JP2008283167A - プリント配線板及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意に折り曲げ可能であるとともに十分な寸法安定性を有し、耐折性が十分に向上されたプリント配線板を提供すること。
【解決手段】所定の折り曲げ方向Bに折り曲げられるプリント配線板100であって、第1の方向Aに配列した第1の繊維6及び第1の方向Aと交差する第2の方向Cに配列した第2の繊維8を含有する繊維基材を有する繊維基材2と、繊維基材2上に形成された導体層4と、繊維基材2上に形成された導体層4と、を備え、第1の繊維6は、前記第1の方向と前記折り曲げ方向とのなす角度θが30〜60度となるように配列しているプリント配線板100。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板及び折り曲げられたプリント配線板を備える電子機器に関する。
プリント配線板は、電気絶縁性樹脂組成物などをマトリックスとするプリプレグに加熱加圧等を施すことによって得られる。プリント配線板をサブトラクティブ法により形成する場合、通常、金属箔張り積層板が用いられる。この金属箔張り積層板は、プリプレグの表面(片面又は両面)に銅箔などの金属箔を重ねて加熱加圧することにより製造される。電気絶縁性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などのような熱硬化性樹脂が汎用されているが、求められる特性に応じて、フッ素樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂などのような熱可塑性樹脂が用いられることもある。
このようなプリント配線板は、パーソナルコンピュータや携帯電話等の情報端末機器の普及に伴って、小型化、高密度化が進んでいる。その実装形態は、ピン挿入型から表面実装型に移行しており、さらにはプラスチック基板を使用したBGA(ボールグリッドアレイ)に代表されるエリアアレイ型への移行が進んでいる。BGAのようなベアチップを直接実装するプリント配線板では、チップとプリント配線板との接続は、熱超音波圧着によるワイヤボンディングで行うのが一般的である。したがって、ベアチップを実装するプリント配線板は150℃以上の高温にさらされるため、耐熱性を備えることが求められる。
また、プリント配線板には、一度実装したチップを外す、いわゆるリペア性も要求される場合がある。このようなプリント配線板には、チップを外す際にチップ実装時と同程度の熱がかけられ、その後、再度チップ実装のために、再び熱処理が加えられる。これに伴い、リペア性の要求されるプリント配線板には、高温でのサイクル的な耐熱衝撃性も具備することが要求される。
かかる事情の下、耐熱衝撃性、耐リフロー性、耐クラック性を向上させるために、繊維基材にポリアミドイミドを必須成分とする樹脂組成物を含浸させたプリプレグ(例えば特許文献1を参照)、シリコーン変性ポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂からなる樹脂組成物を繊維基材に含浸した耐熱性の基材(例えば特許文献2を参照)等が提案されている。
一方で、電子機器の小型化、高性能化に伴い、限られた空間に部品実装を施されたプリント配線板を収納することが必要となってきており、プリント配線板の薄型化が求められている。かかる要求に応えるため、プリント配線板用の薄い基材が開発されており、厚みが10μmレベルのガラスクロスも供給されつつある。これらの薄い繊維基材と可とう性を有する樹脂とを組み合わせることで、プリント配線板の折り曲げ特性を向上させることが提案されている。
また、プリント配線板の収納性を向上させるため、複数のプリント配線板を多段に配し相互をワイヤーハーネスやフレキシブル配線板によって接続する方法がとられている。また、ポリイミドをベースとするフレキシブル基板と従来のリジッド基板を多層化したリジッド−フレックス基板が用いられている。このように、電子機器の小型化、高性能化には任意に折り曲げることが可能なプリント配線板が重要な役割を果たしている。
特開2003−55486号公報 特開平8−193139号公報
ところで、電子機器は一層の小型化、高性能化が進められており、筐体に、より高密度にプリント配線板を収納させるため、任意に折り曲げ可能で且つ優れた寸法安定性を有するプリント配線板が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、任意に折り曲げ可能であるとともに十分な寸法安定性を有し、耐折性が十分に向上されたプリント配線板を提供することを目的とする。また、本発明は折り曲げられた当該プリント配線板を備える電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、所定の折り曲げ方向に折り曲げられるプリント配線板であって、第1の方向に配列した第1の繊維を含有する繊維基材と、繊維基材上に形成された導体層と、を備え、第1の繊維は、第1の方向と折り曲げ方向とのなす角度が30〜60度となるように配列しているプリント配線板を提供する。
このようなプリント配線板は、繊維基材を有するので、任意に折り曲げ可能であるとともに、十分な寸法安定性を有する。また、耐折性が十分に向上されたものである。かかる効果が得られる理由を、本発明者らは以下の通り推察する。
図3は、従来の折り曲げられるプリント配線板の上面図である。図3に示すような従来の折り曲げられるプリント配線板は、所定の折り曲げ方向に折り曲げる際、繊維が配列する方向と折り曲げ方向とのなす角度は、通常0度及び/又は90度であった。例えば、図3では、繊維76の配列方向と折り曲げ方向Bとのなす角度θは90度、繊維78の配列方向と折り曲げ方向Bとのなす角度は0度である。該なす角度が0度の場合、すなわち折り曲げ方向と繊維の配列方向とが平行な場合、プリント配線板を折り曲げた際に、折り曲げて突出する方の面側に配置された繊維(図3では繊維78)に大きな引張り応力がかかり、当該繊維が破断し易くなる傾向がある。また、該なす角度が90度の配列方向である繊維(図3では繊維76)の場合、曲げ強度が十分でなく、折り曲げた際にプリント配線板が破断する傾向がある。
しかしながら、本発明のプリント配線板は、折り曲げ方向と繊維の配列方向とのなす角度が30〜60度となるように繊維が配列しているため、容易に破断せず、且つ折り曲げた際に第1の方向に配列した第1の繊維にかかる引張り応力を軽減することができる。したがって、耐折性に十分に優れると考えられる。なお、本発明における「折り曲げ方向」とは、例えば、プリント配線板を折り曲げた状態で電子機器に搭載する場合に折り曲げられる方向であって、プリント配線板における折り曲げ線に対して垂直な方向をいう。また、第1の方向と折り曲げ方向との「なす角度」は、第1の方向と折り曲げ方向とに平行な面内において測定される角度のうち、鋭角の角度をいう。
また、本発明では、繊維基材が、第1の方向と交差する第2の方向に配列した第2の繊維を更に含有することが好ましい。このようなプリント配線板は、繊維基材が第1の方向とは異なる方向の第2の方向に配列している第2の繊維をさらに含有するため、折り曲げた際に発生する引張り応力を、第1の繊維と第2の繊維とに分散することができる。したがって、耐折性に一層十分に優れる。また、互いに異なる2つの方向にそれぞれ配列した第1の繊維と第2の繊維とを有する繊維基材を備えるプリント配線板は、捩じれに対する耐性にも優れている。
また、本発明では、第2の繊維が、上記第2の方向と上記折り曲げ方向とのなす角度が30〜60度となるように配列していることが好ましい。このような配線基板は、第1の方向と折り曲げ方向とのなす角度、及び第2の方向と折り曲げ方向とのなす角度がともに30〜60度であるため、プリント配線板を折り曲げた際に、引張り応力が第1の繊維と第2の繊維とにより均一に分散される。したがって、耐折性をより一層向上させることができる。なお、第2の方向と折り曲げ方向との「なす角度」は、第2の方向と折り曲げ方向とに平行な面内において測定される角度のうち、鋭角の角度をいう。
また、本発明のプリント配線板は、繊維がガラスクロスであり、繊維基材の厚みが50μm以下であることが好ましい。繊維がガラスクロスであれば、温度、吸湿等に伴う寸法変化を小さくすることができる。また、厚みが50μm以下であれば、耐折性をより一層向上させることができる。
本発明において、繊維基材には、熱硬化性樹脂が含浸されていることが好ましい。これによって、耐折性をより一層向上させることができる。
本発明では、上記熱硬化性樹脂がグリシジル基を有する樹脂を含有することが好ましい。これによって、プリント配線板の耐熱性及び耐熱衝撃性を向上することができる。
また、本発明では、上記熱硬化性樹脂がアミド基を有する樹脂を含有することが好ましい。これによって、プリント配線板の可撓性、耐熱性、耐発塵性、耐熱衝撃性を向上することができる。
また、本発明では、上記熱硬化性樹脂が、シロキサン結合を有するポリアミドイミド樹脂を含有することが好ましい。これによって、プリント配線板の可撓性、耐熱性、耐発塵性、耐熱衝撃性を向上することができる。
また、本発明では、上記熱硬化性樹脂が、アクリル樹脂を含有することが好ましい。これによって、可撓性、耐熱性、耐発塵性、耐熱衝撃性を向上させることができる。
本発明では、所定の折り曲げ方向に折り曲げられた上記プリント配線板を備える電子機器を提供する。このような電子機器は、上記特徴を有する上記プリント配線板を備えるものであるため、断線、破断等の不具合を十分に防止することができる。
本発明によれば、任意に折り曲げ可能であるとともに十分な寸法安定性を有し、耐折性が十分に向上されたプリント配線板を得ることができる。また、折り曲げられた上記特徴を有するプリント配線板を備える電子機器を得ることができる。
以下、場合により図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、本発明のプリント配線板の好適な実施形態を示す上面図である。プリント配線板100は、屈曲部40と屈曲部40を挟むように一対の非屈曲部20とを備えている。
屈曲部40は、第1の繊維6及び該第1の繊維6と直交する第2の繊維8からなる繊維基材と、該繊維基材に含浸された熱硬化性樹脂とを有する繊維基材層2、及び繊維基材層2の一面上に設けられた導体4とを有する。第1の繊維6は、第1の方向Aに配列しており、第2の繊維8は第2の方向Cに配列している。繊維基材層2には、図1に垂直な方向(厚さ方向)に複数の第1の繊維及び第2の繊維がそれぞれ所定の間隔で配置されている。
非屈曲部20は、電子機器等に通常用いられるリジット基板(リジッドプリント配線板)である。屈曲部40を挟むようにして設けられる一対のリジッドプリント配線板は、屈曲部40により、互いに電気的に接続されている。
繊維基材層2における繊維基材としては、通常の金属箔張り積層板や多層プリント配線板に用いられる、織布や不織布等の繊維基材を用いることができる。繊維基材の材質、すなわち第1の繊維6と第2の繊維8の材質としては、ガラス、アルミナ、アスベスト、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の無機繊維やアラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カーボン、セルロース等の有機繊維及びこれらの混抄系が好ましく、このうち、ガラスクロスが特に好ましい。本発明における繊維基材としては、ガラスクロスの織布が最も好ましい。なお、繊維としては、フィラーのような長手方向の長さが比較的短い繊維であってもよい。
繊維基材の厚みとしては、50μm以下であることが好ましい。このような厚みを有するガラスクロスを用いることにより、プリント配線板100の屈曲部40の柔軟性をさらに向上させることができる。
導体4としては、通常の銅、銀などの金属製のものが挙げられる。折り曲げ性を向上させる観点から、導体4の厚みは1〜30μmであることが好ましい。
プリント配線板100は、折り曲げ線Dで(図1の上方側又は下方側が凸形状になるように)折り曲げ方向Bに折り曲げられて、例えば電子機器に配置される。折り曲げ線Dは、通常、折り曲げられた際に生じる折り曲げ線(折れ線)をいう。この折り曲げ線に垂直な方向が折り曲げ方向Bである。ただし、折り曲げ線が生じない場合は、例えば、折り曲げることにより生じる稜線と垂直な方向を、折り曲げ方向Bとすることができる。
図1に示すように、第1の方向A、第2の方向C及び折り曲げ方向Bに平行な面において、第1の方向Aと折り曲げ方向Bとは角度θをなしており、第2の方向Cと折り曲げ方向Bとは角度θをなしている。なお、本発明において、角度θ及び角度θは、共に鋭角であり、角度θ及び角度θの少なくとも一方は、30〜60度である。角度θ及び角度θは、双方ともに30〜60度であることが好ましく、40〜50度であることがより好ましく、45度であることがさらに好ましい。角度θ及び角度θが45度に近づくほど、耐折性及び捩れに対する耐性を向上させることができる。なお、上記角度θ及び角度θは、例えば、プリント配線板の一面(上面)を光学顕微鏡で観察することによって確認することができる。
第1の方向及び第2の方向に平行な平面において、第1の方向と第2の方向とのなす角度は、30〜90度であることが好ましく、60〜90度であることがより好ましく、90度であることがさらに好ましい。なお、該なす角度は、第1の方向及び第2の方向に平行な平面における90度以下の角度をいう。
図2は、折り曲げられたプリント配線板の側面図である。図2に示すように折り曲げられた配線板100では、稜線付近で発生する引張り応力が、繊維基材2に含まれる第1の繊維と第2の繊維とに分散されるため、耐折性に優れる。また、繊維基材層2に含まれる繊維基材は、互いに異なる2つの方向に配列した第1の繊維と第2の繊維とを有するため、1つの方向に配列した繊維のみからなる繊維基材に比較して、捩じれに対する耐性に優れている。
本実施形態のプリント配線板100は、繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグを用いて形成することができる。
繊維基材に含浸する熱硬化性樹脂はプリント配線板分野で一般に用いられる絶縁性樹脂が用いられ、樹脂組成物を硬化させて得られる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアジン−ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてはグリシジル基を有する樹脂であることが好ましく、エポキシ樹脂を含むことがさらに好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ノボラック型フェノール樹脂、オルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等の多価フェノール又は1,4−ブタンジオール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル、アミン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物のN−グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いることにより、180℃以下の温度で硬化させることができる。また、エポキシ樹脂を用いることにより、熱的、機械的、電気的特性を向上させることができる。2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂とその硬化剤、2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂とその硬化促進剤または2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂とその硬化剤及び硬化促進剤を用いることが好ましい。エポキシ樹脂に含まれるグリシジル基は多いほど好ましく、3個以上であることがより好ましい。なお、グリシジル基の数により、樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の配合量が変えることができる。一般に、エポキシ樹脂に含まれるグリシジル基が多いほど、樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の配合量を減らすことができる。
エポキシ樹脂を硬化させるために用いられる硬化剤、硬化促進剤は、エポキシ樹脂と反応するもの、または、硬化を促進させるものであれば制限なく、例えば、アミン類、イミダゾール類、多官能フェノール類、酸無水物類等が使用できる。アミン類として、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等を使用できる。多官能フェノール類としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA及びこれらのハロゲン化合物、ホルムアルデヒドとの縮合物であるノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などを使用できる。酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等を使用できる。硬化促進剤としては、イミダゾール類としてアルキル基置換イミダゾール、ベンゾイミダゾール等を使用できる。
樹脂組成物における硬化剤及び硬化促進剤の配合量は、アミン類を用いる場合、アミンの活性水素の当量と、エポキシ樹脂のエポキシ当量がほぼ等しくなる量が好ましい。硬化促進剤としてイミダゾールを用いる場合は、単純に活性水素との当量比とならず、通常、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部である。また、多官能フェノール類や酸無水物類を用いる場合、エポキシ樹脂1当量に対して、フェノール性水酸基やカルボキシル基0.6〜1.2当量であることが好ましい。これらの硬化剤及び硬化促進剤の配合量は、少な過ぎると未硬化のエポキシ樹脂が残ってTg(ガラス転移温度)が低くなる傾向がある。一方、硬化剤及び硬化促進剤の配合量が多過ぎると、未反応の硬化剤及び硬化促進剤が残り、絶縁性が低下する傾向がある。
本実施形態の繊維基材に含浸される熱硬化性樹脂(絶縁性樹脂)には、可とう性や耐熱性を向上させることを目的として、高分子量の樹脂成分を含ませることもできる。この高分子量の樹脂成分としては、ポリアミドイミド樹脂やアクリル樹脂が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂としては、シロキサン結合を樹脂中に持ったシロキサン変性ポリアミドイミドが好ましい。特に、芳香族環を2個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンの混合物と無水トリメリット酸とを反応させて得られるジイミドジカルボン酸を含む混合物と、芳香族ジイソシアネートと、を反応させて得られるシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
シロキサン構造を分子中に有するシロキサン変性ポリアミドイミドは、芳香族環を2個以上有する芳香族ジアミンaとシロキサンジアミンbとの混合モル比が(a/b)が、99.9/0.1〜0/100であると好ましく、a/b=95/5〜30/70であるとより好ましく、a/b=90/10〜40/60であるとさらに好ましい。シロキサンジアミンbの混合比率が多くなり過ぎると樹脂のTgが低下する傾向にある。また、当該混合比率が少なくなり過ぎると樹脂付き金属箔を作製する場合に樹脂中に残存するワニス溶剤量が多くなる傾向がある。
芳香族ジアミンとしては、例えば、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,6,2’,6’−テトラメチル−4,4’−ジアミン、5,5’−ジメチル−2,2’−スルフォニル−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル−4,4’−ジアミン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルスルホン、(4,4’−ジアミノ)ベンゾフェノン、(3,3’―ジアミノ)ベンゾフェノン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルメタン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(3,3’―ジアミノ)ジフェニルエーテル等が挙げられる。
シロキサンジアミンとしては、例えば以下の一般式(1)〜(4)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2008283167

[式中、nは1〜50の整数を示す。]
Figure 2008283167

[式中、mは1〜50の整数を示す。]
Figure 2008283167

[式中、kは1〜50の整数を示す。]
Figure 2008283167

[式中、q及びrは、それぞれ独立に1〜40の整数を示し、且つ2≦q+r<50である。]
上記一般式(1)で表されるシロキサンジアミンとしては、X−22−161AS(アミン当量:450)、X−22−161A(アミン当量:840)、X−22−161B(アミン当量:1500)(以上、信越化学工業株式会社製、商品名)、BY16−853(アミン当量:650)、BY16−853B(アミン当量:2200)、(以上、東レダウコーニングシリコーン株式会社製、商品名)等を例示できる。上記一般式(4)で表されるシロキサンジアミンとしては、X−22−9409(アミン当量700)、X−22−1660B−3(アミン当量2200)(以上、信越化学工業株式会社製、商品名)等を例示できる。
シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂を得るための脂肪族ジアミン類としては、下記一般式(5)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2008283167

[式中、Xはメチレン基、スルホニル基、エーテル基、カルボニル基又は単結合を示し、R及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基、フェニル基又は置換フェニル基を示し、pは1〜50の整数を示す。]
一般式(5)におけるR及びRとしては、水素原子、炭素数が1〜3のアルキル基、フェニル基、置換フェニル基が好ましい。置換フェニル基の置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子等を例示できる。
脂肪族ジアミンは、低弾性率及び高Tgを両立させる観点から、上記一般式(5)におけるXがエーテル基であることが好ましい。このような脂肪族ジアミンとしては、ジェファーミンD−400(アミン当量400、三井化学ファイン(株)製、商品名)、ジェファーミンD−2000(アミン当量1000、三井化学ファイン(株)製、商品名)等を例示できる。
ポリアミドイミド樹脂としては、一分子中にアミド基を10個以上含むポリアミドイミド分子を70モル%以上含むポリアミドイミド樹脂が好ましい。該ポリアミドイミド樹脂に含まれる該ポリアミドイミド分子の含有量は、ポリアミドイミドのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)から得られるクロマトグラムと、これとは別に求めた単位質量中のアミド基のモル数(A)とから求めることができる。例えば、ポリアミドイミド樹脂(a)g中に含まれるアミド基のモル数(A)から、式(10×a/A)で計算される値を、一分子中にアミド基を10個含むポリアミドイミド分子の分子量(C)とする。この場合、GPCで得られるクロマトグラムの数平均分子量が上記分子量(C)以上となる領域の割合が、アミド基を10個以上含むポリアミドイミド分子の含有量となる。なお、アミド基のモル数(A)の定量方法はNMR、IR、ヒドロキサム酸−鉄呈色反応法、N−ブロモアミド法などを用いることができる。
上述のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)の測定は、以下の測定装置及び測定条件で行うことができる。
検出器:L−7490(株式会社日立製作所製)
カラム:GL−S300MDT−5(日立化成工業株式会社製、2本直結して使用)
溶離液:0.60MのHPO及び0.30MのLiBrを含むDMF/THF混合液[DMF/THF=1/1(体積比)]
測定温度:30℃
試料濃度:0.2mg/1ml
注入量:100μl
圧力:4MPa
流量:1ml/分
本発明のポリアミドイミド樹脂の製造に用いるジイソシアネートとしては、下記一般式(6)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2008283167

[式中、Dは少なくとも1つの芳香環を有する2価の有機基、又は2価の脂肪族炭化水素基を示す。]
上記一般式(6)のDで表される2価の基としては、−C−CH−C−で表される基、トリレン基、ナフチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基及びイソホロン基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基であることが好ましい。
上記一般式(6)で表されるジイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネート又は芳香族ジイソシアネートを用いることができる。このうち、芳香族ジイソシアネートを用いることが好ましく、脂肪族ジイソシアネート及び芳香族ジイソシアネートを併用することがより好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等を例示できる。これらの例示物のうち、MDIを用いることが好ましい。芳香族ジイソシアネートとしてMDIを用いることにより、得られるポリアミドイミド樹脂の可撓性をより向上させることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を例示できる。
芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートを併用する場合は、脂肪族ジイソシアネートを芳香族ジイソシアネートに対して5〜10モル%程度添加することが好ましい。芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートを併用することにより、得られるポリアミドイミド樹脂の耐熱性を更に向上させることができる。
アクリル樹脂としてはアクリル酸モノマ、メタクリル酸モノマ、アクリロニトリル、グリシジル基を有するアクリルモノマなどを単独で又はこれらを複数共重合した共重合物を使用することが可能である。分子量は特に限定されるものではないが、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で求められる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が30万〜100万であるものを用いることが好ましく、40万〜80万であるものを用いることがより好ましい。なお、この際のGPC測定は、GMH XL(東ソー株式会社製)を3本直結して行い、溶離液としてTHFを用いて行うことができる。また、これらのアクリル樹脂に、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を加えて使用することが好ましい。
また、難燃性の向上を目的として、添加型の難燃剤を使用することもできる。添加型の難燃剤としては、リンを含有するフィラーを好ましく用いることができる。リン含有フィラーとしては、OP930(クラリアント社製、商品名、リン含有量:23.5質量%)、HCA−HQ(三光株式会社製、商品名、リン含有量:9.6質量%)、ポリリン酸メラミンPMP−100(リン含有量:13.8質量%)、PMP−200(リン含有量:9.3質量%)、PMP−300(リン含有量:9.8質量%)(以上、日産化学株式会社製、商品名等)が挙げられる。
本実施形態のプリント配線板を製造する方法の一例を以下に説明する。
まず、熱硬化性樹脂組成物のワニスを繊維基材に含浸させ、80℃〜180℃の範囲で乾燥させて、プリプレグを製造する。プリプレグの製造条件等は特に制限するものではないが、プリプレグにおいて、ワニスに使用した溶剤の80質量%以上が揮発していることが好ましい。製造方法や乾燥条件等に特に制限はなく、乾燥時の温度は80℃〜180℃、時間はワニスのゲル化時間との兼ね合いで調整することができる。ワニスの含浸量は、ワニス固形分と繊維基材の総量に対して、ワニス固形分が30〜80質量%になるようにすることが好ましい。
このようにして得られたプリプレグを、必要に応じて複数枚積層してプリプレグ積層体得た後、プリプレグ積層体の両面または片面に銅箔を重ねて、プレスにより積層し銅箔張り積層板を得ることができる。これを通常のフォトリソグラフィー法により回路加工しプリント配線板を得ることができる。このような任意に折り曲げ可能なプリント配線板と、通常用いられるリジット配線板を通常の手法で電気的に接続することにより、プリント配線板100を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、繊維基材は互いに配列する方向が異なる二種類の繊維で構成されていたが、繊維基材が一方向に配列する繊維のみで構成されるものであってもよい。この場合、当該繊維が配列する方向と折り曲げ方向とのなす角度を30〜60度とすることによって、本発明の効果を得ることができる。また、繊維基材は、第1の方向及び第2の方向以外に、さらに他の方向に配列した繊維を含んでいてもよい。この場合、繊維基材において、最も密に設けられている繊維(主たる繊維)が配列する方向と折り曲げ方向とのなす角度が30〜60度であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(ワニス配合例1)
ポリアミドイミド樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名:KS9900B、樹脂固形分:31.2質量%)22.44kgと、エポキシ樹脂であるEPPN502H(日本化薬株式会社製、商品名)のメチルエチルケトン溶液(樹脂固形分:50質量%)2.0kgと、HP4032D(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)3.0kgと、NC3000(日本化薬株式会社製、商品名)のメチルエチルケトン溶液(樹脂固形分:50質量%)1.0kgと、1−シアノエチル−2−エチル−1−メチルイミダゾール8.0gとを配合し、樹脂成分が均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物ワニスを得た。
(ワニス配合例2)
ポリアミドイミド樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名:KS9900B、樹脂固形分:31.2質量%)22.44kgと、エポキシ樹脂であるEPPN502H(日本化薬株式会社製、商品名)のメチルエチルケトン溶液(樹脂固形分:50質量%)2.0kgと、HP4032D(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)3.0kgと、NC3000(日本化薬株式会社製、商品名)のメチルエチルケトン溶液(樹脂固形分50質量%)1.0kgと、1−シアノエチル−2−エチル−1−メチルイミダゾール8.0gとを配合し、さらに、OP930(クラリアント社製、商品名)1.0kgと、HP360(昭和電工株式会社製、商品名)1.5kgとを加えて樹脂成分が均一になるまで約3時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物ワニスを得た。
(ワニス配合例3)
エポキシ樹脂としてEPICLON153(大日本インキ株式会社製、商品名)3.4kgと、硬化剤としてFG−2000(帝人化成株式会社製、商品名)1.81kgと、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール10.0gとをメチルイソブチルケトン6.0kgに溶解した後、アクリル樹脂であるHTR−860−P3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名)のメチルエチルケトン溶液(樹脂含有量:15質量%)2.87kgを加え、樹脂成分が均一になるまで1時間撹拌した。その後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物ワニスを得た。
(ワニス配合例4)
エポキシ樹脂としてBREN−S(日本化薬株式会社製、商品名)3.0kgと、硬化剤としてFG−2000(帝人化成株式会社製、商品名)1.81kgと、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−エチル−1−メチルイミダゾール10.0gとをメチルイソブチルケトン6.0kgに溶解した後、アクリル樹脂であるHTR−860−P3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名)のメチルエチルケトン溶液(樹脂含有量:15質量%)2.87kgを加え、樹脂成分が均一になるまで1時間撹拌した。その後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物ワニスを得た。
(ワニス配合例5)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた5リットルのセパラブルフラスコに、芳香族環を2個以上有するジアミンとしてBAPP(2.2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)246.0g(0.60mol)、シロキサンジアミンとしてX−22−9409(信越シリコーン社製、商品名、アミン当量:700)280.0g(0.40mol)、TMA(無水トリメリット酸)393.6g(2.05mol)、及び非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)2383gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。そして、水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン500mlを投入してから温度を上げ、約160℃で2時間環流させた。水分定量受器から水が36.0ml以上留出し、新たな水の留出が見られなくなっていることを確認してから、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、得られた溶液を室温に戻し、当該溶液に芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)275.0g(1.10mol)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、ポリアミドイミド樹脂のNMP溶液を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂のNMP溶液2.26kg(樹脂固形分:31.1質量%)、エポキシ樹脂としてEPPN502H(日本化薬株式会社製、商品名)0.2kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、HP4032D(大日本インキ化学工業株式会社、商品名)0.3kg、NC3000(日本化薬株式会社製、商品名)0.5kg(樹脂固形分:50質量%のメチルエチルケトン溶液)、及び1−シアノエチル−2−エチル−1−メチルイミダゾール0.8gを配合し、さらにOP930(クラリアント製、商品名)0.1kg、HP360(昭和電工株式会社製、商品名)0.15kgを加えて樹脂が均一になるまで約3時間撹拌した。その後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物ワニスを得た。
(ワニス配合例6)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、芳香族環を2個以上有するジアミンとしてBAPP(2.2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)348.5g(0.85mol)、シロキサンジアミンとしてX−22−1660B−3(信越シリコーン社製、商品名、アミン当量2200)330.0g(0.15mol)、TMA(無水トリメリット酸)393.6g(2.05mol)、及び非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)2600gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。そして、水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン500mlを投入してから温度を上げ、約160℃で2時間環流させた。水分定量受器から水が36.0ml以上留出し、新たな水の留出が見られなくなっていることを確認してから、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、得られた溶液を室温に戻し、当該溶液に芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)275.0g(1.10mol)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、ポリアミドイミド樹脂のNMP溶液を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂のNMP溶液2.24kg(樹脂固形分:31.2質量%)、エポキシ樹脂としてEPPN502H(日本化薬株式会社製、商品名)0.2kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、HP4032D(大日本インキ化学工業株式会社、商品名)0.3kg、NC3000(日本化薬株式会社製、商品名)0.5kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、及び1−シアノエチル−2−エチル−1−メチルイミダゾール0.8gを配合し、さらにOP930(クラリアント製、商品名)0.1kg、HP360(昭和電工株式会社製、商品名)0.15kgを加えて樹脂が均一になるまで約3時間撹拌した。その後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物ワニスを得た。
(プリプレグの作製)
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、商品名、厚み19μm)の両方の主面上に、ワニス配合例1で作製した樹脂組成物ワニスを、乾燥後の総厚みが55μmになるように縦型塗工機で塗布し、100〜140℃の乾燥炉により滞留時間10分間で加熱・乾燥させて、樹脂含有量71質量%のプリプレグ(P1)を得た。同様にして、ワニス配合例2〜6で作製したそれぞれの樹脂組成物ワニスを用いて、樹脂含有量71質量%のプリプレグ(P2〜P6)を得た。
(樹脂フィルムの作製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人株式会社製、商品名:ピューレックス31)の上に、ワニス配合例1で作製した樹脂組成物ワニスを、乾燥後の厚みが50μmになるようにダイコータで塗布し、100〜140℃の乾燥炉により滞留時間5分間で加熱・乾燥させて樹脂フィルムF1を得た。同様にして、ワニス配合例2〜6で作製したそれぞれの樹脂組成物ワニスを用いて、樹脂フィルム(F2〜F6)を得た。
(実施例1)
プリプレグP1を、厚さ12μmの一対の電解銅箔(日本電解株式会社製、商品名:HLA−12)で挟むようにして、プリプレグP1の両方の主面(厚み方向に垂直な面)上に該電解銅箔をそれぞれ積層し、昇温速度5℃/分、成形温度230℃、成形圧力4MPa、成形時間70分間、真空度40hPaの条件でプレスを行って両面銅箔張り積層板を作製した。
この両面銅箔張り積層板の一方の主面(厚み方向に垂直な面)上に、エッチングによってライン幅50μmの導通パターン回路を形成した。この時、該主面に平行な面において、双方のガラス繊維が配列する方向(長手方向)と導通パターン回路の長手方向(導通方向)とのなす角度がそれぞれ45度となるように、導通パターン回路を形成した。この導通パターン回路を作製した面とは反対側の面に、全面エッチング処理を施して、銅箔を除去し、一方の主面上に導通パターン回路を有する基板材料を作製した。
基板材料の導通パターンが形成された面上に、樹脂フィルムF1と電解銅箔(日本電解株式会社製、商品名:HLA−12)とを順次積層し、昇温速度5℃/分、成形温度230℃、成形圧力4MPa、成形時間70分、真空度40hPaの条件でプレスを行った。プレスして得られた積層板の表面の銅箔を全面エッチングして除去し、導通パターン回路が樹脂で被覆された評価基板を得た。
(実施例2〜6)
プリプレグP1の代わりにプリプレグP2〜P6を、樹脂フィルムF1の代わりに樹脂フィルムF2〜6をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価基板を得た。
(実施例7)
プリプレグP1を、厚さ12μmの一対の電解銅箔(日本電解株式会社製、商品名:HLA−12)で挟むようにして、プリプレグP1の両方の主面上に該電解銅箔をそれぞれ積層し、昇温速度5℃/分、成形温度230℃、成形圧力4MPa、成形時間70分間、真空度40hPaの条件でプレスを行って両面銅箔張り積層板を作製した。
この両面銅箔張り積層板の一方の主面に、エッチングによってライン幅50μmの導通パターン回路を形成した。この時、該主面と平行な面において、一方のガラス繊維が配列する方向(第1の方向)と導通パターン回路の長手方向(導通方向)とのなす角度が30度となるように、導通パターン回路を形成した(他方のガラス繊維が配列する方向と導通パターン回路の長手方向とのなす角度は60度)。この導通パターン回路を作製した面とは反対側の面には、全面エッチング処理を施して銅箔を除去し、一方の主面上に導通パターン回路を有する基板材料を作製した。この基板材料を用いて、実施例1と同様にして評価基板を作製した。
(実施例8〜10)
プリプレグP1の代わりにプリプレグP2〜P4を、樹脂フィルムF1の代わりに樹脂フィルムF2〜4をそれぞれ用いたこと以外は実施例7と同様にして、評価基板を得た。
(比較例1〜4)
両面銅箔張り積層板の一方の主面上に、該主面と平行な面において、一方のガラス繊維76が配列する方向(図3のA方向)と導通パターン回路の長手方向(導通方向)とのなす角度(図3のθ)が90度となるように、導通パターン回路を形成したこと以外は実施例1〜4と同様にして評価基板を作製した。
(折り曲げ性の評価)
MIT試験機(東洋精機製作所製、商品名:2121011−00)を使用し、実施例1〜10および比較例1〜4の評価基板の折り曲げ性を評価した。この評価試験における折り曲げ方向(図1,3のB方向)と一方のガラス繊維(図1の繊維6、図3の繊維76)の配列方向とのなす角度θ(図1又は図3のθ)、及び該折り曲げ方向と他方のガラス繊維(図1の繊維8、図3の繊維78)の配列方向とのなす角度θ(図1のθ2、図3では図示せず)は、表1及び2に示すとおりであった。なお、上記折り曲げ方向は導通パターン回路の長手方向と同一方向である。曲げ半径0.38mm又は1.00mmに対して加重500g、折り曲げ角度135度、速度175cpmの条件で、導通パターン回路が断線するまでの折り曲げ回数と評価基板が破断するまでの回数をそれぞれ測定した。なお、破断の発生の有無は目視にて判定した。結果を表1,2に示す。
(捩じれに対する耐性の評価)
実施例1〜10および比較例1〜4の評価基板の捩じれに対する耐性を評価した。この評価試験では、導通パターン回路の長手方向と捩じれの軸方向とが平行になるように、評価基板の一方の非屈曲部の端部を固定し、他方の非屈曲部の端部に500gの加重をかけた状態で捩り角度+135度〜−135度で繊維基材に破断がみられるまでの回数を評価した。なお、破断の発生の有無は目視にて判定した。結果を表1,2に示す。
Figure 2008283167
Figure 2008283167
本発明のプリント配線板の好適な実施形態を示す上面図である。 折り曲げられたプリント配線板の側面図である。 従来の折り曲げられるプリント配線板の上面図である。
符号の説明
2…繊維基材層、4…導体、6…第1の繊維、8…第2の繊維、20…非屈曲部、40…屈曲部、100,300…プリント配線板。

Claims (10)

  1. 所定の折り曲げ方向に折り曲げられるプリント配線板であって、
    第1の方向に配列した第1の繊維を含有する繊維基材と、前記繊維基材上に形成された導体層と、を備え、
    前記第1の繊維は、前記第1の方向と前記折り曲げ方向とのなす角度が30〜60度となるように配列しているプリント配線板。
  2. 前記繊維基材が、前記第1の方向と交差する第2の方向に配列した第2の繊維を更に含有する請求項1記載のプリント配線板。
  3. 前記第2の繊維は、前記第2の方向と前記折り曲げ方向とのなす角度が30〜60度となるように配列している請求項2記載のプリント配線板。
  4. 前記繊維がガラスクロスであり、前記繊維基材の厚みが50μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  5. 前記繊維基材には、熱硬化性樹脂が含浸されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  6. 前記熱硬化性樹脂が、グリシジル基を有する樹脂を含有する請求項5に記載のプリント配線板。
  7. 前記熱硬化性樹脂が、アミド基を有する樹脂を含有する請求項5又は6に記載のプリント配線板。
  8. 前記熱硬化性樹脂が、シロキサン結合を有するポリアミドイミド樹脂を含有する請求項5〜7のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  9. 前記熱硬化性樹脂が、アクリル樹脂を含有する請求項5に記載のプリント配線板。
  10. 所定の前記折り曲げ方向に折り曲げられた、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプリント配線板を備える電子機器。
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