JP2008288092A - 静電気保護構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリント基板に搭載された半導体素子を静電気から保護する静電気保護構造において、静電気放電用金属板が、半導体素子と対向する部分に開口部を備えていて、上記半導体素子と上記静電気放電用金属板との間の距離が、上記静電気放電用金属板を流れる放電電流による電磁場が上記半導体素子に干渉せぬような距離である。
【効果】放電用金属板にグランドへの電流が流れても基板の半導体素子に影響しない。
【選択図】図1
Description
図1は本発明の実施の形態1による静電気保護構造を適用した半導体装置1を示す概略平面図であり、図2は図1の線II−IIに沿った概略側面図である。これらの図において、半導体装置1は、プリント基板2上に搭載された半導体素子3を静電気から保護するために、矢印Aで示す静電気印加地点(例えば外部アクセス用コネクタ4あるいは人体接触部分5など)とグランド6との間に静電気の放電電流路7を形成するための静電気放電用金属板9を備えた静電気保護構造を持っている。
また、静電気放電用金属板9をこのような開口部12を持つ穴空き構造にすることによって、図3のような静電気印加地点である外部アクセス用コネクタ4が複数あるような場合にも、プリント基板2上の半導体素子3の動作への影響を実質的に無くすことができ、全ての静電気印加地点Aから低インピーダンスでグランド6へ静電気ノイズを逃がすことが出来る。
同様に、図4のように金属筐体を持った外部アクセス用コネクタ4などが無い部分において人体接触部分5などのようにプリント基板2の周辺に外部から静電気が印加される場合を想定しても、静電気放電用金属板9が静電気ノイズの避雷針となり、プリント基板2上の回路動作への悪影響を実質的に無くして、静電気ノイズをグランド6へ低インピーダンスで逃がすことが出来る。
また、静電気放電用金属板9の外形形状は正方形に限らない。開口部12の形状も、閉じた縁11を持つ正方形の開口部12などの穴あき構造には限られない。例えば図5に示すように半導体素子3を距離をおいて囲む開いた縁14を持つ切欠15を持つU字型の静電気放電用金属板9であっても良い。静電気を接地に逃がす低インピーダンス電流路を確保することができ、且つ、半導体素子3の近傍が電流路にならないような構造であれば、同様な効果を奏することができる。
また、図6に示すように半導体素子3を離間して部分的に囲む縁16を持つ切欠17を持つL字型の静電気放電用金属板9でも良い。このような構成においても、静電気印加地点A(外部アクセス用コネクタ4など)からグランド6へと至る静電気の放電電流路7とプリント基板2上の半導体素子3は干渉せず、その結果、回路動作への悪影響を実質的に無くして、静電気ノイズをグランド6へ速やかに逃がすことが出来る。その他の構成は図1および2に示すものと同様である。
図7および図8には、静電気放電用金属板18が半導体素子3の放熱板としても兼用された場合の実施の形態を示す。半導体素子3は非導電性の熱伝導性部材19を介して、放電用金属板に熱的に接続されていて、半導体素子3の熱が非導電性の熱伝導性部材19を介して静電気放電用金属板18に伝達され、静電気放電用金属板18から放熱される。このように半導体素子3と静電気放電用金属板18を繋ぐものとして、非導電性の熱伝導性部材19を用いていても、静電気が印加された際に放電用金属板を流れる静電気電流と半導体素子は干渉することはない。その他の構成は図1および2に示すものと同様である。
図9および図10に示す静電気保護構造においては、静電気放電用金属板20に開口部21が設けられており、この開口部21内に半導体素子3に熱的に接続された放熱金属板22が設けられている。図示の例では放熱金属板22は、静電気放電用金属板20から連続して一体に延びた細い吊りピン状の接続部材23によって支持されていて、接続部材23はまた、放熱金属板22にも一体的に連続したものであり、例えば一枚の金属板を打ち抜き加工などすることにより図9に示すような平面形を得ることができる。このような細い吊りピン状の接続部材23によって放熱金属板22を開口部21内に支持すれば、放熱金属板22は静電気放電用金属板20からインピーダンス的に分離されているので、静電気印加地点Aである例えば外部アクセス用コネクタ4に静電気が印加されても、放熱金属板22に実質的な放電電流が流れることがなく、半導体素子3に静電気による実質的な影響がおよぶことがない。
図11および図12に示す静電気保護構造においても、静電気放電用金属板20に開口部21が設けられており、この開口部21内に半導体素子3に熱導通関係に接続された放熱金属板22が設けられている。図示の例では開口部21内の接続部材24は、静電気放電用金属板20から連続して一体に十文字型に延びた細い吊りピン状の部材である。開口部21内に配置された放熱金属板22は、この十文字型の接続部材24の上に、非導電性の熱伝導性部材25を介して固着されている。このように放熱金属板22は、熱伝導性部材25によって接続部材24に熱的に接続され、接続部材24は半導体素子3に熱的に接続されている。このような細い吊りピン状の接続部材24によって放熱金属板22を開口部21内に支持すれば、放熱金属板22は静電気放電用金属板20からインピーダンス的に分離されているので、静電気印加地点Aである例えば外部アクセス用コネクタ4に静電気が印加されても、放熱金属板22に実質的な放電電流が流れることがなく、半導体素子3に静電気による実質的な影響がおよぶことがない。
図13および図14に示す静電気保護構造は、静電気放電用金属板26と開口部27内に配置された放熱金属板28とが互いに離間していて電気的にも構造的にも完全に分離された構造である。放熱金属板28は絶縁性の熱伝導性部材29によって半導体素子3上に固着されて支持されている。この静電気保護構造においては、印加された静電気ノイズを放電するための金属部分である静電気放電用金属板26と半導体素子3の熱を放熱するための金属部分である放熱金属板28とは電気的に完全に分離されており、放熱金属板28は半導体素子3には熱的に接続されているため、静電気ノイズの速やかな放電と半導体素子3の放熱を両方とも効率的に行える構造となっている。
Claims (9)
- プリント基板に搭載された半導体素子を静電気から保護するために、静電気印加地点とグランド間に静電気放電経路を形成するための静電気放電用金属板を備えた静電気保護構造において、
上記静電気放電用金属板が、上記半導体素子の上方で上記プリント基板と平行に配置されており、上記半導体素子と対向する部分が、開口部を備えていて、上記半導体素子と上記静電気放電用金属板との間を所定距離離したことを特徴とする静電気保護構造。 - 上記開口部が、上記静電気放電用金属板に設けられて上記半導体素子を囲む閉じた縁を持つ穴であることを特徴とする請求項1記載の静電気保護構造。
- 上記開口部が、上記静電気放電用金属板に設けられて上記半導体素子を囲む開いた縁を持つ切欠であることを特徴とする請求項1記載の静電気保護構造。
- 上記半導体素子と上記静電気放電用金属板とを互いに熱的に接続する非導電性の熱伝導性部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項記載の静電気保護構造。
- 上記開口部内に上記半導体素子に熱的に接続された放熱金属板を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の静電気保護構造。
- 上記放熱金属板が上記開口部の上記縁から連続して延びた上記静電気放電用金属板と一体の接続部材によってインピーダンス的に分離されて支持されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項記載の静電気保護構造。
- 上記接続部材が、上記放熱金属板にも連続して一体に延びたものであることを特徴とする請求項6記載の静電気保護構造。
- 上記接続部材と上記放熱金属板との間に、上記接続部材と上記放熱金属板とを熱的に接続する非導電性の放熱板を備えたことを特徴とする請求項6記載の静電気保護構造。
- 上記放熱金属板が、上記静電気放電用金属板に対して離間していて、上記半導体素子により支持されていることを特徴とする請求項6記載の静電気保護構造。
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