JP2009091217A - ガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜及びその製造方法並びにそれを用いた半導体素子 - Google Patents

ガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜及びその製造方法並びにそれを用いた半導体素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光学的バンドギャップを4.9eV以上の任意なものとしたガリウム‐アルミニウム酸化物結晶を低コストで提供する。
【解決手段】溶媒にガリウムを含む化合物を溶解させて作製した溶液をサファイア基板上に塗布し、酸化ガリウム薄膜を形成した後、サファイア基板及び酸化ガリウム薄膜を大気中900〜1500℃の範囲で加熱することにより、(Ga1‐xAlx23なる組成式で表されるときの式中のxを0.3未満にしたガリウム‐アルミニウム酸化物結晶を得る。
この結晶は、光学的バンドギャップが4.9eVを超え、かつ6.2eV以下の範囲であり、それに対応して波長250〜215nmより長波長域で透明であるため、発光素子や受光素子などに使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示、通信、記録機器などの分野で商品化されている発光素子や受光素子などの半導体デバイス用基板に関するもので、特にサファイア基板上に設けた紫外域で透明なガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜、及びその製造方法に関する。
昨今、従来はあまり利用されていなかった短い波長を持つ紫外線領域の光を精度よく観測する手段の重要性が増大しつつある。太陽光線に影響されずに波長280nm以下の紫外線のみを検出する太陽光ブラインド紫外線センサーは、固体素子型の小型・簡便な火炎センサーとしての応用が期待されている。具体的には、火炎探知機や煙草探知機のセンサー部分、家庭用燃焼機器及び工業炉の燃焼炎の自動制御用センシングに使用されることが挙げられる。さらに、次世代超大規模集積回路(LSI)を製造するための微細加工ではすでに193nmの波長をもつArFレーザがリソグラフィ工程で一部実用化され、現在さらに短い波長(156nm)を持つF2レーザがリソグラフィ用光源として研究段階にある。また、殺菌や化学反応プロセス促進のために172nmに中心波長をもつエキシマランプの利用が注目されている。
このような可視光より短い波長を観測する場合、太陽光などの光は誤動作の原因となるため不感であることが望ましく、より短波長の紫外光に対応する材料が求められるようになっている。
そして、波長280nm以下の深紫外線のみを検出するセンサーとして、基板上にダイヤモンド半導体薄膜を形成したものが使用されようとしている。
例えば、特許文献1には、導電性又は絶縁性基板上にダイヤモンド膜を接合するとともに、少なくとも該ダイヤモンド膜上に電極を設けてなり、該ダイヤモンド膜が、一酸化炭素と水素との混合物又は一酸化炭素と水素と二酸化炭素、酸素、及び水よりなる群から選択される少なくとも一種との混合物を原料として気相法により合成されてなる紫外線受光デバイスが提案されている。
また、特許文献2には、基板と、この基板上に気相合成法により一軸性に配向成長した膜厚が1乃至40μmのダイヤモンド膜からなる紫外線検出層と、この紫外線検出層に接触した少なくとも1対の第1電極及び第2電極とを有し、前記ダイヤモンド膜表面の50%以上がダイヤモンドの(100)結晶面から構成されているダイヤモンド膜紫外線センサーが紹介されている。
さらに、上記特許文献1,2に記載のようなダイヤモンド膜系紫外線センサーをベースとして各種改良発明が提案されている。
このようなダイヤモンド膜系紫外線センサーは、ダイヤモンド自体の広いバンドギャップを利用しようとするものであるが、ダイヤモンドの成膜には気相合成法が用いられる。気相合成法では高真空を必要とするばかりでなく、成膜に高度の制御技術を必要とするためにコスト的に高くなってしまい、結果的にダイヤモンド膜系紫外線センサーの汎用用途への適用が遅れている。また、ダイヤモンド膜成長にはダイヤモンド基板が用いられる。ダイヤモンド基板は人工合成された基板でも高価であるため実用性に問題がある。ダイヤモンド基板はサイズも小さく、量産性に欠ける問題点がある。
ダイヤモンド基板以外にSi基板上にダイヤモンド膜成長させることも可能であるが、この場合異種基板への成長になることから、ダイヤモンド基板上へのダイヤモンド膜成長に比べ膜質が劣り、その結果、感度などセンサー特性が悪くなる問題点がある。さらにまた、ダイヤモンドのバンドギャップは5.5eVであるので、225nm以下の波長領域でのみ受光感度を有することになり、225nmより短い特定の波長以下の光に対してのみ感度を有するセンサーを実現する上では、バンドギャップの制御による波長のチューニングができない問題点がある。これは、ダイヤモンドには混晶化する相手が存在しないことによる。
また、一方でバンドギャップが大きい半導体であるGaN系III族元素窒化物薄膜の利用も期待・検討されているが、この薄膜の製造にも高真空或いは有害性原料ガスを必要とし、ダイヤモンド系と同様コスト高となってしまう。GaN系III族元素窒化物の場合、ダイヤモンドと違い、GaNにAlNを添加し混晶化することで、バンドギャップを広げることが可能であるが、GaNにAlNを添加した場合、添加量とともに結晶性が劣化することが知られており、これがデバイス特性に悪影響を及ぼす問題点がある。
そこで、酸化ガリウムの使用が提案されている。酸化ガリウムは無色透明でバンドギャップが4.9eVと大きいため、紫外領域の光学材料、LEDやLD等の前記窒化物半導体用基板、及び酸化物透明導電体、高温酸素ガスセンサー材料としての応用が検討されている。
酸化ガリウムを光デバイスに用いるに当たっては、より短波長の紫外光に対応するため、光吸収端を短波長側に移動させることが求められる。
その手段として、酸化ガリウムよりバンドギャップが大きい酸化アルミニウム(Al23)を酸化ガリウムに混晶化させることで、バンドギャップを広げられると考えられる。
特開平5−335613号公報 特許第3560462号公報
ガリウム‐アルミニウム酸化物系薄膜を作製する方法としては、一般的にはスパッタ法等の気相合成法が用いられている。しかしながら、気相合成法では高真空を必要とするばかりでなく、成膜に高度の制御技術を必要とするためにコスト的に高くなってしまうと言う問題点がある。
ところで、酸化ガリウム−アルミニウム酸化物混晶が求められる背景には、バンドギャップが4.9eVとワイドであり波長250nmの光を検知できる酸化ガリウムに対して、波長250nmよりも短波長の光を検知できる物質が求められている点が挙げられる。
すなわち、波長250nm以下の任意の波長に応答する物質が求められる。酸化ガリウム−アルミニウム酸化物混晶を(Ga1‐xAlx23なる組成式で表されるとき、式中のxとして任意のものを安定的に得ることが求められる。
本発明は、このような問題点を解消するために、発光素子や受光素子などの半導体デバイス用基板に応用されるガリウム‐アルミニウム酸化物結晶であって、光学的バンドギャップを4.9eV以上の任意なものとしたガリウム‐アルミニウム酸化物結晶を低コストで提供することを目的とする。
本発明のガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜は、その目的を達成するため、サファイア基板上に形成されたガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜であって、当該結晶が(Ga1‐xAlx23なる組成式で表されるとき、式中のxが0.3未満であることを特徴とする。
このガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜は、光学的バンドギャップが4.9eVを超え、かつ6.2eV以下の範囲であり、それに対応して波長250〜215nmより長波長領域で透明である。
このようなガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜は、サファイア基板上に酸化ガリウム薄膜を形成した後、サファイア基板及び酸化ガリウム薄膜を大気中900〜1500℃の範囲で加熱することにより得られる。
溶媒にガリウムを含む化合物を溶解させて作製した溶液をサファイア基板上に塗布し、空気中で加熱焼成することが好ましい。
そして、溶媒にガリウムを含む化合物を溶解させて作製した溶液として、2‐メトキシエタノールとモノエタノールアミンの混合溶液にガリウムイソプロポキシドを溶解させたものを用いることが好ましい。
サファイア基板及び酸化ガリウム薄膜を大気中で加熱する際の加熱温度を調整することにより、(Ga1‐xAlx23なる組成式で表されるときの式中のxを0.3未満に制御することができる。
上記方法によりサファイア基板上に形成されたガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜であって、当該結晶が(Ga1‐xAlx23なる組成式で表されるとき、式中のxが0.3未満であるガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜は、紫外域で透明な半導体素子として使用される。
本発明のガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜は、サファイア(Al23)基板上に作製したGa23膜の加熱処理による基板からのAl拡散により作製されている。しかもGa23膜の生成にゾル−ゲル法を利用しているために簡便であり、その際の加熱温度の調整によりGa23膜中へのAl固溶量の制御が容易で、任意のx値をもつ(Ga1‐xAlx23結晶が低コストで提供できる。
したがって、本発明は、発光素子や受光素子などの半導体デバイスの発展に寄与することになる。
本発明者等は、発光素子や受光素子などの半導体デバイスに用いることが可能なガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜を簡便に得ることができる手段について鋭意検討を重ねてきた。
その過程で、アルミニウムを含む基板、例えばサファイア基板を使って、その基板上に形成した酸化ガリウム膜を加熱することで、簡便に均一組成のガリウム‐アルミニウム酸化物結晶を得ることができることを見出した。
さらに、サファイア基板上にゾル−ゲル法で作製するGa23膜の加熱温度を変えることで、(Ga1‐xAlx23膜の組成比を変えることできることを見出し、本発明に到達した。
以下に、まずガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜の製造方法から説明する。
サファイア基板上に溶媒にガリウムを含む化合物を溶解させて作製した溶液を塗布し、空気中で加熱焼成することによりβ-Ga23膜を作製する。
ガリウム‐アルミニウム酸化物結晶、すなわち酸化ガリウムと酸化アルミニウムの混晶を得るためには、Ga23源とAl23源が必要である。まず、Al23源としては各種の物質が想定されるが、1500℃まで加熱するため、耐熱性、熱的安定性などの観点から、Al23源としてはその単結晶であるサファイア基板を用いるのが好ましい。
そのサファイア基板上にβ-Ga23膜を作製する。
この基板上にガリウムを含む溶液を用いた塗布法によりGa23膜の作製を行う。ガリウムを含む溶液としては、金属アルコキシドや金属アセチルアセトネートなどの金属有機化合物や塩化ガリウムなどの金属無機化合物を有機溶媒、無機溶媒に溶解させたものを用いることができる。取り扱いの容易さの観点からは、金属有機化合物を有機溶媒に溶かしたものを用いることが好ましい。特にゾル形態で用いることが好ましいので以下ゾル‐ゲル法で説明する。
ゾルには2-メトキシエタノールとモノエタノールアミンの混合溶液にガリウムイソプロポキシドを溶解させたものを用いる。モノエタノールアミンとガリウムイソプロポキシドのモル比は1.0とし、ガリウムイソプロポキシドは0.4mol/l程度とすることが好ましい。
この溶液を基板上に塗布する。均一膜厚で塗布する限り、塗布方法に制限はなく、ゾル溶液に基板を浸漬し引き上げるディップコーティング法やゾル溶液を基板上に滴下し基板を高速回転して塗布するスピンコーティング法などを用いる。大面積で均一な膜厚を確保する上ではスピンコーティング法を用いて塗布することが好ましい。
ゾルを塗布し、まず塗膜中の溶媒を蒸発させるために全体を大気中で90℃前後の温度で約10分程度乾燥させる。その後塗膜中の有機物を除去するために280〜350℃で仮焼成した後、さらに大気中、400〜1500℃で30〜90分焼成して酸化ガリウム膜を生成させる。
仮焼成は10〜30分程度とすることが好ましい。その温度が280℃に満たなかったり、逆に350℃を超えると、緻密性に欠けた薄膜になりやすくなる。焼成温度が400℃に満たないと非晶質になりやすく高品質の薄膜が得られ難くなる。400℃以上では焼成温度が高くなるにつれて結晶性が高くなる傾向があるが、1500℃を超えるような高温での処理は加熱ヒータなど装置上の問題があり、製造コストも勘案すると得策ではない。また、結晶性の観点からみると、焼成時間が30分に満たない場合は、結晶性があまり高くなく不十分であるが、90分を超えて焼成してもそれ以上の改善はあまり見られない。
仮焼成の後の本焼成時、すなわち酸化ガリウム膜を形成したサファイア基板を加熱するとき、焼成温度が900℃以上になるとサファイア基板中のAlがGa23膜中へ拡散する。このAlの拡散を利用することで、拡散したAlはGa23膜中で(Ga1‐xAlx23組成のガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜を形成する。
組成比xはゾル−ゲル法の加熱温度及び加熱時間によって制御でき、加熱温度が高くなるほどサファイア基板からのAlの拡散が多くなり組成比xは大きくなる。この場合の加熱温度は900〜1500℃であるのが好ましい。900℃に満たないとAlの拡散は進行せず、1500℃を超えると装置的な電気炉加熱が難しくなり簡便の処理とはいえなくなる。また、加熱時間が長くなるほどサファイア基板からのAlの拡散が多くなり組成比xは大きくなる。加熱温度にもよるが、90分以内の加熱で組成比xは0.3未満となる。
Ga23中にAl23はおよそ50%固溶することが知られているため、xは0.5まで可能と思われるが、0.3以上の組成にするには基板加熱温度が1500℃以上にする必要があり、この場合は加熱ヒータなど装置上の問題がある。また、1500℃以上に高温加熱すると、サファイア基板に反りが発生し、デバイス形成時の問題となるため、好ましくない。
以下、具体的な製造事例を実施例によって説明する。
実施例1;
サファイア基板上にゾル−ゲル法を用いて1450℃でGa23膜を作製した。
すなわち、サファイア単結晶の(0001)面を切り出し、CMP研磨を施して鏡面仕上げのウエハ状基板を得た。基板の前処理としてアセトン及びエタノールで超音波洗浄を行った。
ゾルには2‐メトキシエタノールとモノエタノールアミンの混合溶液にガリウムイソプロポキシドを60℃で溶解させたものを用い、モノエタノールアミンとガリウムイソプロポキシドのモル比は1.0とし、ガリウムイソプロポキシドの濃度は0.4mol/lとした。このゾル溶液をスピンコーティングでサファイア基板の上記面上に塗布し、300℃で仮焼成した。この工程を6回繰り返した後、空気中1000℃で1時間焼成した。
このサンプルを、光電子分光法(XPS)を用いて表面から深さ方向の分析を行なった。図1の最表面のXPS分析結果から、Ga,O,Al,Cが検出されているのがわかる。図2の最表面から80nmの深さ(SiO2換算)では、Ga,O,Alが検出されているが、C(カーボン)の検出はなくなり、純度が高い膜になっているのがわかる。
深さ方向のXPS分析結果を図3に示す。サファイア基板とGa23膜の界面付近から、基板からのAlがGa23膜に拡散し、Ga23膜表面まで達しているのがわかる。また拡散したAlは、Ga23膜中にほぼ一定の比率で均一に存在していることもわかる。
さらに、Alの結合状態をXPSスペクトルの結合エネルギーから調べた。その結果を図4に示すように、Alの結合エネルギーはAl‐Oのそれとほぼ一致し、AlはAl酸化物としてGa23中に固溶していると考えられる。
以上の結果から、サファイア基板上にゾル−ゲル法を用いて1450℃で作製したGa23膜は基板からのAlの拡散によりガリウム-アルミニウム酸化物を形成しているのがわかる。
このときGa23中に存在するAlをEPMAで定量分析した結果、約12.6wt%と判明した。
実施例2;
ゾル−ゲル法による作製温度がGa23膜中へのAlの拡散量に及ぼす影響を調べるため、作製温度1000℃と1200℃について、同様なサンプル作製を行い、1450℃のときの結果と比較した。なお、作製温度の違い以外は、実施例1に記載の条件と全く同じにした。
得られた各サンプルのGa23膜について、当該膜中に存在するAl量をEPMAで定量分析した結果、1000℃で0.6wt%、1200℃で3.5wt%と作製温度が高くなるほど、基板からGa23膜中に拡散するAl量が多くなる傾向があることがわかった。
実施例3;
作製温度を600℃,800℃,900℃とする他は実施例1と同じ方法により、Ga23膜を作製した。そして実施例2で作製したGa23膜と合わせて6種の各サンプルについて、各種特性を評価した。
まず、加熱温度を変化させて作製したサファイア基板上の各Ga23膜の表面に、Au電極を間隔が1mmであるスリット状に形成して光導電型の素子を作製した。この電極間に10Vの電圧を印加し、キセノンランプを用い分光器を通して単色化した光を照射して光電流を測定することにより光感度の波長依存性を測定した。その結果を図5に示す。
この結果から、作製温度が高い膜ほど短波長で応答している。特に、1450℃の加熱で作製したGa23膜では、200nmなる短波長で応答しているのがわかる。
したがって、短波長を検知するセンサー材として応用できる可能性がある、と言える。
また、サファイア基板上に温度を変えて作製したGa23膜についてX線回折を行った。その結果を図6に示す。この結果から、作製温度が高くなるほど、Ga23膜の結晶性がよくなっていることがわかる。
さらにまた、サファイア基板上に作製したGa23膜のX線回折ピークから格子定数を求め、加熱温度による変化の状況を調べた。その結果を図7に示す。この結果から、作製温度が高くなるほど、Ga23中へAlが拡散し、格子定数が小さくなっていることがわかる。これは、AlとGaのイオン半径を比べると、Alの方がGaより小さいため、GaサイトにAlが置換し、格子定数が小さくなったと考えられる。
さらに、サファイア基板上に作製したGa23膜の光透過率の波長依存性を測定し、その加熱温度依存性についても調べた。その結果を図8に示す。1450℃で加熱した場合、短波長まで透過率が高く、光吸収端も200nm以下と短波長側にシフトしている。
サファイア基板上に温度を変えて作製したGa23膜の光透過特性から求めた吸収係数よりバンドギャップを算出した。その結果を図9に示す。1450℃で加熱したときのバンドギャップは6.2eVとAlNのそれに匹敵する値になっていることがわかる。
最表面のXPSスペクトル 最表層から深さ80nmのXPSスペクトル XPS分析測定での深さ方向のGa,Al,Oの分布状況 最表層から深さ80nmのA12pスペクトル サファイア基板上のGa23ゾルゲル膜の光感度の波長依存性 サファイア基板上に作製したGa23ゾルゲル膜のX線回折結果 サファイア基板上に作製したGa23膜の格子定数 サファイア基板上に作製したGa23膜の透過率 サファイア基板上に作製したGa23膜のバンドギャップ

Claims (7)

  1. サファイア基板上に形成されたガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜であって、当該結晶が(Ga1‐xAlx23なる組成式で表されるとき、式中のxが0.3未満であることを特徴とするガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜。
  2. 光学的バンドギャップが4.9eVを超え、かつ6.2eV以下の範囲であり、それに対応して波長250〜215nmより長波長域で透明である請求項1に記載のガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜。
  3. サファイア基板上に酸化ガリウム薄膜を形成した後、サファイア基板及び酸化ガリウム薄膜を大気中900〜1500℃の範囲で加熱することを特徴とする(Ga1‐xAlx23なる組成式で表されるとき、式中のxが0.3未満であるガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜の製造方法。
  4. 溶媒にガリウムを含む化合物を溶解させて作製した溶液をサファイア基板上に塗布し、空気中で加熱焼成することにより酸化ガリウム薄膜を形成する請求項3に記載のガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜の製造方法。
  5. 溶媒にガリウムを含む化合物を溶解させて作製した溶液として、2‐メトキシエタノールとモノエタノールアミンの混合溶液にガリウムイソプロポキシドを溶解させたものを用いる請求項4に記載のガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜の製造方法。
  6. サファイア基板及び酸化ガリウム薄膜を大気中で加熱する際の加熱温度の調整でx値を制御する請求項3〜5のいずれかに記載のガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜の製造方法。
  7. サファイア基板上に形成されたガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜であって、当該結晶が(Ga1‐xAlx23なる組成式で表されるとき、式中のxが0.3未満であるガリウム‐アルミニウム酸化物結晶膜を用いた紫外域で透明な半導体素子。
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