JP2008286334A - 直動案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダンピング性・騒音特性を容易に且つ低コストで改善することができる直動案内装置を提供する。
【解決手段】直動案内装置10は、軸方向に延びる外側転動溝13を有する案内レール11と、案内レール11の外側転動溝13に対向する内側転動溝15を有し、外側転動溝13と内側転動溝15との間に挿入される複数の転動体16の転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に案内レール11に支持されるスライダ12と、を備え、案内レール11の外側転動溝13とスライダ12の内側転動溝15との間の空間に、40℃における基油動粘度が1000cst以上のグリースを空間容積の10%以上封入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、低速での高精度な位置決め要求や低振動要求のある研削盤等の工作機械や、スキマ品においてガタから生じる騒音が問題となる精密機械等に好適に用いることができる直動案内装置に関する。
従来、この種の直動案内装置としては、例えば、図10に示す直動案内装置100が提案されている。この直動案内装置100は、軸方向に延びる案内レール101と、この案内レール101上に軸方向に相対移動可能に支持されるスライダ102と、を備える。
案内レール101の両側面には、それぞれ軸方向に沿って外側転動溝103が形成されており、スライダ102のスライダ本体102Aには、その両袖部104の内側面に、それぞれ外側転動溝103に対向する内側転動溝105が形成される。そして、外側転動溝103と内側転動溝105との間には、複数の転動体106が転動自在に装填されており、これら複数の転動体106の転動を介してスライダ102が案内レール101上を軸方向に沿って相対移動できるようになっている。
また、スライダ本体102Aの袖部104内には、軸方向に貫通する転動体通路107が形成され、スライダ本体102Aの軸方向の両端部には、断面略コの字状のエンドキャップ108がねじ109によりそれぞれ締結される。このエンドキャップ108には、上記転動溝103,105間と上記転動体通路107とを連通する方向転換路110が形成される。これにより、案内レール101の外側転動溝103、スライダ本体102Aの内側転動溝105、スライダ本体102Aの転動体通路107、及びエンドキャップ108の方向転換路110が連通して、複数の転動体106を循環させる循環通路が形成される。
なお、図10において、符号111はエンドキャップ108と共にスライダ本体102Aの端面にねじ109により締結されるサイドシール、符号112はスライダ本体102Aの端面に形成され、ねじ109を螺合させるためのねじ穴、符号113は給脂用ニップル、符号114は案内レール101の固定用のボルト挿通穴である。
ところで、工作機械をはじめとする一般産業機械では、直動案内装置のダンピング性、騒音特性が重要になっている。そこで、従来の直動案内装置では、ダンピングに関しては、摩擦付与装置を付加したものが提案され、騒音特性に関しては、転動体間に介装されるリテーナを備えたものなどが提案されている。
また、スライダのダンピングや騒音特性が潤滑剤によって変化することは定性的に知られている。例えば、無潤滑よりオイル潤滑の方が静かであり、また、オイル潤滑よりグリース潤滑の方が静かであることが知られている。また、案内レールの外側転動溝とスライダの内側転動溝との間の空間(負荷軌道)に封入されるグリースの封入量と騒音との関係については、封入量が多いスライダの走行初期は騒音が静かであり、スライダの走行距離が長くなると騒音が大きくなることも経験的に知られている。
そして、直動案内装置に使用されるグリースには、主に、汎用用途用グリース、高速用途用グリース、クリーン・真空用途用グリースがある。
汎用用途用グリースは、基油動粘度(40℃)が100〜130cst前後であり、中〜高荷重までの広い範囲で、例えば、工作機械や一般機械等に組み込まれる直動案内装置に使用される。
高速用途用グリースは、基油動粘度(40℃)が30〜100cst前後であり、軽荷重・高速用途で、例えば、半導体設備や医療機器等に組み込まれる直動案内装置に使用される。
クリーン・真空用途用グリースは、基油動粘度(40℃)が30〜400cst前後であり、鉱油・炭化水素系合成油を基油とした低粘度グリースと高粘度のフッ素グリースがあり、主に半導体設備に組み込まれる直動案内装置で軽荷重用として使用される。
以上のように、直動案内装置に使用されるグリースは、使用する速度と耐久性及びクリーン環境下での発塵性により選定されている。
なお、案内レールの外側転動溝とスライダの内側転動溝との間の空間に封入されるグリースの封入量は、この空間の容積に対して100%であることが多い。但し、半導体設備等に用いられる直動案内装置で、グリースの汚染を嫌う場合、封入量を少なくすることもある。
しかしながら、直動案内装置のダンピング性・騒音特性を改善する上で、摩擦付与装置を付加したり、転動体間にリテーナを介装したりする場合、いずれの場合も直動案内装置に何らかの部品を付加する必要がある。このため、付加する部品(摩擦付与装置やリテーナ)のコスト(部品コスト、管理コスト、組付コスト)の上昇が避けられない。また、例えば、工場などで既に稼動している設備に用いられる直動案内装置のダンピング性・騒音特性を改善しようとした場合、設備を停止して、摩擦付与装置やリテーナを使用した直動案内装置に交換する必要が生じ、設備の稼働率を低下させてしまうことになる。
一方、直動案内装置の潤滑条件の最適化によって、ダンピング性・騒音特性を改善する場合は、新規の部品が必要なく、また、既存の設備で稼働中の直動案内装置においても僅かなメンテナンスで実現可能である。しかし、上述したように、従来の直動案内装置に使用されるグリースは、その使用速度・耐久性・発塵性等で選定されており、ダンピング・騒音特性については考慮されていない。
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダンピング性・騒音特性を容易に且つ低コストで改善することができる直動案内装置を提供することにある。
本発明者等は、直動案内装置のダンピング性・騒音特性が直動案内装置の潤滑条件に影響されることに着目して鋭意検討した結果、ダンピング特性・騒音特性を改善できる最適な潤滑条件を満たしたグリースを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 軸方向に延びる外側転動溝を有する案内レールと、案内レールの外側転動溝に対向する内側転動溝を有し、外側転動溝と内側転動溝との間に挿入される複数の転動体の転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に案内レールに支持されるスライダと、を備える直動案内装置であって、少なくとも外側転動溝と内側転動溝との間の空間に、40℃における基油動粘度が1000cst以上のグリースを空間の容積の10%以上封入することを特徴とする直動案内装置。
本発明の直動案内装置によれば、少なくとも案内レールの外側転動溝とスライダの内側転動溝との間の空間に、40℃における基油動粘度が1000cst以上のグリースを空間容積の10%以上封入するため、装置のダンピング性・騒音特性を容易に且つ低コストで改善することができる。また、既存の設備で稼動中の直動案内装置においても簡単なメンテナンスでダンピング特性・騒音特性を容易に改善することができるので、設備の稼働率の低下を防止することができる。
以下、本発明に係る直動案内装置の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る直動案内装置の一実施形態を説明するための一部切欠平面図、図2は図1に示す直動案内装置を用いてインパクト加振によるスライダの動剛性評価試験を実施する方法を説明するための平面図、図3は本発明例1及び比較例1における振動の伝達関数(振動数とコンプライアンスとの関係)を示すグラフ図、図4は本発明例1,2及び比較例1〜4における基油動粘度と減衰比との関係を示すグラフ図、図5は直動案内装置の振動系を説明するための説明図、図6は本発明例1,2及び比較例1〜4における基油動粘度とコンプライアンスとの関係を示すグラフ図、図7はグリース封入率と騒音レベルとの関係を示すグラフ図、図8はグリース封入率と減衰比との関係を示すグラフ図、図9は本発明例2及び比較例3における走行距離とグリース封入率との関係を示すグラフ図である。
本実施形態の直動案内装置10は、図1に示すように、軸方向に延びる案内レール11と、この案内レール11上に軸方向に相対移動可能に跨架される断面略コの字状のスライダ12と、を備える。
また、図1に示すように、案内レール11の両側面には、それぞれ軸方向に延びる外側転動溝13が形成されており、スライダ12のスライダ本体12Aの袖部14の内側面には、それぞれ外側転動溝13に対向する内側転動溝15が形成される。そして、これら外側転動溝13と内側転動溝15との間には、複数の転動体16が転動自在に装填されており、これら複数の転動体16の転動を介してスライダ12が案内レール11上を軸方向に沿って相対移動可能とされている。
スライダ12は、金属製のスライダ本体12Aと、スライダ本体12Aのスライド方向両端部にそれぞれ設けられるエンドキャップ17と、エンドキャップ17のスライド方向外端部に設けられるサイドシール18と、を有する。なお、図1中の符号19は給脂用ニップルである。
また、スライド本体12Aの袖部14には、転動溝13,15間を転動する複数の転動体16の循環通路を形成するための転動体通路21がスライド方向に貫通して形成され、エンドキャップ17には、転動溝13,15間と転動体通路21とを連通して複数の転動体16を転動溝13,15間から転動体通路21に方向転換させるための方向転換路22が形成される。これにより、案内レール11の外側転動溝13、スライダ本体12Aの内側転動溝15、スライダ本体12Aの転動体通路21、及びエンドキャップ17の方向転換路22が連通して、複数の転動体16を循環させる循環通路が形成される。
そして、本実施形態では、案内レール11の外側転動溝13とスライダ12の内側転動溝15との間の空間に、40℃における基油動粘度が1000cst以上のグリースを空間容積の10%以上封入している。また、本実施形態のグリースとしては、例えば、NYOGEL774(商品名:(Nye Lubricants,inc.))、及びNYOGEL774L(商品名:(Nye Lubricants,inc.))を使用することができる。このグリースの基油はポリアルファオレフィンである。
次に、グリースの選定について詳述する。
まず、図1と略同一形状の直動案内装置(日本精工株式会社製LH25ANZ1)に対して種々のグリースを使用した場合の振動の減衰性について評価試験を行なった。
ここで、本発明例1の直動案内装置はNYOGEL774を使用し、本発明例2の直動案内装置はNYOGEL774Lを使用した。
また、比較例1の直動案内装置はクリーン環境用グリースを使用し、比較例2の直動案内装置は高速用グリースを使用し、比較例3の直動案内装置は汎用グリースを使用し、比較例4の直動案内装置は通常直動案内装置には用いられない高粘度グリース(NYOGEL774VLF(商品名:(Nye Lubricants,inc.)))を使用した。本発明例1,2及び比較例1〜4の使用グリースと基油動粘度(40℃)の数値を表1に示す。なお、グリース封入率は、上記した空間容積の50%とした。
Figure 2008286334
評価試験は、インパクト加振によるスライダ12の動剛性評価を試験した。図2に示すように、試験試料であるスライダ12にウエイトW(1.3kg)を乗せてインパクトハンマーによりウエイトWの幅方向(スライダ2の幅方向)の一側上面を加振点P1としてローリング方向に加振し、ウエイトWの幅方向の他側上面において案内レール11に対して加振点P1と対称な位置を振動測定点P2として、この振動測定点P2に配置した加速度計より振動を測定した。
そして、インパクトハンマーからの荷重入力値及び加速度計からの振動出力値に基づいて、図3に示すように、本発明例1及び比較例1における振動の伝達関数(振動数とスライダの動剛性の逆数であるコンプライアンス(単位荷重当りの振動変位)との関係)を作成した。なお、本発明例2及び比較例2〜4についても同様にして振動の伝達関数を作成したが、図3では図示を省略している。そして、図3より、320〜340Hz付近にコンプライアンスのピークが確認でき、このピークに対してカーブフィットを行い、振動の減衰比を算出した。算出結果を図4に示す。
図4から明らかなように、比較例1〜3の直動案内装置では、振動の減衰比が0.02〜0.03の範囲で有意差が認められないことが確認できた。一方、本発明例1,2及び比較例4の直動案内装置では、基油動粘度の高いグリースを使用しているので、振動の減衰比が大きくなることが確認できた。
そして、その傾向は、基油動粘度に対して概ね線形となっていることが確認できたが、振動の減衰比が大きくなるのは本発明例1,2の直動案内装置のように基油動粘度が数千cstの範囲で確認できるもので、基油動粘度が130cst程度である比較例3の直動案内装置では殆ど振動の減衰比の変化が分からないレベルであった。
図5に、直動案内装置の振動系をばね−マス系で近似し、スライダ12+ウエイトW=マス、案内レール11=グランドとした場合の模式図を示す。このとき、振動の減衰比ζは、下記の式(数1)で求めることができる(導出方法は省略)。また、スライダ12の動剛性の逆数であるコンプライアンス(単位荷重当りの振動変位)|H(jω)|は、下記の式(数2)で近似することができる(導出方法は省略)。
Figure 2008286334
Figure 2008286334
但し、
m:慣性モーメント
k:ばね定数
C:減衰係数
:臨界減衰係数
ζ:減衰比
|H(jω)|:コンプライアンス
上記の式(数1)において、静的な特性を支配するばね定数kは、Hertzの弾性接触論が適用できる。つまり、図5に示すばね定数kは、Hertzの弾性接触論によって計算できる。また、mは、スライダ12とウエイトWの合計した慣性モーメントである。kもmも潤滑条件には影響されないので、図4に示される結果は、減衰係数が変化していると考えられる。つまり、転動体と転動溝との間に形成される油膜の形成状態によって、減衰係数が変化すると考えられる。
上記の式(数2)において、ばね定数kは、一定と考えた場合(Hertzの弾性接触論によってばね定数を考えると、走行中に摩耗などが生じない限り一定と考えてよい)、コンプライアンスと振動の減衰比は、反比例の関係にある。つまり、振動の減衰比が大きくなると、コンプライアンスは小さく(動剛性は高く)なるのだが、その関係は線形でなく、ある特異点をもっており、その特異点を越えると急激にコンプライアンスの変化率は小さくなるのである。
ところで、図4の試験において、振動減衰比は、グリースの基油動粘度に対して線形に変化することが確認されている。従って、スライダ12のコンプライアンスは、グリースの基油動粘度に対しても反比例の関係にあり、ある特異点を越えるとコンプライアンスの変化率が急激に小さくなると考えられる。
本実施形態においては、最初に基油動粘度と減衰比が線形であることを見出し、次いで、スライダ12の振動系を図5に示すばね−マス系のモデルで近似することを考えた。そして、グリースの基油動粘度とコンプライアンスとが反比例であることを推定し、その特異点の条件を見出した。その結果を図6に示す。
図6から明らかなように、グリースの基油動粘度とコンプライアンスとの関係は、上述したように、反比例の関係であることが確認できた。また、その特異点は、1000cstであることが確認できた。つまり、グリースの基油動粘度が1000cst未満になると、直動案内装置のコンプライアンスは、急激に大きくなる(動剛性が低下する)ことがわかった。
従って、本発明例1,2のように40℃における基油動粘度が1000cst以上のグリースを直動案内装置に封入することで、従来よりコンプライアンスの小さい(動剛性の高い)直動案内装置とすることができる。
また、直動案内装置の騒音特性を向上させるためには、適正なグリースの封入率を設定する必要がある。そこで、上記した空間容積に対するグリース封入率と騒音との関係を試験により調査した。試験は、図1と略同一構造の直動案内装置(日本精工株式会社製LH30AN)に対して行なった。試験結果を図7に示す。
試験条件は次の通りである。
使用グリース:NYOGEL774L(基本動粘度:2054cst(40℃))
スライダの送り速度:50m/min
ストローク:1600mm
騒音測定位置:ストローク中央で案内レールの上面から500mm
試験前エージング:30往復
図7から明らかなように、グリース封入率が高い程、直動案内装置の騒音は小さい傾向があることか確認できた。これは、スライダ12の内部に充填されるグリースが騒音に対して緩衝剤として作用するためと思われる。
次に、図1と略同一形状の直動案内装置(日本精工株式会社製LH20BN)に対して、図2と同一の方法で振動の減衰性について評価試験を行なった。試験は、無潤滑状態及び表1の本発明例2に関し、グリース封入率を上記した空間容積の10%とした場合、50%とした場合について評価した。試験結果を図8に示す。
図8から明らかなように、無潤滑状態よりグリース封入率10%の本発明例2の方が減衰比が大きく、グリース封入率10%の本発明例2よりグリース封入率50%の本発明例2の方が減衰比がより大きいことがわかった。
次に、図1と略同一形状の直動案内装置(日本精工株式会社製LH30ANZ1)に対して、スライダ12を走行させた場合のグリース封入率の変化を調査する試験を行なった。試験は、表1の本発明例2(初期グリース封入率100%、80%、50%)及び比較例3(初期グリース封入率100%)について行い、スライダ12の走行速度:50m/min、ストローク:1600mmとした。試験結果を図9に示す。
図9から明らかなように、スライダ12内のグリース封入率は、走行初期において15〜25%程度減少していることがわかった。これは、直動案内装置には、接触式のシールを採用しているが、スライダ12が往復運動するため、スライダ12内にグリースを完全に密封できないためと思われる。
しかし、本発明例2は、従来の汎用グリースを使用した比較例3よりグリース封入率の低下が小さい。これは、本発明例2はグリースの基油動粘度が高いので、スライダ12内でのグリース保特性が改善されているためと思われる。結果として、本発明例2では、グリース封入率を100%としても、走行初期における低下率は20%以下となっている。
そして、図7及び図8より、本実施形態の直動案内装置において最適となるグリース封入量を検証した。直動案内装置の騒音及び振動の減衰比ともにグリース封入率が多いほど良好な結果が得られた。但し、グリース封入率が仮に10%/溝でも、振動の減衰性は無潤滑時に比べて大きく向上することから、極少量のグリースでも効果は得られると考えられる。しかし、グリース本来の目的である耐久性を考慮すると10%未満の封入率では不十分である。従って、グリース封入率の下限は、上記した空間容積の10%とする。また、少量のグリース封入率を定量的に管理するには、グリースインジェクタを使用するとよい。
また、図9より、仮にグリース封入率を100%としても、走行初期において85%程度まで減少するため、85%以上にするメリツトは少ないと思われる。従って、本実施形態において必要条件となるグリース封入率は、10%/溝であり、望ましくは、85%/溝以下に設定するのが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の直動案内装置10によれば、案内レール11の外側転動溝13とスライダ12の内側転動溝15との間の空間に、40℃における基油動粘度が1000cst以上のグリースを空間容積の10%以上封入するため、新規な部品を用いることなく、装置10のダンピング性・騒音特性を容易に且つ低コストで改善することができる。また、既存の設備で稼動中の直動案内装置においても簡単なメンテナンスでダンピング特性・騒音特性を容易に改善することができるので、設備の稼働率の低下を防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、転動体として玉を用いた直動案内装置に本発明を適用した場合を例示したが、これに限定されず、転動体としてころを用いた直動案内装置に本発明を適用してもよい。
本発明に係る直動案内装置の一実施形態を説明するための一部切欠平面図である。 図1に示す直動案内装置を用いてインパクト加振によるスライダの動剛性評価試験を実施する方法を説明するための平面図である。 本発明例1及び比較例1における振動の伝達関数(振動数とコンプライアンスとの関係)を示すグラフ図である。 本発明例1,2及び比較例1〜4における基油動粘度と減衰比との関係を示すグラフ図である。 直動案内装置の振動系を説明するための説明図である。 本発明例1,2及び比較例1〜4における基油動粘度とコンプライアンスとの関係を示すグラフ図である。 グリース封入率と騒音レベルとの関係を示すグラフ図である。 グリース封入率と減衰比との関係を示すグラフ図である。 本発明例2及び比較例3における走行距離とグリース封入率との関係を示すグラフ図である。 従来の直動案内装置の一例を説明するための一部切欠斜視図である。
符号の説明
10 直動案内装置
11 案内レール
12 スライダ
12A スライダ本体
13 外側転動溝
14 袖部
15 内側転動溝
16 転動体
17 エンドキャップ
18 サイドシール
19 給脂用ニップル
21 転動体通路
22 方向転換路

Claims (1)

  1. 軸方向に延びる外側転動溝を有する案内レールと、前記案内レールの前記外側転動溝に対向する内側転動溝を有し、前記外側転動溝と前記内側転動溝との間に挿入される複数の転動体の転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に前記案内レールに支持されるスライダと、を備える直動案内装置であって、
    少なくとも前記外側転動溝と前記内側転動溝との間の空間に、40℃における基油動粘度が1000cst以上のグリースを前記空間の容積の10%以上封入することを特徴とする直動案内装置。
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