JP2008277519A - 電子デバイス用薄膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜形成用組成物を用いた電子デバイス用薄膜の製造方法であって、薄膜形成に際しての塗布厚みのばらつきが生じ難く、よって均一な厚みの薄膜を高精度に形成することを可能とする電子デバイス用薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】薄膜形成用組成物を用いた電子デバイス用薄膜の製造方法であって、薄膜形成用組成物を基材2上に塗工し、薄膜形成用組成物層1を形成する工程と、薄膜形成用組成物層1を乾燥し、薄膜1Aを得る工程とを備え、薄膜形成用組成物として、表面張力が27mN/m以下であり、かつ基材2に対する接触角が20度以下である薄膜形成用組成物を用いる、電子デバイス用薄膜1Aの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】薄膜形成用組成物を用いた電子デバイス用薄膜の製造方法であって、薄膜形成用組成物を基材2上に塗工し、薄膜形成用組成物層1を形成する工程と、薄膜形成用組成物層1を乾燥し、薄膜1Aを得る工程とを備え、薄膜形成用組成物として、表面張力が27mN/m以下であり、かつ基材2に対する接触角が20度以下である薄膜形成用組成物を用いる、電子デバイス用薄膜1Aの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄膜形成用組成物を用いており、かつ半導体装置などの電子デバイスにおいて、絶縁膜等に用いられる薄膜を基材上に形成するための電子デバイス用薄膜の製造方法に関し、特に、膜厚の均一化を図ることが可能な電子デバイス用薄膜の製造方法に関する。
半導体装置などの電子デバイスでは、小型化及び薄型化を図るために、絶縁性に優れた薄膜を形成することが必要である。また、半導体装置のパッシベーション膜やゲート絶縁膜などでは、微細パターン形状の絶縁膜を形成することが必要である。そこで、パターニング可能な薄膜形成用の感光性樹脂組成物として、アルコキシシラン縮合物を用いた薄膜形成用組成物が種々提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、1)アルカリ可溶性シロキサンポリマー、2)光により反応促進剤を発生する化合物及び3)溶剤を主成分とする薄膜形成用感光性組成物が開示されている。この1)アルカリ可溶性シロキサンポリマーは、アルコキシシランに水及び触媒を加えて加水分解縮合させた反応溶液から、水及び触媒を除去して得られたアルコキシシラン縮合物である。
上記のようなアルコキシシラン縮合物と溶剤とを含む薄膜形成用組成物を用いて薄膜を形成するに際しては、該薄膜形成用組成物をまず基板上に所定の厚みに塗布する。次に、乾燥し、さらに加熱することにより焼成し、硬質でかつ緻密な薄膜が形成されている。また、特許文献1に記載のようなパターニングが求められる薄膜形成用組成物の場合には、薄膜形成用感光性組成物を基板上に塗布した後、乾燥し、マスクを介して選択的に露光する。しかる後、露光された組成物層をアルカリ溶液により現像する。次に、現像後に、残存している組成物層を加熱することにより、硬質で緻密な微細パターン状の薄膜を得る。
特開平6−148895号公報
しかしながら、特許文献1に記載の薄膜形成用感光性組成物を用いた微細パターン状薄膜の形成方法、並びにパターニングを必要としない前述したアルコキシシラン縮合物を用いた薄膜形成方法のいずれにおいても、薄膜形成に際し、基板上に薄膜形成組成物を所定の厚みに塗布しようとしても、塗布厚みが変動し、最終的に得られた薄膜や微細パターン状薄膜において、膜厚がばらつくという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、薄膜形成用組成物を用いた電子デバイス用薄膜の製造方法であって、薄膜形成に際しての塗布厚みのばらつきが生じ難く、よって均一な厚みの薄膜を高精度に形成することを可能とする電子デバイス用薄膜の製造方法を提供することにある。
本発明は、薄膜形成用組成物を用いた電子デバイス用薄膜の製造方法であって、薄膜形成用組成物を基材上に塗工し、薄膜形成用組成物層を形成する工程と、前記薄膜形成用組成物層を乾燥し、薄膜を得る工程とを備え、前記薄膜形成用組成物として、表面張力が27mN/m以下であり、かつ前記基材に対する接触角が20度以下である薄膜形成用組成物を用いることを特徴とする。
以下、本発明の詳細を説明する。
本願発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、薄膜形成用組成物として、表面張力が27mN/m以下であり、かつ基材に対する接触角が20度以下である薄膜形成用組成物を用いることにより、塗布厚みのばらつきが生じ難く、均一な厚みの薄膜を高精度に形成することができることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明では、薄膜形成用組成物として、表面張力が27mN/m以下であり、かつ基材に対する接触角が20度以下である薄膜形成用組成物が用いられる。該薄膜形成用組成物を用いることにより、薄膜形成に際しての塗布厚みのばらつきが生じ難く、よって均一な厚みの薄膜を高精度に形成することができる。
上記薄膜形成用組成物の表面張力が27mN/mを超えると、乾燥時に厚みむらが生じ易くなる。上記薄膜形成用組成物の基材に対する接触角が20度を超えると、基材に対する濡れ性に劣り、基材上に塗布された薄膜形成用組成物のはじきが生じ易くなる。
本発明では、薄膜形成用組成物を用いて薄膜を形成するに際しては、先ず、図1(a)に示すように、薄膜形成用組成物を基材2上に所定の厚みに塗工し、薄膜形成用組成物層1を形成する。この塗工方法は特に限定されず、スピンコーティング、ダイコーティング、スクリーン印刷などの適宜の方法を用いることができる。いずれにしても、基材に対する接触角が20度以下であり、かつ表面張力が27mN/m以下である薄膜形成用組成物を用いているので、均一な厚みにかつ安定に薄膜形成用組成物層1を容易に塗工することができる。
次に、薄膜形成用組成物層1を乾燥し、必要に応じて、乾燥するに際し、あるいは乾燥後に加熱する。それによって、図1(b)に示すように、緻密でかつ硬質の薄膜1Aを得ることができる。上記加熱に際しては、特に限定されないが、例えば、50〜450℃の温度に0.1〜120分程度維持すればよい。
上記薄膜形成用組成物は、特に限定されないが、アルコキシシラン縮合物(A)を含むことが好ましい。
上記アルコキシシラン縮合物(A)は、アルコキシシランを縮合させて得られたアルコキシシランの縮合物である。アルコキシシラン縮合物(A)を溶剤で希釈してなるアルコキシシラン縮合物溶液を基材上に塗布し、加熱等の方法で焼成することにより、硬質の薄膜を形成することができる。
上記アルコキシシラン縮合物(A)としては、特に限定されないが、好ましくは、下記式(1)で表されるアルコキシシランの縮合物が用いられる。
Si(R1)p(R2)q(R3)4−p−q・・・式(1)
上述した式(1)中、R1は水素又は炭素数が1〜30である非加水分解性の有機基を表し、R2はアルコキシ基を表し、R3はアルコキシ基以外の加水分解性基を表し、pは0〜3の整数を表し、qは1〜4の整数を表し、p+q≦4である。pが2又は3であるとき、複数のR1は同一であってもよく異なっていてもよい。qが2〜4であるとき、複数のR2は同一であってもよく異なっていてもよい。p+q≦2であるとき、複数のR3は同一であってもよく異なっていてもよい。
上述した式(1)中、R1は水素又は炭素数が1〜30である非加水分解性の有機基を表し、R2はアルコキシ基を表し、R3はアルコキシ基以外の加水分解性基を表し、pは0〜3の整数を表し、qは1〜4の整数を表し、p+q≦4である。pが2又は3であるとき、複数のR1は同一であってもよく異なっていてもよい。qが2〜4であるとき、複数のR2は同一であってもよく異なっていてもよい。p+q≦2であるとき、複数のR3は同一であってもよく異なっていてもよい。
上記アルコキシ基R2及びアルコキシ基以外の加水分解性基R3は、通常、過剰の水の共存下、無触媒で、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、またはさらに縮合してシロキサン結合を形成することができる基である。
上記アルコキシ基R2としては、特に限定されないが、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
上記アルコキシ基以外の加水分解性基R3としては、特に限定されないが、具体的には、塩素、臭素等のハロゲノ基、アミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル基等が挙げられる。
上記非加水分解性の有機基R1としては、特に限定されないが、加水分解を起こし難く、安定な疎水基である炭素数1〜30の有機基が挙げられる。安定な疎水基である炭素数1〜30の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ペンチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等の炭素数1〜30のアルキル基、アルキル基のフッ素化物、塩素化物、臭素化物等のハロゲン化アルキル基(例えば、3−クロロプロピル基、6−クロロプロピル基、6−クロロヘキシル基および、6,6,6−トリフルオロヘキシル基等)、ハロゲン置換ベンジル基等の芳香族置換アルキル基(例えば、ベンジル基、4−クロロベンジル基及び4−ブロモベンジル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、メシチル基、ナフチル基等)、ビニル基やエポキシ基を含む有機基、アミノ基を含む有機基、チオール基を含む有機基等が挙げられる。
上記アルコキシシランの具体例としては、例えば、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、メチルジエチルメトキシシラン、エチルジメチルエトキシシラン、メチルジエチルエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシラン、メチルジフェニルメトキシシラン、エチルジフェニルメトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、エチルジフェニルエトキシシラン、tert−ブトキシトリメチルシラン、ブトキシトリメチルシラン、ジメチルエトキシシラン、メトキシジメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、ジフェニルジエトキシラン、フェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジアセトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、3−クロロポロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル−トリ−n−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル−トリ−n−プロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル−トリ−n−プロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリプロポキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリプロポキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリプロポキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリプロポキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリプロポキシシラン、エイコシルデシルトリメトキシシラン、エイコシルトリエトキシシラン、エイコシルトリプロポキシシラン、6−クロロヘキシルトリメトキシシラン、6,6,6−トリフルオロヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、4−クロロベンジルトリメトキシシラン、4−ブロモベンジルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、N−β−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラアセトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシランを縮合させて得られたアルコキシシランの縮合物がより好ましく用いられる。アルコキシシラン縮合物(A)を構成するに際しては、少なくとも1種のアルコキシシランが用いられていればよく、従って2種以上のアルコキシシランが用いられていてもよい。
薄膜形成用組成物は、溶剤(B)を含むことが好ましい。溶剤(B)としては、薄膜形成用組成物に配合される成分を溶解し得る適宜の溶媒を用いることができる。すなわち、アルコキシシラン縮合物(A)を溶解し、さらに必要に応じて、添加される他の成分を溶解し得る適宜の溶媒を用いることができる。溶剤(B)を含む場合には、該溶剤(B)は、薄膜形成用組成物の表面張力及び基材に対する接触角が上記特定の範囲にあるように、適宜選択される。
上記溶剤(B)としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロナフタレン、スクワランなどの飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。なかでも、上記表面張力及び上記接触角を低くすることができるので、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルエチルケトンが好ましい。これらの溶剤(B)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
薄膜形成用組成物は、界面活性剤(C)を含むことが好ましい。界面活性剤(C)としては、薄膜形成用組成物の表面張力及び基材に対する接触角が上記特定の範囲にあるように、適宜選択される。
上記界面活性剤(C)としては、メチルシリコーン系油、エチルシリコーン油、フェニルシリコーン油などのシリコーン系レベリング剤やハロゲンやフッ素化合物などを含有するノニオン型界面活性剤等が挙げられる。なかでも、上記表面張力及び上記接触角を低くすることができるので、フッ素化合物を含有するノニオン型界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤(C)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
薄膜形成用組成物には、必要に応じて、他の添加剤をさらに添加してもよい。
このような添加剤としては、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤などが挙げられる。
また、好ましくは、薄膜形成用組成物は、薄膜パターンの形成に用いられるものであってもよい。その場合には、薄膜形成用組成物には、好ましくは、光の照射により酸または塩基を発生する化合物(D)を添加することが望ましい。このような化合物(D)としては、適宜の光酸発生剤及び光塩基発生剤を用いることができる。
上記光酸発生剤としては、特に限定されないが、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンアンチモナート、トリフェニルスルホニウムベンゾスルホナート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシルスルホニルシクロヘキサノン、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のスルホニウム塩化合物、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート等のヨードニウム塩、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられる。光酸発生剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光塩基発生剤としては、特に限定されないが、例えば、オニウム塩などが挙げられる。より具体的には、ジアゾニウム、ホスホニウム、及びヨードニウムのBF4 −、PF6 −、SBF6 −、ClO4 −などの塩や、その他、有機ハロゲン化合物、有機金属、及び有機ハロゲン化物などが挙げられる。
上述した光酸発生剤及び光塩基発生剤を含む薄膜形成用組成物を用いてパターニングを行う場合には、加熱に先立って、露光及びアルカリ溶液等を用いた現像工程を実施すればよく、それによって、微細なパターン状の薄膜を得ることができる。その場合においても、表面張力が27mN/m以下であり、かつ基材に対する接触角が20度以下である薄膜形成用組成物を用いているので、薄膜形成用組成物の塗工厚みのばらつきを低減でき、厚みばらつきの少ない微細パターンを得ることができる。
なお、本発明に係る電子デバイス用薄膜の製造方法は、様々な電子デバイスにおいて、薄膜を形成するのに好適に用いられるが、電子機器の絶縁保護膜に好適に用いられる。電子機器の絶縁保護膜として、上記薄膜形成用組成物を用いて薄膜を形成することにより、得られた絶縁保護膜の膜厚を均一にすることができる。このような電子機器の絶縁保護膜の例としては、例えば、液晶表示素子において、薄膜トランジスタ(TFT)を保護するためのTFT保護膜や、カラーフィルタにおいてフィルタを保護する保護膜などが挙げられる。
さらに、上記薄膜は、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜やパッベーション膜としても好適に用いることができる。
本発明に係る電子デバイス用薄膜の製造方法では、薄膜形成用組成物として、表面張力が27mN/m以下であり、かつ基材に対する接触角が20度以下である薄膜形成用組成物を用いているため、塗工厚みのばらつきを低減でき、均一な厚みの薄膜を高精度に形成することができる。
よって、例えば半導体装置の層間絶縁膜のように、膜厚が高精度に制御されていることが求められる絶縁保護膜等を形成するのに特に適しており、膜厚が均一な絶縁保護膜等が形成された電子デバイスを提供することができる。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明をより明らかにする。
(実施例1)
(1)薄膜形成用組成物の調製
冷却管をつけた100mlのフラスコに、フェニルトリエトキシシラン15g、トリエトキシシラン10g、シュウ酸0.5g、水7ml及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート17mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を攪拌し、マントルヒーターで70℃・3時間反応させた。その後、エバポレーターを用いて水との縮合反応で生成したエタノールと残留水を除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、アルコキシシラン縮合物(A)を調製した。アルコキシシラン縮合物(A)のポリスチレン換算による重量平均分子量は1500であった。
(1)薄膜形成用組成物の調製
冷却管をつけた100mlのフラスコに、フェニルトリエトキシシラン15g、トリエトキシシラン10g、シュウ酸0.5g、水7ml及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート17mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を攪拌し、マントルヒーターで70℃・3時間反応させた。その後、エバポレーターを用いて水との縮合反応で生成したエタノールと残留水を除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、アルコキシシラン縮合物(A)を調製した。アルコキシシラン縮合物(A)のポリスチレン換算による重量平均分子量は1500であった。
得られたアルコキシシラン縮合物(A)100gと、界面活性剤(C)としてのR30(大日本インキ社製)0.1gとを混合し溶解させ、薄膜形成用組成物を調製した。
(2)薄膜の形成
上記薄膜形成用組成物を基材としてのSiウェハーからなる基板上にスピンコート法により塗工し、薄膜形成用組成物層を形成した。このようにして塗工された薄膜形成用組成物層を100℃で2分間維持して乾燥し、さらに200℃で60分間維持し、加熱することにより、基材上に薄膜を形成した。
上記薄膜形成用組成物を基材としてのSiウェハーからなる基板上にスピンコート法により塗工し、薄膜形成用組成物層を形成した。このようにして塗工された薄膜形成用組成物層を100℃で2分間維持して乾燥し、さらに200℃で60分間維持し、加熱することにより、基材上に薄膜を形成した。
(実施例2)
薄膜形成用組成物の調製時の溶媒をメチルエチルケトンに変更したこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
薄膜形成用組成物の調製時の溶媒をメチルエチルケトンに変更したこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
(実施例3)
界面活性剤(C)としてのR30の添加量を0.01gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
界面活性剤(C)としてのR30の添加量を0.01gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
(実施例4)
薄膜形成用組成物の調製時の溶媒をメチルエチルケトンに、界面活性剤(C)としてのR30の添加量を0.01gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
薄膜形成用組成物の調製時の溶媒をメチルエチルケトンに、界面活性剤(C)としてのR30の添加量を0.01gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
(比較例1)
薄膜形成用組成物の調製時の溶媒をトルエンに変更したこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
薄膜形成用組成物の調製時の溶媒をトルエンに変更したこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
(比較例2)
界面活性剤(C)としてのR30を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
界面活性剤(C)としてのR30を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
(比較例3)
薄膜形成用組成物の調製時の溶媒をトルエンに変更し、かつ界面活性剤(C)としてのR30を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
薄膜形成用組成物の調製時の溶媒をトルエンに変更し、かつ界面活性剤(C)としてのR30を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、薄膜形成用組成物を調製し、基材上に薄膜を形成した。
(評価)
(1)薄膜形成用組成物の表面張力
表面張力計(CBVP−A3:協和界面科学社製)を用いて、各薄膜形成用組成物の表面張力を測定した。
(1)薄膜形成用組成物の表面張力
表面張力計(CBVP−A3:協和界面科学社製)を用いて、各薄膜形成用組成物の表面張力を測定した。
(2)薄膜形成用組成物の基板に対する接触角
接触角計(DM500:協和界面科学社製)を用いて、各薄膜形成用組成物のコーティング液を基材としてのSiウェハーからなる基板上に滴下することにより、各薄膜形成用組成物の基板に対する接触角を測定した。
接触角計(DM500:協和界面科学社製)を用いて、各薄膜形成用組成物のコーティング液を基材としてのSiウェハーからなる基板上に滴下することにより、各薄膜形成用組成物の基板に対する接触角を測定した。
(3)薄膜の厚みの均一性
基材上に形成された薄膜の厚みの均一性について、下記評価基準で評価した。
基材上に形成された薄膜の厚みの均一性について、下記評価基準で評価した。
○:コーティング膜の膜厚分布が10%以下であること(エッジ部10mm除く)
×:コーティング膜の膜厚分布が10%より大であること(エッジ部10mm除く)
なお、膜厚測定はFE−3000(大塚電子製)を用いて、反射率の測定結果をフィッティングすることにより測定した。
×:コーティング膜の膜厚分布が10%より大であること(エッジ部10mm除く)
なお、膜厚測定はFE−3000(大塚電子製)を用いて、反射率の測定結果をフィッティングすることにより測定した。
結果を下記の表1に示す。
1…薄膜形成用組成物層
1A…薄膜
2…基材
1A…薄膜
2…基材
Claims (1)
- 薄膜形成用組成物を用いた電子デバイス用薄膜の製造方法であって、
薄膜形成用組成物を基材上に塗工し、薄膜形成用組成物層を形成する工程と、
前記薄膜形成用組成物層を乾燥し、薄膜を得る工程とを備え、
前記薄膜形成用組成物として、表面張力が27mN/m以下であり、かつ前記基材に対する接触角が20度以下である薄膜形成用組成物を用いることを特徴とする、電子デバイス用薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007118936A JP2008277519A (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 電子デバイス用薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007118936A JP2008277519A (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 電子デバイス用薄膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008277519A true JP2008277519A (ja) | 2008-11-13 |
Family
ID=40055137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007118936A Pending JP2008277519A (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 電子デバイス用薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008277519A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010135470A (ja) * | 2008-12-03 | 2010-06-17 | Rasa Ind Ltd | 誘電体層形成用塗布液及びその製造方法 |
EP3379860A1 (en) | 2008-10-28 | 2018-09-26 | Icom Incorporated | Relay device and relay system |
-
2007
- 2007-04-27 JP JP2007118936A patent/JP2008277519A/ja active Pending
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