以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域91がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、単色のLEDと7セグメントLEDとの組み合わせによって構成されていていもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示の実行条件である第1始動条件、または第2特別図柄の可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。例えば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の可変表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
また、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、設けられていなくてもよい。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、所定条件が成立したときにソレノイド16によって開状態とされる。この実施の形態では、後述するように、普通図柄の可変表示結果が当りとなったときに、可変入賞球装置15が所定時間開状態とされる。なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、通常状態であるときと比較して可変入賞球装置15が長い時間開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に(所定条件が成立したときに)、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。なお、普通図柄の可変表示結果が当りとなった場合に限らず、例えば、遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて所定条件が成立したと判断して、可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示を行うことなく、直ちに可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。また、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示は行うものの、普通図柄の可変表示結果を当りとするか否かを判定することなく、無条件に可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。この場合、普通図柄の当りを示す当りフラグを格納する領域が不要となり、RAM容量を削減することができる。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、この実施の形態では、遊技状態が確変状態または時短状態に制御されているときには、通常状態と比較して可変入賞球装置15の開放期間が延長される。なお、確変状態または時短状態であるときに、可変入賞球装置15の開放時間のみを長くするようにしてもよく、開放回数のみを増やしてもよい。
なお、この実施の形態では、時短状態において、特別図柄の可変表示時間が短縮される場合を示すが、普通図柄の可変表示結果が当りとなる確率を高めることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めるようにしてもよい。また、時短状態において、可変入賞球装置15の開放延長のみを行うようにしてもよい。また、時短状態において、特別図柄の可変表示時間を短縮すること、普通図柄の可変表示結果が当りとなる確率を高めること、または可変入賞球装置15の開放延長を行うことのいずれか1つまたはいずれか2つを組み合わせて行うようにしてもよく、それら全てを行うようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。なお、ルーチンとは、プログラムにおいて、特定の処理を実行するための命令(コード)の集まりのことである。ある処理を行うための一連の命令を手順として記述したプロシージャや、与えられた情報に演算処理を加えて処理の結果を返す機能であるファンクション(関数)などがルーチンに分類される。特に個別のプログラムコードとして独立していなくても、ある分量のコードが特定の処理のために集中して配置されていれば、その部分はルーチンであるとみなすことができる。ルーチンはプログラム内での立場によって大きく2つに分けられ、プログラムを開始する際に最初に呼び出され、プログラム全体の進行を管理するルーチンを「メインルーチン」、プログラムの実行中に他のルーチンから呼び出されて動作するルーチンを「サブルーチン」と呼ぶ。
遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、合算保留記憶数カウンタの値など)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する。また、CPU56は、合算保留記憶数をカウントする合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドも送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、合算保留記憶数指定コマンドを送信する代わりに、第1保留記憶数をカウントする第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第1保留記憶数を指定するコマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を送信し、第2保留記憶数をカウントする第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第2保留記憶数を指定するコマンド(第2保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。また、第2保留記憶数カウンタの値や第2保留記憶数カウンタの値が0のときは、それらのコマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。例えば、大当り図柄決定用乱数の初期値を決定するためのランダム2初期値用乱数を設けてもよい。そして、ランダム4初期値用乱数に加えてランダム2初期値用乱数もステップS18,S25の初期値用乱数更新処理で更新するようにしてもよい。そのようにすれば、大当り決定時の大当り図柄をよりランダムに決定することができ、特に確変図柄(例えば、「7」または「3」)をよりランダムに発生させることができる。そのため、確変大当りをよりランダムに発生させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図6に示された乱数(特に、ランダム1,2,3)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、後述する変動パターン設定処理でセットされる開始フラグや特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(この実施の形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(この実施の形態では4)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
なお、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタを確認し、第1特別図柄と第2特別図柄のうち特別図柄ポインタが示す特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行する。また、例えば、始動入賞順に特別図柄の可変表示を行う場合には、例えば、後述する保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を確認し、保留特定領域の1つ目の領域にセットされているデータが「第1」であるか「第2」であるかにもとづいて、第1特別図柄の可変表示であるか第2特別図柄の可変表示であるかを特定して、特定した特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行してもよい。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を切り替えるようにしてもよい。例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、例えば、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に対応した値(例えば1)となると、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に対応した値(例えば2)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)または時短状態において用いられる通常時大当り判定テーブル(図7(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図7(B)参照)とがある。図7(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値と大当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りまたは小当りとすることに決定する。なお、大当りとすることに決定した場合には、大当り図柄決定用乱数にもとづいて決定した停止図柄に応じて、確変大当りまたは通常大当りに決定される。したがって、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果として、確変大当り、通常大当り、小当りまたははずれのいずれかに決定される。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値に一致すると、第1特別図柄および第2特別図柄に関して大当りまたは小当りとすることに決定する。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。なお、確変大当りおよび通常大当りの場合には、ラウンド数は、小当りの場合よりも多く、例えば15ラウンドである。
小当りとは、大入賞口の開放回数が2回まで許容される遊技状態である。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態が確変状態に移行することはない。
図8は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図8に示すように、停止図柄を大当りとすることに決定された場合、または停止図柄をはずれとすることに決定された場合であって変動表示中にリーチ演出を実行しないことが決定された場合には、変動パターン#1〜#8が用いられる。このうち、短縮変動ではない通常の変動が行われるときには変動パターン#1〜#4が用いられ、短縮変動が行われるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されるときに用いられる変動パターンである。また、変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。また、停止図柄をはずれとすることに決定された場合であって変動表示中にリーチ演出を実行することが決定された場合には、変動パターン#9〜#15が用いられる。このうち、リーチ演出を実行することが決定された場合であって、さらに短縮変動が行われるときには、変動パターン#13〜#15が用いられる。
この実施の形態では、停止図柄を大当りとすることに決定された場合、およびはずれとすることに決定された場合であってリーチ演出を実行しないことに決定された場合には、遊技状態が時短状態に移行されているとき、または合算保留記憶数の値が所定値(例えば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。また、はずれとすることに決定された場合であってリーチ演出を実行することに決定された場合には、遊技状態が時短状態に移行されているとき、または合算保留記憶数の値が所定値(例えば4)以上になっているときにリーチ用の短縮変動の変動パターン#13〜#15が用いられる。
後述する変動パターン設定処理において、リーチとしないと決定され、かつ短縮変動の変動パターンを選択しないと決定されたときに選択される通常変動パターンテーブルには、変動パターン#1〜#4が設定される。また、リーチとしないと決定され、かつ短縮変動の変動パターンを選択すると決定されたときに選択される短縮変動パターンテーブルには、変動パターン#5〜#8が設定される。また、リーチとすると決定され、かつ短縮変動の変動パターンを選択しないと決定されたときに選択されるリーチ変動パターンテーブルには、変動パターン#9〜#12が設定される。さらに、リーチとすると決定され、かつ短縮変動の変動パターンを選択すると決定されたときに選択されるリーチ短縮変動パターンテーブルには、変動パターン#13〜#15が設定される。
この実施の形態では、上記の各変動パターンテーブル(通常変動パターンテーブル、短縮変動パターンテーブル、リーチ変動パターンテーブル、リーチ短縮変動パターンテーブル)は、それぞれ、第1特別図柄の変動が開始されるときに使用される第1変動パターンテーブル(第1通常変動パターンテーブル、第1短縮変動パターンテーブル、第1リーチ変動パターンテーブル、第1リーチ短縮変動パターンテーブル)と、第2特別図柄の変動が開始されるときに使用される第2変動パターンテーブル(第2通常変動パターンテーブル、第2短縮変動パターンテーブル、第2リーチ変動パターンテーブル、第2リーチ短縮変動パターンテーブル)とに分けられている。
第1変動パターンテーブルおよび第2変動パターンテーブルには、それぞれ、同じ変動パターンが設定されているが、変動パターンに対して割り振られた判定値の数が第1変動パターンテーブルと第2変動パターンテーブルとで異なる。具体的には、第2変動パターンテーブルの方が第1変動パターンテーブルよりもリーチを伴う変動パターンが高い割合で選択されるように各変動パターンに判定値が割り振られている。なお、第2変動パターンテーブルの方が第1変動パターンテーブルよりも変動時間の長い変動パターンが高い割合で選択されるように各変動パターンに判定値が割り振られていてもよい。また、逆に、第2変動パターンテーブルの方が第1変動パターンテーブルよりもリーチを伴う変動パターンや変動時間の長い変動パターンが低い割合で選択されるように各変動パターンに判定値が割り振られていてもよい。
なお、短縮変動を行うときの演出図柄の表示態様は、例えば、演出図柄の変動表示を開始してから所定時間の低速変動後に高速変動に移行し、所定時間の高速変動後に再び低速変動に移行して停止図柄を停止表示する場合、変動表示を開始してからの低速変動部分の時間を短縮するように変動表示してもよいし、高速変動部分の時間を短縮するように変動表示してもよいし、高速変動後から停止図柄を停止表示するまでの時間を短縮するように変動表示してもよい。例えば、変動表示を開始してからの低速変動部分の時間を短縮するように変動表示する場合は、例えば、左中右の図柄を同時に変動表示を開始させることによって、遊技者に違和感を与えることなく、変動時間を短縮することができる。また、高速変動部分の時間を短縮するように変動表示すれば、高速変動中はもともと遊技者にとって変動中の図柄を視認しずらいのであるから、高速変動中の時間を短縮しても、遊技者に対して違和感を与えることなく、変動時間を短縮することができる。また、高速変動後から停止図柄を停止表示するまでの時間を短縮するように変動表示する場合であっても、例えば、左中右の停止図柄を同時に停止表示することによって、遊技者に対して違和感を与えることなく、変動時間を短縮することができる。すなわち、例えば、通常変動を行う場合に左右中の順に時間差をおいて停止図柄を順次停止表示しているのであれば、短縮変動時に左中右の停止図柄を同時に停止表示するようにすれば、高速変動後から停止図柄を停止表示するまでの時間を短縮しても、通常変動時と比較して遊技者に対してそれほど違和感を与えないようにすることができる。また、例えば、高速変動部分の時間を短縮するとともに、高速変動後から停止図柄を停止表示するまでの時間も短縮するように変動表示してもよい。さらに、例えば、演出図柄の変動開始時の低速変動部分の時間を短縮するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行われるときにも第2特別図柄の可変表示が行われるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#15のいずれか)が用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。例えば、変動パターン#1’〜#15’を定義し、第1特別図柄については変動パターン#1〜#15のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#1’〜#15’のいずれかを使用する。その場合、例えば、変動パターン#1〜#15を示すデータが設定された変動パターンテーブルと、変動パターン#1’〜#15’を示すデータが設定された変動パターンテーブルとが別個にROM54に格納される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行い演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行うとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図9は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図10に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号(取り込みの指示信号)に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図10に示された極性と逆極性であってもよい。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド8001(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800F(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当り、小当りまたははずれのいずれとするか、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合と、第2特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合とで共通の図柄確定指定コマンドを送信する場合を示すが、第1特別図柄に対応する変動表示を停止する場合と第2特別図柄に対応する変動表示を終了する場合とで別々の図柄確定指定コマンド(例えば、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技(または小当り遊技)の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定3指定コマンドがある。なお、このうち、大当り開始2指定コマンドA002(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1飾り図柄表示器9aでの識別情報の可変表示と第2飾り図柄表示器9bでの識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図12は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図12(A)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図12(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンド、特別図柄特定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた演出表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた演出表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図13に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
図14および図15は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。具体的には、入力ポート0(図13参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードする(ステップS311)。そして、ロードした内容(ロードしたデータ)とC0(H)とのビット毎の論理積演算を行い演算結果が0でない場合には(ステップS312)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313)。より具体的には、演算結果が1になった状態に変化した場合(直前の2ms前の判定では0であり、今回の判定で1になった場合)に、始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。また、C0(H)は、入力ポート0の第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号の入力ビットに対応する値である。また、この実施の形態では、入力ポート0の内容を直接ロードしているが、スイッチ処理(ステップS21)で入力ポート0の内容をRAM55の所定の領域に設定している場合には、その領域の内容をロードするようにしてもよい。また、ステップS312の処理を、ロードした内容(ロードしたデータ)のビット0〜5をマスク(0にすること)した後、00(H)との排他的論理和をとる演算に代えてもよい。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図16および図17は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS311に示されたように入力ポート0からロードした内容(ロードされたデータ)とC0(H)との論理積演算を行い演算結果が0でない場合に、すなわち第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、ロードされたデータのビット6が1であるか否か確認する(ステップS211)。図13に示すように、第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合には、ロードされたデータのビット6に入力される検出信号は1(ハイレベル)である。すなわち、ロードされたデータのビット6が1であるということは、入力ポート0のビット6の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを意味する。
また、ロードされたデータのビット6が1でないということは、入力ポート0のビット7の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。
CPU56は、入力ポート0のビット6が1である場合には、始動口ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS212)。また、入力ポート0のビット6が1でない場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS213)。
この実施の形態では、第1保留記憶数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタ)と、第2保留記憶数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第2保留記憶数カウンタ)とが設けられている。そして、始動口ポインタには、第1保留記憶数カウンタのアドレスまたは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示すデータが設定される。すなわち、始動口ポインタに設定される「第1」を示すデータは第1保留記憶数カウンタのアドレスを示し、「第2」を示すデータは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示す。始動口ポインタはRAM55に形成されている。また、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタもRAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、始動口ポインタの代わりに、遊技制御用マイクロコンピュータ560内部のレジスタに「第1」または「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS214A)。保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS239に移行する。保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS215)。
また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする(ステップS216)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータをセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータをセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には(「第1」を示すデータも「第2」を示すデータもセットされていない場合には)、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。なお、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータ(アドレスデータ)に対応するデータをセットするようにしてもよい。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータに対応するデータとして01(H)をセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータに対応するデータとして02(H)をセットする。
図18(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図18(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
なお、第2特別図柄の変動表示を常に第1特別図柄の変動表示に優先して実行するようにする場合には、第2保留記憶が1つでもあれば第1保留記憶の有無にかかわらず常に第2特別図柄の変動表示を実行し、第2保留記憶がなく第1保留記憶のみがあるときに限って第1特別図柄の変動表示を実行するように制御するのであるから、第1始動入賞口13単独の入賞順と第2始動入賞口14単独の入賞順さえ特定できれば、必ずしも第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定する必要はない。そのため、第2特別図柄の変動表示を常に優先して実行する場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を設けないようにしてもよい。
図18(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図18(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとのうちの始動口ポインタが示す方の保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS217)。具体的には、CPU56は、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第1保留記憶バッファの第1保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第2保留記憶バッファの第2保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。
なお、第1保留記憶数バッファにおいて、第1保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされ、また、第2保留記憶数バッファにおいても、第2保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされている。この場合、CPU56は、始動口ポインタが示すデータによって保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)の先頭アドレスを認識する。そして、1つの保留記憶あたりのデータ数(各乱数の数)に保留記憶数(保留記憶数カウンタが示す値)を乗算した値をオフセット値として保存領域にソフトウェア乱数およびランダムRを格納する。
なお、ステップS217では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜3(図6参照)の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、図18(A)に例示された保留特定領域における第1〜第8の領域のそれぞれに、さらに、抽出した乱数値を格納する2つの保存領域(第1保留記憶に対応する保存領域と第2保留記憶に対応する保存領域)を形成してもよい。そのように構成した場合には、CPU56は、ステップS217の処理では、合算保留記憶数カウンタの値を確認し、そのカウント値(合算保留記憶数)に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する(始動口ポインタのデータに対応する)保存領域に乱数値を保存する。または、合算保留記憶数カウンタを設けずに、ステップS217の処理の実行ごとに、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせ、その合計値に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する保存領域に乱数値を保存する。合算保留記憶数カウンタを設ける構成では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせる処理(演算処理)が不要となり、処理数を削減することができ、合算保留記憶数カウンタを設けない構成では、RAM55の容量を削減することができる。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には第1始動入賞指定コマンドを送信し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には第2始動入賞指定コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS218)。そして、始動口ポインタをクリアする(ステップS219)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
また、第1始動入賞指定コマンドのEXTデータには第1保留記憶数カウンタの値が設定される。第2始動入賞指定コマンドのEXTデータには第2保留記憶数カウンタの値が設定される。合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータには合算保留記憶数カウンタの値が設定される。
なお、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする処理をステップS212の処理の前または後や、ステップS213の処理の前または後に実行するようにしてもよい。
なお、ステップS219では、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されているが、このような構成に限られず、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、始動口ポインタが「第2」を示している場合には(ステップS221)、ロードされたデータのビット7が1であるか否か確認する(ステップS222)。ロードされたデータのビット7が1である場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータをセットし(ステップS223)、ステップS214Aに移行する。ステップS221〜S223の処理によって、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合、すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、ビット7に対応する第2始動口スイッチ14aについてステップS214A〜S219の処理が実行された後、直ちに、ビット6に対応する第1始動口スイッチ13aについてステップS214A〜S219の処理が実行されることになる。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、2ms内で実行される処理によって、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづく処理が実行される。よって、例えば、遊技球を検出したスイッチが検出信号をオン状態にする期間が極めて短くなったような状況が生じても、確実にスイッチがオン状態になったことにもとづく処理を完了できる。また、2ms内(1タイマ割込処理内)で、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづくステップS214A〜S219の処理が完了するので、ソフトウェア乱数の値が1増えないうちに乱数が抽出される。そのため、入賞タイミングに対応した正確なソフトウェア乱数の値を抽出することができる。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合、または始動口ポインタが「第2」を示しているがロードされたデータのビット7が1でない場合には、ステップS231に移行する。
ステップS231では、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1であるか否か確認する。ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合には、始動口ポインタをクリアして(ステップS239)、処理を終了する。つまり、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になっていた場合にはステップS232以降の処理を実行しない。すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態であるということは、特定処理(いずれの始動入賞口13,14への入賞が生じたのかを特定する処理)において誤判定されたという事態は生じないのであるから、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合しているか否かの確認処理(ステップS232〜S238)を行うことなく、始動口ポインタをクリアして処理を終了する。
ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1でない場合(ビット6とビット7とのうちの一方のみが1である場合)には、CPU56は、始動口ポインタが「第2」を示しているか否か確認する(ステップS232)。始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力されている入力ポート0のビット6が1であるか否か確認する(ステップS233)。ステップS211,S212の処理で、入力ポート0のビット6が1であるときに始動口ポインタに「第2」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、入力ポート0のビット6が1であるはずである。入力ポート0のビット6が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であった判断し、ステップS239に移行する。
入力ポート0のビット6が1でない場合には、ステップS211における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS211の判定処理を実行し直すために、始動口ポインタをクリアし(ステップS237)、入力ポート0(図13参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードした後(ステップS238)、ステップS211に移行する。なお、ステップS214Bで第2保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第2保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS234)。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合すなわち「第1」を示している場合には、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力されている入力ポート0のビット7が1であるか否か確認する(ステップS235)。ステップS211,S213の処理で、入力ポート0のビット7が1であるときに始動口ポインタに「第1」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、入力ポート0のビット7が1であるはずである。入力ポート0のビット7が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であった判断し、ステップS239に移行する。
入力ポート0のビット7が1でない場合には、ステップS211における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS211の判定処理を実行し直すためにステップS237,S238の処理を実行し、ステップS211に移行する。なお、ステップS214Bで第1保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第1保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS236)。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、入力ポート0に入力された検出信号にもとづいて特定処理(いずれの始動口への入賞が生じたのかを特定する処理)を実行した後、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合していないときには、再度特定処理を実行するので、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定される。例えば、第1保留記憶数が上限値である4であるときに第1始動口13への入賞が生じた場合には、その入賞は有効な始動入賞とは見なされないが、その第1始動口13への入賞が誤って第2始動口14への入賞であると判定された場合には、第2保留記憶数の値が増やされる(第2保留記憶数が上限値である4でない場合)。つまり、有効な始動入賞とされるべきではないのに、有効な始動入賞とされてしまう。この実施の形態では、そのような状況が生ずる可能性が低減する。
ただし、再度特定処理を実行するように構成しなくてもよい。そのように構成する場合に、ステップS231〜S238の処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、プログラム容量が、再度特定処理を実行する場合に比べて削減される。なお、再度特定処理を実行しないように構成する場合には、図16におけるステップS231に移行する処理に代えてステップS239に移行するようにプログラムを構成する。
また、特定処理を際限なく繰り返し実行してしまう事態を防止するため、特定処理を所定回数(例えば2回)繰り返し実行した後には、ステップS231〜S238の処理を実行せずに、保留記憶特定情報記憶領域に記憶したデータや、保留記憶数バッファに格納した乱数値をクリアして、始動口スイッチ通過処理を終了するようにしてもよい。そのようにすれば、ノイズなどの影響によって特定処理を際限なく繰り返し実行してしまい、遊技機が動作しなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、ステップS231〜S238の処理を実行した後に、再度特定処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、ステップS238の処理を実行したら始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容は、以後にステップS214B,S216の処理が実行されるときに新たに抽出された乱数値で上書きされるが、ステップS238の処理を実行して始動口スイッチ通過処理を終了する場合に(この実施の形態のようにステップS238の処理を実行してステップS211に移行する場合も同様)、念のため、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容をクリアするようにしてもよい。
なお、再度ステップS211以降の処理が実行される場合に、再びステップS218,S219の処理が実行されと、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが二重に送信されることになる。そのような状況になることを避けるには、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定された時点で、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信するように構成すればよい。
また、この実施の形態では、ステップS311,S312の処理の実行後にステップS313のサブルーチンを実行するように構成したが、ステップS313のサブルーチンを実行するのではなく、ステップS311,S312の処理に続けて、ステップS312でN(すなわち、始動入賞あり)と判定したときにステップS211〜S239の処理を実行するように構成してもよい。
始動口スイッチ通過処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが始動口ポインタに設定される。そして、以降の処理では、始動口ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。例えば、ステップS214Bの処理を例にすると、具体的には、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとをRAM55において連続アドレスに形成しておき、ステップS214Bの処理の最初で第1保留記憶数カウンタのアドレスをレジスタに設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値(例えば、「第1」を示すデータが「0」で、「第2」を示すデータが「1」)を加算し、加算後のレジスタの値をRAM55のアドレスとして、そのアドレスのデータに1を加算する処理を行う。そのような処理によれば、加算処理の対象は、始動口ポインタに「第1」を示すデータが設定されているときには第1保留記憶数カウンタであり、始動口ポインタに「第2」を示すデータが設定されているときには第2保留記憶数カウンタである。つまり、一の加算処理で、自動的に、オン状態になった始動入賞口に対応する保留記憶数カウンタの値が+1される。換言すれば、双方の始動入賞口についての処理が共通化されている。
なお、ここでは、ステップS214Bの処理を例にしたが、ステップS216およびステップS218の処理についても処理を共通化できる。例えばレジスタに第1始動入賞口に対応するデータ(第1保留記憶数バッファのアドレスや第1始動入賞指定コマンドのコマンド送信テーブルのアドレス)を設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値をオフセットとして加算し、加算後のレジスタの値にもとづいてデータをセットする処理(ステップS216の場合)やコマンド送信テーブルのアドレスの指定(ステップS218の場合)を行うことによって、一の処理で、データをセットする処理やコマンド送信テーブルのアドレスの指定を行うことができる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図19は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図19に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS214Bで始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やし、ステップS215で合算保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS216の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする処理を実行する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを毎回加算して求めてもよい)にもとづいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの位置を更新することによって、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。
共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭を特定する場合、例えば、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、図19に示す例では、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域との2つのデータ格納領域が設けられている。そのため、合算保留記憶数を2倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、合算保留記憶数が3である場合には、図19に示すように、オフセット値+7(合算保留記憶数3を2倍して1を加えた値)に対応する保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。この場合、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットする。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り図柄決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新するようにすればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を共通保留記憶数バッファの1つ目の領域(図19に示す保留記憶1用の保留記憶特定情報保存領域)とする場合には、CPU56は、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。例えば、図19に示す例では、合算保留記憶数を2倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。そして、CPU56は、ポインタの位置を初期位置からオフセット値の分だけ移動した位置とすることによって、ポインタを更新するように制御してもよい。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り図柄決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにすればよい。
また、CPU56は、ステップS217の処理に代えて、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。具体的には、CPU56は、保留記憶特定情報保存領域にデータをセットした後に、アドレスを指定するポインタの位置を1つ更新して、更新後のポインタが指すアドレスの乱数値保存領域に乱数値を格納する。なお、CPU56は、格納する乱数値の種類の数分だけ同様の処理を行ってもよい。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図18(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。このような処理によって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞が発生した順序で、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行するように制御されることになる。
なお、CPU56は、保留特定領域(図18(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する処理を行う代わりに、第2保留記憶数の値(第2保留記憶数カウンタのカウント値)を確認し、第2保留記憶数が0であれば、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定し、第2保留記憶数が0でなければ(すなわち、第2保留記憶数カウンタの値が1〜4であれば)、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。このような処理によって、第2保留記憶数が0でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を、第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御することができる。なお、遊技状態が時短状態や確変状態のときにのみ(時短状態のときのみ、確変状態のときのみ、または時短状態または確変状態のときのみ)、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御してもよい。すなわち、遊技状態を確認し、遊技状態が通常遊技状態のときは、始動入賞が発生した順序で第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行し(上記のステップS52〜S54の処理を実行し)、遊技状態が時短状態や確変状態のときは、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御する。この場合、時短状態や確変状態のときは、可変入賞球装置15が高い頻度で開放し、第2始動入賞口14に数多くの遊技球が入賞する可能性が高いため、第2始動入賞口14への無効始動入賞(第2保留記憶数が4に達した後に発生する第2始動入賞の発生)の発生確率が高くなるが、時短状態や確変状態のときに第2特別図柄の変動表示を優先して実行することにより、第2始動入賞口14への無効始動入賞の発生を低減させることができる。
なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれの保留記憶数が多いかを判断し、保留記憶数が多い方に対応する特別図柄を優先して実行するようにしてもよい。例えば、ステップS52で第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いか否かを確認し、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多ければ、ステップS53に移行して第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにし、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多くなければ、ステップS54に移行して第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。なお、この場合、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であった場合には、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよいし、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。そのように構成すれば、第1保留記憶数と第2保留記憶数のうち多い方の保留記憶数に対応する特別図柄の変動表示を優先して実行することができる。また、保留記憶数が多い方の始動入賞口への入賞にもとづく変動を優先的に開始できるので、始動入賞口への無効始動入賞の発生を低減することができる。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(つまり、第1保留記憶数=1に対応する保存領域のアドレスを指定して各乱数値を読み出し、読み出した各乱数値を乱数格納バッファに格納する)。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(つまり、第2保留記憶数=1に対応する保存領域のアドレスを指定して各乱数値を読み出し、読み出した各乱数値を乱数格納バッファに格納する)。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(つまり、各保存領域の内容をシフトし、指定されているアドレスを初期値に戻して第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する)。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(つまり、各保存領域の内容をシフトし、指定されているアドレスを初期値に戻して第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する)。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納するとともに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)のm(m=2〜8)番目の領域に格納されているデータを、それぞれm−1番目の領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納するとともに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)のm(m=2〜8)番目の領域に格納されているデータを、それぞれm−1番目の領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
なお、図19に示すような共通保留記憶数バッファを用いる場合、ステップS52において、CPU52は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認することによって第2保留記憶数が0であるか否かを確認してもよいし、共通保留記憶数バッファの各保留記憶特定情報保存領域に「第2」を示すデータがセットされているか否かを確認することによって第2保留記憶数が0であるか否かを確認してもよい。そして、第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS53参照)。また、第2保留記憶数が0でなければ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54参照)。
次いで、例えば、特別図柄ポインタが「第1」を示しているときには、ステップS55において、CPU56は、共通保留記憶数バッファの「第1」を示すデータが格納されている最初の保留記憶特定情報保存領域を特定し、特定した保留記憶特定情報保存領域の次のアドレスに対応する乱数値保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納してもよい。また、例えば、特別図柄ポインタが「第2」を示しているときには、ステップS55において、CPU56は、共通保留記憶数バッファの「第2」を示すデータが格納されている最初の保留記憶特定情報保存領域を特定し、特定した保留記憶特定情報保存領域の次のアドレスに対応する乱数値保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納してもよい。そして、ステップS56において、特定した保留記憶特定情報保存領域およびその次のアドレスに対応する乱数値保存領域以降の保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の内容をシフトするようにしてもよい。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理も、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当りまたは確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図7(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図7(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしない場合には、小当りとすることに決定された場合には、小当りフラグをセットする(ステップS76,S77A)。また、特別図柄の停止図柄を小当り図柄(例えば9)に決定する(ステップS77B)。そして、ステップS80に移行する。小当りとしない場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS78)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS79)。この場合には、はずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する。そして、ステップS80に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄(例えば、9を除く奇数図柄のいずれか)を決定する(ステップS73)。この実施の形態では、決定された停止図柄が確変図柄(例えば、「7」または「3」)である場合には、確変大当りとすることに決定されたことになる。
CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS74,S75)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS80)。なお、確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、この実施の形態では、ステップS55〜S79に示すように、第1特別図柄の変動表示を行なう場合と第2特別図柄の変動表示を行なう場合とで、各乱数値の読み出し処理や各カウンタの更新処理(ステップS55〜S57参照)、大当りや小当りの判定処理(ステップS61〜S79参照)を共通化する場合を示したが、別々の処理として構成するようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS53で特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すると、ステップS55〜S79の処理を実行する。また、CPU56は、ステップS54で特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すると、別処理としてステップS55〜S79と同様の処理を実行する。なお、乱数値の読み出し処理や各カウンタの更新処理、大当りや小当りの判定処理を別処理として構成する場合に、一部の処理のみを共通のサブルーチンとして構成するようにしてもよい。例えば、ステップS61〜S79の大当りや小当りの判定処理のみを共通のサブルーチンとして構成し、ステップS53で特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すると、ステップS55〜S79の処理を実行した後に、大当りや小当りの判定を行うサブルーチンを呼び出すようにしてもよい。また、ステップS54で特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すると、別処理としてステップS55〜S79と同様の処理を実行した後に、大当りや小当りの判定を行うサブルーチンを呼び出すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するが、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしてもよい。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90)。セットされていれば、ステップS100に移行する。セットされていなければ、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。セットされていれば、ステップS100に移行する。セットされていなければ(すなわち、はずれであれば)、CPU56は、変動表示中にリーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ決定用乱数を乱数バッファ領域から読み出す(ステップS92)とともに、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93A)。
確変フラグがセットされていれば(すなわち、確変状態(確変状態であるとともに時短状態である場合も含む)であれば)、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS93B)。合算保留記憶数カウンタの値が1以上であれば、CPU56は、リーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ判定用テーブルとして、第1確変時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS93C)。合算保留記憶数カウンタの値が1以上でなければ、CPU56は、第2確変時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS93D)。
図24は、大当りおよび小当りとしないことに決定した場合(すなわち、はずれと決定した場合)に変動表示中にリーチ演出を実行するか否かを決定するためリーチ判定用テーブルの例を示す説明図である。この実施の形態では、確変状態、時短状態または通常状態の3つの遊技状態のいずれかに制御される。図24に示すように、遊技状態が確変状態(確変状態であるとともに時短状態である場合も含む)である場合には、第1確変時リーチ判定用テーブルまたは第2確変時リーチ判定用テーブルが用いられる。また、遊技状態が時短状態である場合には、第1時短時リーチ判定用テーブルまたは第2時短時リーチ判定用テーブルが用いられる。また、遊技状態が通常状態である場合には、第1通常時リーチ判定用テーブル、第2通常時リーチ判定用テーブルまたは第3通常時リーチ判定用テーブルが用いられる。
なお、ステップS93Bにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の1つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(あるいは、「第1」または「第2」を示すデータに対応するデータ、例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS93Cに移行し、セットされていなければステップS93Dに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS93Bにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを合計値を算出し、算出した合計値が1以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
ステップS93Aで確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93E)。時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態であれば)、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が3以上であるか否かを確認する(ステップS93F)。合算保留記憶数カウンタの値が3以上であれば、CPU56は、第1時短時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS93G)。合算保留記憶数カウンタの値が3以上でなければ、CPU56は、第2時短時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS93H)。
なお、ステップS93Fにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の3つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(あるいは、「第1」または「第2」を示すデータに対応するデータ、例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS93Gに移行し、セットされていなければステップS93Hに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS93Fにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを合計値を算出し、算出した合計値が3以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
ステップS93Eで時短フラグもセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が6以上であるか否かを確認する(ステップS93I)。合算保留記憶数カウンタの値が6以上であれば、CPU56は、第1通常時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS93J)。合算保留記憶数カウンタの値が6以上でなければ、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が2以上であるか否かを確認する(ステップS93K)。合算保留記憶数カウンタの値が2以上であれば、第2通常時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS93L)。合算保留記憶数カウンタの値が2以上でなければ、第3通常時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS93M)。
なお、ステップS93Iにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の6つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(あるいは、「第1」または「第2」を示すデータに対応するデータ、例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS93Jに移行し、セットされていなければステップS93Kに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS93Iにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを合計値を算出し、算出した合計値が6以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
なお、ステップS93Kにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の2つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(あるいは、「第1」または「第2」を示すデータに対応するデータ、例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS93Lに移行し、セットされていなければステップS93Mに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS93Kにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを合計値を算出し、算出した合計値が2以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、リーチ決定用乱数および選択したリーチ判定用テーブルにもとづいて、変動表示中にリーチ演出を実行するか否かを決定する(ステップS93N)。
図25は、大当りおよび小当りとしないことに決定した場合のリーチ発生確率を示す説明図である。この実施の形態では、図24に示すリーチ判定用テーブルを用いて、図25に示す確率でリーチ演出を実行するか否かが決定される。図25に示すように、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が6個以上であれば6パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、2個以上6個未満であれば10パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、2個未満であれば22パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定される。また、遊技状態が時短状態である場合には、合算保留記憶数が3個以上であれば8パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、3個未満であれば7パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定される。また、遊技状態が確変状態である場合には、合算保留記憶数が1個以上であれば4パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、1個未満(すなわち保留なし)であれば22パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定される。
この実施の形態では、図25に示すように、遊技状態が通常状態や確変状態である場合に、合算保留記憶数(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)が多いときには、変動表示中にリーチ演出を実行する頻度を低減している。そのため、変動表示の稼働率を向上させることができるとともに、遊技制御手段(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560)の処理負担を軽減している。なお、遊技状態が時短状態である場合にも、合算保留記憶数が多いときにリーチ演出を実行する頻度を低減するようにしてもよい。また、遊技状態に応じて、合算保留記憶数が多いときにリーチ演出を実行する頻度を増加させるようにしてもよい。そのようにすれば、変動表示による演出を長引かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、遊技状態に応じて、合算保留記憶数にかかわらず、リーチ演出を実行する確率が一定の確率となるようにしてもよい。
CPU56は、リーチ演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS93OのN)、ステップS100に移行する。リーチ演出を実行することに決定した場合には(ステップS93OのY)、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS93P)とともに、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93Q)。時短フラグがセットされていれば、ステップS93Sに移行する。時短フラグがセットされていなければ、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(例えば、3以上)以上であるか否かを確認する(ステップS93R)。時短フラグがセットされている場合または合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上である場合には、変動パターン決定用乱数にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方のリーチ短縮変動パターンテーブル(第1リーチ時短変動パターンテーブルまたは第2リーチ時短変動パターンテーブル;図8参照)から変動パターンを選択する(ステップS93S)。リーチ短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#13〜#15を示すデータが判定値に対応して設定されている。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上でなければ、CPU56は、変動パターン決定用乱数にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方のリーチ変動パターンテーブル(第1リーチ変動パターンテーブルまたは第2リーチ変動パターンテーブル;図8参照)から変動パターンを選択する(ステップS93T)。リーチ変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#9〜#12を示すデータが判定値に対応して設定されている。そして、ステップS104に移行する。
なお、ステップS93Rにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の3つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(あるいは、「第1」または「第2」を示すデータに対応するデータ、例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS93Sに移行し、セットされていなければステップS93Tに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS93Rにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを合計値を算出し、算出した合計値が3以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
ステップS90で大当りフラグがセットされていた場合、ステッS91で小当りフラグがセットされていた場合、またはリーチ演出を実行しないことに決定した場合(ステップS93OのN)には、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS100)。そして、変動パターンを決定する。そのときに、時短フラグがセットされていれば(ステップS100A)、特別図柄ポインタが示す方の短縮変動パターンテーブル(第1短縮変動パターンテーブルまたは第2短縮変動パターンテーブル;図8参照)から変動パターンを選択する(ステップS102)。また、時短フラグがセットされていなくても、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(例えば、3以上)であれば(ステップS101)、特別図柄ポインタが示す方の短縮変動パターンテーブル(図8参照)から変動パターンを選択する(ステップS102)。短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#5〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#6〜#8のいずれかを選択する。また、大当りフラグがセットされていない場合には、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#5を選択する。
この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認し、3以上である場合に短縮変動の変動パターンを選択することによって、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれか一方の短縮変動が行われ、他方の特別図柄の短縮変動が行われない事態が発生することを防止している。例えば、各特別図柄個別の保留記憶数にもとづいて短縮変動を行う場合を考える。この場合、例えば、第1保留記憶数が3以上である場合に第1特別図柄の短縮変動を行い、第2保留記憶数が3以上である場合に第2特別図柄の短縮変動を行うこととすると、第1保留記憶数が4であり第2保留記憶数が2である場合には、第2特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、第1特別図柄の変動表示の順に実行(第2特別図柄の変動表示を優先実行)すると、通常変動の変動表示、通常変動の変動表示、短縮変動の変動表示の順に実行することになり、通常変動の変動表示と短縮変動の変動表示を混在して実行する事態が生じてしまう。また、始動入賞の入賞順に変動表示を実行する場合であっても、例えば、入賞順に第2特別図柄の変動表示、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示を実行するとすると、通常変動の変動表示、短縮変動の変動表示、通常変動の変動表示の順に実行することになり、通常変動の変動表示と短縮変動の変動表示とを交互に実行する事態が生じてしまう。そのため、第2特別図柄について短縮変動が行われるものの第1特別図柄について短縮変動が行われない事態が生じてしまい、遊技者に対して違和感を与えてしまう。この実施の形態では、合算保留記憶数にもとづいて第1特別図柄および第2特別図柄で共通に短縮変動をかけることができるので、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれか一方の短縮変動が行われ、他方の特別図柄の短縮変動が行われない事態が発生することを防止している。したがって、遊技者に対して違和感を与えることなく、遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、ステップS93R,S101の判断において、例えば3以上か否か判断しているが、ステップS57の処理で既に合算保留記憶数カウンタの値が−1されているので、変動開始前の合算保留記憶数カウンタの値が4以上か否か判断していることと同じ意味である。ここで、この実施の形態では、変動開始前の合算保留記憶数カウンタの値が4(第1保留記憶数および第2保留記憶数の上限数はそれぞれ4である場合。つまり合算保留記憶数カウンタの上限値が8である場合。)以上であるときに開始される可変表示について短縮変動パターンテーブルを使用する。変動開始前の合算保留記憶数カウンタの値が4(上限値は8である場合)以上であるときに短縮変動パターンテーブルを使用したい理由は以下のようである。つまり、変動開始前の第1保留記憶数が4(上限数)である場合に第1特別図柄の変動時間を短縮し、かつ、変動開始前の第2保留記憶数が4(上限数)である場合に第2特別図柄の変動時間を短縮するようにした場合に、例えば、第1保留記憶数が2であり、第2保留記憶数が3であるときには、変動時間は短縮されない。しかし、合算保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数は5になっている。そのときに、変動時間は短縮されないので、不審感を抱く遊技者が出る可能性がある。そこで、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が3以上であるときに開始される特別図柄の変動については、変動時間を短縮する。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば(ステップS101)、特別図柄ポインタが示す方の通常変動パターンテーブル(第1通常変動パターンテーブルまたは第2通常変動パターンテーブル;図8参照)から変動パターンを選択する(ステップS103)。通常変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#1〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、通常変動パターンテーブルから変動パターン#2〜#4のいずれかを選択する。また、大当りフラグがセットされていない場合には、通常変動パターンテーブルから変動パターン#1を選択する。なお、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときのいずれの場合も、同じ変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択するようにしてもよい。
なお、ステップS93S,S93T,S102,S103の処理では、CPU56は、ステップS93P,S100で抽出した変動パターン決定用乱数にもとづいて、各変動パターンテーブルから変動パターンを選択する。
なお、ステップS101において、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の3つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(あるいは、「第1」または「第2」を示すデータに対応するデータ、例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS102に移行し、セットされていなければステップS103に移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS101において、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを合計値を算出し、算出した合計値が3以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS102またはS103で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図11参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。なお、ステップS100〜S103の処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。
また、特別図柄の変動を示す図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS105)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する。なお、ステップS53,S54の処理の実行後に、図柄変動指定コマンド送信テーブルをセットする処理を実行するようにしてもよい。その場合、ステップS105において、特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であるか第2特別図柄の変動であるかを判定する必要がないので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の判定処理の負担が軽減され、かつプログラム数を削減することができる。
なお、ステップS105の処理を実行した後にステップS104の処理を実行するようにしてもよい。つまり、図柄変動指定コマンドを送信する制御を実行した後に、変動パターンコマンドを送信する制御を実行するようにしてもよい。
そして、特別図柄ポインタの設定に応じて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始する(ステップS106)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS33の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみにもとづいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS106において、CPU56は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図8参照)に応じた値を設定する(ステップS107)。なお、第1特別図柄の変動が実行される場合も、第2特別図柄の変動が実行される場合も、変動時間が設定される領域(変動時間タイマ)は共通である。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS108)。なお、ステップS104の処理の前にステップS105の処理が実行されるように構成してもよい。すなわち、変動パターンコマンドを送信する前に、図柄変動指定コマンド(特別図柄特定コマンド)を送信するようにしてもよい(図12(B)参照)。
この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。よって、ROM54において特別図柄プロセス処理のプログラムを格納する領域も節減されている。また、例えば、ステップS107で設定される変動時間タイマ(RAM55に形成されている)は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されるので、RAM55の容量節減にもつながる。
なお、この実施の形態では、はずれと決定した場合であってリーチ演出を実行すると決定した場合にも短縮変動の変動パターンを選択する場合を示したが、リーチ演出を実行すると決定した場合には短縮変動を行わないようにしてもよい。例えば、CPU56は、ステップS93N,S93Oでリーチ演出を実行すると決定した場合には、そのままステップS93Tに移行し、リーチ変動パターンテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数が所定値以上であるか否かのみにもとづいて短縮変動の変動パターンを選択する場合を示すが、合算保留記憶数(または第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)とゲート通過記憶数(ゲート32を通過した入賞球数)とにもとづいて、特別図柄の変動時間(飾り図柄および演出図柄の変動時間も同じ)を選択するようにしてもよい。
合算保留記憶数とゲート通過記憶数とにもとづいて特別図柄の変動時間を決定する場合、例えば、普通図柄の保留記憶数(ゲート通過記憶数)が0個の場合に、特別図柄の合算保留記憶数が0〜4個のときは特別図柄の変動時間の種類を「長」とし、特別図柄の合算保留記憶数が5〜8個のときは特別図柄の変動時間の種類を「中」としてもよい。また、普通図柄の保留記憶数が1個の場合に、特別図柄の合算保留記憶数が0〜4個のときは特別図柄の変動時間の種類を「長」とし、特別図柄の合算保留記憶数が5,6個のときは特別図柄の変動時間の種類を「中」とし、特別図柄の合算保留記憶数が7,8個のときは特別図柄の変動時間の種類を「短」としてもよい。また、普通図柄の保留記憶数が2個の場合に、特別図柄の合算保留記憶数が0〜3個のときは特別図柄の変動時間の種類を「中」とし、特別図柄の合算保留記憶数が4〜8個のときは特別図柄の変動時間の種類を「短」としてもよい。また、普通図柄の保留記憶数が3,4個の場合には、特別図柄の合算保留記憶数が0〜8個のいずれのときでも特別図柄の変動時間の種類を「短」としてもよい。
ここで、例えば、変動時間「長」を、各変動パターン1〜15の基本の変動時間とし、変動時間「中」を、各変動パターン1〜15の基本の変動時間から一律2000ms短縮された変動時間とし、変動時間「短」を、各変動パターン1〜12の基本の変動時間から一律4000ms短縮された変動時間としてもよい。なお、各変動パターンにおける変動時間を短縮するのではなく、あらかじめ「長」、「中」、「短」にそれぞれ対応した3種類の変動パターンを用意していてもよい。そして、普通図柄の保留記憶数および特別図柄の合算保留記憶数にもとづいて、「長」、「中」、「短」いずれかに対応した変動パターンを選択するようにしてもよい。
上記のように構成すれば、特別図柄の合算保留記憶数(または第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)と普通図柄の保留記憶数(ゲート通過記憶数)のいずれかが多いとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が5個から8個のとき、普通図柄の保留記憶数が2個から4個のとき)は、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれも少ないとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が0個から4個で、普通図柄の保留記憶数が0個または1個のとき)よりも、特別図柄の変動時間を短くすることができる。逆に言えば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれも少ないとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が0個から4個で、普通図柄の保留記憶数が0個または1個のとき)は、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれかが多いとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が5個から8個のとき、普通図柄の保留記憶数が2個から4個のとき)よりも、特別図柄の変動時間を長くすることができる。
すなわち、上記のように構成すれば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数が多くなればなるほど特別図柄の変動時間が短くなり、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数が少なくなればなるほど特別図柄の変動時間が長くなるように、特別図柄の変動時間の種類を設定することができる。
また、合算保留記憶数(または第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)とゲート通過記憶数とにもとづいて、普通図柄の変動時間も選択するようにしてもよい。
合算保留記憶数とゲート通過記憶数とにもとづいて普通図柄の変動時間を決定する場合、例えば、特別図柄の合算保留記憶数が0個から2個の場合に、普通図柄の保留記憶数(ゲート通過記憶数)が0,1個のときは普通図柄の変動時間の種類を「短」とし、普通図柄の保留記憶数が2個のときは普通図柄の変動時間の種類を「中」とし、普通図柄の保留記憶数が3個のときは普通図柄の変動時間の種類を「長」としてもよい。また、特別図柄の合算保留記憶数が3個から5個の場合に、普通図柄の保留記憶数が0,1個のときは普通図柄の変動時間の種類を「中」とし、普通図柄の保留記憶数が2,3個のときは特別図柄の変動時間の種類を「長」としてもよい。また、特別図柄の合算保留記憶数が6個から8個の場合には、普通図柄の保留記憶数が0〜3個のいずれのときでも普通図柄の変動時間の種類を「長」としてもよい。この場合、例えば、変動時間「長」を20秒とし、変動時間「中」を10秒とし、変動時間「短」を1秒としてもよい。
上記のように構成すれば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数(ゲート通過記憶数)のいずれかが多いとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が4個から8個のとき、普通図柄の保留記憶数が2個または3個のとき)は、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれも少ないとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が0個から3個で、普通図柄の保留記憶数が0個または1個のとき)よりも、普通図柄の変動時間を長くすることができる。逆に言えば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれも少ないとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が0個から3個で、普通図柄の保留記憶数が0個または1個のとき)は、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれかが多いとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が4個から8個のとき、普通図柄の保留記憶数が2個または3個のとき)よりも、普通図柄の変動時間を短くすることができる。
すなわち、上記のように構成すれば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数が多くなればなるほど普通図柄の変動時間が長くなり、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数が少なくなればなるほど普通図柄の変動時間が短くなるように、普通図柄の変動時間の種類を設定することができる。
なお、特別図柄の合算保留記憶数のみにもとづいて、普通図柄の変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、特別図柄の合算保留記憶数が多いとき(例えば4以上であるとき)には普通図柄の変動時間を長くするようにし、特別図柄の合算保留記憶数が少ないときには普通図柄の変動時間を短くするようにしてもよい。そのようにすれば、無効な始動入賞にもとづいて賞球が大量に払い出されてしまい、払い出しのベースが異常に高くなってしまう事態を防止することができる。
図26は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(または小当りであるか)に応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図11参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS114)、小当りフラグもセットされていなければ、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。また、小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114,S115)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112,S113)。また、確変大当りフラグがセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116)。次いで、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS117)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS118)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。
なお、図柄確定指定コマンドは第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの停止を指定する場合にも用いる共通のコマンドとされているが、第1特別図柄の停止(確定)を指定する第1図柄確定指定コマンドと第2特別図柄の停止(確定)を指定する第2図柄確定指定コマンドを設けてもよい。この場合、例えば、ステップS122のYのときに、特別図柄ポインタが「第1」を示すか「第2」を示すかを特定し、対応する図柄確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS132の処理において、特別図柄ポインタが「第1」を示すか「第2」を示すかを特定し、対応する図柄確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133A)。セットされていれば、大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS133C)。
小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133D)。セットされていれば、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
大当りフラグもセットされていない場合には(ステップS133DのN)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS139A)。セットされていれば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動表示の回数をカウントするための時短回数カウンタを1減算し(ステップS139B)、減算後の時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS139C)。時短回数カウンタの値が0であれば、時短フラグをリセットする(ステップS139D)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS140)。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、図29に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。例えば、遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでに最長1.0秒かかるとすると、カウントスイッチ検出時間は1.0秒よりも長い時間である。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS158)。
確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS159)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS161)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットし(ステップS161A)、時短回数カウンタに所定値(例えば100)をセットする(ステップS161B)。すなわち、この実施の形態では、大当り遊技状態を終了後に、所定回数(例えば100回)の変動表示が終了するまで、遊技状態が時短状態(確変状態であるとともに時短状態である場合を含む)に制御される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS162)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、最終ラウンドでない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図30は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットする(ステップS171)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、図30に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS176)。
図31は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図4におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である状態は、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば、異常入賞報知処理を終了する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態)、CPU56は、入力ポート0のビット0(カウンタスイッチ23からの検出信号の入力ビット)の値が0から1に変化したか否か確認する(ステップS586)。CPU56は、入力ポート0のビット7またはビット6が0から1に変化した場合(すなわち、カウンタスイッチ23がオンした場合)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS586,S587)。なお、図29および図30に示された大当り終了処理および小当り終了処理において、カウントスイッチ検出時間(遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでの時間)が経過してから特別図柄プロセスフラグの値が0に戻される。よって、遊技球が大入賞口に入賞したがカウントスイッチ23で検出されないうちにステップS586,S587の処理が実行されることはない。すなわち、正常にカウントスイッチ23が遊技球を検出したにも関わらず異常入賞報知指定コマンドが送信されてしまうということはない。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウンタスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞を検出して報知する制御が行われるが、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15への異常入賞を検出して報知する制御も行う(可変入賞球装置15が開放している場合にのみ第2始動入賞口14に入賞可能に構成されている場合)ようにしてもよい。その場合、可変入賞球装置15の制御状態は普通図柄プロセスフラグの値によって判定できるので、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が可変入賞球装置15が開放している状態を示していないときに第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態になったことを検出したときにも、異常入賞報知指定コマンドを送信する。その異常入賞報知指定コマンドは、大入賞口への異常入賞が検出されたときに送信される異常入賞報知指定コマンドと区別可能であることが好ましい。
例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、CPU56は、異常入賞報知処理において、普通図柄プロセスフラグが普通電動役物作動処理に対応した値(例えば3)であるか否かを確認し、普通図柄プロセスフラグが普通電動役物作動処理に対応した値以外であるときに、第2始動口スイッチ14aからの検出信号がオン状態となったことを検出したことにもとづいて、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図32は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、共通の飾り図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した図柄変動指定コマンドにもとづいて第1飾り図柄または第2飾り図柄いずれの変動であるかを特定し、特定した飾り図柄に対応する飾り図柄表示器9a,9bに表示信号を出力するように制御する。
図33は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11参照)であるのか解析する。
図34〜図36は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜3指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。なお、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信することなく、同じ合算保留記憶数指定コマンドを2回受信した場合には、1回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドを破棄し(例えば、合算保留記憶数保存領域を一旦クリアし)、2回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータを合算保留記憶数保存領域に格納するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS659)。そして、ステップS611に移行する。
なお、図16のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するように構成されている場合は、ステップS651において、その保留記憶数指定コマンドを所定の保存領域(保留記憶数保存領域)に格納する処理が行われる。
また、図16のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理を行わないように構成された場合には、ステップS645のNの場合にステップS653の処理に移行する。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)の内容にもとづいて第1始動入賞が発生したか第2始動入賞が発生したかを認識し(ステップS653、S655)、第1始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新(現在の合算保留記憶数を示す値に対応するデータに更新)するとともに、第1始動入賞カウンタの値を+1する。また、第2始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新するとともに、第2始動入賞カウンタの値を+1する。このような構成によれば、合算保留記憶数指定コマンドの送信が不要となり、コマンド数を削減することができるとともに、CPU56および演出制御用CPU101の処理負担を軽減することが可能となる。
図37は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図37に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図37(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図37(B)参照)。
図38は、演出図柄の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御装置9の演出図柄表示領域91は、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に対応して、演出図柄を可変表示可能な複数の可変表示部を含む。図38(A)に示すように、この実施の形態において、演出表示装置9の演出図柄表示領域91は、略正方形に構成されており、演出図柄を可変表示可能な略正方形の9つの可変表示領域(可変表示部)91A〜91Iを含む。また、演出図柄表示領域91は、略正方形の一方の対角線の方向が上下方向となり、他の一方の対角線の方向が左右方向となる向きに配置されている。また、図38(A)に示すように、各可変表示91A〜91Iにおいて、それぞれ個別に演出図柄の変動表示が行われる。
また、この実施の形態では、演出図柄表示領域91において、右上から左下方向の上段、中段もしくは下段、または左上から右下方向の上段、中段もしくは下段のいずれかのラインにおいて、左右の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)、リーチ態様となる。例えば、図38(B)に示すように、右上から左下方向の中段のラインにおいて、左右の可変表示領域91D,91Fの演出図柄が同じ図柄(例えば7)で揃った状態で停止表示した場合、リーチ態様となる。また、例えば、図38(C)に示すように、左上から右下方向の上段のラインにおいて、左右の可変表示領域91I,91Cの演出図柄が同じ図柄(例えば7)で揃った状態で停止表示した場合、リーチ態様となる。
また、この実施の形態では、演出図柄表示領域91において、略正方形の左右の対角線方向のラインにおいて左右の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)、略正方形の上下の対角線方向のラインにおいて上下の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)にも、リーチ態様となる。例えば、図38(D)に示すように、略正方形の左右の対角線方向のラインにおいて、左右の可変表示領域91G,91Cの演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合、リーチ態様となる。また、同様に、略正方形の上下の対角線方向のラインにおいて、上下の可変表示領域91I,91Aの演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合、リーチ態様となる。
図39は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図39(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。なお、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様で(例えば、同じ形および同じ色で)表示するようにしてもよい。
図39(C)には、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図39(C)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示される。図39(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図39(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示部18cに表示される。
図39(C)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、星印)を、合算保留記憶表示部18cに表示させる。よって、合算保留記憶表示部18cの表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の形状を変えることに限られない。例えば、形状を変えずに色を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図39(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。従って、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
なお、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状(例えば、星印)を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のうち、あらかじめ定めたいずれか一方の色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、合算保留記憶表示部18cに常に赤色の丸印を表示してもよいし、常に緑色の丸印を表示してもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかをランダムに決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、乱数を用いた抽選処理により赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定して、合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、第1保留記憶数が上限値(4)である場合には、第2始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。逆に、例えば、第2保留記憶数が上限値(4)である場合には、第1始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。また、第1保留記憶数や第2保留記憶数が上限値でなくても、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、少ない方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数(例えば2)が第2保留記憶数(例えば3)より少なければ、赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。また、逆に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、多い方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、合算保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、合算保留記憶数が多いということは、可変入賞球装置15が開状態となり第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、合算保留記憶数が所定値(例えば4)以上であるか否かを判断し、所定値以上であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにし、所定値未満であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、遊技状態にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、遊技状態が高ベース状態になっているということは、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められ第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断し、高ベース状態であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにし、低ベース状態であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
図40は、図32に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図41は、図40に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図42は、図40に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータにもとづいて、受信した変動パターンコマンドが、変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8,#9〜#15(リーチ演出を伴う変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(ステップS1821)。変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8,#9〜#15のいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出する(ステップS1822A)とともに、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(例えば5以上)であるか否かを確認する(ステップS1822B)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であれば、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するか否かを決定するための予告決定用テーブルとして、第1予告決定用テーブル(図43(A)参照)を選択する(ステップS1822C)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上でなければ、演出制御用CPU101は、第2予告決定用テーブル(図43(B)参照)を選択する(ステップS1822D)。
次いで、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数および選択した予告決定用テーブルにもとづいて、予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS1823)。
図44は、予告演出の発生確率を示す説明図である。この実施の形態では、図43に示す予告決定用テーブルを用いて、図44に示す確率で予告演出を実行するか否かが決定される。図44に示すように、この実施の形態では、合算保留記憶数が所定値(例えば5)以上であれば5パーセントの確率で予告演出を実行すると決定され、所定値以上でなければ22パーセントの確率で予告演出を実行すると決定される。したがって、この実施の形態では、図44に示すように、合算保留記憶数(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)が多いときには、予告演出を実行する頻度を低減している。そのように構成することによって、合算保留記憶数が多いために短縮変動が行われる場合に、変動時間が短いために演出時間の余裕がないのに予告演出を実行してしまい、演出が複雑化する事態を防止することができる。また、演出が複雑化することを防止することによって、遊技者が視覚的に疲れを感じてしまい興趣が減退してしまうような事態を防止することができる。
予告演出を行うことに決定した場合には、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1824,S1825)。第1図柄変動要求フラグは、第1図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされるフラグである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始するときに第1図柄変動指定コマンドを送信する。また、第2特別図柄の変動を開始するときに第2図柄変動指定コマンドを送信する。
演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに決定する(ステップS1826)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(すなわち、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合)には、予告演出Cまたは予告演出Dを実行することに決定する(ステップS1827)。なお、第1図柄変動要求フラグがセットされているときと、第2図柄変動要求フラグがセットされているときとで、同じ予告演出を実行するようにしてもよい。
予告演出A、予告演出B、予告演出Cおよび予告演出Dの演出態様はそれぞれ異なる。例えば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において演出表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたりする。演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、予告演出の態様を異ならせる。つまり、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することになる。第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで予告演出態様が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS1828)。
上述した予告選択処理では、リーチを伴う変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信したときに、合算保留記憶数カウンタの値に応じて予告演出の実行確率や選択される予告演出の種類の選択割合を異ならせていたが、受信した変動パターンコマンドが大当り用の変動パターンコマンドか否かによって、予告演出の実行確率や選択される予告演出の種類の選択割合を異ならせるようにしてもよい。この場合、ステップS1821の判定は不要となり、ステップS1822Bの処理に代えて、大当り用の変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する。
図45および図46は、図40に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。次いで、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS821)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS822)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS823)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS825)。その後、ステップS828に移行する。
第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているはずである。そこで、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS825)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS826A)とともに、第2保留記憶数を1減算することを示す第2保留記憶数減算フラグをセットする(ステップS826B)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS827)。その後、ステップS828に移行する。
ステップS828では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す。また、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS829)。なお、演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図47は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図47に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として1ライン上の3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として1ライン上の3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが小当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての1ライン上の3図柄として「135」(小当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、1ライン上の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、演出表示装置9に導出表示される1ライン上の3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
また、1ライン上とは、左上から右下に向かう斜めライン(ライン上には計3つの演出図柄がある。)、右上から左下に向かう斜めライン、縦のライン、または横のラインである。以下、1ライン上の3図柄を左中右図柄または上中下図柄という。例えば、大当りの場合には、少なくとも1つのラインにおいて、左中右図柄または上中下図柄が揃って停止表示される。小当りの場合には、少なくとも1つのラインにおいて、「135」が停止表示される。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン(予告演出を実行する場合は予告演出の種類)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図48は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図48に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS835Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、演出図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS837)。
図49は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図50は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(ステップS854)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄および演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄および演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図51は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜3指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図52は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、小当りである場合には、大当り終了指定コマンドを受信しないので、演出制御用CPU101は、ステップS881,S882を実行することなく、そのまま大当り終了演出タイマに小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883参照)、演出表示装置9に、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884参照)。そして、小当り終了表示の演出期間が経過したことにもとづいて、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新されることになる(ステップS892参照)。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が演出表示装置9に表示される。例えば、確変大当りのときと通常大当りのときとで大当り終了画面は同じである。なお、大当り終了表示を大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。例えば、確変大当りのときと通常大当りのときとで、異なる大当り終了画面を表示するようにしてもよい。また、大当り終了表示と小当り終了表示とを異ならせてもよい。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合であって、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(ステップS886,S889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(ステップS889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
確変状態フラグは、例えば、演出制御用CPU101が、確変状態を、演出表示装置9における背景や装飾発光体(ランプ・LED)によって報知する場合に使用される。
図53は、図32に示された演出制御メイン処理におけるステップS706の第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS781)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、ステップS785に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS782)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS783)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(ステップS784)。
ステップS785では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(ステップS786)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(ステップS791)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(ステップS792)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(ステップS787)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(ステップS788)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(ステップS789)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(ステップS790)。なお、ステップS824,S827では、飾り図柄切替タイマに0.5秒に相当する値を再設定する処理を実行しなくてもよい。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
なお、第1飾り図柄表示制御処理(ステップS706)と第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)を共通の処理としてもよい。この場合、第1飾り図柄変動中フラグ等のフラグをリセットする処理(ステップS781〜S784,S786)については、第1飾り図柄用の処理と第2飾り図柄用の処理とを別々に設ける必要があるが、ステップS785,S787〜S792の処理は共通にすることが可能である。例えば、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか、第2飾り図柄変動中フラグがセットされているかによって、対応するLED(第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9b)に表示制御信号を出力する制御を実行する。
図54は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図54(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図54(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図54(C)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図54(C)の右側参照)。
図55は、ステップS709の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS971)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図35におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS976に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS972)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS973,S974)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS975)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS976では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS977)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS978)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図54(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS979)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS980)。
図56は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図56(A)には、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図56(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図56(C)には、演出表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期化報知が実行されている期間であるか否かに関わらず、異常入賞が生じたことを検出したら異常入賞報知指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化報知が実行されている期間では異常入賞報知指定コマンドを受信しても異常報知の処理を行わずに初期化報知を継続することによって、初期化報知を異常報知よりも優先させるようにしてもよい。その場合、初期化報知が実行されている期間中に異常入賞報知指定コマンドを受信したら、初期化報知が実行されている期間が終了したときに異常報知を行うようにしてもよい。
図57〜図59は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理(ステップS708)を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(ステップS901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、ステップS941に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時(電力供給が停止した後に再開されたときも含む)には、ステップS701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。従って、ステップS43にて電力供給復帰時に送信される合算保留記憶数指定コマンドの受信にもとづき合算保留記憶数保存領域のデータが更新されると(ステップS652参照)、ステップS901において、合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きいと判断されることになる。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(ステップS902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(ステップS903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印を、合算保留記憶表示部18cに表示させる(ステップS904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の星印の画像を表示させる(図39(C)参照)。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域のデータを、不明始動入賞記憶数カウンタに設定する(ステップS905)。不明始動入賞記憶数カウンタは、RAMに形成されたカウンタであり、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶の数を計数するためのカウンタである。以下、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶を不明保留記憶という。
さらに、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータを「不明」を示すデータにする(ステップS906)。合算保留記憶テーブルは、RAMに形成されたテーブルであり、各保留記憶が、第1始動入賞に応じた保留記憶であるのか、第2始動入賞に応じた保留記憶であるのか、不明であるのかを示すデータが設定されるテーブルである。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(ステップS907)。
停電復旧フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS909)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS910)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(ステップS911)。また、第1始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS912)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第1」を示すデータにする(ステップS913)。例えば、合算保留記憶数保存領域のデータが「5」であれば、合算保留記憶テーブルにおける5番目のデータを「第1」を示すデータにする。つまり、増えた保留記憶に対応したデータを「第1」を示すデータにする。
そして、第1始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS914)。「4」になっていなければ、ステップS907に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS915)。不明始動入賞カウンタの値が0であれば、ステップS907に移行する。この段階で不明始動入賞カウンタの値が0でないということは、不明始動入賞カウンタの値が示す数の不明保留記憶が、実は、第2始動入賞にもとづく保留記憶であったことを意味する。なぜなら、第1保留記憶数の上限数は4であり、第1始動入賞カウンタの値が4であるということは、他の保留記憶(4を越える数の保留記憶)は、第1始動入賞にもとづく保留記憶ではないからである。つまり、他の保留記憶は、第2始動入賞にもとづく保留記憶である。
そこで、不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第2始動入賞に応じた緑色の丸印に変更させる(ステップS916)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第2」を示すデータに変更する(ステップS917)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS918)、第2始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS919)。ステップS919では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第2始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS907に移行する。
このような制御を行うことによって、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じて不明保留記憶が生じ、合算保留記憶表示部18cに不明保留記憶に応じた表示がなされている場合に、その表示を正常な表示に戻すことができる。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合には、第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS921)。第2始動入賞フラグがセットされていない場合には、ステップS931に移行する。第2始動入賞フラグがセットされている場合には、第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS922)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(ステップS923)。また、第2始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS924)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第2」を示すデータにする(ステップS925)。
そして、第2始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS926)。「4」になっていなければ、ステップS935に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS927)。不明始動入賞カウンタの値が0である場合には、ステップS935に移行する。不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第1始動入賞に応じた赤色の丸印に変更させる(ステップS928)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第1」を示すデータに変更する(ステップS929)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS930)、第1始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS934)。ステップS934では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第1始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS935に移行する。
ステップS935では、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする。
ステップS931では、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、増やした表示を青色で表示するように制御する。また、不明始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS932)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「不明」を示すデータにする(ステップS933)。そして、ステップS935に移行する。
ステップS941では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS942)、第2保留記憶数減算フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS942A)。セットされていれば、第2保留記憶数減算フラグをリセットする(ステップS942B)とともに、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された緑色の丸印(第2保留記憶数に対応する表示)を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトとして表示するように制御する(ステップS942C)。また、第2始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS942D)。さらに、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第2保留記憶数に対応したデータを消去し、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS942E)。そして、ステップS952に移行する。
第2保留記憶数減算フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印または星印を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトして表示するように制御する(ステップS943)。そして、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータであるか否か確認し(ステップS944)、「第1」を示すデータであれば、第1始動入賞カウンタの値を−1し(ステップS945)ステップS951に移行する。合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータでなければ(すなわち、「不明」を示すデータであれば)、不明始動入賞カウンタの値を−1し(ステップS948)、ステップS951に移行する。
さらに、演出制御用CPU101は、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータを消去するために、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS951)。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS952)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(ステップS953)。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数指定コマンドを受信したが第1始動入賞指定コマンドも第2始動入賞指定コマンドも受信しなかった場合には、青色の丸印を1増加させる制御が実現される。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印または星印が1つ減る。
なお、図16のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信する処理が実行された場合は、演出制御用CPU101は、保留記憶数指定コマンドの内容(2バイト目のデータ(EXTデータ)にもとづいて第1保留記憶数または第2保留記憶数を認識する。そして、演出制御用CPU101は、現在の第2始動入賞カウンタまたは第1始動入賞カウンタの値(例えば保留記憶数指定コマンドで第1保留記憶数が指定されているときは第2始動入賞カウンタの値)を確認する。そして、演出制御用CPU101は、それらの値を足し合わせることによって、合算保留記憶数を認識する。それ以外の処理については、図57〜図59に示した処理と同じ処理で実行可能である。
また、図16のステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンドの内容にもとづいて第1始動入賞が発生したか第2始動入賞が発生したかを認識し、第1始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数カウンタの値を+1するとともに、第1始動入賞カウンタの値を+1する。また、第2始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数カウンタの値を+1するとともに、第2始動入賞カウンタの値を+1する。このような構成によれば、コマンド数を削減することができるとともに、CPU56および演出制御用CPU101の処理負担を軽減することが可能となる。
図60〜図63は、合算保留記憶テーブルに設定されるデータの例および合算保留記憶表示部18cの表示例を示す説明図である。
図60(A)は、ステップS913の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増えた場合の例を示す。図60(B)は、ステップS933の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづくのか第2始動入賞記憶にもとづくのか不明であるが保留記憶が増えた場合の例を示す。図60(C)は、ステップS913,S916の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増え、かつ、第1始動入賞カウンタの値が「4」になった場合の例を示す。
図61(D)は、ステップS951の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第1図柄変動指定コマンドを受信した(すなわち、第2保留記憶数減算フラグがセットされていない)ことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータ(図61(D)に示す例では第1保留記憶数に対応したデータ)を消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。図61(E)は、ステップS942Eの処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第2図柄変動指定コマンドを受信して第2保留記憶数減算フラグをセットしたことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第2保留記憶数に対応したデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。
図62(F)は、ステップS904,S906の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示され、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータが「不明」を示すデータに設定される場合の例を示す。なお、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様(例えば、同じ形および同じ色)で表示する場合(例えば、赤色の丸印で表示する場合)には、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数を第1保留記憶および第2保留記憶と同じ態様(例えば赤色の丸印)で合算保留記憶表示部18cに表示することが可能である。この場合、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータとして「不明」を示すデータを設定する必要はない。
図62(G)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図62(G)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS923,S925の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図62(G)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図62(G)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第2始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図63(H)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図63(H)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS911,S913の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図63(H)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図63(H)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第1始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図63(I)は、図63(I)の左側に示す状態(図63(I)の右側に示す状態と同じ。)において、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。その場合、図63(I)の右側に示すように、正規の第2始動入賞についての表示(NO6の表示)がなされる。
以上のように、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドが送信された後では、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な表示を正常に行うことができる。なお、第1始動入賞に対応するものか第2始動入賞に対応するものか不明である表示(星印)を、いずれの始動入賞に対応するものか判明した時点で、正規の表示(赤丸または緑丸)に変更してもよい。例えば、図柄変動指定コマンド(特別図柄特定コマンド)の受信に応じて変更するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13への入賞にもとづく第1特別図柄の変動開始から停止図柄の停止までの処理と第2始動入賞口14への入賞にもとづく第2特別図柄の変動開始から停止図柄を停止するまでの処理とを共通の処理ルーチン(特別図柄プロセス処理におけるステップS300〜S304)で実行するとともに、共通の処理ルーチンにおいて、第1特別図柄の変動が開始されるときと第2特別図柄の変動が開始されるときとで異なる領域に記憶されたデータ(例えば、第1特別図柄用のデータと第2特別図柄用のデータとしてROM54における異なる領域に記憶されたコマンド(例えば図柄変動指定コマンド、始動入賞指定コマンド)、変動パターンテーブルなど)にもとづく処理を実行するときに、いずれの特別図柄の変動が開始されたのかを特定し(ステップS52)、特定した図柄の変動に対応するデータにもとづく処理を共通のプログラムに従って実行する。このため、第1特別図柄の変動が開始されたときと第2特別図柄の変動が開始されたときとで同じ処理を実行する命令(例えばサブルーチン等)を重複してプログラムする必要がなくなり、遊技制御に必要なプログラム容量を最小限まで圧縮することができる。
さらに、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞指定コマンドを受信できなかったとしても、合算保留記憶数指定コマンドさえ受信すれば、合算保留記憶表示部18cに、合算保留記憶数を特定可能に表示する。そのため、第1保留記憶数に対応する表示であるか第2保留記憶数に対応する表示であるかまでは特定できなくても、遊技者が少なくとも合計の保留記憶数を特定することができる。従って、保留記憶数について最低限の表示をすることができ、遊技者に不信感を与えるのを防止することができるとともに、円滑な遊技を継続して行うことができる。
また、この実施の形態によれば、制御状態の復帰時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、合算保留記憶表示部18cに、合算保留記憶数を特定可能に表示する。そのため、制御状態が復帰したときに合算保留記憶数を遊技者に認識可能に表示することができ、遊技者に不信感を与えるのを防止することができる。
また、合算保留記憶表示部18cにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様(例えば同じ形および同じ色)で表示させるとともに、始動入賞指定コマンドを受信せずに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第1保留記憶および第1保留記憶に対応する態様で、合算保留記憶数を特定可能に表示するように構成した場合でも、確実に遊技者に合算保留記憶数を認識させることができ、不信感を与えることもない。さらに表示態様も変化しないので、遊技者に違和感を与えることもない。
また、合算保留記憶表示部18cにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1保留記憶と第2保留記憶とを異なる態様(例えば異なる形、異なる色など)で表示させるとともに(例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させるとともに)、始動入賞指定コマンドを受信せずに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第1保留記憶に対応する態様、第2保留記憶に対応する態様、または第1保留記憶および第2保留記憶のいずれにも対応しない特別の態様で、合算保留記憶数を特定可能に表示するように構成した場合でも、確実に遊技者に合算保留記憶数を認識させることができるため、不信感を与えることはない。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたときに、ソフトウェア乱数およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、第1始動入賞口13への入賞が生じたときはソフトウェア乱数およびランダムRを第1記憶領域(図18に示す第1保留記憶数バッファ)に格納し、第2始動入賞口14への入賞が生じたときはソフトウェア乱数およびランダムRを第2記憶領域(図18に示す第2保留記憶数バッファ)に格納する。このような構成によれば、作業領域(第1保留記憶数バッファ、第2保留記憶数バッファ)の構成の変更をほとんど要さず、プログラム作成時の作業の簡易化を図ることができる。1つの特別図柄を可変表示させる制御を実行させるプログラムの作業領域の後ろの方に第2特別図柄用の乱数格納バッファ(第2保留記憶数バッファ)や入賞順序の記憶領域(図18(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域))を設けるだけで実現可能であるためである。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたときに、ソフトウェア乱数およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、いずれの始動入賞口への入賞が生じたかを示すデータ(始動口ポインタに設定されたデータ、つまり保留記憶特定情報)とともにソフトウェア乱数およびランダムRを、いずれの始動入賞口への入賞が生じたときにおいても共通の記憶領域(図19に示す共通保留記憶数バッファ)に格納する処理を実行するように構成されている。そのため、いずれの始動入賞口への入賞が生じたかによって異なる記憶領域を指定して乱数を格納させる必要がなくなり、より一層、処理ルーチンの共通化を図ることができ、プログラム容量を削減することができる。
また、この実施の形態では、変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1特別図柄の変動が開始されたときと第2特別図柄の変動が開始されたときとで変動パターンを選択する割合が異なるように複数種類の変動パターンに対して判定値が設定されたテーブル(変動パターンテーブル)を用いて、変動パターンを選択するように構成されているので、いずれの特別図柄の変動が開始されたかによって変動パターンを異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれと決定した場合に、演出表示装置9における演出図柄の変動表示においてリーチ演出を実行するか否かを決定する。この場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数が多いときには少ないときと比較して、少ない割合でリーチ演出を実行すると決定する。そのため、合算保留記憶数が多いときには、変動表示中にリーチ演出を実行する頻度を低減することができる。したがって、2つの特別図柄の変動表示を行う遊技機において、遊技機の稼働率を向上させることができる。
例えば、特開2007−322号公報に記載された遊技機では、合計の保留記憶数が所定値以上である場合に短縮変動を行うように構成されている。一般に、保留記憶数が最大値に達すると、それ以上始動入賞口に入賞しても無効な入賞となってしまうのであるから、遊技者が遊技球の発射操作を止めてしまい遊技機の稼働率が低下してしまう。特開2007−322号公報に記載された遊技機では、合計の保留記憶数が多いときに短縮変動を行うことによって、遊技機の稼働率の低下をある程度軽減している。
しかし、一般に、リーチ状態を発生させるときには、演出時間を確保するため変動時間が長い変動パターンを選択して変動表示を行うのが通常である。そのため、特開2007−322号公報に記載された遊技機のように構成して短縮変動を行うように制御しようとしても、リーチ演出を実行する場合には必然的に変動時間の長い変動パターンが選択されてしまい変動表示が長くなる。すると、遊技者は、リーチ演出が実行された場合には、保留記憶数にかかわらず、やはり、遊技球の発射操作を止めてしまう状態が生じてしまい遊技機の稼働率が低下してしまう虞がある。
この実施の形態によれば、合算保留記憶数が所定値以上であることにもとづいて短縮変動を行うとともに、合算保留記憶数が多いときにはリーチ確率を低下させているので、保留記憶数の消化速度を効果的に高めることができ、遊技機の稼働率を飛躍的に向上させることができる。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が多いときには予告演出の実行頻度も低下させるようにするので、遊技者が予告演出に気をとられて遊技球の発射操作を止めてしまう状態を防止し、遊技機の稼働率が低下してしまう事態を防止している。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、通常状態に制御されているときに、合算保留記憶数が第1特定数(例えば3)以上であるときに、合算保留記憶数が第1特定数未満であるときに比べて可変表示時間を短縮する制御を行い、特別遊技状態(この実施の形態では時短状態)に制御されているときに、合算保留記憶数が第1特定数と異なる第2特定数(例えば1)以上であるときに、合算保留記憶数が第2特定数未満であるときに比べて可変表示時間を短縮する制御を行うように構成されているので、遊技をスムーズに進行させることができるとともに、無効入賞(始動入賞数の上限値に達した後に生じた始動入賞)の発生を減らすことができる。すなわち、特別遊技状態のときは、可変入賞球装置15が高い頻度で開放し、第2始動入賞口14に数多くの遊技球が入賞する可能性があるため、第2始動入賞口14への無効入賞が発生する確率が高くなるが、特別遊技状態のときに少ない保留記憶数で短縮変動を実行するように構成することにより、第2特別図柄の変動を短い時間で実行させることができ、その結果、第2始動入賞口14への無効入賞の発生を低減させることができる。
なお、この実施の形態では、第1特定数を3とし、第2特定数を1としていたが、このような値に限られるわけではなく、例えば、第1特定数を5とし、第2特定数を2とするなどとしてもよい。また、特別遊技状態を時短状態としていたが、確変状態であってもよい。
また、第1特定数を3とし、第2特定数を1としていたが、第1特定数を例えば1とし、第2特定数を例えば3としてもよい。すなわち、第1特定数よりも第2特定数を大きい値としてもよい。
なお、上記の実施の形態では、変形例として、第2保留記憶数が1でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を、常に第1特別図柄の変動表示に優先して実行する場合を示したが、遊技状態が時短状態(確変状態であるとともに時短状態であるときを含む)に移行され可変入賞球装置15の開放期間が延長されているときにのみ、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
また、遊技状態が確変状態である場合にのみ、第2保留記憶数が1でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を優先実行するようにしてもよい。また、遊技状態が確変状態または時短状態のいずれかである場合に、第2保留記憶数が0でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を優先実行するようにしてもよい。
また、上記に示した実施の形態において、演出図柄および飾り図柄の変動表示を実行しているときに、図柄確定指定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した場合には、実行している演出図柄および飾り図柄の変動表示を直ちに終了させるように構成してもよい。例えば、第2特別図柄に対応して演出図柄および飾り図柄の変動表示を実行しているときに、図柄確定指定コマンドを受信することなく、第1特別図柄の変動開始時のコマンド(例えば、変動パターンコマンド)を受信した場合には、演出図柄および飾り図柄の変動表示を直ちに終了して表示結果を表示し、第1特別図柄に対応した演出図柄および飾り図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。この場合、例えば、コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625参照)、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする。また、受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627参照)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする。なお、飾り図柄停止要求フラグは、演出図柄および飾り図柄の変動停止を要求するためのフラグである。
また、演出図柄変動中処理(図49参照)において、演出制御用CPU101は、まず、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄停止要求フラグがセットされていなければ、ステップS841以降の処理を実行する。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、ステップS848に移行し、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する。また、演出図柄変動停止処理(図50参照)において、演出制御用CPU101は、まず、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、ステップS851以降の処理を実行する。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、飾り図柄停止要求フラグをリセットして、ステップS853に移行する。
上記のように構成すれば、演出図柄および飾り図柄の変動表示を実行しているときに、図柄確定指定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した場合には、実行している演出図柄および飾り図柄の変動表示を直ちに終了させるので、図柄確定指定コマンドが正確に受信されなかった場合でも、演出図柄および飾り図柄の変動表示を確実に終了させることができる。
実施の形態2.
以下、本発明の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、実施の形態2の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図64は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
なお、図64に示す遊技機1において、ガラス扉枠2、打球供給皿(上皿)3、余剰球受皿4、打球操作ハンドル(操作ノブ)5、遊技領域7、アウト口26、スピーカ27、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球LED51、および球切れLED52の構成については、図1で説明した構成と同様であるため、説明を省略する。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置520が配置されている。可変入賞球装置520の下方には、第1始動入賞口511と、第2始動入賞口513を形成する可変入賞球装置515とが設けられている。第1始動入賞口511に入った入賞球は第1始動口スイッチ511aによって検出され、遊技盤の背面に導かれる。また、可変入賞球装置515が開状態になることによって入賞可能になる第2始動入賞口513に入った入賞球は第2始動口スイッチ513aによって検出され、遊技盤の背面に導かれる。可変入賞球装置515は、ソレノイド515aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口511と、第2始動入賞口513とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口511,513と表すことがある。また、第1始動口スイッチ511aと、第2始動口スイッチ513aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ511a,513aと表すことがある。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合(かつ抽選の結果が小当りの場合)には、可変入賞球装置520が1回または2回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放扉576Aが初期位置から左方向に移動し、右側の開放扉576Bが初期位置から右方向に移動することによって、可変入賞球装置520は開放状態になり、開放扉576A,576Bが初期位置に戻ることによって可変入賞球装置520は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置520が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置520を、大入賞口または役物ということがある。また、遊技盤には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置520を意味する。
また、可変入賞球装置520は、大当り遊技の開始条件(例えば、始動動作状態において遊技球が特定領域に入賞したこと。)が成立すると、所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。その状態を大当り遊技状態(特定遊技状態)という。大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。なお、始動動作状態を除き、可変入賞球装置520が開閉制御される状態(大当り遊技状態)を第1大当り遊技状態ということがある。また、第1大当り遊技状態における複数のラウンドのうちに、開閉板516が開状態にされることによって開放状態になる大入賞口が開閉制御されるラウンドが含まれる場合がある。なお、大当り遊技の開始条件(例えば、始動動作状態において遊技球が特定領域に入賞したこと。)が成立したときに、大入賞口(すなわち開閉板516)を所定回数(すなわち所定ラウンド数)、開閉制御させるようにしてもよい。この場合、大入賞口の内部に特定入賞領域(V入賞領域)が形成されていなくてもよい(また、V入賞領域を通過した遊技球を検出するV入賞スイッチ522も設けられなくてもよい)。大入賞口の内部に特定入賞領域が形成されていない場合は、常に、大入賞口があらかじめ定められたラウンド数の開閉制御が行われる。
可変入賞球装置520の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置509が設けられている。演出表示装置509は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置509には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置520の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器508Aと、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器508Bとが設けられている。特別図柄表示器508A,508Bは、例えば、7セグメント表示器によって構成される。この実施の形態では、第1特別図柄は、第1始動入賞口511への入賞が発生したことにもとづいて可変表示が開始され、第2特別図柄は、第2始動入賞口513への入賞が発生したことにもとづいて可変表示が開始される。
特別図柄表示器508Aの上方には、第1始動入賞口511に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る第1特別図柄始動記憶表示器518Aが設けられている。第1特別図柄始動記憶表示器518Aは、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。第1特別図柄始動記憶表示器518Aは、第1始動入賞口511に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器508Aで可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、第1特別図柄始動記憶表示器518Aは、第1特別図柄表示器508Aで可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。
特別図柄表示器508Bの上方には、第2始動入賞口513に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る第2特別図柄始動記憶表示器518Bが設けられている。第2特別図柄始動記憶表示器518Bは、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。第2特別図柄始動記憶表示器518Bは、第2始動入賞口513に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器508Bで可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、第2特別図柄始動記憶表示器518Bは、第2特別図柄表示器508Bで可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。
可変入賞球装置520の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器510が設けられている。遊技領域7に設けられているゲート532を遊技球が通過しゲートスイッチ532aで検出されると、普通図柄表示器510において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置515が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13である。普通図柄表示器510の上方には、ゲート532を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器541が設けられている。ゲート532の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器541は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器510の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置515の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド521によって開閉板516が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板516は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ523で検出される。なお、大入賞口の内部には特定入賞領域(V入賞領域)が形成され、V入賞領域を通過した遊技球は、V入賞スイッチ522で検出される。遊技球がV入賞領域を通過することを条件に、大当り遊技状態における次のラウンドが開始される(最終ラウンドの場合を除く。)。また、この実施の形態では、V入賞領域を通過した遊技球も、カウントスイッチ523で検出される。以下、可変入賞球装置520による大入賞口を第2大入賞口といい、開閉板516による大入賞口を第1大入賞口ということがある。第1大入賞口と第2大入賞口とを「大入賞口」と総称することがある。なお、大入賞口の内部に特定入賞領域(V入賞領域)が形成されていなくてもよい(また、V入賞領域を通過した遊技球を検出するV入賞スイッチ522も設けられなくてもよい)。大入賞口の内部に特定入賞領域が形成されていない場合は、常に、大入賞口があらかじめ定められたラウンド数の開閉制御が行われる。
また、開閉板516の左方には入賞口(普通入賞口)537と入賞口(普通入賞口)539が設けられ、開閉板516の右方には入賞口(普通入賞口)538が設けられている。遊技球の入賞口537,538,539に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ537a,538a,539aによって検出される。入賞口537,538,539は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口(第1大入賞口および第2大入賞口)の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が第1始動入賞口511または第2始動入賞口513に入り第1始動口スイッチ511aまたは第2始動入賞口513aで検出されると、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば、第1特別図柄表示器508Aまたは第2特別図柄表示器508Bにおいて第1特別図柄または第2特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置509において飾り図柄が可変表示を始める。第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1特別図柄表示器508Aまたは第2特別図柄表示器508Bでの第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、第1特別図柄始動記憶表示器518Aまたは第2特別図柄始動記憶表示器518Bにおける点灯するLEDを1増やす。
第1特別図柄表示器508Aまたは第2特別図柄表示器508Bにおける第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示(「0」〜「9」)は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「3」、「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、それ以外の図柄(小当り図柄)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置520の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。なお、この実施の形態では、停止時の特別図柄は大当り図柄または小当り図柄となり、はずれ図柄にならないように構成されているが、一定の割合ではずれ図柄になるようにしてもよい。なお、停止図柄が大当り図柄になるときは、リーチを伴う変動が実行されるが、停止図柄がはずれ図柄になるときも、リーチを伴う変動を実行した後にはずれ図柄を停止させるような演出を実行してもよい。このような構成によれば、リーチを伴う変動が実行されたときでも、直接大当りにならずにはずれになることがあり、遊技の興趣が向上する。
次に、可変入賞球装置520の構造について説明する。
可変入賞装置(役物)520は、開閉モータ575(図70参照)の駆動によって開放扉576A,576Bが開放状態になると、遊技球が進入可能な状態になる。役物520に進入した遊技球は、役物520内部に形成された3つの通過口(図示せず)を通過して、役物520における下部側に流下する。第1の通過口を通過した遊技球は、第1役物入賞スイッチ571a(図70参照)で検出され、第2の通過口を通過した遊技球は、第2役物入賞スイッチ572a(図70参照)で検出され、第3の通過口を通過した遊技球は、第3役物入賞スイッチ573a(図70参照)で検出される。なお、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aと、第3役物入賞スイッチ73aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
役物520の左右両側には、可動部材577,578が設けられている。可動部材577は可動部駆動ソレノイド577B(図70参照)によって動かされ、可動部材778は可動部駆動ソレノイド578B(図70参照)によって動かされる。役物520における最下部に設けられている特定領域を形成する特定入賞口(図64において役物520の最下部の「V」)に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ566a(図70参照)で検出される。なお、遊技球が特定入賞口に入賞し特定領域スイッチ566aで検出されたことをV入賞ともいう。
特定入賞口に入賞し特定領域スイッチ566aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ585aで検出される。なお、特定入賞口に入賞しなかった遊技球も、役物排出スイッチ585aで検出される。つまり、この実施の形態では、役物520に進入した全ての遊技球は、役物排出スイッチ585aで検出される。
図65は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図65に示すように、始動入賞口に遊技球が入賞していずれかの始動口スイッチ511a,513aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、大当りまたは小当りであって、はずれはない。このように、抽選の結果がはずれとならないようにすることにより、はずれに伴う設定処理が不要となり、処理を簡略化することができる。なお、大当りか否かを判定し、大当りでないときは小当りか否かの判定を行わずに常に小当りとするようにしてもよい。そして、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および飾り図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。大当り遊技状態では、開閉板516による大入賞口(第1大入賞口)が16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。このように、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は16で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、7ラウンド、16ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物520を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物520は、0.9秒間開放状態になる。開放状態になる回数(開放回数)は、1回または2回である。始動動作状態において、遊技球が役物520に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口に入賞して特定領域スイッチ566aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態では、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開閉制御される状態と、第1大入賞口が開閉制御されるラウンドと第2大入賞口が開閉制御されるラウンドとが混在する状態とがある。このように、次ラウンドの継続権が発生しやすい第1大入賞口によるラウンドと、次ラウンドの継続権が発生しにくい第2大入賞口によるラウンドとがあるので、遊技のバリエーションが増やされている。ただし、開閉板516による第1大入賞口と可変入賞球装置520による第2大入賞口との双方を備えることなく第2大入賞口のみを備えた遊技機でも、特別図柄の表示結果に応じて大当り遊技状態における大入賞口の開放回数を異ならせる本発明を適用することができる。
図66は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図66に示すように、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器508A,508Bにおいて特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動が行われ、それに同期して演出表示装置509において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物520が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。なお、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置509において飾り図柄の変動が行われるが、図66では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図67は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始および大当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図67に示すように、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器508A,508Bにおいて特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動が行われ、それに同期して演出表示装置509において表示演出が行われる。なお、図67に示す例は、後述する変動パターン#7A〜#7Cが用いられる場合の例である。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物520が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。停止図柄が大当り図柄(「3」または「7」)である場合には、大当り表示(「大当り」または「確変大当たり」)が行われ、大当たり遊技が開始される。その場合、小当り遊技(始動動作状態の遊技)は、実行されない。このように、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄が特定の図柄になったときに発生する大当たり遊技状態(第1大当たり遊技状態)と、小当り遊技においてV入賞が生ずると発生する大当たり遊技状態(第2大当たり遊技状態)とがあるので、遊技者は、複数種類の大当たり遊技を享受することができる。なお、変動パターン#7A〜#7Cが用いられる場合には、変動時間が長いので、結果として小当りになる場合でも、遊技者に、変動時間が終了するまで、始動動作状態を経ない大当たりの発生を期待させることができる。このことは、変動パターン#8A〜#8C,#9A〜#9Cが用いられる場合も同様である。また、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置509において飾り図柄の変動が行われるが、図67では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図68は、演出表示装置9における変動後演出(特別図柄の変動終了と小当り遊技の開始までに実行される演出)等の画像表示例を示す説明図である。図68(A)は、小当り(役物1回開放)の表示演出の一例を示す説明図であり、図68(B)は、小当り(役物2回開放)の表示演出の一例を示す説明図である。図68(C)には、小当り遊技においてV入賞が発生した場合の表示演出の一例を示す説明図である。図68(C)に例示する表示演出は、例えば小当り遊技中に実行される。なお、図68(A),(B)に例示する表示演出も、小当り遊技中に実行されるようにしてもよい。
なお、図68(A),(B)には静止画像が例示されているが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置509に、変動後演出期間において、図68(A),(B)のそれぞれに例示されている画像の内容が変化していく画像(例えば、花びらが徐々に落下したり移動したりするような画像)を順次表示させるように制御する。また、演出表示装置509に変動後演出の表示がなされることに同期して、発光体やスピーカ27でも変動後演出を行わせる。
図69は、特別図柄の停止図柄と当りの種類との関係を示す説明図である。図69に示すように、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の停止図柄には大当り図柄(この例では、「3」または「7」)と小当り図柄(この例では、「3」および「7」以外)とがあるが、小当り図柄と第2大当り遊技状態におけるラウンド数とは対応している。また、小当り図柄と始動動作状態における役物520の開放回数は対応している。よって、小当り遊技においてV入賞が生ずる前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特定入賞口に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。なお、この実施の形態では、ラウンド数は小当り図柄の種類で決まるが、小当り図柄の種類に加えて、通過口のいずれを遊技球が通過したかによって、決定されるラウンド数の範囲や種類、ラウンドの振り分け割合を異ならせるようにしてもよい。
また、役物520は、始動動作状態および大当り遊技状態においてのみ開放状態に制御される。従って、それらの状態以外の遊技状態では、遊技球は役物に入賞しない。よって、それらの状態以外の遊技状態で役物の内部において入賞が検出されたということは、その入賞は正規の入賞でない(異常入賞である)ことになる。そこで、この実施の形態では、異常入賞が生じた場合には、その旨の報知を行うとともに、その入賞にもとづく賞球払出を行わないようにする。よって、役物520を備えた遊技機において、不正行為を発見しやすくなっている。また、不正行為に基づく賞球払出を防止することが可能になる。
次に、遊技機における制御手段等の構成および動作を説明する。
図70は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図70には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。
また、ゲートスイッチ532a、第1始動口スイッチ511a、第2始動口スイッチ513a、第1役物入賞スイッチ571a、第2役物入賞スイッチ572a、第3役物入賞スイッチ573a、特定領域スイッチ566a、役物排出スイッチ585a、入賞口スイッチ537a,538a,539a、V入賞スイッチ522、およびカウントスイッチ523からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置515を開閉するためのソレノイド515a、開閉板516を開閉するためのソレノイド521、開閉扉576A,576Bを開閉させる開閉モータ575、可動部材577を動作させる可動部駆動ソレノイド577B、可動部材578を動作させる可動部駆動ソレノイド578Bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器508A、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器508B、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器510、第1特別図柄保留記憶表示器518A、第2特別図柄保留記憶表示器518Bおよび普通図柄保留記憶表示器541の表示制御を行う。
次に、遊技機の動作について説明する。なお、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理、およびタイマ割込処理については、実施の形態1で説明した処理と同様であるため、説明を省略する。
タイマ割込処理におけるスイッチ処理(図5のステップS21参照)では、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ532a、第1始動口スイッチ511a、第2始動口スイッチ513a、第1役物入賞スイッチ571a、第2役物入賞スイッチ572a、第3役物入賞スイッチ573a、特定領域スイッチ566a、役物排出スイッチ585a、入賞口スイッチ537a,538a,539a、V入賞スイッチ522、カウントスイッチ523の検出信号を入力し、それらの状態判定が行われる。
図71は、特別図柄の停止図柄と判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図71には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜598であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である599個ある。また、599個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する大当りまたは小当りとすることに決定する。なお、小当り遊技(始動動作状態に相当。)においてV入賞が生ずると第2大当り遊技が開始されるので、大当りまたは小当りとすることに決定するということは、実質的に、第1大当りとするか第2大当りとするのかを決定するということでもある。
なお、大当りには、通常大当りと確変大当りとがある。いずれの場合も、特別図柄の変動が終了したら、始動動作状態を経ず、直接、16ラウンドの大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行するが、確変大当りの場合には、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行する(図69参照)。
図71に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当りがある。小当りには、始動動作状態において役物520を1回開放する小当りと、始動動作状態において役物520を2回開放する小当りとがある(図69および図71参照)。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している(図69および図71参照)。また、小当り遊技においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。
また、図71に示すように、この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときには、通常状態(非確変状態)に比べて、大当りに対応する判定値の数が多い。すなわち、大当りになる確率が高められている。また、確変状態では、役物520が2回開放する小当りになる確率が高められている。この例では、確変状態では、役物520が2回開放する小当りに対応する判定値の数は、(停止図柄1に対応する80個+停止図柄4に対応する30個+停止図柄6に対応する125個+停止図柄8に対応する37個+停止図柄9に対応する90個)=362個であり、通常状態では、役物520が2回開放する小当りに対応する判定値の数は、(停止図柄1に対応する80個+停止図柄4に対応する125個+停止図柄6に対応する30個+停止図柄8に対応する67個+停止図柄9に対応する42個)=344個である。さらに、確変状態では、ラウンド数が多い第2大当り遊技が選択される確率が高められている。また、確変状態では、普通図柄表示器510における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置515の開放時間が高められる。さらに、可変入賞球装置515の開放回数として、多い開放回数が選択される確率が高められる。つまり、V入賞したことを条件に大当り遊技が開始される小当りについて、大当り遊技における開放回数が多いものに対応した判定値の数が多い。このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、判定値の数を異ならせることによって、確変状態での大当り遊技状態における可変入賞球装置(例えば、役物520)の開放回数の選択割合を、通常状態(非確変状態)での大当り遊技状態における可変入賞球装置の開放回数の選択割合と変えることができる。なお、確変状態では、ラウンド数が多い第2大当り遊技が選択される確率を、通常状態における確率よりも低くするようにしてもよい。
なお、図71に示したテーブルを用いて抽選した場合は、大当りまたは小当りのいずれかが決定され、はずれが決定されることはなかった。また、第1始動入賞が発生した場合も第2始動入賞が発生した場合も同じテーブルを用いて抽選しているので、大当りまたは小当りの発生確率は、第1始動入賞が発生した場合も第2始動入賞が発生した場合も同じであった。しかし、第1始動入賞が発生した場合と第2始動入賞が発生した場合とで、小当りの発生確率を異ならせるようにしてもよい。
具体的には、図83に示す判定テーブルを用いて、大当り、小当りまたははずれを決定する。図83に示す例でも、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜598である。従って、判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である599個ある。また、599個の判定値は、それぞれが異なる数値である。
図83(A)では、第1始動入賞にもとづく第1特別図柄の停止図柄と判定値との関係を示している。また、図83(B)では、第2始動入賞にもとづく第2特別図柄の停止図柄と判定値との関係を示している。図83(A)(B)に示すように、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄になる確率(第1始動入賞にもとづき大当りが発生する確率)と第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄になる確率(第2始動入賞にもとづき大当りが発生する確率)は同じであるが、第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄になる確率(第2始動入賞にもとづき小当りが発生する確率)と第2特別図柄の停止図柄が小当り図柄になる確率(第2始動入賞にもとづき小当りが発生する確率)とは異なる。すなわち、各テーブルにおいて、第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄になる確率よりも第2特別図柄の停止図柄が小当り図柄になる確率の方が高くなるように判定値が設定されている。
このように、第1特別図柄の判定テーブルと第2特別図柄の判定テーブルとで、所定種類の小当りに対して割り振られた判定値の数を異ならせているので、第1特別図柄の変動が開始されたか第2特別図柄の変動が開始されたか(つまり、第1始動入賞口511に入賞したか第2始動入賞口513に入賞したか)によって、小当りの発生確率を変化させることができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第2特別図柄の停止図柄が小当り図柄になる確率よりも第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄になる確率の方が高くなるように判定値を設定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態2において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターンについては、図8に示した変動パターンを用いることが可能である。
図72および図73は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、ステップS311〜S313の処理については、図14に示したステップS311〜S313の処理と同様であるため、説明を省略する。
また、特別図柄通常処理(ステップS330)、変動パターン設定処理(ステップS331)、表示結果コマンド送信処理(ステップS332)、特別図柄変動中処理(ステップS333)、特別図柄停止処理(ステップS334)については、図14に示した特別図柄通常処理(ステップS300)、変動パターン設定処理(ステップS301)、表示結果コマンド送信処理(ステップS302)、特別図柄変動中処理(ステップS303)、特別図柄停止処理(ステップS304)と同じ処理で実現可能であるため、説明を省略する。
役物開放前処理(ステップS335):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS336)に応じた値に更新する。
役物開放中処理(ステップS336):特定領域スイッチ566aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ566aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放回数カウンタの値が0であれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS337)に対応した値に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS337):V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS338)に対応した値に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS330)に対応した値に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS338):第2大入賞口(すなわち役物520)または第1大入賞口(開閉板516による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS339)に応じた値に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS339):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS340)に応じた値に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS340):大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行う。全ての遊技球が排出され、かつ、まだ残りラウンドがあって大当り遊技の継続条件(V入賞があったこと)が成立している場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS338)に対応した値に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合、または大当り遊技の継続条件が成立しなかった場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS341)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS341):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS330)に応じた値に更新する。
図74は、役物開放前処理(ステップS335)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに1または2を設定し(ステップS411)、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS412)。なお、役物開放回数カウンタに設定される値は、図71に示すテーブルにもとづいて決定された特別図柄の停止図柄に対応する値である。そして、役物520を開放状態にする(ステップS413)。具体的には、開閉扉576A,576Bを駆動する開閉モータ575の駆動を開始して、役物(可変入賞球装置)520を開放状態にさせる。また、役物520の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS336)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図75は、役物開放中処理(ステップS336)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS420)。タイムアウトしていれば、役物開放回数カウンタの値が0になっているか否か(始動動作状態における最終回の開放が既に終了しているか否か)確認する(ステップS420A)。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS420B)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。役物開放回数カウンタの値が0になった場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS420D)。さらに、役物520を開放状態に制御する(ステップS420E)。
ステップS434では、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS424に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS337)に応じた値に更新する(ステップS435)。
以上のように、CPU56は、最終回の開放についての役物開放時間(0.9秒)が経過した後、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに、すなわち全ての遊技球が役物520から排出されたときに、特別図柄プロセスフラグの値を役物閉鎖後処理に応じた値に更新する(ステップS420,S420A,S420C,S434,S435)。つまり、役物開放中処理において、全ての遊技球が役物520から排出されたことを条件に、遊技状態(この場合には、特別図柄プロセスフラグの値)を変化させる。なお、役物閉鎖後処理において、V入賞が生じなかったことを条件に特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に更新する(ステップS454,S468参照)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。タイムアウトしていれば、役物520を閉鎖状態に制御する(ステップS432)。具体的には、開閉扉576A,576Bを閉鎖する方向に開閉モータ575を回転させる。また、可動部材577,578を初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS433)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、可動部材577,578の制御を実行する(ステップS423)。また、第1役物入賞スイッチ571a、第2役物入賞スイッチ572aまたは第3役物入賞スイッチ573aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS424)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS425)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS426)。また、役物排出スイッチ585aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS427)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS428)。
遊技球が特定入賞口に進入したことを示す特定領域スイッチ566aがオンしたら(ステップS429)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS430)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS431)。
図76は、役物閉鎖後処理(ステップS337)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS454)。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS455)、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットする(ステップS456)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、図71に示すテーブルにもとづいて決定された特別図柄の停止図柄に対応するラウンド数である。
さらに、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置509において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS457)。また、大当りフラグをセットする(ステップS458)。
そして、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS459)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS338)に対応した値に更新する(ステップS460)。
ステップS454の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS461)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS330)に応じた値に更新する(ステップS462)。
図77は、大当り遊技(第1大当り遊技および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS338)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、第1大入賞口(開閉板516による大入賞口)を開放するラウンドでは、ソレノイド521を駆動して開閉板516を開状態にする(ステップS476,S477A)。また、入賞個数カウンタの値をクリア(0に初期化)する(ステップS477B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS339)に応じた値に更新する(ステップS478)。また、第2大入賞口(役物520)を開放するラウンドでは、開閉モータ575を駆動して開放扉576A,576Bを開放状態にする(ステップS476,S479)。また、役物520に入賞した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS480)、入賞個数カウンタの値をクリア(0に初期化)し(ステップS477B)、ステップS478に移行する。
図78は、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを示す説明図である。CPU56は、図78に示すように、既に決定されている特別図柄の停止図柄の対応して、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを決定する。なお、第1大当りにすることに決定されている場合(この例では、特別図柄の停止図柄が「3」または「7」に決定されている場合)には、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。また、特別図柄の停止図柄が「8」または「9」である場合には、図78に示すように、小当り遊技が終了した後に実行される第2大当り遊技において、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。
図79および図80は、大入賞口開放中処理(ステップS339)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、第1大入賞口の開放中であるか否か確認する(ステップS480)。第1大入賞口を開放していたときには、ステップS481Bに移行する。
第1大入賞口を開放していないとき(第2大入賞口を開放していたとき)には、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481A)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS497Bに移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482A)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、開放時間タイマをクリア(0に初期化)し(ステップS497A)、ステップS497Bに移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483A)。開放時間タイマの値が0になっていたら、すなわち、開放時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS484)、役物520を閉鎖状態に制御する(ステップS495)。具体的には、開閉扉576A,576Bを閉鎖する方向に開閉モータ575を回転させる。また、可動部材577,578を初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS496)。
開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、可動部材577,578の制御を実行する(ステップS485)。
また、役物入賞スイッチがオンしたら、すなわち大入賞口(役物520)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS486)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1し(ステップS487)、入賞個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS488)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS489)。また、役物排出スイッチ585aがオンしたら、すなわち大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS490)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS491)。また、遊技球が特定入賞口に入賞したことを示す特定領域スイッチ566aがオンしたら(ステップS492A)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS493A)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS494)。
ステップS497Bでは、CPU56は、役物520を閉鎖状態に制御する(ステップS497B)。具体的には、開閉扉576A,576Bを閉鎖する方向に開閉モータ575を回転させる。また、CPU56は、可動部材577,578を初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS497C)。そして、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS497D)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS486に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS499に移行する。
ステップS481Bでは、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS498に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482B)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS498に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483B)。また、V入賞スイッチ522がオンしたらV入賞フラグをセットする(ステップS492B,S493B)。また、カウントスイッチ523がオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS486B,S488B)。
ステップS498では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS499)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS500)。
図81は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS340)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS513)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS515に移行する(ステップS514)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに所定値(この例では20)をセットする(ステップS519,S520)。また、大当りフラグをリセットし(ステップS521)、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS341)に応じた値に更新する(ステップS522)。
この実施の形態では、大当り遊技が終了すると、時短状態(普通図柄の変動時間が短縮される状態)になるが、その状態は、時短回数カウンタにセットされた値が示す回数の特別図柄の変動が終了するまで継続する。なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了すると常に時短状態に移行されるが、例えば、第1大当り遊技が終了したときにのみ、時短状態に移行するようにしてもよい。
ステップS515では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認し、V入賞フラグがセットされていない場合には、大当り遊技を終了させるためにステップS519に移行する。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS516)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置509において報知する時間)に相当する値を設定して(ステップS517)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS338)に応じた値に更新する(ステップS518)。
なお、この実施の形態では、V入賞フラグがセットされていることを条件に、すなわち特定入賞口(入賞領域の一つ)に遊技球が入賞した(V入賞した)こと、および第1大入賞口内の特別領域(V入賞スイッチ522によって遊技球が検出される領域)に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することになるが、V入賞したことを条件にしなくてもよい。その場合、常に最終ラウンドまで進むようにしてもよいし、あらかじめ決められたラウンドまではV入賞したか否かにかかわらず進むようにしてもよい。
図82は、大当り終了処理(ステップS341)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS534に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS532)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS533)、処理を終了する。
ステップS534では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS535)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS330)に応じた値に更新する(ステップS536)。
なお、上記の実施の形態1における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する処理と共通する処理については、この実施の形態2における演出制御用マイクロコンピュータ100も同じ処理を実行する。
以上のように、この実施の形態2によれば、第1始動入賞口511に遊技球が入賞したことにもとづいて第1特別図柄の可変表示が開始され、第2始動入賞口513に遊技球が入賞したことにもとづいて第2特別図柄の可変表示が開始される。そして、大当り・小当りの抽選の結果、大当りと決定された場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行され、小当りと決定された場合には、役物520を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、遊技球が役物520に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口に入賞して特定領域スイッチ566aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。このような遊技機では、遊技制御が複雑になることから、遊技制御に必要なプログラム容量が増大してしまう。
ここで、ROMの容量に関して、法令により使用可能なROM容量が定められている。従って、遊技制御が複雑化し、プログラム容量が増大してしまうと一定のROM容量に収まりきれないおそれがある。一方、上記の実施の形態1で説明したのと同じように、この実施の形態2でも、プログラム容量を最低限まで圧縮する構成(処理ルーチンを可能な限り共通化する構成)を備えているので、遊技制御が複雑になったとしても、ROM容量が足りなくなるという事態が生じるのを最大限防止することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、図71(A)(B)に示すテーブルにもとづいて第1特別図柄の停止図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定し(複数種類の大当り・小当りのいずれの種別にするかを決定し)、図71に(A)(B)に示すテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄になる割合と第2特別図柄の停止図柄が小当り図柄になる割合とが異なるように、判定値の割り振りを異ならせているので、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したかによって小当りの発生確率を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。