JP2008284027A - スタッキング構造を有する電気調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気調理器本体1と、当該本体1に載置して加熱部4により加熱可能な調理鍋2と、調理鍋2の外周に形成されたフランジ部15に径方向に対向して配置された一対の把手16とを備え、第1の調理鍋5の把手16に上方係止部19を設け、第2の調理鍋6の把手16に下方突出係止部20を設けて、第1の調理鍋5に第2の調理鍋6を載置し、第2の調理鍋6の把手16に設けられた下方突出係止部20の径方向外側20aを、第1の調理鍋5の把手16に設けられた上方係止部19の径方向内側19aに係止し、第1、第2の調理鍋5、6を電気調理器本体1上に位置決めするスタッキング構造を有する。
【選択図】図4
Description
このような従来の電気調理器として、例えば、特許文献1に記載の電気調理器70が挙げられる。
特許文献1には、図8に示すように、加熱部71を有する電気調理器本体72と、この電気調理器本体72に載置して加熱部71により加熱可能な調理鍋73と、複数の調理鍋73の外周にフランジ部74が形成され、このフランジ部74において径方向に対向して配置された一対の把手75とを備えた電気調理器70が開示されている。
この電気調理器70では、複数の調理鍋73として、深さの深い深鍋73a、深さの浅い焼肉プレート73b及び平面プレート73cが用いられており、深鍋73aは焼肉プレート73b及び平面プレート73cよりも径方向に大きく形成され、調理の際に深鍋73aから吹きこぼれた調理物が電気調理器本体72側に入らない大きさに形成されている。そのため、上記フランジ部74に取付けられる把手75は、各調理鍋73の外周等に対応して異なる形状とされるとともに、このような把手75の上部には上方係止部76(特許文献1の明細書の係合段部22aに相当)、下部には下方突出係止部77(特許文献1の明細書の係合凸部22bに相当)が、それぞれ異なった形状で設けられている。
そして、電気調理器70を収納等する際には、電気調理器本体72に深鍋73a、焼肉プレート73b、平面プレート73cの順に載置して、焼肉プレート73bの把手75の下部に設けられた下方突出係止部77の径方向内側77aを、深鍋73aの把手75の上部に設けられた上方係止部76の径方向外側76aに係止し、平面プレート73cの把手75の下部に設けられた下方突出係止部77の径方向内側77aを、焼肉プレート73bの把手75の上部に設けられた上方係止部76の径方向外側76aに係止するスタッキング構造により、省スペースを図りつつ、深鍋73aと焼肉プレート73bと平面プレート73cとを電気調理器本体72に位置決めすることができる。このように電気調理器本体72に各調理鍋73が位置決めされた際には、上記3つの調理鍋73の全体としての取り外しが容易となるように、一番下にある深鍋73aの把手75の径方向外端は、焼肉プレート73b及び平面プレート73cの把手75の径方向外端よりも径方向において外側に突出して形成されている。なお、焼肉プレート73b及び平面プレート73cの載置順序は、特に制限されておらず、深鍋73a、平面プレート73c、焼肉プレート73bの順に載置して電気調理器本体72に位置決めすることも可能とされている。
しかしながら、上記深鍋73aや平面プレート73c等の調理鍋73が、プレス加工等により比較的成型精度が甘く製造された場合には、電気調理器本体72に載置された深鍋73aや平面プレート73c等同士が、把手75以外の部分で接触するおそれがある。すなわち、各調理鍋73が順次載置された場合には、各調理鍋73は把手75同士の係止により位置決めされているが、各調理鍋73は比較的近接した状態にあり、所定の寸法で正確に形成されていないと、これら各調理鍋73同士が相互に接触して傷がつくおそれがある等の問題がある。
特に、平面プレート73c若しくは焼肉プレート73bの把手75の下部に設けられた下方突出係止部77の径方向内側77aと深鍋73aの把手75の上部に設けられた上方係止部76の径方向外側76aとが係止して、深鍋73aと平面プレート73c若しくは焼肉プレート73bとを位置決めしているため、深鍋73aや平面プレート73c等が所定の寸法で正確に形成されていない場合などには、各調理鍋73間の隙間は、一方の把手75側の係止箇所と他方の把手75側までの各部品の寸法バラツキが加算されることとなり、平面プレート73c若しくは焼肉プレート73bの一方の把手75側から他方の把手75側へ何らかの外力が加わると、調理鍋73同士の接触が起こりやすい。また、平面プレート73c若しくは焼肉プレート73bの一方の把手75側から他方の把手75側へ何らかの外力が加わると、他方の把手75側を支点にして一方の把手75の下部に設けられた下方突出係止部77が深鍋73aの把手75の上部に設けられた上方係止部76を乗り越えて、平面プレート73c等が傾くとともに径方向(他方の把手75側)に移動して、他方の把手75側付近の平面プレート73c等の鍋底が深鍋73aの鍋壁に接触するおそれがあるという問題がある。
さらに、特許文献1に記載の電気調理器70では、プレス加工等により製造した各調理鍋73を、特に加工(例えば、外周のフランジ部に切り欠き部を設けるなど)することなく、そのままの形状で用いているため、この各調理鍋73に取付け具78等を介して把手75を取付けることにより製品とすることができ、製造が迅速かつ容易であるとともに、製造コストの増大を防止することができるが、この電気調理器70では、各調理鍋73の外径が異なる場合等には、取付け具78を加工等しなければ同一形状の把手75を用いることができず、製造コストが増大するという問題がある。
したがって、第2の調理鍋に設けられた把手の下方突出係止部は、第1の調理鍋の把手に設けられた上方係止部よりも径方向において内側(第2の調理鍋の中心側)に位置しているため、両調理鍋の接触が起こることがある鍋壁のごく近傍で、その横移動を規制できる。具体的には、第2の調理鍋の一方の把手側から他方の把手側に何らかの外力が加わって、僅かな相対移動が起こったとしても、第1の調理鍋に第2の調理鍋を載置後の相互間の隙間は、基本的には他方の把手側の把手で設定されるため、両調理鍋同士の接触が最小限に抑えられる。さらに、第2の調理鍋の一方の把手側から他方の把手側に何らかの大きな外力が加わっても、上記第2の調理鍋の一方の把手側の下方突出係止部は上記第1の調理鍋の一方の把手側の上方係止部を乗り越えることが無く、第2の調理鍋が傾いて当該第2の調理鍋の鍋底が、第1の調理鍋の鍋壁に接触することを防止できる。また、同様に、第2の調理鍋の一方の把手側から他方の把手側に何らかの大きな外力が加わったとしても、第2の調理鍋の他方の把手側の下方突出係止部の径方向外側は、第1の調理鍋の他方の把手側の上方係止部の径方向内側に係止されているとともに、この下方突出係止部と上方係止部との係止箇所には第2の調理鍋自体による重力が第2の調理鍋の下向きに作用しているため、強固に係止された状態となり、第2の調理鍋が径方向の外側へ移動しようとしても簡単には移動できず、第2の調理鍋の鍋底が第1の調理鍋の鍋壁に接触することを良好に防止できる。
したがって、第2及び第3の調理鍋に配置された把手の径方向外端は、上記第1の調理鍋に配置された把手の径方向外端よりも、径方向において内側に配置されていることとなるため、上記第1の調理鍋の把手と第2の調理鍋の把手との係止とは異なる構造のスタッキング構造としても、第2の調理鍋と第3の調理鍋とを十分に安定した状態で位置決めすることができる。
この電気調理器100は、図1及び図2に示すように、加熱部4を有する電気調理器本体1と、電気調理器本体1に載置して加熱部4により加熱可能な調理鍋2と、複数の各調理鍋2の開口上面を閉鎖可能な蓋部材3とを備えて構成されている。
そして、電気調理器100を用いて調理を行う際には、調理の内容に応じた各調理鍋2をそれぞれ上記電気調理器本体1に載置して、加熱部4からの熱により調理物の調理を行うことができ、各調理鍋2は、例えば、図1に示すように、第1の調理鍋として深さの深い深鍋5、第2の調理鍋として深さが浅い平面プレート6、第3の調理鍋として深さが浅い焼肉プレート7により構成される。
また、調理を終えて収納するなど電気調理器100を使用しない場合には、図2に示すように、各調理鍋2(深鍋5、平面プレート6、焼肉プレート7)、蓋部材3を順次、電気調理器本体1に載置して、省スペースを図りつつ、電気調理器本体1に位置決めした状態とすることができる。
電気調理器本体1は、図2に示すように、断面形状が扁平な略U字形状を有する円筒形状の合成樹脂からなるケース8と、支持部材9を介して当該ケース8の底部13aと所定の隙間を形成して配置された扁平な断面略U字形状の遮熱板11と、支持部材12を介して当該遮熱板11と所定の隙間を形成して配置された加熱部4とを備えて構成される。
電気調理器本体1を構成する円筒形状のケース8は、外壁13と内壁14との二重構造となっているとともに、当該ケース8の上面には複数の調理鍋2を載置可能な開口部が形成されている。外壁13は、電気調理器本体1の底部13a及びこの底部13aから立ち上がる円筒形状の外周13bを構成し、当該電気調理器本体1の外周(外径)13bは、上記深鍋5の外径と少なくとも同一、より好ましくは小さく形成され、電気調理器本体1に深鍋5を載置して調理物を調理した際に吹きこぼれ等が生じても、当該調理物が電気調理器本体1の内側に入らないように構成されている。また、内壁14は、電気調理器本体1の外周(外壁)13bの最上部から径方向内側に所定距離入りつつ底部14aまで下がる円筒形状の内周14bを構成し、当該電気調理器本体1の内周14bには、上記外周13bの最上部から底部14aに至る途中の箇所、具体的には、平面プレート6や焼肉プレート7の外径と少なくとも同一、より好ましくは径方向内側となる箇所に段部14cを形成して、電気調理器本体1に平面プレート6や焼肉プレート7を載置して調理物を調理した際に吹きこぼれ等が生じても、当該調理物が当該段部14cに留まり、上記内周14bに沿って底部14aにまで入らないように構成されている。
また、図3に示すように、電気調理器本体1のケース8には、後述する各調理鍋2、特に深さの浅い平面プレート6及び焼肉プレート7の外径のフランジ部15に配置された一対の把手16を格納することができるように、上記円筒形状における外壁13及び内壁14の円周に一対の把手格納部17が形成されている。これにより、平面プレート6や焼肉プレート7が電気調理器本体1上を回転しようとしても、把手16が電気調理器本体1のケース8に接触して平面プレート6及び焼肉プレート7が回転することを防止できる。
遮熱板11は、図2に示すように、断熱部材からなり、電気調理器本体1を構成するケース8の底部13a上に支持部材9を介して配置され、加熱部4からの熱により合成樹脂からなるケース8が変形することを防止している。
加熱部4は、ヒータプレート4aとシーズヒータ4bとを備えて構成される。ヒータプレート4aの内部にはシーズヒータ4bが埋設されており、ヒータプレート4aを加熱することができる。ヒータプレート4aは、熱伝導性の良い金属により構成され、上部に緩やかな凸面4cを有しており、この凸面4cの形状に対応する鍋底を有する上記各調理鍋2を1つ載置して、良好に加熱することができる。
深鍋5は、プレス加工により製造され、その外径が電気調理器本体1の外周(外径)13bと同一、より好ましくは大きく形成され、さらに平面プレート6及び焼肉プレート7の外径よりも大きく形成されている。
平面プレート6は、プレス加工により製造され、その外径が電気調理器本体1の内周14bの段部14cの径方向位置と同一、より好ましくは小さく形成され、さらに焼肉プレート7の外径と同一の外径に形成されている。
焼肉プレート7は、ダイキャストにより製造され、その外径が電気調理器本体1の内周14bの段部14cの径方向位置と同一、より好ましくは小さく形成され、さらに平面プレート7の外径と同一の外径に形成されている。焼肉プレート7の鍋底の上面には、一部に波状の凸部が設けられている。
また、図2及び図4に示すように、各調理鍋2の外周にはフランジ部15が形成され、このフランジ部15には径方向に対向して配置された一対の把手16が、それぞれ取付部材18を介して取り付けられている。各調理鍋2の把手16は、いずれも共通の形状を有する合成樹脂からなる把手16が用いられ、この把手16の上部には上方係止部として1つの上方凸部19が、下部には下方突出係止部として1つの下方凸部20が設けられている。これら各調理鍋2に設けられた把手16の上方凸部19及び下方凸部20の係止により、各調理鍋2を位置決め可能なスタッキング構造が形成される。
当該把手16には下部に、下方凸部20のほか、当該下方凸部20の径方向内側位置に突出固定部21、当該下方凸部20の径方向外側位置(把手16の外端)に持上げ突出部22が設けられており、各調理鍋2の外周のフランジ部15にボルト等により固定された取付部材18の先端が、下方凸部20の径方向内側で上下方向に中間程度の位置に設けられた切り欠き部23に嵌合するとともに、突出固定部21の先端が、取付部材18の上面に接触するように構成されている。これにより、把手16の外端で下部に設けられた持上げ突出部22を持上げた場合等であっても、取付部材18と下方凸部20との嵌合及び突出固定部21と取付部材18との接触により、把手16の破損を伴うことなく各調理鍋2を確実に持上げたり、降ろしたりすることが可能に構成されている。
図4に示すように、電気調理器本体1に上記深鍋5、平面プレート6、焼肉プレート7を順次載置する際には、まず、深鍋5を電気調理器本体1の加熱部4におけるヒータプレート4aの凸面4cに載置し、次に、深鍋5の把手16の上部に平面プレート6の把手16を載置する。したがって、把手16同士を係止させて深鍋5と平面プレート6とを位置決めするため、深鍋5と平面プレート6とが所定の間隔を有した状態となり非接触で積み重ねられる。
具体的には、平面プレート6の把手16の下部に設けられた下方凸部20の径方向外側20aと、深鍋5の把手16の上部に設けられた上方凸部19の径方向内側19aとが接触、係止して、平面プレート6が深鍋5に位置決めされる。なお、この下方凸部20は上方凸部19よりも長く形成されており、下方凸部20の先端が深鍋5の把手16の上面に接触して、平面プレート6の重量を支えている。
これにより、平面プレート6に設けられた把手16の下部の下方凸部20は、深鍋5の把手16の上部に設けられた上方凸部19よりも径方向において内側(平面プレート6の中心側)に位置しているため、両調理鍋2の接触が起こることがある鍋壁のごく近傍で、その横移動を規制できる。具体的には、平面プレート6の一方の把手16側から他方の把手16側に何らかの外力が加わって、僅かな相対移動が起こったとしても、深鍋5に平面プレート6を載置後の相互間の隙間は、基本的には他方の把手16側の把手16で設定されるため、両調理鍋2同士の接触が最小限に抑えられる。さらに、平面プレート6の一方の把手16側から他方の把手16側に何らかの大きな外力が加わっても、上記平面プレート6の一方の把手16側の下方凸部20は上記深鍋5の一方の把手16側の上方凸部19を乗り越えることが無く、平面プレート6が傾いて当該平面プレート6の鍋底が、深鍋5の鍋壁に接触することを防止できる。また、同様に、平面プレート6の一方の把手16側から他方の把手16側に何らかの大きな外力が加わったとしても、平面プレート6の他方の把手16側の下方凸部20の径方向外側20aは、深鍋5の他方の把手16側の上方凸部19の径方向内側19aに係止されているとともに、この下方凸部20と上方凸部19との係止箇所には平面プレート6自体による重力が平面プレート6の下向きに作用しているため、強固に係止された状態となり、平面プレート6が径方向の外側へ移動しようとしても簡単には移動できず、平面プレート6の鍋底が深鍋5の鍋壁に接触することを良好に防止できる。特に、深鍋5及び平面プレート6はプレス加工により製造されており、加工精度が比較的甘く形成される場合があるため、上記のように位置決めすることにより深鍋5と平面プレート6との接触を良好に防止できることは重要である。
この際、上記深鍋5の把手16の径方向外端が、上記平面プレート6の把手16の径方向外端よりも径方向において外側に突出して形成されているので(図2、図3参照)、電気調理器本体1に各調理鍋2が位置決めされた際には、上記深鍋5を持上げることで全ての調理鍋2の取り外しが容易となる。また、上記のように、深鍋5の把手16と平面プレート6の把手16との位置関係を守ると、深鍋5自体の外径を平面プレート6自体の外径よりも大きくした場合でも、深鍋5及び平面プレート6の把手16の外端が同一の外径位置に来ることがないため、上側に位置する平面プレート6の外径部位と把手16との隙間が少なくなり、平面プレート6と把手16との間に設けられた取付部材18が視認されて外観を損なうことを防止できる。
具体的には、焼肉プレート7の把手16の下部に設けられた下方凸部20の径方向内側20bと、平面プレート6の把手16の上部に設けられた上方凸部19の径方向外側19bとが接触して、焼肉プレート7が平面プレート6に位置決めされる。なお、上記と同様に下方凸部20は1つの凸部から構成されるとともに、上方凸部19は1つの凸部から構成され、下方凸部20が、上方凸部19よりも長く形成されている。すなわち、各調理鍋2の設けられる把手16は、全て同一の形状に形成されている。ここで、図2及び図3に示すように、平面プレート6と焼肉プレート7とにそれぞれ配置された把手16の径方向外端は、径方向における外径が同等に形成されており、これら把手16の径方向外端は、上記深鍋5に配置された把手16の径方向外端よりも、径方向において内側に配置されていることとなるため、上記深鍋5の把手16と平面プレート6の把手16との係止とは異なる構造のスタッキング構造としても、平面プレート6と焼肉プレート7とを十分に安定した状態で位置決めすることができる。
(1)上記最良の実施形態では、共通の形状を有する把手16の上部に上方係止部として1つの凸部からなる上方凸部19を設けて構成したが、図5に示すように、共通の形状を有する把手40の上部に上方係止部として2つの凸部からなる上方凸部41を設けて構成することもできる。この場合、深鍋5と平面プレート6とは、平面プレート6の把手40の下部に設けられた下方凸部42の径方向外側42aが、深鍋5の把手40の上部に設けられた2つの上方凸部41のうちの内側の凸部43の径方向内側43aに係止して位置決めされ、さらに、平面プレート6と焼肉プレート7とは、焼肉プレート7の把手40の下部に設けられた下方凸部42の径方向内側42bが、平面プレート6の把手40の上部に設けられた2つの上方凸部41のうちの外側の凸部44の径方向外側44bに係止して位置決めされて、上記3つの各調理鍋2を電気調理器本体1に順次載置して、プレス加工により製造された深鍋5、平面プレート6が含まれている場合であっても、各調理鍋2が相互に接触しない状態で確実に位置決めすることができ、また、共通の把手40を用いて把手40の製造コストの低減を図る場合であっても、各調理鍋2の加工等をすることなく確実に位置決めすることができる。
具体的には、図7に示すように、共通の形状を有する把手53の下方突出係止部として2つの凸部54を設け、この2つの凸部54のうちの一つの凸部55を当該把手53の下部で径方向内端に形成し、他の一つの凸部56を当該把手53の下部で径方向内端と外端との略中間位置に形成し、上記凸部55は凸部56よりも長く形成されている。また、上方係止部として凸部57を当該把手53の上部で径方向内端と外端との略中間位置から外端寄りに形成し、さらに上方係止部として上記凸部55を共用するように構成されている。
そして、深鍋5と平面プレート6とを位置決めする場合には、平面プレート6の把手53の下方突出係止部として作用する凸部55の下方にある径方向外側55aを、深鍋5の把手53の上方係止部として作用する凸部55の上方にある径方向内側55bに接触させ、係止させて、深鍋5と平面プレート6とを、図7上、左右方向において位置決めすることができる。なお、図7上、上下方向は、平面プレート6の把手53の上記凸部56の先端が深鍋5の把手53の上面に接触することにより固定される。
また、平面プレート6と焼肉プレート7とを位置決めする場合には、焼肉プレート7の把手53の凸部56の下方にある径方向外側56aを、平面プレート6の把手53の凸部57の上方にある径方向内側57aに接触させ、係止させて、平面プレート6と焼肉プレート7とを、図7上、左右方向において位置決めすることができる。なお、図7上、上下方向は、焼肉プレート7の把手53の凸部55の先端が平面プレート6の把手53の上面に接触することにより固定される。
したがって、平面プレート6に設けられた把手53の下部の凸部55、56は、深鍋5の把手53の上部に設けられた凸部57よりも径方向において内側(平面プレート6の中心側)に位置しているため、両調理鍋2の接触が起こることがある鍋壁のごく近傍で、その横移動を規制できる。具体的には、平面プレート6の一方の把手53側から他方の把手53側に何らかの外力が加わって、僅かな相対移動が起こったとしても、深鍋5に平面プレート6を載置後の相互間の隙間は、基本的には他方の把手53側の把手53で設定されるため、両調理鍋2同士の接触が最小限に抑えられる。さらに、平面プレート6の一方の把手53側から他方の把手53側に何らかの大きな外力が加わっても、平面プレート6の一方の把手53側の凸部55、56は上記深鍋5の一方の把手53側の凸部57を乗り越えることが無く、平面プレート6が傾いて当該平面プレート6の鍋底が、深鍋5の鍋壁に接触することを防止できる。また、同様に、平面プレート6の一方の把手53側から他方の把手53側に何らかの外力が加わったとしても、平面プレート6の他方の把手53側の凸部55の径方向外側55aは、深鍋5の他方の把手53側の凸部55の径方向内側55bに係止されているとともに、凸部56と他方の把手53の接触箇所には平面プレート6自体による重力が平面プレート6の下向きに作用しているため、強固に係止された状態となり、平面プレート6が径方向の外側へ移動しようとしても簡単には移動できず、平面プレート6の鍋底が深鍋5の鍋壁に接触することを良好に防止できる。特に、深鍋5及び平面プレート6はプレス加工により製造されており、加工精度が比較的甘く形成される場合があるため、上記のように位置決めすることにより深鍋5と平面プレート6との接触を良好に防止できることは重要である。
また、焼肉プレート7に設けられた把手53の下部の凸部55、56は、平面プレート6の把手53の上部に設けられた凸部57よりも径方向において内側(焼肉プレート7の中心側)に位置しているため、両調理鍋2の接触が起こることがある鍋壁のごく近傍で、その横移動を規制できる。具体的には、焼肉プレート7の一方の把手53側から他方の把手53側に何らかの外力が加わって、僅かな相対移動が起こったとしても、平面プレート6に焼肉プレート7を載置後の相互間の隙間は、基本的には他方の把手53側の把手53で設定されるため、両調理鍋2同士の接触が最小限に抑えられる。さらに、焼肉プレート7の一方の把手53側から他方の把手53側に何らかの大きな外力が加わっても、上記焼肉プレート7の一方の把手53側の凸部55、56は上記平面プレート6の一方の把手53側の凸部57を乗り越えることが無く、焼肉プレート7が傾いて当該焼肉プレート7の鍋底が、平面プレート6の鍋壁に接触することを防止できる。また、同様に、焼肉プレート7の一方の把手53側から他方の把手53側に何らかの外力が加わったとしても、焼肉プレート7の他方の把手53側の凸部56の径方向外側56aは、平面プレート6の他方の把手53側の凸部57の径方向内側57aに係止されているとともに、凸部55と把手53の上面との接触箇所には焼肉プレート7自体による重力が焼肉プレート7の下向きに作用しているため、強固に係止された状態となり、焼肉プレート7が径方向の外側へ移動しようとしても簡単には移動できず、焼肉プレート7の鍋底が平面プレート6の鍋壁に接触することを良好に防止できる。
よって、上記3つの各調理鍋2を電気調理器本体1に順次載置して、プレス加工により製造された深鍋5、平面プレート6が含まれている場合であっても、各調理鍋2が相互に接触しない状態で確実に位置決めすることができ、また、共通の把手53を用いて把手53の製造コストの低減を図る場合であっても、各調理鍋2の加工等をすることなく確実に位置決めすることができる。
2 調理鍋
4 加熱部
5 深鍋(第1の調理鍋)
6 平面プレート(第2の調理鍋)
7 焼肉プレート(第3の調理鍋)
15 フランジ部
16 把手
19 上方凸部(上方係止部)
19a 上方凸部の径方向内側
19b 上方凸部の径方向外側
20 下方凸部(下方突出係止部)
20a 下方凸部の径方向外側
20b 下方凸部の径方向内側
100 電気調理器
Claims (5)
- 加熱部を有する電気調理器本体と、
前記電気調理器本体に載置して前記加熱部により加熱可能な調理鍋と、
前記調理鍋の外周にフランジ部が形成され、当該フランジ部に径方向に対向して配置された一対の把手とを備え、
複数の前記調理鍋として少なくとも第1の調理鍋と第2の調理鍋とを備え、前記第1の調理鍋の把手に、上方係止部を設けて構成されるとともに、
前記第2の調理鍋の把手に、下方突出係止部を設けて構成され、
前記第1の調理鍋に前記第2の調理鍋を載置し、前記第2の調理鍋の把手に設けられた前記下方突出係止部の径方向外側を、前記第1の調理鍋の把手に設けられた前記上方係止部の径方向内側に係止して、前記第1の調理鍋と前記第2の調理鍋とを前記電気調理器本体上に位置決めするスタッキング構造を有する電気調理器。 - 前記第1の調理鍋の把手の径方向外端が、前記第2の調理鍋の把手の径方向外端よりも径方向において外側に突出して形成されている請求項1に記載の電気調理器。
- 前記調理鍋として第3の調理鍋をさらに備え、当該第3の調理鍋の把手に下方突出係止部を設けて構成されるとともに、当該把手の径方向外端が、前記第2の調理鍋に配置された把手の径方向外端と同等の外径に形成され、
前記第2の調理鍋の把手に、上方係止部を設けて構成され、
前記第2の調理鍋に前記第3の調理鍋を載置して、前記第3の調理鍋の把手に設けられた下方突出係止部の径方向内側を、前記第2の調理鍋の把手に設けられた上方係止部の径方向外側に係止して、前記第2の調理鍋と前記第3の調理鍋とを前記電気調理器本体上に位置決めする請求項2に記載の電気調理器。 - 前記複数の調理鍋のそれぞれの把手が共通の形状を有する把手とされ、当該把手には上方係止部及び下方突出係止部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気調理器。
- 前記第1の調理鍋及び前記第2の調理鍋の少なくとも1つが、プレス加工により形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気調理器。
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- 2007-05-15 JP JP2007129487A patent/JP4906584B2/ja active Active
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