JP2008285494A - 5−ハロゲノインドールの製法 - Google Patents

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繁栄 西野
Kenji Hirotsu
健二 弘津
Shuji Yokoyama
修司 横山
Takeshi Takahashi
高橋  毅
Hiroyuki Oda
広行 小田
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Abstract

【課題】本発明は、簡便な方法にて、入手が容易な2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルから5-ハロゲノインドールを高収率で得る、工業的に好適な5-ハロゲノインドールの製法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の課題は、(A)2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルを脱炭酸させて、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドとする第一工程、(B)次いで、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドを、触媒の存在下で、水素を吹き込みながら環化させる第二工程、を含んでなることを特徴とする、5-ハロゲノインドールの製法により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、5-ハロゲノインドールの新規な製法に関する。5-ハロゲノインドールは、医薬、農薬等の中間原料として有用な化合物であり、特に、5-フルオロインドールは、抗生物質等の医薬品の合成中間体となり得る化合物である。
従来、5-ハロゲノインドールの製法としては、以下の文献が開示されている。<1>Heterocycles,22,195(1984);N,N-ジメチルホルムアミド中、5-ハロゲノ-2-ニトロトルエンにN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを反応させて5-ハロゲノ-β-ジメチルアミノ-2-ニトロスチレンを生成させた後、次いで、水素雰囲気下、ラネーニッケルで還元・環化させて5-ハロゲノインドールを製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、5-ハロゲノ-2-ニトロトルエンからの目的物の収率が低い(5-フルオロインドールで46.9%、5-クロロインドールで68.6%)という問題があった。<2>J.Chem.Soc.,1959,1913;カリウムの存在下、ジエチルエーテルとエタノールの混合溶媒中で、5-フルオロ-2-ニトロトルエンにシュウ酸ジエチルを反応させて5-フルオロ-2-ニトロフェニルピルビン酸カリウムを生成させた後、次いで、これに、アンモニア水及び硫酸鉄を加えて反応させ、得られた固体を酸性条件下で加熱することによって、5-フルオロインドールを製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、5-フルオロ-2-ニトロトルエン目的物の収率が15%と低いという問題があった。<3>J.Heterocycl.Chem.,2,298(1965);テトラクロロメタン溶媒中で、m-フルオロトルエンにN-ブロモスクシンイミドを反応させてm-フルオロベンジルブロマイドとし、次いで、これに、水とエタノールの混合溶媒中で、シアン化カリウムを反応させてm-フルオロベンジルシアニドを生成させ、その後、これを硝酸等でニトロ化して2-ニトロ-5-フルオロベンジルシアニドとなし、更に、これを水素雰囲気下、パラジウム/炭素で還元・環化させて5-ハロゲノインドールを製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、m-フルオロトルエンからの目的物の収率が21%と低いという問題があった。いずれの製法も反応系が複雑であったり、収率が低い等の種々の問題点を含んでおり、工業的な製法としては不利であった。
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、簡便な方法にて、入手が容易な2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルから5-ハロゲノインドールを高収率で得る、工業的に好適な5-ハロゲノインドールの製法を提供するものである。
本発明の課題は、(A)一般式(1)
Figure 2008285494
(式中、Rは、炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す。)で示される2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルを脱炭酸させて、一般式(2)
Figure 2008285494
(式中、Xは、前記と同義である。)で示される5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドとする第一工程、(B)次いで、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドを還元条件下で環化させる第二工程、を含んでなることを特徴とする、一般式(3)
Figure 2008285494
(式中、Xは、前記と同義である。)で示される5-ハロゲノインドールの製法。
本発明により、簡便な方法にて、入手が容易な2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルから5-ハロゲノインドールを高収率で得る、工業的に好適な5-ハロゲノインドールの製法を提供することが出来る。
本発明は、(A)一般式(1)で示される2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルを脱炭酸させて、一般式(2)で示される5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドとする第一工程、(B)次いで、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドを還元条件下で環化させる第二工程、を含んでなる二つの工程によって5-ハロゲノインドールを反応生成物として得るものである。
引き続き、前記の二つの工程を順次説明する。
(A)第一工程
本発明の第一工程は、一般式(1)で示される2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルを脱炭酸させて、一般式(2)で示される5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドを得る工程である。
本発明の第一工程で使用される2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルは、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Rは、炭化水素基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントラニル基等のフェニル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
本発明の第一工程は、一般的に行われる脱炭酸方法であれば特に限定されないが、酸の存在下で行うのが好ましい。
前記酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;メタンスルホン酸、酢酸等の有機酸が挙げられるが、好ましくは無機酸、更に好ましくは塩酸が使用される。なお、これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記酸の使用量は、2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステル1molに対して、好ましくは1〜20mol、更に好ましくは5〜10molである。
本発明の第一工程は、溶媒の存在下で反応させるのが好ましく、使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくは水、アルコール類、更に好ましくは水、メタノール、エタノールが使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、溶液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステル1gに対して、好ましくは2〜100g、更に好ましくは4〜50gである。
本発明の第一工程は、例えば、2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステル、酸及び溶媒を混合して攪拌させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは5〜110℃、更に好ましくは20〜100℃であり、反応圧力は特に制限されない。
本発明の第一工程によって5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドが得られるが、これは、例えば、反応終了後、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって一旦単離・精製して第二工程に使用しても良いが、単離・精製を行わずに第二工程に使用しても構わない。
(B)第二工程
本発明の第二工程は、第一工程で得られた5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドを還元条件下で環化させて、5-ハロゲノインドールを得る工程である。
本発明の第二工程は、一般的に行われる還元方法であれば特に限定されないが、触媒の存在下、水素雰囲気で行うのが好ましい。
前記触媒としては、パラジウム、白金、ニッケルからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を含むものであり、具体的には、例えば、パラジウム/炭素、パラジウム/硫酸バリウム、水酸化パラジウム/炭素、白金/炭素、パラジウム-白金/炭素、酸化白金、ラネーニッケル等が挙げられるが、好ましくはパラジウム/炭素、ラネーニッケルが使用される。なお、これらの触媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記触媒の使用量は、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドに対して、金属原子換算で、好ましくは0.01〜10質量%、更に好ましくは0.05〜1質量%である。
本発明の第二工程は、溶媒中で反応させるのが好ましく、使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくはアルコール類、カルボン酸エステル類、更に好ましくはメタノール、エタノール、酢酸エチルが使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、溶液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニド1gに対して、好ましくは1〜50g、更に好ましくは3〜30gである。
本発明の第二工程は、例えば、水素雰囲気にて(不活性ガスで希釈されていても良い)、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニド、触媒及び溶媒を混合して、攪拌させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜120℃、更に好ましくは20〜60℃であり、反応圧力は、好ましくは0.1〜5MPa、更に好ましくは0.1〜2MPaである。
また、必要に応じて、反応性を高めるために酸や活性炭を加えても良く、酸としては、具体的には、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸が挙げられるが、好ましくは有機酸、更に好ましくは酢酸が使用される。なお、これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、又、酸と活性炭を同時に使用しても構わない。
前記酸の使用量は、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニド1molに対して、好ましくは0.01〜20mol、更に好ましくは0.1〜5.0molである。
前記活性炭の使用量は、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニド1gに対して、好ましくは0.01〜10g、更に好ましくは0.1〜5.0gである。
本発明の第二工程によって5-ハロゲノインドールが得られるが、これは、例えば、反応終了後、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって単離・精製される。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
参考例1
(2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチルの合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、ナトリウムメトキシド4.62g(83.8mmol)及びジメチルスルホキシド20mlを加え、次いで、室温で攪拌しながら、純度99%のシアノ酢酸メチル8.37g(83.8mmol)を10分間かけてゆるやかに滴下した。反応液の温度を20〜30℃に保ちながら、純度98%の2,4-ジフルオロニトロベンゼン6.76g(41.6mmol)を1時間かけてゆるやかに滴下した後、同温度で6時間反応させた。反応終了後、氷浴で反応液の温度を10℃以下に保ちながら、トルエン10mlを加え、1mol/l塩酸41.9ml(41.19mmol)をゆるやかに滴下した。次いで、有機層を分離し、水50ml、飽和食塩水50mlの順で洗浄して、有機層を減圧下で濃縮した。得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶媒:トルエン)で精製し、白色結晶として、純度99.4%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチル7.98gを得た(2,4-ジフルオロニトロベンゼン基準の単離収率:80.0%)。2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチルの物性値は以下の通りであった。
融点;43〜44℃
EI-MS(m/e);192(M-NO2)、CI-MS(m/e);239(M+1)
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));3.88(3H,s)、5.71(1H,s)、7.3〜7.4(1H,m)、7.45〜7.55(1H,m)、8.3〜8.4(1H,m)
実施例1
(5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニドの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、参考例1で合成した純度99.4%の2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチル7.98g(33.3mmol)、6mol/l塩酸33ml及びメタノール33mlを加え、85℃まで昇温して9時間反応させた。反応終了後、反応液を氷浴で0〜10℃まで冷却して30分間攪拌して結晶を析出させた。析出して来た結晶を濾過した後、メタノール/水混合溶媒(=2/1(容量比))67ml中に加え、液温を70℃まで昇温させて結晶を完全に溶解させた後、再び反応液を氷浴で0〜10℃まで冷却して30分間攪拌して結晶を析出させた。析出して来た結晶を濾過した後に減圧下で乾燥させ、白色結晶として、純度99.0%(高速液体クロマトグラフィーによる定量値)の5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド4.85gを得た(2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチル基準の単離収率:80.1%)。5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニドの物性値は以下の通りであった。
融点;65〜66℃
EI-MS(m/e);180(M+)、CI-MS(m/e);181(M+1)
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));4.21(2H,s)、7.23〜7.28(1H,m)、7.46〜7.49(1H,m)、8.26〜8.31(1H,m)
実施例2
(5-フルオロインドールの合成)
攪拌装置、温度計、還流冷却器及びガス導入管を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、実施例1で合成した純度99.0%の5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド4.85g(26.7mmol)及びメタノール60mlを加えた。次いで、反応液の温度を40〜45℃まで昇温して、攪拌しながら5質量%パラジウム/炭素(49%含水品)0.5gを加え、常圧にて水素を流速15.0ml/min.で吹き込みながら、同温度で3時間反応させた。その後、一旦、反応系内をアルゴン雰囲気にした後、再び5質量%パラジウム/炭素(49%含水品)0.5gを追加し、常圧にて水素を流速15.0ml/min.で吹き込みながら、同温度で更に3時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶媒:トルエン)で精製し、白色結晶として、純度99.5%(高速液体クロマトグラフィーによる定量値)の5-フルオロインドール2.89gを得た(5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド基準の単離収率:79.8%)。5-フルオロインドールの物性値は以下の通りであった。
融点;47〜48℃
EI-MS(m/e);135(M+)、CI-MS(m/e);136(M+1)
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));6.50(1H,s)、6.91〜6.98(1H,m)、7.23〜7.32(3H,m)、8.23(1H,brs)
参考例2
(2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチルの合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、ナトリウムメトキシド5.08g(92.2mmol)及びジメチルスルホキシド20mlを加え、次いで、室温で攪拌しながら、純度99%のシアノ酢酸メチル9.21g(92.2mmol)を10分間かけてゆるやかに滴下した。反応液の温度を-15〜-10℃に保ちながら、純度98%の2,4-ジフルオロニトロベンゼン6.80g(41.9mmol)を1時間かけてゆるやかに滴下した後、同温度で2時間反応させた。反応終了後、氷浴で反応液の温度を10℃以下に保ちながら、酢酸エチル50mlを加え、1mol/l塩酸50.3ml(50.3mmol)をゆるやかに滴下した。次いで、有機層を分離し、水50ml、飽和食塩水50mlの順で洗浄して、有機層を減圧下で濃縮し、油状黄色液体として、純度69.8%の2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチル13.55gを得た(2,4-ジフルオロニトロベンゼン基準の単離収率:94.7%)。
実施例3
(5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニドの合成)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、参考例2で合成した純度69.8%の2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチル13.55g(39.7mmol)、3mol/l塩酸79ml及びメタノール39mlを加え、85℃まで昇温して9時間反応させた。反応終了後、反応液を氷浴で0〜10℃まで冷却して30分間攪拌して結晶を析出させた。析出して来た結晶を濾過した後、メタノール/水混合溶媒(=2/1(容量比))27ml中に加え、液温を70℃まで昇温させて結晶を完全に溶解させた後、再び反応液を氷浴で0〜10℃まで冷却して30分間攪拌して結晶を析出させた。析出して来た結晶を濾過した後に減圧下で乾燥させ、白色結晶として、純度99.2%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド6.27gを得た(2-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸メチル基準の単離収率:87.0%)。
実施例4
(5-フルオロインドールの合成)
攪拌装置、温度計、還流冷却器及びガス導入管を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、実施例3で合成した純度99.2%の5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド6.27g(34.5mmol)及びメタノール40mlを加えた。次いで、反応液の温度を40〜45℃まで昇温して、攪拌しながら5質量%パラジウム/炭素(49%含水品)0.6gを加え、常圧にて水素を流速20.0ml/min.で吹き込みながら、同温度で3時間反応させた。その後、一旦、反応系内をアルゴン雰囲気にした後、再び5質量%パラジウム/炭素(49%含水品)0.6gを追加し、常圧にて水素を流速20.0ml/min.で吹き込みながら、同温度で更に3時間反応させた。反応終了後、反応液に活性炭0.5gを加え、70℃まで昇温し攪拌した。次いで、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた濃縮液をメタノール6mlに溶解させ、0〜10℃の冷水33ml中にゆるやかに加えて結晶を析出させた。結晶を濾過後、減圧下で乾燥させ、白色結晶として、純度99.5%(高速液体クロマトグラフィーによる定量値)の5-フルオロインドール4.20gを得た(5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド基準の単離収率:89.8%)。
実施例5
(5-フルオロインドールの合成)
攪拌装置、温度計、還流冷却器及びガス導入管を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、実施例1と同様な方法で合成した純度99.0%の5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド4.85g(26.7mmol)、メタノール60ml及び酢酸0.45ml(26.6mmol)を加えた。次いで、反応液の温度を40〜45℃まで昇温して、攪拌しながら5質量%パラジウム/炭素(49%含水品)0.5gを加え、常圧にて水素を流速15.0ml/min.で吹き込みながら、同温度で10時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を高速液体クロマトグラフィーにより分析(絶対定量法)したところ、5-フルオロインドールが3.49g生成していた(5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド基準の反応収率:95.0%)。
実施例6
(5-フルオロインドールの合成)
攪拌装置、温度計、還流冷却器及びガス導入管を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、実施例1と同様な方法で合成した純度99.0%の5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド5.00g(27.5mmol)、メタノール30ml及び活性炭(武田薬品社製:白鷺A)3.0gを加えた。次いで、反応液の温度を40〜45℃まで昇温して、攪拌しながら5質量%パラジウム/炭素(49%含水品)0.5gを加え、常圧にて水素を流速15.0ml/min.で吹き込みながら、同温度で10時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を高速液体クロマトグラフィーにより分析(絶対定量法)したところ、5-フルオロインドールが3.49g生成していた(5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド基準の反応収率:94.0%)。
実施例7
(5-フルオロインドールの合成)
攪拌装置、温度計及びガス導入管を備えた内容積100mlの耐圧容器に、アルゴン雰囲気下、実施例1と同様な方法で合成した純度99.0%の5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド5.00g(27.5mmol)、メタノール30ml及び5質量%パラジウム/炭素(49%含水品)0.5gを加えた。次いで、反応系内を水素で置換した後、反応液の温度を55〜60℃まで昇温し、水素圧を0.9MPa(ゲージ圧)として、同温度で10時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を高速液体クロマトグラフィーにより分析(絶対定量法)したところ、5-フルオロインドールが3.42g生成していた(5-フルオロ-2-ニトロベンジルシアニド基準の反応収率:92.0%)。

Claims (7)

  1. (A)一般式(1)
    Figure 2008285494

    (式中、Rは、炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す。)で示される2-(5-ハロゲノ-2-ニトロフェニル)-2-シアノ酢酸エステルを脱炭酸させて、一般式(2)
    Figure 2008285494

    (式中、Xは、前記と同義である。)で示される5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドとする第一工程、(B)次いで、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドを、触媒の存在下で、水素を吹き込みながら環化させる第二工程、を含んでなることを特徴とする、一般式(3)
    Figure 2008285494

    (式中、Xは、前記と同義である。)で示される5-ハロゲノインドールの製法。
  2. 第二工程を、常圧にて行う、請求項1記載の5-ハロゲノインドールの製法。
  3. 第二工程を、酸及び/又は活性炭を加えて行う、請求項1又は2記載の5-ハロゲノインドールの製法。
  4. 第一工程を、酸の存在下で行う請求項1〜3のいずれか1項記載の5-ハロゲノインドールの製法。
  5. 触媒が、パラジウム、白金及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子を含むものである請求項1〜4のいずれか1項記載の5-ハロゲノインドールの製法。
  6. 触媒の使用量が、5-ハロゲノ-2-ニトロベンジルシアニドに対して、金属原子換算で、0.05〜1質量%である、請求項5記載の5-ハロゲノインドールの製法。
  7. Xがフッ素原子である請求項1〜6のいずれか1項記載の5-ハロゲノインドールの製法。
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