JP2008286208A - 微粒子フィルタに蓄積された微粒子の量を決定する方法 - Google Patents

微粒子フィルタに蓄積された微粒子の量を決定する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】知られたモデルよりはるかに信頼することができ、現在使用されているエンジン中央制御ユニットにおいて実際に実行することができる微粒子フィルタに蓄積された微粒子の量を決定する方法を提供する。
【解決手段】微粒子フィルタに蓄積された微粒子量(mS)を決定する方法であって、前記微粒子フィルタにおける微粒子の空間的な分布の変化および/または前記微粒子フィルタにおけるエンジンの動作状態および過去の微粒子蓄積の関数として微粒子の物理化学的特性の変化を決定する方法。前記決定工程は、マップの形態で、前記微粒子フィルタに蓄積された微粒子量(mS)と前記微粒子フィルタにおける圧力降下(ΔDPF)との関係を定義するパラメータ(β)の基準値(βMAP)の数を決定する工程であって、各規準値(βMAP)が、前記微粒子フィルタにおける特定の微粒子蓄積条件と対応する個々の一定のエンジン動作条件に関係する工程を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は微粒子フィルタに蓄積された微粒子の量を決定する方法に関する。
本発明は、自動車への応用、とりわけ内燃エンジン(とくにディーゼルエンジン)だけに使用されるわけではないが、これらに利するために使用することができるため、以下の説明は、これらを例にとってなされている。
本発明は、実際、燃料バーナーなど、微粒子フィルターが設けられたシステムによって発生された微粒子をフィルタにかけるなど、自動車への応用以外において使用することができる。
多くの国で知られているように、大気汚染を規制する規則は、内燃機関の排気ガスの成分についてますます厳しくなってきている。
ディーゼルエンジンの場合、一酸化炭素(CO)および炭化水素(HC)によってもたらされる問題は酸化窒素(NOx)および排気ガス中の微粒子によってもたらされる問題ほど多くはない。
1990年代の終わりに市場に出された最近の直接噴射ディーゼルエンジンでさえ重大な微粒子の発生によって特徴づけられていることを種々の出典が示している。
大気中に発生された排気ガスの微粒子の含有量を最小にする種々の方法が提案されている。もちろん、排気管(ないしは、排気パイプ)にフィルタを設けることは、ディーゼルエンジンの微粒子排出に対する疑いのない最終的な解決策としてエンジンの技術において長いあいだ認められてきた。
微粒子トラップ(煤キャッチャーまたはスートトラップ)としても知られた微粒子フィルタは、通常、孔を有する壁に交互に塞がれた多数の通路を備えている。
より詳しくは、障害物(obstruction)がガスを通路の側壁を介して流し、その結果、微粒子を構成している未燃焼の粒子は、まず側壁の孔に保持される。孔が塞がれると、該未燃焼の粒子は、通路壁の内面上に有孔層を蓄積し形成する。
微粒子が通路壁の内面上に蓄積すると、フィルタを通して圧力が下がり、フィルタによって発生した背圧が増加する。
除去されない場合、微粒子の過度の蓄積は、
性能、駆動の快適さ、およびエンジンの燃費が損なわれ、ついにはエンジンが停止すること、および
微粒子の自発火および制御不能燃焼の場合にフィルタ自体が破壊すること
を引き起こす。とくに駆動条件において、微粒子の多大の蓄積は、突然の、制御不能の微粒子燃焼を引き起こし、ひいてはフィルタのセラミックマトリックスのオーバーヒートおよびフィルタ自体への損傷を引き起こすといった「臨界的な」再生(regeneration)現象を引き起こす。
捕捉された微粒子は、微粒子フィルタを「再生する」ことによって規則的に除去されなければならない。「再生する」とは、エンジンの技術において、蓄積された微粒子(主として炭素C)を燃焼することを意味し、該蓄積された微粒子は、排気ガス中の酸素と接触し、一酸化炭素および二酸化炭素になる。
しかしながら、この反応は、約600℃を超える温度において(添加剤を使用することなく)自然に起こるが、この温度は通常のエンジン動作状態におけるフィルタ入口温度より高い。
ある条件(すなわち、フィルタにおける微粒子の一定の蓄積で)、フィルタ入口における排気ガス温度は微粒子の燃焼を開始するために人工的に上昇しなければならない。
多くの微粒子の燃焼を開始するためにフィルタ入口における排気ガス温度を人工的に上昇する方法は提案され、および/または実際に実施されている。
現在の車両の微粒子燃焼開始方法の主な欠点の1つは、マイルベース(たとえば、500または1000km毎に)周期的に開始される微粒子フィルタの再生にある。
マイルベース微粒子フィルタの再生は、不必要なフィルタの再生を頻繁に開始したり、逆に実際に必要とされるときに、フィルタの再生を開始しないことによって、疑う余地なく、全体として不充分であることが最近分かった。
フィルタにおける微粒子蓄積を示すテストはマイルベースではないが、車両の種別プロファイル(たとえば、都市の走行用または高速道路の走行用)、運転スタイル(たとえば、競争用)など車両の他の要因によってかなり重大な影響を受ける。そのうえ、微粒子排出の増大をかなり引き起こすエンジンの欠点が考慮されていない、その場合、微粒子がフィルタに著しく蓄積し、エンジンおよびフィルタの信頼性を損なう。
一定の量を超えたときに、フィルタの再生を開始し得るように、フィルタに蓄積された微粒子の量を正確に決定するために、フィルタを通過する排気ガス流量および温度と圧力降下にもとづいて蓄積された微粒子の量が算出される、多くの物理的モデルが提案されている。提案されているすべてのモデルは、エンジンの種々動作状態および過去の微粒子の蓄積から独立して、実質的に、フィルタチャネル内の微粒子の分布および微粒子の物理化学的特性が一様かつ一定であるという仮定に基いている。
たとえば、非特許文献1においては、チャネル内部の(軸方向および半径方向)空間的に一様な分布を仮定して、フィルタの幾何学的特徴、フィルタ材料の物理的特徴、微粒子の特徴などの種々の要因を考慮する分析的な微粒子フィルタモデルが提案されており、当該要因はエンジンの種々の動作状態および過去の微粒子蓄積から独立して一定であると仮定されている。
明確性の観点から、つぎの式は、微粒子フィルタのモデルとして非特許文献1においてなされた考慮から本発明者によって開発されたものであり、フィルタの上流に触媒コンバータをもつことができる。
Figure 2008286208
ここに、Vtrapはフィルタの容積、Hはセルの大きさ、Lは長さ、Nは開放セルの数、wは壁の厚さをそれぞれ示し、
mは線形透過性を示し、k’mは非線形透過性を示し、
catは容積、Hcatはセルの大きさ、Lcatは長さ、wcatは壁の長さをそれぞれ示し、
Rはガス定数(8.314J/kmol)、Fは正方形断面の導管内のガス摩擦係数(約28.454)、ξは慣性係数(約3)をそれぞれ示し、
atmはフィルタの下流における絶対圧力(大雑把には、大気圧に等しいと考えられる)、Mwはガスの平均分子量、Tは温度、μoは粘性係数をそれぞれ示し、
sは質量、ksは透過率、ρsは密度をそれぞれ示し、
ΔDPEはフィルタを横切る全圧力降下、Qmは排気ガスの質量流量をそれぞれ示す。
フィルタに蓄積された微粒子の質量msを決定するために、エンジン制御ユニットにおいて式1を実行することは、実行にかかわる他の変数の関数として微粒子の質量msを定義し計算することが現在使用されている自動車のエンジン制御ユニットの能力をはるかに超えた計算能力を要求する点でとくに複雑である。
たとえ、式1がエンジン制御ユニットで実行できたとしても、その結果は全体として満足できないものになろう。本発明者によってなされた机上および車載テストは、実際に、エンジンの種々の動作特性および過去の微粒子の蓄積から独立してフィルタチャネルにおいて一様かつ一定の微粒子分布を仮定することは、実際の動作状態でフィルタに蓄積された微粒子の量を正しく評価することを不可能にしていることを示した。これが、排気ガス流量および温度と、フィルタの圧力降下を測定することに基づく再生制御システムが自動車産業において採用されなかった理由である。
コンスタンドポウロス ア. ジ.、コストグロウ エンメ.、スカペルダス エ.、パパイオアンノウ エ.、ツァルバレス デイ.およびクラドポウロウ エ.共著、「ディーゼル微粒子フィルタの基礎研究:一時的蓄積、再生および経年劣化」、SAE2000−01−1016、2000
前述の欠点を解消するように構成され、知られた微粒子量を含む場合に微粒子フィルタの再生を提供する、フィルタに蓄積された微粒子の量を決定する方法を提供することが本発明の目的である。
本発明によれば、請求項1に記載されたとおりの微粒子フィルタに蓄積された微粒子の量を決定する方法が提供される。
本発明によれば、微粒子フィルタ内の微粒子分布および微粒子の物理化学的特性がエンジンの動作状態および過去の蓄積に依存して変化することを仮定して、微粒子に蓄積された微粒子の量を計算することができるため、知られたモデルよりはるかに信頼することができ、自動車産業において現在使用されているエンジン中央制御ユニットにおいて実際に実行することができる。
添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態を以下に説明するが、これらに限定されるものではない。
図1は、微粒子フィルタと、排気ガス粒量および温度と該微粒子フィルタの圧力降下を測定するための個々の装置とを備えた排気ガスシステムの概略説明図である。
図2は、異なるエンジン動作状態による微粒子フィルタチャネルにおける微粒子分布の変化を示す概略説明図である。
図3は、異なるエンジン動作状態により微粒子フィルタチャネルに蓄積された微粒子の物理化学的特性の変化を示す概略説明図である。
図4は、エンジン動作状態の可能な変化に依存する微粒子フィルタチャネルにおける微粒子の分布変化および物理化学的変化の概略説明図である。
図5は、部分再生(たとえば、NOxベースの同時再生)後の微粒子フィルタチャネルにおける微粒子の分布変化および物理化学的変化の概略説明図である。
図6は、長いあいだの自動車の不使用(「パーキング」効果)および続いておこる蓄積の後の微粒子フィルタチャネルにおける微粒子の物理化学的特性の変化を示す概略説明図である。
図7は、本発明の微粒子フィルタモデルを示すブロックダイアグラムである。
図8は、図7における「β定義ブロック」のより詳細なブロックダイアグラムである。
図9は、図8におけるステートマシーンのステートダイアグラムである。
図10は図7における「物理的モデル補正」ブロックのより詳細なブロックダイアグラムである。
図1において参照符号1は、全体としてエンジン2(とりわけ、ディーゼルエンジン)の排気ガスシステムを示している。この例に限られることはないが、図1のディーゼルエンジン2は、過給器(ないしはターボチャージャ)が設けられており、給気導管5に沿って設けられた圧縮機4と該圧縮機4に接続されたタービン6によって特徴づけられたターボチャージャ3を備えている。
排気システム1は、ターボチャージャ3に接近し排気ガス導管7に沿って設けられた酸化触媒コンバータ(以下、「前触媒コンバータ(pre-cat)」という)8と、前触媒コンバータ8の下流に排気ガス導管7に沿って設けられた微粒子フィルタ9と、微粒子フィルタ9の上流に排気ガス導管7に沿って設けられた、さらなる酸化触媒コンバータ(以下、「フロント触媒コンバータ(front-cat)」という)10とを備えている。
フロント触媒コンバータ10および微粒子フィルタ9の機能は、触媒微粒子フィルタ(図示されていない)として知られた単一の構成要素によっても実行され得る。
微粒子フィルタ9は、フロント触媒コンバータ10と別体であれ、一体であれ、微粒子燃焼温度を低減するための化学的な成分が設けられる。
また、排気システム1は、とりわけ各サイクルにおいてエンジンに噴射される全量を決定するための電子制御システム11を備えている。
より詳しくは、電子制御システム11は、
給気導管5に沿って設けられ、給気導管5に沿う空気の流れ(ないしは、エアフロー)を示す信号を発生するエアフロー測定装置12と、前記フロント触媒コンバータ10の入口に接近して接続された第1および第2入力部と、圧力降下信号を供給する出力部とを有する差動圧量センサ13であって、本発明に記載された方法によって、微粒子フィルタ9に蓄積した微粒子の量と関係づけられる差動圧力センサ13と、
微粒子フィルタ9の出口に設けられ、微粒子フィルタ9の出口における排気ガスの温度を示す第1温度信号を出す第1温度センサ14と、微粒子フィルタ9の入口に設けられ、微粒子フィルタ9の入口における排気ガスの温度を示す第2温度信号を出す第2温度センサ15と、大気圧を測定するためのセンサ16と、前述のセンサ13、14および15に接続され、後述する本発明の方法を実行する電子中央制御ユニット17
とを備えている。
なお、第2温度センサ15は前触媒コンバータ8の出口に接続してもよい。
本発明は、本発明者による微粒子フィルタモデルの可能性についての深いリサーチの結果によるものであり、知られたモデルよりはるかに信頼することができ、自動車産業において現在使用されているエンジン中央制御ユニットにおいて実際に実行することができる。
より詳しくは、本発明者のリサーチが、知られているモデルが基いている仮定、すなわち、微粒子フィルタチャネル内の微粒子分布および該微粒子の物理化学的特性が、エンジンの動作状態および過去の蓄積から独立して一定であるという仮定が間違っているとの仮定に基いている。
したがって、微粒子フィルタ内の微粒子分布および微粒子の物理化学的特性がエンジンの動作状態および過去の蓄積に依存して変化するものと仮定して、本発明者のつぎの式の定義へと導いた。この式は微粒子フィルタの圧力降下、排気ガス温度および流量、および4つのテストパラメータα、β、γ、δによって、フィルタに蓄積された微粒子の量にかかわるものである。
すなわち、
Figure 2008286208
ここに、
ΔDPFは圧力降下を示し、Patmは微粒子フィルタの下流における絶対圧力(大雑把には、大気圧に等しいと考えられる)を示し、Tは排気ガス温度を示し、Qmは排気ガス流量を示し(エンジン給気量および噴射された燃料の全量を加えることによって計算し得る)、
Sは微粒子フィルタに蓄積された微粒子量を示し、
α、β、γ、δは後述する4つのテスト動作パラメータを示している。
前記式2から、微粒子フィルタに蓄積された微粒子量が、つぎのとおり容易に計算できる。
すなわち、
Figure 2008286208
より詳しくは、4つのテストパラメータα、β、γ、δについて、
α、γは、多孔性、孔の大きさなどのフロント触媒コンバータおよび微粒子フィルタの幾何学的特徴と、微粒子フィルタ材料の特性に依存し、
βは微粒子フィルタの幾何学的特徴、チャネル内の微粒子の軸方向および半径方向の分布および微粒子の物理化学的特性(たとえば、密度および透過性)に依存し、
δは排気ガス温度と粘度(典型的には、0.65から0.74)とのあいだの補正の指数項である。
微粒子フィルタのそれぞれのタイプについて、パラメータα、β、γ、δの値は、一定の動作速度におけるエンジンの特定の机上のテストによって決定され得る。
より詳しくは、パラメータα、γ、δの値は、きれいな微粒子フィルタ(すなわち、微粒子フィルタには微粒子がない)を用いて前記テストによって決定され、mSは零である。一方、パラメータβの値は所定の量の微粒子を含む(たとえば、7g/dm3および10g/dm3)微粒子フィルタを用いて前記テストによって決定され得る。
より詳しくは、前記テストは、実質的に、前記微粒子ローディング条件における微粒子フィルタの圧力降下、排気ガス温度および排気ガス流量の時間パターンを決定することと、パラメータα、β、γ、δの値を算出することを含み、提案した式によって決定されたΔDPFの時間パターンは、テストによって決定されたパターンにできるだけ接近して対応する。
微粒子フィルタモデルは、エンジンの動作状態(たとえば、アイドリング速度、都市、特別の都市および高速道路走行に相当する条件、高トルクおよび高出力)の広い範囲で有効にならなければならない。
提案したモデルは、すでに述べたとおり、パラメータβの値において説明されている微粒子フィルタチャネルにおける軸方向および半径方向微粒子分布に有効である。これは、実際に、4つのテストパラメータのうちの1つだけであり、提案した式において微粒子の蓄積された量mSを乗じ、実際には微粒子フィルタの圧力降下ΔDPFと微粒子の蓄積された量mSとを関係づけている。
提案した式は、微粒子フィルタモデルを得るために提供しており、微粒子フィルタチャネル内の微粒子分布はエンジン動作状態と微粒子フィルタにおける過去の微粒子蓄積との関数として可変であると仮定される。
より詳しくは、動作パラメータβは、異なるエンジン動作状態(すなわち、とくに一定の微粒子蓄積条件)の関数としてマッピングされる。発明者によってなされたテストは、動作パラメータβと異なるエンジン動作状態とのあいだの関係についてつぎの仮定へと導く。
各微粒子フィルタチャネルの異なる微粒子分布および/または微粒子の異なる物理化学的特性(透過性および密度)は識別することができ、それぞれは特定のエンジン動作状態(すなわち、特定の蓄積条件)に関係し得るものであり、いわゆる「エンジンマップ」上で特定され、エンジン速度および正味平均有効圧力(BMEP)によって定義される。
図2は、各微粒子フィルタチャネルにおける微粒子の一定量の4つの可能な分布、相対的なエンジン動作状態、エンジン動作状態に対応するエンジンマップ領域、およびパラメータβの相対的な性質の値を例にとって示している。
図に示されるように、
エンジンが実質的にエンジンマップの左下領域で動作し、排気ガスが流量および音頭が低い都市の走行条件において、微粒子はチャネル内を一様に蓄積する傾向があり、
エンジンが実質的にエンジンマップの中間領域において動作し、排気ガス流量および温度が「中の低(medium-low)」である第1の特別都市走行条件(A)において、微粒子はチャネルに沿って中ほどまで蓄積する傾向があり、「中の高(medium-high)」の値のパラメータβを与え(微粒子の一定量は微粒子フィルタの「中の低」の圧力降下に対応する)、
エンジンが、実質的にエンジンマップの右下領域において動作し、排ガス流量および温度が「中の高」である、第2の特別都市走行条件(B)において、微粒子はチャネルの端部において蓄積する傾向があり、「中の低」の値のパラメータβを与え(微粒子の一定量が微粒子フィルタの「中の低」の圧力降下に対応する)、
エンジンがエンジンマップの実質的に上部領域において動作し、排気ガスの流量および温度が「高い」トルクおよび出力走行条件において、微粒子がチャネルの実質的に端部において蓄積する傾向があり、「低い」値のパラメータβを与えている(微粒子の一定量が微粒子フィルタの低圧力降下に対応する)。
同様に、図3は、例示のために、一定量の微粒子の4つの起こりうる物理的特性値、相対的なエンジン動作状態、該エンジン動作状態に対応するエンジンマップ範囲、および相対的性質値のパラメータβを示している。
以上のように、
−都市走行状態では、エンジンは実質的にエンジンマップの左のもっとも下の領域内で動作し、排気ガスの流量および温度は低く、蓄積した微粒子は、低い密度値および透過性値により特徴づけられ、それにより、(一定量の微粒子が微粒子フィルタを通るときの高い圧力低下に対応する)高いパラメータ値βを与える。
−第1の特別都市走行状態(A)では、エンジンは実質的にエンジンマップの中間の領域内で動作し、排気ガスの流量および温度は「中の低」であり、蓄積した微粒子は、「中の低」の密度値および透過性値により特徴づけられ、それにより、(一定量の微粒子が微粒子フィルタを通るときの「中の高」の圧力低下に対応する)「中の高」のパラメータ値βを与える。
−第2の特別都市走行状態(B)では、エンジンは実質的にエンジンマップの右のもっとも下の領域内で動作し、排気ガスの流量および温度は「中の高」であり、蓄積した微粒子は、「中の高」の密度値および透過性値により特徴づけられ、それにより、(一定量の微粒子が微粒子フィルタを通るときの「中の低」の圧力低下に対応する)「中の低」のパラメータ値βを与える。
−トルクおよびパワー駆動状態では、エンジンは実質的にエンジンマップのもっとも上の領域内で動作し、排気ガスの流量および温度は高く、蓄積した微粒子は、高い密度値および透過性値により特徴づけられ、それにより、(一定量の微粒子が微粒子フィルタを通るときの低い圧力低下に対応する)低いパラメータ値βを与える。
前記想定が与えられれば、テストデータ、関連する微粒子の分布、および物理化学的特性の変化に基づいて、以下の推察がなされ得る。
a)排気ガスの流量および温度が増加するにつれて、微粒子は微粒子フィルタのチャネルの終端へ向かって蓄積し、および/または高い密度値および透過性値によって特徴づけられるという傾向がより大きく、そのため、パラメータβ値はより低い。また逆もまた真である。
b)微粒子の分布および物理化学的特性は、排気ガス流量および温度に対して不可逆的に敏感である。
b1)微粒子が低い排気ガス流量および温度状態において蓄積されており、エンジンがフルパワーの動作(高い流量および温度)に切り換わるならば、すでに蓄積された微粒子は、エンジン動作状態に依存している時間には、チャネルの終端へ向かって移動し、および/または高い透過性値および密度値(微粒子がフィルタの壁に押圧される)によって特徴づけられる傾向にある。
b2)微粒子の一部が高い排気ガス流量および温度状態において蓄積されており、かつ低い排気ガス流量および温度の状態に切り換わるならば、新しい状態で蓄積された微粒子の量に依存する微粒子の分布は、両方の状態の全分布に等しい傾向にあり、および/または新しい状態で蓄積された微粒子の量に依存する蓄積された微粒子は、2つの状態のあいだの中間の透過性値および密度値によって特徴づけられる傾向にある。
b1)およびb2)における主張は、図4に概略的に示されており、低い排気ガス流量および温度の状態から高い排気ガス流量および温度の状態への通り道、およびその逆方向の通り道が矢印b1およびb2によってそれぞれ示される、1つの例示であるエンジンマップを示している。
微粒子フィルタチャネルにおけるパラメータβ値と微粒子分布とのあいだの関係に関する前記想定は、エンジン制御ユニットレベルにおいて、たとえば以下のように実施され得る。
エンジン動作状態、すなわち微粒子フィルタ内の微粒子の安定した蓄積状態に依存する参照パラメータβ値のマトリックス(以下βMAPで示される)は、マップの形態で生成され、記憶される。
現在のエンジン動作状態を示すパラメータβの基準値βMAPは、蓄積された微粒子の量(以下βMOD_OLDで示される)を計算するための式(式2)で記載されたモデルで以前に用いられたパラメータβ値と比較される。
もし、たとえば都市走行状態から特別都市走行状態への切換えの結果として、βMAP βMOD_OLDならば、そのとき、エンジン動作状態の関数として変化する特性時間間隔ののちに、蓄積された微粒子の量を計算するための式(式2)で記載されたモデルで、基準値βMAPが用いられる。そのため、βMOD=βMAPである(微粒子は微粒子フィルタのチャネルの終端へ向かって移動し、および/または圧縮される傾向にあり、すなわち高い透過性値および密度値によって特徴づけられる)。
もし、たとえば特別都市走行状態から都市走行状態への切換えの結果として、βMAP>βMOD_OLDならば、そのとき、微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子の量の最後の評価値(以下、mS_OLDで示される)が、記憶され、2つの駆動状態(mS−mS_OLD)のあいだの切換えののちに蓄積された微粒子の量が所定のしきい値を超えるとき、式(式2)で記載されたモデルで用いられるパラメータβの新しい動作値βMODが以下の式3にしたがって計算される。
Figure 2008286208
以上のように、mS=2・mS_OLDならば、すなわち、新しい状態で蓄積された微粒子の量が以前の状態の場合と同じならば、そのとき、
Figure 2008286208
(2つの駆動状態の参照パラメータβ値の算術平均が用いられる)。
S>>mS_OLD、すなわち、新しい状態で蓄積された微粒子の量が以前の状態の場合よりもより一層高いならば、そのとき、βMOD=βMAPである(新しい駆動状態の参照パラメータβ値が用いられる)。
微粒子フィルタ内に蓄積される微粒子の量は、したがってエンジン動作状態およびまた微粒子フィルタ内の過去の微粒子蓄積の関数として計算される。
このとき、微粒子フィルタの再生が、単に微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子の量に基づいて、または微粒子状態インデックスIPART(すなわち、微粒子分布の均一性、または相対的物理化学的特性の状態の語で定義される)に基づいてより正確に、実行ないしは活性化(activate)される。微粒子状態インデックスIPARTは、以下の式4にしたがって、パラメータβの動作値βMODの関数として計算される。
Figure 2008286208
ここで、βMAXおよびβMINは、基準値βMAPマップに記憶された最大および最小のパラメータβ値である。
微粒子分布均一性インデックスIPARTは、微粒子フィルタ内の微粒子の分布または物理化学的特性の状態が臨界になり、それにより、微粒子フィルタを通るときの圧力低下の効果を奏するまでの範囲の正確な決定を提供する。すなわち、IPART値が増加するにしたがって、微粒子フィルタの再生がより臨界的になる。
以下の2つの場合では、たとえば、
1)排気ガスの流量および温度が高い、パワーおよびトルク駆動状態:微粒子は主として微粒子フィルタの終端において集積し、および/または低い動作値のパラメータβを与える。
2)排気ガスの流量および温度が「中の低」である、特別都市走行状態:微粒子は主として微粒子フィルタのチャネルの中間で集積し、および/または「中の低」の動作値のパラメータβを与える。
所定量の蓄積された微粒子のために、これらの2つのエンジン動作状態の第1の場合は、第2の場合よりもさらに一層臨界的であり、IPART値に反映される。第1の場合には、実際に、
[外1]
Figure 2008286208
一方、第2の場合には
[外2]
Figure 2008286208
である。
合計するため、微粒子フィルタの各チャネルにおけるパラメータβ値と微粒子蓄積とのあいだ、または微粒子のパラメータβ値と物理化学的特性とのあいだ、または異なる範囲に対して両方同時に存在する関係が示される。
いいかえれば、エンジン動作状態の変化によって、微粒子フィルタのチャネル内の微粒子蓄積は、変化してもよいが、相対的物理化学的特性は一定のままであり、または実質的に変わらなくてもよく、それは変化する微粒子の物理化学的特性である。
前記関係するマッピング、およびパラメータβの動作値をエンジン動作状態の関数としての計算を行なうものは、両方の場合、またはあいだの場合のいずれかに当てはまる。
部分的な再生(たとえば、NOxベースの自然発生的な再生)および延長された車両の廃止(prolonged vehicle disuse)(「停車」効果)を考慮するため、特定のアルゴリズムが定義される。部分的な再生または延長された車両の廃止ののちに、微粒子の分布および/または物理化学的特性が、変わることができ、結果として、同じ排気ガス流量および温度における、フィルタに大量に蓄積された同じ微粒子の場合に、フィルタ通過の異なる(概して低い)圧力降下が生じる。それにもかかわらず、本出願人によって実施されたテストは、のちに蓄積された微粒子がフィルタ内にすでに存在する残留物に影響されないことが示された。いいかえれば、のちに蓄積された微粒子は、同じエンジン動作状態(同じ値βによって特徴づけられることを意味する)におけるクリーンフィルタから始まる同じ物理化学的特性および分布によって特徴づけられる。これらの現象は図5〜6によって概略的に示されている。
したがって、部分的な再生(NOxベースの自然発生的な再生)および延長された車両の廃止(「停車」効果)の効果を考慮することなく評価されたフィルタ内に蓄積された微粒子の質量mSを補正(概して増加)するために、式5にしたがって、オフセットΔmが計算される。
S_CORR=mS+Δm (式5)
ここで、mS_CORRは、フィルタ内に蓄積された微粒子の実質量である。オフセットΔmは以下の場合に決定される。
1)エンジンのスイッチオンに続くある待ち時間ののち、(もし低ければ)現在の値mSが以前のキーオフ(mS_CORR_ECU)において、電子制御ユニットに記憶された値mS_CORRに対して引かれる:
Δm=mS_CORR_ECU−mS
それにより、延長された車両の廃止(「停車」効果)ののちに微粒子の物理化学的特性の変化を補償することが可能になる。
2)部分的な再生(たとえば、NOxベースの自然発生的な再生)ののち、(もし低ければ)現在の値mSが現在の値mS_CORRに対して引かれる:
Δm=mS_CORR−mS
現在の値mS_CORRが、再生を始める前のmS_CORRの値と再生された微粒子の実験的に評価された値mREG(時間とエンジン動作状態との関数)とのあいだの差として評価される。それにより、部分的な再生(たとえば、NOxベースの自然発生的な再生)ののちの微粒子分布の変化を補償することが可能になる。
オフセットΔmが評価されると、現在のmSの値に対して加えられ、そのため、mS_CORR=mS+Δmになる。
最後に、主として制限されたセンサの精度(アイドリング状態における測定は、通常、信頼性なしとみなされる)の効果を制限するため、フィルタを通る排気ガス流量および圧力低下の値がある許容値よりも高い場合のみ、mS_CORRの値が信頼性ありとみなされる。フィルタを通る排気ガスの流量および圧力低下の値がある許容値より低ければ、シミュレーション状態が始められ(Sim=オン)、最終の許容値mS_CORRは、毎回の工程で、微粒子の排出に評価された瞬間的な値mEXP(エンジン動作状態の関数)が増加される。
図7に示されるブロックダイヤグラムは、微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子の量の評価およびフィルタの再生の実行に関連することに関して、すでに述べられたことについてまとめる。
さらに詳細にいえば、図7において、符号20は、以前に示された式(式2)に記載された微粒子フィルタの物理モデルを実施するためのブロックを示し、微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子の量を供給する。符号21は、ブロック20内で用いられ、現在のエンジン動作状態および微粒子フィルタ内の過去の微粒子蓄積に相対的なパラメータβの動作値βMODを供給するブロックを示す。符号22は、微粒子状態インデックスIPARTを計算するブロックを示す。
さらに詳細にいえば、ブロック20は、微粒子フィルタを通るときの圧力低下ΔPDPF、排気ガス温度T、排気ガス流量Qm、大気圧Patm、およびブロック21によって供給されるパラメータβの動作値βMODを受け取り、現在のエンジン動作状態における微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子量mSを供給し、当該微粒子量mSは、叙上の式(式2)を用いて計算される。
ブロック21は、現在のエンジン動作状態を定義するエンジンスピードおよびエンジン負荷を受け取り、ブロック20から微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子量mSを受け取り、パラメータβの動作値βMODを、蓄積された微粒子量mSを計算するためのブロック20および微粒子状態インデックスIPARTを計算するためのブロック21へ供給する。
ブロック22は、ブロック21からのパラメータβの動作値βMODを受け取り、微粒子フィルタ内の微粒子の状態インデックスIPARTを供給する。
最後に、ブロック25は、微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子量mSを受け取り、部分的な再生(NOxベースの自然発生的な再生)および延長された車両の廃止(「停車」効果)の効果を考慮することなく評価され、フィルタ内に蓄積された微粒子の最終的に補正された質量mS_CORRを供給する。
図8〜9には、微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子量を評価するために用いられるパラメータβの動作値βMODを計算する図7のブロック32内で行なわれる動作を示すブロックダイヤグラムおよび状態ダイヤグラムを示す。
さらに詳細にいえば、図8において、符号23は、パラメータβの基準値βMAPのマップをエンジン動作状態の関数として記憶するブロックを示し、該ブロック23は、エンジンスピードおよびエンジン負荷を受け取り、現在のエンジン状態に関連するパラメータβの基準値βMAPを提供する。符号24は、パラメータβの動作値βMODを計算するためのステートマシン(state machine)を示し、該ステートマシン24は、ブロック23から基準値βMAPおよび記憶された微粒子量mS_OLDを受け取り、を動作値βMODを供給する。
ステートマシン24は、図9における状態プログラムを参照しながら以下に記載された動作を実行する。
図9に示されるように、エンジンのターンオンまたは点火は、βMOD=βECU、βMOD_OLD=βECU、およびmS=mS_ECUである状態Aに対応する。ここで、βECUおよびmS_ECUは、最後にターンオフ(エンジンが切られる)前のモデルに用いられ、エンジン制御ユニットに記憶されたパラメータβおよび蓄積された微粒子の質量mSの値である。
もし、βMAP≦βMOD_OLD_LDであれば、そのとき、状態Aは、mS_OLD=mSを入力(エンター)することによって蓄積された微粒子の最後に評価された値mSが記憶され、かつβMOD=βMAPおよびβMOD_OLD=βMAPが入力された状態Bへ移行する。ところが、βMAP>βMOD_OLDであれば、そのとき、状態Aは、スタンドバイ状態Cへ移行する。状態Bにおいて、βMAP>βMOD_OLDであれば、状態Bは状態Cへ移行するが、βMAP≦βMOD_OLDであれば、状態Bを維持する。
状態Cでは、βMAP≦βMOD_OLDであれば、状態Cは状態Bへ移行するが、計算された、蓄積された微粒子mSは、記憶された、蓄積された微粒子mS_OLDを所定のしきい値だけ超えれば、すなわち、mS−mS_OLD≧(しきい値)であれば、状態Cは、パラメータβの値βMODが以前に示された式(式3)にしたがって計算され、かつβMOD_OLD=βMODおよびmS_OLD=mSが入力された状態Dへ移行する。
状態Dでは、βMAP>βMOD_OLDであれば、状態Dは状態Cへ戻るが、βMAP≦βMOD_OLDであれば、状態Dは状態Bへ移行する。
エンジンがターンオフまたは切られたとき、すべての状態A、B、C、Dはいずれも状態Eへ移行し、状態Eでは、現在のβMODおよびmSの値がエンジン制御ユニットにそれぞれβECUおよびmS_ECUとして記憶され、そのため、それらは、エンジンをターンオンまたは点火した次のときに利用可能である。
図10は、フィルタに蓄積された微粒子の質量の最終的な補正値mS_CORRを計算するための図7のブロック25で実行される動作を示す状態ダイアグラムを示している。
図10に示されるように、エンジンのターンオンまたは点火は、mS_CORR=mS_CORR_ECUである状態A状態Aに対応する。ここで、mS_CORR_ECUは、最後にターンオフまたはエンジンが切られる前に、エンジン制御ユニットに記憶された、蓄積された微粒子の質量mS_CORRの値である。エンジンのスイッチオンに引き続くある待ち時間(状態B)ののち、すなわち、タイマが数値tに達したとき、現在のmSの値が、以前のキーオフ(またはエンジンが切られた)のときに電子制御ユニットに記憶されたmS_CORRの値mS_CORR_ECUに対して(もし低ければ)引かれる:Δm=mS_CORR−mS(状態C)。
オフセットΔmは、通常の状態において、引き続く値mSに対して加えられる:mS_CORR=mS+Δm(状態D)。ステートマシンのこの部分は、2つの引き続くキーオフ(またはエンジンを切る)およびキーオン(またはエンジンを点火する)(すなわち、車両の停車)のあいだ、微粒子フィルタ内の微粒子の分布の起こりうる変化、および/または微粒子の物理化学的特性における変化を考慮に入れることができる。
Sの値が信頼性ありとみなされる場合のみ、すなわち、変数Sim=オフの場合に、オフセット補正(状態D)は実行される。それは、フィルタを通る排気ガスの流量および圧力低下の値がある許容値よりも高いことを意味する。Sim=オンならば、シミュレーション状態(状態F)が始まり、ステートマシンの出力mS_CORRは、毎回の工程において、微粒子排出の実験的に評価された瞬間的な値mEXP(エンジン動作状態の関数)が増加される。
NOxベースの自然発生の再生状態が認識され、すなわちNOx_reg=オン(NOx regはエンジン動作状態の関数である)であれば、状態Eが始まり、ステートマシンの出力mS_CORRは、毎回の工程において、微粒子再生の実験的に評価された瞬間的な値mNOx(エンジン動作状態の関数)が減らされる。そのとき、mS_CORRは、その値とmS+Δm(すなわち、状態DのmS_CORRの値)との最大値として計算される。
NOxベースの自然発生の再生、すなわち、NOx_reg=オフののち、現在の値mSは、現在の値mS_CORRに対して(低ければ)引かれ、オフセット値を計算する:Δm=mS_CORR−mS(状態C)。
ステートマシンのこの部分は、フィルタのNOxベースの自然発生の再生により、微粒子フィルタ内の微粒子の空間的な分布の起こりうる変化、および/または微粒子の物理化学的特性における変化を考慮に入れることができる。
キーオフ(またはエンジンを切る)(状態G)のとき、mS_CORRの値は、エンジン制御ユニット内に記憶される(mS_CORR_ECU=mS_CORR)。
本発明の利点は、以下の記載から明らかになる。
本発明は、とりわけ、自動車産業で一般的に採用されるエンジン制御ユニットを用いて、微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子の量を計算することを提供し、すなわち、高出力でそれゆえ高いコストの計算手段の必要がない。
その結果、本発明は、(蓄積された微粒子の実際の量または微粒子状態インデックスに基づいて)前記微粒子フィルタの再生の評価基準の採用を可能とする。この評価基準は、現在用いられている評価基準(車両マイル距離)よりも効果的であり、絶対に必要なときの微粒子フィルタの再生のみを提供し、そのため、微粒子フィルタの再生に一般的に関連する燃料消費および満載の性能という点における欠点を最小にする。
出願人によって実行されたテストは、実際に、微粒子フィルタの10秒の再生は200%程度まで燃料消費を増加するが、本明細書で示される微粒子フィルタの再生は平均的な燃料消費の1〜2%のみの上昇する結果となることを示す。
また、提案される微粒子フィルタのモデルは、単純な分析式に基づいており、一定スピードで動作するエンジンを用いた特定のセットのベンチテストによって、容易に正当であると確認され、温度および圧力低下センサは例外であるが、車両に普通設けられるセンサ以外の追加のセンサの必要なく、実施され得る。
なお、添付されている請求項に定義されているような本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書および図面に記載された事項を変更してもよいことは明らかである。
微粒子フィルタと、排気ガス粒量および温度と該微粒子フィルタの圧力降下を測定するための個々の装置とを備えた排気ガスシステムの概略説明図である。 異なるエンジン動作状態による微粒子フィルタチャネルにおける微粒子分布の変化を示す概略説明図である。 異なるエンジン動作状態により微粒子フィルタチャネルに蓄積された微粒子の物理化学的特性の変化を示す概略説明図である。 エンジン動作状態の可能な変化に依存する微粒子フィルタチャネルにおける微粒子の分布変化および物理化学的変化の概略説明図である。 部分再生(たとえば、NOxベースの同時再生)後の微粒子フィルタチャネルにおける微粒子の分布変化および物理化学的変化の概略説明図である。 長いあいだの自動車の不使用(「パーキング」効果)および続いておこる蓄積の後の微粒子フィルタチャネルにおける微粒子の物理化学的特性の変化を示す概略説明図である。 本発明の微粒子フィルタモデルを示すブロックダイアグラムである。 図7における「β定義ブロック」のより詳細なブロックダイアグラムである。 図8におけるステートマシーンのステートダイアグラムである。 図7における「物理的モデル補正」ブロックのより詳細なブロックダイアグラムである。

Claims (9)

  1. 微粒子フィルタ(9)に蓄積された微粒子量(mS)を決定する方法であって、
    前記微粒子フィルタ(9)における微粒子の空間的な分布の変化および/または前記微粒子フィルタ(9)におけるエンジンの動作状態および過去の微粒子蓄積の関数として、微粒子の物理化学的特性の変化を決定する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記微粒子フィルタ(9)における微粒子の空間的な分布の変化および/または微粒子の物理化学的特性の変化が、排気ガス温度および流量と前記微粒子フィルタ(9)における過去の微粒子蓄積との関数として決定される請求項1記載の方法。
  3. 前記決定する工程が、
    前記微粒子フィルタ(9)に蓄積された微粒子量(mS)と前記微粒子フィルタ(9)における圧力降下(ΔDPF)との関係を定義するパラメータ(β)の基準値(βMAP)の数を決定する工程であって、各規準値(βMAP)が、前記微粒子フィルタ(9)における特定の微粒子蓄積条件に対応する個々の一定のエンジン動作状態に関係する工程と、
    同一の動作状態に対する前記パラメータ(β)の基準値(βMAP)および前記微粒子フィルタ(9)における過去の微粒子蓄積の関数として、現在のエンジン動作状態に対する動作値(βMOD)を決定する工程と、
    前記現在のエンジン動作状態のために算出されたパラメータ(β)の動作値(βMOD)の関数として現在のエンジン動作状態で微粒子フィルタ(9)に蓄積された微粒子量を決定する工程
    とを含む請求項1または2記載の方法。
  4. 前記パラメータ(β)の基準値(βMAP)のそれぞれが、初期の較正工程において、所定長さの時間のあいだ、前記基準値(βMAP)に関連した安定したエンジン動作状態で、微粒子フィルタ(9)の微粒子を集積することによって決定される請求項3記載の方法。
  5. 前記微粒子フィルタ(9)内の微粒子の状態インデックスIPARTを決定する工程と、
    前記微粒子フィルタ(9)内の微粒子の前記状態インデックスIPARTに基づいて、前記微粒子フィルタ(9)の再生を実行する工程
    とを含む請求項1、2、3または4記載の方法。
  6. たとえばNOxベースの自然発生的な再生のような部分的な再生および停車効果のような延長された車両の廃止による、前記微粒子フィルタ(9)内の微粒子の部分的な分布の変化および/または前記微粒子の物理化学的特性の変化を、決定する工程を備える請求項1、2、3、4または5記載の方法。
  7. 微粒子フィルタ(9)内に蓄積された微粒子の最終的な補正値mS_CORRを評価する工程であって、オフセットΔmの計算により、たとえばNOxベースの自然発生的な再生のような部分的な再生および停車効果のような延長された車両の廃止による、前記微粒子フィルタ(9)内の微粒子の部分的な分布の変化および/または前記微粒子の物理化学的特性の変化を、考慮することなく評価された微粒子フィルタに蓄積された微粒子の値(mS)に加える工程を含む請求項1、2、3、4、5または6記載の方法。
  8. キーオン後のある大きさの時間ののち、オフセットΔmを以下の式
    Δm=mS_CORR_ECU−mS
    (ここで、mS_CORR_ECUは、以前のキーオフにおいて、電子制御ユニットに記憶されたmS_CORRの値であり、
    Sは、停車効果のような延長された車両の廃止による、前記微粒子フィルタ(9)内の微粒子の部分的な分布の変化および/または前記微粒子の物理化学的特性の変化を考慮することなく評価された微粒子フィルタに蓄積された微粒子の値である)
    で決定する請求項1、2、3、4、5、6または7記載の方法。
  9. たとえばNOxベースの自然発生的な再生のような部分的な再生ののちにオフセットΔmを以下の式
    Δm=mS_CORR−mS
    (ここで、mS_CORRは、たとえばNOxベースの自然発生的な再生のような部分的な再生の前に微粒子フィルタ内に蓄積された微粒子の値であり、毎回の工程において、前記部分的な再生状態のあいだ、エンジン動作状態の関数である、実験的に評価された瞬間的な再生された微粒子の値mNOxであり、
    Sは、たとえばNOxベースの自然発生的な再生のような部分的な再生による、前記微粒子フィルタ(9)内の微粒子の部分的な分布の変化および/または前記微粒子の物理化学的特性の変化を考慮することなく評価された微粒子フィルタに蓄積された微粒子の値である)
    で決定する工程を備える請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の方法。
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