JP2008285303A - 巻芯、巻芯の製造方法及び巻芯の再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易であり、安価にてリサイクルが可能な薄膜フィルム、或いは、薄いシート材料を巻き取るための巻芯、並びに、このような巻芯の製造方法、及び、使用済み巻芯の再生方法を提供する。
【解決手段】強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材2と、その表面層を形成する熱収縮管3とを備えた巻芯1であって、表面層を形成する熱収縮管3は、PVC製の熱収縮管であって、熱収縮後の肉厚tが0.2mm〜4.5mmとされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光フィルムや磁気フィルムなどの薄膜フィルム、更には、薄いシート材料を巻き取るための巻芯、並びに、このような巻芯の製造方法、及び、使用済み巻芯の再生方法に関する。
従来、液晶パネルに使用される偏光フィルムや、オーディオ、ビデオテープ用の磁気フィルムなどの薄膜フィルム、或いは、薄いシート材料を巻き取るための巻芯は、紙で作られたもの、すなわち、紙管が広く使用されている。
しかし、近年、上記薄膜フィルム等は高速で巻き取ることが希求され、紙以外にガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチックなどの繊維強化プラスチック(繊維強化複合材)で作製された巻芯が提案されている。
繊維強化プラスチックの中でも、特に、炭素繊維強化プラスチックが最も剛性が高く、高速巻取りに適している。
しかし、炭素繊維強化プラスチック製の巻芯は、成型後、高速巻取り精度を出すために仕上げ加工により表面を削ることが必要とされる。表面仕上げ加工時には、炭素繊維の発塵があり、作業環境を汚染する虞がある。
そのため、従来、表面仕上げ加工時の炭素繊維の発塵防止、環境汚染防止のために、成型された巻芯の表面を塗装することが行われてきた。
しかしながら、このような表面塗装によれば、一般には、塗装表面層の厚さは薄くしかできない。
このため、精度出しが可能な仕上げ加工ができる程度の厚さまで、塗装、熱処理による硬化作業を何回か繰り返すことが必要とされ、時間と手間が掛かり、コスト高となっていた。それでも、塗装膜厚さは100μm程度が限度である。
また、巻芯は、使用により表面が損傷したり、変形や摩耗により、巻取り時にしわが発生するようになり、使用できなくなる。
しかし、炭素繊維強化プラスチック製の巻芯は、高価なため再研磨して繰り返し使用することが望まれる。ただ、長期間使用した巻芯は、再研磨では対応できないため、再塗装してリサイクルを行っている。しかし、この場合、高精度に削って、コーティング、熱処理による硬化、仕上げ削り(研磨)が必要となり、時間と手間が掛かり、コスト高となってしまう。
例えば特許文献1は、各種芯材の上に樹脂をコーティングすることを提案しているが、厚塗りコーティングに大掛かりな設備が必要であり、また、時間の掛かる厚塗りコーティングと熱処理による硬化が必要で、時間と手間の掛かる工程が余儀なくされる。
また、特許文献2には、紙管に筒状の熱収縮フィルムを熱収縮させて紙管の表面に密着させることが提案されている。
しかし、紙管は、剛性が弱く、フィルム等の高速巻取りに使用するのは、困難である。また、筒状の熱収縮フィルム(熱収縮管)として使用されている厚さが50μm〜120μmのポリエチレンテレフタレートフィルムは、衝撃に弱い。また、熱収縮管の取り替えも可能ではあるが、熱収縮管を取り替える時に、紙管をカッターで傷つけてしまい、使えなくなると言ったこともある。
また、ポリエチレンテレフタレートは、例えば、高速巻き取り用の炭素繊維強化プラスチック製巻芯の表面に設けた場合には、高速巻取り時に大きな荷重が加わった時、炭素繊維強化プラスチック管との間で破損することがあった。
このように、特許文献2に記載するような厚さが50μm〜120μmでは薄過ぎて、剛性が低く、破損しやすかった。その上、薄いため、傷ついた場合に再研削、再研磨ができないという問題があった。
特許文献3に開示する巻芯では、最内層に内径精度を上げるためにクロスプリプレグを用いているが、クロスプリプレグは、高価なことと、樹脂が含浸されているために、作業時において保護フィルムと離型紙とを剥ぐ等の作業が必要となり、作業性の悪さが問題であった。
特開2001−226039号公報 特開2004−91099号公報 特公平3−8938号公報
そこで、本発明の目的は、製造が容易であり、安価にてリサイクルが可能な薄膜フィルム、或いは、薄いシート材料を巻き取るための巻芯、並びに、このような巻芯の製造方法、及び、使用済み巻芯の再生方法を提供することにある。
上記目的は本発明に係る巻芯、巻芯の製造方法、及び、使用済み巻芯の再生方法にて達成される。要約すれば、第1の本発明によれば、強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備えた巻芯であって、
前記表面層を形成する前記熱収縮管は、PVC製の熱収縮管であって、熱収縮後の肉厚が0.2mm〜4.5mmとされることを特徴とする巻芯が提供される。好ましくは、前記熱収縮管は、熱収縮後の肉厚が1.0mm〜4.5mmとされる。
第1の本発明の一実施態様によれば、前記芯材と前記熱収縮管との間に接着剤層を設ける。
他の実施態様によれば、前記芯材の内層として、強化繊維としてガラススクリムクロスを使用した繊維強化プラスチック層を設ける。
他の実施態様によれば、前記繊維強化プラスチックは、強化繊維が炭素繊維である炭素繊維強化プラスチックである。他の実施態様によれば、前記繊維強化プラスチックは、強化繊維として、更に、ガラス繊維又はアラミド繊維のいずれかを単独で、又は、複数種混入して含む。また、前記繊維強化プラスチックに使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、又は、フェノール樹脂である。
本発明の前記巻芯は、厚さが1〜200μmとされる薄膜フィルム又はシート材を巻き取るための巻芯である。
第2の本発明によれば、強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備えた巻芯の製造方法であって、
(a)炭素繊維を含む繊維強化プラスチック管を作製して前記芯材を形成し、
(b)前記繊維強化プラスチック管にPVC製の熱収縮管を被せ、熱収縮させて密着させ、その後、
(c)前記熱収縮管の表面を研磨して、研磨後の前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとする、
ことを特徴とする巻芯の製造方法が提供される。
第3の本発明によれば、強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備えた巻芯の製造方法であって、
(a)炭素繊維を含む繊維強化プラスチック管を作製して前記芯材を形成し、
(b)前記繊維強化プラスチック管を研磨し、その後、
(c)前記芯材としての前記研磨された繊維強化プラスチック管にPVC製の熱収縮管を被せ、熱収縮させて密着させ、熱収縮後の前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとする、
ことを特徴とする巻芯の製造方法が提供される。前記工程(c)にて、熱収縮後の前記熱収縮管の表面を研磨して、前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとすることができる。
第2及び第3の本発明にて、一実施態様によれば、前記繊維強化プラスチック管と前記熱収縮管との間に接着剤を設ける。
第2及び第3の本発明にて、他の実施態様によれば、前記工程(a)にて、前記繊維強化プラスチック管は、樹脂が含浸された強化繊維をフィラメントワインディングにて芯金に巻き付けることにより作製される。
第2及び第3の本発明にて、他の実施態様によれば、前記工程(a)の前に、目付量10g/m2〜90g/m2のガラススクリムクロスを芯金に巻き付けて固定し、その後に、前記工程(a)を実施する。
第4の本発明によれば、強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備え、前記芯材と前記熱収縮管との間に接着剤層がない巻芯の再生方法であって、
(a)使用済みの前記巻芯の表面の前記熱収縮管を除去し、
(b)前記熱収縮管が除去された前記繊維強化プラスチック管にPVC製の熱収縮管を被せ、熱収縮させて密着させ、熱収縮後の前記熱収縮管の肉厚が0.2mm〜4.5mmとされる、
ことを特徴とする巻芯の再生方法が提供される。前記工程(b)にて、熱収縮後の前記熱収縮管の表面を研磨して、前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとすることができる。
第5の本発明によれば、強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備え、前記芯材と前記熱収縮管との間に接着剤層がある巻芯の再生方法であって、
(a)使用済みの前記巻芯の表面の前記熱収縮管を除去し、
(b)前記熱収縮管が除去され、露出した前記繊維強化プラスチック管の表面を研磨し、その後、
(c)前記繊維強化プラスチック管にPVC製の熱収縮管を被せ、熱収縮させて密着させ、次いで、
(d)前記熱収縮管の表面を研磨して、研磨後の前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとする、
ことを特徴とする巻芯の再生方法が提供される。
本発明の巻芯は、製造が容易であり、安価にてリサイクルが可能である。また、薄膜フィルム、或いは、薄いシート材料をしわを発生することなく巻き取ることができる。また、本発明の巻芯の製造方法、及び、使用済み巻芯の再生方法によれば、従来に比して、作業の手間が掛からず、製造コストを低減することができ、リサイクルコストも低く抑えることができる。
以下、本発明に係る巻芯、巻芯の製造方法、及び、使用済み巻芯の再生方法を図面に則して更に詳しく説明する。
実施形態1
図1に、本発明に係る巻芯の一実施形態を示す。本実施形態において、巻芯1は、強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチック(繊維強化複合材)で作製された管状の芯材2と、その表面層を形成する筒状の熱収縮材(熱収縮管)3とを備えている。必要に応じて、芯材2と熱収縮管3との間に接着剤層4を設けても良い。
また、芯材2の更に内層として、巻芯1の内径精度を上げるために、強化繊維として、ガラス繊維織物であるガラススクリムクロスを使用した繊維強化プラスチック層5を配置することも可能である。
巻芯1の内層5について説明すると、上記特許文献3においては、最内層に内径精度を上げるためにクロスプリプレグを用いている。しかし、プリプレグは高価である。また、プリプレグは、完全には硬化していない粘着性のある樹脂が付いており、そのために保護フィルムと離型紙でカバーされている。そのため、製造工程においてこの保護フィルムと離型紙を剥がすなどの作業が必要とされ、作業性に問題がある。
そこで、本実施形態の巻芯1においては、必要に応じて、上述のように、芯材2の内層として、ガラススクリムクロスを使用した繊維強化プラスチック層5が配置される。これにより、安価で、且つ、十分な精度を得ることができる。また、上記内層5は、作業時においては、詳しくは後述するように、樹脂未含浸のガラススクリムクロスを芯金(マンドレル)に巻き付けるだけでよく、作業性がよい。
強化繊維としてガラススクリムクロス(目付量10〜90g/m2)を使用するのは、
(1)クロスプリプレグ(ガラス繊維クロス(目付量300g/m2程度))+樹脂)より安価、
(2)プリプレグより精度良く巻ける、
(3)フィラメントワインディング層の保護、
といった点で優れているためである。巻芯1の製造方法については、後述する。
本実施形態の巻芯1は、偏光フィルムや磁気フィルムなどの薄膜フィルム、更には、薄いシート材料の巻芯として好適に使用されるものであって、その寸法形状は、これに限定されるものではないが、外径Dが150〜250mm、内径D0(又は、d1)は外径Dより2mm程度小さくされ、148〜248mm、軸線方向の長さLが500〜3000mmとされる。
芯材2を形成する繊維強化プラスチックは、強化繊維としての炭素繊維に樹脂を含浸することによって形成される。例えば、強化繊維として炭素繊維を100%使用した炭素繊維強化プラスチックの場合に最も剛性の高い芯材を得ることができるが、剛性があまり必要で無い場合には、強化繊維としてガラス繊維を混ぜて使用することもできる。
このように、芯材2の繊維強化プラスチックには、炭素繊維の他に、更に他の強化繊維、例えば、上記ガラス繊維又はアラミド繊維のいずれかを単独で、又は、複数種混入して使用することができる。
また、繊維強化プラスチック製の芯材2は、好ましくは、当業者には周知のフィラメントワインディングにて作製されるが、これに限定されるものではない。例えば、繊維の形態を、一方向に引き揃えられたUD形状の強化繊維シート、2軸に織られた平織り及び朱子織り形状、または、3軸に織られた3軸織りのクロス、等を用いて積層して作製することも可能である。
また、繊維強化プラスチックに使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、または、フェノール樹脂のいずれかが使用できる。
繊維強化プラスチックにおける繊維体積含有率は、30〜70%、通常、50〜60%とされる。
本実施例によると、上記管状とされる芯材2の外周表面に、筒状の熱収縮材、即ち、円筒状の熱収縮管3を被せ、熱収縮させることにより、樹脂製の表面層が形成される。
なお、接着剤を使用する場合には、熱収縮管3を被せる前に、芯材2の表面に、接着剤を、接着剤層厚さt2を10μm程度以下にて薄く塗布する。接着剤としては、上記マトリックス樹脂と同系統の接着剤、塩化ビニール系溶媒、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メタクリル酸グリシジル共重合体(GMA)、エチレン・メチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体、等を使用するのが好ましい。また、接着剤は、熱収縮管3の内面に予め設けておく構成とすることもできる。
熱収縮管3としては、本発明者らの実験の結果によると、例えば、偏光フィルム、磁気フィルムなどの、厚さ1〜200μmとされる薄膜フィルム、或いは、シート材料を巻き取る時の張り付き難さの点から、PVC(ポリ塩化ビニール)製の熱収縮管が好ましく、ポリオレフィン系の熱収縮管は、巻取り時のフィルム張り付きが発生し、使用することができなかった。
熱収縮管3は、芯材2をなす炭素繊維を含む繊維強化プラスチック管の外径の101%〜125%の大きさの内径を有するものとされる。熱収縮時のしわの発生し難さや、作り易さの点から、105%〜120%が好ましい。熱収縮管3の厚さ(肉厚)は、熱収縮後において、即ち、巻芯1の表面層厚さtが0.2mm〜4.5mmとなるようなものであることが必要である。厚さtの最小限度を0.2mmとするのは、詳しくは後述するように、厚さt=0.2mmが熱収縮管3の強度の限界である。特に、厚さtを1.0mm以上とするのが好ましい。これは、熱収縮管3の熱収縮後の肉厚tを1.0mm以上とすることにより、強度の限界の0.2mmまで熱収縮管表面を数回研磨して使用可能とするためである。
更に説明すれば、例えば、熱収縮管の収縮前の肉厚t0、収縮後の肉厚tとの関係を求めると、下記式(1)で表される。
t=(r2+2t0r0+t020.5−r ・・・・(1)
r :熱収縮管3の収縮後の内側半径(繊維強化プラスチック管2の外径d2=2r)
r0:熱収縮管3の収縮前の内側半径
接着剤層4は、その厚さt2は、10μm以下と薄いので、実質的にゼロと考えることができる。従って、製品の外径Dは、2(r+t)となる。
また、熱収縮管の肉厚tは、研磨後の寸法では、上述のように0.2〜4.5mmとされる。
つまり、本発明者らの研究実験の結果によれば、PVC製熱収縮管を使用した場合においても、熱収縮後の肉厚tが0.2mm未満では、薄過ぎて剛性、強度が弱く熱収縮管3が破損することがあり、使用に耐えなかった。
一方、肉厚tの最大値については、以下の通りである。
つまり、熱収縮後の表面層をなす熱収縮管3の表皮部分は、フィルムを巻き付ける時の張力で変形しないことが必要である。使用時に掛かる荷重により変形量が大きくなると、使用時にフィルムにしわができ、巻取り時に障害となる。
本発明者らは、更に検討した結果、変形量と荷重の関係は、荷重を10MPaとした場合に、フィルム部分の圧縮による変形量が0.010mm以下であると、しわが生じないことを見出した。従って、例えば、弾性率3GPa、肉厚3.0mmで変形量10μmとなる。
一般に、PVCは、その弾性率が、2.5〜4.5GPaである。従って、この弾性率から計算すると、図2に示すように、2.5mm〜4.5mmが最大の収縮後の肉厚となる。
又、上述したように、巻芯1は、高速回転するため、高精度の加工が必要である。加工回数を減らすことが安価に巻芯を作るポイントとなる。このため、製造過程では、研磨を最小回数の1回にすることが好ましい。
巻芯1の製造方法としては、研磨して設計寸法に精度出しをした繊維強化プラスチック管2に、熱収縮管3を被せ、例えば100℃程度に加熱して収縮させて密着させて製造するのが、安価に製造する点では、好ましい。勿論、必要により、熱収縮管3の外周を更に研磨しても良い。
一方、繊維強化プラスチック管2を研磨せずに、熱収縮管3を被せ、そして、熱収縮させ、その後に、熱収縮管3を研磨して設計の寸法にすることも可能である。また、この方法で、製造コストの低減を図ることができる。
具体的には、以下に説明する実施例に従って製造された巻芯1は、使用時に傷や、フィルム付着により熱収縮管(表面層)3の表面(表皮)が不良となり使えなくなった場合には、熱収縮管3の表皮部分を研削、研磨し、表面の傷や、異物を取り除き、きれいな面にして再使用(再生)することができる。強度的に問題となる、表面層の厚さが0.2mm未満になり削れなくなるところまで研削、研磨して再使用することができる。
上述のように、限界まで研削した熱収縮管3は、カッターなどの刃物で簡単に切り取ることができる。上述の特許文献2に記載の紙管では、熱収縮管を除去する際に、紙管自体を傷つけて使用不可とすることがあったが、本実施形態1の巻芯1では、芯材2となる繊維強化プラスチック、特に炭素繊維を含む繊維強化プラスチックは、かたいので、筋が入る程度で、補修を必要とすることはない。
なお、表面層3と芯材2との間に接着剤4が設けられている場合には、接着剤層4を除去するために、繊維強化プラスチック管2の表面に達するまで研削、研磨するが、多少削り込んでも熱収縮管3の厚さtで調整することができる。
従って、研削、研磨作業が容易であり、失敗して削り込んだ場合でも熱収縮管3の厚いものを用いて更に研磨して使用することが可能である。また、熱収縮管3の厚さtを上記式(1)から計算したものを用いれば、研磨の必要はなく安価に製造できる。
次に、上記実施形態1にて説明した本発明の巻芯1を、更に具体的に実施例に則して説明する。
実施例1(芯材研磨無し、熱収縮管研磨有り、接着剤無し)
図3に、本発明の巻芯1の第1の実施例を示す。
本実施例にて、芯材2は、強化繊維として炭素繊維を使用した炭素繊維強化プラスチックにて作製した。また、内層5として、ガラススクリムクロス層を設けた。
更に説明すると、本実施例では、まず、外径D0150mmの芯金(マンドレル)100に、内層5としてガラス繊維にて作製されたガラス繊維織物、即ち、ガラススクリムクロス(ガラス目付量35g/m2)を1層、900mm幅に巻き付け、芯金100上に接着剤にて固定した。ガラススクリムクロス層5の厚さt3は、10μmであった。このようにガラススクリムクロス層5は、その肉厚t3が薄く、ガラススクリムクロス層5の外径d1は、実質的に芯金100の外径D0と同径の150mmであった。
また、炭素繊維としては、繊維径7〜10μm程度のモノフィラメントを、例えば、約6000〜24000本収束した繊維束、即ち、炭素繊維ストランドを使用した。この炭素繊維ストランドに、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させ、上記ガラススクリムクロス層5の上に、炭素繊維プラスチック層としてフィラメントワインディングにて炭素繊維層を厚t1が7mmとなるように積層した。ワインディング角度は、5〜90度の範囲で適当に選択されるが、本実施例では、60度と、逆の120度と、角度を交互に変えて積層した。
上述のように、ガラススクリムクロス層5の上に、樹脂含浸された炭素繊維ストランドを巻き付けることにより、ガラススクリムクロス層5にも樹脂が含浸される。
次いで、樹脂が含浸された上記ガラススクリムクロス層5と炭素繊維層2との積層体を有した芯金100を硬化炉に装入し、温度150℃にて加熱して硬化した。硬化した積層体を芯金100より取り外した。このようにして得られた炭素繊維強化プラスチック管(芯材)2の外径d2は、164.0mmであった。また、炭素繊維強化プラスチック管2における樹脂含浸量は、60体積%とした。
次に、上記硬化した炭素繊維強化プラスチック管2に、熱収縮前の外径172.5mm、厚さ2.4mm、弾性率3.4GPaのPVC製内面接着剤無しの熱収縮管3を被せ、100℃で45分間加熱して、炭素繊維強化プラスチック管2に密着させた。熱収縮後の熱収縮管3の外径は、168.9mmであった。
その後、前記熱収縮管3の外周面を研削(研磨)して、外径D=167.0mmの巻芯1を作製した。また、巻芯の製品幅(L)は、切断後850mmとした。
このようにして作製した巻芯1は、幅600mm、厚さ50μmの偏光フィルムを巻取り速度300m/secにて、しわの発生もなく、極めて良好に巻き取ることができた。
その後、表面に傷が発生したものを2回研磨して再生し、その後、熱収縮管3の肉厚tが0.2mm以下になったところで、カッターにて熱収縮管3を切断分離し、再度、上記方法で新しい熱収縮管3を取り付け、巻芯1を作製(再生)した。
つまり、本実施例では、
(a)使用済みの巻芯1の表面の熱収縮管3を除去し、
(b)熱収縮管3が除去された繊維強化プラスチック管2に、上記製造時に使用したと同様の新しいPVC製熱収縮管3を被せ、熱収縮させて密着させる、
ことによって巻芯の再生を行った。
尚、本実施例では、このようにして得た巻芯1に対して、所望の外径を得るために、研磨後の熱収縮管3の肉厚が0.2mm〜4.5mmとなるような範囲にて、巻芯1の外径、即ち、熱収縮管3の表面を研磨した。
この再生品を、巻芯として使用したが、何らの問題も発生しなかった。
つまり、本実施例にて作製した巻芯1は、その製造が容易であり、また、リサイクルが可能であり、そのためのコストも低く抑えることができた。
実施例2(芯材研磨無し、熱収縮管研磨有り、接着剤有り)
図4に、本発明の巻芯1の第2の実施例を示す。
本実施例では、実施例1と同様の材料及び製造方法にて、同様の寸法形状をした巻芯1を製造した。ただ、本実施例では、硬化した炭素繊維強化プラスチック管2に、熱収縮前の外径172.5mm、厚さ2.4mm、長さ(幅)1350mm、弾性率3.4GPaのPVC製内面接着剤ありの熱収縮管3を被せ、100℃で45分間加熱して、炭素繊維強化プラスチック管2に密着させた。つまり、本実施例の巻芯1は、図示するように、接着剤層4が形成されている点で、実施例1の巻芯と異なっている。接着剤としては、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)を使用した。
本実施例の巻芯1は、熱収縮後の熱収縮管3の外径が168.9mmであった。このとき、巻芯1の製品幅(L)は、1200mmであった。
その後、前記熱収縮管3の外周面を研削(研磨)して、外径Dが167.0mmの巻芯1を作製した。
このようにして作製した巻芯1は、幅1000mm、厚さ20μmの偏光フィルムを巻取り速度200m/secにて、しわの発生もなく、極めて良好に巻き取ることができた。
その後、表面に傷が発生したものを2回研磨して再生し、その後、熱収縮管3の肉厚tが0.2mm以下になったところで、研削により熱収縮管を分離、除去し、再度、上記方法で新しい熱収縮管を取り付け、巻芯1を作製(再生)した。
つまり、本実施例では、
(a)使用済みの巻芯1の表面の熱収縮管3を除去し、
(b)熱収縮管3が除去され、露出した繊維強化プラスチック管2の表面を研磨し、その後、
(c)繊維強化プラスチック管2に、上記製造時に使用したと同様の新しいPVC製の熱収縮管3を被せ、熱収縮させて密着させ、次いで、
(d)熱収縮管3の表面を研磨して、研磨後の熱収縮管3の肉厚を0.2mm〜4.5mmとする、
ことによって巻芯の再生を行った。使用した熱収縮管3は、内面接着剤ありの熱収縮管であった。
この再生品を、巻芯として使用したが、何らの問題も発生しなかった。
つまり、本実施例においても、巻芯の製造は容易であり、また、リサイクルが可能であり、そのためのコストも低く抑えることができた。
実施例3(芯材研磨有り、熱収縮管研磨無し、接着剤無し)
図5に、本発明の巻芯1の第3の実施例を示す。
本実施例では、実施例1と同様の材料を使用して、同様の寸法形状をした巻芯1を製造した。ただ、本実施例では、内層として、ガラススクリムクロス層5を2層5a、5b有するものである。また、熱収縮管3としては、弾性率が2.8GPaのPVC製熱収縮管を使用した。
本実施例では、まず、外径D0150mmの芯金100に、ガラス繊維にて作製されたガラス繊維織物、即ち、ガラススクリムクロス(ガラス目付量30g/m2)を2層5a、5b、1000mm幅に巻き付けた。ガラススクリムクロス層5(5a、5b)の厚さt3は、2層で、20μmであった。つまり、ガラススクリムクロス層5(5a、5b)は薄層であり、ガラススクリムクロス層5の外径d1は、芯金100の外径D0と略同径の150mmであった。
また、炭素繊維としては、繊維径7〜10μm程度のモノフィラメントを、例えば、約6000〜24000本収束した繊維束、即ち、炭素繊維ストランドを使用した。この炭素繊維ストランドに、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させ、上記ガラススクリムクロス層5の上に、フィラメントワインディングにて炭素繊維層2が厚さt1=7mmとなるように積層した。
次いで、樹脂が含浸された上記ガラススクリムクロス層5と炭素繊維層2との積層体を有した芯金100を硬化炉に装入し、温度150℃にて加熱して硬化した。硬化した積層体を芯金100から取り外した。このときの炭素繊維強化プラスチック管2の外径d2は、164.0mmであった。また、炭素繊維強化プラスチック管2における樹脂含浸量は、60体積%とした。
この硬化した炭素繊維強化プラスチック管2の外周表面を研削(研磨)して、外径d2=163.0mmとした。
次に、上記研削した炭素繊維強化プラスチック管2に、熱収縮前の外径172.5mm、厚さ2.4mm、弾性率2.8GPaのPVC製内面接着剤無しの熱収縮管3を被せ、100℃で45分間加熱して、炭素繊維強化プラスチック管2に密着させた。熱収縮後の熱収縮管3の外径Dは、167.9mmであった。巻芯1の切断後の製品幅(L)は、800mmであった。
このようにして作製した巻芯1は、幅(L)600mm、厚さ10μmの偏光フィルムを巻取り速度250m/secにて、しわの発生もなく、極めて良好に巻き取ることができた。
その後、表面に傷が発生したものを2回研磨して再生し、その後、熱収縮管3の肉厚tが0.2mm以下になったところで、カッターにて熱収縮管を切断分離し、上記方法で新しい熱収縮管3を取り付け、巻芯1を作製(再生)した。
つまり、本実施例では、
(a)使用済みの巻芯1の表面の熱収縮管3を除去し、
(b)熱収縮管3が除去された繊維強化プラスチック管2に、上記製造時に使用したと同様の新しいPVC製熱収縮管3を被せ、熱収縮させて密着させる、
ことによって巻芯の再生を行った。
尚、本実施例では、このようにして得た巻芯1に対して、所望の外径を得るために、研磨後の熱収縮管3の肉厚が0.2mm〜4.5mmとなるような範囲にて、巻芯1の外径、即ち、熱収縮管3の表面を研磨した。
この再生品を、再度巻芯として使用したが、何らの問題も発生しなかった。
つまり、本実施例にて作製した巻芯1は、その製造が容易であり、また、リサイクルが可能であり、そのためのコストも低く抑えることができた。
実施例4(炭素繊維とガラス繊維による混合芯材、芯材研磨有り、熱収縮管研磨無し、接着剤無し)
図6に、本発明の巻芯1の第4の実施例を示す。
本実施例にて、芯材2は、上記実施例と異なり、強化繊維として炭素繊維とガラス繊維を使用したガラス繊維層2aと炭素繊維層2bとからなる繊維強化プラスチックにて作製した。また、内層5として、ガラススクリムクロス層を1層、有するものであった。
更に説明すると、本実施例では、まず、外径D0150mmの芯金100に、ガラス繊維にて作製されたガラス繊維織物、即ち、ガラススクリムクロス(ガラス目付量25g/m2)を1層、2200mm幅に巻き付けた。ガラススクリムクロス層5の厚さt3は、20μmであった。ガラススクリムクロス層5の外径d1は、芯金100の外径D0と実質的に同じ150mmであった。
ガラス繊維としては、繊維径3〜19μm程度のモノフィラメントを、例えば、約1000〜5000番手(g/1000m)に収束した繊維束、即ち、ガラス繊維ストランドを使用した。また、炭素繊維としては、繊維径7〜10μm程度のモノフィラメントを、例えば、約6000〜24000本収束した繊維束、即ち、炭素繊維ストランドを使用した。
先ず、上記ガラス繊維ストランドに、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させ、上記ガラススクリムクロス層5の上に、フィラメントワインディングにてガラス繊維層2aが厚さt1a=6mmとなるように、ワインディング角度を45度、135度に交互に変えて積層した。次いで、このガラス繊維層2aの上に、上記炭素繊維ストランドに、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させ、フィラメントワインディングにて炭素繊維層2bが厚さt1b=1mmとなるように、ワインディング角度を45度、135度に交互に変えて積層した。
このように、本実施例では、芯材2は、ガラス繊維層2aと炭素繊維層2bの2層構成とした。
次いで、樹脂が含浸された上記クリムクロス層5、ガラス繊維層2a、炭素繊維層2bの積層体を有した芯金100を硬化炉に装入し、温度150℃にて加熱して硬化した。硬化した積層体を芯金100から取り外した。このときの繊維強化プラスチック管2の外径d2は、164.0mmであった。また、繊維強化プラスチック管2における樹脂含浸量は、57体積%であった。
この硬化した繊維強化プラスチック管2の外周表面、即ち、炭素繊維層2aの外周表面を研削(研磨)して、外径d2=163.0mmとした。
次に、上記研削した繊維強化プラスチック管2に、熱収縮前の外径172.5mm、厚さ2.4mm、弾性率2.8GPaのPVC製内面接着剤無しの熱収縮管3を被せ、100℃で45分間加熱して、繊維強化プラスチック管2に密着させた。熱収縮後の熱収縮管3の外径は、167.9mmであった。巻芯1の切断後の寸法は、2000mmとした。
このようにして作製した巻芯1は、幅1800mm、厚さ10μmの偏光フィルムを巻取り速度200m/secにて、しわの発生もなく、極めて良好に巻き取ることができた。
その後、表面に傷が発生したものを3回研磨して再生し、その後、熱収縮管3の肉厚tが0.2mm以下になったところで、カッターにて熱収縮管を切断分離し、再度、上記方法で新しい熱収縮管を取り付け、巻芯1を作製(再生)した。
つまり、本実施例では、
(a)使用済みの巻芯1の表面の熱収縮管3を除去し、
(b)熱収縮管3が除去された繊維強化プラスチック管2に、上記製造時に使用したと同様の新しいPVC製熱収縮管3を被せ、熱収縮させて密着させる、
ことによって巻芯の再生を行った。
尚、本実施例では、このようにして得た巻芯1に対して、所望の外径を得るために、研磨後の熱収縮管3の肉厚が0.2mm〜4.5mmとなるような範囲にて、巻芯1の外径、即ち、熱収縮管3の表面を研磨した。
この再生品を、再度巻芯として使用したが、何らの問題も発生しなかった。
つまり、本実施例にて作製した巻芯は、その製造が容易であり、また、リサイクルが可能であり、そのためのコストも低く抑えることができた。
実施例5(異なる外径の巻芯、芯材研磨有り、熱収縮管研磨無し、接着剤有り)
図7に、本発明の巻芯1の第5の実施例を示す。
本実施例では、実施例3と同様の材料及び製造方法にて、同様の寸法形状をした巻芯1を製造した。ただ、本実施例では、PVC製内面接着剤ありの熱収縮管3を使用した。
即ち、本実施例では、まず、外径D0211.4mmの芯金100に、ガラス繊維にて作製されたガラス繊維織物、即ち、ガラススクリムクロス(ガラス目付量25g/m2)を2層、1900mm幅に巻き付けた。ガラススクリムクロス層5の厚さt3は、2層5a、5bで、20μmであった。
また、炭素繊維としては、繊維径7〜10μm程度のモノフィラメントを、例えば、約6000〜24000本収束した繊維束、即ち、炭素繊維ストランドを使用した。この炭素繊維ストランドに、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させ、上記ガラススクリムクロス層5の上に、フィラメントワインディングにて炭素繊維層2が厚さt1=11mmとなるように、ワインディング角度を45度、135度に交互に変えて積層した。
次いで、樹脂が含浸された上記ガラススクリムクロス層5と炭素繊維層2との積層体を有した芯金100を硬化炉に装入し、温度200℃にて加熱して硬化した。硬化した積層体を芯金100から取り外した。このときの炭素繊維強化プラスチック管2の外径d2は、233.4mmであった。また、炭素繊維強化プラスチック管2における樹脂含浸量は、57体積%であった。
この硬化した炭素繊維強化プラスチック管2の外周表面を研削して、外径d2=231.4mmとした。
次に、上記研削した炭素繊維強化プラスチック管2に、熱収縮前の外径260.0mm、厚さ3.0mm、弾性率2.8GPaのPVC製内面接着剤ありの熱収縮管3を被せ、100℃で45分間加熱して、炭素繊維強化プラスチック管2に密着させた。熱収縮後の熱収縮管3の外径は、238.0mmであった。巻芯1の切断後の寸法は、1700mmとした。
このようにして作製した巻芯1は、幅1500mm、厚さ70μmの偏光フィルムを巻取り速度200m/secにて、しわの発生もなく、極めて良好に巻き取ることができた。
その後、表面に傷が発生したものを2回研磨して再生し、その後、熱収縮管3の肉厚tが0.2mm以下になったところで、カッターにて熱収縮管を切断分離し、再度、上記方法で新しい熱収縮管を取り付け、巻芯1を作製(再生)した。
つまり、本実施例では、
(a)使用済みの巻芯1の表面の熱収縮管3を除去し、
(b)熱収縮管3が除去され、露出した繊維強化プラスチック管2の表面を研磨し、その後、
(c)繊維強化プラスチック管2に、上記製造時に使用したと同様の新しいPVC製の熱収縮管3を被せ、熱収縮させて密着させ、次いで、
(d)熱収縮管3の表面を研磨して、研磨後の熱収縮管3の肉厚を0.2mm〜4.5mmとする、
ことによって巻芯の再生を行った。使用した熱収縮管3は、内面接着剤ありの熱収縮管であった。
この再生品を、巻芯として使用したが、何らの問題も発生しなかった。
つまり、本実施例にて作製した巻芯は、その製造が容易であり、また、リサイクルが可能であり、そのためのコストも低く抑えることができた。
本発明に係る巻芯の一実施例を示す概略構成断面図である。 熱収縮管の肉厚と変形料との関係を説明する図である。 本発明に係る巻芯の他の実施例を示す概略構成断面図である。 本発明に係る巻芯の他の実施例を示す概略構成断面図である。 本発明に係る巻芯の他の実施例を示す概略構成断面図である。 本発明に係る巻芯の他の実施例を示す概略構成断面図である。 本発明に係る巻芯の他の実施例を示す概略構成断面図である。
符号の説明
1 巻芯
2 芯材
3 熱収縮管
4 接着剤層
5 内層

Claims (17)

  1. 強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備えた巻芯であって、
    前記表面層を形成する前記熱収縮管は、PVC製の熱収縮管であって、熱収縮後の肉厚が0.2mm〜4.5mmとされることを特徴とする巻芯。
  2. 前記熱収縮管は、熱収縮後の肉厚が1.0mm〜4.5mmとされることを特徴とする請求項1に記載の巻芯。
  3. 前記芯材と前記熱収縮管との間に接着剤層を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻芯。
  4. 前記芯材の内層として、強化繊維としてガラススクリムクロスを使用した繊維強化プラスチック層を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の巻芯。
  5. 前記繊維強化プラスチックは、強化繊維が炭素繊維である炭素繊維強化プラスチックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の巻芯。
  6. 前記繊維強化プラスチックは、強化繊維として、更に、ガラス繊維又はアラミド繊維のいずれかを単独で、又は、複数種混入して含むことを特徴とする請求項5に記載の巻芯。
  7. 前記繊維強化プラスチックに使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、又は、フェノール樹脂であることを特徴とする請求項5又は6に記載の巻芯。
  8. 前記巻芯は、厚さが1μm〜200μmとされる薄膜フィルム又はシート材を巻き取るための巻芯であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の巻芯。
  9. 強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備えた巻芯の製造方法であって、
    (a)炭素繊維を含む繊維強化プラスチック管を作製して前記芯材を形成し、
    (b)前記繊維強化プラスチック管にPVC製の熱収縮管を被せ、熱収縮させて密着させ、その後、
    (c)前記熱収縮管の表面を研磨して、研磨後の前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとする、
    ことを特徴とする巻芯の製造方法。
  10. 強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備えた巻芯の製造方法であって、
    (a)炭素繊維を含む繊維強化プラスチック管を作製して前記芯材を形成し、
    (b)前記繊維強化プラスチック管を研磨し、その後、
    (c)前記芯材としての前記研磨された繊維強化プラスチック管にPVC製の熱収縮管を被せ、熱収縮させて密着させ、熱収縮後の前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとする、
    ことを特徴とする巻芯の製造方法。
  11. 前記工程(c)にて、熱収縮後の前記熱収縮管の表面を研磨して、前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとすることを特徴とする請求項10に記載の巻芯の製造方法。
  12. 前記繊維強化プラスチック管と前記熱収縮管との間に接着剤を設けることを特徴とする請求項9〜11のいずれかの項に記載の巻芯の製造方法。
  13. 前記工程(a)にて、前記繊維強化プラスチック管は、樹脂が含浸された強化繊維をフィラメントワインディングにて芯金に巻き付けることにより作製されることを特徴とする請求項9〜12のいずれかの項に記載の巻芯の製造方法。
  14. 前記工程(a)の前に、目付量10g/m2〜90g/m2のガラススクリムクロスを芯金に巻き付けて固定し、その後に、前記工程(a)を実施することを特徴とする請求項13に記載の巻芯の製造方法。
  15. 強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備え、前記芯材と前記熱収縮管との間に接着剤層がない巻芯の再生方法であって、
    (a)使用済みの前記巻芯の表面の前記熱収縮管を除去し、
    (b)前記熱収縮管が除去された前記繊維強化プラスチック管にPVC製の熱収縮管を被せ、熱収縮させて密着させ、熱収縮後の前記熱収縮管の肉厚が0.2mm〜4.5mmとされる、
    ことを特徴とする巻芯の再生方法。
  16. 前記工程(b)にて、熱収縮後の前記熱収縮管の表面を研磨して、前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとすることを特徴とする請求項15に記載の巻芯の再生方法。
  17. 強化繊維として炭素繊維を含む繊維強化プラスチックにて作製された芯材と、その表面層を形成する熱収縮管とを備え、前記芯材と前記熱収縮管との間に接着剤層がある巻芯の再生方法であって、
    (a)使用済みの前記巻芯の表面の前記熱収縮管を除去し、
    (b)前記熱収縮管が除去され、露出した前記繊維強化プラスチック管の表面を研磨し、その後、
    (c)前記繊維強化プラスチック管にPVC製の熱収縮管を被せ、熱収縮させて密着させ、次いで、
    (d)前記熱収縮管の表面を研磨して、研磨後の前記熱収縮管の肉厚を0.2mm〜4.5mmとする、
    ことを特徴とする巻芯の再生方法。
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