JP2008286005A - 電磁動弁機構の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関を始動する際の消費電力を低減することができるとともに、小型化を図ることができる電磁動弁機構の制御装置を提供すること。
【解決手段】アーマチュア50を2つの電磁石41,51間で回動させることにより、内燃機関3の吸気弁10を開閉駆動する電磁動弁機構40の制御装置1は、ECU2を備える。ECU2は、内燃機関3の始動要求が発生したときに、可変リフト機構70を駆動することにより、開側電磁石51を、閉側電磁石41に向かって、吸気弁10のリフトが値0になるようなゼロリフト位置に移動させ(ステップ1,12)、開側電磁石51がゼロリフト位置に移動したときに、閉側電磁石41に電力を供給することにより、アーマチュア50を閉側電磁石41に吸着させる(ステップ40,44)。
【選択図】図10

Description

本発明は、内燃機関の吸気弁および/または排気弁を電磁力によって駆動する電磁動弁機構の制御装置に関する。
従来、この種の電磁動弁機構の制御装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1の図19,20に示す電磁動弁機構は、吸気弁を開閉駆動するものであり、吸気弁を閉じるための閉側電磁石と、その下方に設けられ、吸気弁を開くための開側電磁石と、これらの2つの電磁石間に配置され、吸気弁に連結されたアーマチュアと、アーマチュアを閉弁方向および開弁方向にそれぞれ付勢する2つのばねと、閉側電磁石に対する開側電磁石の位置を吸気弁の軸線方向に変更するボールねじ機構などを備えている。この電磁動弁機構では、2つの電磁石が非励磁にある場合、アーマチュアは、2つのばねの付勢力が釣り合う位置に保持される。
この制御装置では、内燃機関の始動直前、まず、2つの電磁石を非励磁状態に保持したまま、ボールねじ機構によって、開側電磁石をアーマチュア側に移動させる。そして、開側電磁石がアーマチュアに近接する位置に達したときに、電力供給によって、開側電磁石を励磁し、これにアーマチュアを吸着させる。次いで、ボールねじ機構によって、開側電磁石を、アーマチュアを吸着した状態で閉側電磁石から離れるように所定の初期位置に移動させる。
特開平10−89029号公報
上記従来の電磁動弁機構の制御装置によれば、内燃機関の始動直前、開側電磁石がアーマチュアを吸着した状態で所定の初期位置に移動するので、内燃機関の始動開始時点では、吸気弁が開弁状態となる。そのため、クランキング開始時、スタータは、ピストンを下降または上昇させるために仕事をすることになり、その分、消費電力が増大する。これと同様に、クランキング開始時、排気弁が開弁状態に保持されていると、その分、スタータの消費電力がさらに増大する。また、内燃機関の始動開始時点で、吸気弁が開弁状態に保持されるので、開側電磁石の所定の初期位置が不適切な場合、クランキング開始時、吸気弁が上死点位置まで移動したピストンに衝突するおそれがあるとともに、これを回避しようとした場合、始動時の吸気弁のリフトを極めて小さい値に設定する必要がある。
また、ボールねじ機構が、アーマチュアとは無関係に、開側電磁石のみを駆動するように構成されているので、開側電磁石とアーマチュアの間隔を縮めることはできるものの、閉側電磁石とアーマチュアの間隔を変更することができない。そのため、内燃機関の始動直前、閉側電磁石を励磁し、これにアーマチュアを吸着させようとした場合、開側電磁石にアーマチュアを吸着させる場合と比べて、消費電力が増大してしまう。
これに加えて、ボールねじ機構によって、開側電磁石が吸気弁の軸線方向に平行移動するように駆動されるので、その分の空間を確保する必要が生じ、電磁動弁機構自体が大型化してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、内燃機関を始動する際の消費電力を低減することができるとともに、小型化を図ることができる電磁動弁機構の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関3の吸気弁10および排気弁11の少なくとも一方の弁の閉弁用および開弁用の2つの電磁石(閉側および開側電磁石41,51,110,120)が非励磁状態のときにアーマチュア50,130を付勢手段(閉側および開側コイルばね60,65,140,150)によって2つの電磁石の間に保持し、2つの電磁石の励磁・非励磁状態の切り換えにより2つの電磁石の間でアーマチュアを往復動させることによって、一方の弁を開閉駆動し、閉弁用の電磁石に対する開弁用の電磁石の位置を変更機構(可変リフト機構70,160)で変更することによって、一方の弁のリフト(吸気リフトLift)を変更するとともに、開弁用の電磁石の位置が閉弁用の電磁石に近づくように変更されるのに伴い、付勢手段によって保持されるアーマチュアの位置が閉弁用の電磁石に近づくように変更される電磁動弁機構40,100の制御装置1であって、内燃機関3の始動要求が発生したか否かを判定する始動要求判定手段(ECU2、ステップ1)と、始動要求判定手段によって始動要求が発生したと判定されたとき(ステップ1の判別結果がYESのとき)に、変更機構を駆動することにより、開弁用の電磁石を、閉弁用の電磁石に向かって、一方の弁のリフトが所定の最小値(値0,最小値Lift_L)になるような低リフト位置に移動させる変更機構駆動手段(ECU2、ステップ12)と、閉弁用の電磁石に対する開弁用の電磁石の位置を検出する位置検出手段(ECU2、回動角センサ24)と、位置検出手段の検出結果に基づき、開弁用の電磁石が低リフト位置に移動したとき(ステップ40の判別結果がYESのとき)に、閉弁用の電磁石に電力を供給することにより、アーマチュアを閉弁用の電磁石に吸着させる電磁石制御手段(ECU2、ステップ44)と、を備え、変更機構駆動手段は、アーマチュアが閉弁用の電磁石に吸着された後、変更機構を駆動することにより、開弁用の電磁石を内燃機関3の始動用の位置に移動させる(ステップ31,41)ことを特徴とする。
この電磁動弁機構の制御装置によれば、内燃機関の始動要求が発生したと判定されたときに、変更機構を駆動することにより、開弁用の電磁石が、閉弁用の電磁石に向かって、一方の弁のリフトが所定の最小値になるような低リフト位置に移動され、開弁用の電磁石が低リフト位置に移動したときに、閉弁用の電磁石に電力を供給することにより、アーマチュアが一方の電磁石に吸着される。そして、アーマチュアが閉弁用の電磁石に吸着された後、変更機構が駆動されることによって、開弁用の電磁石が内燃機関の始動用の位置に移動する。この場合、開弁用の電磁石が閉弁用の電磁石に向かって移動するのに伴って、付勢手段によって保持されるアーマチュアの位置が閉弁用の電磁石に近づくように変更されるので、開弁用の電磁石が低リフト位置に移動した時点では、アーマチュアは、2つの電磁石の間の両者に極めて近い位置にあることになる。したがって、アーマチュアが閉弁用の電磁石に吸着される際の閉弁用の電磁石における消費電力を、従来の電磁動弁機構と比べて、より低減することができる。これに加えて、アーマチュアが閉弁用の電磁石に吸着された後、開弁用の電磁石が内燃機関の始動用の位置に移動するので、クランキング開始時、吸気弁および/または排気弁が上死点位置まで移動したピストンに衝突するのを確実に回避することができるとともに、始動開始時の吸気弁および/または排気弁のリフトを従来よりも大きい値に設定することができることで、内燃機関の始動性を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電磁動弁機構40,100の制御装置1において、低リフト位置は、一方の弁(吸気弁10)が閉弁状態に保持されるゼロリフト位置であり、開弁用の電磁石(開側電磁石51)がゼロリフト位置にあるときに、アーマチュア50は、閉弁用および開弁用の電磁石(閉側および開側電磁石41,51)によって挟持されることを特徴とする。
この電磁動弁機構の制御装置によれば、開弁用の電磁石が、一方の弁が閉弁状態に保持されるゼロリフト位置に移動した場合、アーマチュアが2つの電磁石によって挟持された状態となり、2つの電磁石との間隔がなくなることで、吸着側の電磁石の消費電力をさらに低減することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の電磁動弁機構40,100の制御装置1において、開弁用の電磁石(開側電磁石51)がゼロリフト位置に移動するときに、位置検出手段(回動角センサ24)のゼロ点校正を行う校正手段(ECU2、ステップ42)をさらに備えることを特徴とする。
この電磁動弁機構の制御装置によれば、位置検出手段のゼロ点校正を、そのための格別の制御動作を必要とすることなく、電磁動弁機構における内燃機関の始動準備用の制御動作に付随して行うことができる。また、内燃機関のクランキングを開始する際、位置検出手段のゼロ点校正が完了しているように構成できるので、内燃機関の始動後、電磁動弁機構を精度よく制御することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の電磁動弁機構40,100の制御装置1において、位置検出手段の検出結果に基づき、開弁用の電磁石が始動用の位置に移動したときに、内燃機関3のクランキングを許可する許可手段(ECU2、ステップ60,230,231)をさらに備えることを特徴とする。
この電磁動弁機構の制御装置によれば、クランキング開始時点では、アーマチュアが閉弁用の電磁石に吸着されているとともに、開弁用の電磁石が内燃機関の始動用の位置まで確実に移動している状態となるので、内燃機関の良好な始動性を確保することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電磁動弁機構40,100の制御装置1において、閉弁用の電磁石(閉側電磁石41,110)は不動に構成され、開弁用の電磁石(開側電磁石51,120)およびアーマチュア50,130は、閉弁用の電磁石に対して同一軸線回りに回動自在に構成されていることを特徴とする。
この電磁動弁機構の制御装置によれば、閉弁用の電磁石は不動に構成され、開弁用の電磁石およびアーマチュアは、閉弁用の電磁石に対して同一軸線回りに回動自在に構成されているので、開弁用の電磁石が吸気弁の軸線方向に平行移動する従来の電磁動弁機構と比べて、機構自体を小型化することができ、それにより、設計の自由度を高めることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電磁動弁機構の制御装置について説明する。この制御装置1は、図1に示す内燃機関(以下「エンジン」という)3の電磁動弁機構40,80を制御するものであり、図2に示すように、ECU2を備えている。このECU2は、後述するように、エンジン3の運転状態に応じて、動弁機構制御処理などの各種の制御処理を実行する。なお、図1においては、理解の容易化のために断面部分のハッチングが省略されている。
このエンジン3は、4組の気筒3aおよびピストン3b(1組のみ図示)を有する直列4気筒ガソリンエンジンであり、図示しない車両に搭載されている。エンジン3には、クランク角センサ20および水温センサ21が設けられている。このクランク角センサ20は、マグネットロータおよびMREピックアップで構成されており、クランクシャフト3cの回転に伴い、いずれもパルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2に出力する。
このCRK信号は、クランク角1゜毎に1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEおよびクランク角位置CAを算出する。また、TDC信号は、各気筒3aのピストン3bが吸気行程のTDC位置よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、所定クランク角毎に1パルスが出力される。
さらに、水温センサ21は、エンジン3のシリンダブロック内を循環する冷却水の温度であるエンジン水温TWを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
一方、エンジン3の吸気通路4には、エアフローセンサ22が設けられている。このエアフローセンサ22は、熱線式エアフローメータで構成されており、吸気通路4を流れる空気の流量を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
さらに、エンジン3の排気通路5には、LAFセンサ23が設けられている。このLAFセンサ23は、ジルコニアおよび白金電極などで構成され、理論空燃比よりもリッチなリッチ領域から極リーン領域までの広範囲な空燃比の領域において、排気通路5内を流れる排ガス中の酸素濃度をリニアに検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、エンジン3には、燃料噴射弁6および点火プラグ7が気筒3a毎に設けられている(いずれも図2に1つのみ図示)。この燃料噴射弁6は、燃料を燃焼室内に直接噴射するようにシリンダヘッド3dに取り付けられている。すなわち、エンジン3は直噴エンジンとして構成されている。また、燃料噴射弁6は、ECU2に電気的に接続されており、ECU2により、開弁時間および開弁タイミングが制御される。すなわち、燃料噴射制御が実行される。
一方、点火プラグ7も、ECU2に電気的に接続されており、ECU2により、点火時期に応じたタイミングで燃焼室内の混合気を燃焼させるように、放電状態が制御される。すなわち、点火時期制御が実行される。
図1および図3に示すように、エンジン3の各気筒3aには、吸気ポート4a,4aを開閉する一対の吸気弁10,10(いずれも1つのみ図示)と、これらの吸気弁10,10を電磁力で駆動する吸気側の電磁動弁機構40と、排気ポート5a,5aを開閉する一対の排気弁11,11(いずれも1つのみ図示)と、これらの排気弁11,11を電磁力で駆動する排気側の電磁動弁機構80とを備えている。各吸気弁10は、そのステム10aがガイド10bに摺動自在に嵌合しており、このガイド10bは、シリンダヘッド3dに固定されている。
次に、吸気側の電磁動弁機構(以下「吸気電磁動弁機構」という)40について説明する。この吸気電磁動弁機構40は、以下に述べるように、各吸気弁10の開閉タイミングと、開弁中のリフトの最大値(以下「吸気リフト」という)Liftとを自在に変更するものである。なお、以下の説明では、便宜上、図4の矢印E−E´のE側を「前」、E´側を「後」といい、矢印F−F´のF側を「左」、F´側を「右」といい、上側を「上」、下側を「下」という。
同図に示すように、吸気電磁動弁機構40は、左右対称に構成されており、左右の吸気弁10,10はそれぞれ、吸気電磁動弁機構40の左半部および右半部によって駆動されるとともに、通常、両者の開閉タイミングおよび吸気リフトLiftが同じになるように駆動される。
図3〜図6に示すように、吸気電磁動弁機構40は、閉側電磁石41および開側電磁石51と、これらの電磁石41,51の間に配置された左右一対のアーマチュア50,50と、2つのアーマチュア50,50をそれぞれ吸気弁10,10の閉弁方向に常時、付勢する左右一対の閉側コイルばね60,60(1つのみ図示)と、2つのアーマチュア50,50をそれぞれ吸気弁10,10の開弁方向に常時、付勢する左右一対の開側コイルばね65,65(1つのみ図示)と、吸気リフトLiftを変更する可変リフト機構70などを備えている。
閉側電磁石41(閉弁用の電磁石)は、ECU2に電気的に接続されており、ECU2からの後述する閉側制御入力Isol_clによって励磁されたときに、アーマチュア50,50を吸引する。それによって、吸気弁10,10は、吸気ポート4a,4aを閉鎖する閉弁位置(図6に2点鎖線で示す位置)に駆動される。この閉側電磁石41は、多数の軟磁性体板を積層したコア42と、このコア42の前後に配置された前後のホルダ43,44と、左右一対のコイル45,45を備えている。
これらのコア42および前後のホルダ43,44は、4本のボルト46(2本のみ図示)を介して一体に組み立てられており、2つのコイル45,45は、コア42および前後のホルダ43,44によって形成されたコイル溝に収容されている。
また、前ホルダ43は、前方に突出する3つの取付アーム43a,43a,43aを備えており、各取付アーム43aには、上下方向に貫通する孔が形成されている。さらに、後ホルダ44は、後方に突出する3つの取付アーム44a,44a,44aを備えており、各取付アーム44aにも、上下方向に貫通する孔が形成されている。閉側電磁石41は、6つのボルト47を、これらの取付アーム43a,44aの孔に通した状態で、シリンダヘッド3dのねじ穴にねじ込むことによって、シリンダヘッド3dに固定されている。
さらに、後ホルダ44は、その左右端部から下方に突出する左右一対のヒンジ部44b,44b(1つのみ図示)を備えており、各ヒンジ部44bには、左右方向に貫通する孔が形成されている。一方、ヒンジシャフト48は、その両端部がヒンジ部44b,44bの孔に通された状態でヒンジ部44b,44bに取り付けられており、それにより、ヒンジシャフト48は、後ホルダ44に取り付けられている。
一方、各アーマチュア50は、平板状の本体部50aと、その後端部に一体に形成された円筒状のヒンジ部50bと、本体部50aの前端部に取り付けられたローラ50cなどを備えている。ヒンジ部50bは、開側電磁石51の後述する2つのヒンジアーム54a,54aの間に配置されており、その内孔には、上記ヒンジシャフト48が嵌合している。それにより、2つのアーマチュア50,50は、互いに独立してヒンジシャフト48の軸線回りに回動自在に構成されている。
また、ローラ50cは、本体部50aの前端部の孔内に、水平軸線回りに回動自在に設けられており、2つの電磁石41,51が非励磁状態にあるときには、2つのコイルばね60,65の付勢力によって、吸気弁10のステム10aの上端面および後述するロッド68の下端面に当接した状態に保持される(図3参照)。
一方、開側電磁石51(開弁用の電磁石)は、ECU2に電気的に接続されており、ECU2からの後述する開側制御入力Isol_opによって励磁されたときに、アーマチュア50,50を吸引する(図6参照)。それによって、吸気弁10,10は、吸気ポート4a,4aを開放するように開弁方向に駆動される。開側電磁石51は、多数の軟磁性体板を積層したコア52と、このコア52の前後に配置された前後のホルダ53,54と、左右一対のコイル55,55を備えている(図4参照)。
これらのコア52および前後のホルダ53,54は、4本のボルト56(2本のみ図示)を介して一体に組み立てられており、2つのコイル55,55は、コア52および前後のホルダ53,54によって形成されたコイル溝に収容されている。
また、前ホルダ53は、前方に突出する3つの連結アーム53a,53a,53aを備えている。各連結アーム53aの前端部には、左右方向に貫通する長孔53bが形成されており、この長孔53bには、後述する下ばね座62のピン63が係合している。
一方、後ホルダ54は、左右端部から上方に突出する左右一対のヒンジアーム54a,54aを備えており、各ヒンジアーム54aの先端部には、左右方向に貫通する孔が形成されている。左右のヒンジアーム54a,54aは、前述した閉側電磁石41のヒンジ部44b,44bの間に配置され、これらのヒンジアーム54a,54aの孔にヒンジシャフト48が嵌合している。それにより、開側電磁石51は、ヒンジシャフト48を介して、閉側電磁石41に連結されているとともに、2つのアーマチュア50,50に対して独立した状態で、ヒンジシャフト48の軸線回りに回動可能に構成されている。
さらに、後ホルダ54は、左右一対のリンクアーム54b,54bを備えている。これらのリンクアーム54b,54bは、ヒンジアーム54a,54aよりも内側かつ下側の位置で後方に突出しており、可変リフト機構70の後述するリンク75に連結されている。
一方、前述した閉側コイルばね60(付勢手段)は、上ばね座61と下ばね座62の間に圧縮状態で収容されており、上ばね座61は、フランジ状で、吸気弁10のステム10aの上端部に連結されている。それにより、吸気弁10は、前述したように、2つの電磁石41,51が非励磁状態にあるときには、2つのコイルばね60,65の付勢力によって、ステム10aの上端面でアーマチュア50のローラ50cに当接した状態に保持される(図3参照)。
また、下ばね座62は、円筒状に形成され、その底面に孔を有しており、その孔に前述したガイド10bが嵌合している。一方、シリンダヘッド3dには、ガイド10bと同心のガイド穴3eが形成されており、このガイド穴3eに、下ばね座62の外周面が嵌合している。
さらに、下ばね座62は、一対のピン63,63(1つのみ図示)を備えており、これらのピン63,63は、下ばね座62の外周面から同心に左右方向に突出し、前述した各2つの連結アーム53a,53aの長孔53b,53bにそれぞれ係合している。以上の構成により、下ばね座62は、開側電磁石51がヒンジシャフト48の軸線回りに回動すると、ピン63が上方または下方に押されるのに伴い、ガイド穴3eに案内されながら、吸気弁10の軸線方向に摺動する。
一方、前述した開側コイルばね65(付勢手段)は、上ばね座66とフランジ状の下ばね座67の間に圧縮状態で収容されている。上ばね座66は、円筒状に形成され、その内穴にロッド68が摺動自在に嵌合しているとともに、その上端部がヘッドカバー3fに固定されている。
このロッド68は、その下端部が下ばね座67に連結されており、それにより、前述したように、2つの電磁石41,51が非励磁状態にあるときには、2つのコイルばね60,65の付勢力によって、下端面でアーマチュア50のローラ50cに当接した状態に保持される(図3参照)。この場合、2つのコイルばね60,65の付勢力は、アーマチュア50の表裏面が2つの電磁石41,51の対向面に対してほぼ同じ角度を示すように設定されており、それにより、アーマチュア50のローラ50cは、2つの電磁石41,51の間のほぼ中央の中立位置(図3に示す位置)に保持される。
また、上ばね座66の内穴の上側には、オイルダンパ69が設けられており、吸気弁10の着座時、ロッド68の移動速度がオイルダンパ69で低減されることによって、着座ショックが緩衝される。
一方、図3に示すように、前述した可変リフト機構70(変更機構)は、リフトアクチュエータ71、コントロールシャフト72、2つのピン73,74およびリンク75などを備えている。このリフトアクチュエータ71は、電動機および図示しないギヤ機構を組み合わせたものであり、ECU2に電気的に接続されている。このリフトアクチュエータ71は、後述するリフト制御入力UliftがECU2から供給されると、それに伴って、コントロールシャフト72をその軸線回りに回動させる。
このコントロールシャフト72は、一対のリンクアーム72a,72aを一体に備えており、これらのリンクアーム72a,72aは、コントロールシャフト72上に所定間隔で設けられている。
また、リンク75は、一対の孔75a,75aを備えており、これらの孔75a,75aは、互いに平行に形成され、リンク75を左右方向に貫通している。前述したピン73は、リンク75の一方の孔75aに通され、その両端部がリンクアーム72a,72aに取り付けられている。それにより、このピン73を介して、リンク75およびコントロールシャフト72は相対的に回動自在に連結されている。
さらに、前述したピン74は、リンク75が前述したリンクアーム54b,54bの間に位置した状態で、リンク75の残りの孔75aに通され、その両端部がリンクアーム54b,54bに取り付けられている。それにより、このピン74を介して、リンク75および開側電磁石51は相対的に回動自在に連結されている。
以上の可変リフト機構70では、ECU2からのリフト制御入力Uliftが入力されると、フトアクチュエータ71がコントロールシャフト72をその軸線回りに回動させ、それに伴って、開側電磁石51がヒンジシャフト48の軸線回りに回動する。
その場合、開側電磁石51が図3の反時計回りに回動し続けると、アーマチュア50を介して閉側電磁石41に当接し、それにより、開側電磁石51は、アーマチュア50を閉側電磁石41との間に面接触状態で挟持するゼロリフト位置(図示せず)に係止される。一方、開側電磁石51が図3の時計回りに回動し回動し続けると、図示しないストッパに当接することにより、開側電磁石51は、その前端部が閉側電磁石41から最も離間する最大リフト位置(図6(a)に示す位置)に係止される。すなわち、開側電磁石51の回動可能範囲は、ゼロリフト位置と最大リフト位置との間に規制される。
次に、以上のように構成された吸気電磁動弁機構40の動作について説明する。この吸気電磁動弁機構40では、2つの電磁石41,51が非励磁状態にある場合、2つのコイルばね60,65の付勢力により、アーマチュア50が中立位置(図3に示す位置)に保持される。その状態から、閉側電磁石41がECU2から供給された閉側制御入力Isol_clによって励磁されると、閉側電磁石41は、開側コイルばね65の付勢力に抗しながら、アーマチュア50を吸引し、それにより、吸気弁10を閉弁させる。そして、閉側電磁石41が励磁されている限り、アーマチュア50が閉側電磁石41に吸着されることで、吸気弁10が閉弁状態に保持されるとともに、閉側電磁石41が非励磁状態になると、開側コイルばね65の付勢力により、アーマチュア50が中立位置側に移動する。
一方、開側電磁石51がECU2から供給された開側制御入力Isol_opによって励磁されると、開側電磁石51は、閉側コイルばね60の付勢力に抗しながら、アーマチュア50を吸引し、それにより、吸気弁10を開弁させる。そして、開側電磁石51が励磁されている限り、アーマチュア50が開側電磁石51に吸着されることで、吸気弁10が開弁状態に保持されるとともに、開側電磁石51が非励磁状態になると、閉側コイルばね60の付勢力により、アーマチュア50が中立位置側に移動する。
したがって、この吸気電磁動弁機構40では、2つの電磁石41,51の励磁・非励磁タイミングを変更することによって、吸気弁10の開閉時期が自在に変更される。具体的には、吸気弁10は、吸気電磁動弁機構40によって、図7に示す台形状のリフト曲線で開閉するように駆動されるとともに、そのリフトが最大値すなわち吸気リフトLiftを示す期間が自在に変更される。
また、前述したように、開側電磁石51は、可変リフト機構70によって最大リフト位置とゼロリフト位置との間で駆動され、開側電磁石51が最大リフト位置にある場合、アーマチュア50の回動範囲が最も大きくなることで、吸気弁10は、図7の実線で示すリフト曲線に従って開弁し、吸気リフトLiftは、その最大値Liftin_Hを示す。一方、開側電磁石51がゼロリフト位置にある場合、アーマチュア50が回動不能となることで、吸気弁10は閉弁状態に保持され、吸気リフトLiftは値0となる。
また、後述する通常制御中、開側電磁石51は、可変リフト機構70によって、上記最大リフト位置と図6(b)に示す最小リフト位置との間で駆動される。この最小リフト位置は、開側電磁石51を、可変リフト機構70によって駆動可能な最小単位の回動角でゼロリフト位置から図6(b)の時計回りに回動させた位置である。開側電磁石51がこの最小リフト位置にある場合、アーマチュア50の回動範囲が極めて小さくなることで、吸気弁10は、図7の破線で示すリフト曲線に従って開弁し、吸気リフトLiftが所定の最小値Lift_Lを示す。なお、この最小値Lift_Lは、2つの電磁石41,51が非励磁状態にある場合でも、吸気弁10が上死点にあるピストン3bに当たらないような値に設定されている。
以上のように、この吸気電磁動弁機構40では、2つの電磁石41,51の励磁・非励磁タイミングを制御すると同時に、可変リフト機構70を介して開側電磁石51の位置を制御することによって、吸気弁10の開閉期間および吸気リフトLiftを自在に変更することができる。
また、この吸気電磁動弁機構40には、図示しないフェイルセーフ機構が設けられており、このフェイルセーフ機構により、吸気電磁動弁機構40が故障しているときには、開側電磁石51が上記最小リフト位置に強制的に駆動され、その位置に保持される。
なお、以下の説明では、2つの電磁石41,51および可変リフト機構70が正常であるにもかかわらず、過負荷などの何らかの理由に起因して、アーマチュア50の動作が2つの電磁石41,51の動作状態(励磁・非励磁状態)に追従しなくなり、両者の同期が一時的に外れた状態を「脱調」という。
さらに、図2に示すように、エンジン3には、回動角センサ24と、2つの可動子リフトセンサ25,25(1つのみ図示)が気筒3a毎に設けられており、これらのセンサ24,25はECU2に接続されている。回動角センサ24は、コントロールシャフト72の一端部に設けられており、コントロールシャフト72の回動角を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。このコントロールシャフト72の回動角は、閉側電磁石41に対する開側電磁石51の位置を表すものであり、ECU2は、回動角センサ24の検出信号に基づき、吸気リフトLiftを算出する。
一方、各可動子リフトセンサ25は、アーマチュア50毎に設けられており、対応するアーマチュア50の、閉側電磁石41と開側電磁石51の間での移動量(すなわち回動角)を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、この可動子リフトセンサ25の検出信号に基づき、アーマチュア50の移動量(以下「可動子リフト」という)Larmaを算出する。具体的には、この可動子リフトLarmaは、アーマチュア50が閉側電磁石41に当接した状態のときに値0を示すとともに、その位置からアーマチュア50が開側電磁石51側に移動するほど、より大きい正の値を示すように算出される。
次に、前述した排気側の電磁動弁機構(以下「排気電磁動弁機構」という)80について説明する。この排気電磁動弁機構80は、2つの排気弁11,11の開閉タイミングおよび開弁中のリフトの最大値(以下「排気リフト」という)を自在に変更するものであり、吸気電磁動弁機構40と同じ構成を備えている。
すなわち、排気電磁動弁機構80は、閉側電磁石81および開側電磁石82と、これらの電磁石81,82の間に配置された一対のアーマチュア83と、リフトアクチュエータ84およびコントロールシャフト(図示せず)を有する可変リフト機構(図示せず)などを備えている。以上の構成はすべて、前述した吸気電磁動弁機構40と同じであるので、その説明は省略するが、これらの構成により、2つの排気弁11,11は、そのリフト曲線がほぼ台形状になるよう駆動される。その際、左側(図1の手前側)および右側(図1の奥側)の排気弁11,11はそれぞれ、排気電磁動弁機構80の左半部および右半部によって駆動される。
なお、本実施形態では、ECU2により、各排気弁11は、1燃焼サイクル中の排気行程において、開閉時期および排気リフトが一定になるように制御される。
さらに、図2に示すように、エンジン3には、回動角センサ26と、2つの可動子リフトセンサ27,27(1つのみ図示)が気筒3a毎に設けられており、これらのセンサ26,27はECU2に接続されている。この回動角センサ26は、前述した回動角センサ24と同様のものであり、排気電磁動弁機構80の可変リフト機構におけるコントロールシャフトの回動角を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、この回動角センサ26の検出信号に基づき、排気リフトを算出する。
また、可動子リフトセンサ27は、前述した可動子リフトセンサ25と同様のものであり、対応するアーマチュア83の、閉側電磁石81と開側電磁石82の間での移動量を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、この可動子リフトセンサ27の検出信号に基づき、アーマチュア83の移動量を算出する。
さらに、ECU2には、アクセル開度センサ28およびイグニッション・スイッチ(以下「IG・SW」という)29が接続されている。このアクセル開度センサ28は、車両の図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。また、IG・SW29は、イグニッション・キー(図示せず)操作により、オフ位置、アクセサリ位置、オン位置およびスタート位置の間で切り換えられるとともに、これら4つの位置のいずれにあるかを表す信号をECU2に出力する。
ECU2は、CPU、RAM、ROM、I/Oインターフェースおよび駆動回路(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、前述した各種のセンサ20〜28の検出信号およびIG・SW29の出力信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、各種の制御を実行する。具体的には、ECU2は、後述するように、動弁機構制御処理、燃料噴射制御処理および点火時期制御処理などを実行する。
なお、本実施形態では、ECU2が、始動要求判定手段、変更機構駆動手段、位置検出手段、電磁石制御手段、校正手段および許可手段に相当する。
次に、図8を参照しながら、ECU2によって実行される動弁機構制御処理について説明する。この処理は、以下に述べるように、吸気電磁動弁機構40および排気電磁動弁機構80を制御するものであり、所定の制御周期(例えば10msec)で気筒3a毎に実行される。なお、以下の説明において算出される各種の値は、ECU2のRAM内に記憶されるものとする。
ここで、吸気電磁動弁機構40は、前述したように、左右対称に構成されており、左右の吸気弁10,10はそれぞれ、吸気電磁動弁機構40の左半部および右半部によって駆動される。そのため、以下の説明では、便宜上、左側の吸気弁10を「第1吸気弁10」といい、これを駆動する吸気電磁動弁機構40の左半部を「第1吸気弁駆動部」といい、右側の吸気弁10を「第2吸気弁10」というとともに、これを駆動する吸気電磁動弁機構40の右半部を「第2吸気弁駆動部」という。
さらに、前述したように、排気電磁動弁機構80も、左右対称に構成されており、左右の排気弁11,11はそれぞれ、排気電磁動弁機構80の左半部および右半部によって駆動される。そのため、以下の説明では、便宜上、左側の排気弁11を「第1排気弁11」といい、これを駆動する排気電磁動弁機構80の左半部を「第1排気弁駆動部」といい、右側の排気弁11を「第2排気弁11」というとともに、これを駆動する排気電磁動弁機構80の右半部を「第2排気弁駆動部」という。さらに、第1および第2吸気弁駆動部と、第1および第2排気弁駆動部をまとめて、「4つの弁駆動部」という。
この処理では、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、イグニッション位置フラグF_IGONが「1」であるか否かを判別する。このイグニッション位置フラグF_IGONは、IG・SW29がオン位置またはスタート位置にあって、運転者による始動要求が発生したときに「1」に設定され、それ以外のときには「0」に設定される。なお、このイグニッション位置フラグF_IGON以外の後述する各種フラグの値は、IG・SW29がオフ位置またはアクセサリ位置から、オン位置またはスタート位置に切り換えられたタイミングで、「0」にリセットされる。
このステップ1の判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ1の判別結果がYESのときには、ステップ2に進み、第1吸気制御処理を実行する。この第1吸気制御処理では、後述するように、第1吸気弁駆動部における閉側電磁石41への制御入力(以下「閉側制御入力」という)Isol_clと、開側電磁石51への制御入力(以下「開側制御入力」という)Isol_opと、リフトアクチュエータ71への制御入力(以下「リフト制御入力」という)Uliftとが算出される。これに加えて、後述するように、第1吸気弁駆動部が故障した場合、それを表すために、第1吸気故障フラグF_IN1_NGが「1」に設定され、第1吸気弁駆動部で脱調が発生した場合、それを表すために、第1吸気脱調フラグF_IN1_OUTが「1」に設定される。
次いで、ステップ3で、第2吸気制御処理を実行する。この第2吸気制御処理では、上記ステップ2の第1吸気制御処理と同じ手法により、第2吸気弁駆動部における閉側電磁石41および開側電磁石51への制御入力がそれぞれ算出される。これに加えて、第2吸気弁駆動部が故障した場合、それを表すために、第2吸気故障フラグF_IN2_NGが「1」に設定され、第2吸気弁駆動部で脱調が発生した場合、それを表すために、第2吸気脱調フラグF_IN2_OUTが「1」に設定される。
ステップ3に続くステップ4で、第1排気制御処理を実行する。この第1排気制御処理では、上記第1吸気制御処理と同様の手法(ただし後述する通常制御処理を除く)により、第1排気弁駆動部における閉側電磁石81、開側電磁石82およびリフトアクチュエータ84への制御入力がそれぞれ算出される。また、上記第1吸気制御処理と異なる通常制御処理(図示せず)によって、前述したように、第1排気弁11が、1燃焼サイクル中の排気行程において、開閉時期および排気リフトが一定になるように制御される。これに加えて、第1排気弁駆動部が故障した場合、それを表すために、第1排気故障フラグF_EX1_NGが「1」に設定され、第1排気弁駆動部で脱調が発生した場合、それを表すために、第1排気脱調フラグF_EX1_OUTが「1」に設定される。
次に、ステップ5で、第2排気制御処理を実行する。この第2排気制御処理では、上記第1排気制御処理と同じ手法により、第2排気弁駆動部における閉側電磁石81、開側電磁石82およびリフトアクチュエータ84への制御入力がそれぞれ算出される。それにより、上述した通常制御処理によって、第2排気弁11が、1燃焼サイクル中の排気行程において、開閉時期および排気リフトが一定になるように制御される。これに加えて、第2排気弁駆動部が故障した場合、それを表すために、第2排気故障フラグF_EX2_NGが「1」に設定され、第2排気弁駆動部で脱調が発生した場合、それを表すために、第2排気脱調フラグF_EX2_OUTが「1」に設定される。
ステップ5に続くステップ6で、動作判定処理を実行した後、本処理を終了する。この動作判定処理では、後述するように、4つの弁駆動部の動作判定結果に基づき、第1吸気脱調フラグF_IN1_OUT、第2吸気脱調フラグF_IN2_OUT、第1排気脱調フラグF_EX1_OUT、第2排気脱調フラグF_EX2_OUTおよび動作不良フラグF_ANY_NGの各々が、「1」または「0」に設定される。
次に、図9を参照しながら、前述したステップ1の第1吸気制御処理について説明する。同図に示すように、この処理では、まず、ステップ10で、上述した動作不良フラグF_ANY_NGが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がNOで、4つの弁駆動部がいずれも正常であるときには、ステップ11に進み、初期化実行済みフラグF_INI_DONEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ12に進み、初期化制御処理を実行する。
この初期化制御処理では、図10に示すように、まず、ステップ30で、回動角センサ24の検出信号に基づき、吸気リフトLiftの検出値Lift_adを算出する。
次いで、ステップ31に進み、校正実行済みフラグF_ZERO_DONEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、回動角センサ24のゼロ点校正を実行すべきであると判定して、ステップ32に進み、算出中フラグF_SETが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がNOのときには、ステップ33で、ゼロ点校正値Comp_zeroの算出処理を実行中であることを表すために、算出中フラグF_SETを「1」に設定するとともに、算出中カウンタの計数値CT_setを値0に設定する。その後、ステップ34に進み、吸気リフトLiftを検出値Lift_adに設定する。
次に、ステップ35で、算出中カウンタの計数値CT_setに応じて、図11に示すテーブルを検索することにより、目標リフトLift_cmdを算出する。同図において、CT1は所定値を、Lift_iniは所定の初期値を、Lift_okは所定のしきい値を、Lift_LLは所定のゼロホールド値をそれぞれ表しており、これらの値は、Lift_LL<Lift_L<Lift_ok<Lift_iniの関係が成立するような値に設定されている。
このしきい値Lift_okは、後述するように、可変リフト機構70が動作不能となっているか否かを判別するのに用いられる値であり、そのため、吸気リフトLiftの最小値Lift_Lよりも若干、大きい値に設定されている。また、ゼロホールド値Lift_LLは、可変リフト機構70によって、開側電磁石51をゼロリフト位置まで確実に駆動し、アーマチュア50を2つの電磁石41,51によって挟持された状態に保持するための値である。
このテーブルでは、目標リフトLift_cmdは、CT_set<CT1の範囲では、計数値CT_setが大きいほど、より小さい値に設定され、CT_set≧CT1の範囲では、上記ゼロホールド値Lift_LLに設定されている。これは、初期化制御処理を開始した以降、可変リフト機構70によって、開側電磁石51を時間の経過に伴って閉側電磁石41側に回動させ、アーマチュア50を最終的に2つの電磁石41,51の間に確実に挟持させるためである。
ステップ35に続くステップ36で、リフト制御入力Uliftを算出する。このリフト制御入力Uliftは、パルス幅変調方式の電圧信号値であり、具体的には、吸気リフトLiftが目標リフトLift_cmdに収束するように、所定のフィードバック制御アルゴリズムによって算出される。
なお、このフィードバック制御アルゴリズムでは、吸気リフトLiftと目標リフトLift_cmdとの偏差の絶対値が比較的小さい領域では、偏差の絶対値が大きい領域と比べて、フィードバックゲインがより小さい値に設定される。これは、開側電磁石51がアーマチュア50を間にして閉側電磁石41に当接する際の衝撃を低減するためである。
次いで、ステップ37に進み、閉側制御入力Isol_clおよび開側制御入力Isol_opをそれぞれ値0に設定した後、本処理を終了する。これらの制御入力Isol_cl,Isol_opはそれぞれ、閉側電磁石41および開側電磁石51への供給電流値として算出される。
一方、ステップ32の判別結果がYESで、ゼロ点校正値Comp_zeroの算出処理を実行中であるときには、ステップ38に進み、算出中カウンタの計数値CT_setを、その前回値CT_setZと値1の和(CT_setZ+1)に設定する。すなわち、算出中カウンタの計数値CT_setを値1インクリメントする。
ステップ38に続くステップ39で、吸気リフトLiftとその前回値LiftZとの偏差の絶対値|Lift−LiftZ|を、第1リフト偏差DL1として設定する。
次いで、ステップ40で、Lift<Lift_okおよびDL1<Dzeroがいずれも成立しているか否かを判別する。これらの2つの条件は、開側電磁石51がゼロリフト位置(閉側電磁石41との間にアーマチュア50を挟持した位置)に保持されているか否かを判定するためのものであり、Dzeroは、値0に近い正の所定値である。
このステップ40の判別結果がNOのときには、ステップ41に進み、CT_set>Cngが成立しているか否かを判別する。このCngは、可変リフト機構70の故障を判定するための判定値であり、所定の正値に設定されている。この判別結果がNOのときには、前述したように、ステップ34〜37を実行した後、本処理を終了する。以上のように、CT_set≦Cngである限り、ステップ36でリフト制御入力Uliftが算出されるので、可変リフト機構70が正常であれば、これによって、開側電磁石51は、Lift=Lift_iniに相当する位置からゼロリフト位置まで回動するにように駆動される。
一方、ステップ41の判別結果がYESのときには、十分な時間が経過したにもかかわらず、開側電磁石51がゼロリフト位置に保持されていないことで、可変リフト機構70すなわち第1吸気弁駆動部が故障していると判定して、ステップ45に進み、それを表すために、第1吸気故障フラグF_IN1_NGを「1」に設定する。
次いで、ステップ46に進み、3つの制御入力Ulift,Isol_cl,Isol_opをいずれも値0に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ40の判別結果がYESのときには、開側電磁石51がゼロリフト位置に保持されていると判定して、ステップ42に進み、ゼロ点校正値Comp_zeroを吸気リフトの検出値Lift_adに設定する。このゼロ点校正値Comp_zeroは、後述するように、吸気リフトの検出値Lift_adの校正に用いられる。
次に、ステップ43で、ゼロ点校正値Comp_zeroを算出済みであることを表すために、校正実行済みフラグF_ZERO_DONEを「1」に設定する。次いで、ステップ44に進み、リフト制御入力Uliftおよび開側制御入力Isol_opをいずれも値0に設定するとともに、閉側制御入力Isol_clを所定値Isol_iniに設定した後、本処理を終了する。この所定値Isol_iniは、アーマチュア50が閉側電磁石41に確実に吸着されるような値に設定されている。
上記ステップ43で、校正実行済みフラグF_ZERO_DONEが「1」に設定されると、次回以降の制御タイミングで、前述したステップ31の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ47に進み、始動準備処理を実行する。
この始動準備処理では、図12に示すように、まず、始動準備中フラグF_READYが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、本処理の1回目の制御タイミングであるときには、ステップ51に進み、目標リフトLift_cmdを最小値Lift_Lに設定する。
次いで、ステップ52に進み、始動準備処理を実行中であることを表すために、始動準備中フラグF_READYを「1」に設定する。これにより、次回以降の制御タイミングにおいて、ステップ50の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ51,52をスキップして、ステップ53に進む。
ステップ50または52に続くステップ53では、ディレイカウンタの計数値CT_deを、その前回値CT_deZと値1の和(CT_deZ+1)に設定する。なお、この前回値CT_deZの初期値は値0に設定される。
次いで、ステップ54に進み、ディレイカウンタの計数値CT_deが所定値CTref以上であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ61に進み、リフト制御入力Uliftおよび開側制御入力Isol_opをいずれも値0に設定するとともに、閉側制御入力Isol_clを前述した所定値Isol_iniに設定する。その後、本処理を終了する。このように、CT_de≧CTrefが成立するまでの間、アーマチュア50が閉側電磁石41および開側電磁石51によって挟持された状態に保持されるとともに、閉側電磁石41にのみ制御入力が供給されることで、アーマチュア50は閉側電磁石41に確実に吸着される。
一方、ステップ54の判別結果がYESで、所定値CTrefに相当する時間が経過したときには、アーマチュア50が閉側電磁石41に吸着されていると判定して、ステップ55に進み、吸気リフトLiftを、検出値Lift_adからゼロ点校正値Comp_zeroを減算した値(Lift_ad−Comp_zero)に設定する。すなわち、吸気リフトLiftは、回動角センサ24のゼロ点校正済みの値として算出される。
ステップ55に続くステップ56で、目標リフトLift_cmdと吸気リフトLiftの偏差の絶対値|Lift_cmd−Lift|を、第2リフト偏差DL2として設定する。次いで、ステップ57に進み、第2リフト偏差DL2が所定値Drefよりも小さいか否かを判定する。この所定値Drefは、吸気リフトLiftが目標リフトLift_cmdに収束(到達)したか否かを判定するためのものであり、値0に近い正値に設定されている。
ステップ57の判別結果がNOで、吸気リフトLiftが目標リフトLift_cmdすなわち最小値Lift_Lに到達していないときには、ステップ58に進み、リフト制御入力Uliftを、吸気リフトLiftが目標リフトLift_cmdに収束するように、所定のフィードバック制御アルゴリズムによって算出する。
次いで、ステップ59で、閉側制御入力Isol_clを所定値Isol_iniに、開側制御入力Isol_opを値0にそれぞれ設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ57の判別結果がYESで、吸気リフトLiftが最小値Lift_Lに到達したときには、初期化制御処理を終了すべきであると判定して、ステップ60に進み、初期化制御処理を実行済みであることを表すために、初期化実行済みフラグF_INI_DONEを「1」に設定する。次いで、前述したように、ステップ61を実行した後、本処理を終了する。
図10に戻り、ステップ47の始動準備処理を以上のように実行した後、初期化制御処理を終了する。図9に戻り、ステップ12の初期化制御処理を以上のように実行した後、第1吸気制御処理を終了する。
以上のように、ステップ12の初期化制御処理において、初期化実行済みフラグF_INI_DONEが「1」に設定されると、図9のステップ11の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ13に進み、エンジン始動フラグF_ENGSTARTが「1」であるか否かを判別する。
このエンジン始動フラグF_ENGSTARTは、図示しない判定処理において、全気筒で初期化実行済みフラグF_INI_DONEが「1」に設定されていること、およびIG・SW29がスタート位置にあることなどの、エンジン3の始動条件が成立しているときに「1」に設定され、それ以外のときには「0」に設定される。
このステップ13の判別結果がYESのときには、ステップ14に進み、始動時制御処理を実行する。この始動時制御処理の詳細な説明は省略するが、この処理では、第1吸気弁10の吸気リフトLiftおよび開閉時期がエンジン3の始動に最適な値になるように制御される。その後、本処理を終了する。
一方、ステップ13の判別結果がNOのときには、ステップ15に進み、通常制御処理を実行する。この通常制御処理では、以下に述べるように、3つの制御入力Ulift,Isol_cl,Isol_opと、2つの制御入力Isol_cl,Isol_opの出力時期が算出される。
具体的には、図13に示すように、まず、ステップ70で、通常制御中フラグF_CALが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ71に進み、クランク角位置CAが所定値CArefであるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、当該気筒3aにおける通常制御処理の実行タイミングではないと判定して、ステップ81に進み、それを表すために、通常制御中フラグF_CALを「0」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ71の判別結果がYESのときには、当該気筒3aにおける通常制御処理の実行タイミングであると判定して、ステップ72に進み、それを表すために、通常制御中フラグF_CALを「1」に設定するとともに、通常制御実行済みフラグF_CAL_DONEを「0」に設定する。これにより、次回以降の制御タイミングで、上記ステップ70の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ73に進む。
ステップ70または72に続くステップ73で、通常制御実行済みフラグF_CAL_DONEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、3つの制御入力Ulift,Isol_cl,Isol_opと、2つの制御入力Isol_cl,Isol_opの出力時期を算出すべきであると判定して、ステップ74に進み、回動角センサ24の検出信号に基づき、吸気リフトの検出値Lift_adを算出する。
次に、ステップ75で、吸気リフトLiftを、検出値Lift_adからゼロ点校正値Comp_zeroを減算した値(Lift_ad−Comp_zero)に設定する。
次いで、ステップ76に進み、目標リフトLift_cmdを算出する。具体的には、エンジン回転数NEおよび要求トルクTRQに応じて、図14に示すマップを検索することにより、目標リフトLift_cmdを算出する。なお、要求トルクTRQは、後述する燃料噴射制御処理において算出される。同図において、Lift1〜5は、Lift1<Lift2<Lift3<Lift4<Lift5が成立するように設定される所定値である。
このマップでは、目標リフトLift_cmdは、要求トルクTRQが大きいほど、それを達成するために、より大きい値に設定されている。また、目標リフトLift_cmdは、高負荷域かつ高回転域では、エンジン回転数NEが高いほど、ノッキングの発生を抑制するために、より小さい値に設定されている。
ステップ76に続くステップ77で、コイル温度Tcoilの算出処理を実行する。この処理では、図15に示すように、まず、ステップ90で、開側電磁石51のコイル55の抵抗値に基づき、開側電磁石51のコイル温度(以下「開側コイル温度」という)Tcoil_opを算出する。
次いで、ステップ91に進み、閉側電磁石41のコイル45の抵抗値に基づき、閉側電磁石41のコイル温度(以下「閉側コイル温度」という)Tcoil_clを算出する。ステップ91に続くステップ92で、開側コイル温度Tcoil_opが閉側コイル温度Tcoil_cl以上であるか否かを判別する。
この判別結果がYESのときには、ステップ93に進み、コイル温度Tcoilを開側コイル温度Tcoil_opに設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ92の判別結果がNOのときには、ステップ94に進み、コイル温度Tcoilを閉側コイル温度Tcoil_clに設定した後、本処理を終了する。
以上のように、図15の処理では、開側コイル温度Tcoil_opおよび閉側コイル温度Tcoil_clのうちの高い方が、コイル温度Tcoilとして設定される。なお、以上の手法に代えて、開側コイル温度Tcoil_opおよび閉側コイル温度Tcoil_clの平均値をコイル温度Tcoilとして設定するように構成してもよい。
図13に戻り、ステップ77でコイル温度Tcoilを以上のように算出した後、ステップ78に進み、制御入力の算出処理を実行する。この処理では、図16に示すように、まず、ステップ100で、コイル温度Tcoilが所定の下限値TrefL以上であるか否かを判別する。
この判別結果がNOで、Tcoil<TrefLのときには、ステップ106に進み、以下に述べる手法により、リフト制御入力Uliftを算出する。まず、下式(1)に示す一次遅れフィルタ処理アルゴリズムにより、目標リフトのフィルタ値Lift_cmd_fを算出する。なお、下式(1)のKは、0<K<1が成立するように設定されるフィルタ係数であり、Lift_cmd_fZは、目標リフトのフィルタ値Lift_cmd_fの前回値である。
Lift_cmd_f=K・Lift_cmd_fZ+(1−K)・Lift_cmd
…… (1)
次いで、吸気リフトLiftがフィルタ値Lift_cmd_fに収束するように、所定のフィードバック制御アルゴリズムによって、リフト制御入力Uliftを算出する。このように、ステップ106では、リフト制御入力Uliftは、目標リフトLift_cmdに一次遅れフィルタ処理を施したフィルタ値Lift_cmd_fを用いて算出される。これは、吸気リフトLiftが急激に変化すると、アーマチュア50を吸着するための後述するソレノイド制御入力Isolの算出値と、吸気リフトLiftとの関係が不適切なものとなり、最悪の場合には、吸気電磁動弁機構40で脱調が発生する可能性があるので、それを回避すべく、吸気リフトLiftを緩やかに変化するように制御するためである。
なお、上記の一次遅れフィルタ処理に換えて、所定のレートリミット処理を目標リフトLift_cmdに施すことにより、目標リフトのフィルタ値Lift_cmd_fを算出するように構成してもよい。このようにした場合でも、吸気リフトLiftを緩やかに変化するように制御でき、それにより、吸気電磁動弁機構40で脱調が発生するのを回避できる。
ステップ106に続くステップステップ107で、ソレノイド制御入力Isolを算出する。具体的には、図18に示すように、まず、ステップ120で、目標リフトLift_cmdが吸気リフトLift以上であるか否かを判別する。
この判別結果がYESのときには、ステップ121に進み、目標リフトLift_cmdに応じて、図示しないテーブルを検索することにより、ソレノイド制御入力Isolを算出する。このソレノイド制御入力Isolは、アーマチュア50を2つの電磁石41,51に確実に吸着できるような値として算出される。このテーブルでは、ソレノイド制御入力Isolは、目標リフトLift_cmdが大きいほど、より大きい値に設定されている。これは、吸気リフトLiftが大きいほど、2つの電磁石41,51の仕事がより増大するためである。
一方、ステップ120の判別結果がNOのときには、ステップ122に進み、吸気リフトLiftに応じて、図示しないテーブルを検索することにより、ソレノイド制御入力Isolを算出する。このテーブルでも、上記の理由により、ソレノイド制御入力Isolは、吸気リフトLiftが大きいほど、より大きい値に設定されている。
図16に戻り、ステップ107でソレノイド制御入力Isolを以上のように算出した後、ステップ108に進み、閉側および開側制御入力Isol_cl,Isol_opをいずれも、ソレノイド制御入力Isolに設定する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップ100の判別結果がYESで、Tcoil≧TrefLのときには、ステップ101に進み、コイル温度Tcoilに応じて、図17に示すテーブルを検索することにより、吸気リフトの制限値Lift_lmtを算出する。同図において、TrefHは、コイルの耐熱温度に相当する所定の上限値であり、TrefL<TrefHが成立するように設定される。
このテーブルでは、制限値Lift_lmtは、Tcoil<TrefLの領域では最大値Lift_Hに、TrefH<Tcoilの領域では最小値Lift_Lにそれぞれ設定されているとともに、TrefL≦Tcoil≦TrefHの領域では、コイル温度Tcoilが高いほど、より小さい値に設定されている。これは、TrefL≦Tcoil≦TrefHの領域では、吸気リフトLiftをより小さく制御するほど、2つの電磁石41,51の仕事がより低減されることで、コイル温度Tcoilをより低下させることができるので、そのような効果を得るためである。
ステップ101に続くステップ102で、目標リフトLift_cmdが制限値Lift_lmt以下であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、前述したように、ステップ106〜108を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ102の判別結果がNOで、Lift_cmd>Lift_lmtのときには、ステップ103に進み、コイル温度Tcoilが上限値TrefHよりも高いか否かを判別する。この判別結果がNOで、TrefL≦Tcoil≦TrefHのときには、コイル温度Tcoilを低下させるために、吸気リフトLiftを制限すべきであると判定して、ステップ104に進み、高温カウンタの計数値CT_hotを値0にリセットする。
ステップ104に続くステップ105で、目標リフトLift_cmdを制限値Lift_lmtに設定する。次いで、前述したように、ステップ106〜108を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ103の判別結果がYESで、2つの電磁石41,51の一方のコイルが高温状態にあるときには、ステップ109に進み、高温カウンタの計数値CT_hotを、その前回値CT_hotZと値1の和(CT_hotZ+1)に設定する。なお、この前回値CT_hotZの初期値は値0に設定される。
次に、ステップ110で、高温カウンタの計数値CT_hotが所定値CT_H以上であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、前述したように、ステップ105〜108を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ110の判別結果がYESで、コイルの高温状態が所定値CT_Hに相当する時間以上、継続したときには、ステップ111に進み、エンジン水温TWが所定のオーバーヒート値TW_OVERH以上であるか否かを判別する。このオーバーヒート値TW_OVERHは、エンジン3がオーバーヒート状態にあることを示す値(例えば120℃)に設定されている。なお、このステップ111で、エンジン水温TWに代えて、エンジン3の潤滑油の温度を所定値と比較するように構成してもよい。
このステップ111の判別結果がYESのときには、エンジン3のオーバーヒートに起因してコイルが高温状態にあると判定して、前述したように、ステップ105〜108を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ111の判別結果がNOのときには、コイルが過熱故障状態にあって、第1吸気弁駆動部が故障したと判定して、ステップ112に進み、それを表すために、第1吸気故障フラグF_IN1_NGを「1」に設定する。
次いで、ステップ113で、3つの制御入力Ulift,Isol_cl,Isol_opをいずれも値0に設定した後、本処理を終了する。
以上のように、図16に示す制御入力の算出処理では、Lift_cmd>Lift_lmtかつTrefL≦Tcoil≦TrefHが成立しているときにはコイル温度Tcoilを低下させるために、目標リフトLift_cmdがステップ76での算出値よりも小さい制限値Lift_lmtに設定される。
図13に戻り、ステップ78で3つの制御入力Ulift,Isol_cl,Isol_opを以上のように算出した後、ステップ79に進み、2つの制御入力Isol_cl,Isol_opの出力時期を、所定の演算手法(例えば、エンジン回転数NEおよび2つの制御入力Isol_cl,Isol_opを引数とするマップ検索手法)により算出する。それにより、第1吸気弁10の開弁期間が決定される。
次いで、ステップ80に進み、3つの制御入力Ulift,Isol_cl,Isol_opと、2つの制御入力Isol_cl,Isol_opの出力時期とを算出済みであることを表すために、通常制御実行済みフラグF_CAL_DONEを「1」に設定した後、本処理を終了する。それにより、次回以降の制御タイミングで、前述したステップ73の判別結果がYESとなり、その場合には、前述したステップ81を実行した後、本処理を終了する。
図9に戻り、ステップ15の通常制御処理を以上のように実行した後、第1吸気制御処理を終了する。
一方、図9の前述したステップ10の判別結果がYESのとき、すなわち、4つの弁駆動部のいずれかで動作不良または故障が発生しているときには、ステップ16に進み、以下に述べるように、動作不良時制御処理を実行した後、本処理を終了する。
次に、図19を参照しながら、上記ステップ16の動作不良時制御処理について説明する。この処理では、まず、ステップ130で、第1吸気故障フラグF_IN1_NGが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がYESで、第1吸気弁駆動部が故障しているときには、ステップ131に進み、フェイルセーフ制御処理を実行した後、本処理を終了する。このフェイルセーフ制御処理では、前述したフェイルセーフ機構によって、吸気リフトLiftが最小値Lift_Lになるように、開側電磁石51が最小リフト位置に強制的に駆動される。
一方、ステップ130の判別結果がNOのときには、ステップ132に進み、第2吸気故障フラグF_IN2_NG、第1排気故障フラグF_EX1_NGおよび第2排気故障フラグF_EX2_NGのいずれかが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がYESで、3つの弁駆動部のいずれかが故障しているときには、ステップ133に進み、閉弁制御処理を実行する。すなわち、第1吸気弁10を閉弁状態に保持する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップ132の判別結果がNOで、3つの弁駆動部のいずれにおいても故障が発生していないときには、ステップ134に進み、第2吸気脱調フラグF_IN2_OUT、第1排気脱調フラグF_EX1_OUTおよび第2排気脱調フラグF_EX2_OUTのいずれかが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がYESで、3つの弁駆動部のいずれかにおいて脱調が発生しているときには、前述したように、ステップ133を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ134の判別結果がNOで、F_IN1_OUT=1のとき、すなわち第1吸気弁駆動部で脱調が発生しているときには、ステップ135に進み、復帰制御処理を実行する。この復帰制御処理では、図20に示すように、まず、ステップ140で、回動角センサ24の検出信号に基づき、吸気リフトの検出値Lift_adを算出する。
次いで、ステップ141に進み、吸気リフトLiftを、検出値Lift_adからゼロ点校正値Comp_zeroを減算した値(Lift_ad−Comp_zero)に設定する。
ステップ141に続くステップ142で、復帰制御中フラグF_RECOVERが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ143に進み、目標リフトLift_cmdを所定の復帰用値Lrecoverに設定する。この復帰用値Lrecoverは、最小値Lift_L以上の比較的小さな値に設定される。
次に、ステップ144で、復帰制御処理を実行中であることを表すために、復帰制御中フラグF_RECOVERを「1」に設定する。ステップ144に続くステップ145で、前述したステップ58と同様の手法により、リフト制御入力Uliftを算出する。
次いで、ステップ146に進み、閉側制御入力Isol_clおよび開側制御入力Isol_opをいずれも値0に設定した後、本処理を終了する。
上記のように、ステップ144で、復帰制御中フラグF_RECOVERが「1」に設定されると、次回以降の制御タイミングで、前述したステップ142の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ147に進み、吸引制御中フラグF_SUCTIONが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がNOのときには、ステップ148で、目標リフトLift_cmdと吸気リフトLiftとの偏差の絶対値|Lift_cmd−Lift|を、第2リフト偏差DL2として設定する。
次いで、ステップ149に進み、第2リフト偏差DL2が所定値Drefより小さいか否かを判別する。この判別結果がNOで、吸気リフトLiftが目標リフトLift_cmdすなわち復帰用値Lrecoverに収束していないときには、前述したように、ステップ145,146を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ149の判別結果がYESで、吸気リフトLiftが復帰用値Lrecoverに収束したときには、アーマチュア50を閉側電磁石41側または開側電磁石51側に吸引すべきであると判定して、ステップ150に進み、それを表すために吸引制御中フラグF_SUCTIONを「1」に設定する。
次に、ステップ151で、可動子リフトセンサ25の検出信号に基づき、可動子リフトLarmaを算出する。次いで、ステップ152に進み、ステップ151で算出した可動子リフトLarmaを、初期値Lainiとして設定する。
ステップ152に続くステップ153で、閉側復帰フラグF_CL_RECが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、今回の復帰制御処理でアーマチュア50を閉側電磁石41側に吸引させるべきであると判定して、ステップ154に進み、閉側制御入力Isol_clを所定の復帰用値Isol_recに設定すると同時に、リフト制御入力Uliftおよび開側制御入力Isol_opをいずれも値0に設定する。
次に、ステップ155で、アーマチュア50を閉側電磁石41側に吸引するように復帰制御処理を実行したことを表すために、閉側復帰フラグF_CL_RECを「1」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ153の判別結果がYESのときには、今回の復帰制御処理でアーマチュア50を開側電磁石51側に吸引すべきであると判定して、ステップ156に進み、開側制御入力Isol_opを所定の復帰用値Isol_recに設定すると同時に、リフト制御入力Uliftおよび閉側制御入力Isol_clをいずれも値0に設定する。
次いで、ステップ157に進み、アーマチュア50を開側電磁石51側に吸引するように復帰制御処理を実行したことを表すために、閉側復帰フラグF_CL_RECを「0」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ150で、吸引制御中フラグF_SUCTIONが「1」に設定されると、次回以降の制御タイミングで、前述したステップ147の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ158に進み、3つの制御入力Ulift,Isol_cl,Isol_opをそれぞれ、前回値UliftZ,Isol_clZ,Isol_opZに設定する。
次いで、ステップ159に進み、復帰判定処理を実行する。この復帰判定処理では、図21に示すように、まず、ステップ170で、復帰判定カウンタの計数値CT_reを、その前回値CT_reZと値1の和(CT_reZ+1)に設定する。なお、この前回値CT_reZの初期値は値0に設定される。
次に、ステップ171で、復帰判定カウンタの計数値CT_reが所定値CT_re1以上であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ171の判別結果がYESのとき、すなわち、閉側電磁石41および開側電磁石51の一方へのアーマチュア50の吸引開始以降、所定値CT_re1に相当する時間が経過したときには、ステップ172に進み、可動子リフトセンサ25の検出信号に基づき、可動子リフトLarmaを算出する。
次いで、ステップ173で、可動子リフトの初期値Lainiと可動子リフトLarmaとの偏差の絶対値|Laini−Larma|を、初期偏差DLaiとして設定する。その後、ステップ174に進み、初期偏差DLaiが所定値DLai1以上であるか否かを判別する。
この判別結果がYESで、アーマチュア50が閉側電磁石41側または開側電磁石51側に吸着されたと推定されるときには、第1吸気弁駆動部が脱調状態から正常な状態に復帰したと判定して、ステップ175に進み、脱調発生カウンタの計数値CT_outを、その前回値CT_outZと値1の和(CT_outZ+1)に設定する。なお、この前回値CT_outZの初期値は値0に設定される。
次いで、ステップ176に進み、脱調発生頻度Fr_outを算出する。この脱調発生頻度Fr_outは、脱調発生カウンタの計数値CT_outを、通常制御処理の開始以降の制御実行回数で除算することによって算出される。
ステップ176に続くステップ177で、脱調発生頻度Fr_outが所定値Fr_refより大きいか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、第1吸気弁駆動部が正常であると判定して、第1吸気脱調フラグF_IN1_OUTを「0」にリセットする。
次いで、ステップ179に進み、2つのフラグF_RECOVER,F_SUCTIONをいずれも「0」にリセットするとともに、復帰判定カウンタの計数値CT_reを値0にリセットする。その後、本処理を終了する。
一方、ステップ177の判別結果がYESのときには、脱調発生頻度Fr_outが高いことで、第1吸気弁駆動部が故障していると判定して、ステップ180に進み、それを表すために、第1吸気故障フラグF_IN1_NGを「1」に設定する。次いで、前述したように、ステップ179を実行した後、本処理を終了する。
一方、前述したステップ174の判別結果がNOのとき、すなわち、所定値CT_re1に相当する時間が経過したにもかかわらず、アーマチュア50が閉側電磁石41側または開側電磁石51側に吸着されていないと推定されるときには、第1吸気弁駆動部が故障していると判定して、前述したように、ステップ180で、第1吸気故障フラグF_IN1_NGを「1」に設定する。次いで、前述したように、ステップ179を実行した後、本処理を終了する。
図20に戻り、ステップ159の復帰判定処理を以上のように実行した後、復帰制御処理を終了する。図19に戻り、ステップ135の復帰制御処理を以上のように実行した後、動作不良時制御処理を終了する。
次に、図22を参照しながら、前述した図8のステップ6の動作判定処理について説明する。この処理は、4つの弁駆動部で脱調または故障が発生しているか否かを判定するものである。同図に示すように、この処理では、まず、ステップ190で、初期化実行済みフラグF_INI_DONEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、初期化制御処理を実行済みでないときには、そのまま本処理を終了する。一方、この判別結果がYESのときには、ステップ191に進み、エンジン始動フラグF_ENGSTARTが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がYESで、始動時制御処理中のときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ191の判別結果がNOのときには、ステップ192に進み、動作不良フラグF_ANY_NGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、4つの弁駆動部のいずれかが動作不良状態にあるときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ192の判別結果がNOのときには、ステップ193に進み、第1吸気脱調判定処理を実行する。この処理は、以下に述べるように、第1吸気弁駆動部で脱調が発生しているか否かを判定するものであり、具体的には、図23に示すように実行される。まず、ステップ200で、判定中フラグF_CHECKが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がNOのときには、ステップ201に進み、クランク角位置CAが第1吸気弁駆動部の動作判定区間の始点であるか否かを判別する。この動作判定区間の始点および終点は、前述したステップ79で算出された2つの制御入力Isol_cl,Isol_opの出力時期に基づいて決定される。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ201の判別結果がYESで、クランク角位置CAが動作判定区間の始点に達したときには、ステップ202に進み、第1吸気脱調判定処理を実行中であることを表すために、判定中フラグF_CHECKを「1」に設定する。
このように判定中フラグF_CHECKが「1」に設定されると、次回以降の制御タイミングで、ステップ200の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ203に進む。
ステップ200または202に続くステップ203で、可動子リフトセンサ25の検出信号に基づき、可動子リフトLarmaを算出する。その後、ステップ204で、可動子リフトLarmaとその前回値LarmaZとの偏差の絶対値|Larma−LarmaZ|を、可動子リフト偏差DLaとして設定する。この前回値LarmaZの初期値は値0に設定される。
次いで、ステップ205に進み、可動子リフト偏差の積算値S_DLaを、その前回値S_DLaZと可動子リフト偏差DLaの和(S_DLaZ+DLa)に設定する。なお、この前回値S_DLaZの初期値は値0に設定される。
次に、ステップ206で、クランク角位置CAが判定区間の終点であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、この判別結果がYESのときには、ステップ207に進み、脱調判定値S_outを算出する。この脱調判定値S_outは、目標リフトLift_cmdに応じて、図示しないテーブルを検索することにより算出される。
次いで、ステップ208で、可動子リフト偏差の積算値S_DLaが脱調判定値S_out以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、第1吸気弁駆動部が正常に動作していると判定して、ステップ209に進み、それを表すために、第1吸気脱調フラグF_IN1_OUTを「0」に設定する。
一方、ステップ208の判別結果がNOのときには、第1吸気弁駆動部で脱調が発生していると判定して、ステップ210に進み、それを表すために、第1吸気脱調フラグF_IN1_OUTを「1」に設定する。
ステップ209または210に続くステップ211で、第1吸気脱調判定処理を終了したことを表すために、判定中フラグF_CHECKを「0」に設定する。その後、本処理を終了する。
図22に戻り、ステップ193の第1吸気脱調判定処理を以上のように実行した後、ステップ194に進み、第2吸気脱調判定処理を実行する。この処理では、上記の第1吸気脱調判定処理と同様の手法により、第2吸気弁駆動部で脱調が発生しているか否かが判定され、その判定結果に基づき、第2吸気脱調フラグF_IN2_OUTが設定される。具体的には、第2吸気脱調フラグF_IN2_OUTは、第2吸気弁駆動部で脱調が発生していると判定されたときに「1」に、それ以外のときに「0」に設定される。
ステップ194に続くステップ195で、第1排気脱調判定処理を実行する。この処理では、前述した第1吸気脱調判定処理と同様の手法により、第1排気弁駆動部で脱調が発生しているか否かが判定され、その判定結果に基づき、第1排気脱調フラグF_EX1_OUTが設定される。具体的には、第1排気脱調フラグF_EX1_OUTは、第1排気弁駆動部で脱調が発生していると判定されたときに「1」に、それ以外のときに「0」に設定される。
次いで、ステップ196で、第2排気脱調判定処理を実行する。この処理では、前述した第1吸気脱調判定処理と同様の手法により、第2排気弁駆動部で脱調が発生しているか否かが判定され、その判定結果に基づき、第2排気脱調フラグF_EX2_OUTが設定される。具体的には、第2排気脱調フラグF_EX2_OUTは、第2排気弁駆動部で脱調が発生していると判定されたときに「1」に、それ以外のときに「0」に設定される。
次に、ステップ197に進み、以下に述べるように、最終判定処理を実行した後、動作判定処理を終了する。
以下、図24を参照しながら、上記の最終判定処理について説明する。この処理では、まず、ステップ220で、4つの脱調フラグF_IN1_OUT,F_IN2_OUT,F_EX1_OUT,F_EX2_OUTのいずれかが1であるか否かを判別する。
この判別結果がNOで、4つの弁駆動部のいずれにおいても脱調が発生していないときには、ステップ221に進み、4つの故障フラグF_IN1_NG,F_IN2_NG,F_EX1_NG,F_EX2_NGのいずれかが1であるか否かを判別する。
この判別結果がNOで、4つの弁駆動部がいずれも正常であるときには、ステップ222に進み、それを表すために、動作不良フラグF_ANY_NGを「0」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ220または221の判別結果がYESのとき、すなわち4つの弁駆動部のいずれかで故障または脱調が発生しているときには、ステップ223に進み、それを表すために、動作不良フラグF_ANY_NGを「1」に設定した後、本処理を終了する。
以下、図25を参照しながら、ECU2によって実行されるクランキング制御処理について説明する。この処理は、エンジン3の始動時にクランキングを実行するものであり、所定の制御周期(例えば10msec)で実行される。
同図に示すように、まず、ステップ130で、前述したエンジン始動フラグF_ENGSTARTが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ130の判別結果がYESのとき、すなわち、全気筒で初期化実行済みフラグF_INI_DONEが「1」に設定されていること、およびIG・SW29がスタート位置にあることなどの、エンジン3の始動条件が成立しているときには、クランキングを実行すべきであると判定して、ステップ131で、図示しないスタータを駆動することにより、クランキングを実行する。その後、本処理を終了する。
以下、図26を参照しながら、ECU2によって実行される燃料噴射制御処理および点火時期制御処理について説明する。これらの処理は、燃料噴射量、燃料噴射タイミングおよび点火時期を算出するものであり、TDC信号の発生に同期する制御周期で気筒3a毎に実行される。
同図に示すように、まず、ステップ240で、初期化実行済みフラグF_INI_DONEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、初期化制御処理を実行済みでないときには、ステップ247に進み、気筒休止処理を実行する。具体的には、燃料噴射弁6による燃料噴射、および点火プラグ7による点火をいずれも休止することで、当該気筒3aの運転を休止する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップ240の判別結果がYESのときには、ステップ241に進み、エンジン始動フラグF_ENGSTARTが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、エンジン3の始動条件が成立しているときには、ステップ242に進み、始動時の燃料噴射制御処理を実行する。この処理では、燃料噴射量および噴射タイミングがエンジン3の始動に最適な値に決定される。
次いで、ステップ243に進み、始動時の点火時期制御処理を実行する。この処理では、点火時期がエンジン3の始動に最適な値に決定される。その後、本処理を終了する。
一方、ステップ241の判別結果がNOのときには、ステップ244に進み、動作不良フラグF_ANY_NGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、4つの弁駆動部のいずれかが動作不良状態にあるときには、前述したように、ステップ247の気筒休止処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ244の判別結果がNOのときには、ステップ245に進み、通常時の燃料噴射制御処理を実行する。この処理では、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じて、図示しないマップを検索することにより、要求トルクTRQが算出され、この要求トルクTRQと、エアフローセンサ22およびLAFセンサ23の検出信号の値などに応じて、燃料噴射量および噴射タイミングが最適な値に決定される。
次いで、ステップ246に進み、通常時の点火時期制御処理を実行する。この処理では、点火時期が、エンジン3の運転状態に応じて最適な値に決定される。その後、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の制御装置1によれば、運転者による始動要求が発生した場合(ステップ1の判別結果がYESの場合)、初期化制御処理で、開側電磁石51がゼロリフト位置に駆動され、アーマチュア50が閉側電磁石41と開側電磁石51によって挟持される。そして、その状態で、閉側電磁石41が励磁されることにより、アーマチュア50が閉側電磁石41に吸着され、その後、可変リフト機構70によって、開側電磁石51が最小リフト位置に駆動される。このように、アーマチュア50が、閉側電磁石41および開側電磁石51によって挟持された状態で、閉側電磁石41に吸着されるので、従来と比べて、消費電力をより低減することができるとともに、クランキング開始時、吸気弁10が上死点位置まで移動したピストンに衝突するのを確実に回避することができる。
さらに、クランキング開始時点では、アーマチュア50が閉側電磁石41に吸着されているとともに、開側電磁石51がエンジン3の始動用の最小リフト位置まで確実に移動している状態となるので、エンジン3の良好な始動性を確保することができる。
また、回動角センサ24のゼロ点校正を、そのための格別の制御動作を必要とすることなく、初期化制御処理に付随して行うことができる。また、エンジン3のクランキングを開始する際、回動角センサ24のゼロ点校正が完了しているので、エンジン3の始動後、電磁動弁機構40を精度よく制御することができる。
さらに、この電磁動弁機構40では、閉側電磁石41が不動に構成され、開側電磁石51およびアーマチュア50が、閉側電磁石41に対して、同一軸線回りに回動自在に構成されているので、開弁用の電磁石が吸気弁の軸線方向に平行移動する従来の電磁動弁機構と比べて、機構自体を小型化することができ、それにより、設計の自由度を高めることができる。
なお、実施形態は、本願発明の制御装置1を、2つの吸気弁10および2つの排気弁11を気筒3a毎に備えた内燃機関3に適用した例であるが、本願発明の制御装置を、吸気弁および排気弁を1つずつ気筒毎に備えた内燃機関に適用してもよい。
また、実施形態は、可変リフト機構70および回動角センサ24を気筒3a毎に備えた例であるが、可変リフト機構70および回動角センサ24をいずれもエンジン3全体で1つとし、1つの可変リフト機構70により、全気筒の全吸気弁10における吸気リフトLiftを同時に変更するとともに、1つの回動角センサ24の検出信号に基づき、全気筒の吸気リフトLiftを算出するように構成してもよい。そのようにした場合、可変リフト機構70および回動角センサ24の数を減らせることで、製造コストを削減することができるとともに、制御装置1の演算負荷を低減することができる。
さらに、実施形態は、図10のステップ44および図12のステップ59,61で、閉側制御入力Isol_clを所定値Isol_iniに、開側制御入力Isol_opを値0にそれぞれ設定することにより、アーマチュア50を閉側電磁石41に吸着させ、エンジン始動前に全気筒の吸気弁10および排気弁11を閉弁状態に保持した例であるが、これに代えて、ステップ44,59,61で、閉側制御入力Isol_clを値0に、開側制御入力Isol_opを所定値Isol_iniにそれぞれ設定することにより、アーマチュア50を開側電磁石51に吸着させるように構成してもよい。
例えば、エンジン停止中も、停止時のクランク角位置CAをECU2内に記憶しておき、エンジン始動時、これに基づいて各気筒3aのピストン位置を推定し、それに応じて、吸気弁10および排気弁11の開閉状態を気筒3a毎に異なるように制御し、1燃焼サイクルでの4つの行程の異なるいずれかを気筒3a毎に実行するように構成してもよい。このようにした場合、エンジン3aの始動時間を短縮することができる。
一方、実施形態は、クランキング開始前に実行されるステップ12の初期化制御処理において、開側電磁石51をゼロリフト位置まで駆動した後、最小リフト位置に駆動した例であるが、これに代えて、この初期化制御処理において、回動角センサ24のゼロ点校正処理などを省略し、開側電磁石51をゼロリフト位置まで駆動することなく、開側電磁石51を最小リフト位置に最初から駆動するように構成してもよい。例えば、前回のエンジン始動時においてゼロ点校正値Comp_zeroを算出済みの場合、今回のエンジン始動時には、初期化制御処理において、ステップ47の始動準備処理のみを実行するように構成してもよい。
また、実施形態は、ヒンジシャフト48を介して、閉側電磁石41、アーマチュア50および開側電磁石51を互いに連結するとともに、アーマチュア50および開側電磁石51を、閉側電磁石41に対して、ヒンジシャフト48の軸線回りに回動自在に構成した例であるが、本願発明の電磁動弁機構の構成はこれに限らず、アーマチュア50および開側電磁石51が同一軸線回りに回動自在で、開側電磁石51がゼロリフト位置に回動したときに、閉側電磁石41との間にアーマチュア50を挟持する構成であればよい。例えば、アーマチュア50および開側電磁石51を、閉側電磁石41に連結することなく、シリンダヘッド3dに固定された軸に、その軸線回りに回動自在に取り付けてもよい。
また、前述した実施形態は、電磁動弁機構として吸気電磁動弁機構40および排気電磁動弁機構80を用いた例であるが、これらの電磁動弁機構40,80に代えて、図27および図28に示す電磁動弁機構100を用いてもよい。なお、以下の説明では、便宜上、図28の手前側を「左」、奥側を「右」、右側を「前」、左側を「後」、上側を「上」、下側を「下」というとともに、前述した実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
この電磁動弁機構100は、左右の吸気弁10,10(1つのみ図示)を駆動するものであり、図示しないが、前述した吸気電磁動弁機構40と同様に、左右対称に構成されている。左右の吸気弁10,10はそれぞれ、この電磁動弁機構100の左半部および右半部によって駆動される。
両図に示すように、電磁動弁機構100は、閉側電磁石110および開側電磁石120と、これらの電磁石110,120の間に配置された左右一対のアーマチュア130,130(1つのみ図示)と、2つのアーマチュア130,130をそれぞれ吸気弁10,10の閉弁方向に常時、付勢する左右一対の閉側コイルばね140,140(1つのみ図示)と、2つのアーマチュア130,130をそれぞれ吸気弁10,10の開弁方向に常時、付勢する左右一対の開側コイルばね150,150(1つのみ図示)と、吸気リフトLiftを変更する可変リフト機構160などを備えている。
閉側電磁石110(閉弁用の電磁石)は、ECU2に電気的に接続されており、ECU2からの制御入力によって励磁されると、アーマチュア130,130を吸引する。それによって、吸気弁10,10は、吸気ポートを閉鎖する閉弁位置(図28に2点鎖線で示す位置)に駆動される。この閉側電磁石110は、前述した閉側電磁石41と同様に構成されているので、その詳細な説明は省略するが、下方に突出する左右一対のヒンジ部111,111(1つのみ図示)を備えており、これらのヒンジ部111,111には、ヒンジシャフト170の両端部が固定されている。
一方、各アーマチュア130は、一部を除いて前述したアーマチュア50と同様に構成されており、平板状の本体部131と、その前端部に取り付けられたローラ132と、その後端部に一体に形成された円筒状のヒンジ部と、ヒンジ部から斜め後方に延びる4つのレバー133(1つのみ図示)などを備えている。
アーマチュア130のヒンジ部は、開側電磁石120の後述する各2つのヒンジアーム124,124の間に配置されており、その内孔には、上記ヒンジシャフト170が嵌合している。それにより、2つのアーマチュア130,130は、互いに独立してヒンジシャフト170の軸線回りに回動自在に構成されている。
また、ローラ132は、2つの電磁石110,120が非励磁状態にあるときには、2つのコイルばね140,150の付勢力によって、ラッシュアジャスタ143の上端面に当接した状態に保持される(図27参照)。さらに、レバー133の上端部は、開側コイルばね150の後述するロッド154に回動自在に連結されている。
一方、開側電磁石120(開弁用の電磁石)は、ECU2に電気的に接続されており、ECU2からの制御入力によって励磁されると、アーマチュア130,130を吸引する(図28参照)。それによって、吸気弁10,10は、吸気ポートを開放するように開弁方向に駆動される。
この開側電磁石120は、一部を除いて前述した開側電磁石51と同様に構成されており、前述したコア52と同様のコア121と、このコア121の前後に配置された前後のホルダ122,123と、左右一対のコイル(図示せず)などを備えている。この前ホルダ122の下端部には、可変リフト機構160の後述するリンク164が連結されている。
また、後ホルダ123は、その下端部から斜め後方に延びる4つのレバー124(1つのみ図示)を一体に備えている。各レバー124の中央部には、孔が形成されており、前述したヒンジシャフト170は、アーマチュア130のヒンジ部が各2つのレバー124,124の間に配置された状態で、ヒンジ部の内孔およびレバー124の孔に嵌合している。それにより、開側電磁石120は、ヒンジシャフト170を介して、閉側電磁石110に連結されているとともに、2つのアーマチュア130,130に対して独立した状態で、ヒンジシャフト170の軸線回りに回動可能に構成されている。
さらに、各2つのレバー124,124の上端部は、開側コイルばね150の後述する後ばね座155に回動自在に連結されている。
一方、前述した各閉側コイルばね140(付勢手段)は、上ばね座141と下ばね座142との間に圧縮状態で収容されており、この上ばね座141は、前述した上ばね座61と同様に、フランジ状で、吸気弁10のステム10aの上端部に連結されている。また、下ばね座142は、シリンダヘッド3dの一部に形成されたものであり、吸気弁10の軸線方向に延びる孔を有している。この下ばね座142の孔には、ガイド10bが抜け止め状態で嵌合している。
さらに、吸気弁10の上側には、ラッシュアジャスタ143が設けられている。このラッシュアジャスタ143は、円柱状に形成され、吸気弁10と同軸に摺動可能な状態で、シリンダヘッド3dの孔に嵌合している。このラッシュアジャスタ143は、2つのコイルばね140,150の付勢力によって、その上端面および下端面がそれぞれ、アーマチュア130のローラ132および吸気弁10のステム10aに常に当接するように保持されている。
さらに、ラッシュアジャスタ143の上側には、オイルダンパ144が設けられている。吸気弁10の着座時、アーマチュア130の移動速度がオイルダンパ144で低減されることによって、着座ショックが緩衝される。
一方、前述した各開側コイルばね150(付勢手段)は、閉側電磁石110上のガイド151の内孔に通されているとともに、前ばね座152と後ばね座155の間に圧縮状態で収容されている。前ばね座152は、円盤153およびロッド154を一体に形成したものであり、このロッド154は、円盤153の中心部から後ばね座155の貫通孔(図示せず)を通って後方に延び、その後端部が、図示しないピンを介して、アーマチュア130のレバー133,133に連結されている。
また、後ばね座155は、ピンを介して、前述した各2つのレバー124,124の上端部に回動自在に連結されている。
一方、図27に示すように、前述した可変リフト機構160(変更機構)は、リフトアクチュエータ161、コントロールシャフト162およびリンク164などを備えている。このリフトアクチュエータ161は、前述したリフトアクチュエータ71と同様に、電動機および図示しないギヤ機構を組み合わせたものであり、ECU2から制御入力が供給されると、それに伴って、コントロールシャフト162をその軸線回りに回動させる。
このコントロールシャフト162は、一対のリンクアーム163,163(1つのみ図示)を一体に備えており、各リンクアーム163は、ピンを介して、リンク164の下端部に回動自在に連結されている。また、リンク164の上端部は、ピンを介して、開側電磁石120の前ホルダ122の下端部に連結されている。
以上の可変リフト機構160では、ECU2からの制御入力によって、リフトアクチュエータ161がコントロールシャフト162を軸線回りに回動させると、それに伴って、開側電磁石120がヒンジシャフト170の軸線回りに回動する。
その場合、開側電磁石120が図27の反時計回りに回動し続けると、アーマチュア130を介して閉側電磁石110に当接し、それにより、開側電磁石120は、アーマチュア130を閉側電磁石110との間に面接触状態で挟持するゼロリフト位置(図示せず)に係止される。一方、開側電磁石120が図27の時計回りに回動し続けると、図示しないストッパに当接することにより、開側電磁石120は、その前端部が閉側電磁石110から最も離間する最大リフト位置(図28(a)に示す位置)に係止される。すなわち、開側電磁石120の回動可能範囲は、ゼロリフト位置と最大リフト位置との間に規制される。
以上のように構成された電磁動弁機構100では、2つの電磁石110,120が非励磁状態にある場合、2つのコイルばね140,150の付勢力により、アーマチュア130が中立位置(図27に示す位置)に保持される。その状態から、閉側電磁石110がECU2からの制御入力によって励磁されると、閉側電磁石110は、開側コイルばね150の付勢力に抗しながら、アーマチュア130を吸引し、それにより、吸気弁10を閉弁させる。そして、閉側電磁石110が励磁されている限り、アーマチュア130が閉側電磁石110に吸着されることで、吸気弁10が閉弁状態に保持されるとともに、閉側電磁石110が非励磁状態になると、開側コイルばね150の付勢力により、アーマチュア130が中立位置側に移動する。
一方、開側電磁石120がECU2からの制御入力によって励磁されると、開側電磁石120は、閉側コイルばね140の付勢力に抗しながら、アーマチュア130を吸引し、それにより、吸気弁10を開弁させる。そして、開側電磁石120が励磁されている限り、アーマチュア130が開側電磁石120吸着されることで、吸気弁10が開弁状態に保持されるとともに、開側電磁石120が非励磁状態になると、閉側コイルばね140の付勢力により、アーマチュア130が中立位置側に移動する。
したがって、この電磁動弁機構100によれば、2つの電磁石110,120の励磁・非励磁タイミングを変更することによって、前述した電磁動弁機構40,80と同様に、吸気弁10の開閉時期および吸気リフトLiftを自在に変更することができる。具体的には、吸気弁10を、図7に示すリフト曲線で開閉するように駆動できるとともに、その吸気リフトLiftを示す期間を自在に変更できる。これに加えて、開側電磁石120を、最大リフト位置とゼロリフト位置との間で駆動することにより、吸気リフトLiftを、その最大値Liftin_Hと値0の間で変更することができる。
また、前述したような通常制御中には、開側電磁石120は、上記最大リフト位置と図28(b)に示す最小リフト位置との間で駆動され、この最小リフト位置では、吸気弁10は、図7の破線で示すリフト曲線で開弁し、吸気リフトLiftが、前述した最小値Lift_Lを示す。この最小値Lift_Lは、前述したように、2つの電磁石110,120が非励磁状態にある場合でも、吸気弁10が上死点にあるピストン3bに当接しないような値に設定されている。
一方、この電磁動弁機構100にも、図示しないフェイルセーフ機構が設けられており、このフェイルセーフ機構により、電磁動弁機構100が故障しているときには、開側電磁石120が上記最小リフト位置に強制的に駆動され、その位置に保持される。
以上のように、この電磁動弁機構100を用いた場合でも、前述した電磁動弁機構40,80を用いた場合と同様の前述した作用効果を得ることができる。これに加えて、電磁動弁機構40では、開側コイルばね65が吸気弁10と同一軸線上でその上側に配置されているのに対して、この電磁動弁機構100では、開側コイルばね150が閉側電磁石110の上方に配置されているので、電磁動弁機構100における吸気弁10の上側の部分を小型化でき、設計上の自由度をさらに高めることができる。
本願発明の一実施形態に係る制御装置が適用された電磁動弁機構およびこれを備えた内燃機関の概略構成を示す図である。 制御装置の概略構成を示すブロック図である。 吸気電磁動弁機構の概略構成を示す断面図である。 吸気電磁動弁機構の一部の概略構成を示す分解斜視図である。 リフトアクチュエータの一部および開側電磁石の概略構成を示す分解斜視図である。 (a)吸気電磁動弁機構の開側電磁石が最大リフト位置にあるときの吸気弁の開弁状態と(b)最小リフト位置にあるときの吸気弁の開弁状態を示す図である。 吸気弁のリフト曲線を示す図である。 動弁機構制御処理を示すフローチャートである。 第1吸気制御処理を示すフローチャートである。 初期化制御処理を示すフローチャートである。 目標リフトLift_cmdの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。 始動準備処理を示すフローチャートである。 通常制御処理を示すフローチャートである。 目標リフトLift_cmdの算出に用いるマップの一例を示す図である。 コイル温度Tcoilの算出処理を示すフローチャートである。 制御入力の算出処理を示すフローチャートである。 制限値Lift_lmtの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。 ソレノイド制御入力Isolの算出処理を示すフローチャートである。 動作不良時制御処理を示すフローチャートである。 復帰制御処理を示すフローチャートである。 復帰判定処理を示すフローチャートである。 動作判定処理を示すフローチャートである。 第1吸気脱調判定処理を示すフローチャートである。 最終判定処理を示すフローチャートである。 クランキング制御処理を示すフローチャートである。 燃料噴射制御処理および点火時期制御処理などを示すフローチャートである。 電磁動弁機構の変形例の概略構成を示す断面図である。 (a)電磁動弁機構の開側電磁石が最大リフト位置にあるときの吸気弁の開弁状態と(b)最小リフト位置にあるときの吸気弁の開弁状態を示す図である。
符号の説明
1 制御装置
2 ECU(始動要求判定手段、変更機構駆動手段、位置検出手段、電磁石制御手
段、校正手段、許可手段)
3 内燃機関
10 吸気弁
11 排気弁
24 回動角センサ(位置検出手段)
40 電磁動弁機構
41 閉側電磁石(閉弁用の電磁石)
50 アーマチュア
51 開側電磁石(開弁用の電磁石)
60 閉側コイルばね(付勢手段)
65 開側コイルばね(付勢手段)
70 可変リフト機構(変更機構)
100 電磁動弁機構
110 閉側電磁石(閉弁用の電磁石)
120 開側電磁石(開弁用の電磁石)
130 アーマチュア
140 閉側コイルばね(付勢手段)
150 開側コイルばね(付勢手段)
160 可変リフト機構(変更機構)
Lift 吸気弁のリフト(一方の弁のリフト)

Claims (5)

  1. 内燃機関の吸気弁および排気弁の少なくとも一方の弁の閉弁用および開弁用の2つの電磁石が非励磁状態のときにアーマチュアを付勢手段によって当該2つの電磁石の間に保持し、当該2つの電磁石の励磁・非励磁状態の切り換えにより当該2つの電磁石の間で前記アーマチュアを往復動させることによって、前記一方の弁を開閉駆動し、前記閉弁用の電磁石に対する前記開弁用の電磁石の位置を変更機構で変更することによって、前記一方の弁のリフトを変更するとともに、当該開弁用の電磁石の位置が前記閉弁用の電磁石に近づくように変更されるのに伴い、前記付勢手段によって保持される前記アーマチュアの位置が前記閉弁用の電磁石に近づくように変更される電磁動弁機構の制御装置であって、
    前記内燃機関の始動要求が発生したか否かを判定する始動要求判定手段と、
    当該始動要求判定手段によって前記始動要求が発生したと判定されたときに、前記変更機構を駆動することにより、前記開弁用の電磁石を、前記閉弁用の電磁石に向かって、前記一方の弁の前記リフトが所定の最小値になるような低リフト位置に移動させる変更機構駆動手段と、
    前記閉弁用の電磁石に対する前記開弁用の電磁石の位置を検出する位置検出手段と、
    当該位置検出手段の検出結果に基づき、前記開弁用の電磁石が前記低リフト位置に移動したときに、前記閉弁用の電磁石に電力を供給することにより、前記アーマチュアを当該閉弁用の電磁石に吸着させる電磁石制御手段と、
    を備え、
    前記変更機構駆動手段は、前記アーマチュアが前記閉弁用の電磁石に吸着された後、前記変更機構を駆動することにより、前記開弁用の電磁石を前記内燃機関の始動用の位置に移動させることを特徴とする電磁動弁機構の制御装置。
  2. 前記低リフト位置は、前記一方の弁が閉弁状態に保持されるゼロリフト位置であり、前記開弁用の電磁石が当該ゼロリフト位置にあるときに、前記アーマチュアは、前記閉弁用および開弁用の電磁石によって挟持されることを特徴とする請求項1に記載の電磁動弁機構の制御装置。
  3. 前記開弁用の電磁石が前記ゼロリフト位置に移動するときに、前記位置検出手段のゼロ点校正を行う校正手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の電磁動弁機構の制御装置。
  4. 前記位置検出手段の検出結果に基づき、前記開弁用の電磁石が前記始動用の位置に移動したときに、前記内燃機関のクランキングを許可する許可手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電磁動弁機構の制御装置。
  5. 前記閉弁用の電磁石は不動に構成され、
    前記開弁用の電磁石および前記アーマチュアは、前記閉弁用の電磁石に対して、同一軸線回りに回動自在に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電磁動弁機構の制御装置。
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