JP2008277492A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程中の電極の剥がれを防止できる構造を備え、初期特性及び信頼性に優れた半導体発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】半導体発光素子は、基板上に、下から順に第1導電型のクラッド層、活性層、及び第2導電型のクラッド層が形成され、第2導電型のクラッド層を少なくとも含む層にリッジ形状のストライプ構造を備える。ストライプ構造の側面及び底面に形成された誘電体膜と、ストライプ構造の上面に形成された導電膜よりなるオーミック電極とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関するものである。
GaN系半導体レーザダイオード(LD)はブルーレイディスクに代表される高密度光ディスクシステムの光ピックアップに必要不可欠なデバイスとなっている。こうした用途を持つLDは、一般的にInGaNを活性層に、AlGaNをクラッド層に、それぞれ用いている。さらに、p型クラッド層にはリッジストライプが形成され、リッジストライプの側面及びその外側にはSiO等の誘電体膜が形成されている。誘電体膜の材料には、p型AlGaNクラッド層の屈折率よりも低い屈折率を有する材料が選択され、リッジストライプは実屈折導波路を構成する。さらに、誘電体膜は電気的に絶縁性であるため、リッジストライプ上面から注入された電流はリッジ中心に狭窄される。このため、注入されたキャリアはリッジストライプの中心近傍に閉じ込められた光を効果的に増幅する。このようにして、現在のところ、100mW以上の高出力動作を実現する光ディスク用LDが実用化されている。
LDの作製プロセスでは、リッジストライプの形成、p型オーミック電極の形成、光閉じ込め機能を果たす誘電体膜の形成といったプロセスが、LDの光学的・電気的な特性を決定する重要な工程となっている。
以下に、従来のリッジストライプ、p型オーミック電極、及び誘電体膜の形成方法について説明する。
まず、従来の形成方法のひとつでは、図11に示すように、n型GaN基板401の上に順に形成されたn型クラッド層402、n型光ガイド層403、活性層404、p型光ガイド層405、p型クラッド層406、及びp型コンタクト層407からなる半導体層の上部に、SiOやレジスト等の適当なストライプ状のマスクを形成した後ドライエッチングを行うことにより、リッジストライプを形成する。続いて、リッジストライプを覆うように誘電体膜410を形成した後に、該誘電体膜410にリッジストライプ上面を露出する開口部を形成する。続いて、開口部に露出するリッジストライプの上面及び誘電体膜410を覆うようにp型オーミック電極412を形成する。
従来の第1の形成方法によると、p型オーミック電極は、通常、リッジストライプよりも大きな面積を有する。これは、開口部と全く同じ大きさの電極を形成すること、及び誘電体膜410の開口を精度良く形成することは技術的に極めて困難だからである。例えば、開口部を形成するためのフォトリソグラフィ工程の加工精度はコンタクト露光を用いた場合には数μm程度、ステッパー露光を用いたとしてもサブμm程度の加工精度となる。したがって、通常、p型オーミック電極412の一部はリッジストライプ上面部分414以外にリッジストライプ近傍、及びリッジストライプ側壁を含む誘電体膜410上にp型オーミック電極402を構成するメタル層が形成されることとなる。
一般的に、p型オーミック電極材料として用いられるPd又はNi等の金属材料とSiO、SiN、ZrO、Ta、及びNbなどの誘電体膜材料との接着強度は低いため、電極の剥がれが生じやすく、歩留まりの上で非常に大きな問題となっている(例えば特許文献1参照)。
上記電極の剥がれを防止する目的で、特許文献1では、p型オーミック電極の上部に抑えとなる誘電体膜を形成することにより、p型オーミック電極の剥がれを防止している。
他方で、リッジストライプの形成方法として、特許文献2に挙げられる従来の技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特許文献2では、ストライプ状のp型オーミック電極を形成した後に、該p型オーミック電極をマスクとしてリッジストライプを形成するためのドライエッチングを行う方法である。このようにすると、自己整合的にリッジストライプ上面にオーミック電極を形成することができる。その後、オーミック電極を覆うように誘電体膜を形成した後に、p型オーミック電極の直上に相当する部分に開口部を形成する。このようにすると、p型オーミック電極の幅はリッジストライプ上面の幅とほぼ一致する。この場合、p型オーミック電極が誘電体膜上に形成されないので、誘電体膜上での電極の剥がれは発生しない。しかしながら、リッジストライプを形成するよりも前にp型オーミック電極を形成するために、リッジストライプ形成以後のプロセスに対して、処理温度、薬液等の観点から制約が生じる。
また、リッジストライプの形成方法として、特許文献3が挙げられる従来の技術が提案されている(例えば特許文献3参照)。
特許文献3では、コンタクト層を除いた部分のリッジストライプ側面が誘電体膜で覆われており、リッジストライプ上面及び側面に接触するリッジストライプ上の電極を形成することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法が提案されている。この方法によると、リッジストライプの形成から、光閉じ込め機能を果たす絶縁膜の形成を行い、リッジストライプ上に形成される開口をエッチバックを用いてリッジストライプの側壁まで拡大している。その後、リッジストライプの上面から側壁、さらに絶縁膜上に亘って連続したp型オーミック電極を形成する。
特許第3031415号 特開2004−253545号公報 特開2006−59881号公報
しかしながら、例えば特許文献1の構成では、p型オーミック電極を誘電体膜で抑えることにより、バー状態への劈開時におけるp型オーミック電極の剥がれを防止することはできるが、劈開以前の製造工程途中におけるp型オーミック電極の剥がれを防止することはできない。つまり、p型オーミック電極の形成工程中、及び誘電体膜形成までの工程中には、p型オーミック電極の剥がれが生じる。その結果、歩留りが大きく低下するという問題が生じる。また、本件発明者らが検討したところによると、特許文献1の構成のようにp型オーミック電極を誘電体膜で抑えるというだけでは、バー状態への劈開時におけるp型オーミック電極の剥がれを防止するには十分ではないということが分かった。
また、素子としての動作状態において、半導体レーザは細いリッジストライプ構造に大電流を注入し発光させているために、活性層近傍及び素子としての温度が著しく高温になるが、素子の停止状態では室温まで冷却されることになる。GaNよりなる半導体層とp型オーミック電極を構成する金属とでは熱膨張係数が異なるために、半導体層とp型オーミック電極とは動作時及び停止時において熱膨張による応力をそれぞれ受けることになる。このため、素子の動作時にこの応力によってp型オーミック電極の剥がれが生じてしまう可能性が高い。このとき、p型オーミック電極がGaNコンタクト層上と誘電体膜上に対して連続的に接している場合には、両者から異なる応力を受けるため、p型オーミック電極の剥がれが生じる可能性が一層高まることになる。
次に、特許文献2の構成では、p型オーミック電極の剥がれが生じることなく製造工程を行うことができるが、リッジストライプを形成する前にp型オーミック電極を形成しているため、p型オーミック電極は温度上昇により特性が悪化することになる。一般的に、リッジストライプの形成はドライエッチングで行うことが多く、ドライエッチングを行った際には、エッチング面にダメージが入ることが知られているが、このダメージを熱処理によって回復できることが知られている。GaN系の材料でも同様に、ドライエッチングによるダメージを回復するためには、リッジストライプを形成した後に熱処理を行う必要がある。ここで、p型オーミック電極をリッジストライプの形成よりも前に行うと、p型オーミック電極は耐熱性に弱いため、ドライエッチングによるダメージ回復のための熱処理を行うことができないという問題がある。
また、本件発明者らの検討によると、リッジストライプ上面の全面をp型オーミック電極によって覆っていない場合、つまり、特許文献2に記載のように、p型オーミック電極の幅がリッジストライプ上面の幅よりも狭い場合に、半導体レーザのファーフィールドパターン(FFP)に乱れが生じる。これは、特にGaN系の材料を用いた場合には顕著であり、GaN系の材料からなるp型層の電気抵抗が高いために、リッジストライプ上面と同じ幅の電極面積を持っていない場合には、リッジストライプの外側には効果的に電流が流れないために、リッジストライプの外側で発光が十分に行われないことによって生じるものと考えられる。このようなFFPの乱れは素子として好ましいものではなく、さらには、歩留まりの著しい低下につながるという問題がある。
また、特許文献3の構成では、p型オーミック電極がリッジストライプの上面から誘電体膜上にかけて連続して形成されている。このため、例えば、リッジストライプの側面及び近傍における誘電体膜上のp型オーミック電極の剥がれに起因して、リッジストライプ上面におけるp型オーミック電極の剥がれも生じてしまうという問題がある。
このようなp型オーミック電極の剥がれは、初期特性の異常を引き起こし、歩留りを低下させる大きな要因となっている。例えば、剥がれた電極が発光点を覆うことによるFFPパターンの異常や、端面近傍で剥がれることによる電流注入がなされなくなることによる発振しきい値の上昇及びスロープ効率の異常又は信頼性低下の要因ともなる。
以上説明したように、従来の技術では、工程中、劈開時、及び動作時における電極の剥がれを抑制することができないために、工程中の歩留まり、初期特性及び信頼性が低下していた。
前記に鑑み、本発明の目的は、工程中の電極の剥がれを防止すると共に、リッジストライプ構造の形成後に高温での熱処理を施すことができる半導体発光素子の製造方法を提供することで、歩留り良く初期特性及び信頼性に優れた半導体発光素子を提供することである。
前記の目的を達成するために、本発明の一形態に係る半導体発光素子は、基板上に、下から順に第1導電型のクラッド層、活性層、及び第2導電型のクラッド層が形成され、第2導電型のクラッド層を少なくとも含む層にリッジ形状のストライプ構造を備えた半導体発光素子であって、ストライプ構造の側面及び底面に形成された誘電体膜と、ストライプ構造の上面に形成された導電膜よりなるオーミック電極とを備えている。
本発明の一形態に係る半導体発光素子によると、リッジストライプ構造の上面におけるオーミック電極の剥がれを防止することができる。これにより、歩留まり良く初期特性及び信頼性に優れた半導体発光素子が実現される。
本発明の一形態に係る半導体発光素子において、オーミック電極を構成する導電膜は、ストライプ構造の側面に位置する誘電体膜上と、ストライプ構造の上面上とに形成されており、導電膜における誘電体膜上の部分とストライプ構造の上面上の部分とは、不連続である。
このようにすると、工程中に誘電体膜上におけるオーミック電極を構成する導電膜の剥がれが生じても、リッジストライプ構造の上面におけるオーミック電極を構成する導電膜がそれにつられて剥がれることがない。このため、歩留まり良く初期特性及び信頼性に優れた半導体発光素子が実現される。
また、オーミック電極を構成する導電膜が剥がれる原因は、導電膜に蓄積される機械的な応力が接着強度を上回ったときに発生する。このとき応力は導電膜の厚さと面積とによって変化するため、オーミック電極をリッジストライプ構造の上面上と誘電体膜上とで連続的に形成せずに不連続に形成することにより、導電膜に蓄積される機械的な応力を連続的に形成したときに比べて低減することができる。これは素子の動作中に素子自身の発熱で熱膨張による応力が発生することに対して有効であり、すなわり、応力が小さくなるので接着強度を上回らなくなり素子動作中のオーミック電極の剥がれを防止し、異常の無い優れた初期特性及び信頼性をもったデバイスが実現される。
また、誘電体膜における導電膜との接触面は、通常エッチングされた面であるため、誘電体膜形成直後の表面に比べて導電膜との密着性に優れていることから、誘電体膜に対する導電膜の剥がれが生じにくく、歩留りが向上する。
この場合、導電膜におけるストライプ構造の上面上の部分の膜厚は、中心部から周縁部に向かって減少している。
このようにすると、導電膜の膜厚は、中心部から周縁部に向かって減少していることで、リッジストライプ構造の上面における電極に対して、電極膜全体の機械的な応力を減少させることができるため、素子動作中の電極の剥がれに対する有効な防止策となる。
本発明の一形態に係る半導体発光素子において、第2導電型のオーミック電極を構成する導電膜は、ストライプ構造の上面上にのみ形成されている。
このようにすると、工程中及び動作中のオーミック電極の剥がれを防止することができる。このため、歩留まり良く初期特性及び信頼性に優れた半導体発光素子が実現される。
この場合、導電膜の膜厚は、中心部から周縁部に向かって減少している構成でもよいし、導電膜の膜厚は、一定であってもよい。
このようにすると、導電膜の膜厚は、中心部から周縁部に向かって減少している場合には、リッジストライプ構造の上面における電極に対して、電極膜全体の機械的な応力を減少させることができるため、素子動作中の電極の剥がれに対する有効な防止策となる。一方、導電膜の膜厚が一定である場合には、膜厚変動によるコンタクト抵抗への影響を抑制して、動作電圧の悪化を防止することができる。
本発明の一形態に係る半導体発光素子において、誘電体膜は、ストライプ構造の上面と側面の一部とを露出する開口部を有している。
このようにすると、誘電体膜の開口部がリッジストライプ構造の側面の一部を露出しているために、その上に堆積される導電膜との密着性が向上する。また、リッジストライプ構造の上面に誘電体膜が残存することを回避してコンタクト不良を防止できる。
本発明の一形態に係る半導体発光素子の製造方法は、基板上に、下から順に第1導電型のクラッド層、活性層、及び第2導電型のクラッド層を形成する工程と、第2導電型のクラッド層を少なくとも含む層にリッジ形状のストライプ構造を形成する工程と、ストライプ構造を覆うように誘電体膜を形成する工程と、誘電体膜に、ストライプ構造の上面と側面の一部とを露出する開口部を形成する工程と、開口部に露出する誘電体膜上及びストライプ構造の上面上に、導電膜を堆積する工程とを備え、導電膜における誘電体膜上の部分とストライプ構造の上面上の部分とは、不連続である。
本発明の一形態に係る半導体発光素子の製造方法によると、上述した効果を有する本発明の一形態に係る半導体発光素子が得られる。また、リッジストライプ構造を形成した後に、オーミック電極を構成する導電膜を形成する工程を行うため、リッジストライプ構造を形成した後に、リッジストライプ構造を形成した際のドライエッチングによるダメージを回復するための熱処理工程を行うことができ、その後に、オーミック電極を形成することが可能になる。
本発明によると、工程中におけるオーミック電極の剥がれを抑制して、リッジストライプ構造の形成後に高温での熱処理を施すことができる半導体発光素子の製造方法を提供することができる。これにより、歩留り良く初期特性及び信頼性に優れた半導体発光素子が実現される。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜(c)、図2(a)〜(c)、及び図3(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための要部断面図を示している。
まず、図1(a)に示すように、例えばn型のGaN基板101の上に、半導体層を形成する。具体的には、基板101の上に、有機金属気相成長(MOCVD)を用いて、下から順に、厚さ2.5μmのn型AlGa1−xN(x=0.03)よりなるクラッド層102、厚さ0.1μmのn型AlGa1−xN(x=0.003)よりなる光ガイド層103、厚さ8nmのInGa1−yN(y=0.08)よりなる障壁層と厚さ3nmのInGa1−yN(y=0.03)の井戸層とによって構成される多重量子井戸活性層104、厚さ0.1μmのp型GaNよりなる光ガイド層105、厚さ0.5μmのp型AlGa1−xN(x=0.03)よりなるクラッド層106、厚さ60nmのp型GaNよりなるコンタクト層107をそれぞれ形成する。ここで、Gaの原料としてはトリメチルガリウム、Alの原料としてはトリメチルアルミニウム、Inの原料としてはトリメチルインジウム、p型のドーパントとしてはMgを用いその原料としてはシクロペンタジエニルマグネシウム、n型のドーパントとしてはSiを用いている。また、Nの原料としてはアンモニアを、キャリアガスとして窒素及び水素を用いている。
なお、以上のように、基板101上に形成する半導体層を具体的に特定して説明したが、本発明は、上述した製造方法及び構成に限定されるものではなく、半導体層の成長方法及び構成が変わっても本発明は同様に実施可能である。また、半導体層がGaAs系やInP系であって、GaN系ではない場合であってもかまわないものであって、同様に、半導体層の構成が変化してもかまわない。
次に、図1(b)に示すように、半導体層を構成するコンタクト層107の上に、ストライプ形状を有するSiOよりなるマスクパターン108を形成する。具体的には、後述するリッジストライプの幅が1.5μmとなるようにマスクパターン108の幅を設定しており、ストライプ形状のSiOよりなるマスクパターン108の形成は、一般的に、SiOを200nm堆積した後に、フォトリソグラフィ工程を用いてストライプ形状のレジストパターンを形成する。続いて、このストライプ形状のレジストパターンをマスクに用いたRIE等のドライエッチング又はバッファードフッ酸(BHF)等を用いたウェットエッチングによりSiOをエッチングすることにより、ストライプ形状を有するSiOよりなるマスクパターン108を形成する。最後に、使用したレジストパターンを除去する。なお、ストライプ形状の幅が1〜2μm程度である場合には、レジストパターンの形成は寸法変化が小さいドライエッチングを通常使用する。
次に、図1(c)に示すように、塩素ガス(Cl)を利用した誘導結合型プラズマエッチング装置を用いて、クラッド層106及びコンタクト層107をエッチングして、リッジストライプ109を形成する。このとき、マスクパターン108を残存させたままの状態で、窒素(N)雰囲気下で800℃30分間の熱処理を行う。このようにすると、ドライエッチング面に発生したダメージを回復することができる。この点、上述した特許文献2に記載の方法に当該工程を適用することはできない。なぜなら、リッジストライプ形成のドライエッチングを行った時点でp型オーミック電極が形成されているため、その後の高温に曝される工程において、コンタクト抵抗が上昇して動作電圧が悪化するためである。ここで、当該工程におけるエッチング面のダメージを回復するための熱処理の温度は、500℃〜950℃の温度範囲が望ましく、この場合、温度が高いほど短時間の熱処理でよく、温度が低いほど長時間の熱処理が必要である。また、熱処理温度として750℃〜900℃の温度範囲とした場合には、10分〜60分までの熱処理時間とすることが望ましい。
次に、図2(a)に示すように、ウェットエッチングにより、マスクパターン108を除去する。続いて、CVD法により、リッジストライプ109の全面を覆うように、厚さ400nmのSiOよりなる誘電体膜110を形成する。なお、誘電体膜110は、CVD法によって形成されるため、リッジストライプ109の側面においても、リッジストライプ109の上面の膜厚とほぼ同等の膜厚かそれよりも少し薄い膜厚でSiOを堆積する。
次に、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィ及びエッチング技術を用いて、開口部1aを有するレジストパターン111を形成する。
次に、図2(c)に示すように、BHFを用いたウェットエッチングにより、誘電体膜110を部分的に除去することにより、開口部1bを形成する。このとき、誘電体膜110は少なくともリッジストライプ109の側面の一部まで露出するように除去される、この際コンタクト層107を超えてオーバーエッチングすることが望ましい。このように、オーバーエッチングを行うことにより、誘電体膜110の面内での膜厚バラツキによってリッジストライプ109のコンタクト層107上に誘電体膜110が残存することを回避してコンタクト不良を防止することができる。また、上記開口部1aおよび1bは、リッジストライプ109及びリッジストライプ側壁の誘電体膜110からなる凸部よりも狭い幅を持つ。
次に、図3(a)に示すように、レジストパターン111を残存させた状態で、p型オーミック電極112となるPd/Ptを蒸着することにより、p型オーミック電極112と共に誘電体膜110上のメタル層113が形成される。また、この際、レジストパターン111上にも、メタル層112aが形成される。このように、開口に用いたレジストパターン111をそのまま用いることにより、p型オーミック電極112をリッジストライプ109の上面及びウェットエッチングされた誘電体膜110のエッチング面以外に堆積されることを防止することができる。
ここで、本件発明者らは、上記開口部1bを有するレジストパターン111の代わりに、図4に示すように、リッジストライプ109及びリッジストライプ側壁の誘電体膜110からなる凸部よりも開口径が大きい開口部5aを有するレジストパターン111を比較例としてオーミック電極を形成する実験を行ったところ、レジストパターン111を形成する際のフォトリソグラフィ工程におけるパターンずれに対するマージンは向上するが、誘電体膜110上のメタル層の剥がれを生じたため、開口径として開口部1bの開口径と同等の大きさであることがより望ましいことが判明した。
また、Pd/Ptが堆積する範囲は、SiOよりなる誘電体膜110の厚さx、レジストパターン111の開口径w、及び、Pd/Ptの蒸着源と基板表面のなす角θの3つのパラメータによって幾何学的に決定される。Pd/Ptの蒸着源からの角度θはプラネタリ配置を用いて振ることが可能である。通常のステッパー露光によるレジストパターン111の開口部1aを形成する際には、±0.2μm程度の中心ずれが発生するが、上記3つのパラメータを適当に選ぶことにより、リッジストライプ109の上面の全面がPd/Ptで覆われるようにすることができる。Pd/Ptの膜厚に関しては、検討の結果、Pdの膜厚は少なくとも10nm以上であることが望ましく且つ100nm以下であることが望ましい。また、Ptの膜厚は、検討の結果、Pd膜厚の1.2倍以下の膜厚であれば、剥がれを防止することができるので望ましく、Pdの酸化又は合金化による変質に対する保護膜として働くためには、10nm以上の膜厚を有していることが望ましい。
また、本実施形態の方法によると、リッジストライプ109の上面におけるp型オーミック電極112の膜厚は、電極形成時の入射量がレジストパターン111の開口部1bの中心で最も大きいことから、開口部1bの中心部において厚くなり、開口部1bの周縁部に行くほど入射量が小さいことから膜厚は薄くなる。開口部1bの中心部はステッパーの合わせ精度と蒸着時の入射角とのバランスに応じて、リッジストライプ109の中心に必ずしも位置しない。このように、p型オーミック電極112は、開口部1bの中心部で膜厚が厚い一方でリッジストライプ109の周辺部で薄いことにより、膜全体の応力を減少させることができ、p型オーミック電極112の剥がれを抑制することができる。また、劈開時にはリッジストライプ109の周辺部から金属膜を割ることになるため、この周辺部において金属膜が薄くなっていることにより、瞬間的にかかる機械的な応力を軽減できるので、p型オーミック電極112は剥がれ難くなると考えられる。リッジストライプ109の中心部と周辺部における膜厚としては、周辺部の膜厚が中心部の膜厚に対して0.3〜0.8倍程度の薄さであることが望ましい。
また、本実施形態の方法によると、開口部1bに露出する誘電体膜110の上にもPd/Ptからなるメタル層113が堆積するが、該メタル層113はp型オーミック電極112の剥がれに影響を与えることはない。理由の1つ目としては、メタル層113が堆積する下地層は、SiOよりなる誘電体膜110におけるウェットエッチング処理された面であることである。すなわち、本件発明者等が検討したところによると、通常のCVD法によって形成されただけのSiOからなる誘電体膜110上に堆積されるPd/Ptからなるメタル層113は、下地層との接着強度が充分でなく、剥がれが生じることがあるのに対し、ウェットエッチング処理された誘電体膜110上に対するPd/Ptの接着強度は、ウェットエッチング処理されなかった場合に比べて増大するからである。なぜなら、誘電体膜110におけるウェットエッチング処理されたSiO表面には細かな凹凸が形成されることで、接着強度が増大すると考えられるからである。理由の2つ目としては、誘電体膜110上に堆積されるPd/Ptからなるメタル層113は、リッジストライプ109の上面に形成されるPd/Ptからなるp型オーミック電極112と連続することなく分離して形成されていることである。すなわち、剥がれの原因は、Pd/Ptに蓄積される機械的な応力が接着強度を上回ったときに発生し、このときの応力はPd/Ptの膜厚と面積によって変化するが、本実施形態では、誘電体膜110上のメタル層113はリッジストライプ109上のp型オーミック電極112と分離されて不連続になっているため、Pd/Ptの積層膜は全体として面積が極めて小さく且つ膜厚が薄くなっている。このため、p型オーミック電極112の剥がれ生じない。また、誘電体膜110上のメタル層113を構成するPd/Ptは素子完成時には電流注入に寄与しない部分であるため、工程中に剥がれを生じたとしても問題はない。
次に、図3(b)に示すように、レジストパターン111に対する溶剤を用いて、レジストパターン111とその上部に堆積されたメタル層112aをリフトオフする。このようにして、リッジストライプ109の形成に関係する主要なプロセスの後に、リッジストライプ109の上面の全面に亘るp型オーミック電極112を形成することができる。
次に、図3(c)に示すように、p型オーミック電極112を含むリッジストライプ109及びメタル層113を含む誘電体膜110の上にパッド電極114を形成する。なお、パッド電極114の形成は、レジストパターンを用いたリフトオフによって形成してもよいし、全面蒸着から必要な部分以外をエッチング除去することによって形成してもよい。本実施形態では、パッド電極114の層構造として下から順にTi/Pt/Au/Ti/Auとしており、レジストを用いて蒸着した金属のリフトオフ及びメッキによって形成している。続いて、基板101の裏面を研磨除去した後に、該裏面にn型オーミック電極115を形成する。
以上の各工程によって得られたウェハをバー状態にヘキ開し、半導体発光素子の共振器を形成する。さらに、端面に反射率制御の為の端面コートを施し、さらにバーをチップ状態に劈開することで、半導体発光素子が完成する。
以上説明したように、本実施形態に係る半導体発光素子によると、リッジストライプ109の上面に形成されたp型オーミック電極112が、リッジストライプ109の側壁部に位置する誘電体膜110上に形成されたメタル層113とが不連続になっていることにより、p型オーミック電極112の剥がれを防止することができる。これにより、ウェハ面内及びロット間を通じて初期特性及び信頼性の点で、歩留り良くデバイスを作製することができる。
(第2の実施形態)
図5(a)〜(c)、図6(a)〜(c)、及び図7は、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための要部断面図を示している。なお、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法は、本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法の変形例であるため、本実施形態では、第1の実施形態と同様の部分は説明を省略し、異なる部分を中心に説明することとする。
まず、上述した図3(a)に示したp型オーミック電極112を形成する工程において、レジストパターン111の形状、並びに、誘電体膜110の膜厚及び形状によっては、蒸着による金属膜が開口部1bに露出する誘電体膜110上にとどまらずレジストパターン111の側壁部に付着する場合もある。この場合、レジストパターン111の側壁部に付着した金属膜がリフトオフを阻害したり、さらには、図5(a)に示すように、誘電体膜110上のメタル層201として残存し、形状不良を引き起こす場合がある。
そこで、本実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法は、かかる問題を考慮したものであって、具体的には、以下の製造方法を経て半導体発光素子を得るものである。
上述した第1の実施形態で説明した図1(a)〜(c)、図2(a)〜(c)、図3(a)に示す工程を同様に行う。ただし、誘電体膜110の材料としては、ウェットエッチングが可能な膜を用いる。例えばSiOを用いることにより、BHFによりウェットエッチングが可能となるため、本実施形態では、CVD法により、SiOを400nm堆積することとする。
次に、図5(b)に示すように、BHFを用いたウェットエッチングにより、誘電体膜110を除去する。このとき、リッジストライプ109の側壁部に位置する誘電体膜110上に形状不良として残存していたメタル層201はリフトオフ作用によって除去される。なお、リッジストライプ109の側壁部に位置する誘電体膜111上に不連続に形成されていたメタル層201は、リッジストライプ109の側壁部に直接接していないか、又は、接していてもその接触面積が非常に小さいために、容易にリフトオフされる。
次に、図5(c)に示すように、p型オーミック電極112を含むリッジストライプ109を覆うように、光閉じ込めの機能を果たす第1の誘電体膜202及び第2の誘電体膜203を形成する。ここで、光閉じ込め機能を果たす誘電体膜としては、膜の種類に特に制限はない。なぜなら、上述した第1の実施形態のように、p型コンタクト層107の上に直接、誘電体膜110を形成していた場合には、p型コンタクト層107へのダメージを回避するために、ドライエッチングではなくウェットエッチングによって開口部を形成できる膜を選択することとなるが、図5(c)に示すように、第1及び第2の誘電体膜202及び203の下にp型オーミック電極112が配置されているため、第1及び第2の誘電体膜202及び203に対するドライエッチングの際のダメージをp型オーミック電極112が抑制する。このため、本実施形態では、第1の誘電体膜202として、TaをECRスパッタにより100nm堆積している。Taは屈折率が高いためにキンクレベルの向上に寄与する。もちろん、第1の誘電体膜202はSiOであっても構わないし、SiN、ZrO、Al、AlN、又はHfO等の膜であっても構わず、屈折率や電気的耐圧、堆積方法の有無等の設計事項により選択することができる。また、本実施形態では、Ta膜の電気的耐圧を補強するために、第2の誘電体膜203としてSiOを200nm堆積している。このようにすると、多層の光閉じ込め用の誘電体膜を簡単に歩留まり良く形成することができる。この多層の光閉じ込め誘電体膜を形成できることにより、活性層への光閉じ込めをこの多層膜で制御することが可能であり、設計の自由度が増大して利点が大きく、また、プロセスに大きな変更が必要ないことから、不良の原因が特定しやすく、試作回数が減少して開発期間が短縮される。
次に、図6(a)に示すように、フォトリソグラフィ及びエッチング技術により、第2の誘電体膜203上に、開口部2aを有するレジストパターン111を形成する。
次に、図6(b)に示すように、BHFを用いたウェットエッチングにより、SiOからなる第2の誘電体膜203を部分的に除去し、開口部2bが形成される。ここで、Taよりなる第1の誘電体膜202はBHFに対して耐性があるために、図6(b)に示すように、SiOからなる第2の誘電体膜203のみがエッチング除去される。また、第2の誘電体膜203がリッジストライプ109の側壁部まで除去されるようにウェットエッチングを行っている。
次に、図6(c)に示すように、レジストパターン111を除去した後に、例えば弗素系のガスを用いたRIEによるドライエッチングを用いて、Taよりなる第2の誘電体膜203におけるp型オーミック電極112上の部分を除去する。これにより、p型オーミック電極112が露出する。このようにして、リッジストライプ109の上面の全面にのみ、p型オーミック電極112が形成される。また、このプロセス中では、誘電体膜上に形成されたメタル層201はすでにリフトオフされているために、p型オーミック電極112が剥がれることがない。
次に、図7に示すように、p型オーミック電極112を含むリッジストライプ109並びに第1及び第2の誘電体膜202及び203の上にパッド電極114を形成する。なお、パッド電極114の形成は、レジストパターンを用いたリフトオフによって形成してもよいし、全面蒸着から必要な部分以外をエッチング除去することによって形成してもよい。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、パッド電極114の層構造として下から順にTi/Pt/Au/Ti/Auとしており、レジストを用いて蒸着した金属のリフトオフ及びメッキによって形成している。続いて、基板101の裏面を研磨除去した後に、該裏面にn型オーミック電極115を形成する。
以上の各工程によって得られたウェハをバー状態に劈開し、半導体発光素子の共振器を形成する。さらに、端面に反射率制御の為の端面コートを施し、さらにバーをチップ状態に劈開することで、半導体発光素子が完成する。
以上説明したように、本実施形態に係る半導体発光素子によると、工程中のp型オーミック電極112の剥がれが生じることなく、リッジストライプ109の上面の全面にのみp型オーミック電極112が形成された半導体発光素子を実現できる。また、第1及び第2の誘電体膜202及び203上には金属層が除去されているため、金属層が存在している場合の劈開時における剥がれの原因がなく、全製造工程を通じてp型オーミック電極112の剥がれを防止することができる。これにより、ウェハ面内及びロット間を通じて初期特性及び信頼性の点で、歩留り良くデバイスを作製することができる。また、高屈折率材料であるTaを光閉じ込め機能を果たす誘電体膜(第1の誘電体膜202)として備えていることにより、第1の実施形態に比べて、キンクレベルが向上し、より高出力の動作が可能となっている。高出力動作は光ディスクへの多層記録などのために重要な技術である。
(第3の実施形態)
図8(a)〜(c)、図9(a)〜(c)、及び図10(a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための要部断面図を示している。なお、本発明の第3の実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法は、本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法の変形例であるため、本実施形態では、第1の実施形態と同様の部分は説明を省略し、異なる部分を中心に説明することとする。
まず、上述した図3(a)に示したp型オーミック電極112を形成する工程において、形成されたp型オーミック電極112は、リッジストライプ109の中心部から周縁部に向かって膜厚が薄くなっている。GaN系のp型コンタクト抵抗はp型オーミック電極112の膜厚に敏感であるため、このような膜厚変動がp型コンタクト抵抗に影響を与えて、動作電圧が悪化する場合がある。
そこで、本実施形態に係る半導体発光素子及びその製造方法は、かかる問題を考慮したものであって、具体的には、リッジストライプ109の上面におけるp型オーミック電極112の膜厚が同じになるように、以下の製造方法を経て半導体発光素子を得るものである。
上述した第1の実施形態で説明した図1(a)〜(c)、図2(a)に示す工程を同様に行う。ただし、誘電体膜301の厚さは、リッジストライプ109の側壁部分に堆積する誘電体膜301の厚みがフォトリソグラフィに用いるステッパーの合わせ精度よりも大きくなるように形成している。リッジストライプ109の上面及び側壁部に堆積される誘電体膜の堆積膜厚はその堆積方法によって相違がある。例えば、堆積方法が熱CVDであれば、等方性の高い堆積方法であるため側壁部分に多く堆積することから、誘電体膜の厚みはステッパーの合わせ精度の2〜4倍程度で構わない。本実施形態では、ステッパーの合わせ精度を0.2μmとして、熱CVDを用いてSiOからなる誘電体膜301を600nm堆積している。
この場合、リッジストライプ109の幅にSiOからなる誘電体膜301の幅を含めると、誘電体膜301の幅の分だけ合計0.4〜0.5μm程増加している。つまり、リッジストライプ109の片側で「誘電体膜301の膜厚>ステッパーの合わせ精度」となっている。したがって、図8(a)に示すように、リッジストライプ109上に、リッジストライプ109と同じ大きさ又はそれよりも大きい開口径の開口部8aを有するレジストパターン302を形成する。このような場合であっても、リッジストライプ109上を踏み外れて開口部8aが形成されることがない。
次に、図8(b)に示すように、レジストパターン302を残存させた状態で、BHFを用いたウェットエッチングにより、SiOよりなる誘電体膜301を部分的に除去して、開口部8bを形成する。
次に、図8(c)に示すように、上述した第1の実施形態とは異なり、基板101の主面の法線方向に対して傾いた入射角を有するプラネタリではなく、ほぼ垂直に入射する法線型の配置を用いて蒸着を行うことにより、リッジストライプ109の上面及び誘電体膜301におけるウェットエッチングによって除去された面上に、p型オーミック電極303及びメタル層303bを形成する。また、このとき、レジストパターン302の上にもメタル層303aが形成される。
次に、図9(a)に示すように、レジストパターン302をリフトオフすることにより、レジストパターン302上のメタル層303aも同時に除去される。ここで、形成されたp型オーミック電極303の膜厚は、図示するように、リッジストライプ109の上部において一定にすることができる。
次に、図9(b)に示すように、上述した第2の実施形態と同様に、BHFを用いたウェットエッチングにより、誘電体膜301と共にメタル層303bを除去する。このようにして、リッジストライプ109上に、リッジストライプ109の上面と全く同じ幅を有するp型オーミック電極107を形成することができる。このように、リッジストライプ109の上面の幅と同一の幅を有するp型オーミック電極107が存在することと、膜厚によるコンタクト抵抗の変動が無いことから、電流注入が隅々まで均一になされるため、FFPの乱れが減少し歩留りが改善される。
次に、図9(c)に示すように、p型オーミック電極303を含むリッジストライプ109を覆うように、光閉じ込め機能を果たすSiOからなる誘電体膜304を200nm堆積する。
次に、図10(a)に示すように、フォトリソグラフィ及びエッチング技術により、リッジストライプ109の上部に開口部8cを有するレジストパターン305を形成する。
次に、図10(b)に示すように、レジストパターン305をマスクに用いたウェットエッチング又はドライエッチングによ、リッジストライプ109の上部に位置する誘電体膜304を開口してp型オーミック電極303を露出させた後に、レジストパターン305を除去する。
次に、図10(c)に示すように、p型オーミック電極303を含むリッジストライプ109及び誘電体膜304の上にパッド電極114を形成する。なお、パッド電極114の形成は、レジストパターンを用いたリフトオフによって形成してもよいし、全面蒸着から必要な部分以外をエッチング除去することによって形成してもよい。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、パッド電極114の層構造として下から順にTi/Pt/Au/Ti/Auとしており、レジストを用いて蒸着した金属のリフトオフ及びメッキによって形成している。続いて、基板101の裏面を研磨除去した後に、該裏面にn型オーミック電極115を形成する。
以上の各工程によって得られたウェハをバー状態に劈開し、半導体発光素子の共振器を形成する。さらに、端面に反射率制御の為の端面コートを施し、さらにバーをチップ状態に劈開することで、半導体発光素子が完成する。
以上説明したように、本実施形態に係る半導体発光素子によると、工程中のp型オーミック電極303の剥がれが生じることなく、リッジストライプ109の上面の全面にのみp型オーミック電極303が形成された半導体発光素子を実現できる。また、誘電体膜304上には金属層が除去されているため、金属層が存在している場合の劈開時における剥がれの原因がなく、全製造工程を通じてp型オーミック電極303の剥がれを防止することができる。これにより、ウェハ面内及びロット間を通じて初期特性及び信頼性の点で、歩留り良くデバイスを作製することができる。また、光閉じ込め機能を果たす誘電体膜304の材料にSiOを用いているために、低コストが実現される。なぜなら、SiO膜の堆積は誘電体膜の中でも良く研究されており、他の材料よりなる膜に比べてより簡便な方法で堆積可能だからである。また、波長405nm付近での屈折率が1.45〜1.50程度でありGaN系の材料との屈折率差Δnが大きいため、活性層で発光した光が効率よく閉じ込められ、上述の第2の実施形態で用いた高屈折率材料と比べてキンクレベルは下がるものの発振閾値を低減することができる。よって、低閾値で且つ低コストであることが要求される再生用の半導体発光素子の構成として好適である。
本発明に係る半導体発光素子は、初期特性及び信頼性に優れるため、光ディスク用のレーザ光源等にとって有用である。また、半導体発光素子を歩留まり良く製造可能な方法であるため、他の半導体発光素子を光源として用いている分野の用途にも応用できる。
(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法における比較実験を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光素子及びその製造方法を説明するための断面図である。 従来の半導体発光素子の構成を示す断面図である。
符号の説明
101 n型GaN基板
102 n型クラッド層
103 n型光ガイド層
104 活性層
105 p型光ガイド層
106 p型クラッド層
107 p型コンタクト層
108 マスクパターン
109 リッジストライプ
110 誘電体膜
111 レジストパターン
112 p型オーミック電極
112a、113 メタル層
114 パッド電極
115 n型電極
201 メタル層
202 第1の誘電体膜
203 第2の誘電体膜
301 誘電体膜
302 レジストパターン
303 p型オーミック電極
303a、303b メタル層
304 誘電体膜
305 レジストパターン
1a、1b、2a、2b、8a、8b 開口部
401 従来の半導体発光素子の構成におけるn型GaN基板
402 従来の半導体発光素子の構成におけるn型クラッド層
403 従来の半導体発光素子の構成におけるn型光ガイド層
404 従来の半導体発光素子の構成における活性層
405 従来の半導体発光素子の構成におけるp型光ガイド層
406 従来の半導体発光素子の構成におけるp型クラッド層
407 従来の半導体発光素子の構成におけるp型コンタクト層
410 従来の半導体発光素子の構成における誘電体膜
412 従来の半導体発光素子の構成におけるp型オーミック電極
414 従来の半導体発光素子の構成におけるp型オーミック電極のリッジストライプ上面部分

Claims (8)

  1. 基板上に、下から順に第1導電型のクラッド層、活性層、及び第2導電型のクラッド層が形成され、前記第2導電型のクラッド層を少なくとも含む層にリッジ形状のストライプ構造を備えた半導体発光素子であって、
    前記ストライプ構造の側面及び底面に形成された誘電体膜と、
    前記ストライプ構造の上面に形成された導電膜よりなるオーミック電極とを備えている、半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子において、
    前記オーミック電極を構成する前記導電膜は、前記ストライプ構造の側面に位置する前記誘電体膜上と、前記ストライプ構造の上面上とに形成されており、
    前記導電膜における前記誘電体膜上の部分と前記ストライプ構造の上面上の部分とは、不連続である、半導体発光素子。
  3. 請求項2に記載の半導体発光素子において、
    前記導電膜における前記ストライプ構造の上面上の部分の膜厚は、中心部から周縁部に向かって減少している、半導体発光素子。
  4. 請求項1に記載の半導体発光素子において、
    前記第2導電型のオーミック電極を構成する前記導電膜は、前記ストライプ構造の上面上にのみ形成されている、半導体発光素子。
  5. 請求項4に記載の半導体発光素子において、
    前記導電膜の膜厚は、中心部から周縁部に向かって減少している、半導体発光素子。
  6. 請求項4に記載の半導体発光素子において、
    前記導電膜の膜厚は、一定である、半導体発光素子。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の半導体発光素子において、
    前記誘電体膜は、前記ストライプ構造の上面と側面の一部とを露出する開口部を有している、半導体発光素子。
  8. 基板上に、下から順に第1導電型のクラッド層、活性層、及び第2導電型のクラッド層を形成する工程と、
    前記第2導電型のクラッド層を少なくとも含む層にリッジ形状のストライプ構造を形成する工程と、
    前記ストライプ構造を覆うように誘電体膜を形成する工程と、
    前記誘電体膜に、前記ストライプ構造の上面と側面の一部とを露出する開口部を形成する工程と、
    前記開口部に露出する前記誘電体膜上及び前記ストライプ構造の上面上に、導電膜を堆積する工程とを備え、
    前記導電膜における前記誘電体膜上の部分と前記ストライプ構造の上面上の部分とは、不連続である、半導体発光素子の製造方法。
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