JP2008282881A - 紫外線センサ及びその製造方法 - Google Patents

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重男 大平
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直樹 新井
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Abstract

【課題】バンドギャップの大きい物質の薄膜を安価な手段で作製し、小型・簡便な固体素子型の火炎センサとして利用可能な紫外線センサを提供する。
【解決手段】酸化ガリウム単結晶を基板して当該基板上にゾル‐ゲル法で酸化ガリウム薄膜を形成し、この酸化ガリウム薄膜上に少なくとも1対の表面電極を備えるか、或いは酸化ガリウム単結晶基板とこの基板上に形成された酸化ガリウム薄膜とにそれぞれ第1の電極と第2の電極とを形成する。
酸化ガリウム薄膜は、150〜500nmの厚さを有するものが好ましい。
【選択図】図5

Description

本発明は、太陽光が存在する真昼や戸外においても太陽光線に影響されることなく、炎や有害物質などが発する波長280nm以下の紫外線のみを高感度に検知できる紫外線センサ及びその製造方法に関する。
昨今、太陽光線に影響されずに波長280nm以下の紫外線のみを検出する太陽光ブラインド紫外線センサは、固体素子型の小型・簡便な火炎センサとしての応用が期待されている。具体的には、火炎探知機や煙草探知機のセンサ部分、家庭用燃焼機器及び工業炉の燃焼炎の自動制御用センシングに使用されることが挙げられる。さらに、次世代超大規模集積回路(LSI)の作製に用いられる紫外線露光装置における紫外線センサとしての応用の可能性も秘めている。
従来、波長280nm以下の深紫外線のみを検出するセンサとして光電管が存在し、火炎の点滅を検知するセンサとして既に実用化されて、主に工業炉など大型燃焼装置の自動制御用の火炎センサに用いられている。
また、小型・簡便な火炎センサとして、基板上にダイヤモンド半導体薄膜を形成した紫外線センサも提案されている。
例えば、特許文献1には、導電性又は絶縁性基板上にダイヤモンド膜を接合するとともに、少なくとも該ダイヤモンド膜上に電極を設けてなり、該ダイヤモンド膜が、一酸化炭素と水素との混合物又は一酸化炭素と水素と二酸化炭素、酸素、および水よりなる群から選択される少なくとも一種との混合物を原料として気相法により合成されてなる紫外線受光デバイスが提案されている。
また、特許文献2には、基板と、この基板上に気相合成法により一軸性に配向成長した膜厚が1乃至40μmのダイヤモンド膜からなる紫外線検出層と、この紫外線検出層に接触した少なくとも1対の第1電極及び第2電極とを有し、前記ダイヤモンド膜表面の50%以上がダイヤモンドの(100)結晶面から構成されているダイヤモンド膜紫外線センサが紹介されている。
そして、上記特許文献1,2に記載のようなダイヤモンド膜系紫外線センサをベースとして各種改良発明が提案されている。
特開平5−335613号公報 特許第3560462号公報
ところで、上記のような紫外線センサは、ダイヤモンド自体の広いバンドギャップを利用しようとするものであるが、ダイヤモンドの成膜には気相合成法が用いられる。気相合成法では高真空を必要とするばかりでなく、成膜に高度の制御技術を必要とするためにコスト的に高くなってしまい、結果的にダイヤモンド膜系紫外線センサの火炎センサ等の汎用用途への適用が遅れている。
また、一方でバンドギャップが大きい半導体であるGaN系III族元素窒化物薄膜の利用も期待・検討されているが、この薄膜の製造にも高真空或いは有害性原料ガスを必要とし、ダイヤモンド系と同様コスト高となってしまう。
さらに、ダイヤモンド膜成長にはダイヤモンド基板が用いられる。ダイヤモンド基板は人工合成された基板でも高価であるため実用性に問題があり、また基板サイズも小さく、量産性に欠ける問題点がある。ダイヤモンド基板以外にSi基板上にダイヤモンド膜成長させることも可能であるが、この場合異種基板への成長になることから、ダイヤモンド基板上へのダイヤモンド膜成長に比べ膜質が劣り、その結果、感度などセンサ特性が悪くなる問題点がある。さらにまた、ダイヤモンドのバンドギャップは5.5eVであるので、225nm以下の波長領域でのみ受光感度を有することになり、火炎センサとして利用する場合には火炎スペクトルを有効に利用できない問題点がある。
一方、III族元素窒化物の場合、AlGaN系の混晶は、GaNへのAlNの添加量を調整することで、受光波長のチューニングが可能な長所はあるが、GaN系にAlNを添加した場合、添加量とともに結晶性が劣化することが知られており、これがセンサ特性に悪影響する問題点がある。
本発明は、バンドギャップの大きい物質の薄膜を安価な手段で作製し、小型・簡便な固体素子型の火炎センサとして利用可能な紫外線センサを提供することを目的とする。
本発明の紫外線センサは、その目的を達成するため、酸化ガリウム単結晶基板と、当該基板上に形成された酸化ガリウム薄膜と、当該酸化ガリウム薄膜上に形成された少なくとも1対の表面電極を備えていること、或いは酸化ガリウム単結晶基板と、当該基板上に形成された酸化ガリウム薄膜と、当該酸化ガリウム薄膜上に形成された第1の電極と、前記酸化ガリウム単結晶基板に接して形成された第2の電極とを備えていることを特徴とする。
酸化ガリウム薄膜は、ゾル‐ゲル法で形成され、150〜500nmの厚さを有するものであることが好ましい。
また、酸化ガリウム薄膜上に形成する電極は、Au又はPt或いはTi−Al合金からなるものが好ましい。さらに酸化ガリウム単結晶基板に接して形成される電極はTi−Al合金からなるものが好ましい。
このような紫外線センサは、酸化ガリウム単結晶基板表面に、2−メトキシエタノールとモノエタノールアミンの混合溶液にガリウムイソプロポキシドを溶解させたゾルを塗布し、全体を280〜350℃で仮焼成した後、大気中、600〜1200℃で30〜90分焼成して酸化ガリウム単結晶基板表面に酸化ガリウム薄膜を形成し、その酸化ガリウム薄膜表面に少なくとも1個以上の表面電極を形成することにより製造される。
本発明の製造方法により得られる紫外線センサは、酸化ガリウム単結晶基板上に酸化ガリウム薄膜をゾル‐ゲル法で形成することにより製造されている。高真空や有害性原料ガスを必要とすることなく製造されるため、簡便な固体素子型の紫外線センサを低コストで提供することができる。また、酸化ガリウム単結晶基板上に同じ材料の酸化ガリウム薄膜を形成するので、薄膜と基板の間で格子不整合はなく、欠陥が少ない薄膜が形成されるため感度の優れた紫外線センサが提供される。
本発明者等は、低コストで簡便な固体素子型の紫外線センサを得る手段について鋭意検討を重ねてきた。
従来のダイヤモンド製膜やGaN系III族元素窒化物薄膜を利用した紫外線センサは、その薄膜を形成する方法として高真空や有害性原料ガスを使用した気相合成法が採用されている。そのため薄膜製造装置はきわめて高価なものとなり製造コストの上昇は避けられなかった。
ところで、紫外線センサにダイヤモンド薄膜等を用いる最大の理由は、バンドギャップが広い点である。ダイヤモンドのバンドギャップは5.5eVであり、GaNのバンドギャップは3.4eVである。このように広いバンドギャップを有するため、それぞれ225nm以下及び370nm以下の波長の紫外線を検知することができる。
一方、本発明者等が注目した酸化ガリウム(Ga23)はバンドギャップが4.9eVとワイドであり、波長が260nm以上の光は透過するため、波長280nm以上の紫外線には応答しないことが期待される。
また、Ga23膜は、スパッタ法,PLD法,CVD法の他にスプレー法やゾル‐ゲル法等で成膜することができる。スパッタ法,PLD法,CVD法のような高真空など大掛かりな装置を用いなくても、例えばゾル‐ゲル法で成膜できるため、低コストで紫外線センサを製造できると期待される。
ゾル‐ゲル法は、セラミックス薄膜を簡便に作製する方法として一般に広く用いられている。Ga23膜をゾル‐ゲル法で成膜することも公知である。例えばT. Minami et al. Jpn. Appl. Phys. 39 (2000) L524 では、BaTiO3セラミックスシートを基板としてその上にGa23膜を成膜している。また、Y.X.Li et al.
Sens. Actuators B 93(2003) 431では、サファイアを基板としてその上にゾル‐ゲル膜を成膜している。その目的とする用途は、前者がエレクトロルミネッセンス発光素子であり、後者が酸素ガスセンサである。いずれも、本発明が目的とするような紫外線センサではない。
本発明はまた、ゾル‐ゲル法でGa23膜を成長させる基板としてGa23単結晶を用いた点をも特徴としている。
酸化ガリウム薄膜の作製に通常使用されているサファイア基板は、酸化ガリウムと結晶系が異なり格子定数も違うので、薄膜と基板とで格子不整合が生じ、多結晶が形成しやすく、かつ欠陥も多く含まれることになる。
これに対して、本発明のように基板としてGa23単結晶を用いると、基板と同じ材料の薄膜を形成することになるから、薄膜と基板との間で格子不整合はなく単結晶或いはそれに近い薄膜の形成が可能であり、欠陥が少なくキャリア寿命の長い高品質の酸化ガリウム薄膜が期待できる。
そこで、ゾル‐ゲル法でGa23膜を成長させる基板としてGa23単結晶を用いた場合とサファイアを用いた場合とで、基板とGa23膜との界面の違いを透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。なお、Ga23膜は後記の実施例で紹介した焼成温度1000℃で作製したものである。
その結果を図1に示す。
サファイア基板上の酸化ガリウム薄膜は、図1(a)に見られるように、粒径が50nm程度の微小な結晶粒から構成されている多結晶となっている。これに対して、酸化ガリウム単結晶基板上の酸化ガリウム薄膜では、図1(b)に見られるように、粒界がなく単結晶的な薄膜が成長している。
したがって、基板としてサファイアを用いた際には、キャリアの再結合中心として働く粒界が多数含まれているために光励起で生成されたキャリアの寿命が短く、光感度は極めて小さいと考えられる。これに対して、基板として酸化ガリウム単結晶を用いた際には粒界が極めて少ないので、キャリア寿命が長くなり光感度の向上が期待できる。
以下に、本発明の好ましい製造態様について説明する。
基板として用いるGa23単結晶としては、既に提案されている方法で得られたものでよい。好ましくは、浮遊帯域溶融法(フローティングゾーン法;FZ法)により得られたものを使用する。FZ法では溶融帯を形成する際に容器を使わないため、育成して得られるGa23単結晶は容器に由来する汚染の心配がなく、高品質な単結晶を得ることができる。FZ法で用いる装置については特に制限されず、例えば、加熱手段としては、必要によりサセプターを併用した高周波による電磁誘導加熱や電気抵抗加熱、赤外線、電子ビーム、アーク、又はランプを用いた集光加熱、或いはレーザーや火炎による加熱等を用いることができるが、安定した加熱条件が確保できると共に加熱に際しての不純物導入のおそれがないランプを用いた集光加熱であるのが好ましい。
FZ法を適用する源素材としては、高純度のGa23焼結体を使用することが好ましい。例えば純度が4N以上のGa23粉末をラバーチューブ等に封じ、静水圧50〜600MPa、好ましくは100〜500MPaで5分間程度ラバープレスし、円柱状に成型した後、1400〜1700℃、好ましくは1500〜1600℃の焼結温度で10〜20時間、好ましくは12〜15時間焼結させて得た焼結体がよい。この焼結温度が1400℃より低いと焼結が不足して十分なかさ密度のGa23焼結体を得ることが困難になり、反対に1700℃より高温になるとGa23の融点(〜1740℃)に近づいてしまい好ましくない。また、焼結時間が10時間より短いと焼結が十分に行えないおそれがあり、反対に20時間を越えると効果が飽和する。一方、焼結雰囲気については特に制限はされず、大気中で行ってもよい。このようにして得られたGa23焼結体は円柱状の形状となり、好ましくは得られたGa23焼結体のかさ密度が5.8〜5.9g/cm3となるようにするがのよい。
上記で得たGa23焼結体を原料棒としてFZ法で用いる加熱炉の上軸に設置し、下軸には種結晶としてGa23単結晶を取り付けて、本発明におけるGa23単結晶を育成する。この際、種結晶については、好ましくは予めGa23粉末を焼成して得たGa23焼結体を原料としてFZ法により製造したGa23単結晶であることが好ましい。また、原料棒及び種結晶の回転速度については、それぞれ10〜30rpm、好ましくは15〜20rpmであるのがよく、互いに逆向きに回転させるのが好ましい。
Ga23単結晶を育成して得る育成雰囲気については、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスの1種以上と酸素との混合ガスを用いて、不活性ガスの総量に対する酸素の流量比(O2/不活性ガス総量)が1〜20vol%、好ましくは2〜5vol%となるように加熱炉に供給するのがよい。不活性ガスの総量に対する酸素の流量比が1vol%より小さいと酸素の比率が少な過ぎて原料棒からの蒸発が顕著となり、Ga23単結晶が十分に成長しなくなる。反対にこの流量比が20vol%より大きくなると融液内にバブリングが発生して得られる単結晶に閉じ込められクラック発生の誘因となるおそれがある。また、上記の好適な育成雰囲気となるように、酸素と不活性ガスとの混合ガスを加熱炉の石英管内に200〜600ml/minで供給するのがよい。
Ga23単結晶の結晶成長速度については、2.5〜20mm/h、好ましくは5〜10mm/hであるのがよい。FZ法では、一般には、成長速度が比較的遅いほうが得られる結晶の品質が良いとされている。しかしながら、本発明に用いられるGa23単結晶としては、従来の方法で採用されるように結晶成長速度よりも速い速度を採用しても、Ga23薄膜を育成するに十分な品質のGa23単結晶を得ることができる。また、結晶成長の際の圧力については、大気圧であってもよく、加圧した状態で行ってもよい。加圧する効果としては、単結晶育成中の原料棒からの蒸発を抑制することができて、雰囲気ガスを流す透明石英管の内壁のくもりを抑えて石英管外部からの加熱の効率を低下させることなく操作できる等が考えられる。
得られたGa23単結晶を、へき開性が最も強い(100)面に平行な面をワイヤソーでスライスし、(100)面を鏡面研磨して用いる。
上記の方法で得られたGa23単結晶を基板とし、基板を有機溶剤で超音波洗浄した後、その表面にゾル‐ゲル法でGa23膜を作製する。ゾルには、2−メトキシエタノールとモノエタノールアミンの混合溶液にガリウムイソプロポキシドを溶解させたものが用いられる。モノエタノールアミンとガリウムイソプロポキシドのモル比は1.0とし、ガリウムイソプロポキシドは0.4mol/lとした。
上記溶液を前記Ga23単結晶基板上に塗布する。均一膜厚で塗布する限り、塗布方法に制限はなく、ゾル溶液に基板を浸漬し引き上げるディップコーティング法やゾル溶液を基板上に滴下し基板を高速回転して塗布するスピンコーティング法などを用いる。大面積で均一な膜厚を確保する上ではスピンコーティング法を用いて塗布することが好ましい。
ゾルを塗布し、まず塗膜中の溶媒を蒸発させるために全体を大気中で90℃前後の温度で約10分程度乾燥させる。その後塗膜中の有機物を除去するために280〜350℃で仮焼成した後、さらに大気中、600〜1200℃で30〜90分焼成してGa23膜を生成させる。
仮焼成は10〜30分程度とすることが好ましい。その温度が280℃に満たなかったり、逆に350℃を超えると、緻密性に欠けた薄膜になりやすくなる。焼成温度が600℃に満たないと非晶質であったり、β相ではなくα相の酸化ガリウムが形成されやすくなり、基板結晶と異なる結晶構造となるので高品質の薄膜が得られにくくなる。600℃以上では焼成温度が高くなるにつれて結晶性が高くなる傾向があるが、1200℃を超えるような高温での処理による更なる効果はあまり見られず、製造コストも勘案すると得策ではない。
また、結晶性の観点からみると、焼成時間が30分に満たない場合は、結晶性があまり高くなく不十分であるが、90分を超えて焼成してもそれ以上の改善はあまり見られない。
上記ゾルの塗布から仮焼成までの工程を繰り返す回数により、酸化ガリウム薄膜の膜厚を変化さることができるが、焼成して生成されたGa23膜の厚さを150〜500nmとすることが好ましい。膜厚が150nmに満たないと薄膜で紫外線が十分吸収されなかったり、基板と薄膜の界面の結晶性のあまり高くない領域で吸収が起こったりして光感度の低下につながることがあり、逆に500nmを超えるほどに厚くすると紫外線は界面に到達する前にほとんど吸収されるため、それ以上膜厚を厚くしても効果は小さい。
したがって、経済的観点をも考慮すると、150nm〜500nm程度とすることが更に好ましい。
受光素子を形成するために、作製したGa23膜の表面に電極を形成する。電極材としては、ショットキー接触となるAu又はPt或いはオーミック接触となるTi−Al合金を用いることが好ましい。これらの電極は、通常の真空蒸着、電子ビーム真空蒸着やスパッタ法などで形成される。
電極を形成する態様としては、図2(a)のように酸化ガリウム単結晶基板上に形成された酸化ガリウム薄膜の上に少なくとも1対設けてもよいし、図2(b)のように酸化ガリウム薄膜上に形成された第1の電極と、酸化ガリウム単結晶基板に接して形成された第2の電極とを設けても良い。
電極の形状は問わない。スリット状でも櫛型状でもよい。
また、Au電極の厚さによって光感度が変化し、薄いほど電極中を透過する光量が多くなるので光感度は増大する。しかしながら、薄すぎると電極膜は連続膜でなくなるので、50nm以上にすることが好ましい。厚すぎると光透過量が少なくなりすぎて光感度がなくなることがあるので膜厚200nm程度に抑えることが好ましい。
純度4NのGa23粉末をラバーチューブに封入し、静水圧450MPaにてプレス成形し、これを電気炉に入れ大気中、1500℃にて10時間焼成してGa23焼結体を得た。得られたGa23焼結体を原料棒として、光FZ(フローティングゾーン:浮遊帯域溶融)法によってGa23単結晶の育成を行った。単結晶の育成には、双楕円の赤外線集光加熱炉(キャノンマシナリ製iAce )を使用した。雰囲気ガスとして、酸素80%、窒素20%(流量比)の混合ガスを用い、原料棒及び種結晶を20rpmで回転させつつ、成長速度が5mm/hで結晶成長させた。
得られた単結晶の(100)面を切り出し、CMP研磨を施して鏡面仕上げのウエハ状基板を得た。
基板の前処理としてアセトン及びエタノールで超音波洗浄を行った。
この基板上にゾル−ゲル法でGa23膜を作製した。その際、ゾルには2‐メトキシエタノールとモノエタノールアミンの混合溶液にガリウムイソプロポキシドを溶解させたものを用い、モノエタノールアミンとガリウムイソプロポキシドのモル比は1.0とし、ガリウムイソプロポキシドの濃度は0.4mol/lとした。このゾル溶液をスピンコーティングでGa23基板の(100)面上に塗布し、300℃で仮焼成した。この工程を6回繰り返した後、空気中1000℃で1時間焼成した。形成されたGa23膜はおおよそ200nmの厚みを有していた。
X線回折で観察したときのGa23膜の結晶構造の一例を図3,4に示す。図4は図3の裾野の部分を拡大したものである。異なる方向の成長もわずかに観察されるが、単結晶基板の回折ピークとほぼ重なるようにGa23膜が成長していることがわかる。
上記で得られたGa23単結晶‐Ga23膜構造体を用いて紫外線センサを試作した。
上記1000℃で焼成した薄膜表面に、Au電極を間隔が1mmであるスリット状に形成して光導電型の素子を作製した(図2(a)参照)。
この電極間に10Vの電圧を印加し、キセノンランプを用い分光器を通して単色化した光を照射して光電流を測定することにより光検出特性を調べた。
図5に見られるように、波長依存性を呈する光感度を示している。
比較例として、同一方法でサファイア基板上に作製したGa23膜の特性も併せて示した。270nmよりも短波長の光にのみ感度を有し、これよりも長波長領域では応答しないこともわかる。
さらに、本発明によるGa23基板上に作製したGa23膜の光感度は、比較例として示したサファイア基板上に作製したものよりも1桁ほど高い感度を呈していることもわかる。
同様に、上記1000℃で焼成した薄膜表面にAu電極を、その反対側の酸化ガリウム単結晶基板面にTi−Al合金電極を形成したショットキーダイオード型の素子を作製した。(図2(b)参照)。
この素子に逆方向電圧(Au電極が負、Ti−Al電極が正)10Vを印加し、キセノンランプを用い分光器を通して単色化した光を照射して光電流を測定することにより光検出特性を調べた。
図6に見られるように、波長依存性を呈する光感度を示している。この場合も270nmよりも短波長の光にのみ感度を有し、これよりも長波長領域では応答しないこともわかる。
基板上に作製したβ‐Ga23膜のTEM断面観察結果、(a);サファイア基板、(b);β‐Ga23単結晶 紫外線センサの構造を説明する断面図、(a);ヨコ型構造、(b)タテ型構造 β‐Ga23単結晶上に作製したβ‐Ga23膜のX線回折結果 図3の部分拡大図 サファイア基板とβ‐Ga23単結晶を用いたときのヨコ型電極紫外線センサの光応答特性の違いを示す図 β‐Ga23単結晶を用いたときのタテ型電極紫外線センサの光応答特性を示す図

Claims (6)

  1. 酸化ガリウム単結晶基板と、当該基板上に形成された酸化ガリウム薄膜と、当該酸化ガリウム薄膜上に形成された少なくとも1対の表面電極を備えていることを特徴とする紫外線センサ。
  2. 酸化ガリウム単結晶基板と、当該基板上に形成された酸化ガリウム薄膜と、当該酸化ガリウム薄膜上に形成された第1の電極と、前記酸化ガリウム単結晶基板に接して形成された第2の電極とを備えていることを特徴とする紫外線センサ。
  3. 酸化ガリウム薄膜が、ゾル‐ゲル法で形成され、150〜500nmの厚さを有するものである請求項1又は請求項2に記載の紫外線センサ。
  4. 前期の表面電極が、Au又はPt或いはTi−Al合金からなるものである請求項1又は3に記載の紫外線センサ。
  5. 前期の第1の電極が、Au又はPtからなり、前期の第2の電極が、Ti−Al合金からなるものである請求項2又は請求項3に記載の紫外線センサ。
  6. 酸化ガリウム単結晶ウエハ表面に、2−メトキシエタノールとモノエタノールアミンの混合溶液にガリウムイソプロポキシドを溶解させたゾルを塗布し、全体を280〜350℃で仮焼成した後、大気中、600〜1200℃で30〜90分焼成して酸化ガリウム単結晶ウエハ表面に酸化ガリウム薄膜を形成し、その酸化ガリウム薄膜表面に少なくとも1個以上の電極を形成することを特徴とする紫外線センサの製造方法。
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