JP2008284161A - 回転自走式内視鏡 - Google Patents

回転自走式内視鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP2008284161A
JP2008284161A JP2007132007A JP2007132007A JP2008284161A JP 2008284161 A JP2008284161 A JP 2008284161A JP 2007132007 A JP2007132007 A JP 2007132007A JP 2007132007 A JP2007132007 A JP 2007132007A JP 2008284161 A JP2008284161 A JP 2008284161A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
rotating
fixed
rotary self
bending
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007132007A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Tanii
好幸 谷井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Medical Systems Corp
Original Assignee
Olympus Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Medical Systems Corp filed Critical Olympus Medical Systems Corp
Priority to JP2007132007A priority Critical patent/JP2008284161A/ja
Publication of JP2008284161A publication Critical patent/JP2008284161A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)
  • Endoscopes (AREA)

Abstract

【課題】 体腔に対する挿抜安定性を向上させ、観察性能を阻害しない回転自走式内視鏡を実現すること。
【解決手段】 本発明による回転自走式内視鏡2は、体腔内に挿入される挿入部6と、この挿入部の長手軸回りに回動自在に設けられ、表面に螺旋形状を有する回転筒体51と、この回転筒体を回動させる回動手段15と、回転筒体が回動しても非回動な状態で、回転筒体を被覆する軟性な被覆部53と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、体腔内に自走挿入する回転自走式内視鏡、詳しくは被検体に挿入可能な可撓性を有する細長なチューブの外周に螺旋形状部を配置した回転自走式内視鏡に関するものである。
従来、体腔内に細長の挿入部を挿入して体腔内の臓器を観察したり、必要に応じて処置具チャンネルに挿通させた処置具を用いて各種治療処置を行なうことのできる内視鏡が一般に実用化されている。
このような内視鏡においては、挿入部の先端側に上下、及び左右に湾曲し得るように構成した湾曲部が設けられている。この湾曲部は、手元側の操作部に設けられる操作部材に連動して構成されており、当該操作部材の所定の操作によって、湾曲部の湾曲操作を行なうことができるようになっている。
このような構成の内視鏡の挿入部を、例えば入り組んだ体腔内管路、より詳しくは大腸等のように、多種多様なループを形成するような管腔内に挿入する際には、操作部の操作部材を操作して湾曲部の湾曲操作を行なうと同時に、挿入部の捻り操作を行なう等によって管腔内において挿入部を進行させ、これにより、観察を目的とする管腔内の所望の部位に向けて挿入するという操作が行なわれる。
しかしながら、上述したような内視鏡の挿入部の挿入操作は、複雑に入り組んだ大腸内等の深部まで短時間で円滑に行なうことができるようになるまでには熟練を要することである。したがって、経験の浅い術者では、挿入操作を行なっているとき、例えば挿入部の挿入方向を見失ってしまう等によって操作に手間取ったり、腸の走行状態を変化させてしまう等の虞がある。
そのため、従来から内視鏡の挿入部の挿入性を向上させるための種々の提案が、例えば、特許文献1によってなされている。
この特許文献1によって開示されている内視鏡システムは、回転により推進力を得るように構成した内視鏡を含んで構成している。この内視鏡は、挿入部と、この挿入部より大きい外径を有する先端部材とからなり、挿入部と先端部材の各外周面上には螺旋を形成して構成されている。このような挿入部に螺旋の凹凸を形成して回転させることで、上記内視鏡システムの内視鏡の挿入部は、体腔内に挿入された際に、体腔壁に対する推進力を利用して進退する。
特開2006−34627号公報
しかしながら、特許文献1によって開示されている内視鏡システムのように、外表面に螺旋状の凹凸が形成され、回転して自走する挿入部では、体腔内の深部への挿入長によって、体腔壁との抵抗がより大きくなり、回転の追従性が低下する。そのため、この挿入部では、体腔深部に入り込むにつれて、挿入性が低下し、スムーズに進退しないという問題がある。
また、挿入部の外周に形成された螺旋状の凹凸と、体腔壁の襞との接触状態によっては、挿入部にうねりが生じて、直進性が阻害される問題もある。さらに、上述したような回転する挿入部と体腔壁との接触状態では、挿入部が伸長するだけでなく、挿入方向から抜去方向、或いは抜去方向から挿入方向にしたときに、回転が追従するまでに時間が掛かり、所望の挿入性、及び抜去性を得られないという問題も生じる。
このような挿入部の挿入性、及び抜去性が低下することで、従来の内視鏡システムでは、内視鏡の本来の目的である、ユーザへの体腔内の内視鏡観察性に悪影響を与えてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、体腔に対する挿抜安定性を向上させ、観察性能を阻害しない回転自走式内視鏡を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による回転自走式内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部と、該挿入部の長手軸回りに回動自在に設けられ、表面に螺旋形状を有する回転筒体と、上記回転筒体を回動させる回動手段と、上記回転筒体が回動しても非回動な状態で、該回転筒体を被覆する軟性な被覆部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、体腔に対する挿抜安定性を向上させ、観察性能を阻害しない回転自走式内視鏡を実現することができる。
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図14は、本発明の第1の実施形態に係り、図1は内視鏡システムの全体構成を示す外観斜視図、図2は図1の内視鏡システムにおける内視鏡の先端部と湾曲部の夫々の構成を示す断面図、図3は外装チューブの構成を示す斜視図、図4は外装チューブの構成を示す断面図、図5は外装チューブの螺旋形状管への装着状態を示す図、図6は外装チューブの螺旋形状管の凸部への装着状態を示す断面図、図7は外装チューブの螺旋形状管の凹部への装着状態を示す断面図、図8は図7のVIII−VIII線に沿った断面図、図9はモータボックス、及びコネクタカバーの内部構成を示す図、図10はチューブ固定連結部に外装チューブの基端部分が固定された状態を示す断面図、図11は図10のXI−XI線に沿った断面図、図12は外装チューブの先端部分が固定される一形態を示す図、図13は大腸に挿入部本体が挿入される状態を示す図、図14は外装チューブの凹凸形状部の体腔壁への作用を説明するための図、図15は大腸深部に挿入部本体が挿入された状態を示す図である。
まず、本実施形態の内視鏡システムの全体構成について、図1を用いて以下に説明する。図1に示すように、内視鏡システム1は、回転自走式の内視鏡2と、第1の制御装置3と、モニタ3aと、第2の制御装置4と、吸引器5とによって主に構成されている。
内視鏡2は、挿入部6と操作部7とによって主に構成されている。このうち、挿入部6は、先端側から順に先端部8、及び湾曲部9を備えた挿入部本体10、挿入補助具11、挿入部収納ケース12、挿入補助具11と挿入部収納ケース12との間に介装されるコルゲート状チューブからなる先端側案内管13、操作部7と挿入部収納ケース12との間に介装されるコルゲート状チューブからなる操作部側案内管14、この操作部側案内管14の一端が連結されるコネクタカバー15等によって構成されている。操作部側案内管14とコネクタカバー15の間には、急激に折れ曲がるのを防止するためのオレドメを設けている。
操作部7は、回動手段であるモータボックス16と、把持部17と、操作指示部である主操作部18とから構成されている。尚、モータボックス16は、挿入部6の一部をも構成しているものである。このモータボックス16には、後述する回転筒体に回転力を付与するモータ等が内蔵されている。
主操作部18には、挿入部6の湾曲部9を4方向(内視鏡2が撮影する内視鏡画像に対応する上下左右方向)に湾曲させる湾曲操作ノブ19と、流体の送出操作、及び吸引操作を行なう操作ボタン類20と、撮像や照明等に関わる光学系を操作するための操作スイッチ類21と、が配設されている。
湾曲操作ノブ19は、内視鏡画像の上下方向に湾曲部9を操作するための上下用湾曲操作ノブ19aと、内視鏡画像の左右方向に湾曲部9を操作するための左右用湾曲操作ノブ19bとの2つの操作ノブから構成されている。これらの操作ノブ19a,19bは、夫々が略円盤状に形成されている。そして、この2つの操作ノブ19a,19bは、同軸上に重ねた状態で操作部7の主操作部18の外装面上に対し回動自在に配設されている。
上下用湾曲操作ノブ19aは、主操作部18の外装表面寄りの位置に配置され、これに重ねた状態で左右用湾曲操作ノブ19bが同軸上に配置されている。つまり、上下用湾曲操作ノブ19aを左右用湾曲操作ノブ19bよりも主操作部18寄りの部位に配置することで、内視鏡2の通常操作を行なう際において使用頻度の高い上下湾曲操作を実行し易い形態となっている。
主操作部18の側面からは、電気ケーブル等が挿通されるユニバーサルコード18aが延出している。このユニバーサルコード18aの延出する根元部分には、折れ止め部18bが主操作部18に設けられている。また、当該ユニバーサルコード18aは、図示しないコネクタ部を介して、第1の制御装置3の、ここでは背面側で接続されている。
この第1の制御装置3は、内視鏡2の撮像系、照明系、及び回転自走のためのモータの駆動を制御するものである。つまり、第1の制御装置3は、内視鏡2が捉える画像処理、後述する照明手段であるLED照明への給電、及びモータボックス16に設けられた上記モータへの給電を主操作部18の各種スイッチ操作に基づいて駆動制御する。
また、図示しないが、第1の制御装置3は、第2の制御装置4と、ここでは背面側で接続されている。すなわち、主操作部18に配設された一部のスイッチ操作、操作ボタン類20等による、第2の制御装置4への操作指示は、ユニバーサルコード18aから第1の制御装置3を介して、第2の制御装置4へと通信される。
第1の制御装置3には、内視鏡2の後述の回転筒体を所定の方向へ回動させ停止させるための操作を行なうフットスイッチ25が電気ケーブル25aを介して接続されている。
また、上記回転筒体の回転方向の操作や停止操作を行なう進退スイッチとしては、上記フットスイッチ25以外に、例えば操作部7の主操作部18の外装面上の所定部位や制御装置3の前面等にも配設されている(特に図示せず)。尚、このように複数設けられている進退スイッチは、先に押されたスイッチに優先的に操作できるようにしても良い。また、停止スイッチだけは、どの進退スイッチが押されても停止できるようにしても良い。
第1の制御装置3の前面には、電源スイッチのほか、内視鏡2の上記回転筒体の回転速度を、可変操作を行なう操作ダイヤル等、各種の操作部材が配設されている。
また、第1の制御装置3は、モニタ3aと電気的に接続されている。モニタ3aは、内視鏡2によって取得された内視鏡画像を表示する表示装置である。
主操作部18の外装面上に配設される操作指示手段である操作ボタン類20は、内視鏡2の先端部8から被検体内へ向けて気体を送気したり、液体を送水したりする際に操作される送気送水ボタン20c、内視鏡2の先端部8から被検体内の体液等の不要物を吸引する際に操作される吸引ボタン20b、及びその他の内視鏡機能を行うための操作ボタン20aである。
一方、コネクタカバー15からは、挿入部6内に挿通される3本のチューブ23が延出されている。これら3本のチューブ23は、送気用チューブ23a、送水用チューブ23b、及び吸引用チューブ23cである。これら3本のチューブ23の端部は、夫々が着脱自在なコネクタを介して第2の制御装置4の前面の所定位置に連結されている。
この第2の制御装置4には、送水タンク24が着脱自在に取り付けられている。この送水タンク24の内部には、蒸留水,生理食塩水等が貯留されている。
主操作部18の送気送水ボタン20cの所定の操作がなされたとき、制御装置3の制御によって図示しない吸引ポンプ,バルブ類等が動作して、送水タンク24から蒸留水または生理食塩水等が送水用チューブ23bへと送られて、これを介して先端部8に形成される開口部(特に図示せず)から外部へ向けて(先端部8の前面に向けて)噴出するようになっている。
内視鏡2の主操作部18の送気送水ボタン20cの所定の操作がなされると、第2の制御装置4の制御によって図示しないコンプレッサ,バルブ類の動作に従いコンプレッサからの空気は送気用チューブ23aへと送られて、先端部8に形成された所定の開口(特に図示せず)から噴射されるようになっている。
また、第2の制御装置4には、吸引器5がチューブ5aを介して接続されている。このチューブ5aは、第2の制御装置4の前面にコネクタを介して接続される吸引用チューブ23cと連設されるようになっている。
尚、本実施形態の内視鏡システム1においては、第2の制御装置4に接続される別体構成の吸引器5を用いた例を示しているが、これに換えて、例えば病院,施設に備え付けの吸引システムを利用するような形態としてもよい。
そして、内視鏡2の吸引ボタン20bの所定の操作がなされると、第2の制御装置4の制御によって吸引ポンプ,バルブ類(図示せず)等が動作して先端部8の吸引チャンネル開口(図示せず)から被検体内の体液等が吸引される。この吸引された体液等は、吸引用チューブ23cを介して第2の制御装置4にチューブ5aで接続される吸引器5へと送り込まれる。
次に、内視鏡2の挿入部6の一部を構成する先端部8、及び湾曲部9を備えた挿入部本体10の詳細な構成について図2を用いて以下に説明する。
まず、先端部8は、生体適合性を有する樹脂部材、或いは金属によって略円筒形状に形成される本体環26を有している。この本体環26の内部には、光学装置の1つである撮像ユニット27等が配設されている。この撮像ユニット27は、略短管状の保持管28aと、この保持管28aの基端面、及び外周の一部を覆うように配設されるカバー管28bと、保持管28aの前面側を覆うように先端面の一部を構成する透明なカバー体29とによって、その外形が形成されている。
保持管28a、及びカバー管28bは、生体適合性を有する金属により形成されている。カバー体29は、生体適合性を有する透明な合成樹脂により形成されている。保持管28aは、本体環26の内部に収容されている。
カバー管28bは、保持管28aの基端側に嵌着されており、その底面部には貫通孔が形成されている。この貫通孔に信号ケーブル33が挿通している。
カバー体29は、保持管28aの前面側の先端開口を気密的に封止するように嵌着されている。
撮像ユニット27において、保持管28a,カバー管28b,カバー体29等によって形成される空間内には、対物レンズ群30と、この対物レンズ群30の光軸上に配置されるCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光電変換素子である撮像素子31と、フレキシブルプリント基板32等が配設されている。
フレキシブルプリント基板32は、撮像素子31による光電変換処理によって生成される画像信号を受けて増幅等の各種の信号処理を行なう回路等が実装されている。そして、このフレキシブルプリント基板32には、信号ケーブル33が接続されている。この信号ケーブル33は、カバー管28bの貫通孔から延出し、当該先端部8から湾曲部9、及び内筒管49aを挿通して、操作部7を介してコネクタカバー15(図1参照)へと至り、当該コネクタカバー15内部のコネクタ(図示せず)に接続されている。
対物レンズ群30は対物レンズ枠30aに保持されている。この対物レンズ枠30aは、保持体35に固定されている。対物レンズ枠30aの後方には、撮像素子31を保持する撮像枠31aが嵌合している。
撮像素子31の裏面には、回路基板31bが取り付けられている。この回路基板31bには、フレキシブルプリント基板32が電気的に接続されている。
保持体35は、略円形状に形成されており、その周縁部がカバー体29の基端側内周面に対して固着されている。このとき、カバー体29の中心軸と対物レンズ群30の光軸とが略一致するように、カバー体28に対して保持体35は配置されている。
また、保持体35には、光学装置の1つであり、照明部である複数のLED34が対物レンズ群30を囲むように配置されている。
このように構成される撮像ユニット27は、本体環26の長手方向の中心軸に対して偏芯した所定の位置に配置された状態で、本体環26の先端側開口部に配設される先端キャップ36によって本体環26に固定されている。
撮像ユニット27の保持管28aと本体環26との間に形成される隙間には、吸引用チューブ23cの先端部分と、この吸引用チューブ23cの先端側に連設される吸引管37が配置されている。この吸引管37の先端部分は、先端キャップ36に固着されている。
先端キャップ36の先端側には、前面に向けて開口するチャンネル開口部38が形成されている。
尚、図示していないが、保持管28aと本体環26との間に形成される隙間には、送気用チューブ23a、及び送水用チューブ23bに連通する管路も配設されている。そして、先端キャップ36には、これらの管路(23a,23b)のチャンネル開口部が形成されている。
次に、湾曲部9について説明する。湾曲部9には、先端部8を構成している本体環26の基端開口部に嵌着される硬質な先端湾曲駒39と、硬質な複数の湾曲駒40(湾曲節輪とも言う)とが枢支部40aによって回動自在に連設されている。これら湾曲駒39,40には、生体適合性を有するフッ素ゴム等の弾性部材から形成される湾曲外皮41が被覆されている。この湾曲外皮41の先端部分は、外周側の糸巻き接着部42により本体環26の基端部分と固着されている。尚、複数の湾曲駒40と、湾曲外皮41の間に、金属素線で編みこんだブレード、或いは繊維で編みこんだ樹脂ブレードを介在させても良い。
複数の湾曲駒40には、挿入部本体10内に挿通された4本の湾曲操作ワイヤ44(図2においては2本のみを示されている)が挿通している。複数の湾曲駒40の内周面には、4本の湾曲操作ワイヤ44の先端側を保持するためのワイヤガイド43が夫々内側に向けて突設されている。4本の湾曲操作ワイヤ44は、夫々がワイヤガイド43に挿通され、その先端部に半田付けによって固設される筒状の係止部材45が先端湾曲駒39に形成された係止孔部39aに夫々係止されている。
4つの係止孔部39aは、先端湾曲駒39の長手方向の軸に対して直交する面において、略等間隔となる4等分した位置に形成されている。先端湾曲駒39は、内視鏡画像の上下左右に対応して、各係止孔部39aが位置するように軸回りの方向が決められている。このために4本の湾曲操作ワイヤ44は、上下左右方向に略等間隔に離間した4点において保持固定されている。
また、4本の湾曲操作ワイヤ44は、コイルパイプ49に被覆された状態となっており、当該湾曲操作ワイヤ44は、内筒管49a内を挿通し、コネクタカバー15まで延出されている。
尚、これら湾曲操作ワイヤ44の基端部分には、図示しないワイヤ留めが設けられている。各湾曲操作ワイヤ44のワイヤ留めは、コネクタカバー15がモータボックス16と一体となって合体している状態において、把持部17内に設けられる図示しないワイヤ接続部材に対して夫々連結されている。
ここで、各ワイヤ接続部材は、主操作部18内に配設さる湾曲操作ノブ19に連動する湾曲操作機構、及びチェーン(図示せず)に連結されている。つまり、内視鏡2の湾曲操作ノブ19が回動操作されるとことにより、湾曲操作機構を用いて各ワイヤ接続部材が交互に牽引、又は弛緩されるようになっている。これにより、各湾曲操作ワイヤ44が牽引弛緩されるようになっている。
従って、内視鏡2においては、4本の湾曲操作ワイヤ44の夫々が牽引弛緩されることにより、先端湾曲駒39が上下左右方向のいずれかの方向に向き、このとき、先端湾曲駒39に複数の湾曲駒40が従動することにより、湾曲部9が上下左右方向のいずれかの方向に湾曲動作するようになっている。
湾曲部9の基端部分には、コイルパイプ49が挿嵌されている口金46と、この口金46を内嵌し、最基端に配置される湾曲駒40の外周側に嵌着され金属部材からなる内層チューブ固定用の内層チューブ口金47と、この内層チューブ口金47の外周側に嵌着され金属部材からなり後述する回転筒体を構成する先端側口金50、及び回転筒体を構成する螺旋形状管51を回動自在に係合するための螺旋管接続口金48とが配設されている。この各口金46,47,48は、接着剤等によって強固に固着されている。これら各口金46,47,48の固定においては、より強固に固定するために、複数のビス固定としても良いし、接着剤とビス固定の併用でも良い。
螺旋管接続口金48の外周側は、湾曲外皮41の基端部が覆うように配設されている。そして、この部位においては、湾曲外皮41は、外周側から螺旋管接続口金48に対して糸巻き接着部42により固着されている。
内層チューブ口金47の基端部分は、挿入部本体10内に挿通される軟性な可撓性のある内筒管49aの先端部分に固定されている。
次に、先端部8、及び湾曲部9以外の挿入部本体10について説明する。
挿入部本体10には、内筒管49aが配設されている。この内筒管49aは、細線のワイヤ等を筒状に編み込んで可撓性を持たせたチューブ状に形成される。そして、内筒管49a内には、湾曲操作ワイヤ44、LED34のケーブルを含む信号ケーブル33、及び送気用チューブ23a等のチューブ23が挿通配置されている。これにより、内筒管49aは、内部に挿通配置される上述の各構成要素を保護している。
この内筒管49aには、その先端部分に設けられ合成樹脂により形成され上記湾曲部9との連結用係合部となる先端側口金50と、この先端側口金50に対して先端部分が接着剤52により固着される螺旋形状管51とから構成された回転筒体が外挿している。
先端側口金50は、先端部分に螺旋管接続口金48の突起部48aと係合し、いわゆるスナップフィットに係合する係合部50aが形成されている。先端側口金50の係合部50aと螺旋管接続口金48の突起部48aとが係合した状態では、先端側口金50は、螺旋管接続口金48に対して長手方向の軸廻りに回動自在となっている。そして、螺旋管接続口金48には、湾曲外皮41の基端部が被覆されている。
この先端側口金50に対して接着剤52により一体的に固着されている螺旋形状管51は、挿入方向である長手方向の軸回りに回動可能となるように構成されている。尚、内部に挿通する挿入部本体10は、回転しない。
この螺旋形状管51は、金属、例えば、アルミニウム、及びステンレスの細長な薄板を断面クランク状の凹凸形状にして、螺旋状に巻回させて両側部を掛止することにより形成された可撓性のある螺旋管である。尚、この螺旋形状管51の外周表面には、フッ素コートなど滑り性の良い化学表面処理が施されている。
この螺旋形状管51は、操作部7のモータボックス16(図1参照)に配設された、ここでは図示しない、後述するモータにより回転力が与えられるようになっている。この螺旋形状管51の外周には、軟性なチューブから形成された外装チューブ53が被覆している。この螺旋形状管51は、モータにより回転力が与えられると、外装チューブ53内で外装チューブ53の内周面に摺動しながら回転する。
そして、螺旋形状管51が内部で回転している外装チューブ53の表面は、被検体の体腔壁100(図14参照)と接触することにより推進力が発生し、これにより外装チューブ53は、螺旋形状管51と共に、挿入方向へ進行しようとする。尚、この推進力の発生については、後に詳しく説明する。
このとき、螺旋形状管51の先端部に固着されている先端側口金50は、螺旋管接続口金48に当接して湾曲部9を押圧する。これにより、先端部8、及び湾曲部9を含めた挿入部本体10全体が体腔内の深部に向かって前進することになる。
したがって、上記モータを内蔵するモータボックス16は、螺旋形状管51を長手軸廻りに回転させる回転装置としての機能を有している。
次に、螺旋形状管51の外周を被覆する外装チューブ53の詳細構成について、図3、及び図4を参照して以下に説明する。
図3、及び図4に示す、外装チューブ53は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)系のフッ素樹脂、エラストマ、生体適合のあるゴム等から形成された内径寸法が所定の径d1に設定された軟性のチューブ体である。また、この外装チューブ53は、フッ素樹脂以外で形成された場合、内周面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)系の樹脂コーティングがされている。尚、この外装チューブ53は、例えば、繊維をインサート成型したものでも良く、また、極性を持たせ、周方向と長軸方向との伸縮性を変更したものでも良い。また、外装チューブ53は、内周面に、ヒドロキシエチルセルロース、濃グリセリン、プロピレングリコール、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル等から合成された医療に用いられる潤滑剤、或いは生態適合性のある潤滑油が塗布されたり、潤滑性を向上させる皮膜形成が施されたりしていることが好ましい。
この外装チューブ53には、ここでは、薄膜部57の周方向に略等間隔の位置で長軸に沿って先端から基端まで3つの孔部62が形成されており、これら3つの孔部62の夫々に可撓性を備えたフレキシブルシャフト61が遊挿されている。これら3本のフレキシブルシャフト61は、ステンレス等の金属製のコイルシャフト、硬質な樹脂からなる棒状シャフト、或いはピッチ幅の大きな3条金属コイルから構成されている。
また、これらのフレキシブルシャフト61が挿通して、外装チューブ53を3つの薄膜部57に区分している部分は、本実施の形態に係る捩れ防止手段である捩れ防止部65を構成している。尚、本実施の形態の外装チューブ53は、3本のフレキシブルシャフト61を肉部内に挿通させて、捩れ防止部65を3つ設けたが、これに限定することなく、2つ以上の捩れ防止部65を備えていれば良い。さらに、フレキシブルシャフト61の外周表面に滑り性を向上させるフッ素コート、化学処理等を施しても良い。
次に、以上のように構成された、外装チューブ53が螺旋形状管51に被覆した状態について、図2、及び図5〜図8を参照して、以下に説明する。
ここで、以下の説明において、螺旋形状管51の外周に形成された凹凸を平面的に捉えた、最大外径部を形成する部分を凸部51a(図5参照)、そして、平面的に捉えた最小外径部を形成する部分を凹部51b(図6参照)としている。
図2、及び図5に示すように、外装チューブ53は、螺旋形状管51が内挿されると、軟性であるため、螺旋形状管51の凹凸外表面に沿って密着した状態となる。すなわち、外装チューブ53の捩れ防止部65の間の夫々の薄膜部57は、螺旋形状管51の凸部51aに沿って、伸張された状態となる。
尚、本実施の形態において、螺旋形状管51の凸部51aの所定の外径寸法が外径d2とした場合、上述した、外装チューブ53の内径d1に比して、外径d2の方が大きなもの(d1<d2)となるように、螺旋形状管51と外装チューブ53との径が設定されている。
また、図6に示すように、螺旋形状管51の凹部51b部分では、外装チューブ53の捩れ防止部65の間の夫々の薄膜部57は、螺旋形状管51の凹部51bに沿って、伸張された状態となる。
ここでも、螺旋形状管51の凹部51bの所定の外径寸法が外径d3とした場合、上述した、外装チューブ53の内径d1に比して、外径d3の方が若干に大きなもの(d1<d3)となるように、螺旋形状管51と外装チューブ53との径が設定されている。
また、外装チューブ53に設けられた捩れ防止部65は、図6に示すように、フレキシブルシャフト61の剛性によって、螺旋形状管51の凸部51aの外径に略沿った状態となっている。すなわち、外装チューブ53は、図7、及び図8に示すように、捩れ防止部65が設けられている部分以外が螺旋形状管51の螺旋状の凹凸に沿って、伸縮した状態となる。
そして、この外装チューブ53の外周面には、螺旋状の凹凸となる凹凸形状部53aが形成される。こうして、外装チューブ53は、螺旋形状管51が内筒管49aの外周側において、当該内筒管49aの軸を中心として回転自在に配置され、この螺旋形状管51の凹凸の動きに合わせて、外表面上に体腔壁に作用する凹凸が形成され、推進力発生部として機能するようになっている。
ここで、挿入部本体10に配設される螺旋形状管51を回転駆動するための、コネクタカバー15内、及びモータボックス16内の構成について、図9を参照して簡単に説明する。
挿入部本体10の基端は、図9に示すように、コネクタカバー15内で回動自在に設けられた回転パイプ70に固定されている。この回転パイプ70は、両端側を回動保持する軸受け71と、これら軸受け71の間に配設される受動側ギヤ72と、を有している。また、軸受け71は、コネクタカバー15内で固定されている。
尚、挿入部本体10の内筒管49aは、コネクタカバー15に設けられる固定環73により、固定支持されている。この固定環73の基端からは、各種電気ケーブル、及び各種チューブ23が延出している。
モータボックス16には、回転駆動手段であるモータ75が設けられている。コネクタカバー15がモータボックス16に合体されると、モータ75の能動側ギヤ76が回転パイプ70の受動側ギヤ72と噛合する構成となっている。これにより、モータ75の回転駆動力が各ギヤ76,72を介して、回転パイプ70に伝達され、挿入部本体10に設けられた螺旋形状管51が軸回りの所定方向に回転する。すなわち、図示していないが、螺旋形状管51は、回転パイプ70に連結固定されている。
このとき、外装チューブ53の基端部は、コネクタカバー15に固定されるチューブ固定連結部77によって、回転パイプ70、及び螺旋形状管51の回動に対して、非回動となるように固定されている。
具体的には、図10、及び図11に示すように、コネクタカバー15の先端部分に設けられた、切り欠き部15bが紙面の下方側に形成された非回動部材である接続部15aに非回動固定部であるチューブ固定連結部77が螺着されている。この接続部15aは、螺旋形状管51をコネクタカバー15内の回転パイプ70に装着し易いように、紙面に向かって見た下方側となる、コネクタカバー15の開口側に切り欠き15bが形成された円環形状をしている。
このチューブ固定連結部77は、外管81と内管82から構成されている。先ず、内管82は、コネクタカバー15の接続部15aに螺着される。尚、この内管82の基端内周面、及び接続部15aの外周面には、雄雌のネジ山が形成され、内管82と接続部15aの夫々が螺合する螺合部84により連結される。
そして、内管82の外周部には、周りに等間隔で軸方向に沿った凹状の3つの溝部82aが形成されている。外装チューブ53の基端部分は、内管82の3つの溝部82aの夫々に、捩れ防止部65が係入して固定され、内管82を被覆するように装着される。尚、内管82の外径は、外装チューブ53の内径よりも大きいものである。
その後、外装チューブ53が装着された内管82の外周部分に外管81が螺着される。この外管81と内管82は、夫々の対向する周面間に若干のクリアランスが設けられており、このクリアランスの間に外装チューブ53の薄膜部57が挟設される。尚、外管81の基端内周部と内管82の基端外周部には、雄雌のネジ山が形成され、夫々が螺合する螺合部83により連結される。
以上に説明したように、外装チューブ53は、チューブ固定連結部77の外管81と内管82に挟まれた状態で係止され、回動する螺旋形状管51に連動しないような非回動となる状態で、非回動部材であるコネクタカバー15に固定される。
その一方で、図2に示した、外装チューブ53の先端部分は、回動する螺旋形状管51に連動しないような非回動となる状態で、非回動部材である螺旋管接続口金48の肉部に形成された周溝に係入され、非回動固定部となる接着剤54により固着されている。このような構成でも良いが、上述したような、チューブ固定連結部77と同一な構成により、螺旋管接続口金48に装着されるようにしても良い。
また、図12に示すように、外装チューブ53の先端部分は、螺旋管接続口金48の外周部と接着剤79で固着するようにしても良いし、非回動固定部となる熱収縮性樹脂、或いは糸巻き接着による固定でも良い。
尚、外装チューブ53を長尺な挿入部本体10に先端部8から基端方向へ外挿装着するため、外装チューブ53は、図4に示した、装着前の内径d1が先端部8の外径d4よりも大きく(d1>d4)、さらに、螺旋形状管51に外挿装着された状態の凹凸の少なくとも凸部分の外径d5が先端部8の外径d1よりも大きく(d5>d1)なるように設定すると良い。これにより、製造時の外装チューブ53の挿入部本体10への装着性が向上すると共に、凹凸形状部53a(図5参照)が体腔へ確実に接触するため、体腔に対する推進力の発生が向上する。
以上のように構成された本実施形態の内視鏡システム1における作用を図13〜図15を参照して以下に説明する。尚、以下の説明においては、本実施形態の内視鏡システム1を用いて大腸内視鏡検査を行なう場合を例に挙げて説明する。
内視鏡システム1の基本的な使用形態は、図1示すような形態である。このとき、先端部8、及び湾曲部9を含めた挿入部本体10は、挿入部収納ケース12の内部において、例えばループを描いた状態で収容されている。
術者は、まず、内視鏡システム1の挿入補助具11を、例えばベッド上に横たわっている患者の肛門501から挿入する。
挿入補助具11は、外向フランジ状の当接部11a(図13参照)を有し、この当接部11aが患者の肛門501近傍の臀部に当接することで、挿入管のみが肛門501から直腸502内に挿入された状態となる。即ち、挿入補助具11は、当接部11aによって、その全体が直腸502内に挿入されてしまうことが防止されるように構成されている。尚、このとき、術者は、当接部11aをテープ等で患者の臀部へ固定すると良い。
この状態において、術者は、操作部7の把持部17を握持し、フットスイッチ25の足元操作あるいは主操作部18に設けた進退スイッチの手元操作等、所定の操作を行なって、挿入部本体10に設けられた螺旋形状管51を長手軸回りの所定の方向であって、当該螺旋形状管51が前進する方向であり、螺旋形状管51が体腔内に挿入される所定の方向に回転させる。
即ち、術者は、操作部7の前記モータボックス16内に配設されるモータを足元操作あるいは手元操作によって回転駆動状態にする。螺旋形状管51には、基端部分から先端側へ回転力が伝達され、その全体が軸回りの所定の方向に回転(正回転)し、挿入部収納ケース12の案内管固定部材から推進力が与えられる。
推進力を与えられた螺旋形状管51は、図13に示すように、先端部8、及び湾曲部9を含む挿入部本体10全体と共に、先端側案内管13、及び挿入補助具11を介して大腸内の深部に向かって進んでいく。
このとき、術者は、挿入部本体10を把持して押し進めることなく、挿入補助具11の基端側を軽く把持しておればよい。これにより、挿入部本体10は、案内管固定部材64内で与えられた推進力のみによって大腸内の深部に向かって前進する。
挿入部本体10が螺旋形状管51の回転によって前進するのは、腸内に挿入された螺旋形状管51に被覆する外装チューブ53の表面に形成される凹凸形状部53aと腸壁の襞等との接触によるものである。
ここで、この腸壁である体腔壁100に、外装チューブ53の表面に形成される凹凸形状部53aが接触して、挿入部本体10に推進力を発生させる状態について、図14を用いて、詳しく説明する。
図14に示すように、外装チューブ53は、内部において回転する螺旋形状管51の凹凸の動きに合わせて動く凹凸形状部53aが外周表面に形成される。この凹凸形状部53aの凸部は、図中の実線と破線で示し、範囲Sで前後に動くように形成される。つまり、螺旋形状管51が1回転して凸部が動く範囲を範囲Sとすると、最大範囲Sの幅で各凸部が前後に動くように形成される。
この凹凸形状部53aの凸部は、体腔壁100の襞等に引っ掛かり、範囲Sで前後に動くことで、推進力を発生するものである。つまり、外装チューブ53は、先端部分、及び基端部分が固定されているため、内部の螺旋形状管51が回転している状態でも、内周面が螺旋形状管51の外周部と摺動して、外周面に形成される凹凸形状部53aの凸部分と凹部分が前後に波打つような動きとなる。尚、本実施の形態では、螺旋形状管51の回転に対して、外装チューブ53が追従して捩れてしまわないように、外装チューブ53の内周面と螺旋形状管51の外周面との摩擦を低減するための処置、例えば、上述したように、潤滑剤の塗布、潤滑コーティング等が施されているため、螺旋形状管51が容易に外装チューブ53内で空回りしている状態となる。
そして、体腔壁100の襞等は、凹凸形状部53aの凹部分に入り込むと共に、凸部分に引っ掛けられ、凹凸形状部53aの前後の動きに合わせて体腔内の一方向(螺旋形状管51の軸回りの正、或いは負の回転方向により、体腔深部方向、或いは肛門方向)へ送り出される力が働く。これにより、外装チューブ53が被覆する挿入部本体10に推進力が発生する。
換言すると、凹凸形状部53aの前後の動きにより、体腔壁100の襞等との接触により発生した力は、体腔壁100の移動量に制限があるため、挿入部本体10をスムーズに前進さる推進力となって、当該挿入部本体10が、直腸502からS状結腸503へと深部に向かって進んで行く力が働く。
こうして、挿入部本体10は、前進すると、図13に示したように、先端部8、及び湾曲部9が屈曲部であるS状結腸503に到達する。このとき、術者は、モニタ3aにより映し出された内視鏡画像を見ながら、主操作部18の湾曲操作ノブ19(図1参照)を操作することにより湾曲部9をS状結腸503の屈曲状態に合わせて湾曲させることで、挿入部本体10がS状結腸503等の屈曲部を通過し易くなる。
こうして、S状結腸503を通過した、挿入部本体10は、図15に示すように、先端部8が盲腸509付近に到達するまで、スムーズに自走して、体腔深部方向へ前進する。この体腔深部へ前進しているとき、回転する螺旋形状管51と体腔壁100とが直接に接触せず、螺旋形状管51が外装チューブ53内で空回りした状態である。
このため、体腔深部に入り込むにつれて発生する摩擦抵抗は、外装チューブ53の表面と体腔壁とに発生するが、螺旋形状管51に直接的に発生することがない。尚、螺旋形状管51に外装チューブ53を介して、体腔への挿入状態によって、螺旋形状管51の回転を阻害する摩擦抵抗が発生しうる場合でも、螺旋形状管51が外装チューブ53に対して十分に回転摺動する滑り性を持たせるため、夫々の接触面に潤滑剤、潤滑コーティングなどを施しているため、螺旋形状管51の回転を停止させるほどの抵抗が発生しない構成となっている。
尚、上述では、S状結腸503の鋭角な屈曲部での挿入部本体10を通過させるための操作例を挙げて説明したが、これに限定されること無く、例えば、横行結腸506と上行結腸508との境界である屈曲領域(肝湾曲)507等に挿入部本体10を通過する場合にも、勿論、有効な操作方法となる。尚、符号505は、下降結腸504と横行結腸506との境界である脾湾曲である。
また、体腔内に挿入部本体10が挿入されているときに、外装チューブ53に設けられた3本のフレキシブルシャフト61の夫々は、その剛性により、外装チューブ53が螺旋形状管51の回転に追従して捩れを防止する働きをする。さらに、体腔への挿入過程において、外装チューブ53は、軟性であり、螺旋形状管51の回転に伴って、凹凸形状部53aが前後に波打つように動くため伸縮するが、3本のフレキシブルシャフト61が孔部62に遊挿されているため、凹凸形状部53aの形成が螺旋形状管51の外表面の螺旋形状に沿ってスムーズに形成される。
これにより、外装チューブ53の凹凸形状部53aは、挿入部本体10の外周表面に確実に浮き上がり、体腔壁100の襞等に対して確実に作用するため、推進力の低下が防止された構成となっている。
以上に説明したように、本実施の形態の内視鏡システム1では、挿入部本体10が体腔内の深部でも、挿入性が低下することなく、スムーズに進退する構成となる。そのため、挿入部本体10は、うねりなどが生じることがないため、直進性が向上する。また、フレキシブルシャフト61は、体腔壁100と接触すると挿入部10の回転軸に対して、自己の弾発力により平行となる直線状に応力が働き、捩れ防止効果を発生する。さらに、挿入部本体10の螺旋形状管51は、体腔壁100と直接的な接触抵抗が発生しないため、伸縮することなく、所望の回転性能を有し、その結果、挿入部本体10が所望の挿入性、及び抜去性を得られる。
以上の結果、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部本体10の挿入性、及び抜去性が低下することが防止されるため、挿入部本体10が捩れによる暴れが生じることなく直進性に優れた構成となるため、ユーザへの体腔内の内視鏡観察性に悪影響を与えることを防止することができる。すなわち、本実施の形態によれば、体腔内への挿入安定性を向上させ、観察性能を阻害しない回転自走式内視鏡2を実現することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の内視鏡システムについて説明する。尚、以下の説明においても、第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。また、図16は、本発明の第2の実施の形態に係り、図16は挿入部本体の基端部分の構成を示す断面図である。
図16に示すように、本実施の形態の挿入部本体10は、体腔内に挿入される範囲、例えば、長軸方向の長さが200cm程度の体内挿入部分91と、外装チューブ53が伸縮調整自在となる伸縮調整部を構成するダンパ部92と、を有している。
体内挿入部分91は、外装チューブ53のフレキシブルシャフト61が孔部62に密着した状態となり、外装チューブ53に対して殆ど前後に動かない状態で挿通配置されている。
また、ダンパ部92は、体内に挿入されない部分であり、長軸方向の長さが、およそ、5cm〜15cmに設定されている。このダンパ部92には、スプリング85が配設され、このスプリングの外周に外装チューブ53の基端部分が被覆している。このスプリング85は、所定の力量により、外装チューブ53を後方へ牽引している。
尚、外装チューブ53の基端部は、コネクタカバー15(不図示)に連結された、保持環86に接着等により外挿固定されている。この保持環86は、先端部分にダンパ部92のスプリング85の基端部分が嵌挿固定され、フレキシブルシャフト61をコイル87と共に挿通する挿通路を有している。保持環86内に挿通するフレキシブルシャフト61は、基端部が固定されておらず、前後に自由に移動できる状態となっている。
以上のように構成された本実施の形態の挿入部本体10は、体腔への挿入時に発生する外装チューブ53の前後の移動に合わせて、ダンパ部92のスプリング85が伸縮する。また、フレキシブルシャフト61は、外装チューブ53の伸縮を阻害しないように、基端部が固定されておらず、保持環86内で前後に移動できる構成となっている。
そのため、外装チューブ53は、螺旋形状管51の回動により、前後に伸縮しても、ダンパ部92によって、所定の力量で牽引されているため、表面にシワ、弛み等の発生が抑制され、螺旋形状管51の螺旋形状に沿った凹凸形状部53aが外周表面に形成される。
これにより、本実施の形態の内視鏡システム1では、内視鏡2の挿入部本体10が体腔に対して安定した推進力を得ることができる。
尚、フレキシブルシャフト61は、湾曲操作ワイヤ44(図2参照)を兼ねた構成にしても良い。この場合、フレキシブルシャフト61は、コイルパイプ等に挿通した状態で、牽引弛緩自在に、外装チューブ53内に配設される。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
第1の実施の形態に係る、内視鏡システムの全体構成を示す外観斜視図。 同、図1の内視鏡システムにおける内視鏡の先端部と湾曲部と螺旋形状部の夫々を部分的に示す断面図。 同、外装チューブの構成を示す斜視図。 同、外装チューブの構成を示す断面図。 同、外装チューブの螺旋形状管への装着状態を示す図。 同、外装チューブの螺旋形状管の凸部への装着状態を示す断面図。 同、外装チューブの螺旋形状管の凹部への装着状態を示す断面図。 同、図7のVIII−VIII線に沿った断面図。 同、モータボックス、及びコネクタカバーの内部構成を示す図。 同、チューブ固定連結部に外装チューブの基端部分が固定された状態を示す断面図。 同、図10のXI−XI線に沿った断面図。 同、外装チューブの先端部分が固定される一形態を示す図。 同、大腸に挿入部本体が挿入される状態を示す図。 同、外装チューブの凹凸形状部の体腔壁への作用を説明するための図。 同、大腸深部に挿入部本体が挿入された状態を示す図。 第2の実施の形態に係る、挿入部本体の基端部分の構成を示す断面図。
符号の説明
1・・・内視鏡システム
2・・・回転自走式内視鏡
7・・・操作部
8・・・先端部
9・・・湾曲部
10・・・挿入部本体
15・・・コネクタカバー
15a・・・接続部
15b・・・切り欠き部
16・・・モータボックス
51b・・・凹部
51a・・・凸部
51・・・螺旋形状管
53a・・・凹凸形状部
53・・・外装チューブ
57・・・薄膜部
61・・・フレキシブルシャフト
62・・・孔部
64・・・案内管固定部材
65・・・捩れ防止部
77・・・チューブ固定連結部
81・・・外管
82a・・・溝部
82・・・内管
83・・・螺合部
84・・・螺合部
85・・・スプリング
86・・・保持環
87・・・コイル
92・・・ダンパ部
91・・・体内挿入部分
100・・・体腔壁

Claims (8)

  1. 体腔内に挿入され、湾曲部を備えた挿入部と、
    該挿入部の長手軸回りに回動自在に設けられ、表面に螺旋形状を有する回転筒体と、
    上記回転筒体を回動させる回動手段と、
    上記回転筒体が回動しても非回動な状態で、該回転筒体を被覆する軟性な被覆部と、
    を具備することを特徴とする回転自走式内視鏡。
  2. 上記被覆部は、両端部が非回動固定部により、上記回転筒体の回動に連動しないように、固定されていることを特徴とする請求項1に記載の回転自走式内視鏡。
  3. 上記被覆部には、上記長手軸に沿って、捩れ防止部が設けられていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の回転自走式内視鏡。
  4. 上記捩れ防止部は、上記挿入部の周方向に略等間隔で複数設けられ、可撓性を有するシャフトを有していることを特徴とする請求項3に記載の回転自走式内視鏡。
  5. 上記シャフトは、上記被覆部に遊挿していることを特徴とする請求項4に記載の回転自走式内視鏡。
  6. 上記非回動固定部は、接着剤、熱収縮樹脂、或いは糸巻き接着によって、上記被覆部の少なくとも一端部を上記挿入部の非回動部材に固着していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の回転自走式内視鏡。
  7. 上記非回動固定部は、上記挿入部の非回動部材に固定された2つの環状部材であって、
    上記被覆部の少なくとも一端部を上記2つの環状部材で挟持して、非回動な状態で固定していることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の回転自走式内視鏡。

  8. 上記シャフトの両端部は、上記接着剤、上記熱収縮樹脂、上記糸巻き接着、或いは上記2つの環状部材によって、上記被覆部の上記少なくとも一端部と共に、上記挿入部の非回動部材に固定されていることを特徴とする請求項6、又は請求項7に記載の回転自走式内視鏡。
JP2007132007A 2007-05-17 2007-05-17 回転自走式内視鏡 Pending JP2008284161A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007132007A JP2008284161A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 回転自走式内視鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007132007A JP2008284161A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 回転自走式内視鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008284161A true JP2008284161A (ja) 2008-11-27

Family

ID=40144449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007132007A Pending JP2008284161A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 回転自走式内視鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008284161A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013147017A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 生体内導入装置
WO2019208790A1 (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 オリンパス株式会社 スパイラルチューブおよび内視鏡

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013147017A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 生体内導入装置
JP5458224B1 (ja) * 2012-03-30 2014-04-02 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 導入装置
CN103889303A (zh) * 2012-03-30 2014-06-25 奥林巴斯医疗株式会社 活体内导入装置
WO2019208790A1 (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 オリンパス株式会社 スパイラルチューブおよび内視鏡
CN112004452A (zh) * 2018-04-26 2020-11-27 奥林巴斯株式会社 螺旋管和内窥镜
US11864733B2 (en) 2018-04-26 2024-01-09 Olympus Corporation Spiral tube and endoscope
CN112004452B (zh) * 2018-04-26 2024-04-02 奥林巴斯株式会社 螺旋管和内窥镜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4922618B2 (ja) 内視鏡及び内視鏡システム
JP5030514B2 (ja) 内視鏡及び内視鏡システム
US9763561B2 (en) Attachment unit and endoscope
JP4435153B2 (ja) 挿入装置
US20160287054A1 (en) Endoscope
JP5173136B2 (ja) 内視鏡装置
JP2006334246A (ja) 内視鏡装置
US20080033245A1 (en) Rotating self-traveling endoscope system, rotating self-traveling endoscope insertion assisting tool, and method for technique of inserting endoscope insertion portion into small intestine using rotating self-traveling endoscope
JP2006218231A (ja) 内視鏡用可撓管及び内視鏡装置
JP5033578B2 (ja) 自走式大腸内視鏡
JP2008093029A (ja) 回転自走式内視鏡システム
JP5284570B2 (ja) 回転自走式内視鏡システム
JP5025319B2 (ja) 回転自走式内視鏡システム
JP2006312017A (ja) 内視鏡用挿入部及び内視鏡システム
JP2007307241A (ja) 回転自走式内視鏡、及び回転自走式内視鏡装置
CN113440089A (zh) 一种医用光学器具智能电子内窥镜设备
US20090023994A1 (en) Endoscope Insertion Portion and Endoscope
JP2008284161A (ja) 回転自走式内視鏡
JP2007054400A (ja) 内視鏡
JP5945642B2 (ja) 内視鏡の湾曲操作機構
JP2007306993A (ja) 回転自走式内視鏡システム
CN112004452A (zh) 螺旋管和内窥镜
US20120046523A1 (en) Self propelling device
JP5019899B2 (ja) 回転自走式内視鏡装置
JP4625076B2 (ja) 挿入装置の挿入部