JP2008281046A - 開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種電子機器に使用される開閉装置に関し、小型化や軽量化が図れ、確実な操作が可能なものを提供することを目的とする。
【解決手段】略リング状の可動体13内周にピン状に突出した可動カム14の、凹凸状の固定カム2が弾接する根元に傾斜部14Aを設けることによって、傾斜部14Aに固定カム2が弾接し、固定カム2に加わる外周方向への力を緩和できるため、固定カム2の折曲や固定体1の開き等を防ぎ、小型化や軽量化が図れ、確実な操作が可能な開閉装置を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の、各種電子機器に使用される開閉装置に関するものである。
近年、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の電子機器の小型化や軽量化が進むなか、固定筐体に対し可動筐体が開閉可能に装着された、所謂、折畳み式のものが増えており、これらに用いられる開閉装置においても、確実で良好な開閉操作を行えるものが求められている。
このような従来の開閉装置について、図4〜図6を用いて説明する。
なお、これらの図面の内、断面図は固定カムと可動カムの関係を判り易くするため、径方向を拡大して表わしている。
図5は従来の開閉装置の断面図、図6は同分解斜視図であり、同図において、1は左端面に一対の固定部1Aが形成された略円筒状の固定体で、金属板が巻回され端部が嵌合されて形成されると共に、右端面外周には、突出部2A、及びこの突出部2Aから上下へ延出する二つの傾斜部2B、2Cから形成された、一対の凹凸状の固定カム2が設けられている。
また、3は略リング状で金属製の可動体で、固定体1に対し開閉方向へ回転可能に、かつ軸線方向へ移動可能に配置されると共に、一対のピン状の可動カム4が可動体3内周に対向して突出形成されている。
そして、5は略円筒状で金属製の可動ケース、6はコイル状で鋼線製のばねで、この可動ケース5内に固定体1や可動体3が収納されると共に、可動体3右端面と可動ケース5内側面の間に、ばね6がやや撓んだ状態で装着され、このばね6によって可動体3が左方向へ付勢されて、可動カム4が固定カム2の傾斜部2Bへ弾接している。
さらに、可動ケース5には外方へ突出する一対の溝部5Aが、可動体3外周には外方へ突出する一対の凸部3Aが設けられ、この凸部3Aが溝部5Aに挿入されることによって、可動体3が可動ケース5に対し軸線方向へは移動可能で、回転方向へは一体となって回転するように形成されている。
また、7は略円柱状の固定軸、8は左端面に平坦部8Aが形成された固定カバーで、この固定カバー8に固定軸7左端や固定体1の固定部1Aが固着されると共に、固定軸7の右端部は可動体3中央やばね6を挿通し、止め輪9によって可動ケース5外側面に回転可能に装着されて、開閉装置10が構成されている。
そして、このように構成された開閉装置10が、例えば、図4の携帯電話の斜視図に示すように、固定カバー8の平坦部8Aが上面に複数のキーからなる操作部11Aやマイクロフォン等の音声入力部11Bが形成された固定筐体11へ、可動ケース5の溝部5A外周が、表面に液晶表示素子等の表示部12Aやスピーカ等の音声出力部12Bが形成された可動筐体12へ各々固着され、開閉装置10によって固定筐体11に対して可動筐体12が開閉可能に軸支されて電子機器が構成される。
以上の構成において、可動カム4が固定カム2下側の傾斜部2Bへ弾接した状態では、可動体3がばね6によって下方向の閉方向へ付勢されているため、可動ケース5が装着された可動筐体12は、固定筐体11に対して閉じた状態で保持されている。
そして、この閉状態から、可動筐体12を手で開くと、可動筐体12にガイド溝部5Aが装着固定された可動ケース5が回転し、可動体3が可動ケース5内を右方向の軸線方向へ回転しながら移動して、可動カム4が固定カム2の突出部2Aを超えて、上側の傾斜部2Cへ弾接すると、可動体3が開方向へ付勢されるため、この力によって可動筐体12に開く方向の力が加わり、可動筐体12が固定筐体11に対して所定角度に開いた状態となる。
つまり、可動筐体12に装着された可動ケース5を回転させることによって、ばね6に付勢された可動体3を軸線方向へ移動させ、可動カム4を固定カム2の傾斜部2Bまたは2Cのいずれかへ弾接させて、固定筐体11に対する可動筐体12の開閉操作が行われるように構成されている。
なお、以上のような開閉装置10において、一対の固定カム2には、図5に示すように、ばね6に付勢された可動カム4によって、一般に外周方向への力が加わるため、板状の固定体1の厚さをあまり薄くすると、固定カム2の折曲や変形、或いは固定体1が開いて割れ等が生じてしまう。
したがって、確実で安定した開閉操作を行うには、固定体1をあまり薄い形状に形成することができないため、開閉装置全体の小型化や軽量化を図ることには限界のあるものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2007−32661号公報
しかしながら、上記従来の開閉装置においては、固定カム2の折曲や固定体1の開き等を防ぐため、固定体1の厚さをあまり薄くすることができず、開閉装置全体の小型化や軽量化を図ることが困難であるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、小型化や軽量化が図れ、確実な操作が可能な開閉装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、略リング状の可動体内周にピン状に突出した可動カムの、凹凸状の固定カムが弾接する根元に傾斜部を設けて開閉装置を構成したものであり、傾斜部に固定カムが弾接し、固定カムに加わる外周方向への力を緩和できるため、固定カムの折曲や固定体の開き等を防ぎ、小型化や軽量化が図れ、確実な操作が可能な開閉装置を得ることができるという作用を有するものである。
以上のように本発明によれば、小型化や軽量化が図れ、確実な操作が可能な開閉装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。
なお、これらの図面の内、断面図は固定カムと可動カムの関係を判り易くするため、径方向を拡大して表わしている。
また、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による開閉装置の断面図、図2は同分解斜視図、図3は同要部斜視図であり、同図において、1は左端面に一対の固定部1Aが形成された略円筒状の固定体で、鋼や銅合金等の金属板が巻回され端部が嵌合されて形成されると共に、右端面外周には、突出部2A、及びこの突出部2Aから上下へ延出する二つの傾斜部2B、2Cから形成された、一対の凹凸状の固定カム2が設けられている。
また、13は略リング状で鋼や銅合金、焼結合金等の金属製の可動体で、固定体1に対し開閉方向へ回転可能に、かつ軸線方向へ移動可能に配置されると共に、一対のピン状の可動カム14が可動体13内周に対向して突出形成され、この可動カム14の根元には傾斜部14Aが設けられている。
そして、5は略円筒状で金属製の可動ケース、6はコイル状で鋼線製のばねで、この可動ケース5内に固定体1や可動体13が収納されると共に、可動体13右端面と可動ケース5内側面の間に、ばね6がやや撓んだ状態で装着され、このばね6によって可動体13が左方向へ付勢されて、可動カム14根元の傾斜部14Aが固定カム2の傾斜部2Bへ弾接している。
さらに、可動ケース5には外方へ突出する一対の溝部5Aが、可動体13外周には外方へ突出する一対の凸部13Aが設けられ、この凸部13Aが溝部5Aに挿入されることによって、可動体13が可動ケース5に対し軸線方向へは移動可能で、回転方向へは一体となって回転するように形成されている。
また、7は略円柱状の固定軸、8は左端面に平坦部8Aが形成された固定カバーで、この固定カバー8に固定軸7左端や固定体1の固定部1Aが固着されると共に、固定軸7の右端部は可動体13中央やばね6を挿通し、止め輪9によって可動ケース5外側面に回転可能に装着されて、開閉装置20が構成されている。
そして、このように構成された開閉装置20が、例えば、図4の携帯電話の斜視図に示すように、固定カバー8の平坦部8Aが上面に複数のキーからなる操作部11Aやマイクロフォン等の音声入力部11Bが形成された固定筐体11へ、可動ケース5の溝部5A外周が、表面に液晶表示素子等の表示部12Aやスピーカ等の音声出力部12Bが形成された可動筐体12へ各々固着され、開閉装置20によって固定筐体11に対して可動筐体12が開閉可能に軸支されて電子機器が構成される。
以上の構成において、可動カム14が固定カム2下側の傾斜部2Bへ弾接した状態では、可動体13がばね6によって下方向の閉方向へ付勢されているため、可動ケース5が装着された可動筐体12は、固定筐体11に対して閉じた状態で保持されている。
そして、この閉状態から、可動筐体12を手で開くと、可動筐体12にガイド溝部5Aが装着固定された可動ケース5が回転し、可動体13が可動ケース5内を右方向の軸線方向へ回転しながら移動して、可動カム14が固定カム2の突出部2Aを超えて、上側の傾斜部2Cへ弾接すると、可動体13が開方向へ付勢されるため、この力によって可動筐体12に開く方向の力が加わり、可動筐体12が固定筐体11に対して所定角度に開いた状態となる。
つまり、可動筐体12に装着された可動ケース5を回転させることによって、ばね6に付勢された可動体13を軸線方向へ移動させ、可動カム14を固定カム2の傾斜部2Bまたは2Cのいずれかへ弾接させて、固定筐体11に対する可動筐体12の開閉操作が行われるように構成されている。
また、以上のような開閉操作時、一対の固定カム2には、ばね6に付勢された可動カム14によって、一般に外周方向への力が加わるが、可動体13内周の可動カム14の根元には傾斜部14Aが形成され、これに固定カム2が弾接することによって、固定カム2への外周方向への力が緩和されるようになっている。
つまり、可動カム14根元の傾斜部14Aに固定カム2を弾接させ、固定カム2に加わる外周方向への力を緩和して、固定カム2の折曲や固定体1の開き等を防ぐことによって、確実な開閉操作が行えると共に、固定体1の厚さを薄くしたり形状を小さくしたりすることで、開閉装置20全体の小型化や軽量化を図ることが可能なように構成されている。
なお、可動カム14根元の傾斜部14Aは、円弧状の所謂アール形状に形成してもよいが、上記のように直線状の所謂面取り形状とする方が、固定カム2の外周方向への力を緩和するという効果は大きく、また、傾斜部14Aの内周側よりも外周側に固定カム2を弾接させる方がより好ましい。
このように本実施の形態によれば、略リング状の可動体13内周にピン状に突出した可動カム14の、凹凸状の固定カム2が弾接する根元に傾斜部14Aを設けることによって、傾斜部14Aに固定カム2が弾接し、固定カム2に加わる外周方向への力を緩和できるため、固定カム2の折曲や固定体1の開き等を防ぎ、小型化や軽量化が図れ、確実な操作が可能な開閉装置を得ることができるものである。
なお、以上の説明では、手で可動筐体12を開閉操作し、これに固着された可動ケース5を回転させる構成について説明したが、押釦や、可動カム14の固定カム2への弾接位置を反転させる反転カム等の部品を設け、手による開閉操作に加え、閉状態から押釦の押圧操作によって可動筐体12を自動的に開く、所謂、ワンプッシュオープン構造の開閉装置においても、本発明の実施は可能である。
本発明による開閉装置は、小型化や軽量化が図れ、確実な操作が可能なものを得ることができ、各種電子機器に使用される開閉装置として有用である。
本発明の一実施の形態による開閉装置の断面図 同分解斜視図 同要部斜視図 携帯電話の斜視図 従来の開閉装置の断面図 同分解斜視図
符号の説明
1 固定体
1A 固定部
2 固定カム
2A 突出部
2B、2C 傾斜部
5 可動ケース
5A 溝部
6 ばね
7 固定軸
8 固定カバー
8A 平坦部
9 止め輪
11 固定筐体
11A 操作部
11B 音声入力部
12 可動筐体
12A 表示部
12B 音声出力部
13 可動体
13A 凸部
14 可動カム
14A 傾斜部
20 開閉装置

Claims (1)

  1. 端面に凹凸状の固定カムが設けられた略円筒状の固定体と、この固定体に対し回転可能に配置されると共に、内周にピン状に突出した可動カムが設けられた略リング状の可動体と、上記可動カムを上記固定カムへ弾接させるばねからなり、上記固定カムが弾接する上記可動カムの根元に傾斜部を設けた開閉装置。
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