JP2008279019A - 生体内泳動装置用ヒレ、生体内泳動装置、交流磁場発生装置、および、医療システム - Google Patents

生体内泳動装置用ヒレ、生体内泳動装置、交流磁場発生装置、および、医療システム Download PDF

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Abstract

【課題】小型化しても推進効率の低下しない生体内泳動装置用ヒレを提供する。
【解決手段】ヒレ13は、ヒレ部15と、ヒレ部15を本体部12に可動に接続する関節部14とを備え、関節部14が振動することによって生じるヒレ部15の振動で、カプセル型内視鏡4を泳動させるヒレであって、ヒレ部15は、関節部14よりもヤング率の大きい、または、曲げ剛性の高い物質から成る。これにより、カプセル型内視鏡4の推進効率を向上させるとともに、ヒレ13の小型化が実現される。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体内を泳動する生体内泳動装置のヒレに関するものであり、特に魚の動きをシミュレートした小型の魚型ロボットのヒレに関するものである。
近年、大きさが数μmから数cm程度の機械であり、アクチュエータと呼ばれる機械を動かす駆動系と、エネルギーを供給する部分と、実際に仕事をする機能部分とを備えるマイクロマシンの活躍が期待されている。
特に、医療分野においては、例えば、カプセル型の内視鏡としてのマイクロマシンが海外では既に実用化されている。具体的に、カプセル内視鏡は、医療業界で汎用されている管を挿入するタイプの内視鏡とは異なり、患者にとって飲みやすい錠剤タイプの内視鏡である。錠剤タイプの内視鏡は、該錠剤タイプの内視鏡を飲み込むだけで、体内の検査や治療等を行うことができるため、患者への負担は少ない。
非特許文献1および非特許文献2には、このようなカプセル型内視鏡の一例が記載されている。非特許文献1および非特許文献2に記載のカプセル型内視鏡は、直径11mm、長さ約26mmのカプセルに超小型撮像素子(CMOS:相補型金属酸化膜半導体)とバッテリが内蔵され、内服するだけで、胃や腸の蠕動運動により体内を進行する。そして、該カプセル型内視鏡は、その間に、毎秒2枚、計5万枚の内視写真を撮影する。一方、医師は、患者がベルトに着けた8ギガバイトのハードディスクに保存された撮影された画像を、専用ソフトが搭載されたコンピューターに該ハードディスクを接続することにより、約1時間の動画に編集し、該動画を用いて診断する。
特許文献1には、体外に設けられた磁気誘導装置で発生した磁場によって、マイクロカプセルを回転させ、マイクロカプセルの外に取り付けた螺旋状のガイドによって、被検体内を進行、後退の運動を制御するカプセル型医療装置が記載されている。具体的には、カプセル型医療装置は、患者の体腔管路内を通過中に制御装置と電波を送受信して、この制御装置の制御により検査、治療又は処置が可能な医療システムを構成し、磁気誘導装置で形成される回転磁界に磁気的に作用される磁石と、この磁石による回転運動を推進力に変換するための推力発生部としての螺旋部とを具備している。
しかしながら、上記例で挙げた胃や腸の蠕動運動によって体内で進行させるカプセル内視鏡では、検査したい部位の見落としや、精密に観察できない等の問題が生じる。
また、特許文献1に記載の、回転運動によって体内を進行するマイクロカプセルでは、運動中に、常に、マイクロカプセルが回転するので写真撮影した画像のほとんどが水平から傾いた状態になるので診断が困難となるという問題がある。また、特許文献1に記載のマイクロカプセルは、回転しながら体内を進行するため、該装置と被試験者の体内における壁面とが摩擦することによって、該壁面を損傷させるおそれもある。
そこで、ヒレを備え、該ヒレによる推進力で推進するヒレ型のマイクロマシンを用いることが好ましい。
このような、ヒレ型のマイクロマシンは、マイクロマシンの内部に備えた磁石が、体外の交流磁場発生装置から発生する交流磁場を受けて振動し、その振動がヒレに伝わることによって推進する。
特許文献2には、体内を移動するマイクロマシンに、体外から磁場を与える交流磁場発生装置の一例が開示されている。
図16は、従来の交流磁場発生装置の概略構成を示す斜視図である。
特許文献2に記載の交流磁場発生装置100は、図16に示すように、導線からなるコイルが巻きつけられた鉄心を複数束ねてなり、当該コイルへ制御装置から交流電流が流されると、当該コイルが電磁石として動作する。そして、交流磁場発生装置100は、交流電流に応じた交流磁場を発生する。上記鉄心は、図16に示すように、略コの字型(より詳細には、磁極間に空間を備えた矩形枠状)に形成されており、該磁極間に配される被試験者の体内のマイクロマシンへ、交流磁場を与えることができる。
特開2003−275170号公報(平成15年9月30日公開) 特開2006−62071号公報(平成18年3月9日公開) Given Imaging社 PillCamTMSB Capsule Endoscopy 〔平成19年4月26日検索〕、インターネット <URL: HYPERLINK "http://www.givenimaging.com/Cultures/en-US/Given/English/Products/CapsuleEndoscopy/" http://www.givenimaging.com/Cultures/en-US/Given/English/Products/CapsuleEndoscopy/ 日経BPnet、Tech-on 〔平成19年5月2日検索〕、インターネット <URL: HYPERLINK "http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060808/120062/" http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060808/120062/
しかしながら、ヒレ型のマイクロマシンは、カメラ等を内蔵するカプセルに、さらにヒレを備える構成であるため、ヒレを備えないカプセルのみからなるマイクロマシンと比べてサイズが大きくなってしまう。このように、マイクロマシンのサイズが大きくなると、被試験者がマイクロマシンを溜飲する際に、苦痛を伴うという問題が生じる。また、この問題を解決するために、ヒレを小型化すると、1振り当たりの、ヒレが水を押し出す量が減るため、推進効率が低下するという問題が生じる。
また、特許文献2に記載の交流磁場発生装置100は、固定式の磁場発生装置であるため、例えば、非常に体格の大きい被試験者に対しても検査可能となるようにすると、磁極間を大きくするとともに、鉄心の数を増やして、鉄心を束ねる方向の長さを長くする必要がある。すなわち、交流磁場発生装置100の大型化は避けられず、交流磁場発生装置100を設置するスペースを確保することが困難となり、かつ重量が増すことにより交流磁場発生装置を移動できないという問題が生じる。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、小型化しても推進効率の低下しない生体内泳動装置用ヒレを提供するとともに、交流磁場発生装置の小型化を実現することにある。
本発明の生体内泳動装置用ヒレは、上記課題を解決するために、ヒレ部と、生体内を泳動する生体内泳動装置における本体部に、前記ヒレ部を可動に接続する関節部とを備え、前記関節部が振動することによって生じる前記ヒレ部の振動で、前記生体内泳動装置を泳動させる生体内泳動装置用ヒレであって、前記ヒレ部は、前記関節部よりもヤング率の大きい、または、曲げ剛性の高い物質から成ることを特徴としている。
上記構成によれば、ヒレ部が関節部よりもヤング率の大きいまたは曲げ剛性の高い物質からなっているため、ヒレ部が関節部のヤング率よりも小さいまたは曲げ剛性が低い物質からなる場合に比べて、ヒレ部の水圧によるたわみが小さく、振動時に、効率よく液体を押しだすことができる。また、ヒレ部の振動時における、生体内泳動装置用ヒレが振り切れたときの変位(最大変位)が大きくなるため、ヒレ部が1振動当たりに押し出す液体の量が増大する。
これらのことより、推進効率を向上させるとともに、生体内泳動装置用ヒレの小型化を実現することができる。
また、本発明の生体内泳動装置用ヒレは、前記関節部の曲げを最も許容する曲げ方向としての第1の方向における、前記ヒレ部の厚みが、前記関節部と接続する側に向かうにつれて大きくなることが好ましい。
上記構成によれば、関節部との接続部分であり振動時に大きな負荷がかかるヒレ部の付け根部の厚みが大きいため、接続部分の強度を良好に保つことができる。
また、ヒレ部の先端部の厚みを小さくすることにより、生体内泳動装置用ヒレの振動時における、ヒレ部の変位が大きくなり推進効率が向上する。
また、本発明の生体内泳動装置用ヒレは、前記ヒレ部における前記関節部と接続する側とは反対側の端部であるヒレ先端部の形状が、丸みを帯びていることが好ましい。
上記構成によれば、ヒレ先端部が丸みを帯びた形状をしており、角が尖っていないため、ヒレ部が生体内において振動する場合に体内壁を傷つけるおそれが低減される。
また、本発明の生体内泳動装置用ヒレは、前記ヒレ部が、磁石を有することがより好ましい。
上記構成によれば、ヒレ部が磁石を備えているため、外部から与える交流磁場を制御することで容易にヒレ部の振動を制御することができ、その結果、生体内泳動装置全体の推進運動を容易に制御することができる。例えば、ヒレ部が備える磁石に交流磁場を与える交流磁場発生装置の交流の切換タイミングを制御することによって、ヒレ部の単位秒当たりの振動回数を制御することができ、その結果、生体内泳動装置の推進速度を制御することができる。
また、上記構成によれば、主に生体内泳動装置用ヒレの振動を制御することができるため、生体内泳動装置用ヒレを高速振動となるように制御しても、本体部の振動はゆるやかとなる。これにより、本体部に撮像装置を内蔵する場合に、該撮像装置によって撮像された画像がぶれるおそれを低減することができる。
また、本発明の生体内泳動装置は、生体内泳動装置の本体部に、上記生体内泳動装置用ヒレを備え、該生体内泳動装置用ヒレによって推進することが好ましい。
上記構成によれば、推進効率を向上させるとともに、生体内泳動装置用ヒレの小型化を実現することができる。その結果、生体内泳動装置全体を小型化することも可能となる。
また、本発明の生体内泳動装置は、前記生体内泳動装置用ヒレが、前記本体部の重心を通り、かつ、前記生体内泳動装置の推進方向に延びる中心軸に対して、前記ヒレ部の前記第1の方向に沿って切断した断面において、前記第1の方向と直交する方向としての第2の方向にずれていることが好ましい。
上記構成によれば、生体内泳動装置を液面に浮かせて移動させる場合に、生体内泳動装置用ヒレを液面から液中方向に少しずらして備えることができるため、常に、生体内泳動装置用ヒレを水中で振動させるようにすることができる。その結果、生体内泳動装置用ヒレの推進効率が向上する。
また、本発明の生体内泳動装置は、プラスチックよりもヤング率の小さい天然ゴムまたは合成ゴムで構成され、かつ、凹部を有するサックをさらに備え、前記生体内泳動装置用ヒレにおける、前記ヒレ部が接続されていない側の前記関節部を、前記サックの凹部の裏側に連結し、該サックの凹部に前記本体部の一部の領域を含むように、前記サックと前記本体部とを接合することが好ましい。
上記構成によれば、本体部と、生体内泳動装置用ヒレを備えるサックとを接合するだけで、本体部に生体内泳動装置用ヒレを接合することができる。
例えば、特殊なケースに本体部が収納され、該ケースから本体部を取り出したときに自動的に電源がONになるようなカプセル型内視鏡等では、電源がONになった直後に内視鏡検査を始めることが好ましいため、迅速に生体内泳動装置用ヒレを備え付ける必要がある。
このように、本体部に直ぐに生体内泳動装置用ヒレを備え付ける必要がある場合には、生体内泳動装置用ヒレと本体部とを接着剤などで接着する方法では、時間がかかってしまう。
しかしながら、上記構成によれば、生体内泳動装置用ヒレと予め接続されているプラスチックよりもヤング率の小さい天然ゴムまたは合成ゴムからなるサックによって、本体部を締め付けるだけで、生体内泳動装置用ヒレと本体部とを接合することができるため、本体部への生体内泳動装置用ヒレの着脱が容易となる。
また、本発明の生体内泳動装置は、水よりも密度の小さい浮きをさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、浮きによって生体内泳動装置の比重を調整することができるため、液面、または液中等の生体内の液体におけるどの位置を泳ぐかを制御することが容易になる。また、生体内泳動装置を水平状態に保つことも可能となる。
また、本発明の生体内泳動装置は、熱によって口径が収縮する熱収縮チューブをさらに備え、前記浮きを、前記熱収縮チューブの内壁と、前記本体部との間に備えることが好ましい。
上記構成によれば、浮きを備えた本体部を、前記チューブで覆い、該チューブに熱を加えるだけで、前記浮きと前記本体部とが締め付け接合することができる。したがって、生体内泳動装置の本体部への浮きの装着を容易に行うことが可能となる。
また、本発明の生体内泳動装置は、少なくとも前記ヒレ部の一部の領域を覆うカバー部をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、カバー部を備えることにより、生体内泳動装置を溜飲する際に、ヒレ部と体内壁とが接触するのを防ぐことができるため、生体内泳動装置の溜飲を容易にすることが可能となる。また、ヒレ部と体内壁とが接触することによって、ヒレ部が体内壁を傷つけてしまうおそれを低減することができる。
また、本発明の生体内泳動装置における前記カバー部は、少なくとも1つの開口部を有し、該開口部が、前記生体内泳動装置全体を覆う前記カバー部における、前記関節部と前記本体部とが接合する部分と対向する領域、若しくは、該対向する領域よりも生体内泳動装置の進行方向側の領域に設けられることが好ましい。
上記構成によれば、前記カバー部で覆われたヒレ部付近に、開口部を介してカバー部外からの液体が流れ込むため、該ヒレ部付近に、液流を生ぜしめることができる。よって、ヒレ部が体内壁を傷つけてしまうおそれを低減するだけでなく、ヒレ部の推進力を向上することも可能となる。
また、本発明の生体内泳動装置における前記カバー部は、体液で溶解する薄膜であることが好ましい。
上記構成によれば、ヒレ部をオブラート等の体液で溶解する薄膜で包みこむため、溜飲する際に、生体内泳動装置のヒレ部が、直接体内壁に接触するおそれはなく、生体内泳動装置の溜飲を容易にする。また、体内では、オブラート等の薄膜が体液によって溶け、ヒレ部が露出するため、生体内泳動装置は該ヒレ部による体液中の泳動が可能となる。
また、本発明の交流磁場発生装置は、コイルが巻かれた芯状部と、該芯状部の両端から互いに平行となるように立ち上がる2つの側面部とから構成される鉄心の前記芯状部および前記側面部が、隣り合う鉄心の前記芯状部および前記側面部とそれぞれ接するように、前記鉄心が複数束ねられてなる電磁石を備え、前記コイルに交流電流を流すことにより、前記2つの側面部の端部にそれぞれ磁極が形成され、該磁極間に交流磁場が発生し、上記生体内泳動装置に該発生した磁場を与える交流磁場発生装置であって、前記鉄心を束ねる方向に前記電磁石が移動可能であるとともに、前記側面部が立ち上がる方向に前記電磁石が移動可能であることが好ましい。
例えば、形成された磁極間に設置した被試験体に交流磁場を与える場合、電磁石が固定されている交流磁場発生装置では、該被試験体のサイズが大きいと、被試験体の一部が、電磁石によって磁場が発生する領域に収まりきれない場合がある。このとき、被試験体の該領域からはみ出した部分では、生体内泳動装置を移動させることはできないという問題が生じる。
また、サイズの大きい被試験体に合わせて交流磁場発生装置を製造すると、該交流磁場発生装置が大型化してしまう。
しかしながら、上記構成によれば、電磁石を、前記鉄心を束ねる方向、かつ、前記側面部が立ち上がる方向に移動させることが可能となるため、被試験体のサイズが大きい場合に、被試験体の一部が電磁石によって磁場が発生する領域に収まりきれないという問題を解消することができる。したがって、被試験体の大きさに関係なく、また、装置自体を大型化することなく、被試験体内における所望の位置に生体内泳動装置を移動させることが容易となる。
また、上記構成によれば、前記側面部が立ち上がる方向に移動可能でもあるため、被試験体内の生体内泳動装置を、3次元的に移動させることができる。
また、本発明の医療システムは、上記生体内泳動装置と、上記交流磁場発生装置と、該生体内泳動装置および該交流磁場発生装置を制御する制御装置とから構成されてもよい。
また、本発明の医療システムは、ヒレ部に磁石が内蔵された上記生体内泳動装置と、上記交流磁場発生装置と、該生体内泳動装置および該交流磁場発生装置を制御する制御装置とからなる医療システムであって、前記交流磁場発生装置のコイルに交流電流を発生させ、前記生体内泳動装置の前進、停滞、後進運動を切換える周波数が、前記ヒレ部の形状および材質と、前記関節部の形状および材質と、前記本体部の形状および材質との組み合わせによって定められることが好ましい。
上記構成によれば、前記ヒレ部の形状および材質と、前記関節部の形状および材質と、前記本体部の形状および材質との組み合わせにより前進、停滞、後進運動を切換える周波数が定められるため、各生体内泳動装置は個々に前進、停滞、後進運動が切換えられる該周波数を有する。
そして、交流磁場発生装置のコイルに交流電流を発生させる電圧の周波数を、各生体内泳動装置が個々に有する前記周波数よりも高い周波数にすると、生体内泳動装置は前進し、各生体内泳動装置が個々に有する前記周波数と同一の周波数にすると、生体内泳動装置は停滞し、各生体内泳動装置が個々に有する前記周波数よりも低い周波数にすると、生体内泳動装置は後進する。
このことより、交流磁場発生装置のコイルに交流電流を発生させる電圧の周波数を、個々の生体内泳動装置に定められた上記周波数よりも、高い周波数、低い周波数、同一の周波数に切換えることによって、生体内泳動装置の進行運動を制御することができるため、生体内泳動装置の進行運動の制御が容易となる。
本発明の生体内泳動装置用ヒレは、以上のように、前記ヒレ部が、前記関節部よりもヤング率の大きい、または、曲げ剛性の高い物質から成ることを特徴としている。
それゆえ、小型化しても推進効率の低下しない生体内泳動装置用ヒレを提供できるという効果を奏する。
(実施の形態1)
本発明の一実施形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本実施の形態では、生体内泳動装置用ヒレを備えたマイクロマシンの一例として、カプセル型内視鏡を用いた生体内検査または治療に関する医療システムについて説明する。
図2は、本実施の形態における医療システム1の構成を示す構成図である。
医療システム1は、図2に示すように、医療システム1を制御する制御装置2と、磁場を発生する交流磁場発生装置3と、交流磁場発生装置3から発生した磁場を受けて人の体内を移動するカプセル型内視鏡4(生体内泳動装置)とから構成されている。
また、図3は、本実施の形態における制御装置2と交流磁場発生装置3とカプセル型内視鏡4との関係を示す概要図である。
医療システム1は、被試験者の消化器官をカプセル型内視鏡4でスクリーニングすることによって、消化器官の検査を行うためのものである。具体的には、まず、被試験者が、腸管洗浄等を行った後に、カメラを備えるカプセル型内視鏡4を水等と一緒に体内に飲み込む。そして、被試験者の体内に入ったカプセル型内視鏡4が、交流磁場発生装置3で発生した磁場を受けて胃や腸等の消化器官内を移動し、該移動の際にカメラで消化器官内を撮影することによって、種々の消化器官のスクリーニング検査を行う。
制御装置2は、パーソナルコンピュータであり、交流磁場発生装置3を制御するとともに、カプセル型内視鏡4と無線通信を行う。具体的には、制御装置2は、図3で示すように、プログラムを用いて電圧波形を作成し、作成した電圧波形をD/A変換し、アナログ信号に変換された電圧波形を電力増幅器5に出力する。また、制御装置2は、カプセル型内視鏡4が撮影した体内の画像データを、カプセル型内視鏡4から無線通信によって取得する。
(交流磁場発生装置の構成)
図4(a)は、交流磁場発生装置3における鉄心10aの、ガイドレール9が延びる方向から見た断面図であり、(b)はガイドレール9が延びる方向から見た鉄心10bの断面図であり、(c)は電磁石6の斜視図であり、(d)は交流磁場発生装置3の全体構成を示す図であり、(e)はガイドレール9が設けられている面において、該ガイドレール9が伸びる方向に対して垂直な方向から見た鉄心10の断面図である。
交流磁場発生装置3は、図4(d)に示すように、電磁石6と検査台7とリフト8とガイドレール9とを備え、電力増幅器5を介して制御装置2から電磁石6に交流電流が流れると、電磁石6が、該交流電流に応じた交流磁場を発生し、該発生した交流磁場を検査台7に横たわる被試験者に与える移動式磁場発生装置である。
電磁石6は、図4(e)に示すように、導線からなるコイル11が巻きつけられた、高さが互いに異なる2種類の鉄心10を複数本束ねたものであり、コイル11に電流が流れることによって1つの電磁石として動作する。鉄心10は、珪素鋼板から成り、ギャップ(磁極間)を備えた矩形枠状、すなわち、コの字枠状をしている。図4(a),(b)で示すように、鉄心10のうち、高さHの低い鉄心を鉄心10aとし、高さHの高い鉄心を鉄心10bとする。ここで、高さHとは、ガイドレール9が設けられている面に対して法線方向の鉄心の長さをいう。また、図4(c)に示すように、電磁石6の長さLとは、鉄心10が束ねられる方向における電磁石6の全体の長さをいい、電磁石6の幅Wとは、発生した磁界の方向における電磁石6の長さをいい、磁極間距離lとは、コの字枠状にギャップを備えるように形成された磁極間の距離、すなわちコの字枠状の枠がない部分の距離をいう。
より詳細には、本実施形態に係る交流磁場発生装置3には、各鉄心10の各辺のうち、ギャップが形成されている辺に対向する辺、すなわち、コの字形状の枠において、枠がない部分に対向する辺に、導線を巻きつけてコイル11が形成されている。さらに、各鉄心10は、鉄心10aと10bとを交互に束ねることにより、隣り合う2つの鉄心10の高さが互いに異なるように配置されている。これにより、互いに高さが同じ鉄心10を並べる構成と比較して、隣り合うコイル11の距離を短く設定でき、交流磁場発生装置3の発生する磁束密度を向上できる。
また、鉄心10の数を調整することによって、磁束密度を調整できるので、磁場発生領域の長さ、すなわち電磁石6の長さLを比較的自由に設定できる。
検査台7は、図4(d)に示すように、被試験者を支持する台であり、電磁石6のコの字枠で囲まれるように設置される。すなわち、電磁石6で発生した磁界の方向における検査台7の長さは、同方向における電磁石6の長さよりも長い。
リフト8は、ガイドレール9上を移動するとともに、電磁石6を支持するものである。リフト8がガイドレール9上を移動することにより、電磁石6のガイドレール方向への移動が可能になる。また、リフト8は、電磁石6を支持するテーブル部8aと、テーブル部8aをガイドレール9方向に移動可能に支持する支持部8bと、テーブル部8aと支持部8bとを連結する連結部8cとから構成されている。
テーブル部8aは、図4(d)に示すように、平面の板状のものであり、電磁石6をして支持している。
また、連結部8cは、2本の柱から構成され、支持部8bに対して鉛直方向にテーブル部8aが移動可能なように、テーブル部8aと支持部8bとを連結している。
具体的には、支持部8bの上面に電磁石6の幅W方向に溝(図示せず)が形成され、該溝に、連結部8cである2本の柱の、支持部8b側における端部が遊嵌され、所望の位置でストッパー(図示せず)によって固定される。このストッパーの位置を移動させることにより、鉛直方向にテーブル部8aが移動可能になる。例えば、テーブル部8aを下方向に移動させたい場合は、2本の柱の上記電磁石6の幅W方向における距離が大きくなるようにストッパーでとめ、逆に上方向に移動させたい場合は、2本の柱の上記電磁石6の幅W方向における距離が小さくなるようにストッパーでとめる。
また、上記構成に限らず、ジャッキや油圧シリンダや空圧シリンダによって電磁石6を鉛直方向へ移動させてもよい。
このように、電磁石6を移動させることにより、カプセル型内視鏡4を鉛直方向に移動させることが可能となるため、カプセル型内視鏡4の移動パターンが増え、より精密に検査を行うことができるようになる。
支持部8bは、連結部8cを介して、テーブル部8aを支えるものである。また、支持部8bの下面、すなわち、連結部8cと連結される側とは反対側の面には、ガイドレール9に形成された溝と嵌合するように突起部(図示せず)が設けられている。
ガイドレール9は、検査台7を挟むように、検査台7と平行に2本設けられ、リフト8をガイドレール9上で移動可能なように支持する直線状のレールである。具体的には、図4(d)に示すように、断面が矩形である溝を有し、該溝に、前記リフト8の支持部8bに設けられた突起部が遊嵌されている。
上記構成によれば、リフト8およびガイドレール9によって、電磁石6の位置を移動させることができるため、被試験者の体格が大きい場合であっても、電磁石6を大型化することなしに、カプセル型内視鏡4を検査したい部位等の所望の位置まで容易に移動させることができる。
その結果、交流磁場発生装置3の小型化を図ることができる。例えば、電磁石6の長さを短く、すなわち、束ねる鉄心10の数を減らすことによって、カプセル型内視鏡4の小型化を実現できる。
また、交流磁場発生装置3における電磁石6の長さL方向のサイズを小型化することにより、電磁石6の幅W方向のサイズを大きくしても、全体のサイズが大型化するおそれを低減することができる。
(カプセル型内視鏡の構成)
カプセル型内視鏡4について、図1および図5〜図14を用いて説明する。
図1は、カプセル型内視鏡4の外観を示す図であり、図5は、小型の魚型ロボットにおける推進方法の一例を示した図である。図6は、カプセル型内視鏡4の概略構成を示す図である。
ここにおける上側とは、カプセル型内視鏡に対して液面側をいい、下側とは、カプセル型内視鏡に対して液面側と逆側をいう。
カプセル型内視鏡4は、図1に示すように、内部にカメラと磁石を備えた本体部12と、ヒレ13(生体内泳動装置用ヒレ)と、本体部12とヒレ13とを連結する台座16とから構成されている。カプセル型内視鏡4は、交流磁場発生装置3から磁場を受けて本体部12の磁石が動くことによって、ヒレ13が振動し、被試験者の体内を移動する。また、カプセル型内視鏡4は、体内を移動しながらカメラで体内を撮影し、撮影した画像を無線通信で制御装置2に送信するものである。
カプセル型内視鏡4は、図5に示す小型の魚型ロボットのように、主にヒレ13を用いて推進する。
本体部12は、図1に示すように、例えば、直径約10mm、長さ約25mmの大きさのカプセル形状をしている。
本体部12は、図6に示すように、被試験者の体内を撮影するため撮像装置20と、撮像装置20で撮影した画像を処理する画像処理部21と、処理した画像データを制御装置2に送信する無線通信部22と、体内を明るくするための照明装置であるLED23と、バッテリとしてのボタン電池24と、磁石25とを内蔵する。
図7(a)は、カプセル型内視鏡4のヒレ部15を示す図であり、(b)はヒレ部15の変形例を示す図であり、(c)はヒレ部15の他の変形例を示す図である。
ヒレ13は、関節部14とヒレ部15とから構成され、関節部14が台座16によって本体部12に連結されることにより、ヒレ13と本体部12とが一体化されている。ここで、ヒレ13は、バネ部材から成る関節部14の伸長方向における関節部中心軸と、ヒレ部15において関節部14と接着される側に延びるヒレ中心軸と、カプセル型内視鏡4の中心軸とが一致するように、本体部12に接着されている。
ヒレ部15は、図1に示すように、関節部14と接続される側(付け根側)の厚みが大きく、付け根側と対向する側(先端側)に向かうにつれて厚みが小さくなっている。ここで、厚みとは、カプセル型内視鏡4の中心軸に対してヒレ13が振動する方向(ヒレ振動方向)(第1の方向)における、ヒレ部15の長さをいう。また、ここで、カプセル型内視鏡4の中心軸(中心軸)とは、カプセル型内視鏡4の重心を通り、カプセル型内視鏡4の推進する方向に延びる軸をいう。
上記構成によれば、関節部14との接続部分であり振動時に大きな負荷がかかるヒレ部15の付け根部の厚みが大きいため、該接続部分の強度を良好に保つことができる。
また、ヒレ部15の先端部の厚みを小さくすることによって、ヒレ13の振動時におけるヒレ部15の振動の変位が大きくなり、推進効率が向上する。
ヒレ部15は、関節部14よりもヤング率の大きい、または、曲げ剛性の高い物質から構成される。また、ヒレ部15の動作する方向から見たヒレ部15の平面は、図7(a)に示すように、台形形状である。
一方、関節部14は、ヒレ部15よりもヤング率の小さい、または、曲げ剛性の低い物質から構成され、台座16とヒレ部15の付け根側とを連結するものである。例えば、関節部14は、金属製やプラスチック製のコイルバネや、板バネから成る。また、関節部14は、前述したバネに限らず、シリコンから成るものであってもよい。
台座16は、瞬間接着剤等の接着剤により、本体部12および関節部14と連結されるものである。また、台座16は、エポキシパテ、発泡スチロールからなる。
また、台座16と本体部12との連結は、前述したような接着剤によって連結される構成に限らず、台座16が本体部12にネジで連結される構成でもよいし、また、台座16が本体部12に嵌合されることにより連結される構成でもよい。
上記構成によれば、ヒレ部15が関節部14よりもヤング率の大きいまたは曲げ剛性の高い物質からなっているため、ヒレ部15が関節部14のヤング率よりも小さいまたは曲げ剛性が低い物質からなる場合に比べて、ヒレ部15の水圧によるたわみが小さく、振動時に、効率よく液体を押しだすことができる。また、ヒレ13の振動時における、振り切れたときの変位(最大変位)が大きくなるため、ヒレ部15が1振動当たりに押し出す液体の量が増大する。これらのことより、推進効率を向上させるとともに、ヒレ13の小型化を実現することができる。
また、より良い推進効率を実現するためには、ヒレ部15の材質と関節部14の材質との組み合わせが、ヒレ部15の材質がプラスチックであり、かつ関節部14の材質がゴムであることが好ましい。また、ヒレ部15がシリコンやポリ塩化ビニルから成り、かつ関節部14がポリエチレンから成る組み合わせも好ましい。また、ヒレ部15の形状と関節部14の形状との組み合わせは、ヒレ部15が板状物質であるのに対して、関節部14がコイルバネ形状であることが好ましい。また、ヒレ部15および関節部14が共に板状物質で構成され、かつ、関節部14が振動する方向と直交する方向に切断することにより形成される、関節部14の断面の幅が、ヒレ部15の該断面の幅よりも小さいことが好ましい。また、該断面における関節部14の上下方向の長さが、ヒレ部15の上下方向の長さよりも短いことが好ましい。
また、本実施の形態では、ヒレ13と本体部12とを台座16で連結する構成であるが、本発明はこれに限らず、プラスチックのケースが本体部12の一部を覆うようにして、ヒレ13と本体部12とを連結してもよいし、ヒレ13を本体部12にネジで固定することにより連結してもよい。また、本体部12にヒレ13を噛み合わせてヒレ13を本体部12に直接固定する方法を用いてもよい。
(カプセル型内視鏡の動作)
次に、カプセル型内視鏡4が被試験者の体内をどのように動作するかについて説明する。
まず、図3に示すように、制御装置2は、操作する者の指示に従って、電圧波形を作成し、作成した波形を電力増幅器5に出力する。電力増幅器5は、増幅した電圧波形を電磁石6に出力し、電磁石6のコイル11に電流が流れる。コイル11に交流電流が流れると、電磁石6は交流磁場を発生し、被試験者が溜飲したカプセル型内視鏡4の内部の磁石に発生した交流磁場を与える。カプセル型内視鏡4の内部の磁石は、交流磁場を受けて振動し、その振動が伝わることによってヒレ13が振動し、カプセル型内視鏡4は推進力を得る。このように、カプセル型内視鏡4は、ヒレ13の振動によって、被試験者の体内の体液中を泳動する。
ところで、通常、ヒレ部15の振動方向から見たヒレ部15の面積を大きくすればするほど、ヒレ部15の1振り当たりに押し出す水の量が多くなり、カプセル型内視鏡4の推進力は増大する。逆に、ヒレ部15の該面積を小さくすると、ヒレ部15の1振りあたりに押し出す水の量は少なくなり、カプセル型内視鏡4の推進力は減少する。
また、ヒレ振動方向から見たヒレ部15の面積を大きくしても、関節部14よりも曲げ剛性の低い物質若しくはヤング率の小さい物質から成るヒレ部15を用いれば、ヒレ13が振動する際に、ヒレ部15は水圧によってたわんでしまう。そして、ヒレ部15がたわむことにより、該たわんだ部分から、ヒレ部15が押し出そうとする水が逃げてしまうため、ヒレ部15の1振りあたりの押し出す水の量が、ヒレ部15がたわまない場合に比べて少なくなる。
しかしながら、上記構成によれば、ヒレ部15が関節部14よりも曲げ剛性の高い物質、またはヤング率の大きい物質から成るため、ヒレ部15の水圧によるたわみが小さく、ヒレ部15の1振りあたりの押し出す水の量は、ヒレ部15がたわまない場合に比べて、ほとんど減少しない。一方、関節部14は、バネ部材等のヒレ部15よりも曲げ剛性の低い物質、またはヤング率の小さい物質から成るため、中心軸方向に戻ろうとする力が、バネ部材等を用いない場合に比べて大きい。これらのことより、ヒレ13を小型化しても、ヒレ13の推進力を良好に保つことができる。
すなわち、ヒレ部15には関節部14よりも曲げ剛性の高い物質もしくはヤング率の高い物質を用いることにより、ヒレ13の推進効率を低下させずに、ヒレ13を小型化できる。また、その結果、カプセル型内視鏡4も小型化することができ、被試験者がカプセル型内視鏡4を溜飲する際の不快感を低減することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、本体部12とヒレ13と台座16とからなる構成のカプセル型内視鏡4について説明したが、本発明はこれに限られない。本実施の形態では、被試験者の体内中における体液の液面にカプセル型内視鏡を浮べるために、浮きを備えた構成のカプセル型内視鏡について説明する。なお、カプセル型内視鏡以外は、実施の形態1と同一の構成であるため、実施の形態1と同一の構成については、同一の符合を付し、説明を省略する。
また、ここで、カプセル型内視鏡の下側とは、カプセル型内視鏡を液面に浮かばせたときの該液面と接触する側、または液中に沈ませたときの液面側と対向する側をいう。また、カプセル型内視鏡の上側とは、カプセル型内視鏡を液面に浮かばせたときの該液面と接触しない側をいい、また、液中に沈ませたときの液面側をいう。
図8は、カプセル型内視鏡37の本体部30を示す外観図およびカプセル型内視鏡37の推進方向における断面図である。
本実施の形態のカプセル型内視鏡37は、図8に示すように、実施の形態1における本体部12と同一の構成である本体部30と、実施の形態1におけるヒレ13と同一の構成であって、ヒレ部32と関節部34とからなるヒレ38と、浮き31とを備える構成である。
ヒレ部32は、実施の形態1のヒレ部15と同一であり、関節部34も実施の形態1の関節部14と同一であるため、ここでは説明を省略する。
浮き31は、カプセル型内視鏡37を体液中に沈ませないように、体液面に浮かばせるためのものであり、水より比重の軽い発泡スチロールからなり、本体部30の表面上に、瞬間接着剤等の接着剤で固定される。また、浮き31には、木材や、コルク材、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、パーティクルボード等を用いてもよい。
また、浮き31は、カプセル型内視鏡37の比重をvC、カプセル型内視鏡37の体積をVC、浮き31の比重をvf、浮き31の体積をVfとすると、(vCC+vff)/(VC+Vf)≦1の条件を満たす必要がある。すなわち、浮き31の厚みおよび推進方向における長さは、上記式の条件を満たすように設定される。
浮き31の形状は、図8に示すように、厚みは薄いが、本体部30の表面の大部分を覆うように備え付ける構成であってもよいし、図9または図10に示すように、厚みは厚いが、カプセル型内視鏡37の上下面には浮きを備えず、側面だけに浮きを備える構成であってもよい。
このように、本体部30に、浮き31を備えることによって、カプセル型内視鏡37の比重を調整することができる。このことより、カプセル型内視鏡37が、体液の液面を泳動するのか、または体液中における液面からどれくらいの深さ付近を泳動するのかを制御することが容易になる。また、図9に示すように、浮き31をカプセル型内視鏡37の両側面に備えることによりカプセル型内視鏡37を水平状態に保つことが可能となる。
図9は、熱収縮チューブ33を備えたカプセル型内視鏡37の外観を示す斜視図である。
上述では、浮き31を本体部30の表面上に接着剤で固定する構成について説明したが、本発明はこれに限らず、図9に示すように、熱収縮チューブ33で浮き31を固定する構成であってもよい。熱収縮チューブ33は、エチレンプロピレンゴム、架橋ポリエチレン等を用いる。
熱収縮チューブ33を用いた具体的な浮き31の固定方法は、浮き31にまず透明のフィルム(図示せず)を取り付け、それを本体部30に被せ、そして、さらにその上から熱収縮チューブ33を被せ、熱収縮チューブ33に外部から熱を与えることにより、フィルムを溶かして浮き31と本体部30とが接着するようにする。このとき、熱収縮チューブ33に、短時間の間に急速に熱を与え、浮き31と本体部30とが接触したときに急冷することが好ましい。また、熱収縮チューブ33と浮き31との間に薄い断熱性のシートを備えることが好ましい。これによれば、熱収縮チューブ33に与えられた熱で、浮き31が溶けるのを防ぐことができる。
図10は、カプセル型内視鏡37に外殻35を取り付ける様子を示す斜視図である。
図11は、外殻35内に水が流れ込む様子を示した説明図である。
また、図12は、外殻35に開口部が設けられた様子を示す図である。
また、浮き31を本体部30に固定する方法として、図10に示すように、カプセル型内視鏡37の全体、具体的には、浮き31、本体部30、台座16、ヒレ38の全てを、中抜きの円筒状のプラスチック樹脂から成る外殻35で覆う方法がある。
具体的には、台座16によってヒレ38が連結された本体部30と外殻35とは、図10に示すように、該本体部30に、2つに分割した外殻35を嵌め合わせ、接着剤で接合することによって一体となる。
また、ヒレ38を備えた本体部30の外径よりも、少し小さい内径を有する円筒状の外殻35に、該本体部30を締め付け嵌合させることによって一体化させてもよい。該本体部30に浮き31を備える場合は、浮きの厚み分だけ内径が大きい外殻35を用いることが好ましい。
また、ヒレ38を備えた本体部30に、該本体部30の外径と同じ、若しくは、少し大きい内径を有する円筒状の外殻35を、接着剤で接合してもよい。
これらの外殻35を備える構成によれば、浮き31が本体部30に固定されるとともに、ヒレ38が振動可能に外殻35によって覆われているため、ヒレ38の振動によって体内壁等が傷つくのを防ぐことができる。
また、外殻35は、図10、図11および図12(d)に示すように、ヒレ38を備えた本体部30と接合した状態で、関節部34と対向する外殻35の一部の領域に、開口部40を設けることが好ましい。図10に示すカプセル型内視鏡37における外殻35には、図12(a)に示すように、関節部34と対向する領域のうち、中心軸に対してヒレ38が振動する方向に位置する領域に、それぞれ1つずつ開口部40が設けられている。
上記構成によれば、外殻35に開口部40が設けられているため、図11に示すように、該開口部40を介して、外殻35内に水が入り込む。したがって、ヒレ38の振動により体内壁などが傷つくのを防ぐとともに、外殻35でヒレ38を覆うことによりヒレ38に水が流れ込まずに推進効率が低下するという問題を解消することができる。
また、本発明は、図12(a)に示すように、外殻35に、上記開口部40が2つ設けられる構成に限られず、図12(b)に示すように開口部41が1つ設けられる構成であってもよいし、図12(c)に示すように開口部42〜44の3つ設けられる構成であってもよい。なお、このときの開口部41は、図10に示すように、関節部34と対向する領域のうち、中心軸に対してヒレ38が振動する方向に位置する領域に設けられる必要はなく、図12(b)に示すように、関節部34と対向する領域のうちのヒレ38に対して下側方向に位置する領域に設けられてもよい。また、図12(c)に示すように、関節部34と対向する領域のうち、ヒレ38に対して下側方向に位置する領域に1つの開口部42を設け、開口部42から等角度間隔で、開口部43と開口部44を設ける構成であってもよい。具体的には、ヒレ38に対して斜め上方向に位置する領域にもう1つの開口部43を、さらにその開口部から等角度間隔で、前記とは異なる斜め上方向に位置する領域にもう1つの開口部44を設ける構成であってもよい。
上記構成によれば、外殻35に3つの開口部を設けることにより、外殻35内のヒレ38周辺に流れ込む液体の量が増えるため、ヒレ38による推進力が増大する。
また、上記外殻35は、浮き31、本体部30、台座16、ヒレ38の全てを覆う構成であったが、本発明は、これに限らず、ヒレ38のみを外殻35で覆う構成であってもよい。
また、上述では、プラスチック樹脂製の外殻35について説明したが、本発明はこれに限られない。外殻35の材質は、アルミニウムやステンレス鋼などの金属材料、硬質ゴム、木材等であってもよい。また、外殻35の形状も、上述した円筒形状に限られず、中抜きの球形形状等であってもよい。
また、開口部の設けられる領域は、外殻35における関節部34と対向する領域に限らず、ヒレ部32と対向する領域の一部に設けられていてもよい。
また、外殻35の推進方向における長さは、26mm程度以下であることが好ましく、直径は11mm程度以下であることが好ましい。上記構成によれば、被試験者がカプセル型内視鏡37を溜飲する際に、不快感を感じなく容易に溜飲することが可能となる。
ところで、図15は、本体部とヒレ部とから構成され、ヒレ部によって水中を泳動する小型の魚型ロボットの一例を示す写真である。実施の形態1におけるカプセル型内視鏡4は、図15の写真の紙面に向かって一番上側における小型の魚型ロボットのように、本体部とヒレとから構成されている。また、実施の形態2におけるカプセル型内視鏡37は、図15の写真、紙面に向かって真ん中における小型の魚型ロボットのように、本体部とヒレとから構成され、さらには本体部に浮きを備える構成である。
実施の形態1における医療システム1では、制御装置2が、カプセル型内視鏡4から、無線通信によって、体内を撮影した画像データを取得する構成であるが、本発明はこれに限らず、撮影した画像データをカプセル型内視鏡4内に保存し、カプセル型内視鏡4が体内から体外に出た時点で該カプセル型内視鏡4を回収し、保存された画像データを取得する構成であってもよい。
また、実施の形態1における交流磁場発生装置3では、鉄心10を束ねた方向において電磁石6を移動させるのに、または、該鉄心10を束ねた方向と発生した磁界の方向とからなる平面に対して法線方向において電磁石6を移動させるのに、リフト8とガイドレール9とを用いている。しかしながら、本発明はこれに限らず、チェーン、ジャッキ、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、滑車およびロープ等を用いて、電磁石6を移動させる構成であってもよい。
図13は、実施の形態1または2に係るカプセル型内視鏡4・37の変形例を示す斜視図である。
実施の形態1および2では、ヒレ13・38は、本体部30に台座16で連結されていたが、本発明は、これに限られない。図13で示すように、台座16によって本体部12・30にヒレ13・38を連結する代わりに、ヒレ13・38を備えたプラスチックよりもヤング率の小さい天然ゴムまたは合成ゴム等からなるゴム製の指サック36(サック)を装着することにより連結する構成であってもよい。また、指サック36は、ラテックス製であることが好ましい。
上記構成によれば、指サック36を本体部12・30に備え付けるだけで、ヒレ13・38を本体部12・30に接合することができる。よって、ヒレ13・38を備えた台座16を、接着剤を用いて本体部12・30に接合するよりも、より迅速に、かつ容易に、ヒレ13・38を本体部12に接合することができる。よって、特殊なケースから取り出すことによって電源がONになるため、迅速に本体部にヒレ部を備え付ける必要があるカプセル型内視鏡に対して、非常に有効となる。
図14は、実施の形態1または2に係るカプセル型内視鏡の他の変形例を示す斜視図である。
実施の形態2では、浮き31を備え付けたカプセル型内視鏡37を全て覆うようにプラスチック製の外殻35を備える構成であったが、本発明はこれに限らず、図14で示すように、体液で溶解する薄膜39で、ヒレ38を折り畳んだカプセル型内視鏡37を包み込む構成であってもよい。また、薄膜39は、オブラート、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースであることが好ましい。また、浮き31を備えない実施の形態1におけるカプセル型内視鏡4を、ヒレ13を折り畳んで、薄膜39で覆う構成であってもよい。
上記構成によれば、ヒレ38を折り畳んだ状態で、薄膜39でカプセル型内視鏡37を包んでいるため、被試験者がカプセル型内視鏡37を溜飲する際には、ヒレ38が露出せず、被試験者のカプセル型内視鏡37の溜飲が容易となる。また、溜飲後、カプセル型内視鏡37を、検査したい所望の位置まで移動させる間に、ヒレ38が消化器の体内壁に損傷を与えることを防ぐことができる。また、所望の位置に到達すると、オブラート等の薄膜39が溶けて、折り畳まれていたヒレ38が露出し、振動するため、カプセル型内視鏡37はヒレ38の振動によって推進する。また、オブラート等の薄膜39の溶解時間が、カプセル型内視鏡37の溜飲後、検査所望位置までに到達する時間に相当するように、薄膜39を選択することがより好ましい。
実施の形態1および2におけるヒレ部15・32の振動方向から見たヒレ部15・32の形状は、図7(a)に示すように台形形状であるが、本発明はこれに限られず、図7(b)に示すように、図7(a)の台形形状における先端部(ヒレ先端部)の角が丸まった形状であってもよい。また、図7(c)に示すように、全体的に丸みを帯びた形状であってもよい。
上記構成によれば、ヒレ部15・32の先端部の角が、尖った形状でなく、丸みを帯びた形状であるため、ヒレ部15・32が、振動する際に体内壁を傷つけるおそれを低減することができる。
実施の形態1および2におけるカプセル型内視鏡4・37は、本体部12・30に磁石を有する構成であるが、本発明はこれに限らず、ヒレ13・38におけるヒレ部15・32の内部に磁石を有する構成であってもよい。
この場合の、実施の形態1におけるカプセル型内視鏡4の動作について、図3を用いて簡単に説明すると以下のとおりである。
図3に示すように、制御装置2は、操作する者の指示に従って、電圧波形を作成し、作成した波形を電力増幅器5に出力する。電力増幅器5は、増幅した電圧波形を電磁石6に出力し、電磁石6のコイル11に電流が流れる。コイル11に交流電流が流れると、電磁石6は交流磁場を発生し、発生した磁場は、被試験者が溜飲したカプセル型内視鏡4のヒレ部15に内蔵された磁石に与えられる。ヒレ部15の内部の磁石が、交流磁場を受けることによって、ヒレ13が振動し、カプセル型内視鏡4は推進力を得る。このように、カプセル型内視鏡4は、ヒレ13の振動によって、被試験者の体内の体液中を泳動する。
上記構成によれば、外部から与える交流磁場を制御することによって、ヒレ13・38の振動を容易に制御することができる。
また、撮像装置20を備える本体部12・30が内部に磁石を有するとき、外部からの交流磁場発生装置により、本体部12・30の振動が制御されるが、本体部12・30が高速振動となるように制御されると、撮像装置20で体内を撮像する際にぶれてしまい、好ましくない。しかしながら、上記構成によれば、主にヒレ部15・38の振動を制御することができるため、ヒレ13・38を高速振動となるように制御しても、本体部12・30の振動はゆるやかであり、カメラがぶれるのを低減することができる。
すなわち、ヒレ13・38の振動を制御するだけで、カプセル型内視鏡4・37を推進させることができるため、実施の形態1および2等の本体部12・30が磁石を有する場合に比べて、進行時の本体部12・30の振動を小さくすることができる。このように、撮像装置20を有する本体部12・30の振動を小さくすると、撮像装置20で体内を撮影する際に弊害となるぶれを低減することができるようになる。
また、本発明におけるカプセル型内視鏡4・37が、ヒレ13・38におけるヒレ部15・32の内部に磁石を有する構成の場合、交流磁場発生装置3のコイル11に交流電流を発生させる電圧波形の周波数であって、カプセル型内視鏡4・37の前進、停滞、後進運動を切換える周波数(限界周波数)が、ヒレ部15の形状および材質と、関節部14の形状および材質と、本体部12の形状および材質との組み合わせによって定められることが好ましい。
具体的には、上記限界周波数とは、関節部14・34の形状および材質の条件下において印加する電圧波形の周波数に対する、ヒレ部15・32の形状・材質の条件における液体中の振動振幅と、本体部12・30と浮き31とをあわせた形状・重量の条件における同じ液体中の振動振幅とがほぼ等しくなるときの周波数である。
例えば、ステンレス鋼製で円筒コイルバネ形状の関節部34と、台形形状でシリコンから成るヒレ部32と、全長が約26mm、直径が約11mmであり、浮き31を含む全重量が約4gの本体部30とを組み合わせたときの、水中における上記限界周波数は、浮き31が図8のように備えられた場合では約10〜11Hz、図9のように備えられた場合では約13〜14Hzである。
上記構成によれば、前記ヒレ部の形状および材質と、前記関節部の形状および材質と、前記本体部の形状および材質との組み合わせにより前進、停滞、後進運動を切換える限界周波数が定められる。すなわち、各カプセル型内視鏡は個々に前進、停滞、後進運動を切換える限界周波数を有する。
このことより、交流磁場発生装置3に印加する電圧の電圧波形を、上記限界周波数よりも高い周波数、低い周波数、同一の周波数に切換えることによって、カプセル型内視鏡4・37の進行運動を切換えることができるため、容易にカプセル型内視鏡4・37の進行運動を制御することができる。
また、実施の形態1および2におけるヒレ部15・32は、ヒレ13・38が、関節部14・34の関節部中心軸と、ヒレ部15・32のヒレ中心軸と、カプセル型内視鏡4・37の中心軸とが一致するように、ヒレ13・38が本体部12・30に連結されているが、本発明はこれに限られない。例えば、一致する関節部中心軸とヒレ中心軸とを、0°から90°以内の範囲内の角度分だけ、液体の底方向(第2の方向)に、カプセル型内視鏡4・37の中心軸に対してずらして備えてもよい。
上記構成によれば、カプセル型内視鏡4・37の中心軸に対してずらした分だけ、該中心軸よりずらした方向側に重力がかかるため、カプセル型内視鏡4・37の中心軸に対してずらした方向が液面側と逆側の底方向になるため、ヒレ13・38を常に液中に存在させることができるようになる。その結果、ヒレ13.38が液外に露出したことにより、カプセル型内視鏡の推進力が低下するというおそれが低減される。
また、実施の形態1および2における関節部14・34は、金属製またはプラスチック製のコイルバネから成るものであるが、本発明における関節部はこれに限らず、単にヒンジであってもよい。
上記構成によれば、コイルバネを用いる場合に比べて、カプセル型内視鏡4・37の進行方向に対する関節部の長さを小さくすることが可能となるため、カプセル型内視鏡4・37全体の小型化を図ることができる。
本発明に係る生体内泳動装置用ヒレは、医療分野における医療検査や治療、特に体内検査や体液採取で用いられる飲用カプセル型の医療装置に適用することができる。
本発明における生体内泳動装置の実施の一形態を示す外観図である。 上記生体内泳動装置を用いた医療システムの概略を示す構成図である。 上記医療システムにおける交流磁場発生装置の概要を示す構成図である。 (a)は上記交流磁場発生装置における鉄心の、ガイドレールが延びる方向から見た断面図であり、(b)はガイドレールが延びる方向から見た他の鉄心の断面図であり、(c)は電磁石の構成を示す斜視図であり、(d)は交流磁場発生装置の全体構成を示す図であり、(e)はガイドレールが設けられている面において、該ガードレールが伸びる方向に対して垂直な方向から見た鉄心の断面図である。 小型の魚型ロボットにおける推進方法の一例を示した図である。 上記生体内泳動装置の概略を示す構成図である。 (a)は本発明における生体内泳動装置用ヒレのヒレ部を示す図であり、(b)は(a)のヒレ部の変形例を示す図であり、(c)は(a)のヒレ部の他の変形例を示す図である。 上記生体内泳動装置の他の実施の形態を示す外観図、および該生体内泳動装置の推進方向における側面図である。 上記生体内泳動装置のさらに他の実施の形態を示す外観図である。 上記生体内泳動装置に、さらに外殻を備える様子を示す斜視図である。 上記外殻内に水が流れ込む様子を示す説明図である。 (a)は上記外殻に設けられた開口部を示す図であり、(b)は(a)の開口部の変形例を示す図であり、(c)は(a)の開口部のさらなる変形例を示す図であり、(d)は上記外殻を備える上記生体内泳動装置の縦断面である。 上記生体内泳動装置のさらに他の実施の形態を示す斜視図である。 上記生体内泳動装置のさらに他の実施の形態を示す斜視図である。 小型の魚型ロボットの一例を示す写真である。 従来の交流磁場発生装置の概略構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 医療システム
2 制御装置
3 交流磁場発生装置
4,37 カプセル型内視鏡(生体内泳動装置)
5 電力増幅器
6 電磁石
7 検査台
8 リフト
9 ガイドレール
10 鉄心
11 コイル
12,30 本体部
13,38 ヒレ(生体内泳動装置用ヒレ)
14,34 関節部(関節部)
15,32 ヒレ部(ヒレ部)
16 台座
31 浮き
33 熱収縮チューブ
35 外殻(カバー部)
36 指サック(サック)
39 オブラート

Claims (15)

  1. ヒレ部と、
    生体内を泳動する生体内泳動装置における本体部に、前記ヒレ部を可動に接続する関節部とを備え、
    前記関節部が振動することによって生じる前記ヒレ部の振動で、前記生体内泳動装置を泳動させる生体内泳動装置用ヒレであって、
    前記ヒレ部は、前記関節部よりもヤング率の大きい、または、曲げ剛性の高い物質から成ることを特徴とする生体内泳動装置用ヒレ。
  2. 前記関節部の曲げを最も許容する曲げ方向としての第1の方向における、前記ヒレ部の厚みが、前記関節部と接続する側に向かうにつれて大きくなることを特徴とする請求項1に記載の生体内泳動装置用ヒレ。
  3. 前記ヒレ部における前記関節部と接続する側とは反対側の端部であるヒレ先端部の形状が、丸みを帯びていることを特徴とする請求項1または2に記載の生体内泳動装置用ヒレ。
  4. 前記ヒレ部が、磁石を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体内泳動装置用ヒレ。
  5. 生体内泳動装置の本体部に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体内泳動装置用ヒレを備え、該生体内泳動装置用ヒレによって推進する生体内泳動装置。
  6. 前記生体内泳動装置用ヒレは、
    前記本体部の重心を通り、かつ、前記生体内泳動装置の推進方向に延びる中心軸に対して、
    前記ヒレ部の前記第1の方向に沿って切断した断面において、前記第1の方向と直交する方向としての第2の方向にずれていることを特徴とする請求項5に記載の生体内泳動装置。
  7. プラスチックよりもヤング率の小さい天然ゴムまたは合成ゴムで構成され、かつ、凹部を有するサックをさらに備え、
    前記生体内泳動装置用ヒレにおける、前記ヒレ部が接続されていない側の前記関節部を、前記サックの凹部の裏側に連結し、該サックの凹部に前記本体部の一部の領域を含むように、前記サックと前記本体部とを接合することを特徴とする請求項5または6に記載の生体内泳動装置。
  8. 体液よりも密度の小さい浮きをさらに備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の生体内泳動装置。
  9. 熱によって口径が収縮する熱収縮チューブをさらに備え、
    前記浮きを、前記熱収縮チューブの内壁と、前記本体部との間に備えることを特徴とする請求項8に記載の生体内泳動装置。
  10. 少なくとも前記ヒレ部の一部の領域を覆うカバー部をさらに備えることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の生体内泳動装置。
  11. 前記カバー部は、少なくとも1つの開口部を有し、
    該開口部が、前記生体内泳動装置全体を覆う前記カバー部における、前記関節部と前記本体部とが接合する部分と対向する領域、若しくは、該対向する領域よりも生体内泳動装置の進行方向側の領域に設けられることを特徴とする請求項10に記載の生体内泳動装置。
  12. 前記カバー部は、体液で溶解する薄膜であることを特徴とする請求項10に記載の生体内泳動装置。
  13. コイルが巻かれた芯状部と、該芯状部の両端から互いに平行となるように立ち上がる2つの側面部とから構成される鉄心の前記芯状部および前記側面部が、隣り合う鉄心の前記芯状部および前記側面部とそれぞれ接するように、前記鉄心が複数束ねられてなる電磁石を備え、
    前記コイルに交流電流を流すことにより、前記2つの側面部の端部にそれぞれ磁極が形成され、該磁極間に交流磁場が発生し、請求項5〜12のいずれか1項に記載の生体内泳動装置に該発生した磁場を与える交流磁場発生装置であって、
    前記鉄心を束ねる方向に前記電磁石が移動可能であるとともに、
    前記側面部が立ち上がる方向に前記電磁石が移動可能であることを特徴とする交流磁場発生装置。
  14. 請求項6〜12に記載の生体内泳動装置と、請求項13に記載の交流磁場発生装置と、該生体内泳動装置および該交流磁場発生装置を制御する制御装置とからなる医療システム。
  15. 請求項4に記載の生体内泳動装置用ヒレが本体部に連結された生体内泳動装置と、請求項13に記載の交流磁場発生装置と、該生体内泳動装置および該交流磁場発生装置を制御する制御装置とからなる医療システムであって、
    前記交流磁場発生装置のコイルに交流電流を発生させ、前記生体内泳動装置の前進、停滞、後進運動を切換える電圧の周波数が、
    前記ヒレ部の形状および材質と、前記関節部の形状および材質と、前記本体部の形状および材質との組み合わせによって定められることを特徴とする医療システム。
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