JP2008277846A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ESD耐性の向上を図ったSOI構造の半導体装置を得る。
【解決手段】SOI構造の半導体装置の入出力保護回路において、外部端子に対し、各々が並列に逆方向バイアス接続される複数のNMOSトランジスタそれぞれのドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値を、順方向バイアス接続時のHBMサージ耐圧と同程度のHBMサージ耐圧が得られるように設定する。
【選択図】図7
【解決手段】SOI構造の半導体装置の入出力保護回路において、外部端子に対し、各々が並列に逆方向バイアス接続される複数のNMOSトランジスタそれぞれのドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値を、順方向バイアス接続時のHBMサージ耐圧と同程度のHBMサージ耐圧が得られるように設定する。
【選択図】図7
Description
この発明は、SOI基板上にMOSトランジスタを形成した半導体装置に関し、特にその入出力保護機能に関する。
絶縁性基板上にシリコン薄膜を形成したSOI(silicon(semiconductor)-on-insulator)基板上に形成されるMOSトランジスタ(単に「SOIデバイス」と略する場合あり)は、そのソース,ドレイン領域が絶縁性基板に達するため、ソース,ドレイン領域それぞれの接合容量は低減されることにより、高速・低消費電力動作が可能である。
すなわち、通常のバルクシリコン基板上に形成されるMOSトランジスタ(単に、「基板デバイス」と略する場合あり)は、低電圧になるとドレイン、ソース領域それぞれの接合容量が増大してその性能(特に、動作速度)が極端に低下するのに対し、SOIデバイスはドレイン,ソース領域それぞれの接合容量成分が少ないため、性能劣化はほとんどなく高速・低消費電力動作が可能となる。
このように、SOIデバイスは高速・低消費電力動作が可能となるため、携帯機器用デバイスとしての利用の期待が高まっている。
しかしながら、SOIデバイスは低電圧動作用のデバイスとして期待されている反面、入出力保護回路におけるESD(ElectroStaticDischarge;静電放電)耐性に劣るという欠点を有している。サージ電圧は入力端子は勿論、出力端子から印加される場合も考えられるため入出力保護回路と呼ばれる。
図23はSOI構造を示す断面図である。同図に示すように、半導体基板1上に埋め込み酸化膜2が形成され、埋め込み酸化膜2上にSOI層3が形成される。このように、半導体基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層3からなる構成はSOI基板といわれている。そして、SOI層3上にゲート酸化膜4が選択的に形成され、ゲート酸化膜4上にゲート電極5が形成される。ゲート酸化膜4下のSOI層3がチャネル領域8となり、チャネル領域8に隣接したSOI層3内の領域がドレイン領域6及びソース領域7となる。
このようなSOI構造は、熱伝導率の悪い(シリコンの約1/10)埋め込み酸化膜2が存在するため、サージ電圧印加時に発生する熱が蓄積し、熱暴走(thermal runaway or 2nd breakdown)により、SOI基板上に形成される半導体素子の永久的な破壊が起こりやすい。
図24は熱暴走の経緯を示すグラフである。図24のグラフは図25のようにソース及びゲートが接地されたNMOSトランジスタQ1のドレインに入力電圧(サージ電圧SV)が印加された場合等の逆方向バイアス接続時の熱暴走の経緯を示しており、図24で示す熱暴走のプロセスは部分プロセスP1〜P5からなる。
図25で示したNMOSトランジスタQ1のドレインに通常時を大きく上回るサージ電圧SVが印加されると、そのドレイン電圧は急激に上昇して(P1)降伏誘起電圧に達するとNMOSトランジスタQ1はアバランシェ降伏して電流を流しはじめるため一時的に保持電圧まで低下する(P2)。その後、再び上昇を開始し(P3)、熱破壊電圧に達するとNMOSトランジスタQ1の一部が溶融状態となり、急激にソース,ドレイン間の抵抗値が低下するため電圧が急に低下する(P4)。その結果、ソース,ドレイン間の抵抗値が急低下したNMOSトランジスタQ1に集中的に電流が流れるという正帰還が働き(P5)、NMOSトランジスタQ1は完全に破壊されてしまう。例えば、図26に示すように、熱破壊によってゲート電極5に大きな欠陥部分10が生じ、トランジスタ動作が不可能となる。
通常、SOI基板上の入出力保護回路としてNMOSトランジスタを逆方向バイアスで設ける場合、図27に示すように、入力(電圧)INと接地レベルとの間にチャネル幅WのNMOSトランジスタが並列に接続されるようにする。図27の例では、図28に示すように、ゲートが接地された6つのNMOSトランジスタT1〜T6が入力INと接地レベルとの間に並列に設けられることになる。なお、NMOSトランジスタT1はゲート電極51、ドレイン領域61及びソース領域71により構成され、NMOSトランジスタT2はゲート電極52、ドレイン領域61及びソース領域72より構成され、NMOSトランジスタT3はゲート電極53、ドレイン領域62及びソース領域72より構成され、NMOSトランジスタT4はゲート電極54、ドレイン領域62及びソース領域73より構成され、NMOSトランジスタT5はゲート電極55、ドレイン領域63及びソース領域73より構成され、NMOSトランジスタT6はゲート電極56、ドレイン領域63及びソース領域74より構成される。なお、サージ電圧としての入力電圧INは、外部入力端子あるいは外部出力端子より入力される。
このように、SOI基板上の入出力保護回路として6個のNMOSトランジスタT1〜T6を入力IN,接地レベル間に並列に設けることにより、入力IN,接地レベル間を電流が流れる場合、6つのNMOSトランジスタT1〜T6に分割して電流が流れるようにしている。
しかしながら、NMOSトランジスタT1〜T6のうち、一のトランジスタがアバランシェ降伏後に熱破壊電圧に到達すると、そのトランジスタのソース,ドレイン間の抵抗値が急激に減少することにより、図24の部分プロセスP5に示すように、熱破壊電圧に到達したトランジスタに集中して電流が流れてしまうため、当該トランジスタが破壊するのを抑制することはできない。
このように、従来のSOI構造のNMOSトランジスタによる入出力保護回路ではサージ耐性を向上すべく図27に示すように複数の並列接続NMOSトランジスタによる入出力保護回路を構成しても、期待したESD耐性の向上は図れないという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、ESD耐性の向上を図ったSOI構造の半導体装置を得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の半導体装置は、SOI基板上に形成され、外部端子に対応した入出力保護回路部を有しており、電源に共通に接続される電源線と、接地レベルに共通に接続される接地線とを備え、前記入出力保護回路部は、前記電源線と前記接地線との間にダイオード接続されるように設けられた第1のNMOSトランジスタと、前記電源線と前記接地線とのうち少なくとも一方の線と前記外部端子との間に設けられた第2のNMOSトランジスタとを備え、前記半導体装置は、前記外部端子に接続される内部回路部をさらに備え、前記内部回路部は、第3のNMOSトランジスタを含み、前記第3のNMOSトランジスタは、前記第1及び第2のNMOSトランジスタのドレイン抵抗よりも小さい抵抗値のドレイン抵抗を有する。
また、請求項2記載の半導体装置は、前記入出力保護回路部の前記電源線,前記接地線間にキャパシタをさらに設けている。
また、請求項3記載の半導体装置において、前記入出力保護回路部はNMOSトランジスタのみを接続して構成される。
また、請求項4記載の半導体装置において、前記第1及び第2のNMOSトランジスタのドレイン領域上それぞれに第1のシリサイド層が設けられ、前記第3のNMOSトランジスタのドレイン領域上に第2のシリサイド層が設けられ、前記第1のシリサイド層の膜厚は第2のシリサイド層の膜厚よりも薄い。
また、請求項5記載の半導体装置において、前記第1及び第2のトランジスタのドレイン領域はそれぞれ上部にシリサイド層が形成されない領域を有し、第3のNMOSトランジスタのドレイン領域は上部にシリサイド層が形成される領域を有する。
また、請求項6記載の半導体装置において、前記第1及び第2のトランジスタのドレイン領域はそれぞれ上部にシリサイド層が形成されない第1の領域と上部にシリサイド層が形成される第2の領域とを有し、第3のNMOSトランジスタのドレイン領域は上部にシリサイド層が形成される第3の領域を有する。
また、請求項7記載の半導体装置において、前記第1及び第2のNMOSトランジスタそれぞれのドレイン抵抗の抵抗値は、チャネル幅1μm当たりの抵抗が30Ω以上に設定される。
この発明における請求項1記載の半導体装置における入出力保護回路部は、電源線,接地線間にダイオード接続されるように設けた第1のNMOSトランジスタと電源線と接地線とのうち少なくとも一方の線と外部端子との間に設けられた第2のNMOSトランジスタとを備えている。
したがって、外部端子にサージ電圧が印加すると、外部端子、第2のNMOSトランジスタ、電源線及び接地線のうち第2のNMOSトランジスタが接続された一方の線、第1のNMOSトランジスタ並びに電源線及び接地線のうち他方の線という経路で放電電流が流れる。その結果、ESD耐性の優れた第1及び第2のNMOSトランジスタを介してサージ電圧が放電されるため、SOI基板上においてもESD特性の優れた入出力保護回路を得ることができる。
さらに、請求項1記載の本願発明は、内部回路部を構成する第3のNMOSトランジスタは、入出力保護回路部を構成する第1及び第2のNMOSトランジスタのドレイン抵抗よりも小さい抵抗値のドレイン抵抗を有するという特徴を有している。
したがって、請求項1記載の本願発明は上記特徴を有することにより、内部回路部のドライブ能力を必要以上に低下させることなく、第1及び第2のNMOSトランジスタを有する入出力保護回路のESD耐性を高めることができるという効果を奏する。
請求項2記載の半導体装置は、入出力保護回路部の電源,接地レベル間にキャパシタをさらに設けため、サージ電圧を当該キャパシタに充電させることにより分散させることができる。
<<実施の形態1>>
<発明の原理>
図1は図25に示すように逆方向バイアスで、外部端子より得られる入力INに対して逆方向バイアス接続されたNMOSトランジスタのHBM(HumanBodyModel;人体モデル)耐性の特性を示すグラフである。図1のグラフはチャネル幅W=400(μm)、チャネル長L=0.6(μm)のNMOSトランジスタにおけるチャネル幅1μm当たりのドレイン抵抗値(以下、「単位チャネル幅抵抗値」と略す)に対するHBMサージ耐圧をプロットしたグラフを示している。
<発明の原理>
図1は図25に示すように逆方向バイアスで、外部端子より得られる入力INに対して逆方向バイアス接続されたNMOSトランジスタのHBM(HumanBodyModel;人体モデル)耐性の特性を示すグラフである。図1のグラフはチャネル幅W=400(μm)、チャネル長L=0.6(μm)のNMOSトランジスタにおけるチャネル幅1μm当たりのドレイン抵抗値(以下、「単位チャネル幅抵抗値」と略す)に対するHBMサージ耐圧をプロットしたグラフを示している。
なお、ここでいうチャネル幅Wとは、入力IN,接地レベル間に逆方向バイアス接続で複数のNMOSトランジスタが並列に設けられた場合の各NMOSトランジスタの合計値を意味する。例えば、図27及び図28で示したように、6個のNMOSトランジスタT1〜T6を用いた場合は、各NMOSトランジスタT1〜T6それぞれのゲート幅は400/6(μm)となる。
図1に示すように、逆方向バイアス接続時には、ドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値が約10〜50(Ω)の範囲において、単位チャネル幅抵抗値に比例して高いHBMサージ耐圧を得ることができる。そして、単位チャネル幅抵抗値が50Ω以上の場合はHBMサージ耐圧は3.0KV程度で安定する。
図2は、図3に示すように順方向バイアス接続で外部端子より得られる入力INに対して接続されたNMOSトランジスタQ2のHBM耐性を示すグラフである。図2のグラフは、図1同様、チャネル幅W=400(μm)、チャネル長L=0.6(μm)のNMOSトランジスタにおけるドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値に対するHBMサージ耐圧をプロットしたグラフを示している。
図2に示すように、順方向バイアス接続時には、ドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値に関係なくHBMサージ耐性は1.5KV程度で安定する。
以下、逆方向バイアス接続時に単位チャネル幅抵抗値によってHBMサージ耐圧が変化し、順方向バイアス接続時には単位チャネル幅抵抗値に関係なくHBMサージ耐圧は安定する理由について考察する。
逆方向バイアス接続時には図24に示すプロセスを経てNMOSトランジスタが破壊されるわけであるが、降伏誘起電圧よりも熱破壊電圧が低いため、一度NMOSトランジスタのドレイン電圧が降伏誘起電圧に達してアバランシェ降伏に至って低下するも、さらなるサージ電圧SVによって容易に熱破壊電圧に達してしまい、前述したように熱暴走による素子破壊が行われてしまう。
すなわち、図27及び図28で示すように複数のNMOSトランジスタを並列に接続しても、そのうち一部のトランジスタがアバランシェ降伏すると降伏したトランジスタの抵抗値が低下するため、その瞬間にアバランシェ降伏しなかった他のトランジスタのドレイン電圧も低下して上記他のNMOSトランジスタはアバランシェ降伏に至らない。その結果、アバランシェ降伏した一部のトランジスタのみに電流が集中して流れるため、熱上昇して降伏誘起電圧より低い熱破壊電圧で容易に熱破壊されてしまう。
一方、ドレイン抵抗を高く設定して複数のNMOSトランジスタを並列に接続した場合、そのうち一部のトランジスタがアバランシェ降伏してもドレイン抵抗が高いため、降伏したNMOSトランジスタのソース,ドレイン間の抵抗値はさほど低下しない。したがって、アバランシェ降伏した一部のトランジスタのみに電流が集中して流れることはなく、熱上昇の度合いは低く降伏誘起電圧より高い熱破壊電圧に達するまで熱破壊されなくなる。
加えて、熱破壊電圧が降伏誘起電圧より高くなるため、熱破壊現象が生じる前にすべてのトランジスタがアバランシェ降伏することになり、複数のトランジスタに均等に電流が流れ、その分、ESD耐性が向上する。
すなわち、入力IN,接地レベル間に逆方向バイアス接続で並列に設けられる複数のNMOSトランジスタそれぞれのドレイン抵抗を比較的高く設定してアバランシェ降伏したトランジスタに電流が集中して流れるのを回避することにより、図4の実線に示すように、熱破壊電圧を降伏誘起電圧より高くすることができ、その結果、ESD耐性を向上させることができる。なお、図4の破線はドレイン抵抗が比較的低い場合を示している。
以上の理由により、逆方向バイアス接続時にドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値を大きく設定することによってHBM耐性の向上が可能なことがわかる。図1のグラフからは、ドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値を50Ω以上にすれば3.0KVの飽和値を得ることができる。すなわち、単位チャネル幅抵抗値を50Ω以上にすれば並列接続された複数のNMOSトランジスタに均一な放電を起こすことができるため、すべてのNMOSトランジスタに放電能力をフルに発揮させることができる。
図5は、図3で示す順方向バイアス接続時の放電特性を示すグラフである。図5に示すように、順方向バイアス接続時は降伏誘起電圧に達するとドレイン電圧が低下するというスナップバック現象は生じない。したがって、図6に示すように、入力INと接地レベルとの間に並列に設けられた複数のNMOSトランジスタT11〜T16は、サージ電圧SVの印加とともにほぼ均一にアバランシェ降伏を起こし、さらなるサージ電圧SVの印加により熱破壊電圧に達すると逆方向バイアス接続時と同様に熱暴走状態となる。
したがって、順方向バイアス接続時にはNMOSトランジスタのドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値を変化させてもHBMサージ耐圧は変わらない。これは、単位チャネル幅抵抗値に関係なく熱破壊電圧が降伏誘起電圧より高いため、図6で示すように複数のNMOSトランジスタを並列に接続すると、そのうち一部のトランジスタがアバランシェ降伏しても、ドレイン電圧の上昇にともない降伏しなかった他のトランジスタも速やかにアバランシェ降伏する。その結果、すべてのトランジスタがアバランシェ降伏することにより、すべてのトランジスタに均一に電流が流れるため、降伏誘起電圧より高い熱破壊電圧で熱破壊される。
このように、順方向バイアス接続時は、逆方向バイアス接続時のようにアバランシェ降伏した一部のトランジスタに集中して電流が流れるという現象が元々起こらないため、図2に示すように単位チャネル幅抵抗値に関係なくHBMサージ耐圧は一定となる。
通常、入出力保護特性は順方向及び逆方向バイアス接続時の双方の場合におけるESD耐性が要求される。このため、逆方向バイアス接続のESD耐性が順方向バイアス接続のESD耐性と同程度になるように上昇させて、SOI構造の半導体装置を構成したのが実施の形態1である。
<構成と動作>
図7はこの発明の実施の形態1である入出力保護回路の逆方向バイアス接続に用いられるNMOSトランジスタの平面構造を模式的に示した説明図である。同図に示すように、NMOSトランジスタのドレイン領域6及びソース領域7上を抵抗R1〜R5及びR6〜R10で表している。ドレイン領域6及びソース領域7はそれぞれコンタクト21及び22を介して外部配線と接続することができる。なお、ドレイン領域6上のドレイン抵抗値を所定の値に設定するだけでもよい。
図7はこの発明の実施の形態1である入出力保護回路の逆方向バイアス接続に用いられるNMOSトランジスタの平面構造を模式的に示した説明図である。同図に示すように、NMOSトランジスタのドレイン領域6及びソース領域7上を抵抗R1〜R5及びR6〜R10で表している。ドレイン領域6及びソース領域7はそれぞれコンタクト21及び22を介して外部配線と接続することができる。なお、ドレイン領域6上のドレイン抵抗値を所定の値に設定するだけでもよい。
例えば、総チャネル幅W=400(μm)、チャネル長L=0.6(μm)であり、図27及び図28で示したように、ゲートが接地された複数のNMOSトランジスタが入力,接地レベル間に並列に設けられており、図1で示す放電特性を示すNMOSトランジスタの場合、ドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値は30Ω程度の抵抗値に設定される。
単位チャネル幅抵抗値が30Ωの抵抗R1〜R10をシリサイドプロセスを用いて製造する場合、2Ω/□のシート抵抗(例えば、膜厚が500Åのチタンシリサイド)では、ドレイン領域のコンタクト部からゲート電極(チャネル領域)までの距離(ゲート・コンタクト距離)が15μm必要とされ、10Ω/□のシート抵抗(例えば、膜厚が400Åのコバルトシリサイド、膜厚が200Åのチタンシリサイド)では、ゲート・コンタクト距離が3μm必要とされる。
ここで、ドレイン抵抗の単位チャネル幅抵抗値として30Ωを設定したのは、順方向バイアス設定時と同程度のHBMサージ耐圧(1.5KV程度)が期待できるからである(図1,図2参照)。勿論、30Ωを超えて単位チャネル幅抵抗値を設定すれば、逆方向バイアス接続時は順方向バイアス接続時よりHBMサージ耐圧が大きくなるが、順方向及び逆方向バイアス接続時の双方の場合におけるESD耐性が要求されるため、順方向バイアス接続時以上のHBMサージ耐圧を逆方向バイアス接続時に設定しても実質的な入出力保護特性の向上にはつながらない。
加えて、ドレイン抵抗が大きくなると、NMOSトランジスタのドライブ能力が低下し、動作速度を損ねてしまうため、必要以上にレイン抵抗を大きくするのは実用的ではない。
以上の制約から、実施の形態1の半導体装置は、逆方向バイアス接続時において、順方向バイアス接続時と同等なHBMサージ耐圧が得られるドレイン抵抗を設定することにより、動作性能の低下を最小限に抑えて入力保護特性を最大限に向上させるという効果を奏する。
なお、一部にシリサイドを形成しないシリサイドプロテクション工程を用いる場合においても、単位チャネル幅抵抗値が30Ω程度のドレイン抵抗を設けるようにすれば、同様の効果を奏する。
SOI基板上に製造される半導体装置において、外部端子から得られる信号に基づき信号処理を行う内部回路部では、動作性能の点からドレイン抵抗が低い事が望ましく入出力保護回路部では上述したようにドレイン抵抗が比較的高い方が望ましい。そこで、ソース,ドレイン領域上にシリサイドを設けてNMOSトランジスタを形成する場合、図8に示すように、内部回路部15Aではシリサイド層12の膜厚を比較的厚くして形成してドレイン抵抗を低く抑え、入出力保護回路部15Bではシリサイド層13の膜厚を比較的薄く形成してドレイン抵抗を所望のHBMサージ耐圧が得られる程度の膜厚に設定することが望ましい。
なお、図8において、ゲート電極5の側壁にサイドウォール11が形成され、サイドウォール11に隣接してシリサイド層12(13)が形成される。ゲート電極5(ゲート酸化膜4)下、サイドウォール11下及びシリサイド層12(13)下にそれぞれp-型のチャネル領域8、n-型のドレイン領域6B(ソース領域7B)及びn+型のドレイン領域6A(ソース領域7A)が形成される。
図8のように、内部回路部15Aと入出力保護回路部15Bとでシリサイド層12とシリサイド層13の膜厚を変えて形成する第1の方法として例えば次のような方法がある。内部回路部15Aのドレイン領域6A(ソース領域7A)の不純物濃度よりも入出力保護回路部15Bのドレイン領域6A(ソース領域7A)の不純物濃度を高くなるように形成し、その後、内部回路部15A及び入出力保護回路部15Bのドレイン領域6A(ソース領域7A)上に同時にシリサイド層を形成すれば、内部回路部15Aに形成されるシリサイド層12の膜厚よりもシリサイド層13の膜厚を薄く形成することができる。
なぜならば、高濃度に不純物が導入されたドレイン(ソース)領域上にセルフアライドシリサイドプロセスでシリサイド層を形成する場合、その形成速度は遅くなるため、製造条件を適当に設定することにより、より薄い膜厚のシリサイド層を形成が可能となるからである。
また、内部回路部15Aと入出力保護回路部15Bとでシリサイド層12とシリサイド層13の膜厚を変えて形成する第2の方法として、全面に比較的薄い膜厚でシリサイド層を形成した後、内部回路部15A上のみ開口部を有するパターニングレジストを用いたシリサイド形成処理を行い、内部回路部15Aのシリサイド層12のみ選択的に厚く形成する方法が考えられる。
逆方向バイアス接続時に降伏誘起電圧に達するとドレイン電圧が低下するというスナップバック現象はNMOSトランジスタには顕著に現れるが、PMOSトランジスタでは発生しにくい性質がある。これは、PMOSトランジスタではホールがソースからドレインに到達しにくく寄生バイポーラトランジスタ動作が起こりにくいためであると考えられる。すなわち、実施の形態1の半導体装置の特徴であるドレイン抵抗の付加による効果はNMOSトランジスタの方が大きい。
したがって、入出力保護回路部に形成されるMOSトランジスタのうち、NMOSトランジスタのみにドレイン抵抗の付加を行なってSOI基板上に半導体装置を形成してもよい。例えば、入出力保護回路部のNMOSトランジスタのソース,ドレイン領域上に形成されるシリサイド層のみの膜厚を薄くしたり、NMOSトランジスタのソース,ドレイン領域上にシリサイド層を形成しない等が考えられる。
<<実施の形態2>>
<原理>
ESD耐性を向上させるために、入出力保護回路部にシリサイドを形成しないシリサイドプロテクション法を用いることが多い。しかしながら、シリサイドプロテクション法を用いて形成したトランジスタを入出力バッファとして動作させると、ソース、ドレイン間の抵抗値が比較的高いため、動作速度を遅くしてしまうという問題がある。
<原理>
ESD耐性を向上させるために、入出力保護回路部にシリサイドを形成しないシリサイドプロテクション法を用いることが多い。しかしながら、シリサイドプロテクション法を用いて形成したトランジスタを入出力バッファとして動作させると、ソース、ドレイン間の抵抗値が比較的高いため、動作速度を遅くしてしまうという問題がある。
SOI構造の場合、SOI層3の膜厚が100nmと薄いため、ソース,ドレイン領域の形成時に行うイオン注入の際、その膜厚方向の全てがアモルファス化してしまい、その後の熱処理により全てが多結晶化してしまう。このため、ドレイン抵抗値は上昇し、通常、50〜1000Ω/□のシート抵抗値となる。チャネル長L=0.3〜0.5μmのMOSトランジスタのチャネル幅W=1μm当たりの単位チャネル幅抵抗値は約1000Ωとなるため、ドレイン領域の外部コンタクト部分からチャネル領域(ゲート電極)までのゲート・コンタクト距離が1μmで1000Ω/□のシート抵抗の場合は、ドレイン抵抗値が無視できる程度に低い場合に比べて、同一電圧動作時での電流値は約1/2となり、速度性能は1/2になってしまう。
以上の点を考慮して、シリサイドプロテクションを用いて形成されるSOI構造の半導体装置におけるMOSトランジスタのドレイン抵抗の低減を図ったのが実施の形態2である。
<構成と動作>
実施の形態2の半導体装置は、シリサイド層が形成されないシリサイドプロテクト部ドレイン抵抗を下げるために、シリサイドプロテクト部のソース,ドレイン領域への不純物注入量を増加させている。
実施の形態2の半導体装置は、シリサイド層が形成されないシリサイドプロテクト部ドレイン抵抗を下げるために、シリサイドプロテクト部のソース,ドレイン領域への不純物注入量を増加させている。
図9及び図10はこの発明の実施の形態2である半導体装置の構造を示す断面図である。図9に示すように、内部回路部15Aにはシリサイドプロテクト部を形成することなくNMOSトランジスタを形成し、図10に示すように、入出力保護回路部15Bには、シリサイドプロテクト層14を設けてNMOSトランジスタを形成する。
図9において、ゲート電極5の側壁にサイドウォール11が形成され、サイドウォール11に隣接してシリサイド層12が形成される。ゲート電極5(ゲート酸化膜4)下、サイドウォール11下及びシリサイド層12下にそれぞれp-型のチャネル領域8、n-型のドレイン領域6B(ソース領域7B)及びn+型のドレイン領域6A(ソース領域7A)が形成される。
図10において、ゲート電極5の側壁にサイドウォール11が形成され、ゲート電極5及びサイドウォール11を覆うとともにサイドウォール11に隣接してシリサイドプロテクト層14が形成され、シリサイドプロテクト層14に隣接してシリサイド層13が形成される。ゲート電極5(ゲート酸化膜4)下、サイドウォール11下、シリサイドプロテクト層14の直下及びシリサイド層12(13)下にそれぞれp-型のチャネル領域8、n-型のドレイン領域6B(ソース領域7B)、n++型のドレイン領域6C(ソース領域7C)及びn++型のドレイン領域6A(ソース領域7A)が形成される。
ここで、入出力保護回路部15Bのドレイン領域6C(ソース領域7C)の不純物濃度を内部回路部15Aのドレイン領域6A(ソース領域7A)の不純物濃度よりも高くする。
例えば、内部回路部15Aのドレイン領域6A(ソース領域7A)への不純物注入量を1〜4×1015/cm2とした場合、入出力保護回路部15Bのドレイン領域6C(ソース領域7C)への不純物注入量を5〜20×1015/cm2に設定する。
SOI層3が多結晶化している場合は、注入不純物が粒界にトラップされるため、単結晶層に不純物を注入する場合よりも、多くの不純物を注入する必要がある。しかしながら、1×1016/cm2を超える不純物濃度でドレイン領域6A(ソース領域7A)を形成すると、その上部に形成されるシリサイドの形成に支障をきたし極端な場合にはシリサイドの膜剥がれが起こる危険性があるため、ドレイン領域6C(ソース領域7C)を1×1016/cm2を超える不純物濃度で形成する場合も、図11に示すように、シリサイド層13が上部に形成されるドレイン領域6A(ソース領域7A)の不純物濃度は1×1016/cm2を超えないように、ドレイン領域6C(ソース領域7C)よりも低くするのが望ましい。
<<実施の形態3>>
<原理>
PMOSトランジスタのESD放電能力が低く、NMOSトランジスタと同等のESD耐性を得るためには、そのチャネル幅をNMOSトランジスタのチャネル幅よりも大きくする必要がある。例えば、LDD構造の場合、NMOSトランジスタの2倍のチャネル幅が必要となるため、より大きな形成面積が要求される分、不利になっている。実施の形態3では、SOI基板上に形成される半導体装置の入出力保護回路に用いられるPMOSトランジスタのESD耐性を向上させながらNMOSトランジスタとのバランスを維持することを目的としている。
<原理>
PMOSトランジスタのESD放電能力が低く、NMOSトランジスタと同等のESD耐性を得るためには、そのチャネル幅をNMOSトランジスタのチャネル幅よりも大きくする必要がある。例えば、LDD構造の場合、NMOSトランジスタの2倍のチャネル幅が必要となるため、より大きな形成面積が要求される分、不利になっている。実施の形態3では、SOI基板上に形成される半導体装置の入出力保護回路に用いられるPMOSトランジスタのESD耐性を向上させながらNMOSトランジスタとのバランスを維持することを目的としている。
<第1の態様>
図12は実施の形態3の第1の態様を示す平面図である。図12に示すように、NMOSトランジスタと同程度のESD耐性までPMOSトランジスタのESD耐性が向上するように、PMOSトランジスタのチャネル長LPをNMOSトランジスタのチャネル長LNより短くして、PMOSトランジスタの放電能力を向上させる(保持電圧,降伏誘起電圧を下げる)とともに、形成面積の縮小化を図ることができる。なお、図12において、5P,6P及び7PはPMOSトランジスタのゲート、ドレイン領域及びソース領域であり、5N,6N及び7NはNMOSトランジスタのゲート、ドレイン領域及びソース領域である。
図12は実施の形態3の第1の態様を示す平面図である。図12に示すように、NMOSトランジスタと同程度のESD耐性までPMOSトランジスタのESD耐性が向上するように、PMOSトランジスタのチャネル長LPをNMOSトランジスタのチャネル長LNより短くして、PMOSトランジスタの放電能力を向上させる(保持電圧,降伏誘起電圧を下げる)とともに、形成面積の縮小化を図ることができる。なお、図12において、5P,6P及び7PはPMOSトランジスタのゲート、ドレイン領域及びソース領域であり、5N,6N及び7NはNMOSトランジスタのゲート、ドレイン領域及びソース領域である。
<第2の態様>
図13及び図14は実施の形態3の第2の態様を示す断面図である。図13は内部回路部15Aに形成されるPMOSトランジスタを示し、図14は入出力保護回路部15Bに形成されるPMOSトランジスタを示している。
図13及び図14は実施の形態3の第2の態様を示す断面図である。図13は内部回路部15Aに形成されるPMOSトランジスタを示し、図14は入出力保護回路部15Bに形成されるPMOSトランジスタを示している。
図13に示すように、内部回路部15Aにおいて、ゲート電極5の側壁にサイドウォール11が形成される。ゲート電極5(ゲート酸化膜4)下及びサイドウォール11下にそれぞれn-型のチャネル領域8、p-型のドレイン領域6B(ソース領域7B)が形成され、ドレイン領域6B(ソース領域7B)に隣接してp+型のドレイン領域6A(ソース領域7A)が形成される。
一方、図14に示すように、入出力保護回路部15Bにおいて、ゲート電極5の側壁にサイドウォール11が形成される。ゲート電極5(ゲート酸化膜4)下にn-型のチャネル領域8が形成され、チャネル領域8に隣接してp+型のドレイン領域6AB(ソース領域7AB)が形成される。すなわち、サイドウォール11下のp型の不純物濃度が内部回路部15Aのドレイン領域6B(ソース領域7B)よりも高く設定される。
したがって、ドレイン領域6AB(ソース領域7AB)とチャネル領域8とのPN接合が急峻になるため、降伏誘起電圧が下がり放電能力が向上する。
<第3の態様>
図15は実施の形態3の第3の態様を示す断面図である。図15は入出力保護回路部15Bに形成されるPMOSトランジスタを示している。
図15は実施の形態3の第3の態様を示す断面図である。図15は入出力保護回路部15Bに形成されるPMOSトランジスタを示している。
図15に示すように、入出力保護回路部15Bにおいて、ゲート電極5の側壁にサイドウォール11が形成される。ゲート電極5(ゲート酸化膜4)下及びサイドウォール11下にそれぞれn-型のチャネル領域8、p型のドレイン領域6B(ソース領域7B)が形成され、ドレイン領域6B(ソース領域7B)に隣接してp+型のドレイン領域6A(ソース領域7A)が形成される。なお、内部回路部15Aに形成されるPMOSトランジスタは図13と同様である。
したがって、入出力保護回路部15BのPMOSトランジスタにおけるドレイン領域6B(ソース領域7B)とチャネル領域8とのPN接合が、内部回路部15AのPMOSトランジスタにおける内部回路部15Aのドレイン領域6B(ソース領域7B)とチャネル領域8とのPN接合より急峻になるため、降伏誘起電圧が下がり放電能力が向上する。
<第4の態様>
図16は実施の形態3の第4の態様を示す断面図である。図16は入出力保護回路部15Bに形成されるPMOSトランジスタを示している。
図16は実施の形態3の第4の態様を示す断面図である。図16は入出力保護回路部15Bに形成されるPMOSトランジスタを示している。
図16に示すように、入出力保護回路部15Bにおいて、ゲート電極5の側壁にサイドウォール11が形成される。ゲート電極5(ゲート酸化膜4)下にn-型のチャネル領域8が形成され、ゲート電極5の一部からサイドウォール11の一部の下方にドレイン領域6B′(ソース領域7B′)が形成され、ドレイン領域6B′(ソース領域7B′)に隣接してp+型のドレイン領域6A′(ソース領域7A′)が形成される。なお、内部回路部15Aに形成されるPMOSトランジスタは図13と同様である。ドレイン領域6A′,6B′及びソース領域7A′,7B′の形成は斜めイオン注入により実現される。
したがって、入出力保護回路部15BのPMOSトランジスタにおけるチャネル領域8′のチャネル長(実効チャネル長)が短くなるため、PMOSトランジスタの放電能力を向上させることができる。
<その他>
他の態様として、内部回路部をサイドウォール11をマスクとしてp+イオンの注入を行い拡散により傾斜接合をつくり、入出力保護回路部を図14に示すようにシングルドレイン構造にしたり、図15に示すようにチャネル領域8に隣接したドレイン領域6B(ソース領域7B)の不純物濃度を高くしたLDD構造にしたり、図16に示すように斜めイオン注入より実効チャネル長を短くしても、上記した第1〜第3の態様と同様に入出力保護回路部のPMOSトランジスタの放電能力を向上させることができる。
他の態様として、内部回路部をサイドウォール11をマスクとしてp+イオンの注入を行い拡散により傾斜接合をつくり、入出力保護回路部を図14に示すようにシングルドレイン構造にしたり、図15に示すようにチャネル領域8に隣接したドレイン領域6B(ソース領域7B)の不純物濃度を高くしたLDD構造にしたり、図16に示すように斜めイオン注入より実効チャネル長を短くしても、上記した第1〜第3の態様と同様に入出力保護回路部のPMOSトランジスタの放電能力を向上させることができる。
<<実施の形態4>>
<原理>
SOI基板に形成される入出力保護回路において、NMOSトランジスタよりもPMOSトランジスタのESD耐性(ESD放電能力)が悪いという問題があった。実施の形態4はESD耐性の優れたNMOSトランジスタを用いてSOI基板用入出力保護回路を形成したものである。
<原理>
SOI基板に形成される入出力保護回路において、NMOSトランジスタよりもPMOSトランジスタのESD耐性(ESD放電能力)が悪いという問題があった。実施の形態4はESD耐性の優れたNMOSトランジスタを用いてSOI基板用入出力保護回路を形成したものである。
<第1の態様>
図17は実施の形態4の第1の態様である入出力保護回路を示す回路図である。同図に示すように、入出力端子N1から信号線L1を介して入力電圧INが印加される。入力バッファであるインバータG1を介して内部回路(図示せず)に伝達される。
図17は実施の形態4の第1の態様である入出力保護回路を示す回路図である。同図に示すように、入出力端子N1から信号線L1を介して入力電圧INが印加される。入力バッファであるインバータG1を介して内部回路(図示せず)に伝達される。
第1の態様の入出力保護回路は、NMOSトランジスタQ11,Q12より構成され、NMOSトランジスタQ11はドレインが電源に接続され、ゲートが接地され、ソースが信号線L1に接続される。一方、NMOSトランジスタQ12はドレインが信号線L1に接続されゲート及びソースが接地される。すなわち、常時オフ状態のNMOSトランジスタQ11,Q12を電源側,接地側に接続した逆方向バイアス接続によって入出力保護回路を構成している。
SOI構造では通常のバルク基板に形成されるデバイスと異なり、電源,接地間にダイオードが存在しない。このため、意図的にダイオードを付加することが望まれるが、ここに放電能力の高いNMOSトランジスタを使用するとESD耐性が優れた入出力保護回路を、トランジスタのゲート幅を大きくすることなく集積度良く形成することができる。
<第2の態様>
電源,接地レベルがそれぞれ電源線L11,接地線L12を介して共通に接続されている構成では、電源線L11,接地線L12間にダイオード接続したNMOSトランジスタを設ければ、入力,電源線L11間と入力,接地線L12間に設ける入力保護トランジスタはNMOSトランジスタあるいはPMOSトランジスタのいずれの場合でもよい。
電源,接地レベルがそれぞれ電源線L11,接地線L12を介して共通に接続されている構成では、電源線L11,接地線L12間にダイオード接続したNMOSトランジスタを設ければ、入力,電源線L11間と入力,接地線L12間に設ける入力保護トランジスタはNMOSトランジスタあるいはPMOSトランジスタのいずれの場合でもよい。
例えば、図18に示す第2の態様のように、電源線L11,信号線L1間にゲートが電源線L11に接続されたPMOSトランジスタQ21を設け、信号線L1,接地線L12間にゲートが接地線L12に接続されたNMOSトランジスタQ13を設けても、電源線L11,接地線L12間に放電能力の高い、ゲートが接地されたNMOSトランジスタQ14を設ければよい。
図18に示すように構成すると、入力端子N1にサージ電圧が印加されても、信号線L1、PMOSトランジスタQ21、電源線L11、NMOSトランジスタQ14及び接地線L12を経て接地レベルに放電したり、信号線L1、NMOSトランジスタQ13、接地線L12、NMOSトランジスタQ14及び電源線L11を介して電源に放電したりすることができる。
このように、電源線L11,接地線L12間にダイオード接続したNMOSトランジスタQ14を形成することにより、SOI基板上においてもESD耐性の優れた入出力保護回路を得ることができる。
<第3の態様>
さらに、図19〜図21に示す第3の態様のように、電源,接地線L12間にダイオード接続してNMOSトランジスタを設ければ、入力,電源線L11間及び入力,接地線L12間のうち、一方にのみ入力保護トランジスタを設けるだけでもよい。図19〜図21で示す構成では、電源線L11,接地線L12間に、ゲートが接地されたNMOSトランジスタQ14を設けている。そして、図19で示す構成では信号線L1,接地線L12間にゲートが接地線L12に接続されたNMOSトランジスタQ13のみを設けており、図20で示す構成では信号線L1,電源線L11間にゲートが電源線L11に接続されたPMOSトランジスタQ21のみを設けており、図21で示す構成で、信号線L1,電源線L11間にゲートが接地線L12に接続されたNMOSトランジスタQ15のみを設けている。
さらに、図19〜図21に示す第3の態様のように、電源,接地線L12間にダイオード接続してNMOSトランジスタを設ければ、入力,電源線L11間及び入力,接地線L12間のうち、一方にのみ入力保護トランジスタを設けるだけでもよい。図19〜図21で示す構成では、電源線L11,接地線L12間に、ゲートが接地されたNMOSトランジスタQ14を設けている。そして、図19で示す構成では信号線L1,接地線L12間にゲートが接地線L12に接続されたNMOSトランジスタQ13のみを設けており、図20で示す構成では信号線L1,電源線L11間にゲートが電源線L11に接続されたPMOSトランジスタQ21のみを設けており、図21で示す構成で、信号線L1,電源線L11間にゲートが接地線L12に接続されたNMOSトランジスタQ15のみを設けている。
図19に示すように構成すると、入力端子N1にサージ電圧が印加されても、信号線L1、NMOSトランジスタQ13、接地線L12、NMOSトランジスタQ14及び電源線L11を経て電源に放電することができる。
また、図20に示すように構成すると、入力端子N1にサージ電圧が印加されても、信号線L1、PMOSトランジスタQ21、電源線L11、NMOSトランジスタQ14及び接地線L12を経て接地レベルに放電することができる。
また、図21に示すように構成すると、入力端子N1にサージ電圧が印加されても、信号線L1、NMOSトランジスタQ15、電源線L11、NMOSトランジスタQ14及び接地線L12を経て接地レベルに放電することができる。
このように、入力,電源線L11間及び入力,接地線L12間のうち、一方のみに入力保護トランジスタが設けられる構成であっても、最終的にNMOSトランジスタQ14を介してサージ電圧を放電させることができるため、十分に高いESD耐性を得ることができる。
<第4の態様>
さらに、図22で示す第4の態様のように、電源線L11,接地線L12間にキャパシタを意図的に付加しても良い。キャパシタとしてMOSトランジスタのゲート容量を利用してもよい。
さらに、図22で示す第4の態様のように、電源線L11,接地線L12間にキャパシタを意図的に付加しても良い。キャパシタとしてMOSトランジスタのゲート容量を利用してもよい。
図22で示す構成では、電源線L11,接地線L12間に、ゲートが接地線L12に接続されたNMOSトランジスタQ14を設け、信号線L1,接地線L12間にゲートが接地線L12に接続されたNMOSトランジスタQ16を設けるとともに、電源線L11,接地線L12間にキャパシタC1を設けている。
このように構成すると、電源線L11あるいは接地線L12に伝達されたサージ電圧をキャパシタC1に充電させることにより、サージ電圧を分散させることができる。
なお、実施の形態4では、入力と入力保護トランジスタとの間に抵抗(突入抵抗)、放電素子と内部回路との間の内部抵抗を設ける構成等を省略したが、ESD耐性の向上のため上記抵抗を設けても良い。
<実施の形態1〜3との関連>
実施の形態4で用いたNMOSトランジスタQ11〜Q16として、実施の形態1及び実施の形態2で用いた構造のSOI構造のNMOSトランジスタを用いても良い。ただし、実施の形態1の構造のNMOSトランジスタを用いる場合は1つのNMOSトランジスタを形成する部分を複数の並列接続のNMOSトランジスタで置き換えて構成する必要がある。
実施の形態4で用いたNMOSトランジスタQ11〜Q16として、実施の形態1及び実施の形態2で用いた構造のSOI構造のNMOSトランジスタを用いても良い。ただし、実施の形態1の構造のNMOSトランジスタを用いる場合は1つのNMOSトランジスタを形成する部分を複数の並列接続のNMOSトランジスタで置き換えて構成する必要がある。
また、実施の形態4で用いたPMOSトランジスタQ21,Q22として、実施の形態1〜実施の形態3で用いた構造のSOI構造のPMOSトランジスタを用いても良い。ただし、実施の形態1の構造のPMOSトランジスタを用いる場合は1つのPMOSトランジスタを形成する部分を複数の並列接続のNMOSトランジスタで置き換えて構成する必要がある。
6,6A〜6C ドレイン領域、7,7A〜7C ソース領域、12,13 シリサイド層、14 シリサイドプロテクト層、15A 内部回路部、15B 入出力保護回路部、L11 電源線、L12 接地線、R1〜R10 抵抗、Q11〜Q16 NMOSトランジスタ、Q21〜Q23 PMOSトランジスタ。
Claims (7)
- SOI基板上に形成され、外部端子に対応した入出力保護回路部を有する半導体装置であって、
電源に共通に接続される電源線と、
接地レベルに共通に接続される接地線とを備え、
前記入出力保護回路部は、前記電源線と前記接地線との間にダイオード接続されるように設けられた第1のNMOSトランジスタと、
前記電源線と前記接地線とのうち少なくとも一方の線と前記外部端子との間に設けられた第2のNMOSトランジスタとを備え、
前記半導体装置は、
前記外部端子に接続される内部回路部をさらに備え、
前記内部回路部は、第3のNMOSトランジスタを含み、
前記第3のNMOSトランジスタは、前記第1及び第2のNMOSトランジスタのドレイン抵抗よりも小さい抵抗値のドレイン抵抗を有する、
半導体装置。 - 前記入出力保護回路部の前記電源線,前記接地線間にキャパシタをさらに設けたことを特徴とする、
請求項1記載の半導体装置。 - 前記入出力保護回路部はNMOSトランジスタのみを接続して構成される、
請求項2記載の半導体装置。 - 前記第1及び第2のNMOSトランジスタのドレイン領域上それぞれに第1のシリサイド層が設けられ、前記第3のNMOSトランジスタのドレイン領域上に第2のシリサイド層が設けられ、
前記第1のシリサイド層の膜厚は第2のシリサイド層の膜厚よりも薄い、
請求項1記載の半導体装置。 - 前記第1及び第2のNMOSトランジスタのドレイン領域はそれぞれ上部にシリサイド層が形成されない領域を有し、
第3のNMOSトランジスタのドレイン領域は上部にシリサイド層が形成される領域を有する、
請求項1記載の半導体装置。 - 前記第1及び第2のNMOSトランジスタのドレイン領域はそれぞれ上部にシリサイド層が形成されない第1の領域と上部にシリサイド層が形成される第2の領域とを有し、
第3のNMOSトランジスタのドレイン領域は上部にシリサイド層が形成される第3の領域を有する、
請求項1記載の半導体装置。 - 前記第1及び第2のNMOSトランジスタそれぞれのドレイン抵抗の抵抗値は、チャネル幅1μm当たりの抵抗が30Ω以上に設定される、
請求項1ないし請求項6のうち、いずれか1項に記載の半導体装置。
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Publication Number | Publication Date |
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