JP2008277317A - パワーモジュール及び車両用インバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体チップからの発熱で、半導体チップ、基板、及び放熱材等の間の熱膨張差により発生する接合面の剥離やクラックを防止できると共に、構成を簡単にでき、製造工程を簡略化でき、製品コストを低減できるパワーモジュールを提供する。
【解決手段】パワーモジュール1は、半導体チップ2と、この半導体チップからの電流を絶縁する絶縁材3と、半導体チップ2の発熱を放熱する放熱材4と、絶縁材3と放熱材4との熱膨張差による熱応力を緩衝するための緩衝材5と、を少なくとも備え、緩衝材5は、その基材5aの少なくとも一方の表面に金属板材5bが接合されたクラッド材である。緩衝材5は、一方の金属板材5cの表面に放熱材として、金属製のフィン4が接合されている。
【選択図】図1
【解決手段】パワーモジュール1は、半導体チップ2と、この半導体チップからの電流を絶縁する絶縁材3と、半導体チップ2の発熱を放熱する放熱材4と、絶縁材3と放熱材4との熱膨張差による熱応力を緩衝するための緩衝材5と、を少なくとも備え、緩衝材5は、その基材5aの少なくとも一方の表面に金属板材5bが接合されたクラッド材である。緩衝材5は、一方の金属板材5cの表面に放熱材として、金属製のフィン4が接合されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッド車等の電力用の半導体装置を用いたパワーモジュールに係り、特に、発熱体である半導体チップとヒートシンク等の放熱材との間の熱伝導を良好にできるパワーモジュールと、このパワーモジュールを備えた車両用インバータに関する。
従来、この種のパワーモジュールとして、図6に示されるパワーモジュール41は、半導体チップ42を絶縁状態に設置する絶縁基板43と、半導体チップ42からの発熱を放熱する放熱体44と、ヒートシンク45とを備えて構成される。そして、半導体チップ42は、絶縁基板43の上面に形成されたNiめっきアルミ板等の導体43aに、高温用の第1はんだ46で接合固定されており、絶縁基板43は、窒化アルミ等のセラミックス系絶縁材料から形成されている。絶縁基板43の下面に形成されたNiめっきアルミ板等の導体43bと放熱体44とは、中温用の第2はんだ47により固定されている。また、放熱体44とヒートシンク45とは、シリコングリス48又は低温用の第3はんだ49等で接合され、冷却器を形成している。ヒートシンク45には複数のフィン45aが形成されている。
また、この種のパワーモジュール等の半導体装置は、半導体チップを搭載したセラミックス基板と、ヒートシンクとしての冷却体とを備えており、セラミックス基板を冷却体の端面に接合しいる。また、セラミックス基板は、セラミックス板の両面に銅箔を貼り合わせており、セラミックス基板と冷却体とは、金属の接合材でろう付けされている。該金属の接合材がSnを主成分とする合金、Alを主成分とする合金のいずれかである。さらに、セラミックス基板と冷却体とは、応力緩和材を介挿した拡散接合もしくは接合材を介して貼り合わること、により接合されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、前記の図6に示されるパワーモジュール41は、作動時に半導体チップ42から発熱する。半導体チップの熱膨張係数は一般的に約3ppmであり、絶縁基板(DBA)の熱膨張係数は約4.3ppmであり、アルミニウムのヒートシンク45の熱膨張係数は約25ppmであるため、直付けすると高温時には、これら部材の熱膨張差により熱応力が接合部に発生する。その結果、接合材の破壊(クラック等)、あるいは接合界面の破壊(せん断破壊)が生じることになる。そこで、熱膨張差を緩和するため、絶縁基板43とヒートシンク44との間に低熱膨張の放熱体44(約7.2ppm)を配置して、マッチングさせている。このため、パワーモジュールは多層構造となり、その全体の熱抵抗が高くなると共に、構成の複雑化に伴い製造工程が複雑となり、製品コストが高くなっている。
前記特許文献1に記載の半導体装置は、金属の接合材がSnを主成分とする合金、または、Alを主成分とする合金からなるセラミックス基板を冷却体の端面に直付けで接合している。しかし、前記接合材の接合強度は、前記熱応力に対しては十分とは言えず、さらに、近年の半導体チップの高性能化よる発熱温度の高温化により、接合面にはこれまで以上の熱応力が発生し、接合面の剥離やクラックが発生するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、半導体チップからの発熱で、半導体チップと基板との熱膨張差、基板と放熱材の熱膨張差により発生する接合面の剥離やクラックを防止できるパワーモジュールと、このパワーモジュールを用いた車両用インバータを提供することにある。また、構成を簡単にでき、製造工程を簡略化でき、製品コストを低減できるパワーモジュールと、このパワーモジュールを用いた車両用インバータを提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係るパワーモジュールは、半導体チップと、該半導体チップからの電流を絶縁する絶縁材と、半導体チップの発熱を放熱する放熱材と、絶縁材と放熱材との熱膨張差による熱応力を緩衝するための緩衝材と、を少なくとも備え、緩衝材は、該緩衝材の基材の少なくとも一方の表面に金属板材が接合されたクラッド材であることを特徴としている。
ここで、本発明にいう「クラッド材」とは、ベースとなる基材の表面に金属板材が圧接されている材料をいい、該材料は、基材と金属板材とは双方を構成する原子が他方の部材(基材と金属板材)に拡散し接合されている。よって、このような材料は、高温状態に晒された場合であっても、基材と金属板材との界面に作用する熱膨張差起因の熱応力を緩和することができ、両者の接合状態の安定化を図ることができる。このようなクラッド材は、例えば、基材と金属板材を重ねて厚さ方向に圧延することにより、製造することが可能である。該圧延により、基材と金属板材との表面は原子間距離のオーダーまで接近し、基材と金属板材の双方の原子が拡散し、基材と金属板材とが接合される。この結果、基材と金属板材との接合状態が、温度変化にかかわらず安定する。
前記のごとく構成された本発明のパワーモジュールは、半導体チップに電流が印加され、半導体チップが発熱すると、発生した熱は絶縁材を通して放熱材に伝導されて放熱される。その際、半導体チップを搭載し半導体チップからの電流を絶縁する絶縁材と、放熱材との熱膨張差による熱応力を緩衝材が緩衝する。そして、この緩衝材は、その基材の少なくとも一方の表面に金属板材が接合されたクラッド材であり、接合が強固で安定しているため、接合面の剥離やクラック等の発生を抑えることができる。また、このようにしてクラッド材を用いることにより、パワーモジュールの構成を簡略化することが可能となり、製造が容易に行なえる。
また、本発明に係るパワーモジュールの好ましい具体的な態様としては、前記緩衝材は、一方の金属板材の表面に放熱材として、金属製のフィンが接合されていることを特徴としている。このように構成されたパワーモジュールは、緩衝材の基材の少なくとも一方の表面に接合された金属板材の表面に、放熱材として金属製のフィンが接合され、緩衝材とフィンとが、パワーモジュールの冷却器の働きをする。よって、従来のようなヒートシンク天板と放熱材(緩衝材)の構造を、緩衝材であるクラッド材が担うので、パワーモジュールの構造が単純化される。さらに、このフィンは、はんだ付けで接合できるため接合が容易に行なえ、ダイキャスト等によりヒートシンク天板と一体構造として製造する必要がないので、より安価にパワーモジュールを製造することができる。
さらに、本発明に係るパワーモジュールの好ましい具体的な他の態様としては、前記絶縁材は、該絶縁材の基材の少なくとも一方の表面に金属板材が接合されたクラッド材であることを特徴としている。このように構成されたパワーモジュールでは、絶縁材の基材の少なくとも一方の表面に接合された金属板材に、ろう付けで半導体チップ又は前記緩衝材を接合することができる。この結果、接合が容易に行なえ、接合状態が強固で安定し熱伝導が良好で放熱効率を高めることができる。
また、前記緩衝材の前記基材は、金属材料と非金属材料を複合した複合材であることが好ましい。このように構成されたパワーモジュールでは、緩衝材の基材が金属材料と非金属材料を複合した複合材であり、該複合材からなる緩衝材は、絶縁基板の熱膨張率と放熱材の熱膨張率との中間の熱膨張率となるように設定でき、熱膨張時の応力緩和が効率良く行なえる。
そして、前記金属板材はアルミニウムまたは銅を主材とした材料であり、緩衝材の基材は金属材料として金属板材の材料又はそれらを主成分とする合金材料と、非鉄金属としてセラミックス又はカーボンと、を複合した複合材であること好ましい。この構成によれば、金属板材を構成する金属と緩衝材の基材に含まれる金属板材とを同種の金属にしたので、緩衝材の基材と金属板材との接合が強固となり、剥離やクラック発生を防止できる。また、複合材の非金属材料としてセラミックスまたはカーボンを使用したので、該非鉄金属材料の含有量を調整することにより、緩衝材の熱膨張性を要求に合わせて設定することができる。
本発明に係る車両用インバータは、前記したいずれかのパワーモジュールを備えていることを特徴としている。このように構成された車両用インバータは、パワーモジュールの半導体チップからの発熱は絶縁材を通して放熱材に伝導されて放熱されるが、絶縁材と、放熱材との熱膨張差による熱応力を緩衝材が緩衝し、緩衝材がクラッド材であるため、接合面の剥離やクラック等の発生を抑えることができる。そして、本発明に係るパワーモジュールは、構成が簡素化されているため、車両用インバータの小型化を図ることができ、さらには、車両用インバータの製造が容易に行なえる。
本発明のパワーモジュール、及び車両用インバータは、半導体チップからの発熱で、半導体チップ、絶縁材、及び放熱材等の間の熱膨張差により発生する接合面の剥離やクラックを防止することができる。また、パワーモジュール、及び車両用インバータの構成を簡単にでき、製造工程を簡略化でき、製品コストを低減できる。
以下、本発明に係るパワーモジュールの第1の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るパワーモジュールの断面図である。
図1において、パワーモジュール1は、半導体チップ2と、この半導体チップを設置しており、半導体チップからの電流を絶縁する絶縁材としての絶縁基板3と、半導体チップ2の発熱を放熱する放熱材であるフィン4と、絶縁基板3とフィン4との熱膨張差による熱応力を緩衝するための緩衝材5と、を少なくとも備えている。
半導体チップ2は作動時にはバッテリ等の電源から電流が供給され、高出力時には例えば250℃程度の高温状態となる。半導体チップ2は絶縁基板3の基材3aの上面に接合された金属板材3b上に、はんだ層6により固定される。このはんだ層6は、半導体チップ2が高出力型で、高温条件が厳しい場合には高融点のはんだを用いることが好ましい。絶縁基板3は半導体チップ2からの電流を絶縁する機能と、半導体チップ2から発生される熱を伝導する機能を有しており、例えばセラミックス等の絶縁材から形成され、下面にも金属板材3cが接合されたクラッド材で構成されている。
緩衝材5は低熱膨張材から形成された基材5aの少なくとも一面に金属板材5bが接合されたクラッド材であり、本実施形態では他方の面にも金属板材5cが接合されている。そして、緩衝材5は、一面の金属板材5bと、絶縁基板3の下面に形成された金属板材3cとの間に、はんだ層7が形成され、はんだ付けで接合されている。
緩衝材5の基材5aは低熱膨張材として、例えば金属材料と非金属材料を複合した複合材から形成されている。金属材料としてはAl、Cu、Siを含む安価な金属材料が用いられ、熱伝導率は100W/mK〜400W/mK程度の材料が用いられ、板厚は0.1mm〜1mm程度に設定される。非金属材料としてはSiCや、AlN等のセラミックス複合材料、又はカーボン複合材料が用いられ、熱伝導率は100W/mK〜400W/mK程度であり、熱膨張率は3ppm〜12ppm程度であり、板厚は0.5mm〜5mm程度に設定される。これらの材料を用いて形成された緩衝材5は、低コストで形成することができる。
緩衝材5の下方に接合された金属板材5cには、放熱材を構成する金属製のフィン4が、はんだ付けや、ろう付けで接合されており、緩衝材5とフィン4とからパワーモジュールの冷却器を構成する。フィン4は半導体チップ2で発熱された熱が絶縁基板3、緩衝材5を通して伝導され、ここで大気中、あるいは冷却液中に放熱させる機能を有する。フィン4は熱伝導率の高い銅系の薄板材料から形成することが好ましく、単純な熱圧着、ろう付け(活性金属法)、拡散接合等により接合されている。フィンの熱伝導率は100W/mK〜400W/mK程度が好ましく、板厚は0.2mm〜1.0mm程度が好ましい。
前記の如く構成された本実施形態のパワーモジュール1の動作について以下に説明する。パワーモジュール1の半導体チップ2に電流が供給され定格の作動状態となると、半導体チップ2は発熱し、その熱ははんだ層6を通して絶縁基板3に伝導される。半導体チップ2が発熱すると、半導体チップ2は熱膨張し、例えばその高出力時には、その温度が250℃程度の温度範囲に達する。
半導体チップ2から発生された熱は絶縁基板3に伝導されたあと、はんだ層7を通して緩衝材5に伝導され、さらにフィン4に伝導され、フィン4から放熱される。絶縁基板3はクラッド材であり、基材3aの上下面には金属板材3b,3cが圧接され、この金属板材3bを介して半導体チップ2と接合されているため、半導体チップ2と絶縁基板3との接合面に剥離やクラック等が発生することはない。
また、緩衝材5もクラッド材であり、基材5aの上下面には金属板材5b,5cが圧接され、この金属板材を介して絶縁基板3とフィン8とが接合されているため、絶縁基板3、緩衝材5、及びフィン4の接合面に剥離やクラック等が発生することはない。さらに、緩衝材5とフィン4との間にはシリコングリスがなく、熱抵抗を小さくでき、放熱効率を高めることができる。そして、このパワーモジュール1は、緩衝材5とフィン4とからパワーモジュールの冷却器を構成するので構成が簡単であり、製造が容易であるためコスト低減を達成できる。
本発明の第1の実施形態の変更例を図2に基づき詳細に説明する。図2(a)、(b)は、それぞれ本発明に係るパワーモジュールの他の実施形態の断面図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、放熱材の構成が異なっていることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図2(a)に示されるパワーモジュール1Aは、半導体チップ2、絶縁基板3、及び緩衝材5が前記の実施形態と同様に配列されている。絶縁基板3はクラッド材で、基材3aの両面に接合された金属板材3b、3cを備え、緩衝材5はクラッド材で基材5aの両面に接合された金属板材5b、5cを備える。半導体チップ2と絶縁基板3の基材3a上の金属板材3bとははんだ層6で接合され、絶縁基板3の基材3a上の金属板材3cと緩衝材5の金属板材5bとははんだ層7で接合され、緩衝材5の下方の金属板材5cに、放熱材として金属薄板を湾曲形成したフィン4Aが接合されている。
このように構成されたパワーモジュール1Aでは、半導体チップ2から発生された熱は、はんだ層6を通して絶縁基板3に伝導され、さらに、はんだ層7を通して緩衝材5に伝達され、フィン4Aから放熱される。そして、熱が伝導される経路である絶縁基板3、緩衝材5、及びフィン4Aは、クラッド材である絶縁基板3の金属板材3b、3cと、クラッド材である緩衝材5の金属板材5b、5cを介して接合されているため、接合面での剥離やクラック等の発生は防止される。
また、金属薄板から形成されたフィン4Aを、クラッド材を用いた緩衝材5に接合する構成としたことによりフィンの接合性が向上し、フィンのピッチを狭くすることができるため放熱性を向上させることが可能となる。さらに、ダイキャストやブロック材の放熱材を用いたものと比較して安価に製造することができ、パワーモジュールのコストダウンを可能とする。
図2(b)に示されるパワーモジュール1Bは、半導体チップ2、絶縁基板3、及び緩衝材5が前記の実施形態と同様に配列されている。絶縁基板3はクラッド材で、基材3aの両面に接合された金属板材3b、3cを備え、緩衝材5はクラッド材で基材5aの両面に接合された金属板材5b、5cを備える。半導体チップ2と絶縁基板3の基材3a上の金属板材3bとははんだ層6で接合され、絶縁基板3の基材3a上の金属板材3cと緩衝材5の金属板材5bとははんだ層7で接合され、緩衝材5の下方の金属板材5cに、放熱材として金属薄板を折り曲げて屈曲形成したフィン4Bが接合されている。
このように構成されたパワーモジュール1Bでは、半導体チップ2から発生された熱は、はんだ層6を通して絶縁基板3に伝導され、さらに、はんだ層7を通して緩衝材5に伝達され、フィン4Bから放熱される。そして、熱が伝導される経路である絶縁基板3、緩衝材5、及びフィン4Bは、前記の実施形態と同様に、クラッド材である絶縁基板3の金属板材3b、3cと、クラッド材である緩衝材5の金属板材5b、5cを介して接合されているため、接合面での剥離やクラック等の発生は防止される。
また、金属薄板から形成されたフィン4Bを、クラッド材を用いた緩衝材5に接合する構成としたことによりフィンの接合性が向上し、フィンのピッチを狭くすることができるため放熱性を向上させることが可能となる。さらに、ダイキャストやブロック材の放熱材を用いたものと比較して安価に製造することができ、パワーモジュールのコストダウンを可能とする。
本発明の第2の実施形態を図3に基づき詳細に説明する。図3は本発明に係るパワーモジュールの第2の実施形態の断面図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、緩衝材と放熱材の構成が異なっている。
この実施形態のパワーモジュール11は、半導体チップ12と絶縁基板13とが、前記の実施形態と同様に配列され、半導体チップ12と絶縁基板13の基材13a上の金属板材13bとが、はんだ層14で接合されている。そして、絶縁基板13と緩衝材15との間に、アルミ等の金属で形成された放熱材16が配置されている。
絶縁基板13は、前記の実施形態と同様にクラッド材で構成され、その基材13aの上面の金属板材13bと、半導体チップ12がはんだ層14で接合され、下面の金属板材13cと、放熱材16がはんだ層17で接合されている。緩衝材15は前記の実施形態と同様にクラッド材で構成され、その基材15aの上面の金属板材15bと、放熱材16がはんだ層18で接合されている。そして、緩衝材15の基材15aの下面に圧接された金属板材15cに、放熱材として金属薄板を屈曲形成したフィン19が接合されている。本実施形態では、放熱材16、緩衝材15、及びフィン19により、半導体チップ12からの発熱を放熱する冷却器が構成されている。
このように構成されたパワーモジュール11では、半導体チップ12から発生された熱は、はんだ層14を通して絶縁基板13に伝導され、はんだ層17を通して放熱材16に伝導され、さらに、はんだ層18を通して緩衝材15に伝達され、フィン19から放熱される。そして、熱が伝導される経路である半導体チップ12、絶縁基板13、放熱材16、緩衝材15、及びフィン19は、クラッド材である絶縁基板13の金属板材13b、13cと、クラッド材である緩衝材15の金属板材15b、15cを介して、それぞれ接合されているため、接合面での剥離やクラック等の発生は防止される。また、シリコングリスを使用していないため熱抵抗を小さくでき、放熱効率を高めることができる。
本発明の第3の実施形態を図4に基づき詳細に説明する。図4は本発明に係るパワーモジュールの第3の実施形態の断面図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、絶縁基板と緩衝材の構成が異なっている。
この実施形態のパワーモジュール21は、半導体チップ22と、この半導体チップを設置する基板23とを備えており、基板23に半導体チップ22がはんだ層24で接合されている。はんだ層24を形成するはんだは、高融点はんだが好ましい。基板23は半導体チップ22からの電流を絶縁する絶縁基板25と、半導体チップ22の発熱を放熱する放熱基板26とが積層され、ろう付けにより接合されている。基板23の上面、下面には、それぞれ金属板材27,28が圧接されており、基板23は両面に金属板材27,28を備えるクラッド材となっている。そして、基板23の上面の金属板材27にはんだ層24を介して半導体チップ22が接合され、基板23の下面の金属板材28にフィン29が接合されている。
この実施形態においては、半導体チップ22からの発熱は、はんだ層24と基板23の金属板材27とを通して絶縁基板25と放熱基板26に伝導され、金属板材28を通してフィン29に伝導され、放熱される。熱を伝導する基板23は両面に金属板材27,28が圧接されたクラッド材であり、このクラッド材の金属板材27,28を介して半導体チップ22とフィン29が接合されているため、接合面の剥離やクラックの発生が防止される。また、この実施形態では、構成が極めて簡単となり、薄型構造を達成できると共に、大幅なコストダウンを達成できる。
つぎに、本発明のパワーモジュールを備えた車両用インバータの一実施形態について図5を参照して説明する。図5において、この実施形態の車両用インバータ30は、エンジンとモータとを使用するハイブリッド車や、電気自動車等で使用され、直流を交流に変換し、例えば誘導電動機等の交流負荷に電力を供給する電力変換装置である。車両用インバータ30は、最小限の構成として前記の実施形態のパワーモジュール1,1A,1B,11,21、及び大容量コンデンサ31等を備えて構成される。そして、車両用インバータ30にバッテリ等の直流電源32が接続され、車両用インバータ30からのUVWの三相交流出力は例えば誘導電動機33に供給され、この誘導電動機を駆動させる。なお、車両用インバータ30は図示した例に限られるものでなく、インバータとしての機能を有するものであれは、どのような形態でもよい。
このように構成された車両用インバータ30は、例えば図1のパワーモジュール1の半導体チップ2が作動中に高温状態になると、半導体チップから発生した熱は、はんだ層6を通して半導体チップ2を設置している絶縁基板3に伝導され、さらに、はんだ層7を通して緩衝材5に伝導され、放熱材であるフィン4から放熱される。そして、絶縁基板3、及び緩衝材5はクラッド材であり、半導体チップ2、絶縁基板3、緩衝材5、及びフィン4は、絶縁基板3の上下に圧接された金属板材3b,3cと、緩衝材5の上下に圧接された金属板材5b,5cを介して、はんだ層により接合されるため接合状態が強固で安定し、接合面における熱膨張差に起因する熱応力を緩和し、剥離やクラック等の発生を防止できる。また、パワーモジュールの構成が簡略化されたことにより、車両用インバータ30を小型化することもできる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、放熱材と緩衝材との連結ははんだを用いる構成を示したが、ろう材等の接合材や、熱伝導の良好な接着剤等を用いて連結してもよい。
また、放熱材を構成するフィンの形状は、前記の波板状や、のこぎり状に限らず、矩形波状等、適宜の形状に変更してもよい。そして、放熱効率を高める上で、表面積を増大できる形状が好ましい。
本発明の活用例として、このパワーモジュールを用いて電気設備等の電力用のパワーモジュールの用途や、電力供給装置の用途にも適用できる。
1,1A,1B,11,21:パワーモジュール、2,12,22:半導体チップ、3,13:絶縁基板(絶縁材、クラッド材)、3a,13a:絶縁基板の基材、3b,3c,13b,13c:金属板材、4,4A,4B:フィン(放熱材)、5,15:緩衝材(クラッド材)、5a,15a:緩衝材の基材、5b,5c,15b,15c:金属板材、6,14,24:はんだ層(高融点はんだ)、7,17,18:はんだ層、19,29:フィン(放熱材)、25:絶縁基板(絶縁材)、26:放熱基板(放熱材)、27,28:金属板材、30:車両用インバータ
Claims (6)
- 半導体チップと、該半導体チップからの電流を絶縁する絶縁材と、前記半導体チップの発熱を放熱する放熱材と、前記絶縁材と前記放熱材との熱膨張差による熱応力を緩衝するための緩衝材と、を少なくとも備えたパワーモジュールであって、
前記緩衝材は、該緩衝材の基材の少なくとも一方の表面に金属板材が接合されたクラッド材であることを特徴とするパワーモジュール。 - 前記緩衝材は、一方の前記金属板材の表面に前記放熱材として、金属製のフィンが接合されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
- 前記絶縁材は、該絶縁材の基材の少なくとも一方の表面に金属板材が接合されたクラッド材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーモジュール。
- 前記緩衝材の前記基材は、金属材料と非金属材料を複合した複合材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパワーモジュール。
- 前記金属板材はアルミニウムまたは銅を主材とした材料であり、前記緩衝材の基材は前記金属材料として前記金属板材の材料又はそれらを主成分とする合金材料と、前記非金属材料としてセラミックス又はカーボンと、を複合した複合材であることを特徴とする請求項4に記載のパワーモジュール。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のパワーモジュールを備えた車両用インバータ。
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---|---|---|---|
JP2007115404A JP2008277317A (ja) | 2007-04-25 | 2007-04-25 | パワーモジュール及び車両用インバータ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010199494A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置及び半導体装置の製造方法 |
JP2017011923A (ja) * | 2015-06-24 | 2017-01-12 | トヨタ自動車株式会社 | 電力変換装置 |
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2007
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