実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口11に入った入賞球は第1始動口スイッチ11aによって検出され、第2始動入賞口12に入った入賞球は第2始動口スイッチ12aによって検出され、それぞれ、遊技盤6の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15が開状態になることによって入賞可能になる第3始動入賞口13に入った入賞球は第3始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口11,12,13と表すことがある。また、第1始動口スイッチ11aと、第2始動口スイッチ12aと、第3始動口スイッチ13aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ11a,12a,13aと表すことがある。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合には、可変入賞球装置20が1回または2回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放扉76Aが初期位置から左方向に移動し、右側の開放扉76Bが初期位置から右方向に移動することによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが初期位置に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を、大入賞口(第2大入賞口、上大入賞口)または役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
また、可変入賞球装置20は、大当り遊技の開始条件(例えば、始動動作状態において遊技球が特定領域に入賞したこと。)が成立すると、所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。その状態を大当り遊技状態(特定遊技状態)という。大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。なお、始動動作状態を除き、可変入賞球装置20が開閉制御される状態(大当り遊技状態)を第2大当り遊技状態ということがある。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある(図77の「飾り図柄表示領域9a」参照)。
可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の上方には、始動入賞口に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数(保留記憶数)を表示する4つのLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口11,12,13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、後述するように、演出表示装置9でも始動記憶数が表示されるので(図77の「保留記憶数表示領域9c」参照)、特別図柄保留記憶表示器18を設けなくてもよい。
可変入賞球装置20の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。遊技領域7に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の上方には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、ゲート32を2つ設け、いずれのゲート32を遊技球が通過しても、1つの普通図柄表示器10において普通図柄の変動が開始されるようにしてもよい。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。なお、この実施の形態では、大入賞口の内部には特別入賞領域(V入賞領域)が形成され、V入賞領域を通過した遊技球は、V入賞スイッチ22で検出される。遊技球がV入賞領域を通過することを条件に、大当り遊技状態における次のラウンドが開始される(最終ラウンドの場合を除く。)。また、この実施の形態では、V入賞領域を通過した遊技球も、カウントスイッチ23で検出される。以下、可変入賞球装置20による大入賞口を第2大入賞口(または上大入賞口)といい、開閉板16による大入賞口を第1大入賞口(下大入賞口)ということがある。第1大入賞口と第2大入賞口とを「大入賞口」と総称することがある。
また、開閉板16の右方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、開閉板16の左方には入賞口(普通入賞口)39が設けられている。遊技球の入賞口38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ38a,39aによって検出される。入賞口38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口(第1大入賞口および第2大入賞口)の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が始動入賞口(第1始動入賞口11、第2始動入賞口12または第3始動入賞口13)に入り始動口スイッチ(第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aまたは第3始動口スイッチ13a)で検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄保留記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、停止時の特別図柄が小当り図柄(開放表示結果:具体的には、例えば「0」「1」「2」「4」「5」「6」「8」「9」)である場合には、始動動作状態に移行する。なお、始動動作状態のことを小当り遊技状態ともいう。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
次に、可変入賞球装置20について、図2〜図10を参照して説明する。図2および図3は、遊技盤6に設けられている可変入賞球装置20を正面からみた正面図である。図4は、図2および図3に示されている開放扉76A,76Bの裏面側に設けられている遊技球の通過口71,72,73を有する構造物を示す斜視図である。図5は、通過口71から特定領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図6は、通過口73から特定領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図7(A)、図8(A)および図9は、可変入賞球装置20の下部を上側から見た上面図であり、図7(B)および図8(B)は、可変入賞球装置20の下部を正面側から見た正面図である。図9には、特定入賞口66の直上に設けられている回転体(円盤)86も示されている。図10は、回転体86を上側から見た上面図である。なお、図3、図5〜図9において、矢印は遊技球の進路を示す。
可変入賞装置(役物)20は、開閉モータ75の駆動によって開放扉76A,76Bが開放状態になると、遊技球が進入可能な状態になる。役物20に進入した遊技球は、通過口71,72,73のいずれかを通過して、役物20における下部側に流下する。通過口71を通過した遊技球は、第1役物入賞スイッチ71aで検出され、通過口72を通過した遊技球は、第2役物入賞スイッチ72aで検出され、通過口73を通過した遊技球は、第3役物入賞スイッチ73aで検出される。通過口72を通過した遊技球は、誘導樋73Aを通過して役物20内の右方に導かれる。また、通過口71,73を通過した遊技球は、誘導樋71Aを通過して役物20内の左方に導かれる。なお、図2には、開放扉76A,76Bが閉鎖して遊技球が役物20に進入不能である状態が示され、図3には、開放扉76A,76Bが開放した状態が示されている。また、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aと、第3役物入賞スイッチ73aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
開放扉76A,76B(図4において図示せず)は、図4に示す構造物の手前側に設けられている。遊技球は、図4に示す構造物における3つの通路(手前側から奥側に向かう経路)のいずれかを通って通過口71,72,73のいずれかに至る。開放扉76A,76Bが閉鎖している状態(完全閉鎖状態)では、遊技球は、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入不能である。開放扉76A,76Bが開放状態になると、3つの通過口71,72,73のいずれかに進入できる状態になるが、開放扉76A,76Bが最も開いている状態(完全開放状態)では3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能であるが、通過口71,73に遊技球が進入する確率は、通過口72に進入する確率よりも高い。また、開放扉76A,76Bが完全開放状態から完全閉鎖状態に移行する期間では、開放面積が狭くなるにつれて、左右の通過口71,73に比べて、中央の通過口72を通過しやすくなる。また、完全閉鎖状態から完全開放状態に移行する期間では、中央の通過口72に遊技球が進入しやすい状態から、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能な状態に徐々に移行する。
つまり、開放扉76A,76Bが完全閉鎖状態から開放状態への移行を開始した直後、および完全閉鎖状態に戻る直前では、相対的に、遊技球が中央の通過口72を通過する割合が高くなる。なお、開放扉76A,76Bが開放するということは役物20が開放状態になるということであり、開放扉76A,76Bが閉鎖するということは役物20が閉鎖状態になるということである。また、開放扉76Aと開放扉76Bとは、対称状態で移動する。対称状態で移動するとは、中心(中央の通過口72の中心軸)から開放扉76Aの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離と、中心から開放扉76Bの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離とが常に同じであることを意味する。
役物20の左右両側には、可動部材77,78が設けられている。可動部材77において動く部分は可動部77Aであり、可動部材78において動く部分は可動部78Aである。可動部77Aは可動部駆動ソレノイド77Bによって動かされ、可動部78Aは可動部駆動ソレノイド78Bによって動かされる。可動部77Aおよび可動部78Aは、それぞれ、上下方向に動く。役物20における最下部に設けられている特定領域を形成する特定入賞口66に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ66aで検出される。なお、遊技球が特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出されたことをV入賞ともいう。
通過口71,73を通過し誘導樋71A(図5において図示せず)によって導かれた遊技球は、図5(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路71Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路71Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になり、開放部の始まり部分に、通路71Bに繋がり特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路71Cが設けられている。図5(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路71Bの開放部の始まり部分において通路71Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球をはずれ通路71Cに導く。図5(A)に示すように、可動部77Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部77Aに阻止されず、可動部77Aが設けられている位置から通路71Bの下流側に流下する。
通過口72を通過し誘導樋73A(図6において図示せず)によって導かれた遊技球は、図6(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路73Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路73Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になっている。通路73Bの開放部は湾曲し、開放部の始まり部分における湾曲の内側には壁が存在しない。図6(B)に示すように、可動部78Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路73Bの開放部の始まり部分において通路73Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球を、内壁が存在しない部分から、特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路73Cに導く。図6(A)に示すように、可動部78Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部78Aに阻止されず、遠心力によって湾曲の外側の壁に沿うように通路73Bを流れるので、可動部78Aが設けられている位置から通路73Bの下流側に流下する。
通路73Bは、途中穴74に至る。途中穴74の直下に回転体86が設けられている。回転体86は、火山をモチーフにした円錐状に形成された役物で、頂部に平坦部を有している。途中穴74を通過した遊技球は、回転体86の側に流下する。
図7(A)に示すように、途中穴74を通過した遊技球は、通路74Bを通って特定領域の側に流下する。通路74Bは、回転体86の上部において、通過口71,73からの経路である通路71Bと合流する。
図7(B)に示すように、特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球も、役物排出スイッチ85aで検出される。つまり、この実施の形態では、役物20に進入した全ての遊技球は、役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞した遊技球は役物排出スイッチ85aで検出されず、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球のみが役物排出スイッチ85aで検出されるように、球経路を構成してもよい。その場合には、特定領域スイッチ66aで検出された遊技球の数と役物排出スイッチ85aで検出された遊技球の数との和が、役物20から排出された遊技球の数になる。
図8(A)に示すように、はずれ通路71C,73Cを通った遊技球は、特定入賞口66の直上の近傍に形成されているはずれ口67,68から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。
回転体86は、円盤状に形成され、回転軸を上下方向に向けて配置されている。また、図10に示すように、回転体86の外周縁部には複数の孔部86Cが形成され、その外周縁部の一部には、切り欠き部86Aが設けられている。また、回転体86におけるドーナツ部の内側の領域(内部領域)は、平面状に形成された領域である。図10に示す例では、7個の孔部86Cが設けられている。途中穴74から通路74Bに入った遊技球および通路71B,73Bを通過した遊技球は回転体86の外周縁部に至る。このとき、回転体86の切り欠き部86Aが、正面に位置している場合、すなわち特定入賞口66の上部にある合流部81(図8参照)に位置している場合には、特定入賞口66に入賞可能である。また、孔部86Cが位置している場合には、孔部86Cに入った遊技球は、回転体86によって移動され、はずれ口69から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。なお、孔部86Cは底面を有していない連通穴である。よって、孔部86Cに入った遊技球は下部に落下可能であるが、遊技球が入った孔部86Cがはずれ口69の位置に来るまでの間、回転体86の裏面の構造物によって落下は阻止されている。また、孔部86Cの内壁部によって、孔部86Cから特定入賞口66に向かって落下することも阻止されている。なお、1つの孔部86Cとそれに隣接する孔部86Cとの間(以下、平面部86Cという。)は平面状になっているので、そこから遊技球が下部に落下することはない。
図9に破線矢印で示すように、回転体86は、回転体駆動モータ87(図10参照)の駆動によって回転(この例では、反時計回りに回転)する。回転体86の回転中に、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置したときに回転体86に到達した遊技球は、切り欠き部86Aから回転体86の外周側に抜け落ち、特定入賞口66に入賞可能である。
また、図10に示すように、回転体86の近傍には、位置検出のための複数(この例では2つ)センサ87a,87bが設けられている。各センサ87a,87bは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86には穴部87cが設けられている。穴部87cは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、回転体86が回転して、穴部を含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、各センサにおける受光素子を、以下、第1位置センサ87aおよび第2位置センサ87bという。
途中穴74を通過し通路74Bを通って回転体86に到達した遊技球は、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときには、ほぼ必ず切り欠き部86Aから落下して特定入賞口66に入賞する。また、通路74Bは、円錐状の役物の傾斜面上に形成されている。従って、特定入賞口66の真上に平面部86Cが位置している場合でも、通路74Bを通過する遊技球には勢いがついているので、その遊技球は平面部86Cを乗り越えて特定入賞口66に落下するようになっている。
よって、この実施の形態では、遊技球が中央の通過口72を通過した場合には、遊技球が左の通過口71または右の通過口73を通過した場合に比べて、高い確率でV入賞が生ずる。つまり、通過口72からの右ルートは、通過口71,73からの左ルートに対して、遊技球を特定入賞口66に誘導しやすくなっている。
なお、この実施の形態では、小当り遊技状態および第2大当り遊技状態において、遊技球が役物入賞スイッチで検出された場合に入賞が生じたとする。すなわち、3つの役物入賞スイッチ71a,72a,73aが設けられている領域が入賞領域に相当する。しかし、可変入賞球装置20の内部において役物入賞スイッチとは別に遊技球を検出するスイッチを設け、遊技球がそのスイッチで検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。
次に、役物(可変入賞球装置20)内の背面側に設けられている各基板について説明する。図11は、可変入賞球装置20に取り付けられた各基板の配置を示す説明図である。図11に示すように、役物20には、裏面上方、下方、左方および右方にそれぞれ基板950A〜950Dが取り付けられている。以下、役物20の左方に取り付けられた基板950Aをセンター左基板といい、右方に取り付けられた基板950Bをセンター右基板といい、上方に取り付けられた基板950Dをセンター上基板といい、下方に取り付けられた基板950Cをセンター下基板ともいう。センター左基板950Aには、装飾表示灯としての複数のランプ196aが搭載されている。また、センター左基板950Aには、磁気を検出するための磁気センサ95aが搭載されている。また、センター右基板950Bには、装飾表示灯としての複数のランプ196bが搭載されている。また、センター右基板950Bには、磁気を検出するための磁気センサ95fが搭載されている。また、センター下基板950Cには、装飾表示灯としての複数のランプ196cが搭載されている。また、センター下基板950Cには、磁気を検出するための3つの磁気センサ95b,95c,95eが搭載されている。以下、磁気センサ95aを第1磁気センサといい、磁気センサ95bを第2磁気センサといい、磁気センサ95cを第3磁気センサといい、磁気センサ95dを第4磁気センサといい、磁気センサ95eを第5磁気センサといい、磁気センサ95fを第6磁気センサともいう。また、センター上基板905Dには、装飾表示灯としての複数のランプ196dが搭載されている。
この実施の形態では、磁気センサ95a〜95fとしてリードスイッチを用いる。リードスイッチは、2本の強磁性体リードが所定の接点間隔をおいて相対するように配置され、ガラス管の中に封入された形状に形成されている。そして、このリードスイッチにリードの軸方向に磁界を外部から加えると、リードが磁化され、相対した自由端が互いに吸引しあい接触して回路を導通状態にすることができる。
磁気センサ95a〜95fは、役物20に入った遊技球を磁石などを用いて特定入賞口66に入賞させようとするような不正行為が行われると、異常磁気の存在を検出し検出信号を出力する。この実施の形態では、図11に示すように、各磁気センサ95a〜95fは、長手方向がガラス扉枠2の正面ガラスの面に交差する方向に配置され、正面ガラス側から磁石を用いて行われる不正行為を検知しやすくなっている。リードスイッチは、その構造上、長手方向に強く磁気を検出するように指向性をもち、長手方向に交差する方向には指向性を強くもたない。そのため、磁石を用いた不正行為が行われやすい部位にリードスイッチの長手方向に交差する方向が位置するように配置していしまうと、磁石を用いた不正行為をうまく検知できない場合がある。そのため、この実施の形態では、リードスイッチである各磁気センサ95a〜95fを、磁石を用いた不正行為が行われやすい部位に対して、長手方向に位置するように配置する。
また、図11に示すように、遊技盤6の役物20が取り付けられている部分の右下方の裏側には、振動センサ96aが搭載された振動センサ基板96が取り付けられている。この実施の形態では、遊技機をゆするなどの不正行為が行われると、振動センサ96aが振動を検出し検出信号を出力する。なお、振動センサ96aを、主基板31または演出制御基板80などの他の基板に設けるようにしてもよい。
図12は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図12に示すように、始動入賞口に遊技球が入賞していずれかの始動口スイッチ11a,12a,13aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。抽選の結果は、「大当り」「小当り」または「はずれ」となる。そして、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および飾り図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合(大当り図柄が導出表示された場合)には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。第1大当り遊技状態では、開閉板16による大入賞口(第1大入賞口)が16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は16で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、7ラウンド、16ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
小当りに決定されている場合(小当り図柄が導出表示された場合)には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、0.9秒間開放状態になる。開放状態になる回数(開放回数)は、1回または2回である。始動動作状態において、遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66に入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態では、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開閉制御される状態と、第1大入賞口が開閉制御されるラウンドと第2大入賞口が開閉制御されるラウンドとが混在する状態とがある。
このように、次ラウンドの継続権が発生しにくい第2大入賞口(遊技球が進入してから継続権発生の条件となるV入賞を生じさせる特定入賞口66までの経路の距離が長く、また、その経路上に回転体86等の障害物がある。)によるラウンドと、次ラウンドの継続権が発生しやすい第1大入賞口(遊技球が進入してから継続権発生の条件となるV入賞を生じさせるV入賞領域までの経路の距離が短く、また、その経路上に回転体86等の障害物はない。)によるラウンドとがあるので、遊技のバリエーションが増やされている。
また、この実施の形態では、小当り遊技(始動動作状態における遊技)が終了すると、第2大当り遊技状態に移行する前に、演出表示装置9等を用いた所定の演出(始動動作状態後の演出)が実行される。なお、小当り遊技においてV入賞が発生しなかった場合にも始動動作状態後の演出は実行される。
図13は、特別図柄の変動と小当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図13に示すように、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われ、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。なお、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動が行われるが(図77参照)、図13では、飾り図柄の変動は記載省略されている。また、演出表示装置9において保留記憶数の表示が行われるが(図77参照)、図13では、保留記憶数の表示は記載省略されている。さらに、時短状態のときは、演出表示装置9において残り時短回数の表示が行われるが(図77参照)、図13では、残り時短回数の表示が記載省略されている。
図14は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始および大当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図14に示すように、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われ、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。なお、図14に示す例は、後述する変動パターン#7A〜#7Cが用いられる場合の例である。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が小当り図柄(「0」「1」「2」「4」「5」「6」「8」「9」)である場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。停止図柄が大当り図柄(「7」)である場合には、大当り表示(「大当り」)が行われ、大当り遊技が開始される。その場合、小当り遊技(始動動作状態の遊技)は、実行されない。停止図柄がはずれ図柄(「3」)である場合には、小当り遊技および大当り遊技のいずれも開始されず、次の図柄の変動に移行される。
このように、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄が特定の図柄になったときに発生する大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)と、小当り遊技においてV入賞が生ずると発生する大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)とがあるので、遊技者は、複数種類の大当り遊技を享受することができる。なお、変動パターン#7A〜#7Cが用いられる場合には、変動時間が長いので、結果として小当りになる場合でも、遊技者に、変動時間が終了するまで、始動動作状態を経ない大当りの発生を期待させることができる。このことは、変動パターン#8A〜#8C,#9A〜#9Cが用いられる場合も同様である。また、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動が行われるが、図14では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図15は、小当り遊技終了後の演出の期間を説明するための説明図である。図15(A)には、始動動作状態で役物20が開放状態になったときに遊技球が役物20に全く入賞しなかった場合の例が示されている。その場合には、遅延時間すなわち入賞監視時間(この例では2秒)が経過したら、一定時間(この例では3秒)の演出(例えば、図87(A)に例示する演出)が実行される。
図15(B)には、始動動作状態で役物20が開放状態になったときに遊技球が役物20に入賞したがV入賞しなかった場合の例が示されている。その場合には、入賞監視時間(この例では2秒)が経過したこと、および役物20に入賞した全ての遊技球が役物20から排出されたことが確認されたことの双方の条件が成立したら、一定時間の演出(例えば、図87(B)に例示する演出)が実行される。そして、演出時間が終了したら、保留記憶数が0でない場合には、保留記憶にもとづいて特別図柄の変動が開始される。なお、図15(B)には、役物20に1個の遊技球が入賞した場合の例、および入賞監視時間が経過したときにまだ役物20から排出されていない遊技球があった場合の例が示されている。
図15(C)には、始動動作状態で役物20が開放状態になったときに遊技球が役物20に入賞し、かつ、V入賞した場合の例が示されている。その場合には、入賞監視時間(この例では2秒)が経過したこと、および役物20に入賞した全ての遊技球が役物20から排出されたことが確認されたことの双方の条件が成立したら、一定時間の演出(例えば、図87(C),(D)に例示する演出)が実行される。そして、演出時間が終了したら、大入賞口が開放する大当り遊技状態に移行する。なお、図15(C)には、役物20に1個の遊技球が入賞した場合の例、および入賞監視時間が経過する前に全ての遊技球が役物20から排出された場合の例が示されている。
図15に示すように、この実施の形態では、始動動作が終了すると、必ず(始動動作状態に対応して毎回、すなわち表示結果が小当り図柄となる可変表示に対応して毎回)、演出が実行される。なお、この実施の形態では、演出時間は一定であるが、例えば、V入賞が生じたときとV入賞が生じなかったときとで演出時間を変えるようにしてもよい。
なお、入賞監視時間とは、遊技球が役物20に入った時点から、その遊技球が役物入賞スイッチ71a,72a,73aのいずれかで検出されるまでの時間に余裕を持たせた時間である。具体的には、遊技球が役物20に入った時点から、役物入賞スイッチ71a,72a,73aのうち最も検出が遅れるスイッチが確実に遊技球を検出できるまでの時間である。入賞監視時間を設けることによって、役物20に入った遊技球が検出される前に演出が開始されることが防止される。
図16は、特別図柄の停止図柄と当りの種類との関係を示す説明図である。図16に示すように、特別図柄の停止図柄にははずれ図柄(この例では、「3」)と大当り図柄(この例では、「7」)と小当り図柄(この例では、「3」および「7」以外)とがあるが、小当り図柄と第2大当り遊技状態におけるラウンド数とは対応している。また、小当り図柄と始動動作状態における役物20の開放回数は対応している。よって、小当り遊技においてV入賞が生ずる前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特定入賞口66に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。なお、この実施の形態では、ラウンド数は小当り図柄の種類で決まるが、小当り図柄の種類の種類に加えて、通過口71,72,73のいずれを遊技球が通過したかによって、決定されるラウンド数の範囲や種類、ラウンドの振り分け割合を異ならせるようにしてもよい。また、特定入賞口66を遊技球が通過したこと(V入賞が発生したこと)にもとづいて乱数を抽出し、抽出した乱数値にもとづいてラウンド数を決定するようにしてもよい。
なお、役物20は、始動動作状態および大当り遊技状態においてのみ開放状態に制御される。従って、それらの状態以外の遊技状態では、遊技球は役物に入賞しない。よって、それらの状態以外の遊技状態で役物の内部において入賞が検出されたということは、その入賞は正規の入賞でない(異常入賞である)ことになる。そこで、この実施の形態では、異常入賞が生じた場合には、その旨の報知を行うとともに、その入賞にもとづく賞球払出を行わないようにする。よって、役物20を備えた遊技機において、不正行為を発見しやすくなっている。また、不正行為に基づく賞球払出を防止することが可能になる。
図17は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図14には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1位置センサ87aおよび第2位置センサ87bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド15a、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、開閉扉76A,76Bを開閉させる開閉モータ75、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77B、可動部78Aを動作させる可動部駆動ソレノイド78Bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図18は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図18に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図18には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図17に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート106を介して磁気センサ95a〜95fおよび振動センサ96aからの検出信号を入力する。このように、磁気センサ95a〜95fおよび振動センサ96aからの検出信号が演出制御用CPU101に入力されるように構成されているので、CPU56に対して不正な信号が入力される余地を低減することができる。すなわち、磁気センサ95a〜95fおよび振動センサ96aからの検出信号がCPU56に入力されるように構成された場合には、その信号線(信号入力経路)を利用してCPU56に対して不正な信号(例えば、擬似的に入賞が発生したと認識させるような信号や強制的に大当りを発生させるような信号など)が入力される可能性がある。しかし、図18に示すように、磁気センサ95a〜95fおよび振動センサ96aからの検出信号が演出制御用CPU101に入力される場合には、そのような不正な信号が演出制御用CPU101に入力されても出球等に影響を及ぼすことはなく、不正行為に利用されるおそれはない。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図19は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、図19には示していないが、電源投入時(例えば、ステップS5の処理の実行後、ステップS45の処理の実行後など)に、回転体86を初期位置に戻す制御が実行される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図20に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1位置センサ87aおよび第2位置センサ87bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合等に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図21は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(2)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(3)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(4)ランダム5:普通図柄の停止図柄を決定する(普通図柄決定用)
なお、大当りにするのか小当りにするのかを決定するための大当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、大当り判定用乱数を、ランダム1またはランダムRということがある。また、(1)〜(4)の乱数(ランダム2〜ランダム5)をソフトウェア乱数ということがある。
図20に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、普通図柄当り判定用乱数が判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外のソフトウェア乱数も用いてもよい。
また、この実施の形態では、ハードウェア乱数であるランダム1(ランダムR)によって大当りまたは小当りを発生させるか否か決定することによって、特別図柄の停止図柄も決定されることになる。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8、大入賞口(役物20および開閉板16による大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、入賞口スイッチ38a,39a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、入賞口スイッチ38a,39a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図22は、特別図柄の停止図柄と判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図22には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜598であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である599個ある。また、599個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値にもとづき大当り、小当りまたははずれとすることに決定する。なお、小当り遊技(始動動作状態に相当。)においてV入賞が生ずると第2大当り遊技が開始されるので、大当りまたは小当りとすることに決定するということは、実質的に、第1大当りとするか第2大当りとするのかを決定するということでもある。
図22に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当りがある。小当りには、始動動作状態において役物20を1回開放する小当りと、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りとがある(図16および図22参照)。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している(図16および図22参照)。また、小当り遊技においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。
図23は、変動パターンと判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図23には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。判定値の総数は、変動パターン決定用乱数が取り得る数である150個ある。また、150個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、変動パターン決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を変動パターン決定用乱数とするのであるが、変動パターン決定用乱数値に一致する判定値に対応する変動パターンを使用することに決定する。すなわち、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動時間を選択する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した特別図柄の停止図柄の種類に応じて、変動パターンを決定する。
図22および図23を参照すると、小当りとなる場合の変動時間は、小当りを経ないで大当りとなる場合に比べて短い(特別図柄の停止図柄が「8」または「9」の場合を除く。)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20を所定回開放状態にする始動動作状態に制御すると決定した場合には、役物20を開放状態にせずに特定遊技状態に制御すると決定した場合に比べて、識別情報の可変表示時間として短い時間を選択する。その結果、可変表示時間が長い場合には、遊技者に特定遊技状態の発生を想起させることができる。また、図22および図23を参照すると、始動動作状態において役物20が2回開放する小当りの場合には、役物20が1回開放する小当りの場合に比べて変動時間が長い。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技者にとって有利な種類の小当りとすることに決定した場合には、識別情報の可変表示時間として長い時間を選択する。その結果、可変表示時間が長い場合には、遊技者に有利な種類の小当りの発生を想起させることができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20を所定回開放状態にする始動動作状態に制御すると決定した場合に、識別情報の可変表示時間として、役物20を開放状態にせずに特定遊技状態に制御すると決定した場合と同じ時間を選択可能である(変動パターン#7〜#9の場合)。その結果、識別情報の可変表示中に、特定遊技状態が発生することに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、図23には示していないが、所定の変動パターンの変動時間は、通常状態のときよりも時短状態のときの方が短縮されている。具体的には、図23に示すように、はずれ用の変動パターン7A,8A,9Aの変動時間は、通常状態のときは、それぞれ15秒、20秒、30秒となっているが、時短状態のときは、それぞれ2秒、3秒、4秒となっている。すなわち、通常状態のときのはずれ用の変動パターンとは別に変動時間の短い時短状態のときのはずれ用の変動パターンが用意されている。また、特定の小当り(特別図柄「8」「9」が停止したときの小当り)用の変動パターン7B,8B,9Bの変動時間は、通常状態のときは、それぞれ15秒、20秒、30秒となっているが、時短状態のときは、それぞれ2秒、3秒、4秒となっている。すなわち、通常状態のときの特定の小当り用の変動パターンとは別に変動時間の短い時短状態のときの特定の小当り用の変動パターンが用意されている。
図24および図25は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aまたは第3始動口スイッチ13a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、回転体86の位置を初期位置に設定するための処理である初期位置制御処理を実行し(ステップS323)、ステップS300〜S311のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S311の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否かと小当りとするか否かとを決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放回数カウンタの値が0であれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。演出期間を決定するための演出中時間タイマに演出中時間に相当する値を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を演出中処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。
演出中処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。演出時間が経過したら、V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では8)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2大入賞口(すなわち役物20)または第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)に応じた値(この例では10)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行う。全ての遊技球が排出され、かつ、まだ残りラウンドがあって大当り遊技の継続条件(V入賞があったこと)が成立している場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合、または大当り遊技の継続条件が成立しなかった場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS311)に対応した値(この例では11)に更新する。
大当り終了処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を時短状態(特別図柄および飾り図柄の変動時間が通常状態のときよりも短縮された時間短縮状態)に設定するとともに、大当り遊技が開始されたときの状況に応じて時短回数(時短状態が継続可能な変動回数)を設定する制御を実行する。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図26は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図26に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図27に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図27に示された極性と逆極性であってもよい。
図28は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図28に示す例において、コマンド8001(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターン#1〜#6,#7A〜#9Cに対応)。コマンド8001(H)〜8006(H)は、変動パターン#1〜#6に対応し、コマンド8007(H)〜800F(H)は、変動パターン#7A,#7B,#7C,#8A,#8B,#8C,#9A,#9B,#9Cに対応する。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800F(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8CXX(H)(XX=0〜9)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果(「0」〜「9」の図柄)を特定可能な演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、XXとして設定されるデータは、特別図柄の停止図柄を示すデータである。なお、表示結果コマンドは、大当り・小当り判定の判定結果(はずれ、小当りまたは大当り)を指定するように構成されていてもよい。
なお、変動パターンコマンド8001(H)〜800F(H)で、はずれ、小当りまたは大当りを指定するようにし、表示結果指定コマンド8CXX(H)を送信しないようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、小当り遊技(始動動作状態)の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態になったことを示す演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が通常状態になったことを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、第1大入賞口(下アタッカー)への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第1異常入賞指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、役物(可変入賞球装置)20への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第2異常入賞指定コマンド)である。コマンドD004(H)は、第3始動入賞口(普通電動役物)15への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(始動入賞異常指定コマンド)である。
コマンドE001(H)は、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。なお、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE1XX(H)は、時短状態における特別図柄の変動可能回数(残り回数)を示す演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。なお、時短状態における特別図柄の変動に関わる演出制御コマンドとして、時短状態における特別図柄の変動の実行済み回数(演出制御コマンド送信時に実行される変動も含める。)を示す演出制御コマンドにしてもよい。また、遊技状態を指定する演出制御コマンド(B001(H)、B002(H))のみ送信するようにし、時短回数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
コマンドE201(H)は、始動動作状態後の演出において、始動動作状態で役物20への入賞がなかった場合に対応する演出を実行することを指示する演出制御コマンド(第1演出開始指定コマンド)である。コマンドE202(H)は、始動動作状態後の演出において、始動動作状態で役物20への入賞はあったがV入賞がなかった場合に対応する演出を実行することを指示する演出制御コマンド(第2演出開始指定コマンド)である。コマンドE203(H)は、始動動作状態後の演出において、始動動作状態で役物20への入賞がありV入賞もあった場合に対応する演出を実行することを指示する演出制御コマンド(第3演出開始指定コマンド)である。
コマンドE401(H)は、役物20への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特定入賞口66への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図28に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図29は、ステップS322の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS41)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS42)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS43)。ステップ43では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム2(図21参照)の値(変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS44)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS45)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技および小当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図22参照)と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするか小当りとするかはずれとするかを決定する処理(特別図柄表示器8における停止図柄(表示結果)を決定する処理)を実行するプログラムである。なお、大当りとするか小当りとするかを決定するということは、第1大当り遊技状態または始動動作状態に移行させるか否か決定するということでもある。
大当りとすることに決定したときには(ステップS63のY)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS71)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
また、小当りとすることに決定したときには(ステップS72のY)、CPU56は、小当りフラグをセットする(ステップS73)。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認し(ステップS74)、時短フラグがセットされている場合には、時短状態に制御されているときに小当りとすると決定されたことを示す時短時小当りフラグをセットする(ステップS75)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
また、大当りまたは小当りとすることに決定されなかったとき(はずれとすることに決定されたとき)は(ステップS72のN)、大当りフラグや小当りフラグのセット等を行わずに、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
なお、上記の例では、小当りとすることに決定された場合に(ステップS72のY)、小当りフラグをセットし(ステップS73)、そして、そのときの遊技状態が時短状態のときに(ステップS74)、時短時小当りフラグをセットする(ステップS75)ように構成されていたが、そのような構成に限られず、小当りとすることに決定された場合に、遊技状態を確認し、遊技状態に応じた小当りフラグをセットするようにしてもよい。例えば、小当りとすることに決定された場合に、遊技状態が通常状態であれば通常時小当りフラグをセットし、遊技状態が時短状態であれば時短時小当りフラグをセットするようにしてもよい。
また、時短時小当りフラグのような特別なフラグをセットせずに、遊技状態に応じて小当り図柄を異ならせることにより、小当りが発生したときの遊技状態を認識可能に構成してもよい。例えば、図22に示すような大当り・小当り判定で用いるテーブルの代わりに、遊技状態が通常状態のときの通常時テーブルと、遊技状態が時短状態のときの時短時テーブルとを用意しておく。ここで、通常時テーブルには、小当り図柄「0」「1」「2」とはずれ図柄「3」と大当り図柄「7」とが設定され、各図柄に所定の割合で判定値が割り振られる。また、時短時テーブルには、小当り図柄「4」「5」「6」「8」「9」とはずれ図柄「3」と大当り図柄「7」とが設定され、各図柄に所定の割合で判定値が割り振られる。そして、遊技状態が通常状態のときは、通常時テーブルを用いて大当り・小当り判定を実行し、遊技状態が時短状態のときは、時短時テーブルを用いて大当り・小当り判定を実行する。このような構成によれば、小当りが発生したときの遊技状態が通常状態であれば、小当り図柄が「0」「1」「2」のいずれかとなり、小当りが発生したときの遊技状態が時短状態であれば、小当り図柄が「4」「5」「6」「8」「9」のいずれかとなる。その結果、小当り図柄によって小当りが発生したときの遊技状態を認識可能とすることができる。
この実施の形態では、時短状態に制御されているときは、特別図柄(および飾り図柄)の変動時間が短縮されるだけでなく、普通図柄の変動時間も短縮され、普通図柄が当り図柄となる確率が高められ、さらに、可変入賞球装置(普通電動役物)15の開放回数・開放時間も高められる(図57参照)。このように、時短状態では、第3始動入賞の発生割合が向上するため、遊技者にとって有利な状態である。なお、時短状態のことを特別遊技状態という。
なお、特別遊技状態は遊技者にとって有利な状態であればよく、必ずしも上記の時短状態のような有利状態に制御する必要はない。例えば、特別図柄の変動時間を短縮しない状態や、普通図柄の当り確率が向上しない状態などであってもよい。つまり、特別図柄の変動時間短縮、普通図柄の変動時間短縮、普通図柄の当り確率の向上、可変入賞球装置15の開放割合の向上のいずれか一つまたは複数の組合せを特別遊技状態としてもよい。
図31は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS90)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS91)。変動パターンテーブルとは、図23に示されたような、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。
ここで、CPU56は、大当り・小当り判定(ステップS62)の判定結果および遊技状態に応じた変動パターンが選択される。具体的には、図23に示すような、大当り・小当り判定(ステップS62)にて決定された特別図柄の停止図柄(「0」〜「9」)に応じた変動パターンテーブルが選択され、また、特別図柄の停止図柄が「3」、「8」または「9」のときは、遊技状態が通常状態であるか時短状態であるかが確認され、遊技状態に応じた変動パターンテーブル(通常状態のときの変動時間の非短縮用の変動パターンテーブル、または時短状態のときの変動時間の短縮用の変動パターンテーブル)が選択される。
さらに、CPU56は、ステップS91で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に表示結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS93)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS94)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、ステップS91の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
図32は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図33および図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS133)。小当りフラグがセットされているときは(ステップS133のY)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS134)。時短フラグがセットされているときは(ステップS134のY)、時短フラグをリセットする(ステップS135)。ここで時短フラグをリセットするのは、小当り遊技中(始動動作状態中)およびその後の大当り遊技中(第2大当り遊技中)において遊技状態が時短状態(第3始動入賞の発生割合が向上された状態)に制御されるのを回避させるためである。そして、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1し(ステップS136)、時短状態における特別図柄の変動可能回数(残り回数)を示す時短回数指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS137)。なお、後述するように、この実施の形態では、第1大当り(小当りを経由せずに発生する大当り)が発生した場合には、時短状態が継続可能な時短回数として100回が設定され、通常状態に制御されているときに第2大当り(小当りを経由して発生する大当り)が発生した場合には、時短回数として1回が設定され、時短状態に制御されているときに第2大当りが発生した場合には、時短回数として100回が設定される(図49のステップS537〜S540参照)。
なお、ステップS135にて時短フラグをリセットすることにより、小当り遊技中において時短状態に制御されないように構成していたが、ステップS135にて時短フラグをリセットしないようにして、小当り遊技中においても時短状態に制御するように構成してもよい。この場合、大当り遊技に移行される場合には、小当り遊技の終了時(例えば役物閉鎖後処理または演出中処理)において時短フラグをリセットするようにする。このような構成によれば、小当り遊技においてV入賞が発生しなかった場合の制御が複雑になるのを防止することができる(つまり、時短フラグのセット・リセットの処理を簡略化することができる)。
また、ステップS136にて時短回数カウンタの値を減算する処理を実行しているが、小当り終了時(例えば役物閉鎖後処理または演出中処理)において時短回数カウンタの値を減算する処理を実行するようにしてもよい。
その後、CPU56は、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS138)。そして、CPU56は、待機タイマに所定値を設定し(ステップS139)、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS140)。
待機タイマとは、直前に小当り遊技(始動動作状態における遊技)が終了したときに回転体86の位置が初期位置に設定されるが、その設定にある程度の時間がかかるので、次に小当り遊技が開始されるときには回転体86の位置が初期位置になっていることを確実にするための時間を計測するタイマである。この実施の形態では、直前の小当り遊技が終了して回転体86の位置を初期位置に設定する処理を開始(後述するように、入賞監視時間が経過し、かつ、役物20内の遊技球が全て排出されたときに開始)してから次に小当り遊技が開始されるまでに、必ず、図15に示された演出時間と、次の特別図柄の変動期間が入るが、特別図柄の変動期間が極めて短い場合には、回転体86の位置が初期位置に戻る前に次の小当り遊技が開始される可能性がある。例えば、演出時間は3秒であり、回転体86の位置が初期位置に戻るまでの時間が最長で7秒であるとすると、特別図柄の変動期間が3秒である場合には、回転体86の位置が初期位置に戻る1秒前に次の小当り遊技が開始される可能性がある。そこで、待機タイマで計測される時間(例えば4秒)を設け、小当り遊技が開始されるときには回転体86が必ず初期位置に戻っているようにして、小当り遊技に不公平が生じないようにする。なお、この実施の形態では、可動部材(回転体86)の駆動を開始する前の所定の待機時間は、演出時間の3秒と待機タイマに設定される値に相当する時間(例えば4秒)との和に対して、特別図柄の変動時間(最短で1秒)が加算された時間に相当し、回転体86を初期位置に設定するのに要する時間(例えば最長7秒)よりも長い。なお、待機タイマに設定される値は、変動時間と演出時間の少なくとも一方に応じて変化させてもよい。
また、図15に示された演出時間と特別図柄の変動時間との和の時間を、回転体86を初期位置に設定するのに要する時間(例えば最長7秒)よりも長くしておくことにより、待機時間(待機時間を計測する待機タイマ)を設けないようにしてもよい。例えば、演出時間は3秒であり、回転体86の位置が初期位置に戻るまでの時間が最長で7秒であるとすると、特別図柄の変動期間を最短4秒以上に設定することにより、直前に小当り遊技が実行された場合でも次の小当り遊技が開始されるときには回転体86の位置を確実に初期位置に戻すことができる。このような構成によれば、遊技制御のプログラムの設計が容易になる。
ステップS133において、小当りフラグがセットされていない場合は(ステップS133のN)、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。大当りフラグがセットされているときは(ステップS141のY)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS142)。時短フラグがセットされていれば(ステップS142のY)、時短フラグをリセットする(ステップS143)。なお、時短フラグのリセットとともに時短回数カウンタの値をリセットするようにしてもよい。ここで時短フラグをリセットするのは、大当り遊技中(第1大当り遊技中)において遊技状態が時短状態(第3始動入賞の発生割合が向上された状態)に制御されるのを回避させるためである。次いで、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS144)。また、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS145)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS147)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、第1大当りのラウンド数である16ラウンド(16R)に相当する16である。
ステップS141において、大当りフラグがセットされていない場合は(ステップS141のN)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認し(ステップS148)、時短フラグがセットされていれば(ステップS148のY)、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS149)。そして、CPU56は、時短回数指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS150)。次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0であるか否か確認し(ステップS151)、時短回数カウンタの値が0であれば(ステップS151のY)、時短フラグをリセットする(ステップS152)。なお、ステップS151において時短回数カウンタの値が0であるということは、大当り遊技終了後に時短回数(100回または1回)の変動が終了したことを意味する。このときは、時短フラグをリセットして時短状態を終了させる。その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS153)。
図35は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、待機タイマの値が0でない場合には、待機タイマの値を−1して処理を終了する(ステップS410A,S410B)。待機タイマがタイムアウトすると、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに1または2を設定し(ステップS411)、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS412)。なお、役物開放回数カウンタに設定される値は、ステップS64の処理で決定された回数を示す値(1または2)である。そして、役物20を開放状態にする(ステップS413)。具体的には、開閉扉76A,76Bを駆動する開閉モータ75の駆動を開始して、役物(可変入賞球装置)20を開放状態にさせる。また、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS415)。
図36および図37は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマが既にタイムアウトしているか否か確認する(ステップS420)。タイムアウトしていれば、ステップS438Aに移行する。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS420のN)、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。タイムアウトしていれば(ステップS422のY)、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS432)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。また、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS433)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS434)。役物開放回数カウンタの値が0になった場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、入賞監視タイマに入賞監視時間に相当する値を設定する(ステップS437)。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、役物20を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS435)。さらに、役物20を開放状態に制御する(ステップS435)。なお、役物20を閉鎖状態にする制御(ステップS432)を実行してから役物20を開放状態にする制御(ステップS436)を実行するまでの間にインターバル時間を設けるようにするのが好ましい。例えば、役物20を閉鎖状態にする制御(ステップS432)を実行した後に、インターバル時間を計測するタイマ(インターバルタイマ)にインターバル時間をセットし、2msごとにタイマの時間を減算し、タイマがタイムアウトすると役物20を開放状態にする制御(ステップS436)を実行する。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS422のN)、回転体・可動部制御を実行する(ステップS423)。また、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS424)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS425)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS426)。なお、役物20に遊技球が10個入賞すれば、ステップS432の処理に移行するようにしてもよい。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS427)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS428)。なお、この実施の形態では、役物内遊技球個数カウンタの値の基準値を「0」としているが、基準値を「1」などの値としてもよい。基準値が「0」であると、役物入賞スイッチ71a,72a,73aがオンしていないにもかかわらず、特定領域通過スイッチ66aがオンするような不正な行為が行われるおそれがあるからである。
遊技球が特定入賞口66に進入したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS429)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS430)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS431)。
ステップS438Aでは、CPU56は、回転体・可動部制御を実行する。そして、CPU56は、入賞監視タイマがタイムアウトしている(値が0になっている)か否か確認する(ステップS438B)。入賞監視タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞監視タイマの値を−1し(ステップS439)、ステップS424に移行する。
入賞監視タイマがタイムアウトしている場合には、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS440)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS427に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS441)。
この実施の形態では、入賞監視が設けられているので、役物20に進入した遊技球は確実に第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aで検出される。その結果、V入賞領域に入賞した遊技球の検出が確実になる。また、この実施の形態では、始動動作状態が終了した後に所定の演出(図87参照)が実行されるが、役物20に遊技球が進入したことに対応する所定の演出、および役物20内のV入賞領域に遊技球が入賞したことをに対応する所定の演出を、役物20に実際に進入した遊技球およびV入賞領域に実際に進入した遊技球の状況を正しく反映して実行することができる。
なお、ステップS438B,S439,S440,S441に示すように、この実施の形態では、入賞監視タイマがタイムアウトした後(入賞監視時間が経過した後)に役物20内に入賞した遊技球が全て排出されるまで役物閉鎖後処理に移行されないように構成されている。このような構成の場合、役物20内に遊技球が詰まってしまう(貯まってしまう)と、遊技が停止してしまうことになる。つまり、遊技者が店員を呼んで、役物20内の遊技球を排出してもらわない限り(役物排出スイッチ85aがオンしない限り)、遊技が進行しないことになる。しかし、役物20内に遊技球が詰まっていても、遊技の進行に差し支えない場合もある。従って、役物20内に入賞した遊技球が確実に排出される時間(例えば、役物20内に入賞した遊技球が平均して5秒程度で排出される場合には、確実に遊技球が排出される時間として10秒の時間)が経過すると、特別図柄プロセスフラグの値を役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新して、役物閉鎖後処理を実行させるようにしてもよい。この場合には、その後に演出中処理が実行され、保留記憶があれば特別図柄の変動が開始されることになる。このような構成によれば、必要以上に遊技の進行が停止してしまうのを防止することができる。
図38は、回転体・可動部制御を示すフローチャートである。回転体・可動部制御において、CPU56は、回転体86および可動部77A,78Aが動作中(回転体・可動部動作中)であるか否か確認する(ステップS211)。回転体86および可動部77A,78Aが動作中であるか否かは、回転体・可動部動作中フラグがセットされているか否かで判断される。動作中でなければ、役物20が開放したか否か確認する(ステップS212)。開放したら、回転体86の駆動を開始する(ステップS213)。すなわち、回転体駆動モータ87を時計周りに回転させる。また、可動部77A,78Aの駆動を開始する(ステップS214)。すなわち、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を開始する。役物20が開放したか否かは、例えば、ステップS413の処理の実行時にフラグをセットし、ステップS212の処理でそのフラグがセットされているか否かによって確認される。また、回転体・可動部動作中であることを示す回転体・可動部動作中フラグをセットする(ステップS215)。また、回転体86が第1動作(図40(A)参照)を行っていることを示す第1動作フラグをセットし(ステップS216)、回転体動作タイマに、第1動作を行っている期間に相当する0.5秒に相当する値を設定する(ステップS217)。
図39は、役物20の1回の開放における可動部77A,78Aの動作例を示すタイミング図である。図39に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置(図3等に示すように恐竜の可動部77Aが足を上げた位置)に設定される。次いで、0.2秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置(図3等に示すように恐竜の可動部77Aが足を下げた位置)に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aを動作させる可動部駆動ソレノイド78Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.7秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。図39に示すαは、役物20の開放開始時点より0.9秒が経過したときから、役物20に進入した全ての遊技球が排出されるときまでの期間である。なお、αの期間は、可動部は動作し続けてもよい。一定のパターン(例えば、可動部77Aでは0.4秒の駆動、0.2秒の駆動停止、0.4秒の駆動)を繰り返すようにしてもよい。
CPU56は、回転体・可動部動作中である場合には、可動部動作停止要求フラグがセットされていないことを条件に、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過すると、0.2秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.7秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS221,S222)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中である場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.4秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.2秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.7秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
図40は、回転体86の動作例を示すタイミング図である。図40(A)に示すように、第1動作では、回転体86は、初期位置から90°時計回りに回転する動作と、初期位置から90°回転した位置から初期位置まで反時計回りに回転する動作とを繰り返す。また、図40(B)に示すように、第2動作では、反時計回りの回転を継続する。よって、第1動作では、第2動作と比較すると、切り欠き部86Aが特定入賞口66の上部に位置する機会が多くなる。すなわち、特定入賞口66に入賞する確率が高くなる。なお、回転体・可動部動作中になると、回転体86は、最初の0.5秒間は第1動作を行い、後の期間では第2動作を行う。
よって、CPU56は、第1動作フラグがセットされている場合には(ステップS223のY)、CPU56は、回転体86が90°回転したら回転方向が逆になるように回転体モータ87を駆動する(ステップS224)。そして、回転体動作タイマの値を−1する(ステップS225)。回転体動作タイマの値が0でなければ(ステップS226のN)、処理を終了する。
回転体動作タイマの値が0になったら(タイムアウトしたら;ステップS226のY)、CPU56は、第1動作フラグをリセットし(ステップS227)、回転体86を反時計回りに等速回転するように回転体モータ87を駆動する(ステップS228)。その後、第1動作フラグがリセットされたことにより(ステップS223のN)、回転体86の反時計回りの等速回転が継続される(ステップS228)。なお、CPU56は、回転体86の回転方向を変化させない場合には、回転体86が回転方向を維持して回転するように回転体モータ87を駆動する。
可動部動作停止要求フラグがセットされた場合には(ステップS221のY)、CPU56は、可動部材77,78における可動部77A,78Aを停止させる(ステップS230)。すなわち、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を停止する。また、回転体・可動部動作中フラグをリセットし(ステップS231)、初期位置設定要求フラグをセットする(ステップS232)。
なお、可動部動作停止要求フラグは、役物閉鎖後処理でセットされる(ステップS450参照)。また、初期位置設定要求フラグは、ステップS323の初期位置制御処理で参照される。
図41は、役物閉鎖後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、ステップS323の初期位置制御処理で参照される可動部動作停止要求フラグをセットする(ステップS450A)。次いで、CPU56は、図38に示した回転体・可動部制御を実行する(ステップS450B)。これにより、図38に示したステップS230〜S232の処理が実行されて、可動部77A,78Aを停止させる処理が実行される。また、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS451)。さらに、演出開始指定コマンド(第1演出開始指定コマンド、第2演出開始指定コマンドまたは第3演出開始指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS452〜S456)。
ここで、CPU56は、始動動作状態において役物20に全く遊技球が入賞なかった場合には(ステップS452のN)、第1演出開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS453)。役物20に全く遊技球が入賞なかったことは、例えば、ステップS425の処理(役物内遊技球個数カウンタを+1する処理)で、遊技球が入賞したことを示す内部フラグをセットし、そのフラグがセットされていなかったことによって判定できる。そして、CPU56は、時短時小当りフラグをリセットする(ステップS457)。
また、役物20に1個以上の遊技球が入賞した場合には(ステップS452のY)、V入賞フラグがセットされていなければ、すなわちV入賞が発生しなかった場合には(ステップS454のN)、CPU56は、第2演出開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS455)。そして、CPU56は、時短時小当りフラグをリセットする(ステップS457)。
また、V入賞フラグがセットされていれば、すなわちV入賞が発生した場合には(ステップS454のY)、CPU56は、第3演出開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS456)。このときは(すなわち、大当り遊技に移行するときは)、時短時小当りフラグをリセットしない。従って、時短時小当りフラグがセットされたままとなる。
その後、CPU56は、演出中タイマに演出中時間(この例では3秒)に相当する値を設定し(ステップS458)、特別図柄プロセスフラグの値を、演出中処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS459)。
図42は、ステップS323の初期位置制御処理を示すフローチャートである。初期位置制御処理において、CPU56は、初期位置設定中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS241)。セットされている場合には(ステップS241のY)、ステップS246に移行する。セットされていない場合には(ステップS241のN)、初期位置設定要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS242)。セットされていない場合には(ステップS242のN)、処理を終了する。セットされている場合には(ステップS242のY)、初期位置設定要求フラグをリセットし(ステップS243)、回転体86を回転させるために回転体モータ87の駆動を開始する(ステップS244)。なお、既に回転体モータ87の駆動中であれば、CPU56は、駆動を継続させる。また、初期位置設定中フラグをセットする(ステップS245)。
そして、第1位置センサ87aがオン(第1位置センサ87aから検出信号が出力されること)したら(ステップS246のY)、CPU56は、回転体86の回転を停止させるために回転体モータ87の駆動を停止する(ステップS247)。また、初期位置設定中フラグをリセットする(ステップS248)。なお、ステップS248のYのときに、待機タイマの値をクリアするようにしてもよい。この構成によれば、必要以上に長い時間、小当り遊技状態への移行を待機させることがなくなり、遊技の進行が円滑となる。
図43は、演出中処理(ステップS307)を示すフローチャートである。演出中処理において、CPU56は、演出中時間タイマの値を−1する(ステップS460)。演出中時間タイマの値が0になったら、すなわち演出中時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS461のY)、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS462)。V入賞フラグがセットされていない場合には(ステップS462のN)、CPU56は、時短回数カウンタの値が0あるか否か(つまり時短状態における最後の変動であるか)否かを確認する(ステップS469A)。時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS469AのN)、時短フラグをセットする(ステップS469B)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS470)。
この実施の形態では、小当り遊技の開始前に(特別図柄停止処理にて)時短フラグをリセットするが(ステップS135参照)、V入賞が発生しなかったとき(ステップS462のN)、すなわち、役物20に遊技球が全く入賞しなかったとき、あるいは役物20に1個以上の遊技球が入賞したが特定入賞口66に遊技球が入賞しなかったときは、小当りが発生したときの変動が時短状態における最終回の変動でない限り(ステップS469AのN)、時短フラグを再びセットして時短状態に制御するようにしている(ステップS469B)。これにより、小当り遊技中において時短状態に制御しないようにすることができるとともに、小当り遊技が終了した後(具体的には小当り遊技が終了した後の演出の実行期間の経過後)における図柄の変動が再開されたときに確実に時短状態に再移行させ、遊技者に不利益を及ぼすのを防止することができる。なお、V入賞が発生したときは(ステップS462のY)、大当り遊技の終了時に(大当り終了処理にて)時短フラグがセットされて時短状態に移行される。
V入賞フラグがセットされている場合には(ステップS462のY)、CPU56は、V入賞フラグをリセットし(ステップS463)、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットする(ステップS464)。なお、開放回数(ラウンド数)として、図16および図22に示したように、特別図柄の停止図柄に応じて3回(3R)、7回(7R)、11回(11R)がセットされる。そして、CPU56は、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS465)。また、大当りフラグをセットし(ステップS466)、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS467)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS468)。
なお、この実施の形態における役物開放中処理および役物閉鎖後処理では、入賞監視時間(遊技球が役物20に入った時点から、その遊技球が役物入賞スイッチ71a,72a,73aのいずれかで検出されるまでの時間に余裕を持たせた時間)が経過し(ステップS438BのY)、かつ、役物20に入った遊技球の全てが排出されたことを条件に(ステップS440のY)、役物閉鎖後処理に移行する(ステップS441)ように構成されていた。しかし、入賞監視時間の経過後に役物20への遊技球の入賞が役物入賞スイッチ71a,72a,73aのいずれかで検出される可能性もある。そこで、役物開放中処理において、入賞監視時間が経過した場合に(ステップS438BのY)、役物閉鎖後処理に移行させ(ステップS441)、役物閉鎖後処理においても、所定時間(役物閉鎖後処理における入賞監視時間)、役物20への遊技球の入賞を監視し、役物20からの遊技球の排出を監視し、さらにV入賞の発生を監視する処理(ステップS424〜S431に相当する処理)を実行するように構成してもよい。この場合、役物閉鎖後処理において、役物20への遊技球の入賞がなかったとき、役物20に入賞した全ての遊技球がV入賞せずに排出されたとき、またはV入賞したときは、所定時間経過後に演出中処理に移行させる。一方、役物閉鎖後処理において、役物20に入賞した全ての遊技球の排出を所定時間内に検出できなかったときは、例えば異常が発生したものとし、その旨を報知するようにしてもよい。このような構成によれば、役物20への入賞と排出をより一層確実に検出することができるとともに、役物20への入賞数と排出数とが一致しないような場合には、その旨を報知して異常の発生を認識させることができる。
また、役物開放中処理において、入賞監視時間が経過した場合に(ステップS438BのY)、役物閉鎖後処理に移行させ(ステップS441)、役物閉鎖後処理において、所定時間(役物閉鎖後処理における排出監視時間)、役物20からの遊技球の排出を監視し、またV入賞の発生を監視する処理(ステップS427〜S431に相当する処理)を実行するように構成してもよい。この構成の場合は、役物20への遊技球の入賞検出が役物開放中処理における入賞監視時間内に行われ、役物20からの遊技球の排出が役物開放中処理における入賞監視時間と役物閉鎖後処理における排出監視時間の合計時間に亘って行われることになる。この場合にも、役物閉鎖後処理において、役物20への遊技球の入賞がなかったとき、役物20に入賞した全ての遊技球がV入賞せずに排出されたとき、またはV入賞したときは、所定時間経過後に演出中処理に移行させる。一方、役物閉鎖後処理において、役物20に入賞した全ての遊技球の排出を所定時間内に検出できなかったときは、例えば異常が発生したものとし、その旨を報知するようにしてもよい。このような構成によっても、役物20への入賞と排出をより一層確実に検出することができるとともに、役物20への入賞数と排出数とが一致しないような場合には、その旨を報知して異常の発生を認識させることができる。
また、役物開放中処理において、入賞監視時間が経過した場合に(ステップS438BのY)役物閉鎖後処理に移行させ(ステップS441)、役物閉鎖後処理において、所定時間(役物閉鎖後処理における入賞監視時間)が経過した場合に演出中処理に移行させ、演出中処理において、所定時間(演出中処理における入賞監視時間)、役物20への遊技球の入賞を監視し、役物20からの遊技球の排出を監視し、またV入賞の発生を監視する処理(ステップS424〜S431に相当する処理)を実行するように構成してもよい。この構成の場合は、役物20への遊技球の入賞検出が役物開放中処理における入賞監視時間と役物閉鎖後処理における入賞監視時間と演出中処理における入賞監視時間との合計時間に亘って行われ、役物20からの遊技球の排出も役物開放中処理における入賞監視時間と役物閉鎖後処理における入賞監視時間と演出中処理における入賞監視時間との合計時間に亘って行われることになる。なお、役物20への遊技球の入賞検出についてだけ、役物開放中処理における入賞監視時間内、または役物開放中処理における入賞監視時間と役物閉鎖後処理における入賞監視時間との合計時間内に行うようにしてもよい。この場合にも、演出中処理において、役物20への遊技球の入賞がなかったとき、役物20に入賞した全ての遊技球がV入賞せずに排出されたとき、またはV入賞したときは、所定時間経過後に演出中処理に移行させる。一方、役物閉鎖後処理において、役物20に入賞した全ての遊技球の排出を所定時間内に検出できなかったときは、例えば異常が発生したものとし、その旨を報知するようにしてもよい。このような構成によっても、役物20への入賞と排出をより一層確実に検出することができるとともに、役物20への入賞数と排出数とが一致しないような場合には、その旨を報知して異常の発生を認識させることができる。
図44は、大当り遊技(第1大当り遊技および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放するラウンドでは、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS476,S477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS478)。また、第2大入賞口(役物20)を開放するラウンドでは、開閉モータ75を駆動して開放扉76A,76Bを開放状態にする(ステップS476,S479)。また、役物20に入賞した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS480)、ステップS478に移行する。
図45は、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを示す説明図である。CPU56は、図45に示すように、既に決定されている特別図柄の停止図柄の対応して、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを決定する。なお、第1大当りにすることに決定されている場合(この例では、特別図柄の停止図柄が「7」に決定されている場合)には、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。また、特別図柄の停止図柄が「8」または「9」である場合には、図45に示すように、小当り遊技が終了した後に実行される第2大当り遊技において、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。
図46および図47は、大入賞口開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、第1大入賞口の開放中であるか否か確認する(ステップS480)。第1大入賞口を開放していたときには、ステップS481Bに移行する。
第1大入賞口を開放していないとき(第2大入賞口を開放していたとき)には、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481A)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS481AのY)、ステップS497Aに移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS481AのN)、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482A)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS497Aに移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483A)。開放時間タイマの値が0になっていたら、すなわち、開放時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS484)、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS495)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。また、回転体86を初期位置で停止させるとともに、可動部材77,78における可動部77A,78Aを初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS496)。
開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS484のN)、CPU56は、回転体・可動部制御を実行する(ステップS485)。回転体・可動部制御は、図38に示された処理と同様である。ただし、ここでは、第2大入賞口を閉鎖して役物20から遊技球が排出されるまで、回転体86の定速回転を継続させる。また、可動部77A,78Aについては、第2大入賞口を閉鎖するまで、0.9秒ごとに、ステップS222の処理(図38参照)を繰り返す。
また、役物入賞スイッチがオンしたら、すなわち大入賞口(役物20)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS486のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1し(ステップS487)、入賞個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS488)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS489)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS490)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS491)。また、遊技球が特定入賞口66に入賞したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS492A)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS493A)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS494)。
ステップS497Aでは、CPU56は、役物20を閉鎖状態に制御し(ステップS497A)、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS497B)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には(ステップS497BのN)、ステップS486に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には(ステップS497BのY)、ステップS499に移行する。
ステップS481Bでは、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481B)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS498に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS481BのN)、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482B)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS498に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483B)。また、V入賞スイッチ22がオンしたらV入賞フラグをセットする(ステップS492B,S493B)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS486B,S488B)。
ステップS498では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする(ステップS498)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS499)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)に対応した値に更新する(ステップS500)。
図48は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS513)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS515に移行する(ステップS514)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS311)に対応した値に更新する(ステップS519)。
ステップS515では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認し、V入賞フラグがセットされていない場合には、大当り遊技を終了させるためにステップS519に移行する。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS516)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定して(ステップS517)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS518)。
なお、この実施の形態では、V入賞フラグがセットされていることを条件に、すなわち特定入賞口66(入賞領域の一つ)に遊技球が入賞した(V入賞した)こと、または第1大入賞口内の特別領域(V入賞スイッチ22によって遊技球が検出される領域)に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することになるが、V入賞したことを条件にしなくてもよい。その場合、常に最終ラウンドまで進むようにしてもよいし、あらかじめ決められたラウンドまではV入賞したか否かにかかわらず進むようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口開放前処理において待機時間(回転体86が必ず初期位置に戻っているようにするための時間)を設けなかったが、第2大入賞口を開放するラウンドについては、始動動作状態の場合(図35のステップS410A,S410B参照)と同様に待機時間を設けてもよい。また、この実施の形態では、大入賞口閉鎖後処理において入賞監視時間(遊技球が役物20に入った時点から、その遊技球が役物入賞スイッチ71a,72a,73aのいずれかで検出されるまでの時間に余裕を持たせた時間)を設けなかったが、第2大入賞口を開放するラウンドについては、始動動作状態の場合(図40のステップS442,S443参照)と同様に入賞監視時間を設けてもよい。
図49は、大当り終了処理(ステップS311)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS534に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には(ステップS531のN)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS532)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS533)、処理を終了する。
ステップS534では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS535)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS536)。つまり、大当り遊技の終了後は、常に時短状態に移行させる。
そして、CPU56は、時短時小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS537)。ここで、時短時小当りフラグがセットされているということは(ステップS537のY)、時短状態中に小当りが発生したことによって小当り遊技(始動動作)が実行され、小当り遊技中にV入賞が発生した結果、大当り遊技(第2大当り遊技)が実行されたことを意味する。この場合、この実施の形態では、CPU56は、時短回数カウンタに100回をセットする(ステップS538)。一方、時短時小当りフラグがセットされていなければ(ステップS537のN)、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS539)。ここで、時短時小当りフラグがセットされておらず(ステップS537のN)、かつ、大当りフラグもセットされていないということは(ステップS539のN)、通常状態中に小当りが発生したことによって小当り遊技(始動動作)が実行され、小当り遊技中にV入賞が発生した結果、大当り遊技(第2大当り遊技)が実行されたことを意味する。この場合、この実施の形態では、CPU56は、時短回数カウンタに1回をセットする(ステップS540)。また、時短時小当りフラグがセットされていないが(ステップS537のN)、大当りフラグはセットされているということは(ステップS539のY)、大当りが発生したことによって、直接、大当り遊技(第1大当り遊技)が実行されたことを意味する。この場合、この実施の形態では、CPU56は、時短回数カウンタに100回をセットする(ステップS538)。
以上のように、時短状態に制御されているときに小当りが発生し、小当り遊技にもとづいてV入賞が生じた結果、大当り遊技(第2大当り遊技)が開始されたときは、大当り遊技の終了後に100回の変動に亘って時短状態に制御する。また、通常状態に制御されているときに小当りが発生し、小当り遊技にもとづいてV入賞が生じた結果、大当り遊技(第2大当り遊技)が開始されたときは、大当り遊技の終了後に1回の変動のみ時短状態に制御する。さらに、大当りが発生し、小当り遊技が実行されずに直接、大当り遊技(第1大当り遊技)が実行されたときは、大当り遊技の終了後に100回の変動に亘って時短状態に制御する。このような構成によれば、小当り遊技にもとづいて大当りが発生した場合に、時短状態に制御されているときの方が通常状態に制御されているときよりも、大当り遊技の終了後に時短状態が長く継続されることになり、遊技者にとって有利である。従って、時短状態に制御されているときに小当りとなると、V入賞の発生を強く期待することになり、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技状態にかかわらず、小当り遊技にもとづかずに大当りが発生したときは、時短状態が長く継続されることになり、直接の大当りの発生に対する期待感をより一層高めることができる。
なお、時短状態のときに小当りを経由(V入賞)して大当り(第2大当り)となった場合と小当りを経由せずに大当り(第1大当り)となった場合(直当りの場合)は、いずれも大当り終了時に時短回数として同じ100回が設定されるように構成されていたが、この構成に限られず、時短回数として異なる回数を設定するようにしてもよい。例えば、時短状態のときに小当りを経由(V入賞)して大当り(第2大当り)となった場合には、時短回数として多い回数(例えば100回)を設定し、小当りを経由せずに大当り(第1大当り)となった場合には、時短回数として上記の場合よりも少ない回数(例えば80回)を設定するようにする。または、時短状態のときに小当りを経由(V入賞)して大当り(第2大当り)となった場合には、時短回数として少ない回数(例えば80回)を設定し、小当りを経由せずに大当り(第1大当り)となった場合には、時短回数として上記の場合よりも多い回数(例えば100回)を設定するようにしてもよい。
その後、CPU56は、大当りフラグ・小当りフラグ(大当りフラグのみ、または大当りフラグおよび小当りフラグ)がセットされているときは、そのフラグをリセットし(ステップS541)、時短時小当りフラグがセットされているときは時短時小当りフラグをリセットする(ステップS542)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS543)。
次に、時短フラグおよび時短時小当りフラグのオン・オフタイミングについて説明する。
図50は、可変入賞球装置(役物)内の特定入賞口に遊技球が入賞(V入賞)して大当りが発生した場合の時短フラグおよび時短時小当りフラグのオン・オフ(セット・リセット)の状況を示すタイミング図である。図50に示すように、特別図柄の変動が開始するときに、遊技状態が時短状態に制御されているものとする。すなわち、時短フラグがセットされているものとする。特別図柄の変動が開始されるとき、大当り・小当り判定(ステップS62)が実行される。このとき、判定結果が「小当り」となると決定されたものとする。時短状態に制御されている場合において特別図柄の変動開始時の大当り・小当り判定で「小当り」とすると決定されたときは、時短時小当りフラグがセットされる(ステップS75)。なお、特別図柄の変動開始時(特別図柄通常処理)において時短時小当りフラグをセットする場合に限られず、特別図柄の変動が停止するまで(変動パターン設定処理、特別図柄変動中処理または特別図柄停止処理)に時短時小当りフラグをセットするようにしてもよい。
そして、特別図柄の変動時間が経過し、特別図柄が停止される(ステップS131)。このとき、セットされている時短フラグがリセットされる(ステップS134,S135)。すなわち、時短状態が終了する。このとき、時短回数カウンタの値が−1される(ステップS136)。
その後、小当り遊技(始動動作)が開始されると、役物(可変入賞球装置20、第2大入賞口)が所定回数(図50に示す例では1回)開放される(ステップS413)。そして、役物20の開放中に遊技球が役物20内に入賞し、役物20に入賞した遊技球が特定入賞口66に入賞すること(特定領域スイッチ66aがオンしたこと)によりV入賞が発生する(ステップS429,S430)。V入賞が発生すると、大当り遊技に移行され、第2大入賞口(可変入賞球装置20)が開放される(ステップS479)。
小当り図柄に応じたラウンド数の第2大入賞口の開放制御が実行され、大当り遊技が終了すると、再び、時短フラグがセットされる(ステップS536)。また、このとき、時短時小当りフラグがセットされているので(ステップS537のY)、時短回数カウンタに100回がセットされる(ステップS538)。そして、大当りフラグ、小当りフラグおよび時短時小当りフラグがリセットされ(ステップS541,S542)、再び特別図柄の変動が開始される(ステップS543)。
図51は、可変入賞球装置(役物)内に遊技球が入賞しなかった場合の時短フラグおよび時短時小当りフラグのオン・オフ(セット・リセット)の状況を示すタイミング図である。なお、特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの処理は、図50に示した場合と同じである。すなわち、図51に示すように、特別図柄の変動が開始するときに、時短フラグがセットされている。特別図柄の変動が開始されるとき、大当り・小当り判定(ステップS62)が実行され、判定結果が「小当り」となると決定される。時短状態に制御されている場合において特別図柄の変動開始時の大当り・小当り判定で「小当り」とすると決定されたときは、時短時小当りフラグがセットされる(ステップS75)。なお、図51に示す例では、特別図柄の変動は、時短状態における最終回の変動(時短状態が継続可能な変動回数が1回のときはその1回目の変動、時短状態が継続可能な変動回数が100のときは100回目の変動)である。この場合、時短回数カウンタの値が1減算されることによって(ステップS136)、時短回数カウンタの値が0となる。
特別図柄の変動時間が経過し、特別図柄が停止される(ステップS131)。このとき、セットされている時短フラグがリセットされる(ステップS134,S135)。すなわち、時短状態が終了する。このとき、時短回数カウンタの値が−1される(ステップS136)。
その後、小当り遊技(始動動作)が開始されると、役物(可変入賞球装置20、第2大入賞口)が所定回数(図50に示す例では1回)開放される(ステップS413)。図51に示す例では、役物20の開放中に遊技球が役物20内に入賞していない。この場合、役物(可変入賞球装置50)における遊技球の入賞の検出有効期間(入賞監視時間)が経過したときに(ステップS438)、時短時小当りフラグがリセットされる(ステップS457)。なお、時短時小当りフラグは、役物閉鎖後処理においてリセットされる場合に限られず、次の特別図柄の変動が開始されるまでに(例えば演出中処理にて)リセットされるようにしてもよい。
また、図51に示す例では、特別図柄の変動が、時短状態における最終回の変動であったので(ステップS469AのY)、時短フラグがセットされずに(ステップS469Bの処理が実行されずに)特別図柄の変動が再開される(ステップS470)。なお、特別図柄の変動が、時短状態における最終回の変動でない場合には(ステップS469AのN)、時短フラグがセットされ(ステップS469B)、特別図柄の変動の再開時に時短状態に制御されることになる。
図52は、可変入賞球装置(役物)内に遊技球が入賞したが特定入賞口に入賞しなかった場合の時短フラグおよび時短時小当りフラグのオン・オフ(セット・リセット)の状況を示すタイミング図である。なお、特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの処理は、図50および図51に示した場合と同じである。すなわち、図52に示すように、特別図柄の変動が開始するときに、時短フラグがセットされている。特別図柄の変動が開始されるとき、大当り・小当り判定(ステップS62)が実行され、判定結果が「小当り」となると決定される。時短状態に制御されている場合において特別図柄の変動開始時の大当り・小当り判定で「小当り」とすると決定されたときは、時短時小当りフラグがセットされる(ステップS75)。なお、図52に示す例では、特別図柄の変動は、時短状態における最終回の変動(時短状態が継続可能な変動回数が1回のときはその1回目の変動、時短状態が継続可能な変動回数が100のときは100回目の変動)である。この場合、時短回数カウンタの値が1減算されることによって(ステップS136)、時短回数カウンタの値が0となる。
特別図柄の変動時間が経過し、特別図柄が停止される(ステップS131)。このとき、セットされている時短フラグがリセットされる(ステップS134,S135)。すなわち、時短状態が終了する。このとき、時短回数カウンタの値が−1される(ステップS136)。
その後、小当り遊技(始動動作)が開始されると、役物(可変入賞球装置20、第2大入賞口)が所定回数(図50に示す例では1回)開放される(ステップS413)。図52に示す例では、役物20の開放中に遊技球が役物20内に入賞したが、特定入賞口66に入賞していない。この場合、役物(可変入賞球装置50)に入賞した遊技球の全てが排出されたとき(ステップS440のY)または役物20に入賞した遊技球の排出の有効検出期間(排出検出時間)が経過したときに、時短時小当りフラグがリセットされる(ステップS457)。なお、時短時小当りフラグは、役物閉鎖後処理においてリセットされる場合に限られず、次の特別図柄の変動が開始されるまでに(例えば演出中処理にて)リセットされるようにしてもよい。
また、図52に示す例では、特別図柄の変動が、時短状態における最終回の変動であったので(ステップS469AのY)、時短フラグがセットされずに(ステップS469Bの処理が実行されずに)特別図柄の変動が再開される(ステップS470)。なお、特別図柄の変動が、時短状態における最終回の変動でない場合には(ステップS469AのN)、時短フラグがセットされ(ステップS469B)、特別図柄の変動の再開時に時短状態に制御されることになる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)を説明する。図53は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS161)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS162)を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)および普通図柄決定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS170〜S174に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ステップS170〜S174の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS170):普通図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。普通図柄プロセスフラグの値が0である状態は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が行われていない状態であって、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、普通図柄当り判定用乱数を用いて当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。また、普通図柄決定用乱数を用いて普通図柄の停止図柄を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間を設定し、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS171)に対応した値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動中処理(ステップS171):普通図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間を設定し、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS172)に対応した値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS172):普通図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物開放前処理(ステップS173):普通図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1回目の開放前であれば、開放回数カウンタに開放回数をセットし、ソレノイド15aを駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。第1回目の開放前でなければ、すなわち2回目以降の開放後であれば、閉鎖時間を計測し、閉鎖時間が経過したら、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS174):普通図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放時間を計測し、開放時間が経過したら、ソレノイド15aの駆動を停止させて普通電動役物を閉鎖する。最後の開放が終了した場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。最後の開放が終了した場合でなければ、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。
図54は、普通図柄通常処理(ステップS170)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS721)。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0であれば、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS722)。なお、CPU56は、普通図柄決定用乱数も、乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS723)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値等を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS724)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS725)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否か判定し、一致する当り判定値があれば当りと決定する。例えば、時短状態では、当り判定値は3〜12であり、通常状態(時短時以外の状態)では、当り判定値は3および7である。普通図柄当り判定用乱数は3〜13の数値範囲で更新されるので(図21参照)、時短状態における当選確率は10/11であり、通常状態における当選確率は2/11である。すなわち、通常状態に比べて、時短状態では高確率で当りになる。なお、CPU56は、普通図柄決定用乱数を用いて、普通図柄の停止図柄を決定する。当りの場合には、普通図柄の停止図柄は、例えば奇数図柄である。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間を設定し(ステップS726)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS727)。なお、この実施の形態では、図57(A)の説明図および図57(B)のタイミング図に示すように、通常状態における普通図柄の変動時間は30.0秒であり、時短状態における普通図柄の変動時間は1.0秒である。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS171)に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS728)。
図55は、普通図柄変動中処理(ステップS171)を示すフローチャートである。普通図柄変動中処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS731)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS735)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS732)。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間を設定する(ステップS733)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS172)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS734)。
図56は、普通図柄停止処理(ステップS172)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS741)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS742)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する(ステップS743)。普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは、CPU56は、遊技状態が時短状態である場合は、普通電動役物の開放パターンとして図57(A)の下段に示す値が設定されている時短時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS744,S745)。通常状態である場合は、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図57(A)の上段に示す値が設定されている通常時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS744,S746)。図57に示す例では、通常時テーブルには、開放パターンとして、開放時間が0.3秒(0.3s)、閉鎖時間が1.0秒(1.0s)、開放回数が1回であることを示すデータが設定されている。また、時短時テーブルには、開放パターンとして、開放時間が1.2秒(1.2s)、閉鎖時間が1.5秒(1.5s)、開放回数が2回であることを示すデータが設定されている。
そして、CPU56は、第1回開放前フラグをセットする(ステップS747)。また、ステップS745の処理またはS746の処理で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS748)。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS749)。
普通図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合には、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS743,S750)。
図58は、普通電動役物開放前処理(ステップS173)を示すフローチャートである。普通電動役物開放前処理において、CPU56は、第1回開放前フラグがセットされているか否か確認する(ステップS761)。第1回開放前フラグがセットされている場合には、第1回開放前フラグをリセットし(ステップS762)、開放パターンバッファにセットされている開放回数を開放回数カウンタにセットする(ステップS763)。また、開放パターンバッファにセットされている開放時間に相当する値を普通電役タイマに設定する(ステップS764)。さらに、ソレノイド15aを駆動して可変入賞球装置15を開放し(ステップS765)、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する(ステップS766)。
CPU56は、ステップS761の処理で第1回開放前フラグがセットされていないことを確認した場合には、普通電役タイマの値を1減算する(ステップS767)。そして、普通電役タイマの値が0になった場合には、すなわち普通電役タイマがタイムアウトしたらステップS764に移行する(ステップS768)。なお、ステップS767,S768の処理は、第1回目以降の開放が終了した後の閉鎖時間を計測するための処理である。
図59は、普通電動役物開放中処理(ステップS174)を示すフローチャートである。普通電動役物開放中処理において、CPU56は、普通電役タイマの値を1減算する(ステップS771)。そして、普通電役タイマの値が0になった場合には、すなわち普通電役タイマがタイムアウトしたら(ステップS772)、ソレノイド15aの駆動を停止して普通電動役物(可変入賞球装置15)を閉鎖する(ステップS773)。
また、開放回数カウンタの値を−1し(ステップS774)、開放回数カウンタの値が0になっていなければ、開放パターンバッファにセットされている閉鎖時間に相当する値を普通電役タイマに設定する(ステップS775,S776)。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS777)。
CPU56は、ステップS775の処理で開放回数カウンタの値が0になっていることを確認したら、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS778)。
次に、賞球払出に関する処理を説明する。図60は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図60には、遊技球を検出するスイッチのうち入賞によって賞球払出を行うことになるスイッチのみが示されている。図60に示すように、入力ポート1のビット7および入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、入賞口スイッチ39a、カウントスイッチ23、第3役物入賞スイッチ73a、第2役物入賞スイッチ72a、第1役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ38a、第3始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ12a、第1始動口スイッチ11aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0および入力ポート1は、図17に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図61は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図62は、図61に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図62に示すように、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図17に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図17では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図63は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図63に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、第3役物入賞スイッチ73a、第2役物入賞スイッチ72a、第1役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ38a,39a、第3始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ12a、第1始動口スイッチ11a)が遊技球の入賞を検出して検出信号を出力したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ38a,39aで遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73aで遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、遊技球の検出に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図64は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図60に示す入力ポート1のビット7および入力ポート0のビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜8に設定される。
図65は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの16ビットと前回ポートバッファの16ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0および入力ポート1のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポート0および入力ポート1から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの16ビットと前回ポートバッファの16ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、9つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、入力ポート1のビット1〜6は、0に固定されているとする。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図66は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、CPU56は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図67に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「9」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0および入力ポート1における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図60参照)。
図68は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362に移行する(ステップS361)。ステップS355における演算結果が0であれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。また、ステップS361において、ステップS355における演算結果が0であること、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオフ状態であることを確認したら、ステップS359に移行する。
ステップS362では、CPU56は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には、ステップS363に移行する。
スイッチ入力ビットがカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合には、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が、役物入賞スイッチ入力ビット判定値(第1役物入賞スイッチ入力ビット判定値、第2役物入賞スイッチ入力ビット判定値または第3役物入賞スイッチ入力ビット判定値)であったか否か確認する(ステップS366)。すなわち、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aおよび第3役物入賞スイッチ73aのいずれかがオンしたか否か確認する。役物入賞スイッチ入力ビット判定値であった場合には、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS367)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、遊技状態が、役物開放前処理(ステップS305)〜大当り終了処理(ステップS311)のいずれかであることを意味する(図24,図25参照)。すなわち、遊技制御が正常に実行されているときに、役物20(大当り遊技状態では第2大入賞口に相当。始動動作状態では小当り遊技が実行されるものに相当。)が開放する可能性があることを意味する。
特別図柄プロセスフラグの値が4以上でない場合には、ステップS359に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が4以上でない(4未満である)ときに第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73aのいずれかがオンしたということは、役物20への異常入賞(不正行為に起因する入賞であることもある。)が生じたか、または第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗った可能性があることを意味する。つまり、役物20への正規の入賞が生じたわけではない。そこで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないときに役物20に入賞したことが検出された場合には、その入賞にもとづく賞球払出を行わないようにする。
なお、ここでは、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて役物20についての異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に役物20を開放していないとき(例えば、役物開放前処理や大入賞口開放前処理、第1大入賞口を開放しているときなどを含む)に第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンしたことが検出された場合に、それらのスイッチがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。役物20は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に役物20を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて役物20についての異常入賞が生じたか否か判定する場合に、特別図柄プロセスフラグの値が7(ステップS307の演出中処理に相当する値)である場合を除外するようにしてもよい。すなわち、「4以上」であるか否かの判定を、「4以上6以下、および8以上」であるか否の判定に代えてもよい。
ステップS367の処理で、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であることを確認した場合には、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS368)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS369)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。
ステップS363では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるか否か確認する。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS308の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であれば、ステップS368に移行する。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづいて総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行する。しかし、特別図柄プロセスフラグの値が8未満であれば、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行せずに、ステップS359に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が8未満である状態は、大当り遊技は実行されず、第1大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、第1大入賞口に異常入賞(不正行為に起因する入賞であることもある。)が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が8未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする。
なお、ここでは、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて第1大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に第1大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。第1大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に第1大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に第1大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、第1大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第1大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に第1大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
また、賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置15が開閉状態でないとき(例えば、普通図柄プロセスフラグの値が3未満であるとき)に第3始動入賞スイッチ13aからの検出信号が入力されたことを検出した場合に、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算しないように制御してもよい。なお、異常入賞が発生した場合において、賞球の払い出しを禁止する制御を実行せずに(つまり、賞球の払い出しについては実行し)、異常入賞の報知のみ実行するようにしてもよい。このような構成の場合であっても、店員に対して異常入賞の発生を認識させることができ、その後の不正行為を防止することができる。
図69は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図63参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図70および図71は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図19におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるか否か確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上である状態は、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、第1大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、第1大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であれば、ステップS586〜S589の処理を実行することなく、ステップS591に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が8未満(大当り遊技が行われていない状態)であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS586)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図67参照)との論理積をとる(ステップS587)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、第1大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、第1異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS588,S589)。論理積の演算結果が0である場合には、ステップS591に移行する。
ステップS591では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS591)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上である場合には、S605に移行する。
不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないときに、役物20(大当り遊技状態では第2大入賞口に相当。始動動作状態では小当り遊技が実行されるものに相当。)に遊技球が入賞したことを示す検出信号が第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aから出力されることはない。そこで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上でない場合に、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aから検出信号が出力されたと判定すると役物20について異常入賞が発生したと見なす。
具体的には、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS592)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容と32役物入賞スイッチ入力ビット判定値(02(H)、図67参照)との論理積をとり(ステップS593)、論理積の演算結果が0でない場合には、役物20への異常入賞(具体的には、第3役物入賞スイッチ73aで遊技球が検出される通過口73への異常入賞)が生じたと判定し、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS594,S595)。スイッチオンバッファのビット配列は、図60に示す入力ポートのビット割り当てと同じになっている。よって、スイッチオンバッファの内容と02(H)との論理積の結果が0になっていないということは、第3役物入賞スイッチ73aがオンして検出信号を出力したことを意味する。
また、スイッチオンバッファの内容をロードし(ステップS596)、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2役物入賞スイッチ入力ビット判定値(04(H)、図67参照)との論理積をとり(ステップS597)、論理積の演算結果が0でない場合には、役物20への異常入賞(具体的には、第2役物入賞スイッチ72aで遊技球が検出される通過口72への異常入賞)が生じたと判定し、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS598,S599)。
さらに、スイッチオンバッファの内容をロードし(ステップS601)、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第1役物入賞スイッチ入力ビット判定値(08(H)、図67参照)との論理積をとり(ステップS602)、論理積の演算結果が0でない場合には、役物20への異常入賞(具体的には、第1役物入賞スイッチ71aで遊技球が検出される通過口71への異常入賞)が生じたと判定し、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS603,S604)。
ステップS605では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3以上であるか否か確認する。普通図柄プロセスフラグの値が3以上である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態では、第3始動入賞口13に遊技球が入賞する可能性がある。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3以上である場合には、第3始動入賞口13への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3以上でない状態(3未満の状態)は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。すなわち、閉鎖し続けている状態である。そのような状態において第3始動入賞口13に遊技球への入賞は異常入賞である。従って、普通図柄プロセスフラグの値が3以上でない場合には、第3始動入賞口13への異常入賞が生じていないか否かの確認処理を行う(ステップS606〜S609)。なお、ステップS605の処理で、普通図柄プロセスフラグの値が4であるか否か判定するようにしてもよい。その場合には、開閉動作における開状態でのみ判定結果が「Y」になるので、より厳密に可変入賞球装置15が閉状態であるか否かを判定することができる。
ステップS606では、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第3始動口スイッチ入力ビット判定値(20(H)、図67参照)との論理積をとる(ステップS607)。スイッチオンバッファの内容が20(H)であったとき、すなわち第3始動口スイッチ13aがオンしているときには、論理積の演算結果は20(H)になる。第3始動口スイッチ13aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、第3始動入賞口13が開閉状態以外の状態(常時閉鎖している状態)であるにもかかわらず、第3始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す検出信号が第3始動口スイッチ13aから入力されたことになる。そこで、CPU56は、第3始動入賞口13への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、始動入賞異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS608,S609)。第3始動入賞口13への異常入賞が生じていないと判定した場合には、ステップS250に移行する。
ステップS250では、CPU56は、第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンしたか否か確認する。すなわち、第1位置センサ87aが検出信号を出力しているとともに第2位置センサ87bが検出信号を出力している状態であるか否か確認する。第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンしている場合には、ステップS260に移行する。
第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンした状態でない場合には、CPU56は、回転体86が回転中でなければ(ステップS251)、ステップS259に移行する。回転体86が回転中であれば、位置センサ監視中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS252)。位置センサ監視中フラグがセットされている場合にはステップS256に移行する。位置センサ監視中フラグがセットされていない場合には、第1位置センサ87aがオンしたか否か確認する(ステップS253)。第1位置センサ87aがオンした場合には、センサ監視タイマに監視時間に相当する値を設定し(ステップS254)、位置センサ監視中フラグをセットする(ステップS255)。監視時間は、回転体86の回転中に第1位置センサ87aがオンしてから第2位置センサ87bがオンするまでの時間に余裕を持たせた時間である。
ステップS256では、CPU56は、センサ監視タイマの値を−1する。そして、センサ監視タイマがタイムアウトした(値が0になった)場合には、ステップS260に移行する。タイムアウトしていない場合には第2位置センサ87bがオンしたか否か確認し(ステップS258)、第2位置センサ87bがオンした場合には、位置センサ監視中フラグをリセットする(ステップS259)。
ステップS260では、CPU56は、センサ異常が生じたと判断し、演出制御用マイクロコンピュータ100にセンサ異常報知指定コマンドを送信する制御を行う。演出制御用マイクロコンピュータ100は、センサ異常報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9等の演出用装置を用いて、センサ異常が生じたことを報知する。すなわち、電磁波等の影響により第1位置センサ87aと第2位置センサ87bの2つともオンになるなどの不正行為を発見できる。
以上のような処理によって、大当り遊技が行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、第1異常入賞報知指定コマンドが送信される。すなわち、遊技制御手段は、カウントスイッチ23(特定入賞検出手段)からの検出信号を入力したか否かを判定する特定入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS586〜S588)と、特定可変入賞装置(例えば、開閉板16による大入賞口)が開放状態に制御される可能性がある特定遊技状態(大当り遊技状態)以外の遊技状態において特定入賞判定手段が検出信号を入力したと判定すると、特定可変入賞球装置への異常入賞が生じたと判定する(ステップS585,S588参照)。
また、大当り遊技および小当り遊技が行われていない状態において第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンした場合には、第2異常入賞報知指定コマンドが送信される。さらに、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグにもとづいて異常入賞を検出している。また、上述したように、特別図柄プロセスフラグの値が4以上の間の値であるということは、遊技状態が、役物開放前処理(ステップS304)〜大当り終了処理(ステップS311)のいずれかであることを意味する。つまり、小当り遊技(始動動作)の開始から、第2大当り遊技における最終ラウンドで第2大入賞口が閉鎖された後、第2大入賞口内の遊技球が全て第2大入賞口から排出されたことが確実であるまでの間であることを意味する。特別図柄プロセスフラグの値が4以上の間において異常入賞を検出しているので、役物20が開放状態に変化したときに、役物20に進入した遊技球が役物20から確実に排出されたことを条件に異常入賞の検出が実行されていることになる。なお、小当り遊技および大当り遊技が全く実行されていないときにも、異常入賞の検出が実行されることになる。
つまり、この実施の形態では、始動動作状態において、役物20から全ての遊技球が排出されたことを条件に、特別図柄プロセスフラグの値が5から6(役物閉鎖後処理に相当する値)に変更される(図37におけるステップS440参照)。その後、特別図柄プロセスフラグの値が6から7(演出中処理に相当する値)に変更された後、0(特別図柄通常処理)に相当する値に変更される場合があるが(V入賞しなかった場合)、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻ったときには役物20から全ての遊技球が排出されたことが保証されている。従って、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻ったときには役物20内に遊技球は存在せず、本来異常検出してはならない(第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンすることが正常である場合)にも関わらず異常検出してしまうということはない。また、大当り遊技状態が終了される場合には、特別図柄プロセスフラグの値が9から10(大入賞口閉鎖後処理に相当する値)に変更され、さらに、11(大当り終了処理に相当する値)に変更された後、0(特別図柄通常処理)に相当する値に変更されるが、大当り終了処理は所定時間(大当り終了表示時間)が経過したら終了するので(図49におけるステップS531,S534,S535参照)、大当り終了表示時間を大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)から全ての遊技球が排出されるに要する時間よりも長くしておけば、本来異常検出してはならない(カウントスイッチ23、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンすることが正常である場合)にも関わらず異常検出してしまうということはない。
なお、この実施の形態では、ステップS588,S594,S598,S603,S608の処理で「Y」になったときに直ちに異常入賞が生じたと判定しているが、「Y」になった場合が複数回になると、異常入賞(大入賞口または第3始動入賞口13への異常入賞)が生じたと判定するようにしてもよい。その場合、CPU56は、カウンタによって「Y」になった回数をカウントし、カウント値が所定値になったときに異常入賞が生じたと判定する。そのように累積数(カウンタのカウント値)にもとづいて異常判定するように構成した場合には、ノイズの影響等によって過って入賞を検出してしまった場合に異常入賞状態であると判定してしまう事態を防止できる。従って、誤動作で入賞異常の報知を行ってしまう事態を防止することができる。また、累積数のカウントは、所定時間を単位として行うようにしてもよい。すなわち、所定時間が経過すると、カウンタの値をクリアする。そのような構成によれば、連続して異常と考えられる入賞が生じた場合に異常入賞が生じたと判定することができる。また、CPU56は、異常入賞が生じたと判定する度に異常入賞指定コマンドを送信し、演出制御用CPU101が複数回の異常入賞指定コマンドを受信したことを条件に異常入賞の報知するように構成してもよい。このような構成によっても、誤動作で異常入賞の報知を行ってしまう事態を防止することができる。
さらに、ステップS250〜S260の処理によって、回転体86について正常な制御がなされていれば第1位置センサ87aがオンしてから第2位置センサ87bがオンするまでの時間(具体的には監視時間)内に第2位置センサ87bがオンしなかった状況が生じた場合には、センサ異常(位置センサの検出信号が異常であったこと)と判定される。そのような状況は、検出信号の信号線にノイズが乗ったときに生じうるが、例えば、電波による不正行為が行われ、電波によって検出信号がオンするような状態になったときにも生じうる。
また、第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンするような状況は、検出信号の信号線にノイズが乗ったときに生じうるが、電波による不正行為が行われ、電波によって検出信号がオンするような状態になったときにも生じうる。
よって、第1位置センサ87aがオンしてから監視時間内に第2位置センサ87bがオンしなかった場合、および第1位置センサ87aと第2位置センサ87bとがともにオンした場合に報知を行うことによって、不正行為が行われた可能性を遊技機外部から認識することができるようになる。その結果、不正行為を抑止することができる。
また、ステップS593では、スイッチオンバッファの内容と0002(H)の論理積をとり、ステップS597では、スイッチオンバッファの内容と0004(H)の論理積をとり、ステップS602では、スイッチオンバッファの内容と0008(H)との論理積をとるようにしていたが、ステップS593,S597,S602において、全て、スイッチオンバッファの内容と0007(H)との論理和をとるようにしてもよい。この場合、演算結果が0007(H)であるか否かを判定し、演算結果が0007(H)でなければ、異常入賞が発生したと判断して、異常入賞指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS595,S599,S604)。このような構成によれば、全ての処理について共通の値(0007(H))を用いることができ、データ量を削減することができる。
なお、上記の実施の形態において、大当り遊技中の大入賞口の開放制御は、第1大入賞口の開放制御、第2大入賞口の開放制御、第1大入賞口と第2大入賞口との組合せの開放制御とが実行されるように構成されていたが(図45参照)、大当り遊技中の大入賞口の開放制御は、全て第1大入賞口(下大入賞口)の開放制御が実行されるように構成されていてもよい。大入賞口の開放制御(ステップS308〜S311)および異常入賞報知処理(図70および図71)を簡略化することができ、処理負担の軽減およびプログラム容量の削減を実現することができる。
また、第1大入賞口の開放制御と第2大入賞口の開放制御を実行する場合において、開放制御が実行されていない方の大入賞口への入賞を異常入賞と判断し、異常入賞の報知(異常入賞報知コマンドの送信)を実行するようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図72は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図73は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図28参照)であるのか解析する。
図74〜図76は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドあれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドあれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドあれば(ステップS627)、演出表示装置9の表示画面における保留記憶数表示領域(図77の保留記憶数表示領域9c)に表示される保留記憶数を1増やすように、演出表示装置9の表示状態を変更する制御を行う(ステップS628)。また、受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドであれば(ステップS629)、演出表示装置9の表示画面における時短回数表示領域(図77の時短回数表示領域9d)に表示される時短回数を変更する制御を行う(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンド(第1異常報知指定コマンドまたは第2異常報知指定コマンド)を受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが第1異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。受信した演出制御コマンドが第2異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS647)、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。受信した演出制御コマンドが役物入賞指定コマンドであれば(ステップS649)、役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650)。受信した演出制御コマンドが始動入賞異常報知指定コマンドであれば(ステップS651)、始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドがセンサ異常報知指定コマンドであれば(ステップS661)、センサ異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが第1演出開始指定コマンドであれば(ステップS663)、第1演出開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS664)。受信した演出制御コマンドが第2演出開始指定コマンドであれば(ステップS665)、第2演出開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS666)。受信した演出制御コマンドが第3演出開始指定コマンドであれば(ステップS667)、第3演出開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS668)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS669)。そして、ステップS611に移行する。
図77は、演出表示装置9の表示画面の例を示す説明図である。図77に示す例では、表示画面には、飾り図柄表示領域9a、演出領域9b、保留記憶数表示領域9cおよび時短回数表示領域9dがある。なお、飾り図柄表示領域9aは固定的な領域でもよいが、例えば飾り図柄の変動とともに飾り図柄表示領域9aの位置や大きさを変化させるようにしてもよい。また、演出領域9bは、例えば飾り図柄の変動中にキャラクタ画像などが表示される領域であるが、他の領域(例えば、飾り図柄表示領域9a)と重複するようにしてもよい。また、保留記憶数表示領域9cには、例えば、保留記憶数に応じた数の表示がなされ、時短回数表示領域9dには、例えば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動可能回数(残り回数)が数値で表示される。
図78は、図72に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS805)または大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。なお、小当り開始指定コマンドを受信した場合には小当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新し、大当り開始指定コマンドを受信した場合には大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(ステップS805):小当り遊技中の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、小当り遊技に対応した表示演出を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り後演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
小当り後演出処理(ステップS806):始動動作状態終了後の演出を行う。演出期間(この例では3秒)が経過したら、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)または演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。なお、大当り開始指定コマンドを受信した場合には大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新し、大当り開始指定コマンドを受信しない場合には変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS807):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS808):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図79は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様(所定時間毎の態様)を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、小当り後演出(始動動作状態後の演出)等を構成する各演出態様(所定時間毎の演出態様)を示すデータ等が記載されている場合もある。プロセスタイマ設定値には、その変動態様または演出態様での演出が行われる時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を表示させたり、表示演出を行う制御を実行する。
また、プロセステーブルはROMに記憶されているが、変動時間に応じた変動パターン毎に、また、始動動作状態後の演出の種類毎にプロセステーブルが用意されている。
図80は、図78に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図81は、図78に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840)。また、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。ステップS841では、受信した表示結果指定コマンドが大当り図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「7」)には、左中右が揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を停止図柄として決定する。受信した表示結果指定コマンドが小当り図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「0」「1」「2」「4」「5」「6」「8」または「9」)には、「345」の飾り図柄の組合せ(小当り図柄)を停止図柄として決定する。受信した表示結果指定コマンドがはずれ図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「3」)には、左中右が揃っていない飾り図柄の組合せ(はずれ図柄:なお、左右図柄が揃っているが中図柄が揃っていないリーチを含むが、「345」の小当り図柄は含まない)を停止図柄として決定する。
ステップS840にて変動パターンコマンド格納領域から読み出した変動パターンコマンドを示すデータにもとづいて変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS843)。ここで、図23に示したように、変動パターン7A,8A,9A,7B,8B,9B,7C,8C,9C(はずれ、小当りまたは大当りが発生するときの変動パターン)を示す変動パターンコマンドを受信した場合には、変動時間が長いので、飾り図柄の変動中に遊技者に大当り(直撃大当り)の発生を期待させるような演出を実行するためのプロセステーブルを選択する。一方、変動パターン1〜6(全て小当りが発生するときの変動パターン)を示す変動パターンコマンドを受信した場合には、変動時間が短く、飾り図柄の変動中に遊技者に大当り(直撃大当り)の発生を期待させるような演出を実行することができない。そこで、この場合は、小当りの発生を報知するような演出(例えば、図85に示すような火山が画面に現れる演出)を実行するためのプロセステーブルを選択する。その後、CPU56は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS844)。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS845A,S845B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS847)。
図82は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854)。また、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855A,S855B)。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS855A,S855C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS855Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図83は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863)。そして、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に大当り表示(大当り遊技が開始されることを報知する表示)または小当り表示(小当り遊技が開始されることを報知する表示)をさせる(ステップS864)そして、大当り表示または小当り表示の表示時間を決定するための大当り表示時間タイマを設定し(ステップS865)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS866)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS861,S863参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図84は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り表示時間タイマを−1する(ステップS871)。大当り表示時間タイマがタイムアウトしていない場合には処理を終了する(ステップS872)。大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら(値が0になったら)、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS873)。演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当りとすることに決定されていると判断する。なお、この段階で、大当りとすることに決定されている場合は、始動動作状態を経ずに、直接に大当り遊技(第1大当り遊技)が開始される場合である。また、大当り表示時間は、大当りの種類(ラウンド数の違いなど)や小当りの種類(開放回数の違いなど)に応じて変化させるようにしてもよい。
大当りとすることに決定されている場合には、第1大当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS874A)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS875A)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS876A)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応する値に更新する(ステップS877A)。大当りとすることに決定されていない場合、すなわち小当りとすることに決定されている場合には、小当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS874B)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS875B)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS876B)。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS805)に対応する値に更新する(ステップS877B)。
図85は、演出表示装置9における小当り遊技中の演出の一例を示す説明図である。図85(A)は、小当り遊技開始時に行われる演出の一例を示し、図85(B)は、始動動作状態において役物20に対する入賞があったとき(具体的には、役物入賞指定コマンドを受信したとき)に行われる演出の一例を示し、図85(C)は、始動動作状態においてV入賞があったとき(具体的には、V入賞指定コマンドを受信したとき)に行われる演出の一例を示す。小当り遊技中において、図85(A),(B),(C)のそれぞれに例示されている画像の内容が変化していく画像(例えば、噴煙が動いたり動物の画像が山の画像から離れたりするような画像)を順次表示させるように制御する。また、演出表示装置9に演出の表示がなされることに同期して、発光体やスピーカ27でも演出を行わせる。
ステップS874Bの処理では、図85(A)に示すような表示演出に対応するプロセステーブルを選択する。また、小当り遊技中処理において、役物入賞やV入賞が生じたときに、図85(A)に示すような演出から、図85(B)または(C)に示す演出に変わる。図85(A),(B),(C)に示す表示演出において、一部の画像が同一であって他の部分が異なっている。よって、役物入賞やV入賞が生じたときに、違和感なく画像を差し替えることができる。
図86は、演出制御プロセス処理における小当り遊技中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。小当り遊技中処理において、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされた場合には(ステップS821)、ステップS831に移行する。小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS822)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS823)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS824)。また、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS825A,S825B)。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS825A,S825C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、小当り遊技に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、役物入賞指定コマンドまたはV入賞指定コマンドを受信した場合には、役物入賞またはV入賞があったときに行われる演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS826,S827)。具体的には、役物入賞指定コマンドを受信した場合には、図85(B)に示す役物入賞があったときに行われる演出に応じたプロセステーブルを選択する。V入賞指定コマンドを受信した場合には、図85(C)に示すV入賞があったときに行われる演出に応じたプロセステーブルを選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS828)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS829)。以後、表示演出等は、図85(A)に示す演出から図85(B)または(C)に示す演出に切り替わる。なお、ステップS826の処理で「Y」となるのは、役物入賞指定コマンドを最初に受信したのみ、およびV入賞指定コマンドを最初に受信したのみとする。
ステップS831では、演出制御用CPU101は、始動動作状態後の演出(小当り後演出)の時間を決定するための小当り後演出時間タイマに演出時間(この例では3秒)に相当する値を設定する。そして、第1演出開始指定コマンドを受信している場合には、小当り後演出の第1演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS832,S833)、第2演出開始指定コマンドを受信している場合には、小当り後演出の第2演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS834,S835)、それ以外の場合には、第3演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS836)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS837)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始し(ステップS838)、演出制御プロセスフラグの値を小当り後演出処理(ステップS806)に対応する値に更新する(ステップS839)。
以後、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1演出開始指定コマンド(図28参照)を受信している場合には、始動動作状態において役物20に対する入賞がなかったことに対応する演出(第1演出)を実行し、第2演出開始指定コマンドを受信している場合には、始動動作状態において役物20に対する入賞があったがV入賞がなかったことに対応する演出(第2演出)を実行し、第3演出開始指定コマンドを受信している場合には、始動動作状態において役物20に対する入賞があってV入賞があったことに対応する演出(第3演出)を実行する。
図87は、演出表示装置9における小当り後演出の一例を示す説明図である。図87(A)は、始動動作状態において役物20に対する入賞がなかったことに対応する演出(第1演出)の一例を示し、図87(B)は、始動動作状態において役物20に対する入賞はあったがV入賞がなかったことに対応する演出(第2演出)の一例を示し、図87(C)は、始動動作状態において役物20に対する入賞があり、かつ、V入賞があったことに対応する演出(第3演出)の一例を示す。
演出制御用CPU101は、ステップS833,S835,S836の処理で選択されたプロセステーブルにもとづいて、小当り後演出の演出期間において、第1演出開始指定コマンドを受信している場合には、図87(A)に例示されている画像を演出制御装置9に表示する制御を行う。第2演出開始指定コマンドを受信している場合には、図87(B)に例示されている画像を演出制御装置9に表示する制御を行う。第3演出開始指定コマンドを受信している場合には、図87(C)に例示されている画像を演出制御装置9に表示する制御を行う。
さらに、演出制御用CPU101は、演出期間の終盤において図87(D)に例示されている画像を演出制御装置9に表示する制御を行うことによって、ラウンド抽選演出を行うようにしてもよい。ラウンド抽選演出とは、第2大当り遊技におけるラウンド数を報知するための演出である。図87(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560がラウンド抽選によって7ラウンドに決定した場合の例が示されている。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに特別図柄の停止図柄を決定し、特別図柄の停止図柄とラウンド数とは対応しているので、特別図柄の停止図柄が導出されたときに、遊技者は大当り遊技におけるラウンド数を認識可能である。よって、ラウンド抽選演出を実行するときには、特別図柄の停止図柄とラウンド数とは対応せず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の乱数等を用いた抽選によってラウンド数を決定することが好ましい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数指定コマンドによって、ラウンド抽選の結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。
なお、演出制御用CPU101は、図87(A)〜(D)のそれぞれに例示されている画像の内容が変化していく画像(例えば、雨状の画像が降るように表示されたり星状の画像が移動するような画像)を順次表示させるように制御する。また、演出表示装置9に小当り後演出の表示がなされることに同期して、発光体やスピーカ27でも小当り後演出を行わせる。
図88は、演出制御プロセス処理における小当り後演出処理(ステップS806)を示すフローチャートである。小当り後演出(始動動作状態後の演出)処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS891)、小当り後演出時間タイマの値を−1する(ステップS892)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS893)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS894)。また、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS895A,S895B)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS896に移行する。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグまたはセンサ異常報知中フラグ)がセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS895A,S895C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、小当り後演出に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
次いで、演出制御用CPU101は、小当り後演出時間タイマがタイムアウトしたか否か(値が0になったか否か)確認する(ステップS896)。タイムアウトした場合には(ステップS896のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているときには(ステップS897AのY)、演出制御用CPU101は、第2大当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS897B)、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS897C)、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する(ステップS897D)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応する値に更新する(ステップS898)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないときには(ステップS897AのN)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する(ステップS899)。
そして、大当り終了処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りの終了を報知するための表示を演出表示装置9に表示させた後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する。
図89および図90は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図89(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図90(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図89(C)には、演出制御用CPU101が、第1異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する第1異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第1異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図89(C)の右側参照)。図89(D)には、演出制御用CPU101が、第2異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する第2異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第2異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図89(D)の右側参照)。図89(E)には、演出制御用CPU101が、演出表示装置9に表示する排出異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、排出異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図89(E)の右側参照)。
図90(F)には、演出制御用CPU101が、始動入賞異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する始動入賞異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、始動入賞異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図90(F)の右側参照)。図90(G)には、演出制御用CPU101が、センサ異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示するセンサ異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、センサ異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図90(F)の右側参照)。
図91〜図93は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図71におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS903,S904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS906では、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS916に移行する。第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第1異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に第1異常報知画面を重畳表示する(図89(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第1異常報知中フラグをセットする(ステップS910)。
ステップS916では、演出制御用CPU101は、第2異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS921に移行する。第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS917)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第2異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS918)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に第2異常報知画面を重畳表示する(図89(D)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS919)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第2異常報知中フラグをセットする(ステップS920)。
なお、演出制御用CPU101は、第1大入賞口への異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS908,S909の処理による異常報知)と、役物20に関する異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS918,S919の処理による異常報知)とを区別可能に異常報知を行う(図89参照)。
ステップS921では、演出制御用CPU101は、センサ異常報知指定コマンドを受信したことを示すセンサ異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS926に移行する。センサ異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、センサ異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS922)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、センサ異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS923)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9にセンサ異常報知画面を重畳表示する(図90(G)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、センサ異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS924)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、センサ異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、センサ異常報知を行っていることを示すセンサ異常報知中フラグをセットする(ステップS925)。
ステップS926では、演出制御用CPU101は、始動入賞異常報知指定コマンドを受信したことを示す始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS941に移行する。始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS927)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、始動入賞異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS928)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に始動入賞異常報知画面を重畳表示する(図90(F)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、始動入賞異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS929)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、始動入賞異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞異常報知を行っていることを示す始動入賞異常報知中フラグをセットする(ステップS930)。
ステップS941では、演出制御用CPU101は、小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中であるか否か確認する。小当り遊技中であるか否かを、演出制御プロセスフラグの値によって確認できる。また、役物20を開放しているラウンド中であるか否かを、例えば、受信している表示結果指定コマンド(何ラウンドの大当り遊技であるかを確認するため:図16および図22参照)と大入賞口開放時表示コマンド(何ラウンドの遊技中であるかを確認するため)とによって確認できる。
小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中でない場合には、役物排出監視タイマの値を0にする(ステップS944)。
小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中であれば、役物入賞指定コマンドを受信したことを示す役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS942)。役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、役物入賞指定コマンド受信フラグをリセットして(ステップS943)、役物排出監視タイマの値を0にする(ステップS944)。
役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、役物排出監視タイマの値を+1する(ステップS945)。役物排出監視タイマの値が監視時間値(監視時間に相当する値:監視時間は、大当り遊技のラウンド時間よりも長い時間であって例えば41.5秒)になっていたら、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS947)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する(図89(E)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、排出異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS948)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、排出異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、排出異常報知を行っていることを示す排出異常報知中フラグをセットする(ステップS949)。
以上のような制御によって、小当り遊技中または役物20を開放しているラウンド中において、監視時間を越えて役物入賞指定コマンドを受信しなかった場合には、演出制御用CPU101は、排出異常が生じたと判定して異常報知を行う。
小当り遊技中に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出すると、小当り遊技を終了して、小当り終了指定コマンドを送信する(図37におけるステップS440および図41におけるステップS451参照)。コマンドを受信した演出制御用CPU101は、制御状態を小当り遊技中でない状態にする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、制御等が正常に実行されていれば、監視時間が経過する前に小当り終了指定コマンドを送信するので、役物排出監視タイマがタイムアウトすることはない。すなわち、役物排出監視タイマがタイムアウトしたということは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、所定の時間内に役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出できなかったということを意味するので、役物20から遊技球が排出されない排出異常が生じたことになる。なお、排出異常が生じたということは、実際には役物20に遊技球が入賞していなかった(不正に役物20に入賞した状況が作られた可能性がある。)可能性がある。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1異常入賞報知指定コマンドと第2異常入賞報知指定コマンドとを受信することによって、第1大入賞口への異常入賞が発生したときの異常報知と、役物20に関する異常入賞が発生したときの異常報知とを区別可能に異常報知を行ったが、演出制御用CPU101が異常を区別可能にするコマンド(第1異常入賞報知指定コマンドと第2異常入賞報知指定コマンド)の受信によらず、独自に区別可能な異常報知を行うようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101には、磁気センサ95a〜95fや振動センサ96aからの検出信号が入力される。演出制御用CPU101は、磁気センサ95a〜95fからの検出信号を入力した場合には、演出装置を用いて、磁石などを用いた不正行為にもとづく異常報知を実行し、振動センサ96aからの検出信号を入力した場合には、演出装置を用いて、台(遊技機)を揺らすなどの不正行為にもとづく異常報知を実行する。
図94は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図94(A)には、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図94(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図94(C)には、演出表示装置9において異常入賞の報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1異常入賞報知指定コマンドまたは第2異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面(第1異常報知画面または第2異常報知画面)を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知が開始されてから所定時間が経過すると、異常報知を停止するように制御してもよい。
図94(C)には、異常入賞の報知が行われる場合が例示されているが、排出異常や始動入賞異常やセンサ異常の報知が行われる場合にも、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、排出異常や始動入賞異常やセンサ異常の場合にも、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞および排出異常の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では8)未満のときには常時第1大入賞口に関する異常入賞の検出を行い、特別図柄プロセスフラグの値が4〜11の間の値でないときには常時役物20に関する異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態でないときに1個の遊技球が第1大入賞口または役物20に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、始動動作状態および大当り遊技状態でないときに第1大入賞口または役物20に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、始動動作状態および大当り遊技状態でないときに、所定の時間内に、所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上述したように、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを行う。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、CPU56が、時短状態中に小当りとすることに決定したときは、時短時小当りフラグをセットし(ステップS75)、特別図柄の変動が停止されるときに時短フラグをリセットし(ステップS135)、大当り遊技(特定遊技状態)に移行された場合において、大当り遊技の終了時に時短フラグをセットするとともに(ステップS536)、時短時小当りフラグがセットされているときは時短回数として100回を設定し(ステップS538)、時短時小当りフラグがセットされていないときは時短回数として1回をセットする(ステップS540)ように構成されているので、大当り遊技状態への移行の契機となる変動が開始された時点での遊技状態に応じて、時短状態(特別遊技状態)の変動の継続回数が異なるように制御することができ、遊技状態に応じて異なる期待感を与えることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、CPU56が、小当り遊技(始動動作)中に役物(可変入賞球装置20)に遊技球が全く入賞しなかった場合は、遊技球の入賞の検出有効期間(入賞監視時間)の経過後に時短時小当りフラグをリセットし(ステップS457)、また、小当り遊技(始動動作)中に役物(可変入賞球装置20)に遊技球が入賞したがV入賞が発生しなかった場合は、遊技球の排出の有効検出期間(排出監視時間)の経過後に時短時小当りフラグをリセットする(ステップS457)ように構成されているので、時短状態中に小当りが発生したことを示す時短時小当りフラグをリセットすることができ、遊技制御の整合を確実に担保することができる。
また、上記の実施の形態では、特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されたことにもとづいて大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行されたときと、特別図柄の停止図柄として小当り図柄が導出表示され、役物20内における特定入賞口66に遊技球が入賞したことにもとづいて大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行されたときとで、大当り遊技中の演出として異なる演出を実行するように構成されているので、大当り遊技状態への移行の契機が複数設けられ、いずれの契機で大当り遊技状態に移行したかについて容易に認識させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されたことにもとづいて大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行されたときは、大当り遊技状態が終了するときに時短回数として100回を設定するように構成されているので、大当り図柄(特定表示結果)の導出表示にもとづく大当り遊技状態の価値を高めることができ、その結果、大当り図柄の導出表示にもとづく大当り遊技状態の発生の期待感を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
また、上記の実施の形態では、特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されるときは、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技が開始されるまでに時短フラグをリセットするように構成されているので、大当り遊技状態に制御されている最中に時短状態に移行されるのを防止することができ、出球率の異常な上昇を回避することができる。
また、上記の実施の形態では、特別図柄の停止図柄として導出表示される小当り図柄に応じて、役物(可変入賞球装置20)の開放回数を異ならせる(1回または2回開放制御を実行する)ように構成されているので、遊技のバリエーションを増加させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、CPU56が、役物20が開放されたときから所定の期間に亘って回転体86を遊技球が特定入賞口66に入賞しやすい第1動作で駆動し、所定の期間が経過したときに回転体86を遊技球が特定入賞口66に入賞し難い第2動作で駆動し、役物20が閉鎖された後、役物20に入賞した遊技球が全て排出されたことを条件に回転体86の駆動を停止するように構成されているので、役物20に遊技球が滞留しているうちに回転体86の駆動が停止されてしまうことはない。また、回転体86を常に作動(駆動)する必要が無くなり、消費電力を抑制することができる。
また、上記の実施の形態では、CPU56が、役物20が閉鎖された後、役物20に入賞した遊技球が全て排出されたことを条件に、回転体86を所定の初期位置に設定する制御を開始し、役物20が閉鎖されたときから所定時間が経過したことを条件に、次の小当りの発生にもとづくき新たに役物20を開放し、待機時間が、回転体86を初期位置に設定するのに要する時間よりも長く設定されているので、役物20が開放するときに回転体86が初期位置に設定されていることが確実になり、役物20の開放時に回転体86の位置がばらついて不公平になることが防止される。
また、上記の実施の形態では、初期化報知が異常報知(異常入賞の報知および排出異常の報知)に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識するできるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、特別図柄の変動開始時に時短状態において小当りが発生すると決定されたことを示す時短時小当りフラグをセットし、大当り遊技の終了時において時短時小当りフラグを用いて時短状態のときに小当りが発生したか否かを判定するように構成していた。しかし、この実施の形態2では、小当り遊技(始動動作)の終了時に時短状態において小当りが発生すると決定されたことを示す時短時小当りフラグをセットし、大当り遊技の終了時において時短時小当りフラグを用いて時短状態のときに小当りが発生したか否かを判定するように構成している。
図95は、実施の形態2における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。実施の形態2における特別図柄通常処理では、図95に示すように、CPU56が、大当り・小当り判定の結果が「小当り」とすると決定した場合でも(ステップS72のY)、現在の遊技状態が時短状態であるか否か判定せず、時短時小当りフラグのセットも行わない(すなわち、ステップS74,S75の処理を実行しない)。その他の処理については、図30に示した実施の形態1における特別図柄通常処理と同様であるため、説明を省略する。
図96は、実施の形態2における特別図柄停止処理を示すフローチャートである。実施の形態2における特別図柄停止処理では、図96に示すように、CPU56が、小当りフラグがセットされていると判定し(ステップS133のY)、時短フラグもセットされていると判定した場合でも(ステップS134のY)、この時点で時短フラグをリセットしない(すなわち、ステップS135の処理を実行しない)。このように、特別図柄停止処理にて時短フラグをリセットしない場合は、小当り遊技中においても時短状態に制御されることになる。その他の処理については、図33および図34に示した実施の形態1における特別図柄停止処理と同様であるため、説明を省略する。
図97は、実施の形態2における役物閉鎖後処理を示すフローチャートである。実施の形態2における役物閉鎖後処理では、図97に示すように、CPU56が、V入賞フラグがセットされていると判定したときに(ステップS454のY)、時短フラグがセットされているか否か確認し(ステップS457A)、時短フラグがセットされている場合には、時短時小当りフラグをセットする(ステップS457B)。なお、役物20に遊技球が全く入賞しなかった場合(ステップS452のN)や役物20に遊技球が入賞したがV入賞しなかった場合(ステップS454のN)には、実施の形態1の場合と異なり時短時小当りフラグをリセットする処理を実行しない(図41のステップS457参照)。
図98は、実施の形態2における演出中処理を示すフローチャートである。実施の形態2における役物閉鎖後処理では、図98に示すように、CPU56が、V入賞フラグがセットされており大当りが発生する場合に(ステップS462のY)、時短フラグをリセットする(ステップS463B)。これにより、大当り遊技中に時短フラグがセットされ、時短状態に制御されてしまうのを回避させることができる。また、V入賞フラグがセットされておらず大当りが発生しない場合に(ステップS462のN)、時短回数カウンタの値が0のときは(ステップS469C)、時短フラグをリセットする(ステップS469D)。これにより、時短状態が継続可能な時短回数に亘る変動が終了した場合に、時短状態を終了させることができる。なお、時短回数カウンタの値が0であることにもとづき時短フラグをリセットする処理は、次回の特別図柄の変動開始時に実行してもよい。
なお、大当り終了処理は、図49に示した実施の形態1の場合と同様である。すなわち、時短時小当りフラグのオン・オフ(セット・リセット)に応じて小当りが発生したときの遊技状態を確認し、その遊技状態に応じた時短回数を設定する。
以上に説明したように、この実施の形態2によれば、実施の形態1の場合と同様に、時短状態(特別遊技状態)の変動の継続回数が異なるように制御することができ、遊技状態に応じて異なる期待感を与えることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、小当り遊技中も時短状態に制御するので、遊技者により多くの出球を付与することができ、遊技者に遊技継続の動機(モチベーション)を与えることができる。さらに、時短時小当りフラグのセット・リセットの処理を実施の形態1の場合よりも簡略化されるため、処理負担の軽減およびプログラム容量の削減を実現することができる。
なお、上記の実施の形態1,2では、時短時小当りフラグが設定されている場合(時短状態のときに小当りが発生したことにもとづき大当り遊技が実行された場合)における大当り遊技の終了後の時短回数は100回とされていたが、このような回数に限られず、異なる回数(例えば100回未満など)であってもよい。
また、時短時小当りフラグが設定されていない場合(通常状態のときに小当りが発生したことにもとづき大当り遊技が実行された場合)における大当り遊技の終了後の時短回数は1回とされていたが、このような回数に限られず、異なる回数(例えば2回以上)であってもよい(ただし、時短時小当りフラグが設定されていない場合における大当り遊技の終了後の時短回数は、時短時小当りフラグが設定されている場合(時短状態のときに小当りが発生したことにもとづき大当り遊技が実行された場合)における大当り遊技の終了後の時短回数よりも少ない回数(例えば100回未満)とされる)。
また、上記の実施の形態1,2では、時短状態の場合において小当りが発生したときに、時短時小当りフラグをセットするように構成されていたが、通常状態の場合において小当りが発生したときに、通常時小当りフラグをセットするように構成されていてもよい。この場合、大当り遊技の終了時に、通常時小当りフラグがセットされている場合は時短回数として1回を設定し、通常時小当りフラグがセットされていないときは時短回数として100回を設定することになる。
また、磁気センサ95a〜95fや振動センサ96aの検出信号は、演出制御用CPU101に入力されるように構成されていたが、CPU56に入力されるように構成されていてもよい。このような構成によれば、CPU56が、磁気センサ95a〜95fや振動センサ96aからの検出信号の入力にもとづき不正行為を認識した場合には、遊技を停止させることができ、確実に不正行為(不正な出球の獲得)を回避することができる。なお、この構成の場合においても、CPU56が、磁気センサ95a〜95fや振動センサ96aからの検出信号の入力にもとづき異常報知を指定する演出制御コマンドを演出制御用CPU101に送信することにより、演出装置を用いて異常報知を実行することが可能である。
なお、上記の実施の形態1,2では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
図99は、図18に示す演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70による構成に代えて、音/ランプ制御基板80bおよび表示制御基板80aが設けられた構成例を示すブロック図である。図99に示すように、音/ランプ制御基板80bには、音/ランプ制御用CPU101bおよびRAMを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが搭載されている。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、出力ポート107を介してランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの各ランプに供給する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC703に対して音番号データを出力する。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した演出制御コマンドを出力ポート104を介して表示制御基板80aに転送するとともに、受信した演出制御コマンドにもとづいてコマンドを生成し、生成したコマンドを出力ポート104を介して表示制御基板80aに送信する。
図99に示すように、表示制御基板80aには、表示制御用CPU101aおよびRAM(図示せず)を含む表示制御用マイクロコンピュータ100aが搭載されている。表示制御基板80aにおいて、表示制御用マイクロコンピュータ100aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、音/ランプ制御基板80bから入力ポート108を介してコマンドを受信する。そして、表示制御用マイクロコンピュータ100aは、受信したコマンドにもとづいて、VDP109に、LCDを用いた演出表示装置9の表示制御を行わせる。演出表示装置9の表示制御に関する表示制御用マイクロコンピュータ100aの制御は、上記の各実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100の制御と同じである。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから表示制御用マイクロコンピュータ100aに対して送信されるコマンドは、上記の各実施の形態における演出制御コマンド(図28参照)と同様である。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンドをそのまま表示制御用マイクロコンピュータ100aに転送することによって、上記の各実施の形態における演出制御コマンド(図28参照)と同様のコマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100aに与えることができる。
なお、図99に示す例では、磁気センサ95a〜95fや振動センサ96aを示していないが、磁気センサ95a〜95fや振動センサ96aからの検出信号は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bおよび表示制御用マイクロコンピュータ100aのどちらに入力されてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、始動入賞にもとづいて1つの特別図柄の変動が実行されるように構成されていたが、始動入賞にもとづいて2つの特別図柄の変動が実行されるように構成されていてもよい。すなわち、特定の始動入賞の発生(例えば第1始動入賞口11および第2始動入賞口12への遊技球の入賞)にもとづいて第1特別図柄の変動が実行され、特定の始動入賞以外の始動入賞の発生(例えば第3始動入賞口13への遊技球の入賞)にもとづいて第2特別図柄の変動が実行されるように構成されていてもよい。この場合、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とが同時に実行されるように構成されていてもよいし、始動入賞が発生した順に第1特別図柄の変動または第2特別図柄の変動が実行されるように構成されていてもよいし、一方の始動入賞(例えば第1始動入賞)にもとづく特別図柄(例えば第1特別図柄)の変動が他方の始動入賞(例えば第2始動入賞)にもとづく特別図柄(例えば第2特別図柄)の変動よりも優先して実行されるように構成されていてもよい。
特別図柄が2個設けられている場合、一方の特別図柄の変動における大当り・小当りの発生割合と、他方の特別図柄の変動における大当り・小当りの発生割合とを異ならせるようにしてもよい。具体的には、一方の特別図柄の変動における大当り・小当り判定で用いるテーブルと、他方の特別図柄の変動における大当り・小当り判定で用いるテーブルとを用意し、各々のテーブルにおいて大当り・小当りの発生割合が異なるように判定値の振り分けを異ならせる。このような構成によれば、例えば、直撃大当り(小当りを経由せずに生じる第1大当り)のラウンド振り分けなどを異ならせることができる(例えば第1始動入賞および第2始動入賞にもとづく第1特別図柄の変動では、2ラウンドの大当りを設け、第3始動入賞にもとづく第2特別図柄の変動では2ラウンドの大当りを設けない等)。その結果、時短状態における出球率を変化させたり、遊技のバリエーションを増加させたりすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記の各実施の形態では、直撃大当り(小当りを経由せずに直接発生する大当り)が1種類しか設けられていなかったが、直撃大当りを複数種類設けてもよい。この場合、複数種類の直撃大当りのうち、一部の直撃大当りが発生したときは、大当り遊技の終了後に特定回数だけ時短状態に移行し、それ以外の直撃大当りが発生したときは、大当り遊技の終了後に時短状態に移行しない、または特定回数よりも少ない回数だけ時短状態に移行するように制御してもよい。
なお、上記の各実施の形態では、時短状態に移行させる際に、時短回数カウンタに時短状態が継続可能な回数に相当する値(上記の例では1回または100回)を設定し、変動が行われる毎に時短回数カウンタの値を1減算していくように構成されていたが、このような構成に限られるわけではなく、次のような構成であってもよい。例えば、時短状態に移行させる際に、時短状態が100回継続される場合はその旨を示すフラグ(100回フラグ)をセットし、時短状態が1回しか継続しない場合にはその旨を示すフラグ(1回フラグ)をセットする。そして、大当り遊技が終了して時短状態に移行された後、変動が行われる毎に時短回数カウンタの値を1加算していく。そして、100回フラグがセットされている場合には、変動回数カウンタの値が100となるまで加算し、100になると時短状態を終了させる。また、1回フラグがセットされている場合には、変動回数カウンタの値が1となるまで加算し、1になると時短状態を終了させる。このような時短回数カウンタを加算更新する構成によっても、時短回数カウンタを減算更新する構成と同様に、確実に時短回数をカウントし、時短状態の終了条件の成立の有無を判定することができる。