JP2008279585A - 打撃工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 打撃工具において、ハンマ作業時に生ずる工具本体の振動の制振および打撃動作後の被加工材から受ける反力の低減に関する機構の合理化に資する技術を提供する。
【解決手段】 本発明の打撃工具は、工具本体103と、ウェイト163および弾性要素165F,165Rを有しハンマ作業時の制振を行う動吸振器161と、ハンマ作業に先立って、被加工材に対する工具本体101の位置決めをなすとともに、当該位置決め状態において、ハンマ作動部材119,145が被加工材にハンマ作業をする際、当該ハンマ作動部材119,145に作用する被加工材からの跳ね返りによる反力を吸収する位置決め弾性体と、を有する。位置決め弾性体は、動吸振器161の構成部材としての弾性要素165F,165Rによって構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被加工材に直線状のハンマ作業を行う打撃工具において、ハンマ作業の際に被加工材から受ける反力を緩和する技術に関する。
特開昭52−109673号公報(特許文献1)では、制振装置が設けられた電動ハンマの構成が開示されている。この従来の電動ハンマでは、本体ハウジングの下方側であってモータハウジングの前方をなす領域に、当該本体ハウジング(およびモータハウジング)と一体状に防振室を形成するとともに、この防振室内に動吸振器を収容する。そしてハンマビット駆動の際に生じるハンマビット長軸方向の振動が当該動吸振器によって吸振されるように構成される。
ところで、実際のハンマ作業は、作業者が工具本体に前方に向う押圧力を加え、ハンマビットを被加工材に押し付けた状態で行われる。このときの被加工材に対する工具本体の位置決めは、工具本体側(後方)へと押し込まれるハンマビットと共に後退動作されるインパクトボルトが工具本体側の非弾性体(例えば、シリンダ)に当接することによってなされる。この位置決め状態で、ハンマビットによる打撃動作が行われると、ハンマビットが被加工材から受ける反力で跳ね返り、当該反力が工具本体に伝達されてしまう。このため、従来のハンマでは、インパクトボルトと工具本体側の非弾性体との間に緩衝部材を介在し、当該緩衝部材の緩衝作用によりハンマビットが受ける反力を低減している。
しかしながら、従来の電動ハンマでは、動吸振器により振動の制振を行い、かつ緩衝部材により工具ビットの跳ね返りによる反力を低減する構成であり、振動の制振あるいは低減に関し複数の機構を必要とするものであり、この点でなお改良の余地がある。
特開昭52−109673号公報
本発明は、かかる点に鑑み、打撃工具において、ハンマ作業時に生ずる工具本体の振動の制振および打撃動作後の被加工材から受ける反力の低減に関する機構の合理化に資する技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る打撃工具の好ましい形態は、ハンマ作動部材の長軸方向の打撃動作により被加工材に所定のハンマ作業を行う打撃工具において、工具本体と、位置決め弾性体と、動吸振器とを有する。なお本発明における「所定のハンマ作業」とは、ハンマ作動部材が長軸方向の打撃動作のみを行うハンマ作業のみならず、長軸方向の打撃動作と長軸方向回りの回転動作とを行うハンマドリル作業を好適に包含する。また本発明における「ハンマ作動部材」とは、典型的には、工具ビットおよび当該工具ビットに打撃力を伝達するインパクトボルトがこれに該当する。動吸振器は、弾性要素による付勢力が作用した状態で直線運動可能とされたウェイトを有し、当該ウェイトがハンマ作動部材長軸方向に運動することによってハンマ作業時の制振を行う。位置決め弾性体は、ハンマ作業に先立って、ハンマ作動部材が被加工材に押し付けられて工具本体側へと押し込まれたとき、当該ハンマ作動部材と当接することで被加工材に対する工具本体の位置決めをなすとともに、位置決め状態において、ハンマ作動部材が被加工材にハンマ作業をする際、当該ハンマ作動部材に作用する被加工材からの跳ね返りによる反力を吸収する構成とされる。なお本発明における「位置決め弾性体」は、典型的には、バネがこれに該当する。また位置決め弾性体とハンマ作動部材との当接は、典型的には、介在物を介して行われるが、直接に当接する態様を包含する。
本発明の打撃工具の好ましい形態によれば、位置決め弾性体は、動吸振器の構成部材としての弾性要素によって構成されていることを特徴としている。すなわち、本発明においては、ハンマ作業に際しての、被加工材に対する工具本体の位置決めを、動吸振器の弾性要素によって行う構成としたものである。これにより、動吸振器は、ウェイトと弾性要素との協働によりハンマ作業時に工具本体部に生ずるハンマ長軸方向の振動を抑制する制振機構として作用し、また動吸振器の弾性要素は、ハンマ作動部材が被加工材から受ける反力によって弾性変形することで当該反力を吸収し、当該反力が工具本体に伝達することを低減する。このように、本発明によれば、動吸振器の弾性要素が、工具本体の位置決めおよび反力吸収の各機能を有する構成としたことにより、振動低減に関する部品点数が削減されることになり、構造の簡素化を図ることができる。なお位置決め弾性体を兼用する弾性要素は、通常作業者がハンマ作動部材を被加工材に押し付ける力以上の余圧を有するように設定される。
本発明の打撃工具の更なる形態によれば、ハンマ作動部材を直線状に駆動する駆動機構と、駆動機構を収容するシリンダと、を更に有する。そして動吸振器を構成するウェイトおよび弾性要素が、シリンダの外側に円環状に配置されていることを特徴とする。このような配置とすることにより、シリンダの外周空間を有効に活用でき、また動吸振器のウェイトの重心をハンマ作動部材の長軸線上に一致させる配置が可能となり、偶力の発生を未然に防止できる。
本発明の打撃工具の更なる形態によれば、ハンマ作動部材に作用する反力が、前記弾性要素を介して前記ウェイトを積極的に加振する加振手段を構成することを特徴とする。動吸振器は、本来的には、工具本体の振動に基づいてウェイトが加振され、これによって工具本体の振動を受動的に抑制する機構である。本発明では、かかる受動的な制振機構である動吸振器につき、弾性要素を介してウェイトを積極的に加振する構成のため、動吸振器による振動の制振機能をより高めることが可能となる。特に、本発明では、被加工材から受ける反力をウェイトの加振手段とするため、わざわざ強制加振のための入力手段を設ける必要がなく、動力の消費を抑える上で有効であり、構造的にも簡素化が図られる。
本発明によれば、打撃工具において、ハンマ作業時に生ずる工具本体の振動の制振および打撃動作後の被加工材から受ける反力の低減に関する機構の合理化に資する技術が提供されることとなった。
以下、本発明の実施形態につき、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、打撃工具の一例として電動ハンマを用いて説明する。図1は本実施の形態に係る電動ハンマの全体構成を示す側断面図、図2および図3はそれぞれ電動ハンマの主要部を示す拡大断面図であり、図2にはハンマビットが被加工材に押し付けられていない無負荷状態が示され、図3にはハンマビットが被加工材に押し付けられた負荷状態が示される。
本実施の形態に係る電動ハンマ101は、図1に示すように、概括的に見て、電動ハンマ101の外郭を形成する本体部103と、当該本体部103の先端領域(図示左側)にツールホルダ137を介して着脱自在に取付けられたハンマビット119と、本体部103のハンマビット119の反対側に連接された作業者が握るハンドグリップ109とを主体として構成されている。本体部103は、本発明における「工具本体」に対応する。ハンマビット119は、ツールホルダ137によってその長軸方向への相対的な往復動が可能に、かつその周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。なお説明の便宜上、ハンマビット119側を前、ハンドグリップ109側を後という。
本体部103は、駆動モータ111を収容したモータハウジング105と、運動変換機構113および打撃要素115を収容したギアハウジング107とによって構成されている。駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。なお、ハンドグリップ109には、作業者がスライド操作することで駆動モータ111を通電駆動するスライドスイッチ109aが設けられている。
運動変換機構113は、駆動モータ111により水平面内にて回転駆動される駆動ギア121、当該駆動ギア121に噛み合い係合する被動ギア123を有するクランク板125、当該クランク板125の回転中心から所定距離偏心した位置に一方の端部が偏心軸126を介して遊嵌状に連接されたクランクアーム127、当該クランクアーム127の他端部に連結軸128を介して取り付けられた駆動子としてのピストン129を主体として構成される。上記のクランク板125、クランクアーム127、ピストン129によってクランク機構が構成される。
図2および図3に示すように、打撃要素115は、シリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギをハンマビット119に伝達する中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。シリンダ141内には、ピストン129とストライカ143との間に空気室141aが形成される。ストライカ143は、ピストン129の摺動動作に伴うシリンダ141の空気室141aの空気バネを介して駆動され、ツールホルダ137に摺動自在に配置された中間子としてのインパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。インパクトボルト145およびハンマビット119は、本発明における「ハンマ作動部材」に対応する。
空気バネの作用を介してストライカ143を駆動するための空気室141aは、シリンダ141に形成された空打ち防止用の通気孔141bを介して外部と連通されている。ハンマビット119が被加工材に押し付けられていない無負荷状態、つまりインパクトボルト145が押し込まれていない状態では、ストライカ143は、通気孔141bを開放する前方位置に移動することが可能とされる(図2参照)。一方、作業者が本体部103に前方への押圧力を加えてハンマビット119を被加工材に押し付けた負荷状態では、ストライカ143は、後退動作されるインパクトボルト145で押されて通気孔141bを閉じる(塞ぐ)後方位置へと移動される(図3参照)。
このように、空気室141aの通気孔141bは、ストライカ143によって開閉制御される構成であり、通気孔141bが開いたときに空気バネの作用が無効とされ、通気孔141bが閉じられたときに空気バネの作用が有効とされる。すなわち、通気孔141bとストライカ143によって、無負荷状態でのハンマビット119の駆動(空打ち)を防止する空気室開放式の空打ち防止機構が構成されている。
また本実施の形態の電動ハンマ101は、ハンマ作業時に本体部103に生ずる振動を制振するための動吸振器161を有する。シリンダ141を収容するギアハウジング107の内側と当該シリンダ141の外側との間には環状の空間が形成されている。動吸振器161は、この環状空間に配置された円筒状のウェイト163と、当該ウェイト163のハンマビット長軸方向の前方と後方に配置された前後の付勢バネ165F,165Rとを主体として構成される。付勢バネ165F,165Rは、本発明における「弾性要素」に対応する。前後の付勢バネ165F,165Rは、ウェイト163がハンマビット119の長軸方向に移動する際にウェイト163に対向状の弾発力を付与する。なおギアハウジング107のシリンダ141を収容する部分については、別部材としての筒状部材(バレル)108によって形成されているが、この筒状部材108とギアハウジング107は、互いに固定された構造であり、実質的には一部品を構成している。
ウェイト163は、その中心がハンマビット119の長軸線と一致するように配置されるとともに、その外周面がギアハウジング107の内周面に接した状態で摺動自在とされる。また前後の付勢バネ165F,165Rは、それぞれ圧縮コイルバネによって構成されており、ウェイト163と同様、各中心がハンマビット119の長軸線と一致するように配置されている。後側の付勢バネ165Rは、一端(後端)がギアハウジング107に形成されたバネ受面107aに当接され、他端(前端)がウェイト163の軸方向後端に当接される。また前側の付勢バネ165Fは、一端(後端)がウェイト163の軸方向前端に当接され、他端(前端)がバネ受部材167に当接される。
バネ受部材167は、外張り出し状のフランジ部167aを有するリングであり、筒状部材108の筒孔内周面にハンマビット長軸方向に摺動可能に嵌合されるとともに、フランジ部167aが筒状部材108に形成された段差状の係止面108aに後方から当接され、常時には当該当接位置に保持される。
上記のように構成された動吸振器161は、ハンマ作業時(ハンマビット119の駆動時)に発生する衝撃的かつ周期的な振動に対し制振機能を奏する。すなわち、制振対象である電動ハンマ101の本体部103に対して、動吸振器161における制振要素であるウェイト163および付勢バネ165F,165Rが協働して受動的な制振を行なう。これにより電動ハンマ101の振動が効果的に抑制されることとなる。
電動ハンマ101は、作業者が本体部103に前方への押圧力を加えてハンマビット119を被加工材に押し付けたとき、当該ハンマビット119と共に後方(ピストン129側)へと押し込まれるインパクトボルト145が本体側部材に当接することで被加工材に対する本体部103の位置決めが行われる。本実施の形態では、この位置決めにつき、位置決め部材151を介して上述した動吸振器161の付勢バネ165F,165Rによって行う構成としている。
位置決め部材151は、リング状に形成されたゴム製のラバーリング153と、当該ラバーリング153の軸方向前面側に接合された硬質の前金属座金155と、ラバーリング153の軸方向後面側に接合された硬質の後金属座金157とからなるユニット部品であり、インパクトボルト145の小径部145bに遊嵌状に嵌合されている。なおインパクトボルト145は、ツールホルダ137の筒状部内周面に摺動自在に嵌合された大径部145aと、当該大径部145aの後側に形成された小径部145bとを有する段付円柱状に形成され、大径部145aの外周面と小径部145bの外周面間にテーパ部145cが形成されている。そして小径部145bの外周面と筒状部材108の筒状内周面との間に位置決め部材151が配置されている。
作業者によってハンマビット119が被加工材に押し付けられた負荷時には、ハンマビット119とともに後退動作されるインパクトボルト145のテーパ部145cが所定の後退位置で位置決め部材151に当接し、当該位置決め部材151を後方へ押し込む。後方へと押し込まれた位置決め部材151は、バネ受部材167の前端面に当接される。すなわち、作業者による被加工材に対するハンマビット119の押付力は、付勢バネ165F,165Rによって弾発状に受け止められ、これによって本体部103の被加工材に対する位置決めがなされる。したがって、付勢バネ165F,165Rは、通常作業者がハンマビット119を被加工材に押し付ける力以上の余圧を有するように設定される。
なお位置決め部材151は、コイルバネ159によって前方へと付勢されている。これにより、位置決め部材151は、ハンマビット119が被加工材に押し付けられていない無負荷状態では、前金属座金155の軸方向前端がツールホルダ137の後端部137aと当接される前方位置へと移動されて保持される。このように位置決め部材151を前方位置に移動させることで、インパクトボルト145をストライカ143から離れた位置に置くことができる。これにより、無負荷状態でピストン129が駆動されたときのストライカ143によるハンマビット119の空打ちが防止される。なおコイルバネ159は、シリンダ141の外側において、動吸振器161の前側の付勢バネ165Fの内径側に並列状に配置され、軸方向の一端(後端)がシリンダ141に止着された止輪158によって受けられ、他端が位置決め部材151の後金属座金157の後端面に当接されている。
次に上記のように構成される電動ハンマ101の作用について説明する。図1に示す駆動モータ111が通電駆動されると、その回転出力により、駆動ギア121が水平面内にて回動動作する。すると、駆動ギア121に噛み合い係合される被動ギア123を介してクランク板125が水平面内を周回動作し、これによってクランクアーム127を介してピストン129がシリンダ141内を直線状に摺動動作される。このとき、ハンマビット119が被加工材に押し付けられていない無負荷状態であれば、図2に示すように、コイルバネ159によって前方へと付勢される位置決め部材151は、ツールホルダ137の後端部137aにて規定される前方位置に置かれ、これによりストライカ143が通気孔141bを開く前方位置へと移動され、あるいは移動することが許容される。このため、ピストン129が前方へ移動される際、空気室141aの空気が通気孔141bを通じて外部へ放出あるいは吸入されることになり、空気室141aに圧縮バネの作用が生じない。すなわち、ハンマビット119の空打ちが防止される。
一方、ハンマビット119が被加工材に押し付けられた負荷状態では、図3に示すように、ハンマビット119と共に後方へと押し込まれたインパクトボルト145によってストライカ143が後方へと押され、通気孔141bを閉じる。このため、ピストン129の摺動動作に伴うシリンダ141内の空気バネの作用により、ストライカ143はシリンダ141内を直線運動してインパクトボルト145に衝突(打撃)することで、その運動エネルギをハンマビット119へと伝達する。これにより、ハンマビット119は長軸方向の打撃動作を行い、被加工材にハンマ作業を遂行する。
上述したように、ハンマ作業は、ハンマビット119が被加工材に押し付けられた負荷状態で行われる。被加工材に押し付けられることで後方へと押し込まれるハンマビット119は、インパクトボルト145を後退動作させる。後退動作するインパクトボルト145は、位置決め部材151を後方へ押す。そして位置決め部材151の後金属座金157が動吸振器161のバネ受部材167に当接される。このようにして、作業者によるハンマビット119の被加工材に対する押付力は、動吸振器161の付勢バネ165F,165Rによって弾発状に受け止められる。これにより被加工材に対して本体部103が位置決めされ、この状態でハンマ作業が遂行される。そしてハンマ作業時において、動吸振器161は、本体部103に発生するハンマビット長軸方向の周期的な振動に対しウェイト163および付勢バネ165F,165Rが協働して受動的な制振を行う制振機構として作用し、電動ハンマ101の振動を効果的に抑制することができる。
また、ハンマビット119の被加工材に対する打撃動作後、当該ハンマビット119には被加工材からの反力を受けて跳ね返りが生じる。この跳ね返りによる力、すなわち反力は、インパクトボルト145、位置決め部材151およびバネ受部材167を後方へと移動させ、付勢バネ165F,165Rを弾性変形させる。すなわち、ハンマビット119の跳ね返りによる反力は、付勢バネ165F,165Rの弾性変形によって吸収され、本体部103への伝達が低減される。なお、このとき、位置決め部材151の後金属座金157がシリンダ141の前端面に所定の隙間を置いて当接可能に対向し、これにより位置決め部材151の最大後退位置を規定している。このため、付勢バネ165F,165Rによる反力吸収作用は、上記の隙間の範囲内で行われる。
上記のように、本実施の形態においては、ハンマ作業に先立って行われる、被加工材に対する本体部103の位置決めと、ハンマビット119の打撃動作後に当該ハンマビット119が被加工材から受ける反力の吸収を、動吸振器161の付勢バネ165F,165Rを利用して行う構成としたものである。つまり反力吸収用のバネと動吸振器161のバネとを共通部品としたものであり、これにより振動の低減に関する部品点数が削減され、構造の簡素化が実現される。
また、ハンマビット119の跳ね返りによる反力は、インパクトボルト145、位置決め部材151、バネ受部材167および付勢バネ165F、165Rを介してウェイト163に入力される。すなわち、ハンマビット119の跳ね返りによる反力は、動吸振器161のウェイト163を積極的に加振(駆動)する加振手段として作用する。これにより、動吸振器161は、ウェイト163を積極駆動する、強制加振による能動的な制振機構として作用し、ハンマ作業時に本体部103に生ずる振動を更に効果的に抑制することができる。このようなことから、例えば本体部103に強い押圧力を作用させながら加工作業を行なう等のように、制振の要請は高いにも拘らず、動吸振器161に入力される振動量が小さく、当該動吸振器161が十分に作動しないような作業態様においても、十分な制振機能を確保することが可能となる。
また本実施の形態では、本体部103の位置決めを付勢バネ165F,165Rによって行う構成である。このため、被加工材に対しハンマビット119を強く押し付けることによって付勢バネ165F,165Rを撓ませてインパクトボルト145をより後方へと移動することが許容される。すなわち、本発明によれば、ハンマビット119を被加工材に強く押し付けたときは、ストライカ143のピストン129側への押し込み量を増やすことができるため、吸い上げ性が改善される。なおストライカ143の吸い上げとは、ピストン129が後退動作することによって空気室141aが広がり、それに伴い当該空気室141a内の空気が冷却するとともに、空気室141aの圧力が低下し、それに基づきストライカ143が後方へ移動する現象をいう。
また本実施の形態においては、動吸振器161の前側の付勢バネ165Fと、位置決め部材151を前方に付勢するコイルバネ159を、ハンマビット119の長軸上の同位置において径方向に並列状に配置した構成としている。これにより省スペース化を図る上で合理的な配置構成を実現することができる。また本実施の形態では、ハンマビット119が被加工材に押し付けられた負荷状態において、位置決め部材151の後金属座金157がシリンダ141の前端面に所定の隙間を置いて当接可能に対向し、位置決め部材151の最大後退位置を規定している。これによりハンマビット119および当該ハンマビット119に押される、インパクトボルト145、ストライカ143等が上記の最大後退位置を超えてまで後方へ移動することを規制することができる。
また、本実施の形態では、動吸振器161を構成するウェイト163および付勢バネ165F,165Rが、シリンダ141の外側に円環状に配置されている。これによりシリンダ141の外周空間を有効に活用した配置が可能となる。またハンマ作業時の本体部103の振動の方向と、ウェイト163および付勢バネ165F,165Rの重心をハンマビット119の長軸線上に一致させる配置が可能となり、本体部103に偶力(ハンマビット長軸方向と交差する軸線回りに作用する左右方向の回転力)が作用することを防止できる。
なお、上述した実施の形態は、打撃工具として電動ハンマ101を例にとって説明しているが、電動ハンマ101に限らず、ハンマビット119が長軸方向の打撃動作と長軸回りの回転動作とを行うハンマドリルに適用できることは当然である。
また、上述した実施の形態では、無負荷状態でのハンマビット119の空打ちを防止する空打ち防止機構につき、シリンダ141に設けた通気孔141bの開閉制御を、ストライカ143によって行う方式の場合で説明したが、これに限らない。例えば、シリンダ141の外側に摺動自在に配置したスライドスリーブからなる弁部材を位置決め部材151によって移動させることで通気孔141bの開閉制御を行う構成の空打ち防止機構を用いてもよい。
また、上述した実施の形態では、ハンマビット119を直線状に駆動するために、駆動モータ111の回転出力を直線運動に変換する運動変換機構113としてクランク機構を用いた場合で説明したが、運動変換機構は、クランク機構に限られるものではなく、例えば軸方向に揺動運動を行うスワッシュプレート(斜板)を利用する運動変換機構を用いることが可能である。
本発明の実施形態に係る電動ハンマの全体構成を示す側断面図である。 電動ハンマの主要部を示す拡大断面図であり、ハンマビットが被加工材に押し付けられていない無負荷状態を示す。 電動ハンマの主要部を示す平断面図であり、ハンマビットが被加工材に押し付けられた負荷状態を示す。
符号の説明
101 電動ハンマ(打撃工具)
103 本体部(工具本体)
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
107a バネ受面
108 筒状部材
108a 係止面
109 ハンドグリップ
111 駆動モータ
113 運動変換機構
115 打撃要素
119 ハンマビット
121 駆動ギア
123 被動ギア
125 クランク板
126 偏心軸
127 クランクアーム
128 連結軸
129 ピストン(駆動子)
137 ツールホルダ
137a 後端部
141 シリンダ
141a 空気室
141b 通気孔
143 ストライカ(打撃子)
145 インパクトボルト(中間子)
145a 大径部
145b 小径部
145c テーパ部
151 位置決め部材
153 ラバーリング
155 前金属座金
157 後金属座金
158 止輪
159 コイルバネ
161 動吸振器
163 ウェイト
165F,165R 付勢バネ(弾性要素、位置決め弾性体)
167 バネ受部材
167a フランジ部

Claims (3)

  1. ハンマ作動部材の長軸方向の打撃動作により被加工材に所定のハンマ作業を行う打撃工具であって、
    工具本体と、
    弾性要素による付勢力が作用した状態で直線運動可能とされたウェイトを有し、当該ウェイトが前記ハンマ作動部材長軸方向に運動することによってハンマ作業時の制振を行う動吸振器と、
    前記ハンマ作業に先立って、前記ハンマ作動部材が被加工材に押し付けられて前記工具本体側へと押し込まれたとき、前記ハンマ作動部材と当接することで被加工材に対する前記工具本体の位置決めをなすとともに、当該位置決め状態において、前記ハンマ作動部材が被加工材にハンマ作業をする際、当該ハンマ作動部材に作用する被加工材からの跳ね返りによる反力を吸収する位置決め弾性体と、を有し、
    前記位置決め弾性体は、前記動吸振器の構成部材としての前記弾性要素によって構成されていることを特徴とする打撃工具。
  2. 請求項1に記載の打撃工具であって、
    前記ハンマ作動部材を直線状に駆動する駆動機構と、
    前記駆動機構を収容するシリンダと、を更に有し、
    前記動吸振器を構成する前記ウェイトおよび前記弾性要素が、前記シリンダの外側に円環状に配置されていることを特徴とする打撃工具。
  3. 請求項1または2に記載の打撃工具であって、
    前記ハンマ作動部材に作用する反力が、前記弾性要素を介して前記ウェイトを積極的に加振する加振手段を構成することを特徴とする打撃工具。
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