以下、本発明を、画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体の概略構成図である。図1は、タンデム型間接転写方式の画像形成装置である。図1中、参照符号100は画像形成装置本体、200は画像形成装置本体100が載置される給紙テーブル、300は画像形成装置本体100上に取り付けられるスキャナ、400はスキャナ300上に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)である。
画像形成装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10が設けられている。中間転写体10は、3つの支持ローラ14,15,16に掛け回されて、図中時計回りに回転搬送可能である。本実施形態においては、3つあるローラ14,15,16のうち、ローラ16の図中左側に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17が設けられている。また、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15との間に張り渡された中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成手段18が横に並べて配置されており、これらの画像形成手段(画像形成ユニット)18はタンデム画像形成装置20を構成している。
また、タンデム画像形成装置20の上には、露光装置21が設けられている。
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置としての、二次転写ローラ22と、2つのローラ23間に架け渡された無端ベルトである2次転写ベルト24とを備えている。2次転写ローラ22は、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てられるように配置され、中間転写体10上の画像をシートに転写する。また、2次転写ベルト24は、トナー像が転写されたシートを下流側に搬送する。
また、2次転写ベルト24の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。この定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てることによって構成されている。
また、2次転写装置22として、上述のもののほか、非接触のチャージャを配置しても良い。
なお、本実施形態では、定着装置25の下側に、前述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転させるシート反転装置28が設けられている。
次に、上記構成の画像形成装置による画像形成について説明する。上記構成の画像形成装置を用いてコピーをとる時には、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
次に、図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時には、原稿自動搬送装置400によって原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後、スキャナ300が駆動し、第1走行体33および第2走行体34が走行する。一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時には、直ちにスキャナ300が駆動し、第1走行体33および第2走行体34が走行する。この時、第1走行体33は、光源から光を発射するとともに、原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向ける。この反射光は、更に第2走行体34のミラーで反射され、結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射される。これにより、原稿内容が読取られる。
また、前述のようにスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータにより支持ローラ14,15,16の1つが回転駆動されるとともに、他の2つの支持ローラが従動回転され、中間転写体10が回転駆動される。
また、これと同時に、個々の画像形成手段18でその感光体(像担持体)40が回転され、各感光体40上にそれぞれイエロ−、マゼンタ、シアン、ブラックの単色画像が形成される。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像が中間転写体10に順次転写され、中間転写体10上に合成カラー画像が形成される。
更に、前述のようにスタートスイッチが押されると、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つが選択的に回転され、ペーパーバンク43に多段に設けられた給紙カセット44の1つからシートが繰り出される。繰り出されたシートは、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に導入され、搬送ローラ47で搬送されるとともに、複写機本体100内の給紙路48に導かれた後、レジストローラ49に突き当てられて止められる。また、手差しトレイ51を用いる場合には、給紙ローラ50が回転され、手差しトレイ51上のシートが繰り出されるとともに、繰り出されたシートは、分離ローラ52で1枚ずつ分離された後、手差し給紙路53に導入され、同様にしてレジストローラ49に突き当てられて止められる。
その後、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49が回転され、中間転写体10と2次転写ローラ22との間にシートが送り込まれる。そして、2次転写ローラ22による転写によって、シート上にカラー画像が記録される。 画像転写後のシートは、2次転写ベルト24によって搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とが加えられて転写画像が定着された後、切換爪55の切り換で排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
一方、両面コピーの場合、片面に画像が転写されたシートは、切換爪55の切り換えによってシート反転装置28に導入されて反転された後、再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像が記録され、その後、排出ローラ56によって排紙トレイ57上に排出される。
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17により、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。例えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。径18[mm]で、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109[Ω・cm]程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−800[V]程度の電圧を印加、紙裏面側は+200[V]程度の電圧を印加する。一般的に中間転写方式は紙粉が感光体にまで移動しづらいため,紙粉転写を考慮する必要が少なくアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはシートをより均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。このようにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写体10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
前述した中間転写体クリーニングには、ポリウレタンゴムに代表されるゴム製のブレードをベルトに当接させて行なうのが一般的である。これは、安価で確実なクリーニング性が望めるからである。ところが、このブレードクリーニング方式において、紙粉がブレードとベルトに挟まると、クリーニング不良が発生してしまう。本実施形態では、転写紙が直接にベルト10に接するため、紙粉の進入は避けられない。
図2は、中間転写体クリーニング装置17の概略構成図である。紙粉による影響を防ぎ、クリーニング性を確保する方法として、図2に示されるようにクリーニング部材としての第1ブレード71の上流側に紙粉除去部材を設けることによってそれを防止する。紙粉除去部材の例として、ここでは、ブラシローラ72を用いており、中間転写体10に当接させることにより紙粉を除去する。ブラシローラ72は中間転写体10と連れ回りにしても良いが、駆動を与えた方が望ましい。ブラシの毛の材質はここではPET樹脂を使用している。このようにブラシローラ72を設けることで、常時、中間転写体10に当接している第1ブレード71に紙粉が挟まることに起因するクリーニング性の低下を、画像形成を損なうことなく簡単な構成で安価に防止することができる。
また、紙粉除去部材がブラシローラ72によって形成されているため、紙粉除去と同時にトナーも回収でき、第1ブレード71の負担を軽くし、第1ブレード71の寿命も延ばすことができる。なお、第1ブレード71とブラシローラ72は、中転ベルト10を介して同一の対向ローラ70に当接している。
次に、上記画像形成装置で好適に使用されるトナーについて説明する。使用するトナーとしては、近年の急速なカラー化とそれに伴う高画像品質化に対応する為、重合トナーによる小径、狭粒径分布化と球形化(真球化)が主流になりつつある。トナーの小径、狭粒径分布化は高解像度現像に有利となり、また球形化(真球化)により転写効率に有利となり、これによりトナー画像のシャープネスといった画像品位は格段に向上する。
しかし、トナーの小粒径化は比表面積が大きくなり、単位重量当たりのトナーの感光体表面への付着力が大きくなることで、感光体表面のクリーニング性が困難な方向となる。また、トナーの小粒径化はトナーの流動性悪化となり、より多量の添加剤を必要とし、これにより、クリーニングブレードの欠けや磨耗、感光体表面の局所的なスジ傷等が発生し易くなることが知られている。
また、トナーの真球度が上がると、上述の従来一般的に採用されているブレードのカウンター当接方式では、トナーのブレードすり抜けが多くなるため、従来以上に当接圧を上げることが必要となり、圧を上げることでブレードの局所的なせん断力によるエッジ欠けに対して余裕が低くなる。
そこで、使用するトナーとしては、600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8[μm]が好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図3は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に示した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
また、トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸 (TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40[wt%]、好ましくは1〜30[wt%]、さらに好ましくは2〜20[wt%]である。0.5[wt%]未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40[wt%]を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。 また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜102[μm]であることが好ましく、特に5×10−3〜0.5[μm]であることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500[m2/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5[wt%]であることが好ましく、特に0.01〜2.0[wt%]であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2[μm]以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5[wt%]の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。 有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。 水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90[%]の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1[μm]、及び3[μm]、ポリスチレン微粒子0.5[μm]及び2[μm]、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1[μm]、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。 また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行なわせる。この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。 有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行なうことで、紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。 荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。 これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、トナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。 図4は、本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。図4において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図4(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図4(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
次に、潤滑剤塗布手段について説明する。上記画像形成装置では、感光体40表面及び中間転写体10表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設けて、感光体40表面及び中間転写体10表面の静止摩擦係数μsを適正な値に維持できるようにしている。この感光体40への潤滑剤塗布手段と、中間転写体10への潤滑剤塗布手段とは、同様の構成であるので、以下に中間転写体10への潤滑剤塗布手段74を用いて説明する。
図5は、潤滑剤塗布手段74周辺の概略構成図である。潤滑剤塗布手段74は、中間転写体クリーニング装置17内に設けられ、固形潤滑剤75と、この固形潤滑剤75を中間転写体10に塗布するための塗布部材としてのローラ状の塗布ブラシ76と、固形潤滑剤75を塗布ブラシ76側に押し当てる加圧バネ77とを備えている。固形潤滑剤75は、ステアリン酸亜鉛を主成分とする潤滑油添加剤を溶解した後冷却固化させたものであり、バー状に成型されている。固形潤滑剤75は、潤滑剤保持部材(不図示)に保持され、中間転写体クリーニング装置の筺体(不図示)に取り付けた加圧バネ77によって潤滑剤保持部材(不図示)を介して塗布ブラシ76に押し当てられる。また、塗布ブラシ76は中間転写体10に当接しており、回転により固形潤滑剤75を掻き取り、塗布ブラシ76表面に付着した潤滑剤を中間転写体表面に塗布する。塗布ブラシ76の回転方向については中間転写体10に対して同じ方向で回転させても、逆方向に回転させてもかまわない。
固形潤滑剤75としては、乾燥した固体疎水性潤滑剤を用いることが可能であり、ステアリン酸亜鉛の他にも、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸基を持つものを用いることができる。また、同じ脂肪酸基であるオレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅や、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウムを用いてもよい。他にも、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミウム等の脂肪酸、脂肪酸の金属塩なども使用できる。さらに、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、オオバ油、みつろう、ラノリンなどのワックス等も使用できる。
また、中間転写体10の回転方向に関して、潤滑剤塗布手段74の上流側に中間転写体クリーニング装置17のクリーニング部材としての第1ブレード71を設けている。さらに、潤滑剤塗布手段70の下流側に潤滑剤均し部材としての第2ブレード73を設けた。第1ブレード71および第2ブレード73は、どちらも弾性体であるウレタンゴム等からなるものである。また、図5では、第1ブレード71および第2ブレード73は、どちらも中間転写体10表面に対してカウンター方向から当接させているが、カウンター方向トレーリング方向の組み合わせはこれに限定されるものではない。
このような構成の中間転写体クリーニング装置17では、表面に担持するトナー像を転写紙に二次転写した後の中間転写体10表面に残留した残留トナーは、先ず、第1ブレード71によって除去される。これによってクリーンな状態となった中間転写体10表面に、潤滑剤塗布手段74の塗布ブラシ76が当接し、固形潤滑剤75から削り取った粒子状の潤滑剤が塗布される。塗布された潤滑剤は、中間転写体10表面移動方向下流側の第2ブレード73の当接位置を通過する際に、表面が均されて一様に押し広げられ、厚みの均一な潤滑剤の層となる。
このように、残留トナーをクリーニングした後、潤滑剤を塗布し、更に潤滑剤を均一な層状にすることによって、潤滑剤層が不均一に形成されることによる不具合を防止できる。詳しくは、塗布後クリーニングによって、潤滑剤の塗布量に偏りが生じ、表面の静止摩擦係数に偏りが生じたり、クリーニング後塗布によって、中間転写ベルト表面に均一な潤滑剤層が形成できなかったりすることに起因して生じる、虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像の発生を防止する。さらに、塗布ブラシ76の塗布機能も長期に渡って維持することができる。また、潤滑剤均し部材としてゴム性の第2ブレード73を用いているので、第2ブレード73が当接された状態で中間転写体10を駆動しても、中間転写体10表面が傷つくことがない。
また、前述したように使用するトナーは重合トナーによる小径、狭粒径分布化と球形化(真球化)が主流になりつつあり、それに伴いクリーニング性が困難になり、クリーニングブレードの欠けや磨耗、像担持体表面の局所的なスジ傷等が発生し易くなっている。さらに、トナーのブレードすり抜けが多くなるため、従来以上に当接圧を上げることが必要となり、圧を上げることでブレードの局所的なせん断力によるエッジ欠けに対して余裕が低くなっている。そこで、第二ブレード73を設けることによって、万一、第一ブレード71が欠けたり、磨耗が大きくなりしてクリーニング性が保持できなくなったりした場合でも、第二ブレード73でバックアップすることが可能となる。
しかし、第1ブレード71および第2ブレード73は、配置位置による転写残トナーの有無や、潤滑剤の塗布量の条件差異があり、それぞれの機能を果たすためには軸方向長さを以下のように規定する必要がある。
図6は、中間転写体クリーニング装置17内の各部材の軸方向長さの条件の説明図である。第1ブレード71の軸方向長さL1と、塗布ブラシ76の軸方向長さL2とが、L1≧L2の関係を満たすことにより、塗布ブラシ76端部付近が転写残トナーで汚れることを防止する。これは、塗布ブラシ76端部が転写残トナーで汚れると、端部周辺と中央部付近とで塗布量に差が生じてしまうことを防止するためである。また、塗布ブラシ76端部に付着したトナーが飛散しやすいという不具合が生じることも防止できる。
また、塗布ブラシ76の軸方向長さL2と、固形潤滑剤75の軸方向長さL3とが、L2>L3の関係を満たすことにより、固形潤滑剤75の全幅が塗布ブラシ76と当接するようにして、塗布ブラシ76と固形潤滑剤75とのガタによる固形潤滑剤75の偏摩耗を防止する。これにより、中間転写体10上に均一な量の潤滑剤を塗布するようにする。
さらに、固形潤滑剤75の軸方向長さL3と、第2ブレード73の軸方向長さL4とが、L3>L4の関係を満たすことにより、第2ブレード73の端部が常に潤滑剤の塗布された中間転写体10表面と接触するようにする。これは、第2ブレード73の端部が潤滑剤の塗布されていない中間転写体10表面に接触した場合、中央部と端部周辺との表面摩擦係数の差が大きすぎて第2ブレード73端部捲れを引き起こして、均し機能を果たせなくなることを防止するものである。
このように、L1≧L2>L3>L4の関係を満たすことで、中間転写体10の軸方向に関して均一な量の潤滑剤を塗布し、さらに塗布した均一な量の潤滑剤を均して、均一な潤滑剤の層を形成することができる。また、第2クリーニングブレードの軸方向長さL4と、画像領域幅L5とは、L4>L5の関係を満たし、画像領域内に潤滑剤の均一層が形成されるものとしている。
なお、本実施形態では、タンデム型画像形成装置の中間転写体に用いる中間転写体クリーニング装置17を用いて説明をしたが、像担持体のクリーニング装置であれば、感光体のクリーニング装置等他のものにも適用でき、同様の効果が得られる。
以上、本実施形態によれば、クリーニング部材としての第1ブレード71の軸方向長さをL1、潤滑剤塗布部材としての塗布ブラシ76の軸方向長さをL2、固形潤滑剤75の軸方向長さをL3、潤滑剤均し部材としての第2ブレード73の軸方向長さをL4とすると、L1≧L2>L3>L4の関係を満たす。これにより、中間転写体10の軸方向に関して均一な量の潤滑剤を塗布し、さらに塗布した均一な量の潤滑剤を均して、均一な潤滑剤の層を形成することができる。
また、第1ブレード71と第2ブレード73とを共にカウンター方向で中間転写体10に当接するよう配置することにより、第2ブレード73が第1ブレード71をすり抜けたトナーをクリーニングするしバックアップ機能を果たすことができ、クリーニング性が向上する。また、潤滑剤塗布手段74により中間転写体10表面に過剰の潤滑剤が塗布された場合でも、第2ブレード73により過剰の潤滑剤を掻き落とすことができるため、潤滑剤過剰塗布による不具合である虫食い等の異常画像を抑制できる
また、第1ブレード71をカウンター方向で、第2ブレード73をトレーディング方向で中間転写体10に当接するよう配置することにより、第2ブレード73のブレード捲れの発生防止、ブレード摩耗の低減、中間転写体10に加わるトルクを低減が可能になる。
また、使用するトナーは、体積平均粒径が3〜8[μm]で、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲のものとする。これにより、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができる。また、転写率を高くすることができ、転写性やクリーニング性を向上させることができる。
また、使用するトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、かつ、形状係数SF−2が100〜190の範囲にあるものとする。これにより、トナーの形状が球形に近くなり、トナーとトナーとが点接触になりトナー同士の吸着力は弱くなり、流動性が高くなる。また、トナーと感光体とも点接触になるために、吸着力も弱くなる。このため、転写率を高くすることができ、転写性やクリーニング性を向上させることができる。ただし形状係数SF−1が180、SF−2が190を超えると、転写率が低下するため好ましくないため範囲からは除外している。
また、使用するトナーを、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得ることにより、上記特性のトナーを得ることができる。
また、使用するトナーは、略球形状とする。
また、使用するトナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあるものとする。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。