JP2008280805A - 昇塔防止金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】昇塔防止金具10は、送電鉄塔の2本の脚柱セグメント2を連結するために用いられているジョイントボルト3の先端部分に取り付けて使用する昇塔防止金具であって、ジョイントボルト3の先端部分を貫通させて装着される本体11と、本体11を貫通したジョイントボルト3の先端部分に螺合される押さえナット13と、本体11の側面から突出されたロッド14とを具備する。本体11の外周面には、ロッド14を取り付けるための接続用軸部11aが設けられている。接続用軸部11aの外周面には雄ねじが形成されており、また、ロッド14の一端面には、接続用軸部11aの雄ねじと螺合する雌ねじが内周面に形成されたねじ穴がロッド14の長手方向に沿って形成されている。
【選択図】図2
Description
従来の昇塔防止装置は、脚柱を利用して昇塔できないようにするための昇塔防止部と昇塔防止部を脚柱へ取り付けるための塔体取付部とが一体型となって構成されており、それらは現場で組み立てられている。
(1)昇塔防止部と塔体取付部とが一体型で構成されているので、昇塔防止装置全体が大きなものとなり、製造コストがかかる。
(2)送電鉄塔が建っている現地で昇塔防止装置を組み立てる必要があるので、取付作業に時間がかかる。
(3)昇塔防止装置を取り付ける位置によっては墜落防止装置(セーフティワイヤ)や送電鉄塔の腹材と干渉するおそれがある。
(4)降雪などで昇塔防止装置が破損した場合には昇塔防止装置全体の取替えが必要であり、取替作業に時間がかかる。
ここで、前記本体(21)が、周方向に一定の周期で凹凸条が内周面に形成された外側リング部(21b)と、該外側リング部の内周面に形成されている凹凸条と相補関係にある凹凸条が外周面に形成された、かつ、前記ジョイントボルトが螺合する雌ねじが内周面に形成された内側リング部(21c)とを備えてもよい。
前記本体と前記ロッドとが別体とされており、前記本体の外周面に、前記ロッドを取り付けるための接続用軸部(11a,21a,51a,91a1,91a2)が設けられており、該接続用軸部の外周面に雄ねじが形成されており、前記ロッドの一端面に、前記接続用軸部の雄ねじと螺合する雌ねじが内周面に形成されたねじ穴が該ロッドの長手方向に沿って形成されていてもよい。
一端面に延長用雄ねじが形成された延長用ロッドをさらに具備し、前記ロッドの他端面に、前記延長用ロッドの前記延長用雄ねじと螺合する他の雌ねじが内周面に形成された他のねじ穴が該ロッドの長手方向に沿って形成されていてもよい。
前記本体(91)の外周面に、前記接続用軸部(91a1,91a2)が複数設けられていてもよい。
前記ロッドが、基部(32)と該基部に回動自在に連結された跳上げ部(33)とを備える跳上げ式ロッド(31)であり、前記跳上げ部の前記基部側の端部に、該跳上げ部の回動範囲の下端位置を規定するストッパ(34)が該跳上げ部と一体的に設けられており、前記基部が、前記ストッパとオーバーラップするように該ストッパ上に延出した部分を有し、該基部の延出した部分に、該基部および該ストッパを貫通する、かつ、錠をかけて前記跳上げ部を上方に回動させないようにする貫通孔(36)が形成されていてもよい。
前記本体(41)の一端面に、前記ジョイントボルトを固定するナット(4)の外径よりも大きな内径を有する凹部が形成されており、前記送電鉄塔の先端部分に前記昇塔防止金具(40)を取り付けたときに上面となる前記本体の他面側に、前記ジョイントボルトが貫通する孔が形成されていてもよい。
前記本体(41)の前記凹部が、前記ナットが嵌合する形状とされていてもよい。
前記本体(51)が、前記ナットが嵌合する横断面を有する凹部が一端面に形成された、かつ、該ジョイントボルトが貫通する孔が他端面に形成された、かつ、凹凸条が周方向に一定の周期で外周面に形成された内側カップ部(51c)と、該内側リング部の凹凸条と相補関係にある凹凸条が周方向に一定の周期で内周面に形成された凹部が一端面に形成された、かつ、前記ジョイントボルトが貫通する他の孔が他端面に形成された外側カップ部(51b)とを備えてもよい。
前記ロッド(84)の先端側が複数のロッド部(841,842)に分岐されていてもよい。
前記跳上げ式ロッドを備えた昇塔防止金具が、前記送電鉄塔の複数本の脚柱のうちの1本の脚柱のみに取り付けられてもよい。
(1)同じ構造の昇塔防止金具を製造すればよいので、製造コストを安価にすることができる。
(2)送電鉄塔(鋼管鉄塔)のジョイント部分に用いられているジョイントボルトに昇塔防止金具を取り付ければよいので、取付作業を容易に行うことができる。
(3)降雪などにより昇塔防止金具のロッド(昇塔防止棒)が破損した場合には、破損したロッドのみを取り替えればよいので、取替作業を容易に行うことができる。
(4)ロッドを延長用ロッドと連結可能な構造とすることにより、送電鉄塔の形状に合わせて昇塔防止金具のロッド(昇塔防止棒)の長さを自由に調整することができる。
本発明の第1の実施例による昇塔防止金具10が取り付けられる送電鉄塔(鋼管鉄塔)は、4本の脚柱を有する。各脚柱は、図1に示すように、連結部にジョイントフランジ2aが設けられた鋼管からなる2本の脚柱セグメント2を直列に連結することで構成されている。脚柱セグメント2の連結は、ジョイントフランジ2aにおいて複数個のジョイントボルト3およびナット4で締結することによって行われている。このとき、ジョイントボルト3の差込みは、通常は、下から上に向けて行われている。
本体11の内径は、ジョイントボルト3は挿通できるがナット4は挿通できない大きさ(たとえば、ジョイントボルト3のボルト幅+5mm)とされている。したがって、本体11がジョイントボルト3に嵌め込まれると、本体11は、ジョイントボルト3が貫通してかつ本体11がナット4の上に乗った状態で支持される。
本体11の高さは、ナット4の上に乗せられた状態で、本体11から突出したジョイントボルト3に押さえナット13を締め付けるのにジョイントボルト3の突出高さが十分であるような高さ(たとえば、20mm)とされている。
接続用軸部11aの長さおよび径は、たとえば30mmおよび10mmとされている。
ロッド14の一端面(根元側の端面)には、接続用軸部11aの外周面の雄ねじと螺合する雌ねじが内周面に形成されたねじ穴が、ロッド14の長手方向に沿って形成されている。このねじ穴と接続用軸部11aとを螺合させることによって、ロッド14は、本体11の半径方向に沿って外向きに延びた状態で、本体11に固定される。
なお、ロッド14の一端面側にナットを取り付けて、モンキーレンチなどを用いてロッド14を接続用軸部11aにより固く取り付けられるようにしてもよい。
また、本体11とロッド14とを別体(別部材)で構成してもよいが、両者を一体化して1つの部材で構成してもよい。この場合には、接続用軸部11aは不要である。
続いて、ロッド14がジョイントフランジ2aの半径方向を向くように本体11の向きを調整する。
最後に、ロッド14の向きを保持したまま、本体11から突出したジョイントボルト3の先端部分にワッシャ12bを介して押さえナット13を締め付ける。
これにより、本体11はナット4と押さえナット13との間で挟まれて回転しないようにジョイントボルト3に取り付けられる。
本実施例による昇塔防止金具20(不図示)は、本体21が回転止め構造を有する点で上述した第1の実施例による昇塔防止金具10と異なる。
接続用軸部21aは、図2に示した接続用軸部11aと同様のものである。
外側リング部21bは、図2に示した本体11と同様の形状を有しているが、外側リング部21bの内周面には、凹凸条が周方向に一定の周期で形成されている。
内側リング部21cは外側リング部21b内に嵌め込まれるものであり、内側リング部21cの外周面には、外側リング部21bの凹凸条と相補関係にある凹凸条が形成されている。また、内側リング部21cの内周面には、ジョイントボルト3が螺合する雌ねじが形成されている。
まず、内側リング部21cをジョイントボルト3に螺合させて、ジョイントボルト3が内側リング部21cを貫通した状態とする。このとき、内側リング部21cがナット4(図2参照)に当接して回転しなくなるまで内側リング部21cをジョイントボルト3にねじ込むことが重要である。
続いて、外側リング部21bに予め取り付けられたロッド14が送電鉄塔の脚柱の半径方向を向くように、外側リング部21bを周方向に位置決めしたのち、この状態で、内側リング部21cの外側に外側リング部21bを嵌めこむ。これにより、内側リング部21cの凹凸条と外側リング部21bの凹凸条とが噛み合って、本体21はジョイントボルト3に対して回転できなくなる。
続いて、押さえナット13(図2参照)をジョイントボルト3に締め付けて、本体21がジョイントボルト3から抜けないようにする。
本実施例による昇塔防止金具30は、図2に示したロッド14を跳上げ式ロッド31に置き換えることにより、送電鉄塔の4本の脚柱のうちの1本の脚柱(昇降塔脚)について、図4に示すように複数個の第1の実施例による昇塔防止金具10と共に取り付けて、作業者などの関係者が昇塔する際に昇塔防止金具30を通り抜けることができるようにしたものである。
なお、跳上げ式ロッド31がほぼ水平方向を向くように昇塔防止金具30はジョイントボルト3の先端部分に取り付けられるので、跳上げ部33は、通常は、自重によって先端部が下向きに回動するので、ストッパ34が作用して回動範囲の下端位置にある。
作業終了後は、作業者は上記の手順と逆の手順で降塔する。
上述した第1乃至第3の実施例による昇塔防止金具10,20,30は、脚柱セグメント2同士を連結しているジョイントボルト3の長さが、ナット4上に本体11,21を装着したうえでさらに押さえナット13で締め付けるのに十分な長さを有している場合に使用するものであるが、送電鉄塔によっては、ジョイントボルト3の長さが短く、本体11,21を装着した後では押さえナット13を締め付けるのに十分な長さを有していないものもある。
本実施例による昇塔防止金具50(不図示)は、本体51が回転止め構造を有する点で上述した第4の実施例による昇塔防止金具40と異なる。
接続用軸部51aは、外側カップ部51bの外周面に設けられている。
内側カップ部51cの一端面には、ジョイントボルト3を固定するナット4が嵌合する横断面を有する凹部が形成されている。内側カップ部51cの他端面には、ジョイントボルト3が貫通する孔が形成されている。内側カップ部41bの外周面には、凹凸条が周方向に一定の周期で形成されている。
外側カップ部51bの一端面には、内側リング部21cの凹凸条と相補関係にある凹凸条が周方向に一定の周期で内周面に形成された凹部が形成されている。外側カップ部51bの他端面には、内側カップ部51cと同様に、ジョイントボルト3が貫通する孔が形成されている。
まず、内側カップ部51cを、ジョイントボルト3を固定しているナット4に被せる。内側カップ部51cの凹部はナット4が嵌合する形状であるので、内側カップ部51cは回転できない。
続いて、本体51の接続用軸部51aに予め取り付けられたロッド(不図示)の向きが所定の向きとなるように外側カップ部51bを周方向に位置決めしたのち、内側カップ部51cの外側に外側カップ部51bを嵌め込む。
これにより、外側カップ部51bおよび内側カップ部51cの凹凸条同士が噛み合い、外側カップ部51bが内側カップ部51cに対して回転しないようにすることができる。その結果、内側カップ部51bはジョイントボルト3に対して回転できないので、本体51をジョイントボルト3に対して回転しないように装着することができる。
また、複数の昇塔防止金具を複数のジョイントボルト3の先端部分にそれぞれ取り付けて使用するものであるので、サイズが異なる送電鉄塔にも取り付けることができるとともに、1つの昇塔防止金具が損傷した場合にはこの損傷した昇塔防止金具のみを交換するだけでよいので、交換作業も簡単に行うことができる。
2a ジョイントフランジ
3 ジョイントボルト
4 ナット
10,20,30,40,50 昇塔防止金具
11,21,41,51,91 本体
11a,21a,51a 接続用軸部
12a,12b ワッシャ
13 押さえナット
14,84 ロッド
21b 外側リング部
21c 内側リング部
31 跳上げ式ロッド
32 基部
33 跳上げ部
34 ストッパ
35 支持軸
36 貫通孔
51b 外側カップ部
51c 内側カップ部
841,842 第1および第2のロッド部
91a1,91a2 第1および第2の接続用軸部
Claims (11)
- 送電鉄塔の2本の脚柱セグメント(2)を連結するために用いられているジョイントボルト(3)の先端部分に取り付けて使用する昇塔防止金具(10,20,30,40,50)であって、
前記ジョイントボルトの先端部分を貫通させて装着される本体(11,21,41,51,91)と、
該本体を貫通した前記ジョイントボルトの先端部分に螺合される押さえナット(13)と、
前記本体の側面から突出されたロッド(14,31,84)と、
を具備することを特徴とする、昇塔防止金具。 - 前記本体(21)が、
周方向に一定の周期で凹凸条が内周面に形成された外側リング部(21b)と、
該外側リング部の内周面に形成されている凹凸条と相補関係にある凹凸条が外周面に形成された、かつ、前記ジョイントボルトが螺合する雌ねじが内周面に形成された内側リング部(21c)と、
を備えることを特徴とする、請求項1記載の昇塔防止金具。 - 前記本体と前記ロッドとが別体とされており、
前記本体の外周面に、前記ロッドを取り付けるための接続用軸部(11a,21a,51a,91a1,91a2)が設けられており、
該接続用軸部の外周面に雄ねじが形成されており、
前記ロッドの一端面に、前記接続用軸部の雄ねじと螺合する雌ねじが内周面に形成されたねじ穴が該ロッドの長手方向に沿って形成されている、
ことを特徴とする、請求項1または2記載の昇塔防止金具。 - 一端面に延長用雄ねじが形成された延長用ロッドをさらに具備し、
前記ロッドの他端面に、前記延長用ロッドの前記延長用雄ねじと螺合する他の雌ねじが内周面に形成された他のねじ穴が該ロッドの長手方向に沿って形成されている、
ことを特徴とする、請求項3記載の昇塔防止金具。 - 前記本体(91)の外周面に、前記接続用軸部(91a1,91a2)が複数設けられていることを特徴とする、請求項3または4記載の昇塔防止金具。
- 前記ロッドが、基部(32)と該基部に回動自在に連結された跳上げ部(33)とを備える跳上げ式ロッド(31)であり、
前記跳上げ部の前記基部側の端部に、該跳上げ部の回動範囲の下端位置を規定するストッパ(34)が該跳上げ部と一体的に設けられており、
前記基部が、前記ストッパとオーバーラップするように該ストッパ上に延出した部分を有し、
該基部の延出した部分に、該基部および該ストッパを貫通する、かつ、錠をかけて前記跳上げ部を上方に回動させないようにする貫通孔(36)が形成されている、
ことを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の昇塔防止金具。 - 前記本体(41)の一端面に、前記ジョイントボルトを固定するナット(4)の外径よりも大きな内径を有する凹部が形成されており、
前記送電鉄塔の先端部分に前記昇塔防止金具(40)を取り付けたときに上面となる前記本体の他端面に、前記ジョイントボルトが貫通する孔が形成されている、
ことを特徴とする、請求項1乃至6いずれかに記載の昇塔防止金具。 - 前記本体(41)の前記凹部が、前記ナットが嵌合する形状とされていることを特徴とする、請求項7記載の昇塔防止金具。
- 前記本体(51)が、
前記ナットが嵌合する横断面を有する凹部が一端面に形成された、かつ、該ジョイントボルトが貫通する孔が他端面に形成された、かつ、凹凸条が周方向に一定の周期で外周面に形成された内側カップ部(51c)と、
該内側リング部の凹凸条と相補関係にある凹凸条が周方向に一定の周期で内周面に形成された凹部が一端面に形成された、かつ、前記ジョイントボルトが貫通する他の孔が他端面に形成された外側カップ部(51b)と、
を備えることを特徴とする、請求項7または8記載の昇塔防止金具。 - 前記ロッド(84)の先端側が複数のロッド部(841,842)に分岐されていることを特徴とする、請求項1乃至9いずれかに記載の昇塔防止金具。
- 前記跳上げ式ロッドを備えた昇塔防止金具が、前記送電鉄塔の複数本の脚柱のうちの1本の脚柱のみに取り付けられることを特徴とする、請求項1乃至10いずれかに記載の昇塔防止金具。
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