JP2008280183A - ガラス製品の成形工程用の制御システム - Google Patents

ガラス製品の成形工程用の制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】 システムの構成や制御を簡単にするとともに、動作不良が生じた場合に、その不良の原因を容易につきとめられるようにする。
【解決手段】 製びん工程を実行する複数の機構の駆動源となるモータ10をそれぞれ個別のコントローラ1により制御する。各コントローラ1は、通信回線を介して一連に接続され、上位のコントローラであるPC20から生産目標データの送信を受けて、制御対象のモータ10の回転速度を算出し、その算出結果に応じた周波数の駆動信号を生成してモータ10に供給する。また各コントローラ1のうちの1つ(コントローラ1A)を「マスター」のコントローラとして、このマスターのコントローラ1Aで生成した基準クロックを他の各コントローラ1Bにも供給することにより、各コントローラ1間で位相の統一された基準クロックをベースにしてモータ10に対する駆動信号を生成する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、ガラス製品の成形にかかる一連の工程を制御するシステムに関する。より詳細に言えば、所定の生産目標を実現するために前記工程に含まれる複数種の機構における処理速度を調整し、かつ工程間における処理のタイミングが合うように制御するためのシステムに関する。
ガラスびんの製造工場では、「ISマシン」と呼ばれる製びん機を用いて、納期や生産量などを管理しつつ、多数のガラスびんを製造している。
図1は、製びん工程に使用される装置構成を示す。図中の8は、前記製びん機の機械本体であり、粗型装置や仕上型装置を含む複数個のセクション(この例では、10個のセクションS1〜S10)に区分けされている。これらのセクションS1〜S10の上方には、「ゴブ」と称される溶融ガラスの塊gを供給するための供給機構2や、この供給機構2からのゴブgを各セクションS1〜S10に順に振り分ける分配機構3などが設けられてい。
前記機械本体8の近傍には、各セクションS1〜S10の並び方向に沿って第1の搬送路4が設けられている。この搬送路4には、コンベア装置による搬送機構が設けられており、各セクションS1〜S10の搬出用ステージ(図示せず。)に連絡している。各セクションS1〜S10で成形されたびんは、コンベア上に前記セクションの並びに合わせて整列するように搬出され、紙面の右側方向に向かって搬送される。
第1の搬送路4は、所定位置で、その搬送方向に直交する第2の搬送路5に切り替えられる。この第2の搬送路5の終端位置は、徐冷窯7の入口に面している。また、搬送路4,5の切替位置には、各びんの方向を転換させるための方向転換機構6が設けられている。
前記第1の搬送路4を搬送された一群のびんは、方向転換機構6により方向転換された後、第2の搬送路5により徐冷窯7の入口前まで搬送される。この後、各びんは、図示しない押出機構により前記徐冷窯7へと搬入される。
前記供給機構2、分配機構3、搬送路4,5の搬送機構、方向転換機構6は、従来ではすべて同期モータ10を駆動源とする。なお、供給機構2には、ゴブgを押し出すためのプランジャ21や、押し出されたゴブgをカットするためのシェアブレード22などが含まれるが、これらは同一の同期モータ10を駆動源とする。
上記した製びん工程には、所定の単位時間あたりの生産数について、目標値が与えられている。また、搬送路4,5におけるびんの間隔についても、製造対象のびんの大きさに応じた目標値が与えられる。上記の各同期モータ10(以下、単に「モータ10」という。)の動作は、それぞれ個別に制御されるが、上記の目標値を満足し、かつ一連の工程が支障なく実行されるように、各モータ10の回転速度を調整する必要がある。この点に鑑み、従来の製びん工程には、図2のような制御システムが設けられる。
この制御システムでは、前記した各機構2〜6毎に、それぞれその機構のモータ10の回転速度を制御するための周波数制御装置25が設けられる。各周波数制御装置25は、それぞれモータドライバ26を介して制御対象のモータ10に接続されている。
さらに、この制御システムには、各周波数制御装置25の動作を統括制御するための上位コントローラ23や、各周波数制御装置25に使用させる基準の動作クロック(以下、「基準クロック」という。)を生成するための基準速度設定装置24が設けられる。各周波数制御装置25は、それぞれ上位コントローラ23および基準速度設定装置24に個別に接続されている。また、上位コントローラ23は、情報入力用のパーソナルコンピュータ20および前記基準速度設定装置24に接続されている。
前記パーソナルコンピュータ20(以下、PC20という。)は、キーボード20Aなどから前記した生産数やびん間隔の目標値の入力を受け付けて、これらの目標値に応じた速度指令値を生成する。この速度指令値は、前記上位コントローラ23を介して基準速度設定装置24に与えられる。基準速度設定装置24では、前記速度指令値に基づく周波数の基準クロックを生成する。生成された基準クロックは、各周波数制御装置25に与えられる。
各モータ10の回転速度を求める具体的な条件として、まず供給機構2と分配機構3との動作タイミングを合わせ、かつ各セクションS1〜S10に目標値に応じた頻度でゴブgが供給されるようにする必要がある。たとえば、図1のように10個のセクションS1〜S10が設定されている場合には、これらのセクションS1〜S10の1サイクル分の処理速度と前記生産数の目標値とに基づいて、各セクションS1〜S10にゴブgを投入する時間間隔を設定し、その間隔に応じて供給機構2のモータ10の回転速度を設定する必要がある。
また、搬送路4や方向転換機構6のモータ10については、各セクションS1〜S10がびんを搬出する時間間隔や前記びん間隔の目標値などに基づき、回転速度を調整する必要がある。
前記周波数制御装置25は、プログラマブル・ロジック・コントローラであって、制御対象のモータ10の特性を表すパラメータや、上記の諸条件を考慮した電子ギア比の演算式などが登録されている。各周波数制御装置25では、前記登録データを用いて前記基準クロックを所定の比率で配分することにより、制御対象のモータ10につき、前記目標値を達成するのに必要な回転速度を表す周波数のパルス信号を生成する。生成されたパルス信号は、後段のモータドライバ26に供給される。各モータドライバ26では、このパルス信号に応じた周波数の駆動信号を生成し、前記モータ10を駆動する。
上記のような構成および制御により、各モータドライバ26に与えられるクロック信号の周波数が調整され、各モータ10を目標値に応じた速度で回転させることが可能になる。また目標値が変更された場合も、上位コントローラ23において、前記基準速度設定装置24の基準クロックの周波数を切り替えるタイミングを制御することにより、各モータ10の回転速度をほぼ同じタイミングで切り替えることが可能になる。
なお、下記の特許文献1には、上記図2に示したシステムに類似する構成のシステムが開示されている。
特開平7−315851 公報
図2のシステム構成では、モータ10毎にモータドライバ26や周波数制御装置25を設けるほかに、上位コントローラ23や基準速度設定装置24を設ける必要がある。このため、構成が複雑になり、コストの増加を招く。また、上位コントローラ23および基準速度設定装置24を、それぞれすべての周波数制御装置25に接続する必要があるため、配線が複雑になる。
さらに、いずれかの機構に動作不良が生じた場合、その不良の原因が当該機構のモータ10もしくはこれを直接制御するモータドライバ26もしくは周波数制御装置25に起因するのか、あるいは当該機構外の不具合(上位コントローラ23、基準速度設定装置24、または通信回線などの不具合)に起因するのかを、容易に判断できず、故障の発生源を特定するのに時間がかかる。このため、製びん工程が長時間停止するなどの弊害が生じ、目標の生産数を達成するのが困難になる可能性がある。
この発明は上記問題に着目してなされたもので、システムの構成や制御を簡単にするとともに、動作不良が生じた場合に、その不良の原因を容易につきとめられるようにすることを目的とする。
この発明にかかるガラス製品の成形工程用の制御システムは、複数の成形処理部にゴブを供給するための供給機構;前記供給機構からのゴブを各成形処理部に順に振り分ける分配機構;各成形処理部から送出された成型品を並べて搬送するための搬送機構;前記搬送機構の搬送方向の切替に応じて成型品の向きを転換するための方向転換機構;の各機構のうちの少なくとも2つ以上を含む複数の機構に対し、それぞれその機構の駆動源であるモータを個別に制御するためのコントローラが設けられ、各機構のコントローラを通信回線を介して一連に接続した構成のものである。
上記構成において、複数の成形処理部は、前記図1に示した各セクションS1〜S10に相当し、供給機構、分配機構、方向転換機構は、それぞれ前記図1に符号2,3,6で表した機構に相当すると考えることができる。また、搬送機構には、少なくとも第1の搬送路4の搬送機構を含めることができるが、搬送路5の搬送機構まで含めてもよい。
この制御システムでは、上記した機構のうちの少なくとも2つ以上の機構のモータを制御対象とすることができる。さらに、上記した機構以外の機構のモータも、制御対象とすることができる。
各モータに対応するコントローラには、それぞれコンピュータを含めることができる。これらのコントローラを、通信ケーブルなどを用いて一連に接続することにより、各コントローラに共通のデータを供給することが可能になる。
各コントローラには、前記通信回線を介して生産目標データを入力する入力手段と、制御対象のモータにつき前記生産目標データに応じた回転速度を算出する演算手段と、所定周波数の基準クロックを入力し、この基準クロックをベースに前記演算手段により算出された回転速度に応じた周波数の駆動信号を生成して前記モータに供給する駆動手段とがそれぞれ設けられている。さらに、いずれか1のコントローラは、前記基準クロックを生成するマスターのコントローラとして設定されて、この基準クロックを自装置の駆動手段および前記通信回線に出力するとともに、他のコントローラは、前記マスターのコントローラから出力された基準クロックを前記通信回線を介して取り込んで、前記駆動手段に入力するように構成される。
各コントローラの入力手段は、前記通信回線の規格に応じた通信インターフェースにより構成することができる。前記演算手段は、その演算処理のためのプログラムが設定された前記コンピュータにより構成することができる。また、駆動手段には、前記演算手段を含むコンピュータからの指令に基づいて所定周波数の駆動信号を生成するインバータ、およびこのインバータの動作を制御するコンピュータを含めることができる。なお、前記演算手段の演算処理のために、前記コンピュータのメモリには、制御対象のモータの特性に応じたパラメータ(プーリー比など)や、電子ギアの設定に要するプログラムなどを保存しておくことができる。
前記マスターのコントローラには、発振器や分周回路などを有するクロック生成手段を含めることができる。マスターのコントローラでは、このクロック生成手段で生成した動作クロックを基準クロックとして前記駆動手段に供給するとともに、通信回線にも出力する。その他のコントローラでは、通信回路から前記基準クロックを取り込んで前記駆動手段に入力するので、各コントローラ間での基準クロックの位相を統一することができる。
上記構成のシステムによれば、各コントローラは、それぞれ共通の生産目標データに基づき、そのデータが示す目標値に応じた周波数の駆動信号を生成し、制御対象のモータに供給する。
前記したように、このシステムでは、各コントローラ間での基準クロックの位相が統一されているので、この基準クロックをベースにモータに供給する駆動信号の周波数を設定することにより、モータ間の回転速度の整合性を確保することができる。すなわち、仮に2つのコントローラで同一周波数の駆動信号を生成したとすると、これらのコントローラにより制御されるモータは同一速度で回転するようになる。このような制御により、各機構における処理のタイミングを合わせることが可能になる。
さらに、上記構成のシステムによれば、図2に示した従来のシステムのように、上位コントローラ23や基準速度設定装置24を設ける必要がなく、モータ毎に1台ずつコントローラを配備して、各コントローラを一連に接続すれば良いから、構成を簡単化することができる。また、いずれかの機構に動作不良が生じた場合、その不良の原因は当該機構のモータまたはコントローラの故障に起因するものと考えれば良いから、動作不良の生じた機構をチェックすれば足りるようになり、メンテナンスに要する処理時間を大幅に短縮することができる。
上記システムの好ましい態様では、各コントローラに、前記入力手段から新たな生産目標データが入力され、その入力に応じた回転速度の算出が前記演算手段により行われたとき、その算出結果に応じて前記駆動手段に生成させる駆動信号の周波数を変更する処理を、他のコントローラにおける変更のタイミングに合わせて実行する制御手段が設けられる。
たとえば、制御手段は、前記生産目標データの入力に応じて計時処理を開始し、演算手段による回転速度の算出後、一定の時間が経過したことを確認してから、前記駆動手段に周波数の変更処理を行わせる手段として構成することができる。前記したように、コントローラ間における基準クロックの位相は統一されているから、計時値についても整合性をとることができ、各コントローラにおける周波数変更のタイミングを合わせることが可能になる。
また、コントローラ間で相互に通信するように設定し、その通信によりすべてのコントローラで速度の変更が可能になったことを確認してから周波数の変更処理を行うようにしてもよい。ただし、この場合にも、確認から一定の時間が経過した後に周波数の変更処理を行うのが望ましい。
上記の制御手段によれば、成形工程の稼動中に目標値が変更された場合でも、各モータの速度を変更するタイミングを合わせることが可能になる。よって、工程間における変更処理のタイミングにずれが生じて、成形品が破損するなどの不具合が生じるおそれがない。
この発明のさらに好ましい態様にかかるシステムでは、各コントローラには、外部信号に依存しない動作クロックを生成して出力するクロック生成手段と、当該コントローラを前記マスターのコントローラにするか否かを設定するための設定手段とが設けられる。また、前記クロック生成手段からの出力経路に前記駆動手段および通信回線が接続されるとともに、この接続状態を前記設定手段の設定に応じてオン/オフする切替手段が設けられる。
前記マスターのコントローラとして設定されたコントローラでは、前記切替手段がオン状態になって、前記クロック生成手段からの同期クロックが基準クロックとして前記駆動手段および通信回線に出力される。一方、マスターのコントローラに設定されていないコントローラでは、前記切替手段がオフ状態になって、前記マスターのコントローラから出力された基準クロックが前記通信回線を介して駆動手段に入力される。
上記態様のコントローラにおいて、前記設定手段は、たとえばコントローラの操作部(リモコンを含む。)とすることができる。または、前記通信回線を介して上位コントローラから設定データを入力する手段とすることもできる。なお、この設定手段は、マスターのコントローラとするか否かを直接設定するものに限らず、間接的な設定を行うものでもよい。たとえば、前記切替手段をオン/オフのいずれにするかの選択を受け付けるものでもよい。切替手段は、たとえば電磁リレーにより構成することができる。
上記の態様によれば、マスターのコントローラでは、クロック生成手段により生成された外部信号に依存しない動作クロックを、基準クロックとして自装置の駆動手段に供給するとともに、同じ基準クロックを通信回線に送出する。この送出された基準クロックは、マスターでないコントローラに取り込まれ、その駆動手段に入力される。
したがって、いずれのコントローラもマスターのコントローラとして機能させることができるので、マスターのコントローラを簡単かつ自由に設定することができる。また、マスターとして使用していたコントローラに故障などの不備が生じた場合でも、その他のコントローラをマスターに切り替えて使用することができるので、コントローラの利便性を高めることができる。
さらに、この発明の他の好ましい態様にかかるシステムでは、前記通信回線に、前記生産目標データを設定して各コントローラに出力するための上位コントローラが接続される。この上位コントローラは、たとえばパーソナルコンピュータであって、たとえば、ガラス製品の生産総数やその生産に要する時間などのデータの入力を受け付け、単位時間あたりの生産数を求め、これを生産目標データとすることができる。また、生産対象のガラス製品の大きさの入力を受け付け、その入力値から成型品の搬送間隔を表す生産目標データを求めることもできる。
この発明では、ガラス製品の成型に関わる複数の機構をそれぞれ制御するコントローラに、通信回線を介して共通の生産目標データを供給し、駆動系としてのモータの回転速度をそのコントローラ単独で調整できるようにしたので、システムの構成を格段に簡単にすることができる。また、万一、いずれかの機構で動作不良が発生したとしても、その不良は、当該機構のモータまたはコントローラの故障によるものと考えることができるから、不良の発生原因を容易につきとめることが可能になり、メンテナンスにかかる負担を軽減することができる。
図3は、前記図1に示した製びん工程用の制御システムの構成例を示す。この実施例では、上位機器であるPC20および各モータ10毎のコントローラ1を、通信ケーブルによりブランチ接続したものである。PC20では、キーボード20Aなどからの入力に基づき、所定の単位時間(たとえば1分)あたりの生産数の目標値、および成形されたびんの間隔を含む生産目標データを生成し、これを各コントローラ1に送信する。各コントローラ1では、制御対象のモータ10が前記生産目標データに応じた速度で回転するように制御する。なお、この実施例では、モータ10として、永久磁石型モータを採用しているが、これに限らず、コントローラ1からの周波数信号に同期する機能があれば、永久磁石型モータ以外のモータを使用してもよい。
この実施例では、上記の制御を実現するために、各コントローラ1のうちの1つ(図中のコントローラ1A)を「マスター」のコントローラとして、このコントローラ1Aが生成する動作クロックを基準のクロックに設定している。この基準のクロックは、前記通信ケーブルを介して他の各コントローラ1Bに送信される。各コントローラ1Bは、このマスターのコントローラ1Aから供給された基準クロックを用いて、モータ10の回転速度を制御するように設定されている。
図4は、前記コントローラ1A,1Bの詳細な構成を示す。なお、この図では、紙面の都合上、コントローラ1Bを一台しか示していないが、前記図3のシステム構成によれば、同様の構成のコントローラ1Bがあと3台接続されることになる。
各コントローラ1A,1Bは、回路の上では実質的な差異はなく、いずれもCPU11を制御主体として、通信インターフェース12、メモリ13、コンバータ回路14、インバータ回路15、およびクロック生成回路100などが含まれている。
各コントローラ1を接続する通信回線30には、データ信号の伝送ライン31やクロック信号の伝送用ライン32などが含まれている。前記通信インターフェース12は、データ信号の伝送用ライン31にアクセスするためのもので、前記PC20からの生産目標データを取り込む処理を実行する。このほか、この通信インターフェース12を介して、PC20や他のコントローラ1と通信を行うことも可能である。
一方、伝送ライン32に対しては、信号線102を介してCPU11およびクロック生成回路100が接続される。ただし、この信号線102には、電磁リレーなどによる切替回路18が設けられている。この切替回路18は、CPU11と伝送ライン32との接続には影響を及ぼさないが、クロック生成回路100は、切替回路18がオフになると、伝送ライン21およびCPU11から切り離された状態となる。
前記クロック生成回路100には、発振器16や分周回路17が含まれている。分周回路17は、発振器16からの信号を用いて所定周波数の動作クロックを生成する。
前記メモリ13には、制御対象のモータ10の特性を示すパラメータ(モータの極数、プーリー比など)、モータ10の回転速度を算出する演算(電子ギア比の算出を含む。)のためのプログラムなどが格納されている。CPU11は、これらのプログラムやパラメータに基づき、前記通信インターフェース12から入力した生産目標データに適した回転速度を算出する。なお、メモリ13内のプログラムや設定データもPC20から供給されたもので、適宜、書き換えることができる。
前記CPU11は、前記クロック生成回路100または前記伝送ライン32から基準クロックの供給を受けて、この基準クロックをベースに、算出した回転速度に対応する周波数のパルス信号(PWM信号)を生成し、インバータ回路15に出力する。インバータ回路15では、コンバータ回路14から直流の電気信号の供給を受けて、これをCPU11からのPWM信号に応じた周波数の交流に変換する。この変換後の交流の電気信号が駆動信号としてモータ10に与えられる。これにより、モータ10を、前記CPU11により算出された速度で回転させることが可能になる。
各コントローラ1の筐体の適所には、前記切替回路18と伝送ライン32との入出力関係を切り替えるための操作部(図示せず。)が設けられる。
この操作部により前記切替回路18がオン状態に設定された場合には、前記クロック生成回路100は、前記CPU11および伝送ライン32に接続された状態となるので、クロック生成回路100で生成された動作クロックの供給を受けることができる。マスターのコントローラ1Aは、この設定状態にある。
一方、前記切替回路18がオフ状態に設定された場合には、前記クロック生成回路100は、前記CPU11および伝送ライン32から切り離された状態となる。マスターでないコントローラ1Bは、この設定状態にある。この場合には、マスターのコントローラ1Aから出力された動作クロックが伝送ライン32および前記信号線102を介してCPU11に入力される。
上記のような設定により、マスターのコントローラ1Aでは、自装置のクロック生成回路100で生成された動作クロックを基準クロックとして、この基準クロックをベースに前記インバータ回路15へのPWM信号を生成する。一方、マスター以外のコントローラ1Bでは、前記マスターのコントローラ1Aから送出された基準クロックを取り込み、この基準クロックをベースに前記インバータ回路15へのPWM信号を生成する。
よって、各コントローラ1のインバータ回路15で生成される駆動信号の周波数は、いずれもマスターのコントローラ1Aで生成された基準クロックをベースに設定されることになるので、コントローラ1間で位相の統一のとれた駆動信号を生成することができる。よってコントローラ1間において、モータ10の駆動信号の周期の整合性を確保することができるから、各モータ10の回転速度についての整合性も確保され、各機構2〜6間の処理のタイミングを合わせることが可能になり、製びん工程を支障なく進めることが可能になる。
また、上記の設定によれば、図3に示した5台のコントローラ1のいずれも、マスターのコントローラ1Aに設定することができるから、ユーザーの目的や便宜に応じて、マスターにするコントローラ1を選択することができる。また、マスターのコントローラ1Aにおいて、発振器16が故障するなどの不備が生じた場合でも、他のコントローラ1を新たにマスターとして、処理を続行することができる。
さらに、この種の制御システムでは、稼働中に生産目標データが変更された場合に、各モータの回転速度を切り替えるタイミングを合わせる必要がある。各コントローラ1のCPU11では、このタイミング合わせのために、つぎの図5に示すような制御を実行している。
図5において、ステップ1では、前記生産指示データの受信に待機する。生産指示データを受信すると、ステップ2に進み、以後の経過時間を計測するために前記基準クロックを用いた計時処理を開始する。
以下、上記の計時処理を行いながら、前記生産指示データに基づきモータ10の回転速度を算出する(ステップ3)。算出処理が終了すると、ステップ4において、前記基準クロックによる計時値があらかじめ設定された規定の値に達するまで待機する。
計時値が規定の値に達すると、ステップ4が「YES」となってステップ5に進み、前記インバータ回路15に対するパルス信号の周波数を変更することにより、モータ10の回転速度を変更する。この後、ステップ6において前記計時値をリセットし、ステップ1に戻る。
なお、製びん工程の開始時点でのステップ5では、モータ10の回転速度を変更するものではなく、回転速度を初期設定してモータ10の回転を開始することになる。
ところで、回転速度の変更にかかる制御は上記に限定されるものではない。たとえば、前記マスターのコントローラ1Aにおいて、信号伝送用ライン31を用いた通信により、他のコントローラBが回転速度の変更が可能な状態になったことを判断した後、このコントローラ1Aから他のコントローラ1Bに回転速度の変更指令を出すようにしてもよい。この場合にも、各コントローラ1Bにおいて、コントローラ1Aからの指令を受信してから一定の時間が経過した時点で速度変更処理を行うことにより、モータ10の速度を変更するタイミングを合わせることが可能になる。勿論、コントローラ1Aでも、指令を送信してから一定の時間経過後に、速度変更処理を実行することになる。
なお、上記の実施例では、マスター以外のコントローラ1Bでは、伝送ライン32から取り込んだ基準クロックを直接CPU11に入力して使用しているが、これに限らず、たとえば、前記基準クロックをまずクロック生成回路100に入力して、このクロック生成回路100に基準クロックに同期するクロック信号を生成され、これをCPU11に入力するようにしてもよい。
製びん工程を実行するための装置構成を示す説明図である。 製びん工程用の制御システムの従来例を示す説明図である。 この発明が適用された制御システムの構成を示す説明図である。 コントローラの構成を、コントローラ間の接続関係とともに示すブロック図である。 モータの速度変更制御に関わる制御の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1,1A,1B コントローラ
2 供給機構
3 分配機構
4 第1搬送路
6 方向転換機構
10 モータ
11 CPU
12 通信インターフェース
13 メモリ
14 コンバータ回路
15 インバータ回路
16 発振器
17 分周回路
18 PLL回路
20 パーソナルコンピュータ
31 信号伝送用ライン
32 クロック信号用伝送ライン
100 クロック生成回路

Claims (4)

  1. 複数の成形処理部にゴブを供給するための供給機構;前記供給機構からのゴブを各成形処理部に順に振り分ける分配機構;各成形処理部から送出された成型品を並べて搬送するための搬送機構;前記搬送機構の搬送方向の切替に応じて成型品の向きを転換するための方向転換機構;の各機構のうちの少なくとも2つ以上を含む複数の機構に対し、それぞれその機構の駆動源であるモータを個別に制御するためのコントローラが設けられ、各機構のコントローラを通信回線を介して一連に接続したシステムであって、
    各コントローラには、前記通信回線を介して生産目標データを入力する入力手段と、制御対象のモータにつき前記生産目標データに応じた回転速度を算出する演算手段と、所定周波数の基準クロックを入力し、この基準クロックをベースに前記演算手段により算出された回転速度に応じた周波数の駆動信号を生成して前記モータに供給する駆動手段とが、それぞれ設けられており、
    いずれか1のコントローラは、前記基準クロックを生成するマスターのコントローラとして設定されて、この基準クロックを自装置の駆動手段および前記通信回線に出力するとともに、他のコントローラは、前記マスターのコントローラから出力された基準クロックを前記通信回線を介して取り込んで、前記駆動手段に入力するように構成されているガラス製品の成形工程用の制御システム。
  2. 前記各コントローラには、前記入力手段から新たな生産目標データが入力され、その入力に応じた回転速度の算出が前記演算手段により行われたとき、その算出結果に応じて前記駆動手段に生成させる駆動信号の周波数を変更する処理を、他のコントローラにおける変更のタイミングに合わせて実行する制御手段が含まれている請求項1に記載されたガラス製品の成形工程用の制御システム。
  3. 各コントローラには、外部信号に依存しない動作クロックを生成して出力するクロック生成手段と、当該コントローラを前記マスターのコントローラとするか否かを設定するための設定手段とが設けられ、前記クロック生成手段からの出力経路に前記駆動手段および通信回線が接続されるとともに、この接続状態を前記設定手段の設定に応じてオン/オフする切替手段が設けられており、
    前記マスターのコントローラとして設定されたコントローラでは、前記切替手段がオン状態になって、前記クロック生成手段からの同期クロックが基準クロックとして前記駆動手段および通信回線に出力され、
    前記マスターのコントローラとして設定されていないコントローラでは、前記切替手段がオフ状態になって、前記マスターのコントローラから出力された基準クロックが前記通信回線を介して駆動手段に入力される請求項1または2に記載されたガラス製品の成形工程用の制御システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載されたシステムにおいて、
    前記通信回線には、前記生産目標データを設定して各コントローラに出力するための上位コントローラが接続されているガラス製品の成形工程用の制御システム。
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