実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の内部には、流路切替ソレノイド72Bで駆動される経路切替部材72Aが設けられている。可変入賞球装置20の下方には、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12を形成する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口11に入った入賞球は第1始動口スイッチ11aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15が開状態になることによって入賞可能になる第2始動入賞口12に入った入賞球は第2始動口スイッチ12aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口11と第2始動入賞口12とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口11,12と表すことがある。また、第1始動口スイッチ11aと第2始動口スイッチ12aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ11a,12aと表すことがある。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。なお、大入賞口の内部には特定入賞領域(V入賞領域)が形成され、V入賞領域を通過した遊技球は、V入賞スイッチ22で検出される。遊技球がV入賞領域を通過することを条件に、大当り遊技状態における次のラウンドが開始される(最終ラウンドの場合を除く。)。また、この実施の形態では、V入賞領域を通過した遊技球も、カウントスイッチ23で検出される。以下、可変入賞球装置20による大入賞口を第2大入賞口といい、開閉板16による大入賞口を第1大入賞口ということがある。第1大入賞口と第2大入賞口とを「大入賞口」と総称することがある。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合には、小当りに決定されたときには、可変入賞球装置20が2回または3回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放扉76Aが初期位置から左方向に移動し、右側の開放扉76Bが初期位置から右方向に移動することによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが初期位置に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチで入賞検出され、小当りとすることの決定されたことに応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態(または、小当り遊技状態)という。以下、可変入賞球装置20を、大入賞口または役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
始動動作状態において、大当り遊技の開始条件(例えば、始動動作状態において遊技球が特別領域に入賞したこと。)が成立すると、開閉板16(または、可変入賞球装置20)所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。その状態を第2大当り遊技状態(特定遊技状態のうちの第2特定遊技状態)という。第2大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。
また、遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合には、大当りに決定されたときには、可変入賞球装置20が5回開閉制御される。その後、開閉板16が、所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。可変入賞球装置20が5回開閉制御される状態と、その後に開閉板16が所定回数開閉制御される状態とを合わせて、第1大当り遊技状態(特定遊技状態のうちの第1特定遊技状態)という。第1大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。以下、第1大当り遊技状態において、可変入賞球装置20が5回開閉制御される状態を第1ラウンドとする。なお、第1大当り遊技状態のラウンド数は、第2大当り遊技状態のラウンド数よりも多い。また、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とを大当り遊技状態と総称することがある。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の上方には、始動入賞口に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口11,12に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、後述するように、演出表示装置9でも始動記憶数が表示されるので、特別図柄始動記憶表示器18を設けなくてもよい。
可変入賞球装置20の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。遊技領域7に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13である。普通図柄表示器10の上方には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、開閉板16の右方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、開閉板16の左方には入賞口(普通入賞口)29および入賞口(普通入賞口)39が設けられている。入賞口29,38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,38a,39aによって検出される。入賞口29,38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口(第1大入賞口および第2大入賞口)の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が始動入賞口に入り始動口スイッチで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「3」、「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、小当り図柄(例えば、「3」、「7」以外の数字)である場合には、始動動作状態に移行する。はずれ図柄(例えば、「−」)である場合には、大当り遊技状態にも移行せず、始動動作状態にも移行しない。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
次に、可変入賞球装置20について、図2〜図10を参照して説明する。図2および図3は、遊技盤6に設けられている可変入賞球装置20を正面からみた正面図である。図4は、可変入賞球装置20内の球通路を示す斜視図である。図5は、通過口71から左側の球通路を通って特別領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図6は、通過口71から右側の球通路を通る経路を示す斜視図である。図7(A)、図8(A)および図9は、可変入賞球装置20の下部を上側から見た上面図であり、図7(B)および図8(B)は、可変入賞球装置20の下部を正面側から見た正面図である。図9には、特定入賞口66の直上に設けられている回転体(円盤)86も示されている。図10は、回転体86を上側から見た上面図である。なお、図3、図5〜図9において、矢印は遊技球の進路を示す。
可変入賞球装置(役物)20は、開放ソレノイド75の駆動によって開放扉76A,76Bが開放状態になると、遊技球が進入可能な状態になる。役物20に進入した遊技球は、通過口71を通過して、役物20における下部側に流下する。通過口71を通過した遊技球は、役物入賞スイッチ71(役物20に進入した遊技球を検出して検出信号を出力する進入検出手段の一例)で検出される。なお、図2には、1つの開放ソレノイド75が示されているが、実際には、開放扉76A,76Bのそれぞれを駆動するソレノイドが設けられている。また、開放ソレノイド75に代えてモータを用いてもよい。
開放扉76A,76Bが開放するということは役物20が開放状態になるということであり、開放扉76A,76Bが閉鎖するということは役物20が閉鎖状態になるということである。また、開放扉76Aと開放扉76Bとは、対称状態で移動する。対称状態で移動するとは、中心(中央の通過口71の中心軸)から開放扉76Aの端部(中央の通過口71寄りの端部)までの距離と、中心から開放扉76Bの端部(中央の通過口71寄りの端部)までの距離とが常に同じであることを意味する。
通過口71を通過した遊技球は、図4に示す誘導経路71Aと誘導経路73Aのうちのいずれかに進入する。いずれに進入するかは、経路切替部材72Aの位置で決まる。経路切替部材72Aは、流路切替ソレノイド72Bによって、遊技球の誘導経路73Aへの進入を阻止して誘導経路71Aに進入させる位置と、遊技球の誘導経路71Aへの進入を阻止して誘導経路73Aに進入させる位置とのうちのいずれかの位置に設定される。なお、図4(A)は、経路切替部材72Aが遊技球を誘導経路71Aに進入させる位置に設定されている状態を示し、図4(B)は、経路切替部材72Aが遊技球を誘導経路73Aに進入させる位置に設定されている状態を示す。
役物20の左右両側には、可動部材77,78が設けられている。可動部材77において動く部分は可動部77Aであり、可動部材78において動く部分は可動部78Aである。可動部77Aは可動部駆動ソレノイド77Bによって動かされ、可動部78Aは可動部駆動ソレノイド78Bによって動かされる。可動部77Aおよび可動部78Aは、それぞれ、上下方向に動く。役物20における最下部に設けられている特別領域を形成する特定入賞口66に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ66aで検出される。なお、遊技球が特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出されたことをV入賞ともいう。
誘導経路71A(図5において図示せず)を通る遊技球は、図5(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路71Bを通って、特別領域に到達することが可能である。通路71Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になり、開放部の始まり部分に、通路71Bに繋がり特別領域に到達不能な通路であるはずれ通路71Cが設けられている。図5(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路71Bの開放部の始まり部分において通路71Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球をはずれ通路71Cに導く。図5(A)に示すように、可動部77Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部77Aに阻止されず、可動部77Aが設けられている位置から通路71Bの下流側に流下する。
誘導経路73A(図6において図示せず)を通る遊技球は、図6(A)に示すように、可動部78Aが上側に移動した場合には、通路73Bを通って、途中穴74に到達することが可能である。途中穴74に到達した遊技球は、遊技機の裏面において、役物排出スイッチ85aに向かって流下する(図7(B)参照)。
図7(A)に示すように、はずれ通路71Cを通らずに、さらに通路71Bに導かれた遊技球は、特別領域の側に流下する。図7(B)に示すように、特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球も、役物排出スイッチ85aで検出される。つまり、この実施の形態では、役物20に進入した全ての遊技球は、役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞した遊技球は役物排出スイッチ85aで検出されず、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球のみが役物排出スイッチ85aで検出されるように、球経路を構成してもよい。その場合には、特定領域スイッチ66aで検出された遊技球の数と役物排出スイッチ85aで検出された遊技球の数との和が、役物20から排出された遊技球の数になる。
図8(A),(B)に示すように、はずれ通路71Cを通った遊技球は、特定入賞口66の直上の近傍に形成されているはずれ口67から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。
また、図10に示すように、回転体86の表面には複数の凹部86Cが形成され、回転体86の一部には、切り欠き部86Aが設けられている。図10に示す例では、7個の凹部86Cが設けられている。通路71Bを通過した遊技球は回転体86に至るが、回転体86の切り欠き部86Aのみから、特定入賞口66に入賞可能である。回転体86における枠領域(ドーナツ部)の表面に形成されている凹部86Cに入った遊技球は、回転体86によって移動され、はずれ口69(図8(A)参照)から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。なお、凹部86Cは底面を有していない連通穴である。よって、凹部86Cに入った遊技球は下部に落下可能であるが、遊技球が入った凹部86Cがはずれ口69の位置に来るまでの間、回転体86の裏面の構造物によって落下は阻止されている。また、凹部86Cの内壁部によって、凹部86Cから特定入賞口66に向かって落下することも阻止されている。なお、1つの凹部86Cとそれに隣接する凹部86Cとの間(以下、平面部86Bという。)は平面状になっているので、そこから遊技球が下部に落下することはない。
回転体86は、回転体駆動モータ87(図10参照)の駆動によって回転(この例では、時計回りと反時計回りとを切替える)する。回転体86の回転中に、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置したときに回転体86に到達した遊技球は、直ちに特定入賞口66に入賞可能である。また、回転体86におけるドーナツ部の内側の領域(内部領域)は、平面状に形成された領域である。
また、図10に示すように、回転体86の近傍には、位置検出のための複数(この例では2つ)センサが設けられている。各センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86には穴部87cが設けられている。穴部87cは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、回転体86が回転して、穴部を含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、各センサにおける受光素子を、以下、第1位置センサ87aおよび第2位置センサ87bという。
なお、この実施の形態では、始動動作状態において、および、第1大当り遊技の第1ラウンドにおいて、遊技球が役物入賞スイッチ71aで検出された場合に入賞が生じたとする。すなわち、役物入賞スイッチ71aが設けられている領域が入賞領域に相当する。しかし、役物20の内部において役物入賞スイッチとは別に遊技球を検出するスイッチを設け、遊技球がそのスイッチで検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。
図11は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図11に示すように、始動入賞口11,12に遊技球が入賞していずれかの始動口スイッチ11a,12aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。そして、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および飾り図柄の変動が変動が終了すると、抽選の結果、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。大当り遊技状態では、第1ラウンドにおいて役物20が開閉制御され、次いで、開閉板16による大入賞口(第1大入賞口)が15回(15ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は16(役物20が開閉制御されるラウンドも含む。)で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、7ラウンド、16ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、0.7秒間開放状態になる。開放状態になる回数(開放回数)は、2回または3回である。始動動作状態において、遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66に入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。また、抽選の結果がはずれである場合には、変動終了後、役物20は開放しない。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態では、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開閉制御される状態と、第1大入賞口が開閉制御されるラウンドと第2大入賞口が開閉制御されるラウンドとが混在する状態とがある。
始動入賞が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われるが、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物20が開放(開放扉開放)し小当り遊技が開始される。なお、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置9において表示演出として飾り図柄の変動が行われる。なお、同期とは、変動開始および変動終了のタイミングが同じであることを意味する。
図12は、始動動作状態(小当り遊技状態)および第1大当り遊技状態の第1ラウンドにおける役物20の開閉状態を示す説明図である。図12(A),(B)に示すように、始動動作状態では、役物20は2回または3回開放状態に制御される。図12(C)に示すように、第1大当り遊技状態の第1ラウンドでは、役物20は5回開放状態に制御される。なお、始動動作状態における2回または3回、および第1大当り遊技状態の第1ラウンドにおける5回は一例である。
また、この実施の形態では、始動動作状態および第1大当り遊技状態の第1ラウンドにおける役物20の開放時間は一定(例えば、0.7秒)であるが、開放時間を変えるようにしてもよい。例えば、2回のうちの一方の時間を他方よりも長くしたり、3回のうちのいずれか1回または2回の開放時間を他よりも長くするようにしてもよい。
図13は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図13には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、役物入賞スイッチ71a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ29a,38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1位置センサ87aおよび第2位置センサ87bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド15a、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、開閉扉76A,76Bを開閉させる開放ソレノイド75、可動部77A,78Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77B,78B、経路切替部材72Aを駆動する流路切替ソレノイド72B、および回転体駆動モータ87を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図14は、中継基板177、演出制御基板80、LEDドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図14に示す例では、LEDドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、LEDドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図14には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図13に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板177側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してLEDドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
LEDドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とLEDドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図15は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図16に示すステップS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58およびI/Oポート部7における入力ポートを介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、役物入賞スイッチ71a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ29a,38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1位置センサ87aおよび第2位置センサ87bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。なお、ステップS21の処理では、入力ポートを介して入力した各スイッチの状態(検出信号の状態)を示すデータをRAM55におけるスイッチバッファに設定する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS34,S35で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合等に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図17は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(2)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(3)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(4)ランダム5:普通図柄の停止図柄を決定する(普通図柄決定用)
なお、大当りにするのか小当りにするのかを決定するための大当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、大当り判定用乱数を、ランダム1またはランダムRということがある。また、(1)〜(4)の乱数をソフトウェア乱数ということがある。
図16に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、普通図柄当り判定用乱数が判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外のソフトウェア乱数も用いてもよい。
また、この実施の形態では、ハードウェア乱数であるランダム1(ランダムR)によって大当りまたは小当りとすることに決定することによって、特別図柄の停止図柄も決定されることになる。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8、大入賞口(役物20および開閉板16による大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ29a,38a,39a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ29a,38a,39a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域(ポート出力用RAM領域)におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:ソレノイド出力処理)。
また、役物20内に設けられている回転体86の位置を初期位置に設定するための処理である初期位置制御処理を実行する(ステップS33)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S35(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図18は、特別図柄の停止図柄と判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図18には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜598であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である599個ある。また、599個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する大当り、小当りまたははずれとすることに決定する。なお、小当り遊技(始動動作状態に相当。)においてV入賞が生ずると第2大当り遊技が開始されるので、大当りまたは小当りとすることに決定するということは、実質的に、第1大当りとするか第2大当りとするのかを決定するということでもある。また、図18に示すような特別図柄の停止図柄と判定値との関係は、ROM54にテーブルとして格納されている。すなわち、特別図柄の種類に対応させて各々の判定値が設定されたテーブルがROM54に格納されている。
なお、大当りには、通常大当りと確変大当りとがある。いずれの場合も、特別図柄の変動が終了したら、始動動作状態を経ず、直接、16ラウンドの大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行するが、確変大当りの場合には、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行する。
図18に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当りがある。小当りには、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りと、始動動作状態において役物20を3回開放する小当りとがある。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している。また、始動動作状態における役物20の開放時間を変えるように構成する場合には、小当り遊技状態の種類がさらに増え、遊技のバリエーションを増やすことができる。また、小当り遊技においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。
また、図18に示すように、この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときには、通常状態(非確変状態)に比べて、大当りに対応する判定値の数が多い。すなわち、大当りになる確率が高められている。
図19は、変動パターンと判定値との関係の一例を示す説明図である。図19に示すように、この実施の形態では、変動時間が3〜6秒のいずれかである変動パターン#1〜#4がある。ただし、図19には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。判定値の総数は、変動パターン決定用乱数が取り得る数である150個ある。また、150個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、変動パターン決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を変動パターン決定用乱数とするのであるが、変動パターン決定用乱数値に一致する判定値に対応する変動パターンを使用することに決定する。すなわち、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動時間を選択する。
図20および図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口(第1大入賞口および第2大入賞口)を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(第1始動口スイッチ11aまたは第2始動口スイッチ12a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第1ラウンド前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物20を閉鎖状態にする。そして、役物開放の開放回数が、決定されている開放回数(この実施の形態では2回または3回)に達していなければ、再び役物20を開放状態にする。役物開放の開放回数が、決定されている開放回数に達している場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS309)に対応した値(この例では9)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
第1ラウンド前処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当り遊技の第1ラウンドを開始するための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、第1ラウンド中処理(ステップS308)に応じた値(この例では8)に更新する。
第1ラウンド中処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。役物開放時間が経過したか否か確認する。役物開放時間が経過した場合には、役物20を閉鎖状態にする。そして、役物開放の開放回数が、開放回数(この実施の形態では5回)に達していなければ、再び役物20を開放状態にする。役物開放の開放回数が、決定されている開放回数に達している場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS309)に対応した値(この例では9)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。第2大入賞口(すなわち役物20)または第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS310)に応じた値(この例では10)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第2大当り遊技の第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。第1大当り遊技の場合には、第1ラウンド前処理が大当り遊技を開始する処理に相当する。
大入賞口開放中処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS311)に応じた値(この例では11)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2大入賞口を開放したラウンドについて大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行う。全ての遊技球が排出され(第2大入賞口を開放した場合)、かつ、まだ残りラウンドがあって大当り遊技の継続条件(V入賞があったこと)が成立している場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS309)に対応した値(この例では9)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合、または大当り遊技の継続条件が成立しなかった場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS312)に対応した値(この例では12)に更新する。
大当り終了処理(ステップS312):特別図柄プロセスフラグの値が12であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図22は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図23に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図23に示された極性と逆極性であってもよい。
図24は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図24に示す例において、コマンド8001(H)〜8004(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターン#1〜#4に対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8004(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8CXX(H)(XX=0〜9)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を特定可能な演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、XXとして設定されるデータは、特別図柄の停止図柄を示すデータである。小当りの種類(小当りの開放回数と、V入賞後の大当り遊技のラウンド数)が特定できれば、表示結果指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を示すデータでなくてもよい。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、小当り遊技(始動動作状態)の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態になったことを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態から通常状態(非確変状態)に戻ったことを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、第1大入賞口(下アタッカー)への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第1異常入賞指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、役物(可変入賞球装置)20への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第2異常入賞指定コマンド)である。コマンドD003(H)は、回転体87に関する位置センサに異常が生じたことの報知を指示するセンサ異常報知指定コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、センサ異常報知指定コマンド
コマンドD004(H)は、第2始動入賞口(普通電動役物)15への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(始動入賞異常指定コマンド)である。
コマンドE001(H)は、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。なお、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE1XX(H)は、時短状態における特別図柄の変動可能回数(残り回数)を示す演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。なお、時短状態における特別図柄の変動に関わる演出制御コマンドとして、時短状態における特別図柄の変動の実行済み回数(演出制御コマンド送信時に実行される変動も含める。)を示す演出制御コマンドにしてもよい。この実施の形態では、時短状態とは、普通図柄の変動時間が短縮される遊技状態である。なお、遊技状態が確変状態であるときにも、普通図柄の変動時間が短縮される。
コマンドE401(H)は、役物20への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特定入賞口66への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図24に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図25は、ステップS322の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS41)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS42)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS43)。ステップ43では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム2(図17参照)の値(変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS44)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS45)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS60)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS61)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図18に例示されたテーブルの設定されている判定値)と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするか小当りとするかを決定する処理を実行するプログラムである。なお、大当りとするか小当りとするかを決定するということは、第1大当り遊技状態に移行させるか始動動作状態に移行させるか決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄(表示結果)、小当りに決定したときの役物20の開放回数、大当り遊技のラウンド数、および大当りとすることに決定した場合に確変状態に移行させるか否かも大当り判定で決定するということである。
通常大当りとすることに決定したときには(ステップS62)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS71)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS70)。また、確変大当りとすることに決定したときには(ステップS72)、CPU56は、大当りフラグおよび確変大当りフラグをセットする(ステップS73,S74)。そして、ステップS70に移行する。
小当りとすることに決定した場合には、CPU56は、小当り遊技(始動動作状態の遊技)を行うことを示す小当りフラグをセットする(ステップS63,S64)。また、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1するとともに(ステップS65,S66)、演出制御用マイクロコンピュータ100に時短回数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS68,S69)。そして、ステップS70に移行する。
図28は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS90)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS91)。変動パターンテーブルとは、図19に示されたような、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。大当り判定の判定結果に応じて異なる変動パターンテーブルを用いてもよい。大当りの場合、小当りの場合より長い変動時間になりやすくして、演出により大当りへの期待感を高める。
さらに、CPU56は、ステップS91で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に表示結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS93)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS94)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、ステップS91の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を第1ラウンド前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS134)。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットするとともに、時短フラグをリセットする(ステップS142,S143)。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS144,S146)。また、そして、役物開放前タイマに所定値を設定し(ステップS147)、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS148)。小当りフラグがセットされていない場合、すなわちはずれであった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS145)。
次に、始動動作状態、および第1大当り遊技の第1ラウンドを説明する。図31は、ROM54における始動動作状態および第1大当り遊技の第1ラウンドに関するデータが設定されているテーブルを示す説明図である。図31(A)には、役物20の開放回数が2回の場合に使用される役物開放時テーブルが示され、図31(B)には、役物20の開放回数が3回の場合に使用される役物開放時テーブルが示されている。図31(C)には、役物20の開放回数が5回の場合に使用される役物開放時テーブルが示されている。役物開放時テーブルには、開放中処理時間(役物20の開放時間と開放間の閉鎖時間との和の時間)に相当する値を示すデータと、ROM54に格納されている開放パターンテーブルの先頭アドレス(XXXX、YYYYまたはZZZZとする。)が順に設定されている。順にとは、データの格納アドレスが連続していることを意味する。
なお、この実施の形態では、役物20の開放回数が2回の場合には、役物20の開放時間は0.7秒であり、役物20の開放回数が2回の場合には、それぞれの開放時間は0.7秒であり、役物20の開放回数が5回の場合には、それぞれの開放時間は0.7秒であって、閉鎖時間は0.5秒である。また、開放中処理時間を計測するタイマの値は2ms(2m秒)毎に更新されるので、役物開放時テーブルにおいて(後述する開放パターンテーブルにおいても)、(2ms×(データの値))が時間になるようなデータが、16進数で設定されている。開放中処理時間は、役物20の開放時間と閉鎖時間との和と同じである。
図32に示すように、役物20の開放回数が2回の場合に使用される開放パターンテーブルには、順に、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、閉鎖時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))が設定されている。役物20の開放回数が3回の場合に使用される開放パターンテーブルには、順に、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、閉鎖時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))が設定されている。
図33に示すように、役物20の開放回数が5回の場合に使用される開放パターンテーブルには、順に、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す)))が設定されている。
CPU56は、開放パターンテーブルに設定されているデータに従って、始動動作状態における役物20の開閉を制御する。なお、ソレノイド出力データは、役物20を開放するための開放ソレノイド75の駆動状態を示すデータである。オンは、役物20の開放(開放ソレノイド75の駆動)を示し、オフは、役物20の閉鎖(開放ソレノイド75の駆動停止)を示す。
図34は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、始動動作状態における役物20の開放回数が2回に決定されている場合(開放パターンが開放回数2回である場合)には、役物20の開放回数が2回の場合に使用される役物開放時テーブルのアドレスをレジスタ(RAM55でもよい)に設定する(ステップS410,S411)。また、役物20の開放回数が2回に決定されていない場合(3回に決定されている場合)には、役物20の開放回数が3回の場合に使用される役物開放時テーブルのアドレスをレジスタ(RAM55でもよい)に設定する(ステップS410,S412)。なお、この実施の形態では、役物20の開放回数は、ステップS61の処理で特別図柄の停止図柄が決定されたことにもとづいて決定される(図18参照)。
そして、設定されたアドレスのデータと次のアドレスのデータ(開放中処理時間である:図31参照)を開放中処理時間タイマに設定する(ステップS413)。また、設定されているアドレスを+2し(ステップS414)、そのアドレスのデータと次のアドレスのデータ(開放パターンテーブルの先頭アドレスである:図31参照)をRAM55に形成されているポインタに設定する(ステップS415)。なお、この実施の形態では、CPU56のデータバスは8ビット(1バイト)である。ステップS413の処理で2バイトのデータを扱うので、ステップS414の処理でアドレスは+2される。
次いで、ポインタが指すアドレスのデータをロードする(ステップS416)。ここでは、1バイトのソレノイド出力データ(=01(オンを示す))がロードされる(図32参照)。CPU56は、ロードしたデータをポート出力用RAM領域にセットする(ステップS417)。なお、図16に示されたソレノイド出力処理(ステップS32)において、ポート出力用RAM領域にセットされたデータにもとづいて開放ソレノイド75が駆動され、役物20が開放する。そして、ポインタの値を+1する(ステップS418)。ポインタの値は、開放パターンテーブルにおける2番目のデータが格納されているアドレスになる。すなわち、ポインタは、開放パターンテーブルにおける2番目のデータが格納されているアドレスを指すことになる。
さらに、CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータと次のアドレスのデータとをロードする(ステップS419)。ここでは、開放時間を示す2バイトのデータがロードされる(図32参照)。そして、ロードしたデータを、開放時間または閉鎖時間を計測するためのオン時間/オフ時間タイマに設定する(ステップS421)。CPU56は、ポインタの値を+2しておく(ステップS422)。よって、ポインタは、開放パターンテーブルにおける3番目のデータが格納されているアドレスを指すことになる。
次いで、CPU56は、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS423)、役物20の開放制御を開始したことを示す役物開放開始フラグをセットする(ステップS424)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS425)。
図35および図36は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、開放中処理時間タイマが既にタイムアウトしている(値が0になっている)か否か確認する(ステップS430)。タイムアウトしていれば、ステップS451に移行する。
開放中処理時間タイマがタイムアウトしていない場合には、開放中処理時間タイマの値を−1する(ステップS431A)。また、オン時間/オフ時間タイマの値を−1する(ステップS431B)。そして、CPU56は、オン時間/オフ時間タイマがタイムアウトした(値が0になった)か否か確認する(ステップS432)。タイムアウトしていれば、ステップS442に移行する。
オン時間/オフ時間タイマがタイムアウトしていない場合には、回転体・可動部制御を実行する(ステップS433)。また、役物入賞スイッチ71aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS434)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS435)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS436)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS437)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS438)。
また、遊技球が特定入賞口66に進入したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS439)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS440)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS441)。
ステップS442では、CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータをロードする。そして、ロードしたデータをポート出力用RAM領域にセットする(ステップS443)。上記のように、図16に示されたソレノイド出力処理(ステップS32)において、ポート出力用RAM領域にセットされたデータにもとづいて開放ソレノイド75が駆動され、役物20が開放または閉鎖する。
ロードしたデータはソレノイド出力データ(=00(オフを示す))またはソレノイド出力データ(=01(オンを示す))になる。例えば、始動動作状態における役物20の開放回数が2回に決定されている場合、役物開放中処理において、最初にステップS442の処理が実行されるときには、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))であり、2回目にステップS442の処理が実行されるときには、2回目の開放に対応するソレノイド出力データ(=01(オンを示す))であり、3回目にステップS442の処理が実行されるときには、2回目の開放に対応するソレノイド出力データ(=00(オフを示す))である。
次いで、CPU56は、ポインタの値を+1し(ステップS444)、ポインタが指すアドレスのデータと次のアドレスのデータとをロードする(ステップS445)。ロードしたデータが0000(終了コード:図32参照)であれば(ステップS446)、入賞監視タイマに入賞監視時間に相当する値を設定する(ステップS447)。なお、ロードしたデータが0000であるときは、開放中処理時間が経過したときである。
ロードしたデータが0000でなければ、ロードしたデータを、開放時間または閉鎖時間を計測するためのオン時間/オフ時間タイマに設定する(ステップS448)。そして、CPU56は、ポインタの値を+2しておく(ステップS449)。
ステップS451では、CPU56は、入賞監視タイマがタイムアウトしている(値が0になっている)か否か確認する。入賞監視タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞監視タイマの値を−1し(ステップS452)、ステップS434に移行する。
入賞監視タイマがタイムアウトしている場合には、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS453)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS437に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS454)。
なお、この実施の形態では、開放中処理時間タイマがタイムアウトしてから役物内遊技球個数カウンタの値が0になるまで、すなわち役物20内の遊技球が全て排出されるまで、役物開放中処理において、役物入賞スイッチ71aの検出信号、役物排出スイッチ85aの検出信号およびV入賞スイッチ22の検出信号の確認を行っているが、開放中処理時間タイマがタイムアウトしてからのそれらの確認を、役物開放中処理以外の処理(例えば、ステップS305の役物開放中処理とステップS306の役物閉鎖後処理との間で実行される別の処理)で実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、開放中処理時間タイマがタイムアウトするまで始動動作状態が継続するが、始動動作状態において所定個の遊技球が役物20に入賞したことが検出されたときに、開放中処理時間タイマがタイムアウトしていなくても、始動動作状態を終了させるようにしてもよい。例えば、CPU56は、役物入賞スイッチ71aによって所定個の遊技球が役物20に入賞したことを確認したときに、開放中処理時間タイマの値を0にする。
また、この実施の形態では、始動動作状態では、経路切替部材72Aは、遊技球を誘導経路71Aに誘導する位置に設定され続けるが(経路切替部材72Aを、初期位置としての誘導経路71Aに誘導する位置から変化させないので)、始動動作状態において、経路切替部材72Aを、誘導経路71Aに誘導する位置と誘導経路73Aに誘導する位置とに切り替えるようにしてもよい。その場合、切替のタイミングを一定にせず、種々の種類のタイミングから選択するようにしてもよい。
図37は、回転体・可動部制御を示すフローチャートである。回転体・可動部制御において、CPUは、回転体86および可動部77A,78Aが動作中(回転体・可動部動作中)であるか否か(回転体・可動部動作中フラグがセットされているか否か)確認する(ステップS211)。動作中でなければ、役物開放開始フラグがセットされか否か確認する(ステップS212)。役物開放開始フラグがセットされていたら、役物開放開始フラグをリセットするとともに(ステップS213)、回転体86の駆動を開始する(ステップS214)。すなわち、回転体駆動モータ87を回転させる。また、可動部77Aの駆動を開始する(ステップS215)。すなわち、可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を開始する。また、回転体・可動部動作中であることを示す回転体・可動部動作中フラグをセットする(ステップS216)。また、回転体86が第1動作(図39参照)を行っていることを示す第1動作フラグをセットし(ステップS217)、回転体動作タイマに、第1動作を行っている期間に相当する0.5秒に相当する値を設定する(ステップS218)。
図38は、役物20の1回の開放における回転体86および可動部77Aの動作例を示すタイミング図である。図36に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.25秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.2秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.5秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
なお、図38には、役物20の1回の開放開放状態における可動部77Aの動作例が示されている。例えば、役物20を2回開放する場合には、役物20が開放状態になってから0.7秒間、図38に示された動作を行わせ、閉鎖状態では可動部77Aを動作状態(遊技球の通過を阻止する状態)にし、2回目の開放時から再び図38に示された動作を行わせる。役物20を3回開放する場合には、さらに、閉鎖状態にした後、3回目の開放時から再び図38に示された動作を行わせる。
よって、CPU56は、回転体・可動部動作中である場合には、可動部動作停止要求フラグがセットされていないことを条件に、回転体・可動部動作中になったときから0.25秒が経過すると、0.2秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.5秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS221,S222)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中である場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.25秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.2秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.5秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。なお、図38に示された可動部77Aの動作例は一例である。
また、可動部77Aの動きは、役物開放中処理において入賞監視タイマがタイムアウトした後、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに終了するので(図35,図36におけるステップS451,S453、図40におけるステップS458,S459、および図37におけるステップS221,S230参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに、可動部77Aが動作中であって動作時間(図38に示す例では0.25秒または0.1秒)が経過していなくても、直ちに、可動部駆動ソレノイド77Bの駆動が停止されて、可動部77Aは停止状態になる。
図39は、回転体86の動作例を示すタイミング図である。図39(A)に示すように、第1動作では、回転体86は、初期位置から180°時計回りに回転する動作と、初期位置から180°回転した位置から初期位置まで反時計回りに回転する動作とを繰り返す。また、図39(B)に示すように、第1動作では、反時計回りの回転を継続する。よって、第1動作では、第2動作と比較すると、切り欠き部86Aが特定入賞口66の上部に位置する機会が多くなる。すなわち、特定入賞口66に入賞する確率が高くなる。なお、回転体・可動部動作中になると、回転体86は、最初の0.5秒間は第1動作を行い、後の期間では第2動作を行う。
よって、CPU56は、第1動作中フラグがセットされている場合には、回転体86が180°回転したら回転方向が逆になるように回転体モータ87を駆動する(ステップS223,S224)。そして、回転体動作タイマの値を−1する(ステップS225)。回転体動作タイマの値が0になったら(タイムアウトしたら)、第1動作中フラグをリセットし(ステップS227)、回転体86反時計回りに等速回転するように回転体モータ87を駆動する(ステップS228)。なお、CPU56は、回転体86の回転方向を変化させない場合には、回転体86が回転方向を維持して回転するように回転体モータ87を駆動する。
可動部動作停止要求フラグがセットされた場合には、可動部材77における可動部77Aを初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS230)。すなわち、可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止する。また、回転体・可動部動作中フラグをリセットし(ステップS231)、初期位置設定要求フラグをセットする(ステップS232)。
なお、可動部動作停止要求フラグは、役物閉鎖後処理でセットされる。また、初期位置設定要求フラグは、ステップS33の初期位置制御処理で参照される。
図40は、役物閉鎖後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、ステップS323の初期位置制御処理で参照される可動部動作停止要求フラグをセットする(ステップS458)。また、回転体・可動部制御を実行する(ステップS459)。また、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS460)。また、小当りフラグをリセットする(ステップS461)。
そして、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS462)。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS463)、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットする(ステップS464)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、ステップS61の処理で決定された特別図柄の停止図柄に対応するラウンド数(図18参照)である。
さらに、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS465)。また、大当りフラグをセットする(ステップS466)。
そして、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS467)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS468)。
ステップS462の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS469)。
図41は、ステップS33の初期位置制御処理を示すフローチャートである。初期位置制御処理において、CPU56は、初期位置設定中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS241)。セットされている場合には、ステップS246に移行する。セットされていない場合には、初期位置設定要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS242)。セットされていない場合には、処理を終了する。セットされている場合には、初期位置設定要求フラグをリセットし(ステップS243)、回転体86を回転させるために回転体モータ87の駆動を開始する(ステップS244)。なお、既に回転体モータ87の駆動中であれば、CPU56は、駆動を継続させる。また、初期位置設定中フラグをセットする(ステップS245)。
そして、第1位置センサ87aがオン(第1位置センサ87aから検出信号が出力されること)したら、回転体86の回転を停止させるために回転体モータ87の駆動を停止する(ステップS247)。また、初期位置設定中フラグをリセットする(ステップS248)。
始動動作状態が終了したとき(具体的には、ステップS453の処理で役物内遊技球個数カウンタの値が0になったと判定されたとき)に開始されるステップS244の処理が実行されてからステップS246の判定処理で「Y」になるまでの時間は、例えば、最長で1秒である。この実施の形態では、変動時間は最短で3秒である図19参照)。また、始動動作状態が終了したときに、保留記憶にもとづいて(すなわち、始動入賞の発生にもとづいて)次の始動動作状態が開始されるまでに必ず、始動動作状態が終了した時点から3秒以上の特別図柄の変動が実行されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作状態が終了したしたときから所定時間(例えば、3秒)が経過したことを条件に、所定条件の成立(始動入賞の発生)に起因する新たな始動動作状態の制御を開始し、所定時間は、役物20を初期位置に設定するのに要する時間よりも長く設定されていることになる。
図42は、第1ラウンド前処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1ラウンド前処理において、CPU56は、役物20の開放回数が5回の場合に使用される役物開放時テーブル(図31参照)のアドレスをレジスタ(RAM55でもよい)に設定する(ステップS551)。
そして、設定されているアドレスを+2し(ステップS552)、そのアドレスのデータと次のアドレスのデータ(開放パターンテーブルの先頭アドレスである:図31参照)をRAM55に形成されているポインタに設定する(ステップS553)。なお、第1ラウンド前処理では、役物開放前処理(図34参照)とは異なり、開放中処理時間タイマの設定を行わない。役物開放前処理では、役物開放中処理において入賞監視タイマの設定タイミングを決めるために開放中処理時間タイマが用いられたが、第1ラウンド前処理では、入賞監視タイマの設定を行わないからである。ただし、第1ラウンド前処理でも、入賞監視タイマを用いて、入賞監視タイマがタイムアウトするまで、役物20に進入する遊技球および役物20から排出される遊技球を監視するようにしてもよい。その場合には、開放中処理時間タイマの設定を行い、第1ラウンド中処理において、開放中処理時間タイマがタイムアウトしたら入賞監視タイマを設定し、入賞監視タイマがタイムアウトするまで、役物20に進入する遊技球および役物20から排出される遊技球を監視する。
次いで、ポインタが指すアドレスのデータをロードする(ステップS554)。ここでは、1バイトのソレノイド出力データ(=01(オンを示す))がロードされる(図33参照)。CPU56は、ロードしたデータをポート出力用RAM領域にセットする(ステップS555)。なお、図16に示されたソレノイド出力処理(ステップS32)において、ポート出力用RAM領域にセットされたデータにもとづいて開放ソレノイド75が駆動され、役物20が開放する。そして、ポインタの値を+1する(ステップS556)。ポインタの値は、開放パターンテーブルにおける2番目のデータが格納されているアドレスになる。すなわち、ポインタは、開放パターンテーブルにおける2番目のデータが格納されているアドレスを指すことになる。
さらに、CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータと次のアドレスのデータとをロードする(ステップS560)。ここでは、開放時間を示す2バイトのデータがロードされる(図33参照)。そして、ロードしたデータを、開放時間または閉鎖時間を計測するためのオン時間/オフ時間タイマに設定する(ステップS561)。CPU56は、ポインタの値を+2しておく(ステップS562)。よって、ポインタは、開放パターンテーブルにおける3番目のデータが格納されているアドレスを指すことになる。
そして、CPU56は、可動部駆動ソレノイド78Bを駆動して、可動部材78の可動部78Aを遊技球の通過を許容する位置に動かす(ステップS568)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、第1ラウンド中処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS564)。
図43は、第1ラウンド中処理(ステップS308)を示すフローチャートである。第1ラウンド中処理において、CPU56は、オン時間/オフ時間タイマの値を−1する(ステップS571)。そして、CPU56は、オン時間/オフ時間タイマがタイムアウトした(値が0になった)か否か確認する(ステップS572)。タイムアウトしていれば、ステップS580に移行する。
オン時間/オフ時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物入賞スイッチ71aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS573)、流路切替ソレノイド72Bを駆動して遊技球を誘導経路73Aに誘導する位置に経路切替部材72Aを設定する(ステップS574)。なお、ステップS574の処理は、1回だけ実行される。すなわち、第1ラウンド中処理において、一度ステップS574の処理を実行したら、以後、ステップS573,S574の処理を実行しない。
なお、役物20を開放した後、遊技球が役物20の進入しなくても、すなわち、役物入賞スイッチ71aがオンしなくても、役物20を開放した時点から所定時間が経過すると、遊技球を誘導経路73Aに誘導する位置に経路切替部材72Aを設定するようにしてもよく、役物20を開放すると同時に、遊技球を誘導経路73Aに誘導する位置に経路切替部材72Aを設定するようにしてもよい。また、役物20を開放する前に遊技球を誘導経路73Aに誘導する位置に経路切替部材72Aを設定するようにしてもよい。その場合には、流路切替ソレノイド72Bを駆動して遊技球を誘導経路73Aに誘導する位置に経路切替部材72Aを設定する処理を、図43に示された第1ラウンド中処理において実行する(ステップS574参照)ことに代えて、図42に示された第1ラウンド前処理で実行すればよい。
ステップS580では、CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータをロードする。そして、ロードしたデータをポート出力用RAM領域にセットする(ステップS581)。ロードしたデータはソレノイド出力データ(=00(オフを示す))またはソレノイド出力データ(=01(オンを示す))になる。
次いで、CPU56は、ポインタの値を+1し(ステップS582)、ポインタが指すアドレスのデータと次のアドレスのデータとをロードする(ステップS583)。ロードしたデータが0000(終了コード:図33参照)であれば(ステップS584)、流路切替ソレノイド72Bの駆動を停止して遊技球を誘導経路71Aに導く位置(誘導経路73Aに遊技球を誘導しない位置)に経路切替部材72Aを設定する(ステップS587)。また、可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止して、可動部材78の可動部78Aを遊技球の通過を許容しない位置に戻す(ステップS588)。また、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS589)。さらに、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS590)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS591)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開始前処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS592)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、第1大当り遊技のラウンド数から第1ラウンドの分を除いた15ラウンド(15R)に相当する15である。
ステップS584の処理で、ロードしたデータが0000でないことを確認したら、CPU56は、ロードしたデータを、開放時間または閉鎖時間を計測するためのオン時間/オフ時間タイマに設定する(ステップS585)。そして、CPU56は、ポインタの値を+2しておく(ステップS586)。
図44は、大当り遊技(ここでは、第1大当り遊技における第2ラウンド以降および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放するラウンドでは、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS476,S477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS310)に対応した値に更新する(ステップS478)。また、第2大入賞口(役物20)を開放するラウンドでは、開放ソレノイド75を駆動して開放扉76A,76Bを開放状態にする(ステップS476,S479A)。また、役物20の開放制御を開始したことを示す役物開放開始フラグをセットする(ステップS479B)。また、役物20に入賞した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS479C)、ステップS478に移行する。
図45は、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを示す説明図である。CPU56は、図45に示すように、既に決定されている特別図柄の停止図柄に対応して、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを決定する。なお、第1大当りにすることに決定されている場合(この例では、特別図柄の停止図柄が「3」または「7」に決定されている場合)には、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。また、特別図柄の停止図柄が「8」または「9」である場合には、図45に示すように、小当り遊技が終了した後に実行される第2大当り遊技において、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。
図46および図47は、大入賞口開放中処理(ステップS310)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、第1大入賞口の開放中であるか否か確認する(ステップS480)。第1大入賞口を開放していたときには、ステップS481Bに移行する。
第1大入賞口を開放していないとき(第2大入賞口を開放していたとき)には、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481A)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS496に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482A)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS496に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483A)。開放時間タイマの値が0になっていたら、すなわち、開放時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS484)、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS495)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖するために開放ソレノイド75の駆動を停止する。
開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、回転体・可動部制御を実行する(ステップS485)。回転体・可動部制御は、図37に示された処理と同様である。ただし、ここでは、第2大入賞口を閉鎖して役物20から遊技球が排出されるまで、回転体86の定速回転を継続させる。また、可動部77A,78Aについては、第2大入賞口を閉鎖するまで、0.7秒ごとに、ステップS222の処理(図37参照)を繰り返す。
また、役物入賞スイッチがオンしたら、すなわち大入賞口(役物20)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS486)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1し(ステップS487)、入賞個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS488)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS489)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS490)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS491)。また、遊技球が特定入賞口66に入賞したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS492A)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS493A)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS494)。
ステップS496では、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS485に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には、可動部動作停止要求フラグをセットし(ステップS497)、回転体・可動部制御を実行した後(ステップS498)、ステップS500に移行する。
ステップS481Bでは、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS499に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482B)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS499に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483B)。また、V入賞スイッチ22がオンしたらV入賞フラグをセットする(ステップS492B,S493B)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS486B,S488B)。
ステップS499では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS500)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS311)に対応した値に更新する(ステップS501)。
なお、図46および図47に示された処理では、大入賞口開放中処理において入賞監視時間(遊技球が役物20に入った時点から、その遊技球が役物入賞スイッチ71aで検出されるまでの時間に余裕を持たせた時間)を設けなかったが、第2大入賞口を開放するラウンドについては、始動動作状態の場合(図35におけるステップS451,S452参照)と同様に入賞監視時間を設けることが好ましい。また、ステップS517の処理で設定されるラウンド前タイマの値(タイムアウトするまでの時間に相当する値)は、回転体86の位置を初期位置に設定するのに要する時間(例えば、最長1秒)よりも長いことが好ましい。そのような値を設定すれば、仮に、次ラウンドも第2大入賞口を開放するラウンドである場合でも、次ラウンドの開始時に、回転体86の位置が初期位置に戻っているからである。
図48は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS311)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS513)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS515に移行する(ステップS514)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに所定値(この例では20)をセットする(ステップS519,S520)。また、大当りフラグをリセットする(ステップS521)。確変大当りフラグがセットされている場合には(ステップS522)、確変大当りフラグをリセットし(ステップS523)、確変フラグをセットする(ステップS524)。確変大当りフラグがセットされていない場合には、確変フラグをリセットする(ステップS525)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS312)に対応した値に更新する(ステップS526)。
なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了すると、時短状態(普通図柄の変動時間が短縮される状態)になるが、その状態は、時短回数カウンタにセットされた値が示す回数の特別図柄の変動が終了するまで継続する。なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了すると常に時短状態に移行されるが、例えば、第1大当り遊技が終了したときにのみ、時短状態に移行するようにしてもよい。
ステップS515では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認し、V入賞フラグがセットされていない場合には、大当り遊技を終了させるためにステップS519に移行する。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS516)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定して(ステップS517)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS518)。
なお、この実施の形態では、V入賞フラグがセットされていることを条件に、すなわち特定入賞口66(入賞領域の一つ)に遊技球が入賞した(V入賞した)こと、および第1大入賞口内の特別領域(V入賞スイッチ22によって遊技球が検出される領域)に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することになるが、V入賞したことを条件にしなくてもよい。その場合、常に最終ラウンドまで進むようにしてもよいし、あらかじめ決められたラウンドまではV入賞したか否かにかかわらず進むようにしてもよい。
図49は、大当り終了処理(ステップS312)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS534に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS532)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS533)、処理を終了する。
ステップS534では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS535)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS536)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)を説明する。図50は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS161)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS162)を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)および普通図柄決定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS170〜S174に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ステップS170〜S174の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS170):普通図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。普通図柄プロセスフラグの値が0である状態は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が行われていない状態であって、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、普通図柄当り判定用乱数を用いて当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。また、普通図柄決定用乱数を用いて普通図柄の停止図柄を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間を設定し、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS171)に対応した値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動中処理(ステップS171):普通図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間を設定し、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS172)に対応した値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS172):普通図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物開放前処理(ステップS173):普通図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1回目の開放前であれば、開放回数カウンタに開放回数をセットし、ソレノイド15aを駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。第1回目の開放前でなければ、すなわち2回目以降の開放後であれば、閉鎖時間を計測し、閉鎖時間が経過したら、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS174):普通図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放時間を計測し、開放時間が経過したら、ソレノイド15aの駆動を停止させて普通電動役物を閉鎖する。最後の開放が終了した場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。最後の開放が終了した場合でなければ、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。
次に、賞球払出に関する処理を説明する。図51は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図51には、遊技球を検出するスイッチのうち入賞によって賞球払出を行うことになるスイッチのみが示されている。図51に示すように、入力ポート0のビット1〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ38a、入賞口スイッチ29a、第2始動口スイッチ12a、第1始動口スイッチ11aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図13に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図52は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図53は、図52に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図53に示すように、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図13に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図13では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図54は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図54に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ29a,38a,39a、第2始動口スイッチ12a、第1始動口スイッチ11a)が遊技球の入賞を検出して検出信号を出力したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ29a,38a,39aで遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23、役物入賞スイッチ71aで遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
図55は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、CPU56は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
図56は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ11aがオンしている(球検出した状態)場合には、総賞球数バッファに4を加算する(ステップS341,S342)。第2始動口スイッチ12aがオンしている場合には、普通図柄プロセスフラグの値が3であることを条件に、総賞球数バッファに4を加算する(ステップS343,S344,S345)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作しうる状態である。そのような状態では、第2始動入賞口12に遊技球が入賞する可能性がある。普通図柄プロセスフラグの値が3でないときに第2始動口スイッチ12aがオンした場合には、異常入賞が生じたとして、総賞球数バッファへの加算処理を行わない。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,38a,39aのいずれかがオンしている場合には、総賞球数バッファに10を加算する(ステップS346,S347)。カウントスイッチ23がオンしている場合には、特別通図柄プロセスフラグの値が9以上であることを条件に、総賞球数バッファに15を加算する(ステップS348,S349,S350)。特別図柄プロセスフラグの値が9以上である状態は、開閉板16が開閉動作しうる状態である。そのような状態では、第1大入賞口に遊技球が入賞しカウントスイッチ23がオンする可能性がある。特別図柄プロセスフラグの値が9以上でないときにカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞が生じたとして、総賞球数バッファへの加算処理を行わない。
また、CPU56は、役物入賞スイッチ71aがオンしている場合には、特別通図柄プロセスフラグの値が4以上であることを条件に、総賞球数バッファに15を加算する(ステップS351,S352,S353)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上である状態は、役物20が開閉動作しうる状態である。そのような状態では、役物20に遊技球が入賞し役物入賞スイッチ71aがオンする可能性がある。特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないときに役物入賞スイッチ71aがオンした場合には、異常入賞が生じたとして、総賞球数バッファへの加算処理を行わない。
なお、ここでは、CPU56が、普通図柄プロセスフラグや特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて、第2始動入賞口12、第1大入賞口および役物20についての異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に第2始動入賞口12を開放していないとき、実際に第1大入賞口を開放していないとき、および実際に役物20を開放していないとき(例えば、役物開放前処理や大入賞口開放前処理、第1大入賞口を開放しているときなどを含む)に、第2始動口スイッチ12a、カウントスイッチ23、および役物入賞スイッチ71aがオンしたことが検出された場合に、それらのスイッチがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグまたは特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、役物20は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に役物20を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に第1大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、第1大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第1大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に第1大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
また、特別図柄プロセス処理において、大当り遊技において第1大入賞口を開放することに関わる処理と第2大入賞口を開放することに関わる処理とを別にしてもよい。その場合、例えば、第2大入賞口開放前処理、第2大入賞口開放中処理、第2大入賞口閉鎖後処理、第2大当り終了処理に対応する特別図柄プロセスの値を9〜12とし、第1大入賞口開放前処理、第1大入賞口開放中処理、第1大入賞口閉鎖後処理、第1大当り終了処理に対応する特別図柄プロセスの値を13〜16として、特別図柄プロセスの値が13〜16でないときに第1大入賞口への入賞(具体的には、カウントスイッチ23がオンしたこと)を検出したら、異常入賞が生じたと判定して、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算しないように制御する。さらに、演出制御基板80に、第1異常入賞報知指定コマンド(図24参照)を送信する。また、特別図柄プロセスの値が4〜6および9〜12でないときに第2大入賞口への入賞(具体的には、役物入賞スイッチ71aがオンしたこと)を検出したら、異常入賞が生じたと判定して、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算しないように制御する。さらに、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンド(図24参照)を送信する。
なお、大当り遊技を、第2大入賞口のみ開放するような遊技としてもよい(例えば、第1大入賞口が設けられていない遊技機の場合)のであるが、その場合には、小当り遊技中または大当り遊技中でない場合(図20,図21に示す例では、特別図柄プロセスフラグの値が4〜12でない場合)に第2大入賞口への入賞を検出したら、異常入賞が生じたと判定して、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算しないように制御するとともに、演出制御基板80に第2異常入賞報知指定コマンド(図24参照)を送信する。また、大当り遊技を、第1大入賞口のみ開放するような遊技としてもよいのであるが、その場合には、役物20を開放していない場合(図20,図21に示す例では、特別図柄プロセスフラグの値が4〜8でない場合)に第2大入賞口への入賞を検出したら、異常入賞が生じたと判定して、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算しないように制御するとともに、演出制御基板80に第2異常入賞報知指定コマンド(図24参照)を送信し、大当り遊技中でない場合(図20,図21に示す例では、特別図柄プロセスフラグの値が9〜12でない場合)に第1大入賞口への入賞を検出したら、異常入賞が生じたと判定して、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算しないように制御するとともに、演出制御基板80に第1異常入賞報知指定コマンド(図24参照)を送信する。
図57は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS361)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS362)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS363)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS364)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS365)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS366)。
ステップS366の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、ステップS365の処理によって、賞球個数信号が出力される(図54参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS367)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS368)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS369,S370)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS371)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS372)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図58および図59は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS381)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図15におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS385に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS382)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS383,S384)。
次いで、CPU56は、カウントスイッチ23がオンしていることを確認した場合には、特別通図柄プロセスフラグの値が9以上でないときには、演出制御基板80に、第1異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS385,S386,S387)。特別図柄プロセスフラグの値が9以上でないときは、不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、カウントスイッチ23がオンしない状態である。そこで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が9以上でないときにカウントスイッチ23がオンした場合には異常入賞が生じたと判定する。
また、役物入賞スイッチ71aがオンしていることを確認した場合には、特別通図柄プロセスフラグの値が4以上でないときには、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS388,S389,S390)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないときは、不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、役物入賞スイッチ71aがオンしない状態である。そこで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないときに役物入賞スイッチ71aがオンした場合には異常入賞が生じたと判定する。
また、第2始動口スイッチ12aがオンしていることを確認した場合には、普通通図柄プロセスフラグの値が3でないときには、演出制御基板80に、始動異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS391,S392,S393)。普通図柄プロセスフラグの値が3でないときは、不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、第2始動口スイッチ12aがオンしない状態である。そこで、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3でないときに第2始動口スイッチ12aがオンした場合には異常入賞が生じたと判定する。
また、CPU56は、第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンしたか否か確認する(ステップS250)。すなわち、第1位置センサ87aが検出信号を出力しているとともに第2位置センサ87bが検出信号を出力している状態であるか否か確認する。第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンしている場合には、ステップS260に移行する。
第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンした状態でない場合には、CPU56は、回転体86が回転中でなければ(ステップS251)、ステップS259に移行する。回転体86が回転中であれば、位置センサ監視中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS252)。位置センサ監視中フラグがセットされている場合にはステップS256に移行する。位置センサ監視中フラグがセットされていない場合には、第1位置センサ87aがオンしたか否か確認する(ステップS253)。第1位置センサ87aがオンした場合には、センサ監視タイマに監視時間に相当する値を設定し(ステップS254)、位置センサ監視中フラグをセットする(ステップS255)。監視時間は、回転体86の回転中に第1位置センサ87aがオンしてから第2位置センサ87bがオンするまでの時間に余裕を持たせた時間である。
ステップS256では、CPU56は、センサ監視タイマの値を−1する。そして、センサ監視タイマがタイムアウトした(値が0になった)場合には、ステップS260に移行する。タイムアウトしていない場合には第2位置センサ87bがオンしたか否か確認し(ステップS258)、第2位置センサ87bがオンした場合には、位置センサ監視中フラグをリセットする(ステップS259)。
ステップS260では、CPU56は、センサ異常が生じたと判断し、演出制御用マイクロコンピュータ100にセンサ異常報知指定コマンドを送信する制御を行う。演出制御用マイクロコンピュータ100は、センサ異常報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9等の演出用装置を用いて、センサ異常が生じたことを報知する。
以上のような処理によって、大当り遊技が行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、第1異常入賞報知指定コマンドが送信される。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウントスイッチ23(特定入賞検出手段)からの検出信号を入力したか否かを判定する特定入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS586〜S588)と、特定可変入賞球装置(例えば、開閉板16による大入賞口)が開放状態に制御される可能性がある特定遊技状態(大当り遊技状態)以外の遊技状態において特定入賞判定手段が検出信号を入力したと判定すると、特定可変入賞球装置への異常入賞が生じたと判定する(ステップS385,S388参照)。
また、大当り遊技および小当り遊技が行われていない状態において役物入賞スイッチ71aがオンした場合には、第2異常入賞報知指定コマンドが送信される。さらに、ステップS381〜S383の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンするような状況は、検出信号の信号線にノイズが乗ったときに生じうるが、電波による不正行為が行われ、電波によって検出信号がオンするような状態になったときにも生じうる。
よって、第1位置センサ87aがオンしてから監視時間内に第2位置センサ87bがオンしなかった場合、および第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンした場合に報知を行うことによって、不正行為が行われた可能性を遊技機外部から認識することができるようになる。その結果、不正行為を抑止することができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図60は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図61は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図24参照)であるのか解析する。
図62〜図64は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドあれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドあれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドあれば(ステップS627)、演出表示装置9の表示画面における保留記憶数表示領域に表示される保留記憶数を1増やすように、演出表示装置9の表示状態を変更する制御を行う(ステップS628)。また、受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドあれば(ステップS629)、演出表示装置9の表示画面における時短回数表示領域に表示される時短回数を変更する制御を行う(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンド(第1異常報知指定コマンドまたは第2異常報知指定コマンド)を受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが第1異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。受信した演出制御コマンドが第2異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS647)、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。受信した演出制御コマンドが役物入賞指定コマンドであれば(ステップS649)、役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650)。受信した演出制御コマンドが始動入賞異常報知指定コマンドであれば(ステップS651)、始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドがセンサ異常報知指定コマンドであれば(ステップS661)、センサ異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS662)。受信した演出制御コマンドが演出開始指定コマンドであれば(ステップS663)、演出開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS667)。そして、ステップS611に移行する。
図65は、演出表示装置9の表示画面の例を示す説明図である。図65に示す例では、表示画面には、飾り図柄表示領域9a、演出領域9b、保留記憶数表示領域9cおよび時短回数表示領域9dがある。なお、飾り図柄表示領域9aは固定的な領域でもよいが、例えば飾り図柄の変動とともに飾り図柄表示領域9aの位置や大きさを変化させるようにしてもよい。また、演出領域9bは、例えば飾り図柄の変動中にキャラクタ画像などが表示される領域であるが、他の領域(例えば、飾り図柄表示領域9a)と重複するようにしてもよい。また、保留記憶数表示領域9cには、例えば、保留記憶数に応じた数の表示がなされ、時短回数表示領域9dには、例えば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動可能回数(残り回数)が数値で表示される。
図66は、図60に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)または大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS805)または大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。なお、大当り開始指定コマンドを受信した場合には大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。大当り開始指定コマンドを受信していない場合(小当り開始指定コマンドを受信した場合でもよい。)には小当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(ステップS805):小当り遊技中の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、小当り遊技に対応した表示演出を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図67は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様(所定時間毎の態様)を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。プロセスタイマ設定値には、その変動態様または演出態様での演出が行われる時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を表示させたり、表示演出を行う制御を実行する。
図68は、図66に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図69は、図66に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840)。また、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。ステップS841では、受信した表示結果指定コマンドが大当り図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「3」または「7」)には、左中右が揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を停止図柄として決定する。受信した表示結果指定コマンドが小当り図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「3」および「7」以外)には、「345」の飾り図柄の組合せ(小当り図柄)を停止図柄として決定する。また、受信した表示結果指定コマンドがはずれ図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「0」〜「9」以外)には、「345」以外の左中右不一致の飾り図柄の組合せ(はずれ図柄)を停止図柄として決定する。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS845A,S845B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、LEDドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS847)。
図70は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854)。また、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855A,S855B)。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS855A,S855C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS855Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図71は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS864)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出表示装置9に大当り表示(大当り遊技が開始されることを報知する表示)または小当り表示(小当り遊技が開始されることを報知する表示)をさせる(ステップS865)。そして、大当り表示または小当り表示の表示時間を決定するための大当り表示時間タイマを設定し(ステップS866)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS867)。
大当りまたは小当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS868)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS861,S863参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図72は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り表示時間タイマを−1する(ステップS871)。大当り表示時間タイマがタイムアウトしていない場合には処理を終了する(ステップS872)。大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら(値が0になったら)、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS873)。演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当りとすることに決定されていると判断する。なお、この段階で、大当りとすることに決定されている場合は、始動動作状態を経ずに、直接に大当り遊技(第1大当り遊技)が開始される場合である。
大当りとすることに決定されている場合には、大当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS874A)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS875A)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS876A)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応する値に更新する(ステップS877A)。大当りとすることに決定されていない場合、すなわち小当りとすることに決定されている場合には、小当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS874B)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS875B)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS876B)。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS805)に対応する値に更新する(ステップS877B)。
図73は、演出制御プロセス処理における小当り遊技中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。小当り遊技中処理において、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされた場合には(ステップS881)、ステップS886に移行する。小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS882)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS891に移行する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS883)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS884)。また、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS885A,S885B)。その後、ステップS891に移行する。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS885A,S885C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、小当り遊技に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。その後、ステップS891に移行する。
また、役物入賞指定コマンドまたはV入賞指定コマンドを受信した場合には、役物入賞またはV入賞があったときに行われる演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS891,S892)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS893)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS894)。なお、ステップS891の処理で「Y」となるのは、役物入賞指定コマンドを最初に受信したのみ、およびV入賞指定コマンドを最初に受信したのみとする。
ステップS886では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているときには、大当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS887)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS888)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS889)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応する値に更新する(ステップS890)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないときには、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する(ステップS895)。
そして、大当り終了処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りの終了を報知するための表示を演出表示装置9に表示させた後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する。
図74および図75は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図74(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図75(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図74(C)には、演出制御用CPU101が、第1異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する第1異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第1異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図74(C)の右側参照)。図74(D)には、演出制御用CPU101が、第2異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する第2異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第2異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図74(D)の右側参照)。図74(E)には、演出制御用CPU101が、演出表示装置9に表示する排出異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、排出異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図74(E)の右側参照)。
図75(F)には、演出制御用CPU101が、始動入賞異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する始動入賞異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、始動入賞異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図75(F)の右側参照)。図75(G)には、演出制御用CPU101が、センサ異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示するセンサ異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、センサ異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図75(F)の右側参照)。
図76〜図78は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図63におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS903,S904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS906では、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS916に移行する。第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第1異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に第1異常報知画面を重畳表示する(図74(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第1異常報知中フラグをセットする(ステップS910)。
ステップS916では、演出制御用CPU101は、第2異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS921に移行する。第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS917)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第2異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS918)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に第2異常報知画面を重畳表示する(図74(D)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS919)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第2異常報知中フラグをセットする(ステップS920)。
なお、演出制御用CPU101は、第1大入賞口への異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS908,S909の処理による異常報知)と、役物20に関する異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS918,S919の処理による異常報知)とを区別可能に異常報知を行う(図74参照)。
ステップS921では、演出制御用CPU101は、センサ異常報知指定コマンドを受信したことを示すセンサ異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS926に移行する。センサ異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、センサ異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS922)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、センサ異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS923)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9にセンサ異常報知画面を重畳表示する(図75(G)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、センサ異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS924)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、センサ異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、センサ異常報知を行っていることを示すセンサ異常報知中フラグをセットする(ステップS925)。
ステップS926では、演出制御用CPU101は、始動入賞異常報知指定コマンドを受信したことを示す始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS941に移行する。始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS927)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、始動入賞異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS928)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に始動入賞異常報知画面を重畳表示する(図75(F)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、始動入賞異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS929)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、始動入賞異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞異常報知を行っていることを示す始動入賞異常報知中フラグをセットする(ステップS930)。
ステップS941では、演出制御用CPU101は、小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中であるか否か確認する。小当り遊技中であるか否かを、演出制御プロセスフラグの値によって確認できる。また、役物20を開放しているラウンド中であるか否かを、例えば、受信している表示結果指定コマンド(何ラウンドの大当り遊技であるかを確認するため:図18参照)と大入賞口開放時表示コマンド(何ラウンドの遊技中であるかを確認するため)とによって確認できる。
小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中でない場合には、役物排出監視タイマの値を0にする(ステップS944)。
小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中であれば、役物入賞指定コマンドを受信したことを示す役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS942)。役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、役物入賞指定コマンド受信フラグをリセットして(ステップS943)、役物排出監視タイマの値を0にする(ステップS944)。
役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、役物排出監視タイマの値を+1する(ステップS945)。役物排出監視タイマの値が監視時間値(監視時間に相当する値:監視時間は、大当り遊技のラウンド時間よりも長い時間であって例えば41.5秒)になっていたら、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS947)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する(図74(E)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、排出異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS948)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、排出異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、排出異常報知を行っていることを示す排出異常報知中フラグをセットする(ステップS949)。
以上のような制御によって、小当り遊技中または役物20を開放しているラウンド中において、監視時間を越えて役物入賞指定コマンドを受信しなかった場合には、演出制御用CPU101は、排出異常が生じたと判定して異常報知を行う。
小当り遊技中に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出すると、小当り遊技を終了して、小当り終了指定コマンドを送信する(図35におけるステップS453および図40におけるステップS460参照)。コマンドを受信した演出制御用CPU101は、制御状態を小当り遊技中でない状態にする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、制御等が正常に実行されていれば、監視時間が経過する前に小当り終了指定コマンドを送信するので、役物排出監視タイマがタイムアウトすることはない。すなわち、役物排出監視タイマがタイムアウトしたということは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、所定の時間内に役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出できなかったということを意味するので、役物20から遊技球が排出されない排出異常が生じたことになる。なお、排出異常が生じたということは、実際には役物20に遊技球が入賞していなかった(不正に役物20に入賞した状況が作られた可能性がある。)可能性がある。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1異常入賞報知指定コマンドと第2異常入賞報知指定コマンドとを受信することによって、第1大入賞口への異常入賞が発生したときの異常報知と、役物20に関する異常入賞が発生したときの異常報知とを区別可能に異常報知を行ったが、演出制御用CPU101が異常を区別可能にするコマンド(第1異常入賞報知指定コマンドと第2異常入賞報知指定コマンド)の受信によらず、独自に区別可能な異常報知を行うようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知が開始されてから所定時間が経過すると、異常報知を停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞および排出異常の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では9)未満のときには常時第1大入賞口に関する異常入賞の検出を行い、特別図柄プロセスフラグの値が4〜12の間の値でないときには常時役物20に関する異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り中以外で1個の遊技球が第1大入賞口に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、大当り中以外で第1大入賞口に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、大当り中以外で、所定の時間内に、第1大入賞口に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。また、大当り中以外かつ始動動作以外で1個の遊技球が第2大入賞口に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、大当り中以外かつ始動動作以外で第2大入賞口に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、大当り中以外かつ始動動作以外で、所定の時間内に、第2大入賞口に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上述したように、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを行う。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知(異常入賞の報知および排出異常の報知)に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
実施の形態2.
図79は、第2の実施の形態(実施の形態2)のパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図80および図81は、遊技盤6に設けられている役物20を正面からみた正面図である。図82は、可変入賞球装置20内の球通路を示す斜視図である。図83は、通過口71から左側の球通路を通って特別領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図84は、通過口71から右側の球通路を通って特別領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図85(A)、図86(A)および図87は、可変入賞球装置20の下部を上側から見た上面図であり、図85(B)および図86(B)は、可変入賞球装置20の下部を正面側から見た正面図である。図87には、特定入賞口66の直上に設けられている回転体(円盤)86も示されている。
この実施の形態では、図1に示された第1の実施の形態のパチンコ遊技機における構成に加えて、役物20の内部において、球受け部材79Aと、球受け部材79Aを駆動する駆動ソレノイド79Bとが設けられている。また、この実施の形態では、始動動作状態において、遊技球は、誘導経路71Aを通って特別領域に向かうことも可能であるが、誘導経路73Aを通って特別領域に向かうことも可能である。第1大当り遊技の第1ラウンドでは、誘導経路71Aおよび誘導経路73Aを通らない。
通過口71を通過した遊技球は、誘導経路71Aを通る場合には、役物20内の左方に導かれる。また、誘導経路73Aを通る場合には、役物20内の右方に導かれる。なお、図80には、開放扉76A,76Bが閉鎖して遊技球が役物20に進入不能である状態が示され、図81には、開放扉76A,76Bが開放した状態が示されている。
第1大当り遊技の第1ラウンドでは、図82(A)に示すように、球受け部材79Aが遊技球を受け止める位置に設定され、遊技球は、逃げ穴79Cおよび誘導経路79Dを経て、役物排出スイッチ85aに向かって流下する。
始動動作状態では、図82(B)に示すように、球受け部材79Aは、遊技球を落下させる位置に設定される。落下した遊技球は、誘導経路71Aと誘導経路73Aとのうちのいずれかに導かれる。いずれに導かれるのかは、流路切替ソレノイド72Bで駆動される経路切替部材72Aの位置によって決まる。
通過口71を通過し誘導経路71A(図83において図示せず)によって導かれた遊技球は、図83(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路71Bを通って、特別領域に到達することが可能である。通路71Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になり、開放部の始まり部分に、通路71Bに繋がり特別領域に到達不能な通路であるはずれ通路71Cが設けられている。図83(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路71Bの開放部の始まり部分において通路71Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球をはずれ通路71Cに導く。図83(A)に示すように、可動部77Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部77Aに阻止されず、可動部77Aが設けられている位置から通路71Bの下流側に流下する。
通過口71を通過し誘導経路73A(図84において図示せず)によって導かれた遊技球は、図84(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路73Bを通って、特別領域に到達することが可能である。通路73Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になっている。通路73Bの開放部は湾曲し、開放部の始まり部分における湾曲の内側には壁が存在しない。図84(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路73Bの開放部の始まり部分において通路73Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球を、内壁が存在しない部分から、特別領域に到達不能な通路であるはずれ通路73Cに導く。図84(A)に示すように、可動部78Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部78Aに阻止されず、遠心力によって湾曲の外側の壁に沿うように通路73Bを流れるので、可動部78Aが設けられている位置から通路73Bの下流側に流下する。
通路73Bは、途中穴74に至る。回転体86は、途中穴74の下部に設けられている。途中穴74を通過した遊技球は、回転体86の側に流下する。
この実施の形態では、図85(A)に示すように、途中穴74を通過した遊技球は、通路74Bを通って特別領域の側に流下する。通路74Bは、回転体86の上部において、右側からの経路である通路71Bと合流する。
図85(B)に示すように、特別領域を形成する特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球も、役物排出スイッチ85aで検出される。つまり、この実施の形態では、役物20に進入した全ての遊技球は、役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞した遊技球は役物排出スイッチ85aで検出されず、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球のみが役物排出スイッチ85aで検出されるように、球経路を構成してもよい。その場合には、特定領域スイッチ66aで検出された遊技球の数と役物排出スイッチ85aで検出された遊技球の数との和が、役物20から排出された遊技球の数になる。
図86(A)に示すように、はずれ通路71C,73Cを通った遊技球は、特定入賞口66の直上の近傍に形成されているはずれ口67,68から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。
また、図10に示されたように、回転体86の表面には複数の凹部86Cが形成され、回転体86の一部には、切り欠き部86Aが設けられている。図10に示す例では、7個の凹部86Cが設けられている。途中穴74から通路74Bに入った遊技球および通路71Bを通過した遊技球は回転体86に至るが、回転体86の切り欠き部86Aのみから、特定入賞口66に入賞可能である。回転体86における枠領域(ドーナツ部)の表面に形成されている凹部86Cに入った遊技球は、回転体86によって移動され、はずれ口69から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。なお、凹部86Cは底面を有していない連通穴である。よって、凹部86Cに入った遊技球は下部に落下可能であるが、遊技球が入った凹部86Cがはずれ口69の位置に来るまでの間、回転体86の裏面の構造物によって落下は阻止されている。また、凹部86Cの内壁部によって、凹部86Cから特定入賞口66に向かって落下することも阻止されている。なお、1つの凹部86Cとそれに隣接する凹部86Cとの間の平面部86Bは平面状になっているので、そこから遊技球が下部に落下することはない。
途中穴74を通過し通路74Bを通って回転体86に到達した遊技球は、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときには、ほぼ必ず切り欠き部86Aから落下して特定入賞口66に入賞する。また、通路74Bは、円錐状の役物の傾斜面上に形成されている。従って、特定入賞口66の真上に平面部86Cが位置している場合でも、通路74Bを通過する遊技球には勢いがついているので、その遊技球は平面部86Cを乗り越えて特定入賞口66に落下するようになっている。
よって、この実施の形態では、遊技球が右側の誘導経路73Bを通過した場合には、遊技球が左側の誘導経路71Bを通過した場合に比べて、高い確率でV入賞が生ずる。つまり、通過口71からの右ルートは、通過口71からの左ルートに対して、遊技球を特定入賞口66に誘導しやすくなっている。また、通過口71から途中穴74に直接到達するような球通路を設けてもよく、その場合には、可動部77A,78Aによって阻止されることがないので、右ルートおよび左ルートを通過した場合に比べて、特定入賞口66により到達しやすい。
図88は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、出力回路59に対して、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド15a、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、開閉扉76A,76Bを開閉させる開放ソレノイド75、可動部77A,78Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77B,78B、経路切替部材72Aを駆動する流路切替ソレノイド72B、および回転体駆動モータ87を駆動させるための指令に加えて、駆動ソレノイド79Bを駆動させるための指令も出力する。その他の構成は、図13に示された構成と同じである。
図89は、第2の実施の形態における役物開放中処理(図35参照)および大入賞口開放中処理(図46参照)で実行される回転体・可動部制御を示すフローチャートである。ステップS215の処理で可動部77A,78Aの駆動を開始するのであるが、すなわち、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を開始するのであるが、この実施の形態では、そのときに、奇数回目の役物20の開放時には、流路切替ソレノイド72Bを制御して、経路切替部材72Aを、遊技球を誘導経路71Aに導く位置に設定し、偶数回目の役物20の開放時には、流路切替ソレノイド72Bを制御して、経路切替部材72Aを、遊技球を誘導経路73Aに導く位置に設定する(ステップS215B)。回転体・可動部制御におけるその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、この実施の形態では、奇数回目の開放時には遊技球を誘導経路71Aに導く位置に経路切替部材72Aを設定し、偶数回目の開放時には遊技球を誘導経路73Aに導く位置に経路切替部材72Aを設定するが、経路切替部材72Aについてのそのような制御は一例であって、例えば、それぞれの回の開放中に経路切替部材72Aの位置を切り替えるようにしてもよい。
図90は、第2の実施の形態における役物20の1回の開放における回転体86および可動部77A,78Aの動作例を示すタイミング図である。図90に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.25秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.2秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.5秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
なお、図90には、役物20の1回の開放開放状態における可動部77A,78Aの動作例が示されている。例えば、役物20を2回開放する場合には、役物20が開放状態になってから0.7秒間、図90に示された動作を行わせ、閉鎖状態では可動部77A,78Aを動作状態(遊技球の通過を阻止する状態)にし、2回目の開放時から再び図90に示された動作を行わせる。役物20を3回開放する場合には、さらに、閉鎖状態にした後、3回目の開放時から再び図90に示された動作を行わせる。
図91は、第2の実施の形態での特別図柄プロセス処理における第1ラウンド前処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、第1大当り遊技の第1ラウンドでは遊技球は可動部材78における可動部77Aの位置に進入しないので、第1の実施の形態の場合(図42参照)とは異なり、ステップS563の処理を実行しない。
図92は、第2の実施の形態での特別図柄プロセス処理における第1ラウンド中処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、第1大当り遊技の第1ラウンドでは、遊技球を受け入れて逃げ穴79Cおよび誘導経路79Dに導くように(図82(A)に示す状態)、球受け入れ部材79Aを設定する。そこで、第1の実施の形態の場合(図43参照)とは異なり、役物入賞スイッチ71aが初めてオンしたら、駆動ソレノイド79Bを駆動して、球受け部材79Aを遊技球を受け入れる位置に設定する(ステップS574A)。また、開放中処理時間が経過したときには、遊技球を受け入れない状態(図82(B)に示す状態)になるように、球受け入れ部材79Aを設定する。すなわち、駆動ソレノイド79Bの駆動を停止して、球受け部材79Aを遊技球を受け入れない位置に戻す(ステップS587A)。また、この実施の形態では、第1の実施の形態の場合(図43参照)とは異なり、ステップS588の処理を実行しない。
なお、役物20を開放した後、遊技球が役物20の進入しなくても、すなわち、役物入賞スイッチ71aがオンしなくても、役物20を開放した時点から所定時間が経過すると、球受け入れ部材79Aを、遊技球を受け入れる位置に設定するようにしてもよく、役物20を開放すると同時に、遊技球を受け入れる位置に設定するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、第1大当り遊技の第1ラウンドにおいて、役物20を、小当り遊技状態(始動動作状態)と同様に開放状態にする。すなわち、始動動作状態においても始動動作状態を介さない特定遊技状態においても役物20が開放状態に制御される。よって、始動動作状態に移行したのか特定遊技状態に移行したのかを遊技者が把握することを困難にすることができる。その結果、特定遊技状態に対する遊技者の期待感をより長く継続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。そして、第1大当り遊技の第1ラウンドでは、所定の可動条件(例えば、役物入賞スイッチ71aが遊技球を検出したこと)が成立したことを条件に可動部材(経路切替部材72Aまたは球受け入れ部材79A)を遊技球を特別領域に向かわない経路に誘導する状態に制御するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の第1大当り遊技の第1ラウンドにおける処理を複雑にさせない。例えば、第1大当り遊技の第1ラウンドでは、特別領域に関わる制御を何もしなくてよい。また、第1大当り遊技の第1ラウンドにおいて役物20に対して遊技球が入賞していないにも関わらず可動部材が動作して遊技者に不審感を与えることを防止できる。なお、第1大当り遊技では、遊技機の裏面において、遊技球は特定入賞口66(特別領域)には入賞しないが、遊技盤に向かって遊技を行っている遊技者は、第1大当り遊技では、役物20の内部において遊技球が第1の実施の形態における途中穴74に向かうことや、第2の実施の形態における逃げ穴79Cおよび誘導経路79Dに流入することを視認できるので、あたかも、遊技球が特定入賞口66に向かっているかのように遊技者に認識させることができる。すなわち、始動動作が行われているのか第1大当り遊技が行われているのかを把握しづらくすることができる。
なお、第1大当り遊技の第1ラウンドにおいて、第1の実施の形態における途中穴74に向かった遊技球(特定入賞口66側に向かった遊技球)や第2の実施の形態における逃げ穴79Cおよび誘導経路79Dに流入した後の遊技球(特定入賞口66側に向かった遊技球)を検出するための検出手段を設け、その検出手段が遊技球を検出して検出信号を出力したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、経路切替部材72Aまたは球受け入れ部材79Aを、遊技球を誘導しない状態に戻すように制御してもよい。そのように制御する場合には、例えば、1球だけが特定入賞口66側に進入した時点で経路切替部材72Aまたは球受け入れ部材79Aが元の状態に戻る。すると、遊技者は、遊技球が突然特定入賞口66に入賞したと感じ、その後に第1大当り遊技状態における大入賞口が開放する状態が発生するため、特定入賞口66に遊技球が進入することの価値をより大きく感じることができる。その結果、より一層遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1大当り遊技の第1ラウンドにおいて、役物20の開閉制御開始時から所定期間に亘って、役物20を、始動動作状態での開閉態様と同じ開閉態様で制御するので、役物20の開閉態様にもとづいて大当り遊技状態に移行したことを遊技者が把握することを困難にすることができる。
また、上記の各実施の形態では、図12に示されたように、役物20の4回目の開放時よりも前では、遊技者は、役物20の開閉態様にもとづいて始動動作が行われているのか大当り遊技状態に移行したのかを把握することはできない。なお、第1大当り遊技の第1ラウンドにおける役物20の開放回数を、始動動作状態における回数と同じ回数(上記の各実施の形態では、2回または3回)にしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御手段が、可変始動入賞装置が開閉動作していないときに、始動検出手段が検出信号を出力したことにもとづいて異常入賞が生じたと判定する可変始動入賞装置異常判定手段を含むので、始動検出手段から検出信号が出力される状態を作成するような不正行為を防止することができる。
また、遊技制御手段が、特定遊技状態における可変入賞球装置および特定可変入賞球装置の開放回数を、表示結果決定手段が決定した開放表示結果に応じて決定する開放回数決定手段を含むので、遊技のバリエーションを増やして、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、可変入賞球装置内に、遊技球が特別領域に入賞しやすい状態と特別領域に入賞し難い状態とのいずれかを形成する回転部材と、回転部材の回転方向における異なる所定位置を検出するための複数の位置検出器とが設けられ、複数の位置検出器のうちの一方から検出信号が出力されたときから所定時間内に複数の位置検出器のうちの他方から検出信号が出力されないときに異常入賞が生じたと判定する回転部材異常判定手段を備えているので、回転部材の位置を検出するための位置検出器を用いて不正行為を発見できるようになる。
また、始動動作状態に制御するための条件となる表示結果決定手段により決定される所定の表示結果は複数種類あり、開放表示結果に応じて特定遊技状態における可変入賞球装置の開放回数を異ならせるように構成されているので、特別領域に遊技球が入賞する前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特別領域に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびLEDドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
図93は、図14に示す演出制御基板80、LEDドライバ基板35および音声出力基板70による構成に代えて、音/ランプ制御基板80bおよび表示制御基板80aが設けられた構成例を示すブロック図である。図93に示すように、音/ランプ制御基板80bには、音/ランプ制御用CPU101bおよびRAMを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが搭載されている。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、出力ポート107を介してLEDドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。LEDドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの各ランプに供給する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC703に対して音番号データを出力する。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した演出制御コマンドを出力ポート104を介して表示制御基板80aに転送するとともに、受信した演出制御コマンドにもとづいてコマンドを生成し、生成したコマンドを出力ポート104を介して表示制御基板80aに送信する。
図93に示すように、表示制御基板80aには、表示制御用CPU101aおよびRAM(図示せず)を含む表示制御用マイクロコンピュータ100aが搭載されている。表示制御基板80aにおいて、表示制御用マイクロコンピュータ100aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、音/ランプ制御基板80bから入力ポート108を介してコマンドを受信する。そして、表示制御用マイクロコンピュータ100aは、受信したコマンドにもとづいて、VDP109に、LCDを用いた演出表示装置9の表示制御を行わせる。演出表示装置9の表示制御に関する表示制御用マイクロコンピュータ100aの制御は、上記の各実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100の制御と同じである。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから表示制御用マイクロコンピュータ100aに対して送信されるコマンドは、上記の各実施の形態における演出制御コマンド(図24参照)と同様である。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンドをそのまま表示制御用マイクロコンピュータ100aに転送することによって、上記の各実施の形態における演出制御コマンド(図24参照)と同様のコマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100aに与えることができる。