実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、この実施の形態では、遊技機の各面のうち、遊技者が遊技をしている状態で遊技者が相対している側の面を正面という。また、この実施の形態では、以下、遊技機の各部位のうち、遊技者に対して左側に位置する部位を左側、右側に位置する部位と右側などと表現する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口11に入った入賞球は第1始動口スイッチ11aによって検出され、第2始動入賞口12に入った入賞球は第2始動口スイッチ12aによって検出され、それぞれ、遊技盤6の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15が開状態になることによって入賞可能になる第3始動入賞口13に入った入賞球は第3始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口11,12,13と表すことがある。また、第1始動口スイッチ11aと、第2始動口スイッチ12aと、第3始動口スイッチ13aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ11a,12a,13aと表すことがある。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合には、可変入賞球装置20が1回または2回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放部材77が反時計方向に回動し、右側の開放部材78が時計方向に回動することによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放部材77,78が初期位置に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を、大入賞口または役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
また、可変入賞球装置20は、大当り遊技の開始条件(例えば、始動動作状態において遊技球が特定領域に入賞したこと。)が成立すると、所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。その状態を大当り遊技状態(特定遊技状態)という。大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。なお、始動動作状態を除き、可変入賞球装置20が開閉制御される状態(大当り遊技状態)を第1大当り遊技状態ということがある。また、第1大当り遊技状態における複数のラウンドのうちに、開閉板16が開状態にされることによって開放状態になる大入賞口が開閉制御されるラウンドが含まれる場合がある。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の上方には、始動入賞口に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口11,12,13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、後述するように、演出表示装置9でも始動記憶数が表示されるので、特別図柄始動記憶表示器18を設けなくてもよい。
可変入賞球装置20の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。遊技領域7に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13である。普通図柄表示器10の上方には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。なお、大入賞口の内部には特定入賞領域(V入賞領域)が形成され、V入賞領域を通過した遊技球は、V入賞スイッチ22で検出される。遊技球がV入賞領域を通過することを条件に、大当り遊技状態における次のラウンドが開始される(最終ラウンドの場合を除く。)。また、この実施の形態では、V入賞領域を通過した遊技球も、カウントスイッチ23で検出される。以下、可変入賞球装置20による大入賞口を第2大入賞口といい、開閉板16による大入賞口を第1大入賞口ということがある。第1大入賞口と第2大入賞口とを「大入賞口」と総称することがある。
また、開閉板16の右方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、開閉板16の左方には入賞口(普通入賞口)39が設けられている。遊技球の入賞口38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ38a,39aによって検出される。入賞口38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口(第1大入賞口および第2大入賞口)の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が始動入賞口に入り始動口スイッチで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「3」、「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、それ以外の図柄(小当り図柄)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
次に、可変入賞球装置20について、図2〜図28を参照して説明する。図2は、遊技盤6に設けられている可変入賞球装置20を正面からみた正面図である。図3は、可変入賞球装置20を上側から見た上面図である。図4は、可変入賞球装置20を斜め上方向から見た斜視図である。
可変入賞装置(役物)20は、ソレノイド77B,78Bの駆動によって開放部材77,78が開放状態になると、遊技球が進入可能な状態になる。なお、以下、ソレノイド77Bを第1役物ソレノイドともいい、ソレノイド78Bを第2役物ソレノイドともいう。左側の開放部材77が開放状態となることによって左側の通過口71を通過した遊技球は、第1役物入賞スイッチ71aで検出される。また、右側の開放部材78が開放状態となることによって右側の通過口72を通過した遊技球は、第2役物入賞スイッチ72aで検出される。なお、図1では、開放部材77,78が開放状態とされ遊技球が役物20内に進入可能である状態が示されている。また、図2および図3では、開放部材77,78が閉鎖状態とされ遊技球が役物20内に進入不能である状態が示されている。また、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
また、役物20には、3つの回転体90A,90B,90Cが設けられている。なお、回転体90Aを第2回転体、回転体90Bを第1回転体、回転体Cを第3回転体ともいう。この実施の形態では、遊技機の正面側から見て、第2回転体90Aおよび第1回転体90Bは反時計方向に回転し、第3回転体90Cは時計方向に回転する。各回転体には、役物20内に進入した遊技球を遊技者にとって有利な領域(後述する特定領域(特定入賞口66))に導くことが可能な有利部位が設けられている。具体的には、第2回転体90Aには、有利部位として、複数の磁石が設けられている。また、第1回転体90Bおよび第3回転体90Cには、有利部位として、回転体上の他の部位より窪んだ形状に形成され遊技球が入りやすく形成された部位が設けられている。各回転体90A〜90Cの有利部位の詳細については後述する。また、以下、各回転体90A〜90Bの有利部位以外の部位のことを不利部位ということがある。
開放中の各開放部材77,78から通過口71,72を経るルートはそのまま役物20内の経路部材91Aにそれぞれ直結しており、各開放部材77,78が開閉しているときに役物20に進入した遊技球は、役物20内に設けられた経路部材91Aを通って役物20内の左方に導かれる。そして、経路部材91Aの左端に到達した遊技球は、うまく第2回転体90Aの有利部位(磁石)にくっつけば、第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態で、第2回転体90Aの回転に従って特定入賞口66の方へ導かれる。また、タイミングが合わず、うまく第2回転体90Aの有利部位にくっつかなかった場合には、遊技球は、役物20内の左方に設けられた経路部材91Bを通って第1回転体90Bの方へ導かれる。次いで、うまく第1回転体90Bの有利部位(他より窪んだ部位)にはまると、第1回転体90Bの回転に従って第2回転体90Aの方に導かれる。そして、うまく第2回転体90Aの有利部位(磁石)にくっつけば、第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態で、第2回転体90Aの回転に従って特定入賞口66の方へ導かれる。したがって、役物20内に進入した遊技球は、第2回転体90Aの有利部位にくっついて特定入賞口66の方へ導かれるチャンスが2回あることになる。なお、うまく第1回転体90Bの有利部位にはまらなかった遊技球は、そのまま役物20の下方に設けられた排出口85Aから排出される(すなわち、はずれとなる)ことになる。また、第1回転体90Bの有利部位にはまったものの、うまくタイミングが合わずに第1回転体90Aの有利部位にくっつかなかった遊技球も、そのまま排出口85Aから排出される(すなわち、はずれとなる)ことになる。
また、役物20の下方には、第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態の遊技球を有利部位からはぎ落とすための奥可動部98が設けられている。第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態で導かれた遊技球は、奥可動部98によって第2回転体90Aの有利部位からはぎ落とされると、通過口92aを通過して、特定入賞口66に誘導するためのレーン型の部材である誘導部92に導かれる。誘導部92は左右への往復運動を行う部材であり、誘導部92が遊技機に対して正面を向いた状態で誘導部92にうまく導かれると、遊技球は、誘導部92を通って特定入賞口66に入賞する。誘導部92が正面を向いたタイミングでうまく導かれなかった場合には、そのまま排出口85A,85Bから排出される(すなわち、はずれとなる)ことになる。
奥可動部98が可動するタイミングとあわずに、第2回転体90Aの有利部位にくっついたまま特定入賞口66の前を通過してしまった場合には、遊技球は、第2回転体90Aの有利部位にくっついたままの状態で役物20の上方に導かれる。次いで、遊技球は、役物20の上方に設けられている壁材で遮られて第2回転体90Aの有利部位からはぎ落とされ、役物20内の右方に設けられた経路部材91Cを通って第3回転体90Cの方へ導かれる。次いで、うまく第3回転体90Cの有利部位(他より窪んだ部位)にはまると、第3回転体90Cの回転に従って通過口92aの方に導かれる。そして、通過口92aを通過して、誘導部92が遊技機に対して正面を向いた状態で誘導部92にうまく導かれると、遊技球は、誘導部92を通って特定入賞口66に入賞する。誘導部92が正面を向いたタイミングでうまく導かれなかった場合には、そのまま排出口85A,85Bから排出される(すなわち、はずれとなる)ことになる。また、うまく第3回転体90Cの有利部位にはまらなかった遊技球も、そのまま役物20の下方に設けられた排出口85Bから排出される(すなわち、はずれとなる)ことになる。
この実施の形態では、第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態で導かれ、奥可動部98によって第2回転体90Aからはぎ落とされて誘導部92に導かれたときに、最も特定入賞口66に入賞しやすい状態となる。また、この実施の形態では、奥可動部98によって第2回転体90Aからはぎ落とされずに誘導部92に導かれなかった場合であっても、経路部材91Cを通って第3回転体90Cに導かれることによって、誘導部92に導かれる場合よりも入賞確率が低いものの、再度特定入賞口66に入賞するチャンスがある。
特定入賞口66、各排出口85A,85Bの下方には、それぞれ特定領域スイッチ66a、排出口スイッチ85a,85bが設けられている。役物20における最下部に設けられている特定領域を形成する特定入賞口66に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ66aで検出される。なお、遊技球が特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出されたことをV入賞ともいう。また、各排出口85A,85Bに入った遊技球は、それぞれ排出口スイッチ85a,85bで検出される。
また、この実施の形態では、役物20内には、第2回転体90Aの前(すなわち、正面ガラス側)に位置するように、ランプやセンサが搭載された複数の基板が取り付けられている。図5は、可変入賞球装置20に取り付けられた各基板の配置を示す説明図である。図5に示すように、役物20には、裏面上方、下方、左方および右方にそれぞれ基板950A〜950Dが取り付けられている。以下、役物20の左方に取り付けられた基板950Aをセンター左基板といい、右方に取り付けられた基板950Bをセンター右基板といい、上方に取り付けられた基板950Dをセンター上基板といい、下方に取り付けられた基板950Cをセンター下基板ともいう。センター左基板950Aには、装飾表示灯としての複数のランプ196aが搭載されている。また、センター左基板950Aには、磁気を検出するための磁気センサ95aが搭載されている。また、センター右基板950Bには、装飾表示灯としての複数のランプ196bが搭載されている。また、センター右基板950Bには、磁気を検出するための磁気センサ95fが搭載されている。また、センター下基板950Cには、装飾表示灯としての複数のランプ196cが搭載されている。また、センター下基板950Cには、磁気を検出するための3つの磁気センサ95b,95c,95eが搭載されている。以下、磁気センサ95aを第1磁気センサといい、磁気センサ95bを第2磁気センサといい、磁気センサ95cを第3磁気センサといい、磁気センサ95dを第4磁気センサといい、磁気センサ95eを第5磁気センサといい、磁気センサ95fを第6磁気センサともいう。また、センター上基板905Dには、装飾表示灯としての複数のランプ196dが搭載されている。
この実施の形態では、磁気センサ95a〜95fとしてリードスイッチを用いる。リードスイッチは、2本の強磁性体リードが所定の接点間隔をおいて相対するように配置され、ガラス管の中に封入された形状に形成されている。そして、このリードスイッチにリードの軸方向に磁界を外部から加えると、リードが磁化され、相対した自由端が互いに吸引しあい接触して回路を導通状態にすることができる。
この実施の形態では、図5に示すように、第1磁気センサ95aは、リードの軸方向が左側の通過口71付近と第2回転体90Aの円周部の左方部分とを向くように配置されている。したがって、第1磁気センサ95aは、磁石などを用いて左側の通過口71から遊技球を入賞させようとしたり、第2回転体90Aの円周部の左方部分で遊技球を有利部位にくっつけようとするなどの不正行為が行われると、異常磁気の存在を検出し検出信号を出力する。また、図5に示すように、第6磁気センサ95fは、リードの軸方向が左側の通過口72付近と第2回転体90Aの円周部の右方部分とを向くように配置されている。したがって、第6磁気センサ95fは、磁石などを用いて右側の通過口72から遊技球を入賞させようとしたり、第2回転体90Aの円周部の右方部分で遊技球を有利部位にくっつけようとするなどの不正行為が行われると、異常磁気の存在を検出し検出信号を出力する。
また、この実施の形態では、図5に示すように、各磁気センサ95a〜95fは、長手方向がガラス扉枠2の正面ガラスの面に交差する方向に配置され、正面ガラス側から磁石を用いて行われる不正行為を検知しやすくなっている。リードスイッチは、その構造上、長手方向に強く磁気を検出するように指向性をもち、長手方向に交差する方向には指向性を強くもたない。そのため、磁石を用いた不正行為が行われやすい部位にリードスイッチの長手方向に交差する方向が位置するように配置していしまうと、磁石を用いた不正行為をうまく検知できない場合がある。そのため、この実施の形態では、リードスイッチである各磁気センサ95a〜95fを、磁石を用いた不正行為が行われやすい部位に対して、長手方向に位置するように配置する。
具体的には、第2磁気センサ95bおよび第4磁気センサ95dは、リードの軸方向が第2回転体90Aの円周部の下方部分と排出口85A,85Bとを向くように配置されている。したがって、第2磁気センサ95bおよび第4磁気センサ95dは、磁石などを用いて第2回転体90Aの円周部の下方部分で遊技球を有利部位にくっつけようとしたり、排出口85A,85Bから遊技球が排出されるのを阻止しようとしたりするなどの不正行為が行われると、異常磁気の存在を検出し検出信号を出力する。また、この実施の形態では、図5に示すように、第3磁気センサ95cは、リードの軸方向が第2回転体90Aの円周部の下方部分と特定入賞口66とを向くように配置されている。したがって、第3磁気センサ95cは、磁石などを用いて第2回転体90Aの円周部の下方部分で遊技球を有利部位にくっつけようとしたり、特定入賞口66に遊技球を導こうとしたりするなどの不正行為が行われると、異常磁気の存在を検出し検出信号を出力する。
また、この実施の形態では、図5に示すように、第5磁気センサ95eは、リードの軸方向が第1回転体90Bおよび第3回転体90Cの近辺の磁気を検出可能な位置に配置されている。したがって、第5磁気センサ95eは、磁石などを用いて第1回転体90Bや第3回転体90Cの有利部位に遊技球を誘導しようとするなどの不正行為が行われると、異常磁気の存在を検出し検出信号を出力する。
なお、この実施の形態では、各基板950A〜950Dが第2回転体90Aの前に位置するように取り付けられているので、各磁気センサ95a〜95fは、第2回転体90Aとガラス扉枠2の正面ガラスとの間に位置するように配置されていることになる。そのような構成により、遊技機の正面側に設けられたガラス扉枠2側から磁石を用いて行われる不正行為を容易に検出することを可能としている。
また、遊技機において、各電気部品を搭載した各基板をガラス扉枠2の面に対して平行に配置するのが通常であるが、この実施の形態では、リードスイッチである各磁気センサ95a〜95fを配設するにあたり、ガラス扉枠2の面に対してある程度角度(0度〜90度。90度が好ましい)をもたせるように、各磁気センサ95a〜95fを搭載した基板20Aが配置されている。なお、各磁気センサ95a〜95fを基板20Aに対してある程度角度をもたせるように基板20Aに取り付けてもよい。そのようにすれば、基板20Aをガラス扉枠2の面に対して平行に配置することができ、基板20Aをガラス扉枠2に対して角度をもたせて取り付ける必要をなくすことができる。
また、遊技盤6の役物20が取り付けられている部分の右下方の裏側には、振動センサ96aが搭載された振動センサ基板96が取り付けられている。この実施の形態では、遊技機をゆするなどの不正行為が行われると、振動センサ96aが振動を検出し検出信号を出力する。なお、振動センサ96aを、主基板31または演出制御基板80などの他の基板に設けるようにしてもよい。
また、役物90の左方には遊技球の通過を検出するための近接センサ800aが設けられており、役物90の右方には遊技球の通過を検出するための近接センサ800bが設けられている。例えば、遊技球が第2回転体90Aの有利部位にくっついて近接センサ800aを通過すると、近接センサ800aは、検出信号を出力する。なお、例えば、近接センサ800aからの検出信号を入力したことにもとづいて、演出表示装置9に「チャンス!」などの文字列を表示するようにして、V入賞のチャンスであることを報知してもよい。また、例えば、奥可動部98によってはぎ落とされることなく、そのまま経路部材91Cに導かれた遊技球が近接センサ800bを通過すると、近接センサ800bは、検出信号を出力する。なお、例えば、近接センサ800bからの検出信号を入力したことにもとづいて、演出表示装置9に「まだまだ!」などの文字列を表示することによって、まだV入賞のチャンスが継続していることを報知するようにしてもよい。
次に、各開放部材77,78の動作原理を説明する。図6および図7は、各開放部材77,78の動作原理を説明する説明図である。図6は、各開放部材77,78を閉じた状態を示している。また、図7は、各開放部材77,78を開いた状態を示している。この実施の形態では、遊技制御手段(後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560)が第1役物ソレノイド77Bおよび第2役物ソレノイド78Bを通電することによって、プランジャに結合された羽根アーム77A,77Bが引き上げられる。羽根アーム77A,77Bが引き上げられると、羽根クランク77C,78Cが引き上げられ、羽根シャフト77D,78Dが回転する。そして、羽根シャフト77D,78Dが回転することによって、各開放部材77,78が開いた状態となり、遊技球が入賞可能な状態となる。また、遊技制御手段が第1役物ソレノイド77Bおよび第2役物ソレノイド78Bへの通電を停止すると、第1役物ソレノイド77Bおよび第2役物ソレノイド78Bに装着されているスプリング77E,78Eの力によって各開放部材77,78が閉じた状態に戻る。なお、開閉部材77と開閉部材78とに対して、それぞれソレノイド77B,78Bを設けるのではなく、1つのソレノイドを用いて開閉部材77と開閉部材78との両方を開閉するように構成してもよい。
次に、第2回転体90Aの動作原理を説明する。図8および図9は、第2回転体90Aの動作原理を説明する説明図である。図8(A)は、第2回転体90Aを正面から見た正面図である。また、図8(B)は、第2回転体90Aを側面から見た側面図である。また、図9は、第2回転体90Aを斜め上方向から見た斜視図である。役物20の上方には、第2回転体90Aを駆動するための第2回転体駆動モータ79A(ステッピングモータ)が設けられており、第2回転体駆動モータ79Aの回転駆動力がギア94Aを介して第2回転体90Aに伝えられ、第2回転体90Aが回動される。なお、この実施の形態では、第2回転体90Aは、反時計方向にのみ回転される。
また、図8および図9に示すように、第2回転体90Aには、有利部位としての複数の磁石93が取り付けられている。図8および図9に示すように、各磁石93は、第2回転体90Aの円周付近に複数設けられており、各磁石93間のピッチ間隔が等間隔となるように配置されている。
次に、第1回転体90Bの動作原理を説明する。図10は、第1回転体90Bの動作原理を説明する説明図である。図10(A)は、第1回転体90Bを上側から見た上面図である。また、図10(B)は、第1回転体90Bを斜め上方向から見た斜視図である。役物20には、第1回転体90Bを駆動するための第1回転体駆動モータ79B(ステッピングモータ)が設けられており、第1回転体駆動モータ79Bの回転駆動力がギア94Bを介して第1回転体90Bに伝えられ、第1回転体90Bが回動される。なお、この実施の形態では、第1回転体90Bは、反時計方向にのみ回転される。
また、図10に示すように、第1回転体90Bには、2つの有利部位190bが設けられている。各有利部位190bは、他の部位よりも窪んだ形状に形成されていることによって、経路部材91Bを通った遊技球がはまりやすくなっている。具体的には、第1回転体90Bは、円筒形状に形成され、その円筒形状の上面が仕切り壁で4つの領域に仕切られ、それら仕切られた領域のうちの2のの領域(すなわち、有利部位190b)が窪んだ形状に形成され、他の2つの領域が有利部位190bよりも面が高くなるように形成されている。
次に、第3回転体90Cの動作原理を説明する。図11は、第3回転体90Cの動作原理を説明する説明図である。図11(A)は、第3回転体90Cを上側から見た上面図である。また、図11(B)は、第3回転体90Cを斜め上方向から見た斜視図である。役物20には、第3回転体90Cを駆動するための第3回転体駆動モータ79C(ステッピングモータ)が設けられており、第3回転体駆動モータ79Cの回転駆動力がギア94Cを介して第3回転体90Cに伝えられ、第3回転体90Cが回動される。なお、この実施の形態では、第3回転体90Cは、時計方向にのみ回転される。
また、図11に示すように、第3回転体90Cには、2つの有利部位190cが設けられている。各有利部位190cは、他の部位よりも窪んだ形状に形成されていることによって、経路部材91Cを通った遊技球がはまりやすくなっている。具体的には、第3回転体90Cは、円筒形状に形成され、その円筒形状の上面が仕切り壁で4つの領域に仕切られ、それら仕切られた領域のうちの2のの領域(すなわち、有利部位190c)が窪んだ形状に形成され、他の2つの領域が有利部位190cよりも面が高くなるように形成されている。
次に、誘導部92の動作原理を説明する。図12は、誘導部92の動作原理を説明する説明図である。図12(A)は、役物20の誘導部92およびその周辺部を上側から見た上面図である。また、図12(B)は、誘導部92を斜め上方向から見た斜視図である。役物20には、誘導部92を駆動するための誘導部モータ79D(ステッピングモータ)が設けられており、誘導部モータ79Dの回転駆動力によって誘導部92が左右に動作する。なお、この実施の形態では、誘導部モータ79Dを正転または逆転させることによって、誘導部92が左右に往復運動される。
この実施の形態では、誘導部92がちょうど正面を向いているタイミングで、遊技球が通過口92aから誘導部92に導かれると、図13および図14に示すように、遊技球が誘導部92を通って特定入賞口66に入る。また、誘導部92が正面よりずれているタイミングで遊技球が誘導部92に導かれてしまうと、遊技球が排出口85A,85Bから排出されることになる。
また、誘導部92には、初期位置(誘導部92が正面を向いている位置)を検出するための円盤部材921と位置センサ922a,922bとが設けられている。位置センサ922a,922bは、例えば、円盤部材921を挟むように配置されている発光ダイオードなどの発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光素子とからなり、円盤部材921には穴部(図12において図示せず。スリットともいう)が設けられている。円盤部材921が回転して、穴部を含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させることによって、誘導部92の初期位置が検出される。なお、以下、位置センサ922aを第2位置センサといい、位置センサ922bを第1位置センサともいう。
次に、遊技球が役物20内に進入した後に導かれる経路について説明する。図15は、役物20内に進入した遊技球が導かれる経路を示す説明図である。開放部材77,78が開放され、左側の通過口71または右側の通過口72を通過した遊技球は、経路部材91Aを通って第2回転体90Aの左方に導かれる。なお、図1に示すように、経路部材91Aは、左方に向かって低くなるように傾斜しているので、通過口71,72を通過した遊技球は、第2回転体90Aの左方に導かれることになる。図15(A)に示すように、経路部材91Aの左端に到達した遊技球は、うまく第2回転体90Aの有利部位(磁石)にくっつけば(図15(A)のA点)、第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態で、第2回転体90Aの回転に従って特定入賞口66の方へ導かれる経路(図15(A)のルートA1)を通る。また、タイミングが合わず、うまく第2回転体90Aの有利部位にくっつかなかった場合には、遊技球は、役物20内の左方に設けられた経路部材91Bを通って第1回転体90Bの方へ導かれる経路(図15(A)のルートA2)を通る。
図16は、役物20内に進入した遊技球が経路部材91Aを通って第2回転体90Aの左方でいずれかの経路に振り分けられる原理を示す説明図である。図16は、遊技機正面から見た第2回転体90Aと経路部材91Aとが示されている。また、図16には、経路部材91Aを窪み部930が設けられている部分で切断した断面図(図に示すA−A断面図)も示されている。図16に示すように経路部材91Aの左端には窪み部930が設けられており、経路部材91Aの左端に到達した遊技球は、窪み部930にはまることによって一瞬勢いが止まる。このときに、うまく第2回転体90Aの有利部位が窪み部930の周辺にある状態であれば、遊技球が第2回転体90Aの有利部位(磁石93)にくっつき、ルートA1を通って特定入賞口66の方へ導かれることになる。なお、役物20の左方に設けられた経路部材91Bは、第2回転体90Aの有利部位にくっついた遊技球が通過するときにじゃまにならないように、経路部材91Aよりも第2回転体90Aに対して一段離して(遊技球1個分が通れる程度の間隔をあけて)配置されている。タイミングが合わず、うまく第2回転体90Aの有利部位にくっつかなかった場合には、遊技球は、窪み部930から経路部材91Bの方(図16に示すX方向)に導かれ、経路部材91Bを通って(ルートA2を通って)第1回転体90Bの方へ導かれる。
第1回転体90Bに到達すると(図15(B)のB点)、うまく第1回転体90Bの有利部位190bにはまると、第1回転体90Bの回転に従って第2回転体90Aの方に導かれる。そして、図17に示すように、うまく第2回転体90Aの有利部位(磁石)にくっつけば、第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態で、第2回転体90Aの回転に従って特定入賞口66の方へ導かれる(図15(B)のルートB1)。なお、うまく第1回転体90Bの有利部位にはまらなかった遊技球は、図18に示すように、そのまま役物20の下方に設けられた排出口85Aから排出される(図15(B)のルートB2)ことになる。また、第1回転体90Bの有利部位にはまったものの、うまくタイミングが合わずに第1回転体90Aの有利部位にくっつかなかった遊技球も、そのまま排出口85Aから排出されることになる。
ルートB1の経路を通って第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態で導かれた遊技球は、奥可動部98が可動するタイミングで特定入賞口66の前を通過すると、奥可動部98によって第2回転体90Aの有利部位からはぎ落とされる。図19は、奥可動部98の動作原理を示す説明図である。図19(A)は、奥可動部98が可動していない状態を示している。また、図19(B)は、奥可動部98が可動し、この実施の形態では、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)が奥可動部ソレノイド98aを通電することにより、プランジャ98bに結合されたアームが右に移動し、奥可動部98が作動し、図19(B)に示すように、上に持ち上がった状態となる。また、遊技制御手段が奥可動部ソレノイド98aへの通電を停止すると、図19(A)に示すように、スプリング98cの力で奥可動部98が元の位置にもどる(下がった状態になる)。図20(A)に示すように、特定入賞口66の前に到達したときに奥可動部98が可動しておらず下がったままの状態であれば、遊技球は、第2回転体90Aの有利部位にくっついたままの状態で特定入賞口66の前を通過してしまうことになる。一方、図20(B)に示すように、ちょうど奥可動部98が可動し上に持ち上がった状態のときに特定入賞口66の前に到達すれば、遊技球は、奥可動部98によって遮蔽され、第2回転体90Aの有利部位からはぎ落とされる。
次に、奥可動部98によってはぎ落とされずに特定入賞口66の前を通過してしまった後の遊技球の経路について説明する。図21は、はぎ落とされずに特定入賞口66の前を通過してしまった後の遊技球の経路を示す説明図である。図21(A)に示すように、奥可動部98によってはぎ落とされずに特定入賞口66の前を通過してしまった場合には(図21(A)のC点)、遊技球は、第2回転体90Aの有利部位にくっついたままの状態で、第2回転体90Aの回転に従って、再び役物20の上方に上昇する(図21(A)のルートC1)。一方、奥可動部98によってはぎ落とされたときには、誘導部92が正面を向いたタイミングで誘導部92に導かれれば、特定入賞口66に入賞することになる(図21(A)のルートC2)。
ルートC1に導かれた遊技球は、役物20の上方に設けられている壁材で遮られて第2回転体90Aの有利部位からはぎ落とされ、図22に示すように、役物20内の右方に設けられた経路部材91Cを通って第3回転体90Cの方へ導かれる(図21(B)のD点)。図23は、第2回転体90Aの右上方周辺の部分を切断した断面図(図16に示すB−B断面図)である。図23に示すように、第2回転体90Aの右上方周辺の部分には、第2回転体90Aの有利部位にくっついた状態で導かれた遊技球を遮蔽するための壁材931が設けられており、遊技球は、壁材931で遮蔽されて第2回転体90Aの有利部位からはぎ落とされ、経路部材91Cを通って第3回転体90Cに導かれる。
次いで、図24に示すように、うまく第3回転体90Cの有利部位190cにはまると、遊技球は、第3回転体90Cの回転に従って通過口92aの方に導かれる。この場合、図24に示すように、第3回転体90Cと通過口92aとの間に遊技球の通路92bが設けられており、遊技球は、通路92bを通って通過口92aから誘導部92に導かれる。そして、通過口92aを通過して、誘導部92が遊技機に対して正面を向いた状態で誘導部92にうまく導かれると、遊技球は、誘導部92を通って特定入賞口66に入賞する(図21(B)のルートD1)。また、うまく第3回転体90Cの有利部位にはまらなかった遊技球は、図25に示すように、そのまま役物20の下方に設けられた排出口85Bから排出される(図21(B)のルートD2)ことになる。
次に、誘導部92の各動作状態について説明する。図26〜図28は、誘導部92の各動作状態を示す説明図である。図26は、誘導部92が遊技機に対して正面を向いている状態を示す。このうち、図26(A)は、誘導部92を上側から見た上面図であり、図26(B)は、誘導部92を斜め上方向から見た斜視図である。また、図26(C)は、誘導部92に設けられている円盤部材921と各位置センサ922a,922bとの位置関係を示す図である。また、図27は、誘導部29が最も左まで動いた状態を示す。このうち、図27(A)は、誘導部92を上側から見た上面図であり、図27(B)は、誘導部92を斜め上方向から見た斜視図である。また、図27(C)は、誘導部92に設けられている円盤部材921と各位置センサ922a,922bとの位置関係を示す図である。また、図28は、誘導部92が最も右側に動いた状態を示す。このうち、図28(A)は、誘導部92を上側から見た上面図であり、図28(B)は、誘導部92を斜め上方向から見た斜視図である。また、図28(C)は、誘導部92に設けられている円盤部材921と各位置センサ922a,922bとの位置関係を示す図である。
この実施の形態では、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)が誘導部モータ79Dに通電することにより、誘導部モータフォトカムが回転し、誘導部モータフォトカムに結合された軸受けキャップ923の回転により、図26〜図28に示すように、誘導部92が左右に回転される。
また、円盤部材921にはスリット921a(穴部)が設けられており、図26(C)に示すように、誘導部92が正面を向いている状態のときには、スリット921aがちょうど第1位置センサ922bと同じ位置にくる。そのため、第1位置センサ922bの受光素子が発光素子からの光を受光している状態となり、第1位置センサ922bが初期位置を検出したことを示す検出信号を出力することになる。一方、図27(C)および図28(c)に示すように、誘導部92が正面を向いていない状態のときには、第1位置センサ922bとスリット921aとの位置があわず、第1位置センサ922bの受光素子が発光素子からの光を受光できないため、検出信号は出力されない。
なお、この実施の形態では、誘導部92が正方向(左方向)に動作するときには、円盤部材921は時計方向に回転し、図26(C)に示すようにスリット921aが第1位置センサ922bの位置にある状態から回転を開始して、第2位置センサ922aの位置を経由し、図27(C)に示すように、第2位置センサ922aの位置から所定角度(例えば90度)行き過ぎた点で左端の最大点となって停止する。また、誘導部92が逆方向(右方向)に動作するときには、円盤部材921は反時計方向に回転し、図26(C)に示すようにスリット921aが第1位置センサ922bの位置にある状態から回転を開始して、第2位置センサ922aの位置を経由し、図28(C)に示すように、第2位置センサ922aの位置から所定角度(例えば90度)行き過ぎた点で右端の最大点となって停止する。
なお、この実施の形態では、誘導部92の円盤部材921にスリット921aが設けられている場合を示したが、円盤部材921の円周部よりも外側に突起した突起部を設けるようにしてもよい。この場合、第1位置センサ922bは、誘導部92が正面を向いていない状態のときには、常に受光素子が発光素子からの光を受光可能であるため検出信号を出力することになる。逆に、誘導部92が正面を向いた状態になると、第1位置センサ922bの受光素子と発光素子との間が突起部で遮蔽され、受光素子が発光素子からの光を受光できなくなり検出信号を出力できなくなる。したがって、この場合には、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、第1位置センサ922bからの検出信号を入力できなくなったことにもとづいて、誘導部92が初期位置であると判断できる。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態において、遊技球が役物入賞スイッチで検出された場合に入賞が生じたとする。すなわち、2つの役物入賞スイッチが設けられている領域が入賞領域に相当する。しかし、可変入賞球装置20の内部において役物入賞スイッチとは別に遊技球を検出するスイッチを設け、遊技球がそのスイッチで検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。
図29は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図29に示すように、始動入賞口に遊技球が入賞していずれかの始動口スイッチ11a,12a,13aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、大当りまたは小当りであって、はずれはない。そして、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および飾り図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。大当り遊技状態では、開閉板16による大入賞口(第1大入賞口)が16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は16で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、7ラウンド、16ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、0.9秒間開放状態になる。開放状態になる回数(開放回数)は、1回または2回である。始動動作状態において遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66に入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態では、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開閉制御される状態と、第1大入賞口が開閉制御されるラウンドと第2大入賞口が開閉制御されるラウンドとが混在する状態とがある。このように、次ラウンドの継続権が発生しやすい第1大入賞口によるラウンドと、次ラウンドの継続権が発生しにくい第2大入賞口によるラウンドとがあるので、遊技のバリエーションが増やされている。
図30は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図30に示すように、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われ、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。なお、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動が行われるが、図30では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図31は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始および大当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図31に示すように、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われ、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。なお、図31に示す例は、後述する変動パターン#7〜#9が用いられる場合の例である。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。停止図柄が大当り図柄(「3」または「7」)である場合には、大当り表示(「大当り」または「確変大当たり」)が行われ、大当たり遊技が開始される。その場合、小当り遊技8始動動作状態の遊技)は、実行されない。このように、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄が特定の図柄になったときに発生する大当たり遊技状態(第1大当たり遊技状態)と、小当り遊技においてV入賞が生ずると発生する大当たり遊技状態(第2大当たり遊技状態)とがあるので、遊技者は、複数種類の大当たり遊技を享受することができる。なお、変動パターン#7〜#9が用いられる場合には、変動時間が長いので、結果として小当りになる場合でも、遊技者に、変動時間が終了するまで、始動動作状態を経ない大当たりの発生を期待させることができる。また、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動が行われるが、図31では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図32は、演出表示装置9における変動後演出(特別図柄の変動終了と小当り遊技の開始までに実行される演出)等の画像表示例を示す説明図である。図32(A)は、小当り(役物1回開放)の表示演出の一例を示す説明図であり、図32(B)は、小当り(役物2回開放)の表示演出の一例を示す説明図である。図32(C)には、小当り遊技においてV入賞が発生した場合の表示演出の一例を示す説明図である。図32(C)に例示する表示演出は、例えば小当り遊技中に実行される。なお、図32(A),(B)に例示する表示演出も、小当り遊技中に実行されるようにしてもよい。
なお、図32(A),(B)には静止画像が例示されているが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9に、変動後演出期間において、図32(A),(B)のそれぞれに例示されている画像の内容が変化していく画像(例えば、花びらが徐々に落下したり移動したりするような画像)を順次表示させるように制御する。また、演出表示装置9に変動後演出の表示がなされることに同期して、発光体やスピーカ27でも変動後演出を行わせる。
図33は、特別図柄の停止図柄と当りの種類との関係を示す説明図である。図33に示すように、特別図柄の停止図柄には大当り図柄(この例では、「3」または「7」)と小当り図柄(この例では、「3」および「7」以外)とがあるが、小当り図柄と第2大当り遊技状態におけるラウンド数とは対応している。また、小当り図柄と始動動作状態における役物20の開放回数は対応している。よって、小当り遊技においてV入賞が生ずる前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特定入賞口66に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。
なお、役物20は、始動動作状態および大当り遊技状態においてのみ開放状態に制御される。従って、それらの状態以外の遊技状態では、遊技球は役物に入賞しない。よって、それらの状態以外の遊技状態で役物の内部において入賞が検出されたということは、その入賞は正規の入賞でない(異常入賞である)ことになる。そこで、この実施の形態では、異常入賞が生じた場合には、その旨の報知を行うとともに、その入賞にもとづく賞球払出を行わないようにする。よって、役物20を備えた遊技機において、不正行為を発見しやすくなっている。また、不正行為に基づく賞球払出を防止することが可能になる。
次に、遊技機における制御手段等の構成および動作を説明する。
図34は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図34には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、特定領域スイッチ66a、第1排出口スイッチ85a、第2排出口スイッチ85b、第2位置センサ922a、第1位置センサ922b、入賞口スイッチ38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1磁気センサ95a、第2磁気センサ95b、第3磁気センサ95c、第4磁気センサ95d、第5磁気センサ95e、第6磁気センサ95f、および振動センサ96aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド15a、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、奥可動部材98を可動するための奥可動部ソレノイド98a、開放部材77を開閉させるための第1役物ソレノイド77B、開放部材78を開閉させるための第2役物ソレノイド78B、第2回転体90Aを回転させるための第2回転体駆動モータ79A、第1回転体90Bを回転させるための第1回転体駆動モータ79B、第3回転体90Cを回転させるための第3回転体駆動モータ79C、および誘導部92を駆動させるためお誘導部モータ79Dを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図35は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図35に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図35には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図34に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図36は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図37に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、特定領域スイッチ66a、第1排出口スイッチ85a、第2排出口スイッチ85b、第2位置センサ922a、第1位置センサ922b、入賞口スイッチ38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1磁気センサ95a、第2磁気センサ95b、第3磁気センサ95c、第4磁気センサ95d、第5磁気センサ95e、第6磁気センサ95f、および振動センサ96aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合等に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図38は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(2)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(3)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(4)ランダム5:普通図柄の停止図柄を決定する(普通図柄決定用)
なお、大当りにするのか小当りにするのかを決定するための大当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、大当り判定用乱数を、ランダム1またはランダムRということがある。また、(1)〜(4)の乱数をソフトウェア乱数ということがある。
図37に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、普通図柄当り判定用乱数が判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(2)〜(4)の乱数以外のソフトウェア乱数も用いてもよい。
また、この実施の形態では、ハードウェア乱数であるランダム1(ランダムR)によって大当りまたは小当りを発生させるか否か決定することによって、特別図柄の停止図柄も決定されることになる。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8、大入賞口(役物20および開閉板16による大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、入賞口スイッチ38a,39a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、入賞口スイッチ38a,39a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。また、CPU56は、出力処理において、モータ22,24を駆動するための信号出力処理も行う。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図39は、特別図柄の停止図柄と判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図39には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜598であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である599個ある。また、599個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する大当りまたは小当りとすることに決定する。なお、小当り遊技(始動動作状態に相当。)においてV入賞が生ずると第2大当り遊技が開始されるので、大当りまたは小当りとすることに決定するということは、実質的に、第1大当りとするか第2大当りとするのかを決定するということでもある。
なお、大当りには、通常大当りと確変大当りとがある。いずれの場合も、特別図柄の変動が終了したら、始動動作状態を経ず、直接、16ラウンドの大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行するが、確変大当りの場合には、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行する(図33参照)。
図39に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当りがある。小当りには、始動動作状態において役物20を1回開放する小当りと、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りとがある(図33および図39参照)。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している(図33および図39参照)。また、小当り遊技においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。
また、図39に示すように、この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときには、通常状態(非確変状態)に比べて、大当りに対応する判定値の数が多い。すなわち、大当りになる確率が高められている。また、確変状態では、役物20が2回開放する小当りになる確率が高められている。この例では、確変状態では、役物20が2回開放する小当りに対応する判定値の数は、(停止図柄1に対応する80個+停止図柄4に対応する30個+停止図柄6に対応する125個+停止図柄8に対応する37個+停止図柄9に対応する90個)=362個であり、通常状態では、役物20が2回開放する小当りに対応する判定値の数は、(停止図柄1に対応する80個+停止図柄4に対応する125個+停止図柄6に対応する30個+停止図柄8に対応する67個+停止図柄9に対応する42個)=344個である。さらに、確変状態では、ラウンド数が多い第2大当り遊技が選択される確率が高められている。また、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が高められる。さらに、可変入賞球装置15の開放回数として、多い開放回数が選択される確率が高められる。つまり、V入賞したことを条件に大当り遊技が開始される小当りについて、大当り遊技における開放回数が多いものに対応した判定値の数が多い。このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、判定値の数を異ならせることによって、確変状態での大当り遊技状態における可変入賞球装置(例えば、役物20)の開放回数の選択割合を、通常状態(非確変状態)での大当り遊技状態における可変入賞球装置の開放回数の選択割合と変えることができる。なお、確変状態では、ラウンド数が多い第2大当り遊技が選択される確率を、通常状態における確率よりも低くするようにしてもよい。
図40は、変動パターンと判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図40には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。判定値の総数は、変動パターン決定用乱数が取り得る数である150個ある。また、150個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、変動パターン決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を変動パターン決定用乱数とするのであるが、変動パターン決定用乱数値に一致する判定値に対応する変動パターンを使用することに決定する。すなわち、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動時間を選択する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した特別図柄の停止図柄の種類に応じて、変動パターンを決定する。
図41は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aまたは第3始動口スイッチ13a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップSS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大当り大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では6)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にし、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にし、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放中処理(ステップS305)に対応した値(この例では5)に更新する。役物開放回数カウンタの値が0であれば、V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第2大入賞口(すなわち役物20)または第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS308)に応じた値(この例では8)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行う。全ての遊技球が排出され、かつ、まだ残りラウンドがあって大当り遊技の継続条件(V入賞があったこと)が成立している場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合、または大当り遊技の継続条件が成立しなかった場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS310)に対応した値(この例では10)に更新する。
大当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図42は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図42に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図43に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図43に示された極性と逆極性であってもよい。
図44は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図44に示す例において、コマンド8001(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターン#1〜#9Cに対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800F(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8CXX(H)(XX=0〜9)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を特定可能な演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、XXとして設定されるデータは、特別図柄の停止図柄を示すデータである。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、小当り遊技(始動動作状態)の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。ただし、小当り終了指定コマンドは、小当り遊技(始動動作状態)においてV入賞しなかった場合に送信される。V入賞した場合には、大当り開始指定コマンドが送信される。
コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態になったことを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態から通常状態(非確変状態)に戻ったことを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、第1大入賞口(下アタッカー)への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第1異常入賞指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、役物(可変入賞球装置)20への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第2異常入賞指定コマンド)である。コマンドD004(H)は、第3始動入賞口(普通電動役物)15への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(始動入賞異常入賞指定コマンド)である。
コマンドD005(H)は、振動センサ96aが振動を検出したことを所定の第1態様で報知することを指定する演出制御コマンド(第1振動異常報知指定コマンド)である。コマンドD006(H)は、振動センサ96aが振動を検出したことを所定の第2態様で報知することを指定する演出制御コマンド(第2振動異常報知指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置20への入賞時に遊技機の振動を検出した場合には、第1態様(例えば、画面表示とランプ表示を用いた報知態様)で振動異常が報知される。また、可変入賞球装置20への入賞時でないときに遊技機の振動を検出した場合には、第2態様(例えば、ランプ表示のみを用いた報知態様)で振動異常が報知される。
コマンドD007(H)は、誘導部92の異常を検出したことを報知することを指定する演出制御コマンド(誘導部異常報知指定コマンド)である。コマンドD008(H)は、いずれかの磁気センサ95a〜95fによって磁気異常が検出されたことを報知することを指定する演出制御コマンド(磁気異常報知指定コマンド)である。
コマンドE001(H)は、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。なお、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE1XX(H)は、時短状態における特別図柄の変動可能回数(残り回数)を示す演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。なお、時短状態における特別図柄の変動に関わる演出制御コマンドとして、時短状態における特別図柄の変動の実行済み回数(演出制御コマンド送信時に実行される変動も含める。)を示す演出制御コマンドにしてもよい。この実施の形態では、時短状態とは、普通図柄の変動時間が短縮される遊技状態である。なお、遊技状態が確変状態であるときにも、普通図柄の変動時間が短縮される。
コマンドE401(H)は、役物20への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特定入賞口66への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図44に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図45は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS41)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS42)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS43)。ステップ43では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム2(図38参照)の値(変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS44)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS45)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図46および図47は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図39参照)と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするか小当りとするかを決定する処理を実行するプログラムである。なお、大当りとするか小当りとするかを決定するということは、第1大当り遊技状態または始動動作状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄(表示結果)を決定するということでもある。
通常大当りとすることに決定したときには(ステップS63)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS71)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS69)。また、確変大当りとすることに決定したときには(ステップS72)、CPU56は、大当りフラグおよび確変大当りフラグをセットする(ステップS73,S74)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS69)。
大当りとすることに決定しなかった場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1するとともに(ステップS64,S65)、演出制御用マイクロコンピュータ100に時短回数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS66)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS67,S68)。そして、ステップS69に移行する。
なお、この実施の形態では、大当りとしないことに決定した場合には、小当りとすることに決定される(図39参照)。すなわち、CPU56は、大当りとするか否かの抽選において、はずれに決定することはない。
図48は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS90)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS91)。変動パターンテーブルとは、図40に示されたような、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。
さらに、CPU56は、ステップS91で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に表示結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS93)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS94)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、ステップS91の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
図49は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS123)。大当りフラグがセットされている場合には、そのままステップS125に移行する。大当りフラグがセットされていない場合には、RAM55に形成されている演出時間タイマに演出時間(この実施の形態では、3秒または6秒)を設定する(ステップS124)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS125)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図50は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄の停止図柄を既に導出表示しているか否か確認する(ステップS130)。停止図柄を既に導出表示している場合には、演出時間タイマがタイムアウトしていれば(値が0になっていれば)、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS146,S145)。演出時間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出時間タイマの値を−1する(ステップS147)。なお、特別図柄の停止図柄を既に導出表示しているか否かは、例えば、ステップS131の処理の実行時にフラグをセットし、ステップS130の処理でそのフラグがセットされているか否かによって確認される。
特別図柄の停止図柄を導出表示していない場合は、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
大当りフラグがセットされている場合(演出表示装置9には特定表示結果としての3または7が導出表示されている。)には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS133,S134)。また、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS135)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当りラウンド開始前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、第1大当りのラウンド数である16ラウンド(16R)に相当する16である。
大当りフラグがセットされていない場合には、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS133,S140)。また、RAM55に形成されている演出時間タイマに演出時間(この実施の形態では、3秒または6秒)を設定する(ステップS141)。演出時間とは、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動停止後の演出を実行している期間に相当する時間である。また、時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットするとともに、時短フラグをリセットする(ステップS142,S143,S144)。
図51は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに1または2を設定し(ステップS411)、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS412)。なお、役物開放回数カウンタに設定される値は、ステップS62の処理で決定された特別図柄の停止図柄に対応する値(図39参照)である。そして、役物20を開放状態にする(ステップS413)。具体的には、開放部材77,78を駆動する第1役物ソレノイド77Bおよび第2役物ソレノイド78Bの駆動を開始して、役物(可変入賞球装置)20を開放状態にさせる。また、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図52は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS420)。タイムアウトしていれば、役物開放回数カウンタの値が0になっているか否か(始動動作状態における最終回の開放が既に終了しているか否か)確認する(ステップS420A)。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS420B)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。役物開放回数カウンタの値が0になった場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS420D)。さらに、役物20を開放状態に制御する(ステップS420E)。
ステップS434では、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS424に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、また、各回転体90A〜90Cおよび奥可動部98を停止させ、誘導部92を初期位置(遊技機に対して正面側)で停止させる(ステップS434A)。
なお、誘導部92の初期位置は、位置センサ922bが検出信号を出力したときの誘導部92の位置である。つまり、円盤部材921に設けられているスリット921aがセンサ設置位置に対応する位置にきたときの誘導部92の位置である。従って、CPU56は、実際には、ステップS433において、位置センサ922bが検出信号を出力したときに、誘導部モータ79Dの駆動を停止する。
また、後述する異常検出処理において第1位置通過フラグや第1位置通過後時間計測タイマを設定している場合には、CPU56は、ステップS434Aにおいて、各回転体90A〜90Cおよび奥可動部98を停止させ、誘導部92を初期位置で停止させたときに、第1位置通過フラグおよび第1位置通過後時間計測タイマをリセットする。
次いで、CPU56は、役物20を閉鎖(ステップS432参照)してからの経過時間を計測中であることを示す閉鎖後時間計測フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS434B)。セットされていなければ、閉鎖後時間計測フラグをセットするとともに、役物20を閉鎖してからの経過時間を計測するための閉鎖後時間計測タイマに所定時間をセットして(ステップS434C)、ステップS424に移行する。なお、閉鎖後時間計測タイマには、遊技球が役物20に進入してから第1役物入賞スイッチ71aや第2役物入賞スイッチ72aで検出するまでにかかる十分な時間(例えば1.5秒)がセットされる。
閉鎖後時間計測フラグがセットされていれば、CPU56は、閉鎖後時間計測タイマの値を1減算する(ステップS434D)とともに、閉鎖後時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS434E)。タイムアウトしていなければ、ステップS424に移行する。タイムアウトしていれば、閉鎖後時間計測フラグをリセットする(ステップS434F)とともに、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS435)。
以上のように、CPU56は、最終回の開放についての役物開放時間(0.9秒)が経過した後、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに、すなわち全ての遊技球が役物20から排出されたときに、各回転体90A〜90Cおよび奥可動部98を停止させるとともに、誘導部92を初期位置(遊技機に対して正面側)で停止させ、特別図柄プロセスフラグの値を役物閉鎖後処理に応じた値に更新する(ステップSS420,S420A,S420C,S434,S434A,S435)。つまり、役物開放中処理において、全ての遊技球が役物20から排出されたことを条件に、遊技状態(この場合には、特別図柄プロセスフラグの値)を変化させる。なお、役物閉鎖後処理において、V入賞が生じなかったことを条件に特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に更新する(図59におけるステップS454,S462参照)。
また、この実施の形態では、最終回の開放が終了して役物20を閉鎖した後、所定期間が経過するまで待ってから役物閉鎖後処理に移行するように制御するので(ステップS434B〜S435参照)。役物20が閉鎖する直前に役物20内に進入した遊技球が入賞した場合に、正規の入賞であるにもかかわらず異常入賞と判定されてしまう事態を防止することができる。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。タイムアウトしていれば、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS432)。具体的には、開閉部材77,78を閉鎖する方向に第1役物ソレノイド77Bおよび第2役物ソレノイド78Bを駆動させる。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、回転体・可動部制御を実行する(ステップS423)。また、磁気異常や振動異常、誘導部92の異常を検出する異常検出処理を実行する(ステップS423A)。また、第1役物入賞スイッチ71a、または第2役物入賞スイッチ72aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS424)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS425)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS426)。また、役物20に遊技球が入賞したことを示す役物入賞フラグをセットする(ステップS426A)とともに、役物20に遊技球が入賞してからの経過時間を計測するための役物入賞後経過時間計測タイマに所定値(例えば15秒)をセットする(ステップS426B)。なお、役物入賞後経過時間計測タイマには、遊技球が役物20に入賞してから排出口85A,80Bまたは特定入賞口66に到達するまでにかかる十分な時間がセットされる。また、排出口スイッチ85a,85bがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS427)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS428)。
遊技球が特定入賞口66に進入したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS429)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS430)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS431)。
図53および図54は、回転体・可動部制御を示すフローチャートである。回転体・可動部制御において、CPU56は、各回転体90A〜90C、誘導部92および奥可動部98が動作中(回転体・可動部動作中)であるか否か確認する(ステップS4201)。動作中でなければ、第1ステップ数ポインタに1を設定する(ステップS4202)。第1ステップ数ポインタは、第2回転体駆動モータ79Aおよび第3回転体駆動モータ79Cに出力する励磁パターン中の励磁パターンデータを指すポインタである。次いで、CPU56は、第1ステップ数ポインタで示される励磁パターンA中の励磁パターンAデータをロードする(ステップS4203)。そして、CPU56は、ロードした励磁パターンAデータに従って、励磁パルスを第2回転体駆動モータ79Aおよび第3回転体駆動モータ79Cにそれぞれ出力する(ステップS4204)。
図55は、各ステッピングモータ79A〜79Dを励磁するために用いられる励磁パターンを示す説明図である。この実施の形態では、第2回転体駆動モータ79Aおよび第3回転体駆動モータ79Cを励磁するために、図55(a)に示す励磁パターンAが用いられる。図55(a)に示すように、励磁パターンAは、8ステップの励磁パターンデータで構成される。また、図55(a)に示すように、この実施の形態では、励磁パターンAを用いて例示されることによって、第2回転体駆動モータ79Aおよび第3回転体駆動モータ79Cは、1−2相励磁によって駆動される。そして、ステップ番号1〜8の各励磁パターンデータに従って順に磁気パルスが第2回転体駆動モータ79Aおよび第3回転体駆動モータ79Cに出力されることによって、第2回転体90Aおよび第3回転体90Cがそれぞれ回転される。
次いで、CPU56は、第2ステップ数ポインタに1を設定する(ステップS4205)。第2ステップ数ポインタは、第1回転体駆動モータ79Bに出力する励磁パターン中の励磁パターンデータを指すポインタである。次いで、CPU56は、第2ステップ数ポインタで示される励磁パターンB中の励磁パターンBデータをロードする(ステップS4206)。そして、CPU56は、ロードした励磁パターンBデータに従って、励磁パルスを第1回転体駆動モータ79Bに出力する(ステップS4207)。
この実施の形態では、第1回転体駆動モータ79Bを励磁するために、図55(b)に示す励磁パターンBが用いられる。図55(b)に示すように、励磁パターンBは、11ステップの励磁パターンデータで構成される。また、図55(b)に示すように、この実施の形態では、励磁パターンBを用いて例示されることによって、第1回転体駆動モータ79Bは、1−2相励磁によって駆動される。そして、ステップ番号1〜11の各励磁パターンデータに従って順に磁気パルスが第1回転体駆動モータ79Bに出力されることによって、第1回転体90Bが回転される。
次いで、CPU56は、第3ステップ数ポインタに1を設定する(ステップS4208)。第3ステップ数ポインタは、誘導部モータ79Dに出力する励磁パターン中の励磁パターンデータを指すポインタである。次いで、CPU56は、第3ステップ数ポインタで示される励磁パターンA中の励磁パターンAデータをロードする(ステップS4209)。そして、CPU56は、ロードした励磁パターンAデータに従って、励磁パルスを誘導部モータ79Dに出力する(ステップS4210)。
この実施の形態では、誘導部モータ79Dを励磁するために、図55(a)に示す励磁パターンAが用いられる。そして、ステップ番号1〜8の各励磁パターンデータに従って順に磁気パルスが誘導部モータ79Dに出力されることによって、誘導部92が正方向(この実施の形態では、遊技機正面に対して左方向)に動作する。また、この実施の形態では、誘導部92が左側最大まで動くと、励磁パターンAの各励磁パターンデータを正方向とは逆の順に(ステップ番号8〜1の順に)磁気パルスが誘導部モータ79Dに出力されることによって、誘導部92が逆方向(この実施の形態では、遊技機正面に対して右方向)に動作する。なお、誘導部92が右側最大まで動くと、再び誘導部92が正方向に動くように制御される。
そして、CPU56は、初期位置通過フラグをセットする(ステップS4211)。なお、初期位置通過フラグは、誘導部92が初期位置を通過したこと(具体的には、第1位置センサ922bからの検出信号を入力したこと)を示すフラグである。この実施の形態では、最初に誘導部92を駆動するときには、誘導部92が初期位置である状態(正面を向いている状態)から駆動を開始するので、初期位置通過フラグをセットする。
ステップS4201で回転体・可動部動作中であった場合には、CPU56は、第1ステップ数ポインタが8であるか否かを確認する(ステップS4212)。8であれば、第1ステップ数ポインタに1を設定する(ステップS4213)。8でなければ、第1ステップ数ポインタに1加算する(ステップS4214)。次いで、CPU56は、第1ステップ数ポインタで示される励磁パターンA中の励磁パターンAデータをロードする(ステップS4215)。そして、CPU56は、ロードした励磁パターンAデータに従って、励磁パルスを第2回転体駆動モータ79Aおよび第3回転体駆動モータ79Cにそれぞれ出力する(ステップS4216)。
次いで、CPU56は、第2ステップ数ポインタが11であるか否かを確認する(ステップS4217)。11であれば、第2ステップ数ポインタに1を設定する(ステップS4218)。11でなければ、第2ステップ数ポインタに1加算する(ステップS4219)。次いで、CPU56は、第2ステップ数ポインタで示される励磁パターンB中の励磁パターンBデータをロードする(ステップS4220)。そして、CPU56は、ロードした励磁パターンBデータに従って、励磁パルスを第1回転体駆動モータ79Bに出力する(ステップS4221)。
次いで、CPU56は、逆回転中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4222)。なお、逆回転中フラグとは、誘導部モータ79Dを逆方向に回転駆動中であることを示すフラグである。セットされていなければ(すなわち、誘導部モータ79Dを正方向に回転駆動中であれば)、第3ステップ数ポインタが8であるか否かを確認する(ステップS4223)。8であれば、第3ステップ数ポインタに1を設定する(ステップS4224)。8でなければ、第3ステップ数ポインタに1加算する(ステップS4225)。次いで、CPU56は、第3ステップ数ポインタで示される励磁パターンA中の励磁パターンAデータをロードする(ステップS4226)。そして、CPU56は、ロードした励磁パターンAデータに従って、励磁パルスを誘導部モータ79Dに出力する(ステップS4227)。
次いで、CPU56は、初期位置通過フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4228)。セットされていなければ、CPU56は、誘導部92の第1位置センサ922bから検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS4229)。検出信号を入力していれば、初期位置通過フラグをセットする(ステップS4230)。すなわち、第1位置センサ922bから検出信号を入力したということは、誘導部92が正面を向いた状態になって円盤部材921のスリット921aが第1位置センサ922bと同じ位置にきた状態(図26(C)参照)であり、初期位置を通過したと判断して初期位置通過フラグをセットする。そして、正方向カウンタに所定値(例えば、360(480ステップで1回転するとき))をセットする(ステップS4231)。なお、正方向カウンタは、誘導部モータ79Dを正方向に回転しているときに、誘導部92が初期位置を通過した後の誘導部モータ79Dの励磁ステップ数をカウントするためのカウンタである。また、第2位置センタ922bから検出信号を入力したとき(誘導部92が正面を向いたときに)、誘導部92が正面を向いたままの状態で誘導部92を所定時間(例えば2秒間)停止させるようにしてもよい。
初期位置通過フラグがセットされていれば、CPU56は、正方向カウンタの値を1減算する(ステップS4232)とともに、減算後の正方向カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS4233)。0であれば、CPU56は、誘導部92が左方向の最大点まで動作したと判定し(図27(C)参照)、誘導部モータ79Dの回転方向を逆転させるために逆回転中フラグをセットする(ステップS4234)。0でなければ、そのまま処理を終了する。
逆回転中フラグがセットされていれば(すなわち、誘導部モータ79Dを逆方向に回転駆動中であれば)、第3ステップ数ポインタが8であるか否かを確認する(ステップS4235)。8であれば、第3ステップ数ポインタに1を設定する(ステップS4236)。8でなければ、第3ステップ数ポインタに1加算する(ステップS4237)。次いで、CPU56は、第3ステップ数ポインタで示される励磁パターンA中の励磁パターンAデータをロードする(ステップS4238)。そして、CPU56は、ロードした励磁パターンAデータに従って、励磁パルスを誘導部モータ79Dに出力する(ステップS4239)。
次いで、CPU56は、初期位置通過フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4240)。セットされていなければ、CPU56は、誘導部92の第1位置センサ922bから検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS4241)。検出信号を入力していれば、初期位置通過フラグをセットする(ステップS4242)。すなわち、第1位置センサ922bから検出信号を入力したということは、誘導部92が正面を向いた状態になって円盤部材921のスリット921aが第1位置センサ922bと同じ位置にきた状態(図26(C)参照)であり、初期位置を通過したと判断して初期位置通過フラグをセットする。そして、逆方向カウンタに所定値(例えば、360(480ステップで1回転するとき))をセットする(ステップS4243)。なお、逆方向カウンタは、誘導部モータ79Dを逆方向に回転しているときに、誘導部92が初期位置を通過した後の誘導部モータ79Dの励磁ステップ数をカウントするためのカウンタである。また、第2位置センタ922bから検出信号を入力したとき(誘導部92が正面を向いたときに)、誘導部92が正面を向いたままの状態で誘導部92を所定時間(例えば2秒間)停止させるようにしてもよい。
初期位置通過フラグがセットされていれば、CPU56は、逆方向カウンタの値を1減算する(ステップS4244)とともに、減算後の逆方向カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS4245)。0であれば、CPU56は、誘導部92が右方向の最大点まで動作したと判定し(図28(C)参照)、誘導部モータ79Dの回転方向を正方向に戻すために逆回転中フラグをリセットする(ステップS4246)。0でなければ、そのまま処理を終了する。
図56および図57は、各モータ79A〜79Dに出力される励磁パルスの例を示すタイミングチャートである。この実施の形態では、ステップS4202〜S4204,S4212〜S4216の処理が実行されることによって、第2回転体駆動モータ79Aおよび第3回転体駆動モータ79Cのそれぞれ4つの端子(φ1〜φ4)に、図56(a)に示すように、励磁パターンAに従って8ステップ周期で励磁パルスが出力される。また、ステップS4205〜S4207,S4217〜S4221の処理が実行されることによって、第1回転体駆動モータ79Bのそれぞれ4つの端子(φ1〜φ4)に、図57に示すように、励磁パターンBに従って11ステップ周期で励磁パルスが出力される。
また、この実施の形態では、ステップS4208〜S4211,S4223〜S4234の処理が実行されることによって、誘導部92を左方向に駆動するとき(誘導部モータ79Dを正方向に回転駆動するとき)には、誘導部モータ79Dのそれぞれ4つの端子(φ1〜φ4)に、図56(a)に示すように、励磁パターンAに従って8ステップ周期で励磁パルスが出力される。また、ステップS4235〜S4246の処理が実行されることによって、誘導部92を右方向に駆動するとき(誘導部モータ79Dを逆方向に回転駆動するとき)には、誘導部モータ79Dのそれぞれ4つの端子(φ1〜φ4)に、図56(b)に示すように、正方向に駆動するときとは逆のステップ順に、励磁パターンAに従って8ステップ周期で励磁パルスが出力される。
以上の処理が実行されることによって、異なる励磁パターン(8ステップの励磁パターンAと11ステップの励磁パターンB)にもとづいて各モータ79A〜79Cが回転駆動されることによって(第1回転体駆動モータ79Bの制御において励磁パターンBに従って連続して複数ステップにわたって同じ励磁パルスを出力することによって)、各回転体90A〜90Cの回転周期が相互に異なるように制御することができる。例えば、上記のような処理が実行されることによって、第2回転体90Aの1周の回転周期は、(ステップ)×(回転数)×(1ステップの励磁時間)×(ギア比)=8×30×4ms×8=7680msとなる。また、第1回転体90Bの1周の回転周期は、11×120×4ms×1=5280msとなり、第3回転体90Cの1周の回転周期は、8×120×4ms×5/4=4800msとなる。したがって、例えば、いずれかの回転体の回転周期が他のいずれかの回転体の回転周期の整数倍になるなどの状態を防止し、各回転体90A〜90Cの回転周期が相互に規則性をもたないようにすることができる。
例えば、第1回転体駆動モータ79Bを駆動するために、第2回転体駆動モータ79Aおよび第3回転体駆動モータ79Cと同様に励磁パターンAを用いたとすると、第1回転体90Bの1周の回転周期は、8×120×4ms×1=3840msということになる。すると、第2回転体90Aの回転周期7680msが第1回転体90Bの回転周期3840msの整数倍(2倍)になるという状態が生じてしまう。この場合、第2回転体90Aの回転周期と第1回転体90Bとの回転周期に相互に規則性が生じてしまうため、役物20内において経路部材91Bを通った遊技球が第1回転体の有利部位190bにうまくはまり、第2回転体90Aの方に導かれたときに、第1回転体90Bによって導かれた遊技球が極めて高い頻度で第2回転体90Aの有利部位93にくっつくという状態が生じてしまったり、逆に全くくっつかないという状態が生じてしまう。そのため、却って遊技者の興趣を低減させてしまうおそれがある。この実施の形態では、異なる励磁パターン(8ステップの励磁パターンAと11ステップの励磁パターンB)にもとづいて各モータ79A〜79Cが回転駆動されることによって、各回転体90A〜90Cの回転周期が相互に異なるように制御する制御することができ、極めて高い頻度で第2回転体90Aの有利部位93にくっつくという状態が生じてしまったり、逆に全くくっつかないという状態が生じてしまう事態を防止することができる。
図58は、異常検出処理(ステップS421A)を示すフローチャートである。異常検出処理において、CPU56は、役物入賞フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS4251)。セットされていなければ、そのままステップS4255に移行する。セットされていれば、役物入賞後経過時間計測タイマを1減算する(ステップS4252)とともに、減算後の役物入賞後経過時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS4253)。タイムアウトしていなければ、そのままステップS4255に移行する。タイムアウトしていれば、役物入賞フラグをリセットする(ステップS4254)。
次いで、CPU56は、振動センサ96aから検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS4255)。検出信号を入力していなければ、そのままステップS4259に移行する。検出信号を入力していれば、役物入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4256)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に第1振動異常報知指定コマンドを送信する(ステップS4257)。すなわち、役物20への入賞があったときに遊技機の振動を検出した場合(遊技機をゆするなどの不正行為を検出した場合)であるので、第1態様(例えば、画面表示とランプ表示)で振動異常を報知するように演出制御手段に指定する。セットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2振動異常報知指定コマンドを送信する(ステップS4258)。すなわち、遊技機の振動を検出したものの役物20への入賞があったときではないので、第2態様(例えば、ランプ表示のみ)で振動異常を報知するように演出制御手段に指定する。
次いで、CPU56は、第1位置センサ922bからの検出信号を入力したことを示す第1位置通過フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4259)。セットされていなければ、CPU56は、第1位置センサ922bから検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS4260)。検出信号を入力していなければ、そのままステップS4271に移行する。検出信号を入力していれば、第2位置センサ922aから検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS4261)。検出信号を入力していれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に誘導部異常報知指定コマンドを送信する(ステップS4262)。すなわち、ステップS4260およびS4261でともに検出信号を入力したということは、第1位置センサ922bおよび第2位置センサ922aが同時に誘導部92の円盤部材921のスリット921aを検出したということであるが、図26(C)〜図28(C)に示すように、第1位置センサ922bがスリット921aを検出して円盤部材921が所定の角度分(例えば180度)回転してからでなければ第2位置センサ922aがスリット921aを検出することはありえないのであるから、誘導部92に異常が発生した(例えば、電波などを用いた不正行為が行われた)と判断して、誘導部異常を報知することを演出制御手段に指定する。
第2位置センサ922aから検出信号を入力していなければ、第1位置通過フラグをセットする(ステップS4263)とともに、第1位置センサ922bから検出信号を入力してからの経過時間を示す第1位置通過後時間計測タイマに所定値(例えば、240(480ステップで1回転するとき))をセットする(ステップS4264)。
ステップS4259で第1位置通過フラグがセットされていれば、CPU56は、第2位置センサ922aから検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS4265)。検出信号を入力していれば、第1位置通過フラグをリセットし(ステップS4266)。ステップS4271に移行する。検出信号を入力していなければ、第1位置通過後時間計測タイマを1減算する(ステップS4267)とともに、第1位置通過後時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS4268)。タイムアウトしていなければ、そのままステップS4271に移行する。タイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に誘導部異常報知指定コマンドを送信し(ステップS4269)、第1位置通過フラグをリセットする(ステップS4270)。すなわち、図26(C)〜図28(C)に示すように、第1位置センサ922bがスリット921aを検出してから所定時間(例えば、円盤部材921が180度回転するのに要する時間)以内に第2位置センサ922aからの検出信号が入力されなければならないのであるが、所定時間を経過しても検出信号を入力できなかった場合には、誘導部92に異常が発生した(例えば、電波などを用いた不正行為が行われた)と判断して、誘導部異常を報知することを演出制御手段に指定する。
なお、前述したように、第1位置通過フラグおよび第1位置通過後時間計測タイマは、各回転体90A〜90Cおよび奥可動部98が停止されるとともに、誘導部92が初期位置で停止されたときにはリセットされる(ステップS434A参照)。
なお、この実施の形態では、役物20の閉鎖後に役物20内の遊技球が0になったことにもとづいて、各回転体90A〜90C、奥可動部98および誘導部92を停止制御する場合を説明するが、役物20の開閉状態や役物20内の遊技球の有無にかかわらず、各回転体90A〜90C、奥可動部98および誘導部92を常時動作状態とするように制御してもよい。
次いで、CPU56は、いずれかの磁気センサ95a〜95fから検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS4271)。いずれかの磁気センサ95a〜95fから検出信号を入力していれば、CPU56は、磁石などを用いた不正行為が行われたと判断して、演出制御用マイクロコンピュータ100に磁気異常報知指定コマンドを送信する(ステップS4272)。
図59は、役物閉鎖後処理(ステップS307)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、役物開放カウンタの値を−1する(ステップS452)。役物開放カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS463に移行する(ステップS453)。役物開放カウンタの値が0になっている場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS454)。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS455)、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットする(ステップS456)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、ステップS62の処理で決定された特別図柄の停止図柄に対応するラウンド数(図39参照)である。
さらに、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS457)。また、大当りフラグをセットする(ステップS458)。
そして、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS459)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS460)。
ステップS463では、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する。さらに、役物20を開放状態に制御する(ステップS464)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS465)。
ステップS454の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS461)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS462)。
図60は、大当り遊技(第1大当り遊技および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放するラウンドでは、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS476,S477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS478)。また、第2大入賞口(役物20)を開放するラウンドでは、開閉モータ75を駆動して開放扉76A,76Bを開放状態にする(ステップS476,S479)。また、役物20に入賞した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS480)、ステップS478に移行する。
図61は、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを示す説明図である。CPU56は、図61に示すように、既に決定されている特別図柄の停止図柄の対応して、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを決定する。なお、第1大当りにすることに決定されている場合(この例では、特別図柄の停止図柄が「3」または「7」に決定されている場合)には、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。また、特別図柄の停止図柄が「8」または「9」である場合には、図61に示すように、小当り遊技が終了した後に実行される第2大当り遊技において、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。
図62および図63は、大入賞口開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、第1大入賞口の開放中であるか否か確認する(ステップS480)。第1大入賞口を開放していたときには、ステップ481Bに移行する。
第1大入賞口を開放していないとき(第2大入賞口を開放していたとき)には、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481A)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS497に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482A)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS497に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483A)。開放時間タイマの値が0になっていたら、すなわち、開放時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS484)、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS495)。具体的には、開閉部材77,78を閉鎖する方向に第1役物ソレノイド77Bおよび第2役物ソレノイド78Bを駆動させる。また、各回転体90A〜90Cおよび奥可動部98を停止させ、誘導部92を初期位置(遊技機に対して正面側)で停止させる(ステップS496)。
開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、回転体・可動部制御を実行する(ステップS485)。回転体・可動部制御は、図53および図54に示された処理と同様である。ただし、ここでは、第2大入賞口を閉鎖して役物20から遊技球が排出されるまで、各回転体90A〜90Cの定速回転や奥可動部98の駆動を継続させる。また、磁気異常や振動異常、誘導部92の異常を検出する異常検出処理を実行する(ステップS485A)。異常検出処理は、図58に示された処理と同様である。
また、役物入賞スイッチがオンしたら、すなわち大入賞口(役物20)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS486)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1し(ステップS487)、入賞個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS488)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS489)。また、役物20に遊技球が入賞したことを示す役物入賞フラグをセットする(ステップS489A)とともに、役物20に遊技球が入賞してからの経過時間を計測するための役物入賞後経過時間計測タイマに所定値(例えば15秒)をセットする(ステップS489B)。なお、役物入賞後経過時間計測タイマには、遊技球が役物20に入賞してから排出口85A,80Bまたは特定入賞口66に到達するまでにかかる十分な時間がセットされる。また、排出口スイッチ85a,85bがオンしたら、すなわち大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS490)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS491)。また、遊技球が特定入賞口66に入賞したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS492A)、V入賞フラグをセットするとともに(S493A)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS494)。
ステップS497では、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS486に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS499に移行する。
ステップS481Bでは、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS498に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482B)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS498に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483B)。また、V入賞スイッチ22がオンしたらV入賞フラグをセットする(ステップS492B,S493B)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS486B,S488B)。
ステップS498では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS499)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS500)。
図64は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS513)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS515に移行する(ステップS514)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに所定値(この例では20)をセットする(ステップS519,S520)。また、大当りフラグをリセットし(ステップS521)、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS310)に応じた値に更新する(ステップS522)。
この実施の形態では、大当り遊技が終了すると、時短状態(普通図柄の変動時間が短縮される状態)になるが、その状態は、時短回数カウンタにセットされた値が示す回数の特別図柄の変動が終了するまで継続する。なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了すると常に時短状態に移行されるが、例えば、第1大当り遊技が終了したときにのみ、時短状態に移行するようにしてもよい。
ステップS515では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認し、V入賞フラグがセットされていない場合には、大当り遊技を終了させるためにステップS519に移行する。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS516)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定して(ステップS517)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS518)。
なお、この実施の形態では、V入賞フラグがセットされていることを条件に、すなわち特定入賞口66(入賞領域の一つ)に遊技球が入賞した(V入賞した)こと、および第1大入賞口内の特別領域(V入賞スイッチ22によって遊技球が検出される領域)に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することになるが、V入賞したことを条件にしなくてもよい。その場合、常に最終ラウンドまで進むようにしてもよいし、あらかじめ決められたラウンドまではV入賞したか否かにかかわらず進むようにしてもよい。
図65は、大当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS534に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS532)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS533)、処理を終了する。
ステップS534では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS535)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS536)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)を説明する。図66は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS161)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS162)を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)および普通図柄決定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS170〜S174に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ステップS170〜S174の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS170):普通図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。普通図柄プロセスフラグの値が0である状態は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が行われていない状態であって、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、普通図柄当り判定用乱数を用いて当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。また、普通図柄決定用乱数を用いて普通図柄の停止図柄を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS171)に対応した値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動中処理(ステップS171):普通図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS172)に対応した値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS172):普通図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物開放前処理(ステップS173):普通図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1回目の開放前であれば、開放回数カウンタに開放回数をセットし、ソレノイド15aを駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。第1回目の開放前でなければ、すなわち2回目以降の開放後であれば、閉鎖時間を計測し、閉鎖時間が経過したら、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS174):普通図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放時間を計測し、開放時間が経過したら、ソレノイド15aの駆動を停止させて普通電動役物を閉鎖する。最後の開放が終了した場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。最後の開放が終了した場合でなければ、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。
図67は、普通図柄通常処理(ステップS170)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS721)。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0であれば、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS722)。なお、CPU56は、普通図柄決定用乱数も、乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS723)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値等を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS724)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS725)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否か判定し、一致する当り判定値があれば当りと決定する。例えば、確変状態では、当り判定値は3〜12であり、通常状態(確変時以外の状態)では、当り判定値は3および7である。普通図柄当り判定用乱数は3〜13の数値範囲で更新されるので(図38参照)、確変状態における当選確率は10/11であり、通常状態における当選確率は2/11である。すなわち、通常状態に比べて、確変状態では高確率で当りになる。なお、CPU56は、普通図柄決定用乱数を用いて、普通図柄の停止図柄を決定する。当りの場合には、普通図柄の停止図柄は、例えば奇数図柄である。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS726)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS727)。なお、この実施の形態では、図70(A)の説明図および図70(B)のタイミング図に示すように、通常状態における普通図柄の変動時間は30.0秒であり、確変状態および時短状態における普通図柄の変動時間は1.0秒である。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS171)に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS728)。
図68は、普通図柄変動中処理(ステップS171)を示すフローチャートである。普通図柄変動中処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS731)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS735)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS732)。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS733)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS172)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS734)。
図69は、普通図柄停止処理(ステップS172)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS741)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS742)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する(ステップS743)。普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは、CPU56は、遊技状態が確変状態または時短状態である場合は、普通電動役物の開放パターンとして図70(A)の下段に示す値が設定されている確変時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS744,S745)。通常状態である場合は、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図70(A)の上段に示す値が設定されている通常時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS744,S746)。図70に示す例では、通常時テーブルには、開放パターンとして、開放時間が0.3秒(0.3s)、閉鎖時間が1.0秒(1.0s)、開放回数が2回であることを示すデータが設定されている。この実施の形態では、通常状態のときには、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として2.6秒が設定されており、可変入賞球装置15が0.3秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。そして、開放時間0.3秒間経過すると再び可変入賞球装置15が閉鎖され、閉鎖時間が1.0秒が経過したときに後述する普通電役タイマがタイムアップして、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に移行する。また、確変時テーブルには、開放パターンとして、開放時間が1.2秒(1.2s)、閉鎖時間が1.5秒(1.5s)、開放回数が3回であることを示すデータが設定されている。この実施の形態では、確変状態および時短状態のときには、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として8.1秒が設定されており、可変入賞球装置15が1.2秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.5秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。次いで、可変入賞球装置15が1.2秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.5秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。そして、さらに、開放時間1.2秒間経過すると再び可変入賞球装置15が閉鎖され、閉鎖時間が1.5秒が経過したときに後述する普通電役タイマがタイムアップして、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に移行する。なお、閉鎖時間(本例では1.0秒や1.5秒)は、所定のインターバル期間(遊技球が可変入賞球装置15に入賞してから第3始動口スイッチ13aによって検出されるまでにかかりうる十分な時間)に相当する。したがって、この実施の形態では、図70に示す開放パターンに示される開放時間に従って可変入賞球装置15が物理的に開放されている状態と、開放パターンに示される閉鎖時間の間に可変入賞球装置15が閉鎖されている状態とが、可変入賞球装置15の開状態に相当し、この期間に第3始動口スイッチ13aによって検出された遊技球については、可変入賞球装置15の閉鎖後の検出であっても、異常入賞とは判定されない。
そして、CPU56は、第1回開放前フラグをセットする(ステップS747)。また、ステップS745の処理またはS746の処理で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS748)。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS749)。
普通図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合には、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS743,S750)。
図71は、普通電動役物開放前処理(ステップS173)を示すフローチャートである。普通電動役物開放前処理において、CPU56は、第1回開放前フラグがセットされているか否か確認する(ステップS761)。第1回開放前フラグがセットされている場合には、第1回開放前フラグをリセットし(ステップS762)、開放パターンバッファにセットされている開放回数を開放回数カウンタにセットする(ステップS763)。また、開放パターンバッファにセットされている開放時間に相当する値を普通電役タイマにセットする(ステップS764)。さらに、ソレノイド15aを駆動して可変入賞球装置15を開放し(ステップS765)、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する(ステップS766)。
CPU56は、ステップS761の処理で第1回開放前フラグがセットされていないことを確認した場合には、普通電役タイマの値を1減算する(ステップS767)。そして、普通電役タイマの値が0になった場合には、すなわち普通電役タイマがタイムアウトしたら、開放回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS768,S768A)。開放回数カウンタの値が0でなければ、ステップS764に移行する。開放回数カウンタの値が0であれば、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS768B)。なお、ステップS767,S768の処理は、第1回目以降の開放が終了した後の閉鎖時間を計測するための処理である。
図72は、普通電動役物開放中処理(ステップS174)を示すフローチャートである。普通電動役物開放中処理において、CPU56は、普通電役タイマの値を1減算する(ステップS771)。そして、普通電役タイマの値が0になった場合には、すなわち普通電役タイマがタイムアウトしたら(ステップS772)、ソレノイド15aの駆動を停止して普通電動役物(可変入賞球装置15)を閉鎖する(ステップS773)。
また、開放回数カウンタの値を−1し(ステップS774)、開放パターンバッファにセットされている閉鎖時間に相当する値を普通電役タイマにセットする(ステップS776)。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS777)。
次に、賞球払出に関する処理を説明する。図73は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図73には、遊技球を検出するスイッチのうち入賞によって賞球払出を行うことになるスイッチのみが示されている。図73に示すように、入力ポート1のビット7および入力ポート0のビット0〜6には、それぞれ、入賞口スイッチ39a、カウントスイッチ23、第2役物入賞スイッチ72a、第1役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ38a、第3始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ12a、第1始動口スイッチ11aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0および入力ポート1は、図34に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図74は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図75は、図74に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図75に示すように、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図34に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図34では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図76は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図76に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、第2役物入賞スイッチ72a、第1役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ38a,39a、第3始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ12a、第1始動口スイッチ11a)が遊技球の入賞を検出して検出信号を出力したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ38a,39aで遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aで遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、遊技球の検出に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は4ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と4ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図77は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(8ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図73に示す入力ポート1のビット7および入力ポート0のビット0〜6に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図78は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの16ビットビットと前回ポートバッファの16ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0および入力ポート1のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(4ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポート0および入力ポート1から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの16ビットと前回ポートバッファの16ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、8つのスイッチの検出信号のうちで、4ms前の状態が8ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、入力ポート1のビット1〜6は、0に固定されているとする。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、4ms前の状態が8ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(4ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の4ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち8ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図79は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、CPU56は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図80に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「8」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0および入力ポート1における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図73参照)。
図81は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362に移行する(ステップS361)。ステップS355における演算結果が0であれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。また、ステップS361において、ステップS355における演算結果が0であること、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオフ状態であることを確認したら、ステップS359に移行する。
ステップS362では、CPU56は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には、ステップS363に移行する。
スイッチ入力ビットがカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合には、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が、役物入賞スイッチ入力ビット判定値(第1役物入賞スイッチ入力ビット判定値または第2役物入賞スイッチ入力ビット判定値)であったか否か確認する(ステップS366)。すなわち、第1役物入賞スイッチ71aおよび第2役物入賞スイッチ72aのいずれかがオンしたか否か確認する。役物入賞スイッチ入力ビット判定値であった場合には、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS367)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、遊技状態が、役物開放前処理(ステップS305)〜大当り終了処理(ステップS310)のいずれかであることを意味する(図41参照)。すなわち、遊技制御が正常に実行されているときに、役物20(大当り遊技状態では第2大入賞口に相当。始動動作状態では小当り遊技が実行されるものに相当。)が開放する可能性があることを意味する。
特別図柄プロセスフラグの値が4以上でない場合には、ステップS359に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が4以上でない(4未満である)ときに第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aのいずれかがオンしたということは、役物20への異常入賞(不正行為に起因する入賞であることもある。)が生じたか、または第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aからの検出信号に長期間(8msを越える)に亘るノイズが乗った可能性があることを意味する。つまり、役物20への正規の入賞が生じたわけではない。そこで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないときに役物20に入賞したことが検出された場合には、その入賞にもとづく賞球払出を行わないようにする。
なお、ここでは、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて役物20についての異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に役物20を開放していないとき(例えば、役物開放前処理や大入賞口開放前処理、第1大入賞口を開放しているときなどを含む)に第1役物入賞スイッチ71aまたは第2役物入賞スイッチ72aがオンしたことが検出された場合に、それらのスイッチがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。役物20は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に役物20を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
ステップS367の処理で、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であることを確認した場合には、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS368)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS369)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。
ステップS363では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるか否か確認する。特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS308の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であれば、ステップS368に移行する。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづいて総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行する。しかし、特別図柄プロセスフラグの値が7未満であれば、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行せずに、ステップS359に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が7未満である状態は、大当り遊技は実行されず、第1大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、第1大入賞口に異常入賞(不正行為に起因する入賞であることもある。)が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(8msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が7未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする。
なお、ここでは、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて第1大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に第1大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。第1大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に第1大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に第1大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、第1大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第1大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に第1大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
また、賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置15が開閉状態でないとき(例えば、普通図柄プロセスフラグの値が3未満であるとき)に第3始動入賞スイッチ13aからの検出信号が入力されたことを検出した場合に、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算しないように制御してもよい。
図82は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図76参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図83および図84は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図36におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるか否か確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が7以上である状態は、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、第1大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、第1大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であれば、ステップS586〜S589の処理を実行することなく、ステップS591に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が7未満(大当り遊技が行われていない状態)であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS586)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図80参照)との論理積をとる(ステップS587)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、第1大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、第1異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS588,S589)。論理積の演算結果が0である場合には、ステップS591に移行する。
ステップS591では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS591)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上である場合には、S605に移行する。
不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないときに、役物20(大当り遊技状態では第2大入賞口に相当。始動動作状態では小当り遊技が実行されるものに相当。)に遊技球が入賞したことを示す検出信号が第1役物入賞スイッチ71aまたは第2役物入賞スイッチ72aから出力されることはない。そこで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上でない場合に、第1役物入賞スイッチ71aまたは第2役物入賞スイッチ72aから検出信号が出力されたと判定すると役物20について異常入賞が発生したと見なす。
具体的には、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS592)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2役物入賞スイッチ入力ビット判定値(02(H)、図80参照)との論理積をとり(ステップS593)、論理積の演算結果が0でない場合には、役物20への異常入賞(具体的には、第2役物入賞スイッチ72aで遊技球が検出される通過口72への異常入賞)生じたと判定し、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS594,S595)。スイッチオンバッファのビット配列は、図73に示す入力ポートのビット割り当てと同じになっている。よって、スイッチオンバッファの内容と02(H)との論理積の結果が0になっていないということは、第2役物入賞スイッチ72aがオンして検出信号を出力したことを意味する。
また、スイッチオンバッファの内容をロードし(ステップS596)、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第1役物入賞スイッチ入力ビット判定値(04(H)、図80参照)との論理積をとり(ステップS597)、論理積の演算結果が0でない場合には、役物20への異常入賞(具体的には、第1役物入賞スイッチ71aで遊技球が検出される通過口71への異常入賞)が生じたと判定し、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS598,S599)。
なお、この実施の形態では、前述したように、役物20を閉鎖状態に制御した場合であっても、役物内遊技球個数カウンタの値が0となったか否かを判定することによって、役物20内から全ての遊技球が排出されてから役物閉鎖後処理以降の処理を実行するように制御するので(ステップS434〜S435参照)、役物20が閉鎖状態となる直前に役物20内に進入した遊技球による入賞を誤って異常入賞と判定する事態は生じない。
ステップS605では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3以上であるか否か確認する。普通図柄プロセスフラグの値が3以上である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態では、第3始動入賞口13に遊技球が入賞する可能性がある。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3以上である場合には、第3始動入賞口13への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3以上でない状態(3未満の状態)は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。すなわち、閉鎖し続けている状態である。そのような状態において第3始動入賞口13に遊技球への入賞は異常入賞である可能性がある。従って、普通図柄プロセスフラグの値が3以上でない場合には、第3始動入賞口13への異常入賞が生じていないか否かの確認処理を行う(ステップS606〜S609)。なお、ステップS605の処理で、普通図柄プロセスフラグの値が4であるか否か判定するようにしてもよい。その場合には、開閉動作における開状態でのみ判定結果が「Y」になるので、より厳密に可変入賞球装置15が閉状態であるか否かを判定することができる。
ステップS606では、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第3始動口スイッチ入力ビット判定値(10(H)、図80参照)との論理積をとる(ステップS607)。スイッチオンバッファの内容が10(H)であったとき、すなわち第3始動口スイッチ13aがオンしているときには、論理積の演算結果は10(H)になる。第3始動口スイッチ13aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS608のN)、第3始動入賞口13が開閉状態以外の状態(常時閉鎖している状態)であるにもかかわらず、第3始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す検出信号が第3始動口スイッチ13aから入力されたことになる。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS608A)、加算後の入賞累積数カウンタの値が所定値(例えば5)以上であるか否かを確認する(ステップS608B)。所定値以上である場合には、CPU56は、第3始動入賞口13への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、始動入賞異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS609)。
以上のような処理によって、大当り遊技が行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、第1異常入賞報知指定コマンドが送信される。すなわち、遊技制御手段は、カウントスイッチ23(特定入賞検出手段)からの検出信号を入力したか否かを判定する特定入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS586〜S588)と、特定可変入賞装置(例えば、開閉板16による大入賞口)が開放状態に制御される可能性がある特定遊技状態(大当り遊技状態)以外の遊技状態において特定入賞判定手段が検出信号を入力したと判定すると、特定可変入賞球装置への異常入賞が生じたと判定する(ステップS585,S588参照)。
また、大当り遊技および小当り遊技が行われていない状態において第1役物入賞スイッチ71aまたは第2役物入賞スイッチ72aがオンした場合には、第2異常入賞報知指定コマンドが送信される。さらに、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグにもとづいて異常入賞を検出している。また、上述したように、特別図柄プロセスフラグの値が4以上の間の値であるということは、遊技状態が、役物開放前処理(ステップS305)〜大当り終了処理(ステップS310)のいずれかであることを意味する。つまり、小当り遊技(始動動作)の開始から、第2大当り遊技における最終ラウンドで第2大入賞口が閉鎖された後、第2大入賞口内の遊技球が全て第2大入賞口から排出されたことが確実であるまでの間であることを意味する。特別図柄プロセスフラグの値が4以上の間において異常入賞を検出しているので、役物20が開放状態に変化したときに、役物20に進入した遊技球が役物20から確実に排出されたことを条件に異常入賞の検出が実行されていることになる。なお、小当り遊技および大当り遊技が全く実行されていないときにも、異常入賞の検出が実行されることになる。
また、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを役物20を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、特別図柄プロセスフラグの値が5から6に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し(ステップS432,S434B〜S435参照)、特別図柄プロセスフラグの値が6から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、役物20が閉鎖する直前に役物20内に進入して入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第1役物入賞スイッチ71aや第2役物入賞スイッチ72aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し(ステップS773,S776,S768〜S768B参照)、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第3始動入賞口13に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第3始動口スイッチ13aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図85は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図86は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図44参照)であるのか解析する。
図87〜図89は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドあれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドあれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドあれば(ステップS627)、演出表示装置9の表示画面における保留記憶数表示領域に表示される保留記憶数を1増やすように、演出表示装置9の表示状態を変更する制御を行う(ステップS628)。また、受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドあれば(ステップS629)、演出表示装置9の表示画面における時短回数表示領域に表示される時短回数を変更する制御を行う(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンド(第1異常報知指定コマンドまたは第2異常報知指定コマンド)を受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが第1異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。受信した演出制御コマンドが第2異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS647)、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。受信した演出制御コマンドが役物入賞指定コマンドであれば(ステップS649)、役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650)。受信した演出制御コマンドが始動入賞異常報知指定コマンドであれば(ステップS651)、始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが第1振動異常報知指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、第1振動異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2振動異常報知指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第2振動異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが誘導部異常報知指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、誘導部異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。受信した演出制御コマンドが磁気異常報知指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、磁気異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS663)。そして、ステップS611に移行する。
図90は、演出表示装置9の表示画面の例を示す説明図である。図90に示す例では、表示画面には、飾り図柄表示領域9a、演出領域9b、保留記憶数表示領域9cおよび時短回数表示領域9dがある。なお、飾り図柄表示領域9aは固定的な領域でもよいが、例えば飾り図柄の変動とともに飾り図柄表示領域9aの位置や大きさを変化させるようにしてもよい。また、演出領域9bは、例えば飾り図柄の変動中にキャラクタ画像などが表示される領域であるが、他の領域(例えば、飾り図柄表示領域9a)と重複するようにしてもよい。また、保留記憶数表示領域9cには、例えば、保留記憶数に応じた数の表示がなされ、時短回数表示領域9dには、例えば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動可能回数(残り回数)が数値で表示される。
図91は、図85に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動終了後演出処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
変動終了後演出処理(ステップS805):飾り図柄の変動終了後に、小当りの種類等を報知するための演出を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(ステップS806):小当り遊技中の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、小当り遊技に対応した表示演出を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS807):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS808):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図92は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様(所定時間毎の態様)を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、変動後演出等を構成する各演出態様(所定時間毎の演出態様)を示すデータ等が記載されている場合もある。プロセスタイマ設定値には、その変動態様または演出態様での演出が行われる時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を表示させたり、表示演出を行う制御を実行する。
また、プロセステーブルはROMに記憶されているが、変動時間に応じた変動パターン毎に、また変動後演出の種類毎にプロセステーブルが用意されている。
図93は、図91に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図94は、図91に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840)。また、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。ステップS841では、受信した表示結果指定コマンドが大当り図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「3」または「7」)には、左中右が揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を停止図柄として決定する。受信した表示結果指定コマンドが小当り図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「3」および「7」以外)には、「345」の飾り図柄の組合せ(小当り図柄)を停止図柄として決定する。
なお、演出制御用CPU101は、大当り図柄を決定するときに、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、表示結果指定コマンド受信フラグをリセットしておく(ステップS842)。
さらに、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS843)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS844)。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS845A,S845B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされている場合には、音番号データ1およびランプランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出およびランプ表示が実行されるのではなく、異常報知に応じた音出力およびランプ表示が継続される。
また、ステップS845Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS847)。
図95は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854)。また、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855A,S855B)。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiおよびランプ制御実行データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS855A,S855C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出およびランプ表示が実行されるのではなく、異常報知に応じた音出力およびランプ表示が継続される。
また、ステップS855Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図96は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS864)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に大当り表示(大当り遊技が開始されることを報知する表示)をさせる(ステップS865)そして、大当り表示または小当り表示の表示時間を決定するための大当り表示時間タイマを設定し(ステップS866)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS867)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS861,S863参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、変動終了後演出時間タイマに演出時間(この実施の形態では、3秒または6秒)に相当する値を設定する(ステップS870)。そして、役物20を1回開放する小当りとすることに決定されている場合には、小当り(役物1回開放)を報知するための変動後演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS871,S872)、ステップS874に移行する。また、役物20を2回開放する小当りとすることに決定されている場合には、小当り(役物2回開放)を報知するための変動後演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS871,S873)、ステップS874に移行する。なお、役物20を1回開放する小当りとすることに決定されているのか、役物20を2回開放する小当りとすることに決定されているのかは、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて判定される。つまり、この実施の形態では、表示結果指定コマンドの2バイト目は特別図柄の停止図柄に応じたデータが設定されているので、演出制御用CPU101は、そのデータから、役物20を1回開放する小当りとすることに決定されているのか、役物20を2回開放する小当りとすることに決定されているのかを特定できる(図15および図21参照)。
ステップS874では、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。
次いで、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、選択したプロセステーブルにおける音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS875A,S875B)。具体的には、演出表示装置9において変動後演出に応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされている場合には、音番号データ1およびランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS875A,S8759C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、変動後演出が開始される場合に、変動後演出の表示に応じた音演出およびランプ表示が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力およびランプ表示が継続される。
大当り表示処理(ステップS804)では、演出制御用CPU101は、大当り表示処理において大当り表示時間タイマがタイムアウトするのを待ち、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応する値に更新する。
図97は、演出制御プロセス処理における変動終了後演出処理(ステップS805)を示すフローチャートである。変動終了後演出処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS891)、変動終了後演出時間タイマの値を1減算する(ステップS892)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS893)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS894)。また、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS895A,S895B)。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、誘導部異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、第1振動報知中フラグまたは第2振動異常報知中フラグ)がセットされている場合には、音番号データ1およびランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS875A,S8759C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、変動後演出が開始される場合に、変動後演出の表示に応じた音演出およびランプ表示が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力およびランプ表示が継続される。
変動終了後演出時間タイマがタイムアウトしたら(値が0になったら)、大当り開始指定コマンドを受信している場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS807)に対応する値に更新する(ステップS897,S898)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、変動終了後演出処理において、演出表示装置9における表示の背景色を変更するようにしてもよい。一例として、変動パターン#1,#4(3ラウンドに対応)の変動パターンコマンドを受信している場合には背景色を青色にし、変動パターン#2,#5(7ラウンドに対応)の変動パターンコマンドを受信している場合には背景色を黄色にし、変動パターン#3,#6(11ラウンドに対応)の変動パターンコマンドを受信している場合には背景色を赤色にする。そのような制御によって、遊技者に、大当たり遊技状態におけるラウンド数を報知することができる。
小当り遊技中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされた場合、または遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS808)に対応する値に更新する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り遊技においてV入賞が生じなかったときには小当り終了指定コマンドを送信し、V入賞が生じたときには大当り開始指定コマンドを送信する(図59,図58参照)。
大当り終了処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りの終了を報知するための表示を演出表示装置9に表示させた後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する。
図98〜図100は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図98(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図98(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図98(C)には、演出制御用CPU101が、第1異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する第1異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第1異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図98(C)の右側参照)。図98(D)には、演出制御用CPU101が、第2異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する第2異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第2異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図98(D)の右側参照)。図98(E)には、演出制御用CPU101が、演出表示装置9に表示する排出異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、排出異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図98(E)の右側参照)。
図99には、演出制御用CPU101が、始動入賞異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する始動入賞異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、始動入賞異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図99の右側参照)。
図100(A)には、演出制御用CPU101が、第1振動異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する振動異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、振動異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図100(A)の右側参照)。されている。図100(B)には、演出制御用CPU101が、誘導部異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する誘導部異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、誘導部異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図100(B)の右側参照)。されている。図100(C)には、演出制御用CPU101が、磁気異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する磁気異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、磁気異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図100(C)の右側参照)。されている。
次に、ステップS707の報知制御プロセス処理について説明する。まず、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様について説明する。図101は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様の例を示す説明図である。図101に示すように、この実施の形態では、誘導部異常報知、磁気異常報知、第1異常入賞報知、第2異常入賞報知、振動異常報知(第1態様)、振動異常報知(第2態様)、排出異常報知および始動入賞異常報知の優先順位に従って、各異常報知が実行される。
誘導部異常報知は、誘導部異常報知指定コマンドを受信したことにもとづいて開始され3分間継続される。誘導部異常報知を行う場合、演出表示装置9に「12V短絡エラー」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定の電波不正警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。磁気異常報知は、いずれかの磁気センサ95a〜95fが磁気を検出したことにもとづいて開始され5分間継続される。磁気異常報知を行う場合、演出表示装置9に「異常な磁気を感知しました」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定の電波不正警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。
第1異常入賞報知は、第1異常入賞報知指定コマンドを受信したことにもとづいて開始され5分間継続される。第1異常入賞報知を行う場合、演出表示装置9に「不正入賞エラー1」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定の電波不正警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。第2異常入賞報知は、第2異常入賞報知指定コマンドを受信したことにもとづいて開始され5分間継続される。第2異常入賞報知を行う場合、演出表示装置9に「不正入賞エラー2」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定の電波不正警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。
振動異常報知(第1態様)は、役物20内に遊技球がある時(入賞時)に振動センサ96aが振動を検出したことにもとづいて開始される。振動異常報知(第1態様)を行う場合、演出表示装置9に「台を叩かないでください」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。なお、報知開始後、所定のエラー音は15秒間継続され、振動異常報知画面の表示およびランプの点滅表示は5分間継続される。振動異常報知(第2態様)は、役物20内に遊技球がない時に振動センサ96aが振動を検出したことにもとづいて開始され10秒間継続される。振動異常報知(第2態様)を行う場合、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。
排出異常報知は、遊技球の排出異常を検出したことにもとづいて開始され遊技球が排出口85A,85Bを通過するまで継続される。排出異常報知を行う場合、演出表示装置9に「役物内を点検してください」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。始動入賞異常報知は、始動入賞異常報知指定コマンドを受信したことにもとづいて開始され10秒間継続される。始動入賞異常報知を行う場合、演出表示装置9に「電動チューリップ入賞エラーが起きました」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。
図102〜図104は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図88におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS903,S904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS906では、演出制御用CPU101は、誘導部異常報知指定コマンドを受信したことを示す誘導部異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS912に移行する。誘導部異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、誘導部異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、誘導部異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に誘導部異常報知画面を重畳表示する(図100(B)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、誘導部異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、誘導部異常の報知に応じた音出力(電波不正警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、誘導部異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS910)。よって、以後、誘導部異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、誘導部異常報知を行っていることを示す誘導部異常報知中フラグをセットする(ステップS911)。
次いで、演出制御用CPU101は、磁気異常報知指定コマンドを受信したことを示す磁気異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS912)。セットされていなければ、ステップS921に移行する。磁気異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、磁気異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS913)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、磁気異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS914)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に磁気異常報知画面を重畳表示する(図100(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、磁気異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS915)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、磁気異常の報知に応じた音出力(電波不正警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、磁気異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS916)。よって、以後、磁気異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、磁気異常報知を行っていることを示す磁気異常報知中フラグをセットする(ステップS917)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS921)。セットされていなければ、ステップS926に移行する。第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS922)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第1異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS923)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に第1異常報知画面を重畳表示する(図98(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS924)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(電波不正警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS925)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第1異常報知中フラグをセットする(ステップS926)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS927)。セットされていなければ、ステップS933に移行する。第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS928)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第2異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS929)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に第2異常報知画面を重畳表示する(図98(D)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS930)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(電波不正警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS931)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第2異常報知中フラグをセットする(ステップS932)。
なお、演出制御用CPU101は、第1大入賞口への異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS923〜S925の処理による異常報知)と、役物20に関する異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS929〜S931の処理による異常報知)とを区別可能に異常報知を行う(図98参照)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1振動異常報知指定コマンドを受信したことを示す第1振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS933)。セットされていなければ、ステップS938に移行する。第1振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1振動異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS934)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、振動異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS935)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に振動異常報知画面を重畳表示する(図100(A)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS936)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、振動異常の報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS937)。よって、以後、振動異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、振動異常報知(第1態様)を行っていることを示す第1振動異常報知中フラグをセットする(ステップS938)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2振動異常報知指定コマンドを受信したことを示す第2振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS939)。セットされていなければ、ステップS943Aに移行する。第2振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2振動異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS940)、振動異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS941)。よって、以後、振動異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、振動異常報知(第2態様)を行っていることを示す第2振動異常報知中フラグをセットする(ステップS942)。
ステップS943Aでは、演出制御用CPU101は、小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中であるか否か確認する。小当り遊技中であるか否かを、演出制御プロセスフラグの値によって確認できる。また、役物20を開放しているラウンド中であるか否かを、例えば、受信している表示結果指定コマンド(何ラウンドの大当り遊技であるかを確認するため:図33および図39参照)と大入賞口開放時表示コマンド(何ラウンドの遊技中であるかを確認するため)とによって確認できる。
小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中でない場合には、役物排出監視タイマの値を0にする(ステップS943D)。
小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中であれば、役物入賞指定コマンドを受信したことを示す役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS943B)。役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、役物入賞指定コマンド受信フラグをリセットして(ステップS943C)、役物排出監視タイマの値を0にする(ステップS943D)。
役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、役物排出監視タイマの値を+1する(ステップS943E)。役物排出監視タイマの値が監視時間値(監視時間に相当する値:監視時間は、大当り遊技のラウンド時間よりも長い時間であって例えば41.5秒)になっていたら(ステップS943F)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS945)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する(図98(E)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、排出異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS946)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、排出異常の報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、排出異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS947)。よって、以後、排出異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、排出異常報知を行っていることを示す排出異常報知中フラグをセットする(ステップS948)。
以上のような制御によって、小当り遊技中または役物20を開放しているラウンド中において、監視時間を越えて役物入賞指定コマンドを受信しなかった場合には、演出制御用CPU101は、排出異常が生じたと判定して異常報知を行う。
小当り遊技中に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出すると、小当り遊技を終了して、大当り開始指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを送信する。コマンドを受信した演出制御用CPU101は、制御状態を小当り遊技中でない状態にする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、制御等が正常に実行されていれば、監視時間が経過する前に大当り開始指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを送信するので、役物排出監視タイマがタイムアウトすることはない。また、役物20を開放しているラウンド中において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出すると、大入賞口開放後コマンドを送信するので、コマンドを受信した演出制御用CPU101は、制御状態をラウンド中でない状態にする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、制御等が正常に実行されていれば、監視時間が経過する前に大入賞口開放後コマンドを送信するので役物排出監視タイマがタイムアウトすることはない。すなわち、役物排出監視タイマがタイムアウトしたということは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、所定の時間内に役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出できなかったということを意味するので、役物20から遊技球が排出されない排出異常が生じたことになる。なお、排出異常が生じたということは、実際には役物20に遊技球が入賞していなかった(不正に役物20に入賞した状況が作られた可能性がある。)可能性がある。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞異常報知指定コマンドを受信したことを示す始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS949)。セットされていなければ、処理を終了する。始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS950)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、始動入賞異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS951)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に始動入賞異常報知画面を重畳表示する(図99参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、始動入賞異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS952)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、始動入賞異常の報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、始動入賞異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS953)。よって、以後、始動入賞異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞異常報知を行っていることを示す始動入賞異常報知中フラグをセットする(ステップS954)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1異常入賞報知指定コマンドと第2異常入賞報知指定コマンドとを受信することによって、第1大入賞口への異常入賞が発生したときの異常報知と、役物20に関する異常入賞が発生したときの異常報知とを区別可能に異常報知を行ったが、演出制御用CPU101が異常を区別可能にするコマンド(第1異常入賞報知指定コマンドと第2異常入賞報知指定コマンド)の受信によらず、独自に区別可能な異常報知を行うようにしてもよい。
図105〜図107は、演出表示装置9における表示演出、スピーカ27による音演出および各ランプ28a,28b,28cを用いた表示演出の状況の例を示す説明図である。図105(A)には、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図105(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図105(C)には、演出表示装置9において異常入賞の報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされ、各ランプ28a,28b,28cを用いて異常入賞に応じたランプ表示がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1異常入賞報知指定コマンドまたは第2異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面(第1異常報知画面または第2異常報知画面)を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させ、各ランプ28a,28b,28cを点滅表示させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。
図106(A)には、振動異常報知を第1態様で行う場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1振動異常報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に振動異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させ、各ランプ28a,28b,28cを点滅表示させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における振動異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における振動異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。
図106(B)には、振動異常報知を第2態様で行う場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2振動異常報知指定コマンドを受信すると、各ランプ28a,28b,28cを点灯表示させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、各ランプ28a,28b,28cの点灯表示を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、各ランプ28a,28b,28cの点灯表示を継続させる。
図106(C)には、誘導部異常報知を行う場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から誘導部異常報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に誘導部異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させ、各ランプ28a,28b,28cを点滅表示させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における誘導部異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における誘導部異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。
図107には、磁気異常報知を行う場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から磁気異常報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に磁気異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させ、各ランプ28a,28b,28cを点滅表示させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における磁気異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における磁気異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。
なお、排出異常や始動入賞異常の報知が行われる場合にも、演出表示装置9に異常報知画面(排出異常報知画面)を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させ、各ランプ28a,28b,28cを点滅表示させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点灯表示を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力および各ランプ28a,28b,28cの点滅表示を継続させる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞および排出異常の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドおよび排出異常報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では7)未満のときには常時第1大入賞口に関する異常入賞の検出を行い、特別図柄プロセスフラグの値が5〜10の間の値でないときには常時役物20に関する異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態でないときに1個の遊技球が第1大入賞口または役物20に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、始動動作状態および大当り遊技状態でないときに第1大入賞口または役物20に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、始動動作状態および大当り遊技状態でないときに、所定の時間内に、所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上述したように、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを行う。
以上に説明したように、この実施の形態では、第1回転体駆動モータ79Bの制御において励磁パターンBに従って連続して複数ステップにわたって同じ励磁パルスを出力する。そのようにすることによって、第2回転体90Aに設けられた有利部位93の回転周期と第1回転体90Bに設けられた有利部位190bの回転周期とが、相互にいずれか一方の回転周期の整数倍とならないように制御する。したがって、第2回転体90Aの回転周期と第1回転体の回転周期90Bとを容易に異ならせることができる。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置20の入賞口71,72における磁気を検出可能であるとともに、第2回転体90Aが配置されている領域における磁気を検出可能な磁気センサ95a,95fが設けられている。そのため、1つの磁気センサを用いて、可変入賞球装置20に設けられた入賞領域と、第2回転体90Aが配置されている領域との両方において、磁石を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
また、この実施の形態では、第1回転体90Bが配置されている領域における磁気を検出可能であるとともに、第3回転体90Cが配置されている領域における磁気を検出可能な磁気センサ95eが設けられている。そのため、1つの磁気センサを用いて、第1回転体90Bが配置されている領域と第3の回転体90Cが配置されている領域との両方において、磁石を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
また、この実施の形態では、磁気センサ95a〜95fが、遊技機の正面側に設けられたガラス扉枠2と、第2回転体90Aとの間に位置するように配置されている。そのため、遊技機の正面側に設けられたガラス扉枠2側から磁石を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
また、この実施の形態では、第2位置センサ922aが円盤部材921のスリット921aを検出すると同時に第1位置センサ922bがスリット921aを検出したことにもとづいて、異常が発生したと判定し報知する。そのため、円盤部材の初期位置を検出するための位置センサ922a,922bを利用して、電波を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
また、この実施の形態では、第2位置センサ922aがスリット921aを検出したあとに、所定期間以内に第1位置センサ922bがスリット921aを検出しなかったことにもとづいて、異常が発生したと判定し報知する。そのため、円盤部材の初期位置を検出するための位置センサ922a,922bを利用して、電波を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
また、この実施の形態では、振動センサ96aにより振動が検出され、かつ、可変入賞球装置20への入賞時である旨の判定がなされたときに第1態様で振動異常を報知する。また、振動センサ96aにより振動が検出され、かつ、可変入賞球装置20への入賞時でない旨の判定がなされたときに第2態様で振動異常を報知する。そのため、可変入賞球装置20に遊技球が入賞したときに振動が検出された場合と、可変入賞球装置に遊技球が入賞していないときに振動が検出された場合とで報知する態様を異ならせることができ、不正行為の度合いに応じた警告を行うことができる。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置20が始動動作状態または大当り遊技状態に制御されていないときに、第1役物入賞スイッチ71aまたは第2役物入賞スイッチ72aから検出信号を入力したことにもとづいて、異常入賞が生じたと判定する。そのため、不正行為を効果的に防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置15が開閉動作していないときに、第3始動口スイッチ13aが検出信号を出力したことにもとづいて異常入賞が生じたと判定する。そのため、第3始動口スイッチ13aから検出信号が出力される状態を作成するような不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態では、初期化報知が異常報知(異常入賞の報知および排出異常の報知)に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り判定用乱数にもとづいて大当り遊技状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り判定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。なお、一般に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期化処理において乱数回路503を初期化する。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識するために十分な期間だけ初期化報知が継続される構成であれば、初期化報知を終了するタイミングは問わない。
なお、この実施の形態では、第2回転体90Aが外周部に複数の有利部位83が設けられ、各有利部位間の間隔が等間隔となるように各有利部位83が配置される場合を説明したが、各有利部位間の間隔が相互に異なるように配置してもよい。図108は、各有利部位間の間隔が相互に異なるように配置した場合の第2回転体90Aの例を示す説明図である。図108に示すように、例えば、第2回転体90Aの外周部に他の有利部位93に極端に近くなるように配置した有利部位93a,93bを設けるなどして、各有利部位間の間隔が相互に異なるように配置するようにしてもよい。そのようにすれば、第2回転体90Aを経由した遊技機の振り分けを容易に行うことができる。
実施の形態2.
図109は、第2の実施の形態の遊技機における特別図柄の停止図柄と当りの種類との関係を示す説明図である。また、図110は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が使用する各乱数を示す説明図である。図110に示す例では、第1の実施の形態(図38参照)に対して、(6)のランダム6:小当り種類決定用乱数が追加されている。図111は、特別図柄の停止図柄と判定値との関係(図111(A))、および小当り種類(具体的には、小当り遊技状態すなわち始動動作状態における役物20の開放回数)と判定値との関係(図111(B))の一例を示す説明図である。ただし、第1の実施の形態(図39参照)の場合と同様に、図111には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定の処理(図47のステップS62参照)において、大当り(第1大当り)とするか、小当り遊技終了後に実行される第2大当り遊技において何ラウンドまで許容されるかを決定し、さらに、第1大当りとしない場合には、小当り遊技の種類(具体的には、小当り遊技状態すなわち始動動作状態における役物20の開放回数)を、小当り種類決定用乱数を用いた抽選によって決定する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り種類決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を小当り種類決定用乱数値とするのであるが、小当り種類決定用乱数値に一致する判定値に対応する開放回数(図111(B)参照)を決定する。
なお、この実施の形態では、大当り(第1大当り)として、通常大当りおよび確変大当りの他に、突然確変大当りがある。突然確変大当りとは、大入賞口の開放回数および開放時間が通常大当りおよび確変大当りの場合に比べて短く(例えば、0.5秒の開放が2回)、また、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態になったかのように感ずる。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同様である。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
図112は、図35に示す演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70による構成に代えて、音/ランプ制御基板80bおよび表示制御基板80aが設けられた構成例を示すブロック図である。図112に示すように、音/ランプ制御基板80bには、音/ランプ制御用CPU101bおよびRAMを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが搭載されている。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、出力ポート107を介してランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの各ランプに供給する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC703に対して音番号データを出力する。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した演出制御コマンドを出力ポート104を介して表示制御基板80aに転送するとともに、受信した演出制御コマンドにもとづいてコマンドを生成し、生成したコマンドを出力ポート104を介して表示制御基板80aに送信する。
図112に示すように、表示制御基板80aには、表示制御用CPU101aおよびRAM(図示せず)を含む表示制御用マイクロコンピュータ100aが搭載されている。表示制御基板80aにおいて、表示制御用マイクロコンピュータ100aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、音/ランプ制御基板80bから入力ポート108を介してコマンドを受信する。そして、表示制御用マイクロコンピュータ100aは、受信したコマンドにもとづいて、VDP109に、LCDを用いた演出表示装置9の表示制御を行わせる。演出表示装置9の表示制御に関する表示制御用マイクロコンピュータ100aの制御は、上記の各実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100の制御と同じである。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから表示制御用マイクロコンピュータ100aに対して送信されるコマンドは、上記の各実施の形態における演出制御コマンド(図44参照)と同様である。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンドをそのまま表示制御用マイクロコンピュータ100aに転送することによって、上記の各実施の形態における演出制御コマンド(図44参照)と同様のコマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100aに与えることができる。
なお、上記に示した各実施の形態では、以下の(1)〜(10)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不可能な閉鎖状態のいずれかの状態に制御可能であり、始動条件の成立に応じて開放状態となる始動動作状態に制御される可変入賞球装置(例えば、可変入賞球装置20)を備え、可変入賞球装置に設けられた特定領域(例えば、特定入賞口66)に遊技球が入賞したときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行する遊技機であって、可変入賞球装置内に第1の回転体(例えば、第1回転体90B)と第2の回転体(例えば、第2回転体90A)とが配置され、第1の回転体は、遊技者にとって有利な経路に遊技球を導くことが可能な有利部位(例えば、窪み形状部である有利部位190b)が設けられ、第2の回転体は、遊技者にとって有利な経路に遊技球を導くことが可能な有利部位(例えば、磁石93である有利部位)が設けられ、第1の回転体の有利部位を通った遊技球が第2の回転体に導かれ、当該第2の回転体の有利部位を経て遊技球が特定領域に導かれる(例えば、図17に示すように、経路部材91Bからうまく第1回転体90Bの有利部位190bに遊技球がはまると、第1回転体90Bの回転に従って第2回転体90Aの方に導かれ、第2回転体90Aの有利部位(磁石93)に遊技球がくっつく)ように配置されており、第1の回転体をパルス状の励磁電流である励磁パルスの入力に応じて所定角度ずつ回動させる第1のステッピングモータ(例えば、第1回転体駆動モータ79B)と、第2の回転体をパルス状の励磁電流である励磁パルスの入力に応じて所定角度ずつ回動させる第2のステッピングモータ(例えば、第2回転体駆動モータ79A)と、所定の励磁パターンに従って、第1のステッピングモータと第2のステッピングモータとに励磁パルスを出力することによって、第1のステッピングモータと第2のステッピングモータとを駆動制御するモータ制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS4202〜S4207,S4212〜S4221を実行する部分)とを備え、モータ制御手段は、第1のステッピングモータまたは第2のステッピングモータの少なくとも一方の制御において連続して複数ステップにわたって同じ励磁パルスを出力することによって、第1の回転体に設けられた有利部位の回転周期と第2の回転体に設けられた有利部位の回転周期とが、相互にいずれか一方の回転周期の整数倍とならないように制御する回転周期調整手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560における図55(b)に示す励磁パターンBを用いてステップS4205〜S4207,S4217〜S4221を実行する部分)を含むことを特徴とする遊技機。
そのような構成によれば、モータ制御手段が、第1のステッピングモータまたは第2のステッピングモータの少なくとも一方の制御において連続して複数ステップにわたって同じ励磁パルスを出力することによって、第1の回転体に設けられた有利部位の回転周期と第2の回転体に設けられた有利部位の回転周期とが、相互にいずれか一方の回転周期の整数倍とならないように制御する回転周期調整手段を含むように構成されているので、第1の回転体の回転パターンと第2の回転体の回転パターンとを容易に異ならせることができる。
(2)遊技機は、第1の回転体または第2の回転体のうちの少なくとも一方は、外周部に複数の有利部位が設けられ、各有利部位は、各有利部位間の間隔が相互に異なるように配置されている(例えば、第2回転体90Aは、磁石93間の間隔が相互に異なるように配置されている)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1の回転体または第2の回転体のうちの少なくとも一方が、外周部に複数の有利部位が設けられ、各有利部位が、各有利部位間の間隔が相互に異なるように配置されているように構成されているので、回転体を経由した遊技機の振り分けを容易に行うことができる。
(3)遊技機は、可変入賞球装置の入賞口における磁気を検出可能であるとともに、第1の回転体または第2の回転体のうちの少なくとも一方が配置されている領域における磁気を検出可能な磁気センサが設けられている(例えば、磁気センサ95a,95fは、可変入賞球装置20の入賞口71,72における磁気を検出可能であるとともに、第2回転体90Aの領域における磁気を検出可能に配置されている)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、可変入賞球装置の入賞口における磁気を検出可能であるとともに、第1の回転体または第2の回転体のうちの少なくとも一方が配置されている領域における磁気を検出可能な磁気センサが設けられているように構成されているので、1つの磁気センサを用いて、可変入賞球装置に設けられた入賞領域と、第1の回転体または第2の回転体のうちの少なくとも一方が配置されている領域との両方において、磁石を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
(4)遊技機は、第1の回転体が配置されている領域における磁気を検出可能であるとともに、第2の回転体が配置されている領域における磁気を検出可能な磁気センサが設けられている(例えば、磁気センサ95eは、第1回転体90Bの領域における磁気を検出可能であるとともに、第3回転体90Cの領域における磁気を検出可能に配置されている)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1の回転体が配置されている領域における磁気を検出可能であるとともに、第2の回転体が配置されている領域における磁気を検出可能な磁気センサが設けられているように構成されているので、1つの磁気センサを用いて、第1の回転体が配置されている領域と第2の回転体が配置されている領域との両方において、磁石を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
(5)磁気センサは、遊技機の正面側に設けられたガラス枠と、第1の回転体または第2の回転体とのうちの少なくとも一方との間に位置するように配置されている(例えば、各磁気センサ95a〜95fは、ガラス扉枠2と第2回転体90Aとの間に位置するように配置されている)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、磁気センサが、遊技機の正面側に設けられたガラス枠と、第1の回転体または第2の回転体とのうちの少なくとも一方との間に位置するように配置されているように構成されているので、遊技機の正面側に設けられたガラス枠側から磁石を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
(6)遊技機は、可変入賞球装置に設けられ、可変入賞球装置に進入した遊技球を特定領域へと誘導可能に動作する可動部材(例えば、誘導部92)と、可動部材の動作と同期して回動する円盤部材(例えば、円盤部材921)とを備え、円盤部材は、外周部に位置検出部(例えば、スリット921a)が形成され、円盤部材の外周部に位置するように配置され、円盤部材に形成された位置検出部を検出可能な第1の位置検出部検出手段(例えば、第1位置センサ922b)と、円盤部材の外周部に位置するように配置され、円盤部材に形成された位置検出部を検出可能な第2の位置検出部検出手段(例えば、第2位置センサ922a)と、第1の位置検出部検出手段が位置検出部を検出したことにもとづいて、可動部材の初期位置を検出する初期位置検出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS4229,S4230,S4241,S4242を実行する部分)と、第1の位置検出部検出手段が位置検出部を検出すると同時に第2の位置検出部検出手段が位置検出部を検出したことにもとづいて、異常が発生したと判定する異常判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS4260〜S4262を実行する部分)と、異常判定手段が異常が発生したと判定したことにもとづいて、異常が発生したことを報知する異常発生報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS906〜S911を実行する部分)とをさらに備えるように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1の位置検出部検出手段が位置検出部を検出すると同時に第2の位置検出部検出手段が位置検出部を検出したことにもとづいて、異常が発生したと判定する異常判定手段と、異常判定手段が異常が発生したと判定したことにもとづいて、異常が発生したことを報知する異常発生報知手段とを備えるように構成されているので、回転体の初期位置を検出するための位置検出部検出手段を利用して、電波を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
(7)遊技機は、可変入賞球装置に設けられ、可変入賞球装置に進入した遊技球を特定領域へと誘導可能に動作する可動部材(例えば、誘導部92)と、可動部材の動作と同期して回動する円盤部材(例えば、円盤部材921)とを備え、円盤部材は、外周部に位置検出部(例えば、スリット921a)が形成され、円盤部材の外周部に位置するように配置され、円盤部材に形成された位置検出部を検出可能な第1の位置検出部検出手段(例えば、第1位置センサ922b)と、円盤部材の外周部に位置するように配置され、円盤部材に形成された位置検出部を検出可能な第2の位置検出部検出手段(例えば、第2位置センサ922a)と、第1の位置検出部検出手段が位置検出部を検出したことにもとづいて、可動部材の初期位置を検出する初期位置検出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS4229,S4230,S4241,S4242を実行する部分)と、第1の位置検出部検出手段が位置検出部を検出したあとに、所定期間以内に第2の位置検出部検出手段が位置検出部を検出しなかったことにもとづいて、異常が発生したと判定する異常判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS4265,S4267〜S4269を実行する部分)と、異常判定手段が異常が発生したと判定したことにもとづいて、異常が発生したことを報知する異常発生報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS906〜S911を実行する部分)とをさらに備えるように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1の位置検出部検出手段が位置検出部を検出したあとに、所定期間以内に第2の位置検出部検出手段が位置検出部を検出しなかったことにもとづいて、異常が発生したと判定する異常判定手段と、異常判定手段が異常が発生したと判定したことにもとづいて、異常が発生したことを報知する異常発生報知手段とを備えるように構成されているので、回転体の初期位置を検出するための位置検出部検出手段を利用して、電波を用いて行われる不正行為を容易に検出することができる。
(8)遊技機は、可変入賞球装置内に進入した遊技球を検出する進入検出手段(例えば、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a)と、遊技機の振動を検出する振動検出手段(例えば、振動センサ96a)と、進入検出手段による遊技球検出後の所定の判定期間内であるか否かを判定する期間判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS4252〜S4254を実行する部分)と、振動検出手段により振動が検出され、かつ、期間判定手段により所定の期間内である旨の判定がなされたときに第1態様で報知し、振動検出手段により振動が検出され、かつ、期間判定手段により所定の判定期間内でない旨の判定がなされたときに第2態様で報知する異常報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってステップS4255でYと判定されるとともにステップS4256でYと判定されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1振動異常報知指定コマンドを受信したことにもとづいてステップS933〜938を実行する部分。遊技制御用マイクロコンピュータ560によってステップS4255でYと判定されるとともにステップS4256でNと判定されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ100が第2振動異常報知指定コマンドを受信したことにもとづいてステップS939〜942を実行する部分)とを備えるように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、振動検出手段により振動が検出され、かつ、期間判定手段により所定の期間内である旨の判定がなされたときに第1態様で報知し、振動検出手段により振動が検出され、かつ、期間判定手段により所定の判定期間内でない旨の判定がなされたときに第2態様で報知する異常報知手段とを備えるように構成されているので、可変入賞球装置に遊技球が進入してから所定の判定期間内に振動が検出された場合と、可変入賞球装置に遊技球が進入してから所定の判定期間内でないときに振動が検出された場合とで報知する態様を異ならせることができ、不正行為の度合いに応じた警告を行うことができる。
(9)遊技機は、可変入賞球装置の入賞領域に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する入賞検出手段(例えば、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a)と、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)とを備え、可変入賞球装置には入賞領域が設けられ、始動動作状態に制御されている可変入賞球装置の入賞領域のうち特別領域(例えば、特定入賞口66)に遊技球が入賞したときに、可変入賞球装置を所定回開放状態に制御する特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させ、遊技制御手段は、入賞検出手段からの検出信号を入力したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS592,S593,S596,S597の処理を実行する部分)と、可変入賞球装置が始動動作状態または特定遊技状態に制御されていないときに入賞判定手段が検出信号を入力したことにもとづいて異常入賞が生じたと判定する可変入賞球装置異常判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS591,S594,S598の処理を実行する部分)とを含むように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、可変入賞球装置が始動動作状態または特定遊技状態に制御されていないときに入賞判定手段が検出信号を入力したことにもとづいて異常入賞が生じたと判定するように構成されているので、不正行為を効果的に防止することができる。
(10)遊技機は、遊技領域に、入賞により可変表示の実行条件を成立させる始動領域(例えば、第3始動入賞口13)が形成され、始動領域に遊技球が入賞可能な開状態と始動領域に遊技球が入賞不可能な閉状態とのいずれかの状態になることが可能な可変始動入賞装置(例えば、可変入賞球装置15)と、始動領域に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する始動検出手段(例えば、第3始動口スイッチ13a)と、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)とを備え、遊技制御手段は、可変始動入賞装置を開状態にする条件の成立に応じて、可変始動入賞装置を開状態にした後閉状態にする開閉動作を実行させる可変始動入賞装置制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS411〜S413,S430の処理を実行する部分)と、可変始動入賞装置が開閉動作していないときに、始動検出手段が検出信号を出力したことにもとづいて異常入賞が生じたと判定する可変始動入賞装置異常判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS605〜S609の処理を実行する部分)とを含むように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技制御手段が、可変始動入賞装置が開閉動作していないときに、始動検出手段が検出信号を出力したことにもとづいて異常入賞が生じたと判定する可変始動入賞装置異常判定手段を含むので、始動検出手段から検出信号が出力される状態を作成するような不正行為を防止することができる。