JP2008287965A - 非水電解液2次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、非水電解液2次電池、特に充放電容量が大きく、安全性が高い非水電解液2次電池に関するものである。
近年、パソコン・VTR等のAV・情報機器のメモリーバックアップやそれらの駆動電源、又は電気自動車や燃料電池自動車の主電源若しくは補助電源として、軽量且つ長寿命で、高エネルギー密度の2次電池が求められている。これに対し、リチウムを負極活物質とする非水電解液2次電池は、リチウムの電極電位が金属中で最も低く、単位体積当りの電気容量が大きいために、エネルギー密度の高い2次電池の一つとして知られており、一部が実用化され市場に供給されている。例えば、ノート型パソコン及び携帯電話等の駆動電源として非水電解液2次電池が用いられており、また、電気自動車や燃料電池自動車の主電源若しくは補助電源として非水電解液2次電池を用いることが検討されている。
これらの非水電解液2次電池においては、負極活物質のリチウムが水及びアルコール等の活性プロトンを有する化合物と激しく反応するため、該電池に使用される電解液は、エステル化合物及びエーテル化合物等の非プロトン性有機溶媒に限られている。
しかしながら、上記非プロトン性有機溶媒は、負極活物質のリチウムとの反応性が低いものの、例えば、電池の短絡時等に大電流が急激に流れ、電池が異常に発熱した際に、気化・分解してガスを発生したり、発生したガス及び熱により電池の破裂・発火を引き起こしたり、短絡時に生じる火花が引火する等の危険性が高かった。
これに対して、非水電解液にホスファゼン化合物を添加して、非水電解液に不燃性、難燃性又は自己消火性を付与して、短絡等の非常時に電池が発火・引火する危険性を大幅に低減した非水電解液2次電池が開発されている(特許文献1及び2参照)。
ところで、上記非水電解液2次電池は、従来用いられていたニカド電池やニッケル水素電池に比べてエネルギー密度が高いため、高い充放電容量を有するという利点を有するものの、利用者が充電を行う負担を更に軽減するためには、更に充放電容量を向上させる必要がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、充放電容量が大きく、安全性が高い非水電解液2次電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ジホスホリル化合物のみからなる溶媒に支持塩を溶解させて調製した非水電解液を用いることで、非水電解液2次電池の充放電容量を向上させることができ、また、非水電解液2次電池の安全性を大幅に改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の非水電解液2次電池は、非水電解液と、正極と、負極とを備える非水電解液2次電池において、前記非水電解液がジホスホリル化合物のみからなる溶媒に支持塩を溶解させてなることを特徴とする。
前記非水電解液の溶媒がジホスホリル化合物のみからなる場合、非水電解液の導電性を向上させ、電池の充放電容量・高率放電特性を低下させることなく、安全性を格段に向上させることができる。
本発明の非水電解液2次電池の好適例においては、前記負極が、リチウム金属又はリチウム合金からなる。ここで、該リチウム合金としては、Al、In、Si、Sn、Znからなる群から選択される金属とリチウムとの合金が好ましい。
本発明の非水電解液2次電池において、前記ジホスホリル化合物としては、下記式(I):
[式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜6の不飽和脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を示し;A1は、アミノ基又はハロゲン元素を示す]で表される化合物、下記式(IIA)又は式(IIB):
[式中、R2は、それぞれ独立して炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜6の不飽和脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を示し;A2は、それぞれ独立してアミノ基又はハロゲン元素を示す]で表される化合物、下記式(III):
[式中、R3は、炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜6の不飽和脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を示し;A3は、それぞれ独立してアミノ基又はハロゲン元素を示す]で表される化合物、及び下記式(IV):
[式中、A4は、それぞれ独立してアミノ基又はハロゲン元素を示す]で表される化合物が好ましい。
本発明によれば、ジホスホリル化合物のみからなる溶媒に支持塩を溶解させてなる非水電解液を用いた、充放電容量が大きく、安全性が非常に高い非水電解液2次電池を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の非水電解液2次電池は、ジホスホリル化合物のみからなる溶媒に支持塩を溶解させてなる非水電解液と、正極と、負極とを備えることを特徴とし、必要に応じて、セパレーター等の非水電解液2次電池の技術分野で通常使用されている他の部材を備える。
本発明の非水電解液2次電池においては、非水電解液の溶媒がジホスホリル化合物のみからなり、従来の非水電解液に用いられているエステル化合物やエーテル化合物等の非プロトン性有機溶媒を含まないため、電池の短絡時等に大電流が急激に流れ、電池が異常に発熱しても、電池の排圧弁から非プロトン性有機溶媒由来の可燃性ガスが発生することがなく、また、短絡時に生じる火花が引火する危険性もない。
また、本発明の非水電解液2次電池においては、非水電解液を構成するジホスホリル化合物の作用によって、電池に使用されている高分子材料の連鎖分解が抑制されるため、電池の発火・引火の危険性が低減されている。
また更に、本発明の非水電解液2次電池の電解液は、ジホスホリル化合物を含み、該ジホスホリル化合物の導電性が非常に高い。そのため、本発明の非水電解液2次電池は、電池の内部抵抗が小さくなり、放電容量が大きく、高率放電特性にも優れる。
本発明において、上記ジホスホリル化合物とは、ジホスホリル基[>P(=O)−O−P(=O)<]を有する化合物をさす。ここで、本発明の非水電解液2次電池において、ジホスホリル化合物としては、上記式(I)で表される化合物、上記式(IIA)又は式(IIB)で表される化合物、上記式(III)で表される化合物、及び上記式(IV)で表される化合物が好ましい。これらジホスホリル化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
式(I)において、R1は、炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜6の不飽和脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、各R1は、同一でも、異なってもよく、一方、A1は、アミノ基又はハロゲン元素である。
また、式(IIA)及び式(IIB)において、R2は、炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜6の不飽和脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、各R2は、同一でも、異なってもよく、一方、A2は、アミノ基又はハロゲン元素であり、各A2は、同一でも、異なってもよい。なお、式(IIA)で表される化合物及び式(IIB)で表される化合物は、互いに構造異性体の関係にある。式(IIA)で表される化合物は、一方のリン原子に2つのA2が結合し、もう一方のリン原子に2つのOR2が結合している。また、式(IIB)で表される化合物は、各リン原子にA2及びOR2が1つづつ結合している。上記の通り、式(IIA)で表される化合物と式(IIB)で表される化合物とは、互いに構造異性体の関係にあるが、本発明の目的、即ち、非水電解液2次電池の安全性及び充放電容量を向上させる効果に関しては、ほぼ同等の作用を示すため、異性体の混合物のまま使用することができる。
また、式(III)において、R3は、炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜6の不飽和脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、一方、A3は、アミノ基又はハロゲン元素であり、各A3は、同一でも、異なってもよい。
また、式(IV)において、A4は、アミノ基又はハロゲン元素であり、各A4は、同一でも、異なってもよい。
上記R1、R2及びR3において、炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が挙げられ、これらは、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。また、炭素数2〜6の不飽和脂肪族炭化水素基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基(炭素−炭素二重結合を有する炭化水素基)が挙げられ、これらは、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。更に、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基(アリールアルキル基)が挙げられる。これらの中でも、R1、R2及びR3としては、メチル基、エチル基及びフェニル基が好ましい。
上記R1、R2及びR3において、上記炭化水素基中の水素は、ハロゲン元素等で置換されていても、置換されていなくてもよいが、上記炭化水素基中の水素の1つ以上がフッ素で置換されていることが好ましい。上記炭化水素基中の水素の1つ以上がフッ素で置換されているジホスホリル化合物を使用することで、非水電解液の安全性を更に向上させつつ、電池の放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。
また、上記A1、A2、A3及びA4において、ハロゲン元素としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。ここで、A1、A2、A3及びA4としては、フッ素が好ましい。
本発明の非水電解液2次電池の非水電解液に用いる支持塩としては、リチウムイオンのイオン源となる支持塩が好ましい。該支持塩としては、特に制限はないが、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiAsF6、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等のリチウム塩が好適に挙げられる。これら支持塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記非水電解液中の支持塩の濃度としては、0.2〜1.5mol/L(M)の範囲が好ましく、0.5〜1mol/L(M)の範囲が更に好ましい。支持塩の濃度が0.2mol/L未満では、電解液の導電性を充分に確保することができず、電池の放電特性及び充電特性に支障をきたすことがあり、1.5mol/Lを超えると、電解液の粘度が上昇し、リチウムイオンの移動度を充分に確保できないため、前述と同様に電解液の導電性を充分に確保できず、電池の放電特性及び充電特性に支障をきたすことがある。
本発明の非水電解液2次電池の正極活物質としては、V2O5、V6O13、MnO2、MnO3等の金属酸化物、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiFeO2及びLiFePO4等のリチウム含有複合酸化物、TiS2、MoS2等の金属硫化物、ポリアニリン等の導電性ポリマー等が好適に挙げられる。上記リチウム含有複合酸化物は、Fe、Mn、Co及びNiからなる群から選択される2種又は3種の遷移金属を含む複合酸化物であってもよく、この場合、該複合酸化物は、LiFexCoyNi(1-x-y)O2[式中、0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1]、或いはLiMnxFeyO2-x-y等で表される。これらの中でも、高容量で安全性が高く、更には電解液の濡れ性に優れる点で、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4が特に好適である。これら正極活物質は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の非水電解液2次電池の負極活物質としては、リチウム金属自体、リチウムとAl、In、Si、Sn、Zn又はPb等との合金、リチウムをドープした黒鉛等の炭素材料が挙げられる。これらの中でも、電池容量特性、電池充放電繰り返し特性、電解液の濡れ性に優れる点で、リチウム及びリチウム合金が好ましい。なお、リチウム合金としては、Al、In、Si、Sn、Znからなる群から選択される金属とリチウムとの合金が好ましい。
上記正極及び負極には、必要に応じて導電剤、結着剤を混合することができ、導電剤としてはアセチレンブラック等が挙げられ、結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。これらの添加剤は、従来と同様の配合割合で用いることができる。
また、上記正極及び負極の形状としては、特に制限はなく、電極として公知の形状の中から適宜選択することができる。例えば、シート状、円柱形状、板状形状、スパイラル形状等が挙げられる。
本発明の非水電解液2次電池に使用する他の部材としては、非水電解液2次電池において、正負極間に、両極の接触による電流の短絡を防止する役割で介在させるセパレーター等が挙げられる。セパレーターの材質としては、両極の接触を確実に防止し得、且つ電解液を通したり含んだりできる材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース系、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂製の不織布、薄層フィルム等が好適に挙げられる。これらの中でも、厚さ20〜50μm程度のポリプロピレン又はポリエチレン製の微孔性フィルム、セルロース系、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムが特に好適である。本発明では、上述のセパレーターの他にも、通常電池に使用されている公知の各部材が好適に使用できる。
以上に説明した本発明の非水電解液2次電池の形態としては、特に制限はなく、コインタイプ、ボタンタイプ、ペーパータイプ、角型又はスパイラル構造の円筒型電池等、種々の公知の形態が好適に挙げられる。ボタンタイプの場合は、シート状の正極及び負極を作製し、該正極及び負極でセパレーターを挟む等して、非水電解液2次電池を作製することができる。また、スパイラル構造の場合は、例えば、セパレーターを介してシート状の正極及び負極を重ね合わせ巻き上げる等して、非水電解液2次電池を作製することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<非水電解液の調製>
表1に示す配合の溶媒にLiPF6(支持塩)を1mol/L(M)の濃度で溶解させて非水電解液を調製した。得られた非水電解液の安全性及び限界酸素指数を下記の方法で測定・評価した。結果を表1に示す。
表1に示す配合の溶媒にLiPF6(支持塩)を1mol/L(M)の濃度で溶解させて非水電解液を調製した。得られた非水電解液の安全性及び限界酸素指数を下記の方法で測定・評価した。結果を表1に示す。
(1)電解液の安全性
UL(アンダーライティングラボラトリー)規格のUL94HB法をアレンジした方法で、大気環境下において着火した炎の燃焼挙動から非水電解液の安全性を評価した。その際、着火性、燃焼性、炭化物の生成、二次着火時の現象についても観察した。具体的には、UL試験基準に基づき、不燃性石英ファイバーに上記電解液1.0mLを染み込ませて、127mm×12.7mmの試験片を作製して行った。ここで、試験炎が試験片に着火しない場合(燃焼長:0mm)を「不燃性」、着火した炎が25mmラインまで到達せず且つ落下物にも着火が認められない場合を「難燃性」、着火した炎が25〜100mmラインで消火し且つ落下物にも着火が認められない場合を「自己消火性」、着火した炎が100mmラインを超えた場合を「燃焼性」と評価した。
UL(アンダーライティングラボラトリー)規格のUL94HB法をアレンジした方法で、大気環境下において着火した炎の燃焼挙動から非水電解液の安全性を評価した。その際、着火性、燃焼性、炭化物の生成、二次着火時の現象についても観察した。具体的には、UL試験基準に基づき、不燃性石英ファイバーに上記電解液1.0mLを染み込ませて、127mm×12.7mmの試験片を作製して行った。ここで、試験炎が試験片に着火しない場合(燃焼長:0mm)を「不燃性」、着火した炎が25mmラインまで到達せず且つ落下物にも着火が認められない場合を「難燃性」、着火した炎が25〜100mmラインで消火し且つ落下物にも着火が認められない場合を「自己消火性」、着火した炎が100mmラインを超えた場合を「燃焼性」と評価した。
(2)電解液の限界酸素指数
JIS K 7201に準じて、電解液の限界酸素指数を測定した。具体的には、上記電解液の安全性の試験と同様にして試験片を作製し、該試験片を試験片支持具に垂直に、燃焼円筒(内径75mm、高さ450mm、直径4mmのガラス粒を底部から100±5mmの厚さに均等に満たし金属製の網をその上に置いたもの)の上端部から100mm以上の距離に位置するように取り付け、次に、燃焼円筒に酸素(JIS K 1101又はこれと同等以上のもの)及び窒素(JIS K 1107の2級又はこれと同等以上のもの)を流し、試験片を所定の雰囲気下で点火し(熱源はJIS K 2240の1種1号)、燃焼状態を調べた。但し、燃焼円筒内の総流量は11.4L/minである。この試験を3回行い、その平均値を表1に示す。なお、酸素指数とは、材料が燃焼を持続するのに必要な容量パーセントで表される最低酸素濃度の値をいい、本願では、試験片が3分以上継続して燃焼するか、着炎後の燃焼長さが50mm以上燃えるのに必要な最低の酸素流量とそのときの窒素流量から、下記の式:
限界酸素指数=(酸素流量)/[(酸素流量)+(窒素流量)]×100(体積%)
に従って限界酸素指数を算出した。
JIS K 7201に準じて、電解液の限界酸素指数を測定した。具体的には、上記電解液の安全性の試験と同様にして試験片を作製し、該試験片を試験片支持具に垂直に、燃焼円筒(内径75mm、高さ450mm、直径4mmのガラス粒を底部から100±5mmの厚さに均等に満たし金属製の網をその上に置いたもの)の上端部から100mm以上の距離に位置するように取り付け、次に、燃焼円筒に酸素(JIS K 1101又はこれと同等以上のもの)及び窒素(JIS K 1107の2級又はこれと同等以上のもの)を流し、試験片を所定の雰囲気下で点火し(熱源はJIS K 2240の1種1号)、燃焼状態を調べた。但し、燃焼円筒内の総流量は11.4L/minである。この試験を3回行い、その平均値を表1に示す。なお、酸素指数とは、材料が燃焼を持続するのに必要な容量パーセントで表される最低酸素濃度の値をいい、本願では、試験片が3分以上継続して燃焼するか、着炎後の燃焼長さが50mm以上燃えるのに必要な最低の酸素流量とそのときの窒素流量から、下記の式:
限界酸素指数=(酸素流量)/[(酸素流量)+(窒素流量)]×100(体積%)
に従って限界酸素指数を算出した。
<非水電解液2次電池の作製>
LiCoO2(正極活物質)94質量部に対して、アセチレンブラック(導電剤)3質量部と、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)3質量部とを添加し、有機溶媒(酢酸エチルとエタノールとの50/50質量%混合溶媒)で混練した後、該混練物を厚さ25μmのアルミニウム箔(集電体)にドクターブレードで塗工した後、熱風乾燥(100〜120℃)して、厚さ80μmの正極シートを作製した。次に、厚さ25μmのセパレーター(微孔性フィルム:ポリプロピレン製)を介して、上記正極シート及びリチウム金属シートを重ね合わせて巻き上げ、円筒型電極を作製した。該円筒型電極の正極長さは約260mmであった。該円筒型電極に、上記電解液を注入して封口し、単三型リチウム電池(非水電解液2次電池)を作製した。得られた電池に対して、20℃の環境下、上限電圧4.2V、下限電圧3.0V、放電電流0.2C時間率の条件で、50サイクルまで充放電を繰り返し、初期における放電容量及び50サイクル後の放電容量を測定した。また、下記の式:
放電容量維持率=50サイクル後の放電容量/初期放電容量×100(%)
から放電容量維持率を算出した。更に、得られた電池に対して、180℃オーブン試験を行い、電池の安全性を評価した。結果を表1に示す。
LiCoO2(正極活物質)94質量部に対して、アセチレンブラック(導電剤)3質量部と、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)3質量部とを添加し、有機溶媒(酢酸エチルとエタノールとの50/50質量%混合溶媒)で混練した後、該混練物を厚さ25μmのアルミニウム箔(集電体)にドクターブレードで塗工した後、熱風乾燥(100〜120℃)して、厚さ80μmの正極シートを作製した。次に、厚さ25μmのセパレーター(微孔性フィルム:ポリプロピレン製)を介して、上記正極シート及びリチウム金属シートを重ね合わせて巻き上げ、円筒型電極を作製した。該円筒型電極の正極長さは約260mmであった。該円筒型電極に、上記電解液を注入して封口し、単三型リチウム電池(非水電解液2次電池)を作製した。得られた電池に対して、20℃の環境下、上限電圧4.2V、下限電圧3.0V、放電電流0.2C時間率の条件で、50サイクルまで充放電を繰り返し、初期における放電容量及び50サイクル後の放電容量を測定した。また、下記の式:
放電容量維持率=50サイクル後の放電容量/初期放電容量×100(%)
から放電容量維持率を算出した。更に、得られた電池に対して、180℃オーブン試験を行い、電池の安全性を評価した。結果を表1に示す。
表1中、ジホスホリル化合物Aは、上記式(IV)で表わされ、A4が総てフッ素である化合物(ジホスホリルテトラフルオライド)であり;
ジホスホリル化合物Bは、上記式(III)で表わされ、R3がメチル基で、A3が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Cは、上記式(III)で表わされ、R3がエチル基で、A3が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Dは、上記式(III)で表わされ、R3がフェニル基で、A3が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Eは、上記式(III)で表わされ、R3が2,2,2-トリフルオロエチル基で、A3が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Fは、上記式(IIA)又は式(IIB)で表わされ(即ち、異性体の混合物であり)、R2が総てメチル基で、A2が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Gは、上記式(IIA)又は式(IIB)で表わされ(即ち、異性体の混合物であり)、R2が総てエチル基で、A2が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Hは、上記式(IIA)又は式(IIB)で表わされ(即ち、異性体の混合物であり)、R2が総てフェニル基で、A2が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Iは、上記式(IIA)又は式(IIB)で表わされ(即ち、異性体の混合物であり)、R2が総て2,2,2-トリフルオロエチル基で、A2が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Jは、上記式(I)で表わされ、R1が総てメチル基で、A1がフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Kは、上記式(I)で表わされ、R1が総てエチル基で、A1がフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Lは、上記式(I)で表わされ、R1が総てフェニル基で、A1がフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Mは、上記式(I)で表わされ、R1が総て2,2,2-トリフルオロエチル基で、A1がフッ素である化合物であり;
ECは、エチレンカーボネートであり;
DECは、ジエチルカーボネートであり;
EMCは、エチルメチルカーボネートであり;
DMCは、ジメチルカーボネートである。
ジホスホリル化合物Bは、上記式(III)で表わされ、R3がメチル基で、A3が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Cは、上記式(III)で表わされ、R3がエチル基で、A3が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Dは、上記式(III)で表わされ、R3がフェニル基で、A3が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Eは、上記式(III)で表わされ、R3が2,2,2-トリフルオロエチル基で、A3が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Fは、上記式(IIA)又は式(IIB)で表わされ(即ち、異性体の混合物であり)、R2が総てメチル基で、A2が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Gは、上記式(IIA)又は式(IIB)で表わされ(即ち、異性体の混合物であり)、R2が総てエチル基で、A2が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Hは、上記式(IIA)又は式(IIB)で表わされ(即ち、異性体の混合物であり)、R2が総てフェニル基で、A2が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Iは、上記式(IIA)又は式(IIB)で表わされ(即ち、異性体の混合物であり)、R2が総て2,2,2-トリフルオロエチル基で、A2が総てフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Jは、上記式(I)で表わされ、R1が総てメチル基で、A1がフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Kは、上記式(I)で表わされ、R1が総てエチル基で、A1がフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Lは、上記式(I)で表わされ、R1が総てフェニル基で、A1がフッ素である化合物であり;
ジホスホリル化合物Mは、上記式(I)で表わされ、R1が総て2,2,2-トリフルオロエチル基で、A1がフッ素である化合物であり;
ECは、エチレンカーボネートであり;
DECは、ジエチルカーボネートであり;
EMCは、エチルメチルカーボネートであり;
DMCは、ジメチルカーボネートである。
表1から明らかなように、本発明に従う実施例の非水電解液2次電池は、電解液の限界酸素指数が高く安全性に優れており、また、初期及び50サイクル後の放電容量が大きかった。
Claims (7)
- ジホスホリル化合物のみからなる溶媒に支持塩を溶解させてなる非水電解液と、正極と、負極とを備えた非水電解液2次電池。
- 前記負極が、リチウム金属又はリチウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液2次電池。
- 前記リチウム合金が、Al、In、Si、Sn、Znからなる群から選択される金属とリチウムとの合金であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解液2次電池。
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2007
- 2007-05-16 JP JP2007130612A patent/JP2008287965A/ja not_active Withdrawn
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