライン257から得られる出力映像信号のピーク値に応じて、水平帰線期間Thbに水平走査ライン257に対応する位置に設けられたすべての単位領域256に含まれる陰極253から放出される電子量を変化させる形態について説明したが、水平走査ライン257の各単位領域256に対応した出力映像信号の振幅値に比例させて、図17に示すように、水平帰線期間Thbに各水平走査制御ラインLhに印加する電圧V2の印加時間を変化させてもよい。このとき、垂直走査制御ラインLvには図18に示すパルス電圧を印加する。
これにより、各単位領域256に対応した光電変換膜の入射光量に応じて、光電変換膜230に残留及び生成・蓄積された正孔を効果的に除去することができ、電子放出源アレイ250Aの負担をさらに軽減しつつ、残像の発生を防止し、電子シャッタの動作を実現することができる。
また、図17では、水平帰線消去期間Thbに、水平走査制御ライン440に電圧V2を連続して印加し、電圧V2の印加時間を各単位領域256に対応した出力映像信号の振幅値に応じて変化させる例を示したが、これに代えて、図19に示すように、各単位領域256に対応した出力映像信号の振幅値に応じて、水平帰線消去期間Thbに水平走査制御ラインLhに電圧V2を断続的(パルス的)に印加し、その印加時間又は印加パルス数を変化させてもよい。
なお、以上で説明した実施の形態1及び実施の形態2の撮像装置では、垂直帰線消去期間について言及していないが、垂直帰線消去期間の一部の期間を水平帰線消去期間Thbとみなすことで、同様に実施でき、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の撮像装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
実施の形態1の撮像装置を概略的に示す断面図である。 実施の形態1の撮像装置に含まれる撮像素子の構成を示す図であり、(a)は撮像素子200を概略的に示す斜視部分断面図、(b)は撮像素子の要部を拡大して示す断面図である。 実施の形態1の撮像装置に含まれる電子放出源アレイの駆動系を平面視で概略的に示す図である。 図3に示す駆動系を有する撮像装置において、電子放出源アレイのゲート電極LVに印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。 図3に示す駆動系を有する撮像装置において、電子放出源アレイの陰極電極LHに印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である 実施の形態1の撮像装置の撮像素子内で隣り合う水平走査ラインに対向する光電変換膜に存在する電荷(正孔)の量を概念的に示す図である。 実施の形態1の撮像装置において、奇数フィールドにゲート電極LVに印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。 実施の形態1の撮像装置において、偶数フィールドにゲート電極LVに印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。 実施の形態2の撮像装置を概略的に示す断面図である。 実施の形態2の撮像装置に含まれる撮像素子の構成を概略的に示す斜視部分断面図である。 実施の形態2の撮像装置に含まれる撮像素子の要部の構成を拡大して概略的に示す図である。 実施の形態2の撮像装置に含まれる電子放出源アレイの駆動系を平面視で概略的に示す図である。 実施の形態2の撮像装置によって、映像信号が出力されるタイミングが異なる2つの水平走査ラインに含まれる各単位領域内の陰極から順次放出される電子により、対向する光電変換膜に蓄積された正孔が読み出されることによって得られる出力映像信号の振幅値を示す図である。 実施の形態2の撮像装置において、垂直走査制御ラインLvに印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。 実施の形態2の撮像装置において、水平走査制御ラインLhに印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。 実施の形態2の撮像装置において、水平帰線消去期間Thbにゲート電極に印加する電圧の値を変化させる場合の波形を例示的に示す図である。 実施の形態2の撮像装置において、出力映像信号の振幅値に比例させて、水平帰線消去期間Thbに各水平走査制御ラインLhに印加する電圧の印加時間を変化させる場合の波形を例示的に示す図である。 実施の形態2の撮像装置において、出力映像信号の振幅値に比例させて水平帰線消去期間Thbに各水平走査制御ラインLhに印加する電圧の印加時間を変化させる場合に、垂直走査制御ラインLvに印加するパルス電圧の振幅及びタイミングを示す図である。 実施の形態2の撮像装置において、出力映像信号の振幅値に応じて、水平帰線消去期間Thbに水平走査制御ラインLhに電圧を断続的に印加する際の印加時間を変化させる場合の波形を例示的に示す図である。
符号の説明
100 光学レンズ
200 撮像素子
210 透光性基板
220 透光性導電膜
230 光電変換膜
240 メッシュ状電極
250 250A 電子放出源アレイ
251 251A 基板
252 陰極電極
252A 単位領域分離陰極電極
253 陰極
254 絶縁層、
255 255A ゲート電極
256 単位領域
257 水平走査ライン
258a 258b トランジスタ
300 信号増幅・処理回路
400 駆動回路、
410 410A 水平駆動回路
411 411A 水平アドレス回路
412 水平バッファ回路
413 水平電圧制御回路
420 420A 垂直駆動回路
421 421A 垂直アドレス回路
422 垂直バッファ回路
423 垂直電圧制御回路
424 ゲート電圧制御回路
430 垂直走査制御ライン
440 水平走査制御ライン
500 500A 制御回路
600 611 620 電源
610 外部回路
700 メモリ部

Claims (12)

  1. 電子放出源がマトリクス状に配置される電子放出源アレイと、前記電子放出源アレイに対向保持される光電変換膜とを具え、映像信号出力期間毎に1又は複数の水平走査ラインを所定順序で選択し、当該選択された水平走査ラインに含まれる電子放出源から前記光電変換膜に電子を放出して映像信号を出力する撮像装置において、
    前記映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインでは、前記映像信号出力期間の直後から前記1又は複数の水平走査ラインが次に選択される映像信号出力期間の直前までの間の帰線消去期間のうち、前記映像信号出力期間の直後の帰線消去期間及び前記次に選択される映像信号出力期間の直前の帰線消去期間を除いた任意の帰線消去期間に、前記1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源から前記光電変換膜に向けて電子を放出させる、撮像装置。
  2. 前記任意の帰線消去期間には、前記1又は複数の水平走査ラインが選択される前記映像信号出力期間の直後から前記1又は複数の水平走査ラインが次に選択される映像信号出力期間の直前までの間の複数の帰線消去期間が含まれる、請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記任意の帰線消去期間に含まれる前記複数の帰線消去期間は、1の帰線消去期間と、当該1の帰線消去期間の次の帰線消去期間とを含む、請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源と、前記映像信号出力期間と異なる映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源とで、電子を放出させる任意の帰線消去期間が互いに異なる、請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源と、前記映像信号出力期間と異なる映像信号出力期間に選択される1又は複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源とで、電子を放出させる複数の帰線消去期間の内、少なくとも1つの帰線消去期間が異なる、請求項2又は3に記載の撮像装置。
  6. 前記映像信号出力期間に選択される複数の水平走査ラインに含まれる電子放出源では、電子を放出させる前記任意の帰線消去期間が互いに異なる、請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記電子放出源アレイは、電子を放出するための第1電極と、前記第1電極との間に電位差を形成するための第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極との間に電位差を形成することにより、前記第1電極から電子が放出されるように構成される、請求項1乃至6のいずれかの項に記載の撮像装置。
  8. 前記任意の帰線消去期間に前記第1電極と前記第2電極との間に形成される電位差は、前記映像信号出力期間に前記第1電極と前記第2電極との間に形成される電位差よりも大きく設定される、請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記第1電極又は前記第2電極のうちの少なくともいずれか一方に、前記映像信号出力期間に印加する電圧と同一の電圧を前記任意の帰線消去期間に印加する、請求項7又は8に記載の撮像装置。
  10. 前記光電変換膜は、外部から入射する光によって膜内に電荷を生成し、前記電荷を膜中において増倍する光電変換膜である、請求項1乃至10のいずれかの項に記載の撮像装置。
  11. 前記映像信号出力期間毎に1又は複数の水平走査ラインから出力される映像信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段をさらに備え、当該信号レベル検出手段によって検出される映像信号の信号レベルに応じて、前記任意の帰線消去期間において前記水平走査ラインに含まれる電子放出源から前記光電変換膜に電子を放出する時間が設定される、請求項1乃至10のいずれかの項に記載の撮像装置。
  12. 前記映像信号出力期間毎に1又は複数の水平走査ラインから出力される映像信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段をさらに備え、当該信号レベル検出手段によって検出される映像信号の信号レベルに応じて、前記帰線消去期間において前記水平走査ラインに含まれる電子放出源の前記第1電極と前記第2電極との間に形成される電位差が設定される、請求項7乃至11のいずれかの項に記載の撮像装置。
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