JP2008280771A - 既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法 - Google Patents

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守正 森
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明彦 内田
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Abstract

【課題】既設構造物を支持する直下地盤(砂質地盤等の軟弱地盤)を、注入固化工法に工夫を施すことにより、縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を造成することができる、経済的、且つ合理的な、既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法を提供する。
【解決手段】既設構造物1に近接する位置に据え付けたボーリングマシン形式の地盤改良機2により、既設構造物1を支持する直下地盤3内へ一定の傾斜角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に一又は複数の地盤改良体4aを造成する工程を、前記軸方向角度を順次に変えて繰り返し行うことにより、既設構造物1を支持する直下地盤3中に深層部から浅層部へ幅が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を造成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法の技術分野に属し、更に云えば、既設構造物を支持する砂質地盤等の軟弱地盤を、薬液、又はセメント系固化材の注入による注入固化工法により、経済的、且つ合理的に地盤改良する工法に関する。
ちなみに、前記既設構造物は、ビル、工場、施設等の各種の既設構造物のほか、配管、道路、滑走路等の既設の線状構造物を含む技術的思想である。
液状化対策工法には、薬液、又はセメント系固化材を注入して改良体を造成する注入固化工法のほか、せん断変形抑制工法、地下水位低下工法、グラベルトレーン工法など種々あるが、中でも注入固化工法は、対象地盤内の液状化を防止することはもとより、狭い作業スペースで実施でき、無振動・無騒音での施工が可能であることから、近年その社会的要求が高い。
この注入固化工法は、対象地盤に対して、鉛直方向、或いは必要に応じて斜め方向の施工によって行われる。具体的には、対象地盤を所定深度まで鉛直方向(斜め方向)に削孔し、削孔内に注入管を挿入し、当該注入管に薬液を注入して軸方向に複数の地盤改良体を造成して行われる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記注入固化工法を、既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法に適用すると、図9、図10に示したように、既設構造物1の存在が施工の妨げになり、十分な効果を発揮することができない。即ち、改良体aの寸法を小さくして実施すると、図9に示したように、削孔距離が長くなるにしたがい未改良部分bが大きくなり、連続した改良体aが造成できないという問題があった。一方、改良体aの寸法を大きくして実施すると、図10に示したように、連続した改良体aは造成できるがラップ部分が非常に多くなるので薬液を余分に消費し、不経済に過ぎるという問題があった。寸法が大きい改良体aを造成するには、注入圧を大きくする必要があるので、浅層部に造成する場合には、既設構造物1への悪影響が懸念されるという問題もあった。ちなみに、図中の符号2はボーリングマシーン、符号5は掘削ピットを示している。
確かに、既設構造物1の床構造部分を貫通させて鉛直方向に複数段の改良体を造成する方法も実施できないことはないが、それには莫大な費用が嵩み、既設構造物への悪影響が懸念されるほか、居ながらの実施が困難であるなど、種々の問題があった。
ところで、近年、地表面から、既設構造物を支持する直下地盤を水平方向に横断するボーリング(曲線削孔)を行い、当該ボーリング孔に挿入した薬液注入管により、既設構造物を支持する直下地盤に薬液を注入して軟弱地盤層を安定した支持地盤に改良する技術が種々開示されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
これらの技術によると、従来の鉛直方向(又は斜め方向)の施工による注入固化工法と比して、対象地盤をほぼ水平方向からの施工により改良することができるので、既設構造物の存在が実施の妨げになることはなくなった。これにより、前記各問題は解消しているように見える。
特開2000−80640号公報 特開2000−27172号公報 特開2001−207437号公報 特開2005−273441号公報
上記特許文献2〜4に係る技術は、共通して、精巧なボーリング精度を要求されるほか、作業及び制御が煩雑、且つ大掛かりで手間が掛かり、コストが嵩むという問題があった。これに伴い、液状化対策を必要とする一方向の距離が非常に長い配管、道路、滑走路等の既設の線状構造物においては、費用対効果の観点から現実的ではなかった。
また、前記曲線削孔で施工する場合、施工上、施工機械(例えば、ボーリングマシン)と対象地盤上の建物との距離を、通常15〜25m程度離隔する必要があり、作業スペースが制限されている場合には実施できないという問題があった。
さらに、上記特許文献2〜4に係る技術は、共通して、深層部から浅層部へ同一径の改良体を造成しているが、深層部と浅層部それぞれに生じる土水圧、及びせん断変形を考慮すると、合理的な形状で実施しているとは到底云えなかった。
本発明の目的は、既設構造物を支持する直下地盤(砂質地盤等の軟弱地盤)を、前記注入固化工法に工夫を施すことにより、縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を造成することができる、経済的、且つ合理的な、既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法を提供することにある。また、ビル、工場、施設等の各種の既設構造物はもちろん、配管、道路、滑走路等の既設の線状構造物にも経済的に十分に実現可能な、既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法は、既設構造物に近接する位置に据え付けたボーリングマシン形式の地盤改良機により、既設構造物を支持する直下地盤内へ一定の傾斜角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に一又は複数の地盤改良体を造成する工程を、前記軸方向角度を順次に変えて繰り返し行うことにより、既設構造物を支持する直下地盤中に深層部から浅層部へ幅が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を造成することを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係る既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法は、既設構造物の両側方に近接する位置に対向配置に据え付けたボーリングマシン形式の地盤改良機により、既設構造物を支持する直下地盤内へ一定の傾斜角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に一又は複数の地盤改良体を造成する工程を、前記軸方向角度を順次に変えて繰り返し行うことにより、既設構造物を支持する直下地盤中に深層部から浅層部へ幅が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を造成することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法において、前記削孔部の軸方向に造成する複数の地盤改良体は、中層部又は深層部から浅層部へ幅を漸次小さくして造成することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法において、既設構造物を支持する直下地盤中に造成する前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁は、平面方向から見て、複数並列状、井桁状、格子状、或いは既設構造物の一方向に連続する菱形状に造成することを特徴とする。
請求項1〜請求項4に係る既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法によれば、
下記する効果がある。
1)既設構造物を支持する直下地盤内に、縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を造成することができる。よって、直下地盤の深度が深くなるにつれて増大する土水圧分布、及びせん断変形に対して効率よく対応できるので、経済的、且つ合理的である。
2)前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を所定の間隔をあけて複数並列状(又は井桁状、格子状等)に造成することができるので、直下地盤全域の液状化強度を効率的、且つ経済的に高めることができる。
3)既設構造物直下の浅層部には、注入量、注入圧力を少なくすることにより小径の地盤改良体を造成して実施するので、既設構造物に悪影響を及ぼす虞は少ない。
4)このように、地盤改良体の寸法を直下地盤の深さに応じて適宜変更して造成することができるので、削孔数を少なくできるなど少ない改良範囲で効果的な液状化対策を実現することができる。よって、液状化対策を必要とする一方向の距離が非常に長い配管、道路、滑走路等の既設の線状構造物においても十分に実施可能である。
5)特に、請求項1に係る液状化対策工法によると、既設構造物の一側からのみで施工を行い得るので、既設構造物の他側(図示例では左側)に建物が建設されている場合など、作業スペースが制限されている場合にも好適に実施できる。
6)特に、請求項2に係る液状化対策工法によると、改良速度を飛躍的に高めることができると共に、既設の線状構造物はもちろん、改良幅が大きいビル、工場、施設等の各種の既設構造物にも好適に実施できる。
本発明に係る既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法は、上述した発明の効果を奏するべく、以下のように実施される。
図1は、請求項1に記載した既設構造物1を支持する直下地盤3の液状化対策工法の枢要な工程を示している。前記液状化対策工法は、既設構造物1に近接する位置に据え付けたボーリングマシン形式の地盤改良機2により、既設構造物1を支持する直下地盤3内へ一定の傾斜角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に一又は複数の地盤改良体4aを造成する工程を、図1A〜図1Gに示したように、前記軸方向角度を順次に変えて繰り返し行うことにより、既設構造物1を支持する直下地盤3中に深層部から浅層部へ幅が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を造成する(請求項1記載の発明)。
本実施例1は、既設構造物1の中で、比較的改良幅が狭い既設構造物、例えば配管、道路、滑走路等の既設の線状構造物の液状化対策工法に好適に実施される。ちなみに図示例では、既設構造物1として配管1で実施している。
液状化対策工法として、前記地盤改良体4aを造成する方法はロッド注入工法、ストレーナ注入工法、二重管ダブルパッカー注入工法など種々あるが、本実施例では、一例として二重管ダブルパッカー注入工法を採用している。この二重管ダブルパッカー注入工法は公知であり、具体的な図示は省略するが、一般に、ボーリングマシン形式の地盤改良機2により、一定の傾斜角度で削孔を行うと共に、当該削孔部内の軸方向に、所要の間隔をあけて注入孔を有する注入外管を設ける。そして、先端部に薬液噴出孔を有しその上下にパッカーを設けたダブルパッカー付き注入内管を前記注入外管内に挿入し、当該注入内管を下方から上方へ軸方向に移動させることにより、注入内管の前記薬液噴出孔を注入外管の前記注入孔へ一致させて、下方の注入孔から順次上方の注入孔へと薬液を注入する。このようにして注入した薬液は、直下地盤3内に浸透し固化することによって、図中に示したような地盤改良体4a…を造成するのである。
薬液の種類については、水硝子系の薬液など種々あるが、本実施例では、一例としてシリカゾル系薬液を採用している。
以下、本実施例1に係る作業工程を図1A〜図1Gに基づいて具体的に説明する。
先ず、図1Aに示したように、既設構造物(配管)1に近接する位置を、施工に必要な深さ(本実施例では、配管1の埋設深さより若干深く)掘削して施工用ピット5を設け、施工用ピット5の底面部にボーリングマシーン2を据え付ける。
次に、上述した二重管ダブルパッカー注入工法により、ボーリングマシーン2で直下地盤内3の中央部に向けて一定の傾斜角度(本実施例では水平方向)で、所定の改良幅まで削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に、複数(図示例では11体)の地盤改良体4a…を一部ラップさせて造成する。
図1Aで造成した地盤改良体4a…は、浅層部に造成すること、及びその直上位置の既設構造物(配管)1に悪影響を及ぼさないようにすることを考慮し、小径(本実施例では2m程度)のほぼ同形・同大で造成している。なお、本実施例で造成する地盤改良体4a…は、ほぼ球状に造成しているがこれに限定されず、断面が楕円形状に造成して実施することも勿論できる。
次に、図1Bに示したように、軸方向角度を鉛直方向に対して若干鋭角に変えて、前記二重管ダブルパッカー注入工法により、前記図1Aで造成した地盤改良体4a…のうち奥壁を形成する地盤改良体4aの下端部と、後に造成して奥壁を形成する地盤改良体4aの上端部とを一部ラップさせ得る角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に、複数(図示例では6体)の地盤改良体4a…を一部ラップさせて造成する。
図1Bで造成した地盤改良体4a…は、中層部から浅層部へ緩やかに傾斜して造成すること、及び上方に位置する既設構造物(配管)1に悪影響を及ぼさないことを考慮し、地盤改良体4aを中層部から浅層部へ幅(径)が漸次小さくなるように造成している(請求項3記載の発明)。ちなみに、本実施例では、地盤改良体4a…のうち奥壁を形成する地盤改良体4aの径を3m程度、最もボーリングマシン2に近い地盤改良体4aの径を2m程度で造成し、これよりボーリングマシン2に近い地盤3は、その直上位置の図1Aで造成した地盤改良体4a…と嵩ばる部分が多いので、経済性を考慮して地盤改良体4aを造成していない。
地盤改良体4aの径(寸法)を変化させる手段として、本実施例では、薬剤の種類、注入率、注入速度、注入圧力等の注入諸元を適宜調整して行う。例えば、径が大きい地盤改良体4aを造成する場合には、注入量を多くしたり、注入圧力を高めて行い、地盤改良体4aの径を漸次小さくして造成する場合には、これに対応して漸次、注入量を減らしたり、注入圧力を低くして行う。
ただし、注入圧力を変更する場合は、周辺地盤や近隣構造物等へ悪影響を及ぼさないように、施工に関する諸条件を考慮して上限圧力を設定し、施工時にはコンピューター制御によって、常時この上限圧力以下になるように薬液を注入することに留意する。また、注入速度を変更する場合は、注入速度が過大になると地盤内に亀裂が生じ、注入形態が浸透注入から割裂注入になり、割裂面に薬液が集中して流れるため、砂の間隙を均質に改良することができない。よって、施工実績や原位置における限界注入速度試験等から適切な注入速度を決定し、当該注入速度を超えないように実施することに留意する。
図1Cに示したように、軸方向角度を鉛直方向に対してさらに鋭角に変えて、前記二重管ダブルパッカー注入工法により、前記図1Bで造成した地盤改良体4a…のうち奥壁を形成する地盤改良体4aの下端部と、後に造成して奥壁を形成する地盤改良体4aの上端部とを一部ラップさせ得る角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に、複数(図示例では7体)の地盤改良体4a…を一部ラップさせて造成する。
図1Cで造成した地盤改良体4a…は、中層部から浅層部へ所定角度で幅(径)が漸次小さくなるように造成している(請求項3記載の発明)。ちなみに、本実施例では、地盤改良体4a…のうち奥壁を形成する地盤改良体4aの径を4m程度、最もボーリングマシン2に近い地盤改良体4aの径を2m程度で造成している。地盤改良体4aの径(寸法)を変化させる手段は上述した通りであるのでその説明を割愛する。
続いて、図1Dに示したように、軸方向角度を鉛直方向に対してさらに鋭角に変えて、前記二重管ダブルパッカー注入工法により、前記図1Cで造成した地盤改良体4a…のうち奥壁を形成する地盤改良体4aの下端部と、後に造成して奥壁を形成する地盤改良体4aの上端部とを一部ラップさせ得る角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に、複数(図示例では8体)の地盤改良体4a…を一部ラップさせて造成する。
図1Dで造成した地盤改良体4a…は、深層部から浅層部へ所定角度で幅(径)が漸次小さくなるように造成している(請求項3記載の発明)。ちなみに、本実施例では、地盤改良体4a…のうち奥壁を形成する地盤改良体4aの径を4.5m程度、最もボーリングマシン2に近い地盤改良体4aの径を2m程度で造成している。
続いて、図1Eに示したように、軸方向角度を鉛直方向に対してさらに鋭角に変えて、前記二重管ダブルパッカー注入工法により、前記図1Dで造成した地盤改良体4a…のうち奥壁を形成する地盤改良体4aの右端部と、後に深層部に造成する地盤改良体4aの左端部とを一部ラップさせ得る角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向深層部に、一体の地盤改良体4aを造成する。
図1Eで造成した地盤改良体4aは、その直上位置の図1Dで造成した地盤改良体4a…と嵩ばる部分が多いので、経済性を考慮して一体のみ造成している。ちなみに、本実施例では、地盤改良体4aの径を4.5m程度で造成している。
続いて、図1Fに示したように、軸方向角度を鉛直方向に対してさらに鋭角に変えて、前記二重管ダブルパッカー注入工法により、前記図1Eで造成した地盤改良体4aの右端部と、後に深層部に造成する地盤改良体4aの左端部とを一部ラップさせ得る角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に、複数(図示例では4体)の地盤改良体4a…を一部ラップさせて造成する。
図1Fで造成した地盤改良体4a…は、深層部から浅層部へ所定角度で幅(径)が漸次小さくなるように造成している(請求項3記載の発明)。ちなみに、本実施例では、地盤改良体4a…のうち深層部に造成した地盤改良体4aの径を4.5m程度、最もボーリングマシン2に近い浅層部に造成した地盤改良体4aの径を3m程度で造成している。
続いて、図1Gに示したように、軸方向角度を鉛直方向に対してさらに鋭角に変えて、前記二重管ダブルパッカー注入工法により、前記図1Fで造成した深層部の地盤改良体4aの右端部と、後に深層部に造成する地盤改良体4aの左端部とを一部ラップさせ得る角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に、複数(図示例では3体)の地盤改良体4a…を一部ラップさせて造成する。
図1Gで造成した地盤改良体4a…は、深層部から浅層部へ所定角度で幅(径)が漸次小さくなるように造成している(請求項3記載の発明)。ちなみに、本実施例では、地盤改良体4a…のうち深層部に造成した地盤改良体4aの径を4、5m程度、最もボーリングマシン2に近い浅層部に造成した地盤改良体4aの径を3m程度で造成している。
かくして、図1A〜図1Gに示したように、既設構造物1を支持する直下地盤3内へ一定の傾斜角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に一又は複数の地盤改良体4a…を造成する工程を、前記軸方向角度を順次に変えて繰り返し行うことにより、図2A〜Dに示したように、既設構造物1を支持する直下地盤3中に深層部から浅層部へ幅(径)が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を造成することができるのである(以上、請求項1記載の発明)。
ちなみに、本実施例1では、図1A〜図1Gの作業工程を経て造成した前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を、図3に示したように、既設構造物(配管)1の長手方向に所定の間隔をあけて複数並列状に設けて実施している(請求項4記載の発明)。
なお、本実施例に係る作業工程は、図1A〜図1Gに示したように、地盤改良体4a…を造成する軸方向角度を、水平方向から鉛直方向へ向けて段階的に変化させて実施しているが、作業手順はこれに限定されず、改良幅、液状化層厚、或いは直下地盤3の地盤性状等に応じて適宜変更可能である。例えば、前記軸方向角度を本実施例とは逆の手順、すなわち図1G、…図1D、…図1Aのように、鉛直方向から水平方向へ向けて段階的に変化させて実施することもできるし、図1B乃至図1Fに示した軸方向角度から作業を開始することもできる。後述する実施例2についても同様の技術的思想とする。
また、所定の軸方向角度に造成する地盤改良体4a…の寸法(径)及び個数ももちろん本実施例に限定されず、改良幅、液状化層厚、或いは直下地盤3の地盤性状等に応じて適宜増減可能である。要するに、全体として縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を造成することができるのであれば、地盤改良体4aの寸法(径)及び個数に特に制限はない。ただし、深層部に造成する地盤改良体の径は3〜5m程度が好ましく、浅層部に造成する地盤改良体の径は1〜2m程度が好ましい。後述する実施例2についても同様の技術的思想とする。
したがって、請求項1に記載した既設構造物1を支持する直下地盤3の液状化対策工法によれば、当該直下地盤3内に縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を造成することができる。よって、直下地盤3の深度が深くなるにつれて増大する土水圧分布、及びせん断変形に対して効率よく対応できるので、経済的、且つ合理的である。
また、前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を所定の間隔をあけて複数並列状に造成することができるので、直下地盤3全域の液状化強度を効率的、且つ経済的に高めることができる。
さらに、既設構造物1直下の浅層部には、注入量、注入圧力を少なくすることにより小径の地盤改良体4aを造成して実施するので、既設構造物に悪影響を及ぼす虞は少ない。
このように、地盤改良体4a…の寸法を直下地盤3の深さに応じて適宜変更して造成することができるので、削孔数を少なくできるなど少ない改良範囲で効果的な液状化対策を実現することができる。よって、液状化対策を必要とする一方向の距離が非常に長い配管、道路、滑走路等の既設の線状構造物においても十分に実施可能である。
そのほか、この実施例1に係る液状化対策工法は、既設構造物1の一側からのみで施工を行い得るので、既設構造物1の他側(図示例では左側)に建物が建設されている場合など、作業スペースが制限されている場合にも好適に実施可能である。
図4〜図6は、請求項2に記載した既設構造物1を支持する直下地盤3の液状化対策工法を示している。この実施例2に係る液状化対策工法は、上記実施例1に係る液状化対策工法が地盤改良機2を一機で実施しているのに対して、既設構造物1の両側方に二機の地盤改良機2、2を対向配置に設けて実施していることが主に相違する。
すなわち、実施例2に係る液状化対策工法は、既設構造物1の両側方に近接する位置に対向配置に据え付けたボーリングマシン形式の地盤改良機2、2により、既設構造物1を支持する直下地盤3内へ一定の傾斜角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に一又は複数の地盤改良体4aを造成する工程を、図4A〜図4Gに示したように、前記軸方向角度を順次に変えて繰り返し行うことにより、既設構造物1を支持する直下地盤3中に深層部から浅層部へ幅が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を造成する(請求項2記載の発明)。
本実施例2は、既設構造物1の中で、改良幅が大きいビル、工場、施設等の各種の既設構造物1の液状化対策工法に好適に実施される。
液状化対策工法として二重管ダブルパッカー注入工法で実施すること、薬液としてシリカゾル系薬液を採用していることは、上記実施例1と同様である。
この実施例2に係る地盤改良体4aを造成する手法は、図1と図4とを対比すれば分かるように、既設構造物1の両側方から、対向配置に据え付けた二機の地盤改良機2、2で実施すること以外は、上記実施例1に係る段落[0018]〜[0025]で説明した地盤改良体4aを造成する手法と同様であるのでその説明を適宜割愛する。
先ず、図4Aに示したように、既設構造物1の両側方に近接する位置をそれぞれ、施工に必要な深さ(本実施例では、既設構造物1の埋設深さより若干深く)掘削して施工用ピット5、5を設け、施工用ピット5、5の底面部にボーリングマシーン2、2を対向する配置で据え付ける。
次に、二重管ダブルパッカー注入工法により、前記二機のボーリングマシーン2、2で、図中の左右方向から直下地盤内3の中央部に向けて一定の傾斜角度(本実施例では水平方向)で、所定の改良幅まで削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に、複数の地盤改良体4a…を一部ラップさせて造成する。この際、二機のボーリングマシーン2、2により造成する地盤改良体4a…のうち、最も奥側に造成する地盤改良体4a、4a同士は、直下地盤3内のほぼ中央部で一部ラップさせ、全体として一体的に連続する形態で造成することに留意する。
以下、図4B〜図4Gに示したように、上記実施例1に係る地盤改良体4aを造成する手法に倣い、所定の軸方向角度で地盤改良体4a…を造成する工程を、対向配置に据え付けた二機のボーリングマシーン2、2で繰り返し行うことにより、図5A〜Dに示したように、既設構造物1を支持する直下地盤3中に深層部から浅層部へ幅(径)が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を造成するのである(以上、請求項2記載の発明)。
ちなみに、本実施例2では、図4A〜図4Gの作業工程を経て造成した前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を、図6に示したように、既設構造物(配管)1の一側の方向に所定の間隔をあけて複数並列状に設けて実施している(請求項4記載の発明)。
したがって、請求項2に記載した既設構造物1を支持する直下地盤3の液状化対策工法によれば、上記実施例1に係る段落[0028]で説明した作用効果に加えて、改良速度を飛躍的(約2倍に)に高めることができると共に、既設の線状構造物はもちろん、改良幅が大きいビル、工場、施設等の各種の既設構造物1にも好適に実施することができる。
以上に実施例を図1〜図3(実施例1)と図4〜図6(実施例2)に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、実施例1では、図3に示したように、前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を、既設構造物1の一側の方向に所定の間隔をあけて複数並列状に設けて実施しているがこれに限定されず、図7に示したように、平面方向から見て、既設構造物の一方向(図示例では長手方向)に連続する菱形状に配設して実施することもできる。また、実施例2では、図6に示したように、前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4を、既設構造物1の一側の方向に所定の間隔をあけて複数並列状に設けて実施しているがこれに限定されず、図8に示したように、平面方向から見て、格子状に設けて実施することもできる。さらに、図示は省略するが、平面方向から見て、井桁状に設けて実施することも勿論できる(以上、請求項4記載の発明)。このように、本発明に係る前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁4は、既設構造物1の形状及び重量、直下地盤3の地盤性状、若しくは構造設計上必要な改良強度、又は作業スペース等の諸条件に応じて、前記種々のバリエーションに富む平面形態の中から適宜採用して実施することができるのである。
A〜Gはそれぞれ、実施例1に係る既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法の枢要な工程を段階的に示した立断面図である。 Aは、図1の工程により造成された縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を示した立断面図であり、Bは、AのX−X線矢視図であり、Cは、AのY−Y線矢視図であり、Dは、AのZ−Z線矢視図である。 実施例1により複数並列状に造成された縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を概略的に示した斜視図である。 A〜Gはそれぞれ、実施例2に係る既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法の枢要な工程を段階的に示した立断面図である。 Aは、図4の工程により造成された縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を示した立断面図であり、Bは、AのX−X線矢視図であり、Cは、AのY−Y線矢視図であり、Dは、AのZ−Z線矢視図である。 実施例2により複数並列状に造成された縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を概略的に示した斜視図である。 既設構造物を支持する直下地盤の液状化工法のバリエーションを示した平面図である。 既設構造物を支持する直下地盤の液状化工法のバリエーションを示した平面図である。 従来技術を示した立断面図である。 従来技術を示した立断面図である。
符号の説明
1 既設構造物
2 地盤改良機(ボーリングマシーン)
3 直下地盤
4 縦断面がほぼ台形状の連続地中壁
4a 地盤改良体
5 掘削ピット

Claims (4)

  1. 既設構造物に近接する位置に据え付けたボーリングマシン形式の地盤改良機により、既設構造物を支持する直下地盤内へ一定の傾斜角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に一又は複数の地盤改良体を造成する工程を、前記軸方向角度を順次に変えて繰り返し行うことにより、既設構造物を支持する直下地盤中に深層部から浅層部へ幅が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を造成することを特徴とする、既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法。
  2. 既設構造物の両側方に近接する位置に対向配置に据え付けたボーリングマシン形式の地盤改良機により、既設構造物を支持する直下地盤内へ一定の傾斜角度で削孔を行うと共に当該削孔部の軸方向に一又は複数の地盤改良体を造成する工程を、前記軸方向角度を順次に変えて繰り返し行うことにより、既設構造物を支持する直下地盤中に深層部から浅層部へ幅が漸次小さくなる縦断面がほぼ台形状の連続地中壁を造成することを特徴とする、既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法。
  3. 前記削孔部の軸方向に造成する複数の地盤改良体は、中層部又は深層部から浅層部へ幅を漸次小さくして造成することを特徴とする、請求項1又は2に記載した既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法。
  4. 既設構造物を支持する直下地盤中に造成する前記縦断面がほぼ台形状の連続地中壁は、平面方向から見て、複数並列状、井桁状、格子状、或いは既設構造物の一方向に連続する菱形状に造成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した既設構造物を支持する直下地盤の液状化対策工法。
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