JP2008280665A - 芯鞘複合繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】非石油系原料であるポリ乳酸を使用し、色彩的にも鮮やかで、耐加水分解性と摩擦堅牢度に優れると同時に加工安定性が確保されるタフトカーペット用原糸を提供する。
【解決手段】芯部がポリ乳酸、鞘部がポリプロピレン系ポリマーにより構成されてなり、加水分解処理前後の質量減少率が20質量%以下であるかまたは温度60℃、相対湿度95%の環境下において250時間処理したときの強度保有率が60%以上であり、鞘成分が着色顔料を含んでいる芯鞘複合繊維。また好ましくは芯部と鞘部との体積比が2/8〜7/3である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸を原料として利用した、耐加水分解性、摩擦堅牢度に優れ、経年劣化の少ない芯鞘複合繊維に関する。
従来、ポリ乳酸は原料に石油を使用せず、天然原料から重合される非石油系プラスチックとして、様々な用途で製品化が検討されてきた。しかしながらポリ乳酸は、表面摩擦係数が高く、耐加水分解性が低いといった素材特性を有すために、加工工程で工程通過性不良を起こし生産性が著しく低下する、製品としての耐久性が他の合成繊維に劣るといった問題を抱えていた。
例えば、衣料用糸として使用した場合、染色工程等の熱水処理において加水分解が進行し強度が著しく低下する、あるいは汗などにより加水分解が進行し繊維強度が低下するため、脇部など擦れることの多い部分で孔が空きやすいという問題があった。
また、ポリ乳酸を原料とする糸を使ったタフトカーペットを経年使用した際には、加水分解による繊維強度の低下と高い摩擦抵抗により、タフトカーペットからパイルが脱落しやすくなるという問題があった。さらに、製品へ摩擦を繰り返すことによって生じたフィブリル片が、ズボンや靴下等の着衣へ付着し色移りが生じる等の問題があった。
さらに、自動車部材に使用されるケナフボードの接着剤としてポリ乳酸短繊維を使用した際には、やはり加水分解による曲げ強度の低下が顕著で、実用性の面から満足できるものではなかった。
これに対して、芯鞘複合化による耐久性改善も幾つか報告されている。例えば、特開2004−339647号公報(特許文献1)では、生分解繊維の磨耗によるフィブリル化を防止するために、芯部分に着色剤を添加したポリ乳酸樹脂を使用し、鞘部分に無着色のポリ乳酸以外の生分解樹脂又はポリオレフィン系の化石資源由来の素材を使用した芯鞘複合型繊維が提案されている。しかしながら、鞘部が着色されていないため、摩擦などにより繊維表面に傷がつくと、屈折率の変化から繊維が白く濁ってみえるといった問題があった。また、加水分解抑制や摩擦抵抗低減による耐久性の向上に関しては何ら着目されていない。
また、例えば特開2004−353161号公報(特許文献2)や特開2004−197276号公報(特許文献3)には、芯部分にポリ乳酸を使用し、鞘部分に芳香族ポリエステルあるいはナイロン6を使用する芯鞘複合繊維が開示され、鞘部分に芳香族ポリエステルあるいはナイロン6を使用することにより耐久性を改善したとあるが、芳香族ポリエステルやナイロン6は、製造するのに多くの石油資源を消費するため、非石油系プラスチックであるポリ乳酸の環境性を大きく損なうものであり、好ましくない。
特開2002−088630号公報(特許文献4)には、芯部にポリ乳酸系重合体と鞘部に生分解性を有しないポリプロピレンやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂からなる芯鞘複合繊維にて構成される不織布の強度保持について記載されている。しかし、鞘部に使用する樹脂の環境性や、摩擦抵抗が耐久性に与える影響に関しては、上記特許文献1と同様に何ら着目されていない。
特開2004−339647号公報 特開2004−353161号公報 特開2004−197276号公報 特開2002−088630号公報
本発明は、かかる課題を踏まえてなされたものであり、具体的な目的は非石油系原料であるポリ乳酸を使用し、色彩的にも鮮やかで、耐加水分解性と摩擦堅牢度に優れると同時に加工安定性が確保されるタフトカーペット用原糸として好適な芯鞘複合繊維とその効率的な製造方法を提供することにある。
かかる目的は、第1の発明である芯鞘複合繊維の基本構成である、芯部がポリ乳酸、鞘部がポリプロピレン系ポリマーにより構成され、以下の2つの要件を満たす芯鞘複合繊維により達成される。
・加水分解処理前後の質量減少率が20質量%以下であり、
・鞘成分が着色顔料を含んでなる。
かかる構成にあって、好ましい態様によれば、前記芯部と鞘部との体積比が2/8〜7/3に設定され、また捲縮率が5%以上20%以下である。
また上記目的は、第2の発明である芯鞘複合繊維の基本構成である、芯部がポリ乳酸、鞘部がポリプロピレン系ポリマーにより構成され、以下の2つの要件を満たす芯鞘複合繊維によっても達成される。
・温度60℃、相対湿度95%の環境下において250時間処理したときの強度保有率が60%以上であり、
・鞘成分が着色顔料を含んでなる。
かかる構成にあっても、好ましい態様によれば、上記第1発明と同様に、前記芯部と鞘部との体積比が2/8〜7/3に設定され、また捲縮率が5%以上20%以下である。
本発明に係る芯鞘複合捲縮繊維は、非石油原料を使用しているため環境に優しい繊維であり、しかもこれを使ってタフトカーペットを製造するにあたっても、タフティング時にルーパーから捲縮糸が外れやすくタフト通過性を向上させ、得られるタフトカーペットに経年劣化が少なく耐久性を大きく向上させる。更に、ポリプロピレン系ポリマーからなる鞘部を顔料にて着色することにより、色彩の劣化がなくなり摩擦堅牢度に優れた繊維となる。
以下、本発明の代表的な実施形態を具体的に説明する。
本発明の芯鞘複合捲縮繊維は、芯部がポリ乳酸、鞘部がポリプロピレン系ポリマーで構成されていることが必要である。芯部を構成するポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸或いはL−ラクチド、D−ラクチド等を原料とするポリマーであり、それぞれのL体またはD体を単独で重合したものであってもよく、またL体とD体を同時に重合したのものであってもよい。ポリ乳酸の製造コストの点からは、L体を主としたポリ乳酸を用いることがより好ましい。
ポリ乳酸の紡糸時の粘度については、メルトフローレート(以下、MFRと標記する。)によると、7g/10分から60g/10分にあることが製糸安定性の点から好ましい。ここで示されているMFRは、JIS K 7210に準拠し、測定荷重2.16kg、ポリ乳酸については、測定温度190℃、ポリプロピレンについては測定温度230℃により測定される。また、芯部を構成するポリ乳酸には、製糸性を損なわない範囲で、酸化防止剤、加工安定剤、紫外線吸収剤、及び着色のための顔料及び顔料を熱可塑性樹脂中に分散させたマスターバッチ等を添加していてもよい。
鞘部に使用されるポリプロピレン系ポリマーは、プロピレンを主成分とした共重合体であればよく、公知のポリプロピレン系ポリマーが制限なく使用される。例えば、ホモポリプロピレン、或いはエチレン、ブテン−1などの他のモノマーとの共重合体が挙げられる。これらのポリプロピレン系ポリマーを単独或いは2種以上の組合せで使用してもよい。さらにポリプロピレンのMFRは、7g/10分から60g/10分にあることが製糸性の点から好ましい。また、加工安定剤として、ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤、リン系加工安定剤及びヒドロキシルアミン系加工安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等が添加されていてもよい。
本発明の複合捲縮繊維は、芯部がポリ乳酸、鞘部がポリプロピレン系ポリマーで構成される芯鞘複合繊維であることが必要である。芯部がポリ乳酸、鞘部がポリプロピレン系ポリマーで構成される芯鞘繊維は、ポリプロピレン系ポリマーの持つ疎水性により、芯部のポリ乳酸の加水分解が起き難く、強度特性低下など従来の問題点が解消される。
本発明の複合捲縮繊維は、捲縮率が5%以上20%以下の範囲であることが必要である。捲縮率が5%未満であると、捲縮糸の伸縮性が低くタフティングの際に、ニードル前張力の変動が吸収できず、また、ルーパーから捲縮糸が外れにくくタフト通過性が悪くなる。さらに、タフトカーペット等に捲縮糸を使用すると、カバーリング性に劣り、基布が透けて見える地透けと呼ばれる欠点が生じるために好ましくない。また得られたカーペットもボリューム感の無いカーペットしか得られない。また、20%を超える捲縮糸を得ようとすると製糸時に捲縮加工通過性が悪化する問題があり好ましくない。
また、本発明の芯鞘複合繊維の芯部と鞘部の割合は、芯/鞘の体積比が2/8〜7/3の範囲であることが好ましい。芯部と鞘部の体積比が、2/8以上7/3以下の範囲であると、加水分解性が低く、繊維強度特性が良好で好ましい。
本発明の芯鞘複合繊維は、加水分解処理前後の質量減少率が20質量%以下であることが、必要である。前記質量減少率が、20質量%以下であると、屋外での使用においても、繊維特性の低下が無く、長期間にわたって使用することができるため好ましい。
また、本発明の芯鞘複合捲縮繊維は、鞘成分が着色顔料のマスターバッチを1〜15質量%含むことが好ましい。鞘部に着色顔料のマスターバッチを1〜15質量%含んでいると、芯部のポリ乳酸が、摩擦により、屈折率が変化し白く見える現象(白化現象)を起こしても、品質への影響が出にくいので、好ましい。配合される着色顔料は特に限定されず、一般の無機顔料や有機顔料を使用することができる。有機顔料としてはβナフトール系化合物等のアゾレーキ顔料、フタロシアニン系顔料、塩基性染料レーキ及び酸性染料レーキ等の染付レーキ顔料、または蛍光顔料、金属塩系の顔料等が挙げられ、無機顔料としてはクロム酸塩、硫化物、酸化物、珪酸塩、リン酸塩、シアン化物、金属酸化物、水酸化物、及びカーボンブラック等が挙げられる。また繊維の風合いや後工程を改善するために、酸化チタン、シリカまたはカオリン等の粒子を製糸性が阻害されない範囲で配合していてもよい。
ここで特定の機能を付与するために、難燃剤、抗菌剤、消臭剤、防カビ剤、帯電防止剤等が含まれていてもよい。
本発明の芯鞘複合繊維を得るためには、以下のような一般的な溶融紡糸工程及び延伸工程が採用される。
溶融紡糸工程では、紡糸口金から溶融押出した前記ポリマーを巻き取ることにより未延伸糸を得る。溶融押出温度は、ポリ乳酸の耐熱性が低いために200℃から220℃の範囲にあることが好ましい。得られた未延伸糸は、紡糸されてから連続で延伸を行ってもよく、一旦巻取った後、独立して延伸を行ってもよい。延伸工程は1段或いは2段以上の多段であってもよく、接触或いは非接触型の熱源を用いても何ら問題ない。延伸倍率についても溶融紡糸されたフィラメントの破断伸度の範囲で任意に設定することが可能である。
さらに捲縮繊維を得るためには、延伸された原糸に捲縮を付与しなければならない。捲縮の付与は延伸工程から連続で行ってもよく、延伸糸を一旦巻き取ってから行ってもよい。捲縮の付与は加熱エアーによる座屈捲縮方式を使用してもよく、ギヤ方式を使用してもよい。生産速度を上げるためには座屈捲縮方式を使用することがより好ましい。加熱エアー温度は、140℃から180℃の範囲が好適に使用される。引き続き、捲縮を付与した複合繊維に、公知の圧空を用いた交絡ノズルを使用して交絡を付与し、ワインダーで巻き取ることにより、芯鞘複合捲縮繊維を得ることができる。
得られた捲縮繊維の繊度は、任意に設定が可能であるが、800dtexから3000dtexの範囲が一般的に使用される。
前記操作により得られたフィラメントの繊度及びフィラメント数に関しては用途に応じて任意に設定されても何ら問題は無い。フィラメントの断面形状は円形または楕円、三角或いは四角等の多角形であってもよく、トリローバル等の多葉形状であっても良い。繊維は中実であっても中空形状であってもよい。
本発明の芯鞘複合捲縮繊維をそのまま用いてカーペットを製造してもよいし、撚糸、杢糸などの工程で得た糸をカーペットに用いてもよい。
なお、各種評価方法は、下記の通りに行った。
(耐加水分解性)
得られた繊維400mgを、2.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液500mL中にて1時間煮沸処理し、乾燥後質量を量り、質量減少率を評価した。
(乾式摩擦堅牢度)
得られた繊維から作成した筒編地を相対湿度90±5%、温度60±5℃の恒温槽に250時間保持し、処理後の編地を使用し、JIS L−0849「摩擦に対する染色堅牢度試験方法」の「6.1乾燥試験」に準拠して、摩擦試験機II形を使用して摩擦試験を行い、処理済試験片とグレースケールとの変褪色を視感で比較して評価した。
(湿式摩擦堅牢度)
得られた繊維から作成した筒編地を相対湿度90±5%、温度60±5℃の恒温槽に250時間保持し、処理後の編地を使用し、JIS L−0849「摩擦に対する染色堅牢度試験方法」の「6.2湿潤試験」に準拠して、摩擦試験機II形を使用して摩擦試験を行い、処理済試験片とグレースケールとの変褪色を視感で比較して評価した。
(湿熱強度保持率)
あらかじめ破断強度を測定した繊維を、相対湿度95%、温度60℃の恒温槽に250時間保持し、処理後の破断強度を測定し、処理前後での破断強度の保持率を求めた。
なお、破断強度は、「JIS L 1013の7.5 引張強さ及び伸び率」の試験方法に準拠し、測定した。
(捲縮率の測定方法)
・試料を束ねカセ状のサンプル糸を作成する。
巻き取り張力・・・D当たり 1/15g 巻き回数2回
・サンプル糸を無荷重下で、乾熱温度80℃、10分間熱処理をする。
・熱処理後、無荷重で10分以上放置する。
・サンプル糸の一端に測定荷重Aを掛け1分後に糸長(L1)を測定する。
測定荷重A=D×(1/1100)×(2×巻き回数)
・測定荷重Aを除き2分間放置する。
・サンプル糸の一端に測定荷重Bを掛け1分後に糸長(L2)を測定する。
測定荷重B=D×(1/10)×(2×巻き回数)
計算式:捲縮率(%)=((L2−L1)/L1)×100により算出した数値を捲縮率とした。
以下、実施例と比較例とを挙げて本発明を更に具体的に説明する。
<実施例1>
芯成分にポリ乳酸(トヨタ自動車株式会社製、製品名:トヨタ エコプラスチック U' z S−12、MFR:9.5)を用い、鞘成分にホモポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、製品名:S−03、MFR:30g/10分)を95質量%と、着色顔料(大日精化工業株式会社製 グレー系色 製品名:MBPPMMZ Z634)を5質量%使用したポリマーを用いて、芯鞘複合溶融紡糸機の一軸押出機に各ポリマーを投入し、押出機温度220℃、及び紡糸ノズル温度を215℃とし、ホール直径が0.6mm、ホール数30である紡糸ノズルより吐出量169.0g/分でポリマーを吐出し、紡糸油剤を付与しながら、巻き取り速度376m/分で巻き取って未延伸糸を得た。芯鞘成分の体積比は芯/鞘を3/7とした。
前記未延伸糸を連続でローラー温度110℃により加熱しながら、最終延伸速度1360m/分にて、3.6倍に延伸を行い、さらに連続で押し込み型座屈捲縮付与装置を用いて、加熱温度145℃、エアー背圧3.1MPaで捲縮を付与した。捲縮を付与した後、インターレースにより交絡を付与しながら、1140m/分で巻き取り、繊度1350dtexの芯鞘複合捲縮繊維を得た。前記捲縮繊維の捲縮率は14.2%、質量減少率は2.6質量%、湿熱強度保持率は、78.5%となった。
<実施例2>
ホール直径が0.4mm、ホール数24である紡糸ノズルと用い、吐出量を20.3g/min、巻取速度1000m/min、芯鞘成分の体積比率を芯/鞘=1:1とした以外は、実施例1に記載された方法で未延伸糸を得た。前記未延伸糸をローラー温度80℃、熱板温度120℃で最終延伸速度400m/分にて、3.6倍で延伸を行い、繊度56dtexの繊維を得た。
繊維の筒編地を作成し、摩擦堅牢度評価を行った結果、良好であった。
湿熱処理前後における繊維の引張強度の低下は極めて少なかった。アルカリ処理後の質量減少率は1.7質量%となった。
<比較例1>
鞘部に使用するポリマーを芯部と同様のMFR9.5のポリ乳酸とした以外は、実施例1と同じ方法により、繊度1300dtexの芯鞘複合繊維を得た。
捲縮率は7.1%となり、摩擦による大幅な退色が確認された。湿熱強度保持率は、27.0%、アルカリ処理後の繊維束は大部分が溶解してしまい痕跡量しか残らなかった。質量減少率は90%以上であった。
<比較例2>
鞘部に着色顔料を添加しなかった以外は、実施例1と同じ方法により、繊度1350dtexのタフトカーペット用捲縮繊維を得た。巻き取ったチーズの両端に、繊維表面のダメージにより白く濁って見える糸が数多く確認された。
<実施例3>
芯/鞘を2/1に、断面形状を三角に変更した以外は、実施例2と同様に実施した。得られた繊維の物性を表1に示した。
<実施例4>
芯/鞘を1/2に、断面形状を三角に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。得られた繊維の物性を表1に示した。
<比較例3>
鞘部に使用するポリマーをナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス製、製品名:ノバミッド105)に変更した以外は実施例2と同様に実施したが、紡糸時にノズル下のポリマー流動が安定せず未延伸糸が得られなかった。
Figure 2008280665
上記実施例1〜4及び比較例1〜3の質量減少率及び湿熱強度保持率の測定結果を表1に示した。同表1によれば、比較例2の湿熱強度保持率は60%以上となったが、既述したとおり鞘部のポリプロピレンに着色顔料を添加していないため、繊維表面のダメージにより白く濁って見える糸が数多く確認されている。

Claims (6)

  1. 芯部がポリ乳酸、鞘部がポリプロピレン系ポリマーであり、以下の2つの要件を満たす芯鞘複合繊維。
    ・加水分解処理前後の質量減少率が20質量%以下であり、
    ・鞘成分が着色顔料を含んでなる。
  2. 芯部と鞘部との体積比が2/8〜7/3である請求項1記載の芯鞘複合繊維。
  3. 捲縮率が5%以上20%以下である請求項1又は2に記載の芯鞘複合繊維。
  4. 芯部がポリ乳酸、鞘部がポリプロピレン系ポリマーであり、以下の2つの要件を満たす芯鞘複合繊維。
    ・温度60℃、相対湿度95%の環境下において250時間処理したときの強度保有率が60%以上であり、
    ・鞘成分が着色顔料を含んでなる。
  5. 芯部と鞘部との体積比が2/8〜7/3である請求項4記載の芯鞘複合繊維。
  6. 捲縮率が5%以上20%以下である請求項4又は5に記載の芯鞘複合繊維。
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